(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記主処理モジュールが、サブバンドフィルタのバンクと、信号エネルギー検出部と、サブバンドエネルギー検出部のバンクと、サブバンド選択部と、同相/直交出力選択部とを備える、請求項1に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記同相/直交出力選択部が、前記ブレード付きロータの速度を表す前記出力パルス列信号として、前記選択された同相パルス列信号及び前記選択された直交パルス列信号のうちの一方を出力する、請求項6に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記バンドパスフィルタが、前記ダウンコンバートされた信号の基本周波数に対応する前記ダウンコンバートされた信号の周波数を通過して他の周波数を拒絶し、バンドパスされた信号を生成する、請求項9に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記デジタルパルス生成部が、前記制御信号に基づいて前記バンドパスされた信号をフィルタリングする第2の同調フィルタと、前記第2の同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、前記ゼロクロスに基づいてパルス列信号を生成するパルス生成部とを備える、請求項11に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記同相パルス生成部が、前記同相同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、前記同相ゼロクロスに基づいて同相パルス列信号を生成する同相パルス生成部をさらに備え、
前記直交パルス生成部が、前記直交同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、前記直交ゼロクロスに基づいて直交パルス列信号を生成する直交パルス生成部をさらに備える、請求項13に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記同相/直交出力選択部が、前記ブレード付きロータの速度を表す前記出力パルス列信号として、前記同相パルス列信号及び前記直交パルス列信号のうちの一方を出力する、請求項14に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記バンドパスフィルタが、前記ダウンコンバートされた信号の基本周波数に対応する前記ダウンコンバートされた信号の周波数を通過して他の周波数を拒絶し、バンドパスされた信号を生成する、請求項22に記載のブレード付きロータを測定する装置。
前記デジタルパルス生成部が、前記制御信号に基づいて前記バンドパスされた信号をフィルタリングする第2の同調フィルタと、前記第2の同調フィルタによって出力された前記信号のゼロクロスを検出し、前記ゼロクロスに基づいて前記出力パルス列信号を生成するパルス生成部とを備える、請求項24に記載のブレード付きロータを測定する装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施形態において、ブレード付きロータに向けてマイクロ波信号を放射し、ブレード付きロータからの反射したマイクロ波信号を受信するマイクロ波センサと、マイクロ波センサによって放射されたマイクロ波信号を生成し、反射したマイクロ波信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートする無線周波数モジュールと、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成するように構成された主処理モジュールとを含む、ブレード付きロータを測定する装置が記載される。
【0008】
ある態様において、主処理モジュールは、サブバンドフィルタのバンクと、信号エネルギー検出部と、サブバンドエネルギー検出部のバンクと、サブバンド選択部と、同相/直交出力選択部とを備える。さらに、信号エネルギー検出部は、ダウンコンバートされた信号の同相部の平均エネルギーを検出する同相エネルギー検出部と、ダウンコンバートされた信号の直交部の平均エネルギーを検出する直交エネルギー検出部と、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーとして、ダウンコンバートされた信号の同相部の平均エネルギーとダウンコンバートされた信号の直交部の平均エネルギーとを加算する加算器とを備えていてもよい。
【0009】
他の態様において、サブバンドフィルタのバンクは、複数のサブバンドフィルタ対を備え、各サブバンドフィルタ対は、同相サブバンドフィルタと直交サブバンドフィルタとを備え、各同相サブバンドフィルタは、ダウンコンバートされた信号の同相部に基づいて同相バンドパスされた信号を提供するバンドパスフィルタと、同相バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出する平均エネルギー検出部と、同相バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、同相バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて同相パルス列信号を生成するゼロクロス検出部とを備え、各直交サブバンドフィルタは、ダウンコンバートされた信号の直交部に基づいて直交バンドパスされた信号を提供するバンドパスフィルタと、直交バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出する平均エネルギー検出部と、直交バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、直交バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて直交パルス列信号を生成するゼロクロス検出部とを備える。
【0010】
他の態様において、サブバンドエネルギー検出部のバンクは、複数のサブバンドエネルギー検出部を備え、各サブバンドエネルギー検出部は、全平均サブバンドエネルギーとして各同相及び直交サブバンドフィルタ対からの同相バンドパスされた信号の平均エネルギーと直交バンドパスされた信号の平均エネルギーとを加算する加算器と、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーと全平均サブバンドエネルギーを比較し、サブバンド選択信号を提供する比較器とを備える。さらに、ある実施形態において、サブバンド選択部は、選択ロジックと、同相サブバンド選択部と、直交サブバンド選択部とを備え、選択ロジックは、サブバンドエネルギー検出部からのサブバンド選択信号に基づいて同相サブバンド選択部及び直交サブバンド選択部用の制御信号を生成し、同相サブバンド選択部は、制御信号に基づいて、選択された同相パルス列信号として出力用の同相サブバンドフィルタから生成された同相パルス列信号のうちの1つの同相パルス列信号を選択し、直交サブバンド選択部は、制御信号に基づいて、選択された直交パルス列信号として出力用の直交サブバンドフィルタから生成された直交パルス列信号のうちの1つの直交パルス列信号を選択する。
【0011】
さらに他の態様において、同相/直交出力選択部は、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号として、選択された同相パルス列信号及び選択された直交パルス列信号のうちの一方を出力してもよい。他の実施形態において、同相/直交出力選択部は、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号として出力用の選択された同相パルス列信号及び選択された直交パルス列信号のうちの一方を選択し、所定数の立ち下がり又は立ち上がりエッジがパルス列信号の選択された一方については生じないが立ち下がり又は立ち上がりエッジがパルス列信号のうちの他方について生じるまで出力用のパルス列信号のうちの一方の選択を維持するように構成されている。
【0012】
他の実施形態において、ブレード付きロータに向けてマイクロ波信号を放射することと、ブレード付きロータからの反射したマイクロ波信号を受信することと、反射したマイクロ波信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートすることと、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成することとを含む、ブレード付きロータを測定する方法が記載される。ある態様において、出力パルス列信号を生成することは、さらに、ダウンコンバートされた信号の同相部の平均エネルギー及びダウンコンバートされた信号の直交部の平均エネルギーを検出することと、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーとして、ダウンコンバートされた信号の同相部の平均エネルギーとダウンコンバートされた信号の直交部の平均エネルギーとを加算することとを含む。
【0013】
他の態様において、出力パルス列信号を生成することは、さらに、ダウンコンバートされた信号の複数のサブバンドのそれぞれについて、ダウンコンバートされた信号の同相部をバンドパスフィルタリングして同相バンドパスされた信号を提供することと、同相バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出することと、同相バンドパスされた信号のゼロクロスを検出することと、同相バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて同相パルス列信号を生成することと、ダウンコンバートされた信号の直交部をバンドパスフィルタリングして直交バンドパスされた信号を提供することと、直交バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出することと、直交バンドパスされた信号のゼロクロスを検出することと、直交バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて直交パルス列信号を生成することとを有する。
【0014】
さらに他の態様において、出力パルス列信号を生成することは、さらに、ダウンコンバートされた信号の複数のサブバンドのそれぞれについて、全平均サブバンドエネルギーとして同相及び直交バンドパスされた信号の平均エネルギーを加算することと、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーと全平均サブバンドエネルギーを比較してサブバンド選択信号を提供することとを含む。さらに、他の態様において、出力パルス列信号を生成することは、さらに、サブバンド選択信号に基づいて制御信号を生成することと、制御信号に基づいて、選択された同相パルス列信号として出力用の複数のサブバンドの同相パルス列信号のうちの1つの同相パルス列信号を選択することと、制御信号に基づいて、選択された直交パルス列信号として出力用の複数のサブバンドの直交パルス列信号のうちの1つの直交パルス列信号を選択することとを含む。さらに、他の態様において、出力パルス列信号を生成することは、さらに、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号として、選択された同相パルス列信号及び選択された直交パルス列信号のうちの一方を選択することを含む。
【0015】
他の実施形態において、ブレード付きロータに向けてマイクロ波信号を放射し、ブレード付きロータからの反射したマイクロ波信号を受信するマイクロ波センサと、マイクロ波センサによって放射されたマイクロ波信号を生成し、反射したマイクロ波信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートする無線周波数モジュールと、バンドパスフィルタ、追跡フィルタ、デジタルパルス生成部及び同相/直交出力選択部を備え、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成するように構成された主処理モジュールとを含む、ブレード付きロータを測定する装置が記載される。ある態様において、バンドパスフィルタは、ダウンコンバートされた信号の基本周波数に対応するダウンコンバートされた信号の周波数を通過して他の周波数を拒絶し、バンドパスされた信号を生成する。さらに、ある態様において、追跡フィルタは、さらに、制御信号に基づいてバンドパスされた信号をローパスフィルタローパスフィルタリングし、ローパスフィルタの出力に基づいて第1の平均エネルギー出力を生成する同調ローパスフィルタ及び平均エネルギー検出部と、バンドパスされた信号に基づいて第2の平均エネルギー出力を判定する第2の平均エネルギー検出部と、第1及び第2の平均エネルギー出力間の差分に基づいて制御信号を生成する制御部とを含む。
【0016】
他の態様において、デジタルパルス生成部は、制御信号に基づいてバンドパスされた信号をフィルタリングする第2の同調フィルタと、第2の同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、ゼロクロスに基づいてパルス列信号を生成するパルス生成部とを備える。さらに、他の態様において、デジタルパルス生成部は、同相及び直交パルス生成部を備え、同相パルス生成部は、さらに、制御信号に基づいてバンドパスされた信号の同相部をフィルタリングする同相同調フィルタを備え、直交パルス生成部は、さらに、制御信号に基づいてバンドパスされた信号の直交部をフィルタリングする直交同調フィルタを備える。
【0017】
さらに他の態様において、同相パルス生成部は、さらに、同相同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、同相ゼロクロスに基づいて同相パルス列信号を生成する同相パルス生成部を備え、直交パルス生成部は、さらに、直交同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、直交ゼロクロスに基づいて直交パルス列信号を生成する直交パルス生成部を備える。さらに、他の態様において、同相/直交出力選択部は、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号として同相パルス列信号及び直交パルス列信号のうちの一方を出力する。
【0018】
他の実施形態において、ブレード付きロータに向けてマイクロ波信号を放射することと、ブレード付きロータからの反射したマイクロ波信号を受信することと、反射したマイクロ波信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートすることと、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成することとを含み、出力パルス列信号を生成することが、さらに、ダウンコンバートされた信号の基本周波数に対応するダウンコンバートされた信号の周波数を通過して他の周波数を拒絶し、バンドパスされた信号を生成することと、制御信号に応答してバンドパスされた信号をフィルタリングしてフィルタリングされた出力を提供することとを有する、ブレード付きロータを測定する方法が記載される。
【0019】
1つの態様において、本方法は、さらに、フィルタリングされた出力に基づいて第1の平均エネルギー出力を生成することと、バンドパスされた信号に基づいて第2の平均エネルギーを生成することとを含む。他の態様において、本方法は、さらに、第1及び第2の平均エネルギー出力間の差分に基づいて制御信号を生成することを含む。さらに、他の態様において、本方法は、さらに、制御信号に応答してバンドパスされた信号に第2のフィルタリングを行い、第2のフィルタリングが行われた出力を提供することと、第2のフィルタリングが行われた出力のゼロクロスを検出することと、ゼロクロスに基づいて出力パルス列信号を生成することとを含む。
【0020】
他の実施形態において、ブレード付きロータに向けて信号を放射し、ブレード付きロータからの反射した信号を受信するセンサと、センサによって放射された信号を生成し、反射した信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートする無線周波数モジュールと、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成するように構成された主処理モジュールとを含む、ブレード付きロータを測定する装置が記載される。1つの態様において、主処理モジュールは、サブバンドフィルタのバンクと、信号エネルギー検出部と、サブバンドエネルギー検出部のバンクと、サブバンド選択部とを含む。信号エネルギー検出部は、ダウンコンバートされた信号の平均エネルギーを検出する。他の態様において、サブバンドフィルタのバンクは、複数のサブバンドフィルタを備え、各サブバンドフィルタは、ダウンコンバートされた信号に基づいて、バンドパスされた信号を提供するバンドパスフィルタと、バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出する平均エネルギー検出部と、バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいてパルス列信号を生成するゼロクロス検出部とを備える。
【0021】
ある態様において、サブバンドエネルギー検出部のバンクは、複数のサブバンドエネルギー検出部を含み、各サブバンドエネルギー検出部は、ダウンコンバートされた信号の平均エネルギーとバンドパスされた信号のそれぞれの平均エネルギーを比較してサブバンド選択信号を提供する比較部を備える。さらに、1つの実施形態において、サブバンド選択部は、選択ロジックと、サブバンド選択部とを備え、選択ロジックは、サブバンドエネルギー検出部からサブバンド選択信号に基づいてサブバンド選択部用の制御信号を生成し、サブバンド選択部は、制御信号に基づいて出力パルス列信号として出力についてサブバンドフィルタから生成されたパルス列信号のうちの1つのパルス列信号を選択する。
【0022】
さらに他の実施形態において、ブレード付きロータに向けて信号を放射し、ブレード付きロータからの反射したマイクロ波信号を受信するセンサと、センサによって放射された信号を生成し、反射した信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートする無線周波数モジュールと、バンドパスフィルタ、追跡フィルタ及びデジタルパルス生成部を備え、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成するように構成された主処理モジュールとを含む、ブレード付きロータを測定する装置が記載される。1つの態様において、バンドパスフィルタは、ダウンコンバートされた信号の基本周波数に対応するダウンコンバートされた信号の周波数を通過して他の周波数を拒絶し、バンドパスされた信号を生成する。
【0023】
他の態様において、追跡フィルタは、さらに、制御信号に基づいてバンドパスされた信号をローパスフィルタローパスフィルタリングし、ローパスフィルタの出力に基づいて第1の平均エネルギー出力を生成する同調ローパスフィルタ及び平均エネルギー検出部と、バンドパスされた信号に基づいて第2の平均エネルギー出力を判定する第2の平均エネルギー検出部と、第1及び第2の平均エネルギー出力間の差分に基づいて制御信号を生成する制御部とを備える。さらに、1つの実施形態において、デジタルパルス生成部は、制御信号に基づいてバンドパスされた信号をフィルタリングする第2の同調フィルタと、第2の同調フィルタによって出力された信号のゼロクロスを検出し、ゼロクロスに基づいて出力パルス列信号を生成するパルス生成部とを備える。
【0024】
これらの及び他の態様、目的、特徴及び実施形態は、現在認識される本発明を実施するためのベストモードと例示する実例となる実施形態の以下の詳細な説明の検討によって当業者にとって明らかになる。
【0025】
本発明及びその効果のより完全な理解のために、以下のように簡単に記載される添付図面とともに以下の明細書がここで参照される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面は、本発明の例となる実施形態のみを図示しており、したがって、本発明が他の同様の効果的な実施形態を認め得ることから、その範囲を限定するものとは考えられない。図面に示される要素及び特徴は、必ずしも縮尺通りではなく、例となる実施形態の原理を明確に図示することによって配置される代わりに強調される。さらに、ある寸法又は配置は、そのような原理を視覚的に伝達するのに役立つために誇張されてもよい。
【0028】
以下の段落において、本発明は、添付図面を参照しながら例としてさらに詳細に記載される。明細書において、周知の構成要素、方法及び/又は処理技術は、本発明を不明瞭化しないように省略されるか又は簡単に記載される。本明細書において使用されるように、「本発明(present invention)」は、本明細書に記載される発明の実施形態のうちのいずれか1つ及び任意の均等物をいう。さらにまた、「本発明(present invention)」の様々な特徴の参照は、全ての実施形態が参照される特徴を含まなければならないことを示唆することではない。
【0029】
最初に、ブレード付きロータ測定用の他の技術からマイクロ波技術を区別する技術的特徴が記載される。ここで留意すべきは、マイクロ波検知が、エンジン内のものなどの汚染物質に比較的反応しにくいということである。マイクロ波信号は、一般に、エンジン環境から汚染物質を直接通過する。マイクロ波プローブ先端が完全に無酸素でアセチレン灯を使用して炭素によって被覆されている場合であっても、プローブ先端は、マイクロ波測定に好適に動作することが示されている。そのような場合において、プローブ先端上に大量の炭素を被膜することは、マイクロ波のごく一部を吸収するが、測定は、一般に、影響を受けないままとなる。長期動作は、いくつかの場合においてそのような結果を確認している。
【0030】
本明細書に記載されたマイクロ波システムは、延長された範囲においてさえも、高い信号対雑音比で動作することができる。さらに、マイクロ波システムは、マイクロ波プローブと測定された物体との間の比較的大きな距離で測定値が取得されるのを可能とする。全体的な信号対雑音比は、目的物体に対する距離が増加するのにともない影響を受けるが、速度測定のために、最大100mm又はそれ以上の距離が適切であり得る。本明細書に記載されたマイクロ波システムはまた、必然的に広い帯域幅を有し、測定されることになる速度の範囲にわたって平坦な周波数応答を有して設計される。これは、測定されるエンジンの全動作範囲にわたって信頼性の高い測定を可能とする。
【0031】
いくつかの態様において、マイクロ波プローブ及びマイクロ波伝送ケーブルは、これらの構成要素が高温及び測定されるエンジンの振動領域に配置されることがあることから故障しがちである。タービンエンジンのブレード付きロータの測定のためのマイクロ波プローブの例となる位置は、ブレード付きロータシャフトの中心線に対して所定角度で後方に見て、測定される段階の前方にある。このように、ブレード付きロータの個々のブレードは、センサの前方にある。他のオプションは、ブレード先端において直下のマイクロ波プローブを意図することである。この構成は、速度情報を生成するために中断ブレード信号を提供する。一般に、マイクロ波プローブが対向する歯車の歯、ファンブレード及び撹拌ブレードなど、測定される物体及び自由空間の「中断」パターンに面するいずれかの位置は、例えば、速度測定のための候補である。
【0032】
本明細書に記載される実施形態において使用されるマイクロ波プローブは、高温用途のために設計されている。マイクロ波プローブの安全性は、部分的に、プローブを製造するために使用される機械設計、材料及び接合技術に依存する。マイクロ波プローブの高温フロントエンドは、内部マイクロ波素子を保護するのに役立つがマイクロ波に対して透明なセラミック窓を含む。プローブのセラミック及び金属素子は、1300℃よりも高い高温ろう付け手順を使用して接合される。本明細書に記載された多くの実施形態に関して、プローブは、ブリード冷却空気を必要としない。プローブのために選択された機械的部品及び材料は、熱膨張を低減するために選択される。セラミック窓の背後において、マイクロ波プローブのマイクロ波アンテナ構造は、安全の観点で比較的単純且つ強固である。
【0033】
マイクロ波プローブの安全性の1つの態様は、汚染が生じないように、送信用のマイクロ波信号を供給するケーブルによって気密封止を維持している。通常は、マイクロ波プローブの主な故障モードは、厳しい温度サイクルと、プローブとケーブルの接合部との間の熱膨張不整合とに起因する、この接合部における気密性の喪失である。ある実施形態において、このリスクを軽減するために、主シール及び予備シールが依存されてもよい。プローブの保護の第1のラインは、セラミック窓における主シールである。この接合部は、第1の段階のタービン温度に耐えるように設計されている。しかしながら、このシールが破壊されることになった場合には、プローブは、例えば、それらを酸化から維持するためにプローブの内部部品が白金によってメッキされてもよいことから、最小の劣化を有するように期待される。第2のシールは、ケーブルにおけるさらなる密封供給である。セラミック窓が機械的な整合性を維持し、ケーブル供給が密閉されている限り、プローブは動作し続ける。ケーブル汚染に起因するプローブのいずれの故障も、時間をかけた信号のゆっくりとした喪失としてそれ自体を表す可能性が高い。
【0034】
同様の符号は同様のものを示しているが、必ずしも全体を通して同じ要素がではない図面を参照すると、本発明の例となる実施形態が詳細に記載される。
【0035】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る速度測定システム100を図示している。システム100は、エンジン102と、電子ユニット110と、連結部112を介して電子ユニット110に連結される少なくとも1つのマイクロ波プローブ120とを含む。実施形態のうち、エンジン102は、限定されることなく、任意のガスタービン、ロータリ又は類似のエンジンを備えていてもよい。当該技術分野において理解されるような他の要素のうち、エンジン102は、シャフト140に接続された少なくとも1つのブレード付きロータ130を備える。エンジン102は、推力を生成する燃焼サイクル用のロータリ圧縮機又はタービンによる吸気の圧縮に基づいて動作する。
図2に図示されるように、ブレード付きロータ130は、燃焼排ガスがそれらに対して強制的にシャフト140を回転させるとロータ130を対称軸回りに回転させる複数のブレード132を備える。本明細書に記載されるように、ブレード付きロータ130は、エンジン102の高温部内のロータである。しかしながら、ここで留意すべきは、エンジン102が複数のブレード付きロータを備えていてもよく、任意のブレード付きロータ又はエンジン102の他の「中断」パターンがシステム100を使用して測定されてもよいということである。
図1が2つのマイクロ波センサ120を図示している一方で、1つ又は3つ以上のセンサを組み込んだ実施形態は、本開示の範囲内である。さらに、ここで留意すべきは、他の実施形態において、マイクロ波プローブ以外の近接センサが使用されてもよいということである。その場合、電子ユニット110は、以下にさらに詳細に記載されるように、マイクロ波プローブが使用される場合と比較して変更されてもよい。
【0036】
マイクロ波プローブ120は、マイクロ波信号を放射し、反射したマイクロ波信号を受信するように構成されている。
図1において、マイクロ波プローブ120は、ブレード付きロータ130に向けてマイクロ波信号を放射し、ブレード付きロータ130からの反射したマイクロ波信号を受信するように構成されている。マイクロ波信号の放射及び反射したマイクロ波信号の受信に基づいて、マイクロ波プローブ120は、比較的長い距離で且つエンジン102の高温燃焼部の過酷な環境においてブレード付きロータ130の回転を測定するのに使用される。エンジン102の速度測定に関して、エンジンが航空機に取り付けられて推力を提供するときに、電子ユニット110及びマイクロ波プローブ120は、ロータ130の速度、より具体的には、ブレード132がシャフト140の周りを回転する率を測定するように構成されている。システム100が航空機に実装される実施形態において、電子ユニット110は、航空機のエンジン制御部と直接インタフェース接続し、ロータ130及びブレード132の回転率又は速度を示すデジタルパルス列などのデジタル信号を提供するように構成されていてもよい。
【0037】
再度
図2を参照すると、本発明のある態様に係る速度測定の原理の図示が記載されている。一般に、連続的なマイクロ波信号は、生成され、送信され、ブレード132に向けて放射される。マイクロ波信号は、反射したマイクロ波信号としてブレード132から反射され、反射したマイクロ波信号が捕捉され、処理のために戻される。ある実施形態において、処理は、ブレード132の回転反射によって生じた反射マイクロ波信号の振幅及び位相変調を識別するために、反射したマイクロ波信号を、最初に生成され、送信されたマイクロ波信号を表す基準信号と比較することを含む。
【0038】
マイクロ波信号は、例えば、6又は24GHzの周波数を有するマイクロ波信号であってもよい。システム100の観点から、電子ユニット110は、連続的なマイクロ波信号を生成し、マイクロ波信号の放射のために連結部112を介してマイクロ波プローブ120に対してマイクロ波信号を送信する。連結部112は、マイクロ波信号のための任意の適切な伝送線を備えていてもよく、好ましくは、マイクロ波センサ120に対して密閉的に接合されてもよい。マイクロ波プローブ120は、ブレード132に向けてマイクロ波信号を放射し、処理のために電子ユニット110に連結部112を介して戻されるブレード132からの反射したマイクロ波信号を受信する。電子ユニット110は、反射したマイクロ波信号を基準信号と比較し、反射したマイクロ波信号の振幅及び位相変調を解析してブレード付きロータ130の速度を表す出力信号を生成する。本明細書に記載された実施形態のうち、電子ユニット110は、以下でさらに詳細に記載されるように、出力信号を生成するアナログ、デジタル又はアナログ及びデジタル回路の組み合わせを備える。
【0039】
図3Aは、速度計測システムの電子ユニット用のハウジング300の例となる実施形態を図示しており、
図3Bは、
図3Aに図示されたハウジング300内の電子回路基板の配置の例となる実施形態を図示している。
図3Aに図示されたハウジング300は、電子ユニット110用のハウジングの例となる実施形態である。図示されたように、ハウジング300は、マイクロ波I/Oポートと、電源及び制御入力/出力(I/O)ポートとを含む。マイクロ波I/Oポートは、マイクロ波プローブへの及びマイクロ波プローブからのマイクロ波信号の送信及び返信のために連結部112に連結されてもよい。他の連結部のうち、制御I/Oポートは、上述したように、電子ユニット110用の電源及び航空機のエンジン制御部に連結されてもよい。ハウジング300は、例えば、アルミニウム若しくは他の金属又はプラスチックなどの用途に適した任意の材料から形成されてもよく、ネジ、リベット又は他の留め具とともに固定されるいくつかの部分を備えていてもよい。電子ユニット100の1つ以上の電子回路基板は、積層されてハウジング300内に封入されてもよい。例えば、回路基板は、以下にさらに詳細に記載されるように、特に、無線周波数モジュール(RFM)、主処理モジュール(MPM)及び電源モジュール(PSM)を含んでもよい。
【0040】
図4を参照すると、電子ユニット110の例となる実施形態のハイレベルブロック図がさらに詳細に記載される。図示されたように、電子ユニット110は、RFM420と、MPM410と、PSM430とを含む。以下にさらに詳細に記載されるように、RFM420は、MPM410の制御に基づいて、マイクロ波プローブ120などの少なくとも1つのマイクロ波プローブによって放射するためのマイクロ波信号を生成する。次に、マイクロ波プローブ120は、上述したように、ブレード付きロータ130に向けてマイクロ波信号を放射し、ブレード付きロータ130からの反射したマイクロ波信号を捕捉する。RFM420は、マイクロ波プローブ120からの反射したマイクロ波信号を受信し、反射したマイクロ波信号をダウンコンバートされた信号にダウンコンバートし、さらなる処理のためにダウンコンバートされた信号をMPM410に通過させる。MPM410は、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータ130の速度を表す出力パルス列信号を生成するように構成されている。1つの実施形態において、PSM430は、当技術分野において理解されるように、直接電流−直接電流(DC/DC)コンバータを備える。このように、PSM430は、第1の電圧で電力を受信し、受信した電力に基づいて1つ以上の第2の電圧で電子ユニット110用の電力を生成するように構成されている。限定されない1つの例として、PSM430の他の入力及び出力電圧は本開示の範囲内であるものの、PSM430は、12VDCの入力を受信し、必要に応じて電子ユニット110の様々な回路用に5VDC、4VDC、3.3VDC、2.5VDC及び1.2VDCで出力電圧を生成するように構成されている。
【0041】
図5を参照すると、RFM420の例となる実施形態がさらに詳細に記載される。図示された例によれば、RFM420は、位相ロックループ(PLL)502と、電圧制御発振器(VCO)504と、電力分割部506と、無線周波数(RF)増幅器508、510及び514と、方向性連結部509と、同相及び直交(I/Q)ミキサ512と、増幅器516とを備える。図示されたように、RFM420は、PSM430からの電力と、MPM410からのRF制御信号とを受信する。MPM410からのRF制御信号に基づいて、PLL502及びVCO504は、マイクロ波放射(すなわち、6又は24GHz)について所望の周波数でマイクロ波信号を生成する。ある実施形態において、MPM410からのRF制御信号は、所望のマイクロ波周波数並びにMPM410からのRF制御信号に対するPLL502及びVCO504周波数及び位相ロックにおけるマイクロ波信号である。他の実施形態において、RF制御信号は、マイクロ波放射用の所望の周波数でマイクロ波信号を生成するために、所望のマイクロ波周波数の比である周波数と、PLL及びVCO504ロックと、MPM410からのRF制御信号の周波数の倍数とを有する信号を備える。さらに他の実施形態において、RF制御信号は、制御電圧を備え、PLL502及びVCO504は、制御電圧に基づいて放射用の所望の周波数でマイクロ波信号を生成する。
【0042】
電力分割部506は、PLL502及びVCO504によって生成されたマイクロ波信号を分割する。電力分割部506の一方の出力は、RF増幅器508に供給され、RF増幅器508は、マイクロ波プローブ120による放射のためにマイクロ波信号を増幅する。電力分割部506の他方の出力は、RF増幅器510に供給され、RF増幅器510は、I/Q部を含むダウンコンバートされた信号を提供するためにマイクロ波プローブ120によって戻された反射したマイクロ波信号と混合するためにマイクロ波信号を増幅してI/Qミキサ512に提供する。具体的には、マイクロ波信号がマイクロ波プローブ120による放射のためにRF増幅器508によって提供されるのと同じ経路(すなわち、連結部121)を介して、反射したマイクロ波信号がマイクロ波プローブ120によって戻される。反射したマイクロ波信号は、方向性連結部509によってI/Qミキサ512に連結され、I/Qミキサ512は、反射したマイクロ波信号をRF増幅器510の出力と混合し、I/Q部を含むダウンコンバートされた信号を提供する。ここで留意すべきは、I/Qミキサは、ダウンコンバートするためにRF増幅器510の基準出力のI及びQ部を提供する移相器513を含むということである。
【0043】
それゆえに、
図2を参照しなおすと、RF増幅器508の出力は、送信されたマイクロ波信号に対応し、RF増幅器510の出力は、基準マイクロ波信号に対応し、RF増幅器509の出力は、反射したマイクロ波信号に対応する。1つの実施形態において、I/Qミキサ512によって出力された、ダウンコンバートされた信号は、MPM410に供給される前に増幅器516によって増幅される。他の実施形態において、増幅器516は、MPM410の一部として省略又は一体化されてもよい。さらに、ここで留意すべきは、RF増幅器508、510及び514によってそれぞれ提供される増幅量は、必要とされる信号レベルに基づいて選択されてもよいということである。
【0044】
図6Aを参照すると、I/Qミキサ512によって出力された、ダウンコンバートされた信号のI/Q信号部の例が記載される。特に、
図6Aにおいて、例となるI/Q信号部が、ブレードマイクロ波反射の2つの期間にわたって経時的に図示されている。以下にさらに詳細に記載されるように、I/Q信号部は、MPM410によって処理され、ブレード付きロータ130の速度などのブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号を生成する。ここで留意すべきは、ある実施形態において、MPM410は、経時的にダウンコンバートされた信号のI又はQ部のうちの一方を選択し、出力パルス列を生成してもよいということである。ダウンコンバートされた信号のI又はQ部のうちの一方の選択は、例えば、経時的なプローブ−ブレード距離や放射されたマイクロ波信号の周波数の変化などの様々な要因に依存するI/Q信号平面におけるI/Q信号部の回転に依存してもよい。これらの要因は、例えば、経時的な温度及び湿度の変化などの環境条件に部分的に依存することがある。
図6Bを参照すると、I/Q信号平面におけるI/Q信号部の例が図示されている。I/Q信号平面において、ダウンコンバートされた信号は、ブレード付きロータ130の速度に応じて決定される率で連続的な経路に沿って振動するように見えることができる。MPM410は、例えば、ブレード付きロータ130の速度の測定値として、ダウンコンバートされた信号が
図6Bに図示された連続的な経路の両端から横断する率を決定するように構成されている。
【0045】
上述したように、
図6Bに図示された波形の形状及び位置は、プローブ−ブレード距離や経時的に放射されたマイクロ波信号の周波数変化などの様々な要因に基づいて経時的に変化することがある。I/Q信号平面におけるI/Q信号部におけるこれらの要因の影響の例が、
図7A〜
図7Dに図示されている。
図6Bに図示された波形と比べて、
図7Aに図示された波形は、反時計回りの回転を経験し、増加したプローブ−ブレード距離に応答して大きさが減少している。対照的に、
図6Bに図示された波形と比べて、
図7Bに図示された波形は、時計回りの回転を経験し、減少したプローブ−ブレード距離に応答して大きさが増加している。
図7Cに図示された波形は、経時的に放射されたマイクロ波信号の周波数増加に応答して反時計回りの回転を経験している。対照的に、
図7Dに図示された波形は、経時的に放射されたマイクロ波信号の周波数減少に応答して時計回りの回転を経験している。以下にさらに詳細に記載されるように、ダウンコンバートされた信号のI/Q信号部が
図7A〜
図7Dに図示されたように経時的に変化する場合であっても、MPM410は、I/Qミキサ512によって出力された、ダウンコンバートされた信号に基づいてブレード付きロータ130の速度を表す出力パルス列信号を生成するように設計されて構成されている。
【0046】
図8を参照すると、MPM410の例となる1つの実施形態の一例の概略図が詳細に記載されている。
図8に図示されたMPM410の実施形態は、当業者によって理解されるように、アナログ、デジタル又はアナログ及びデジタル回路の組み合わせによって実装されてもよい。しかしながら、本明細書において記載されるように、
図8に図示されたMPM410は、アナログ回路によって実装されている。すなわち、
図8に図示されたMPM410の実施形態は、アナログ−デジタル(A/D)コンバータを使用したいかなる信号変換もなく実装される。図示されたように、MPM410は、サブバンドフィルタ810及び811のバンクと、信号エネルギー検出部820と、サブバンドエネルギー検出部830のバンクと、サブバンド選択部840と、I/Q出力選択部850とを含む。信号エネルギー検出部820は、ダウンコンバートされた信号のI部(I
in)の平均エネルギーを検出する同相エネルギー検出部822と、ダウンコンバートされた信号のQ部(Q
in)の平均エネルギーを検出する直交エネルギー検出部824と、ダウンコンバートされた信号のI及びQ部の平均エネルギーを加算してダウンコンバートされた信号の全平均エネルギー信号E
totを提供する加算器826とを含む。エネルギー検出部822及び824は、当技術分野において理解されるように、二乗平均平方根(RMS)関数に基づいて、ダウンコンバートされた信号のI及びQ部のそれぞれの平均エネルギーを検出してもよい。他の平均エネルギー検出方法又は検出部822及び824の関数(すなわち、RMS)は、本開示の範囲内である。
【0047】
サブバンドフィルタ810及び811のバンクは、複数のサブバンドフィルタ対を含み、各サブバンドフィルタ対は、同相サブバンドフィルタ810及び対応する各直交サブバンドフィルタ811を備える。サブバンドフィルタの各対810a及び811a、810b及び811b、・・・並びに810n及び811nは、ダウンコンバートされた信号の各サブバンドで動作する。特に、サブバンドフィルタ810及び811のバンクは、ダウンコンバートされた信号を、ダウンコンバートされた信号の基本周波数及び基本周波数の高調波に対応するサブバンドに分割する。周波数における各サブバンドの幅は、1オクターブよりも小さい。すなわち、各サブバンドの停止周波数は、各サブバンドの開始周波数の2倍未満である(すなわち、f
stop<2・f
start、式中、f
startは、サブバンドの下側境界であり、f
stopは、サブバンドの上側境界である)。ダウンコンバートされた信号の基本周波数及び高調波並びにサブバンドのそれぞれの各帯域幅の例が
図9及び
図10に図示されている。
図9においては、ブレード通過周波数に対応するダウンコンバートされた信号の基本周波数の例が基本周波数の高調波とともに図示されている。
図10においては、複数のサブバンドフィルタ対のそれぞれの各帯域幅の例が図示されている。
【0048】
図10に見ることができるように、各サブバンドは、サブバンドの最大及び最小を除き、周波数において上下の隣接するサブバンドを有し、全てのサブバンドの結合体は、ブレード付きロータ130の関心のある完全な速度範囲を含む。f
minからf
maxまで、ブレード付きロータ130の関心のある完全な速度範囲を含むのに必要とされる帯域の最小数は、以下によって与えられる。
【数1】
式中、
【数2】
は、上限関数を意味する。
【0049】
図8を参照しなおすと、各同相サブバンドフィルタ810a−nは、ダウンコンバートされた信号の同相部I
inに基づいてバンドパスされた信号を提供するバンドパスフィルタ812と、同相バンドパスされた信号E
Iの平均エネルギーを検出する平均エネルギー検出部816と、同相バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、同相バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて同相パルス列信号P
Iを生成するゼロクロス検出部814とを備える。同様に、各直交サブバンドフィルタ811a−nは、ダウンコンバートされた信号の直交部Q
inに基づいてバンドパスされた信号を提供するバンドパスフィルタ813と、直交バンドパスされた信号E
Qの平均エネルギーを検出する平均エネルギー検出部817と、直交バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、直交バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて直交パルス列信号P
Qを生成するゼロクロス検出部815とを備える。他の方法又は関数は、本開示の範囲内であるものの、エネルギー検出部816及び817は、RMS関数に基づいて平均エネルギーを検出してもよい。
【0050】
さらに
図8に図示されたように、サブバンドエネルギー検出部830のバンクは、各サブバンドフィルタ対810a及び811a、810b及び811b、・・・、810n及び811nに対応するサブバンドエネルギー検出部830a、830b、・・・、830nを含む。各サブバンドのエネルギー検出部830は、全平均サブバンドエネルギーとして各サブバンドフィルタ対からの同相バンドパスされた信号E
Iの平均エネルギーと直交バンドパスされた信号E
Qの平均エネルギーとを加算する加算器832を備える。各サブバンドエネルギー検出部830は、さらに、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーE
totと加算器832によって出力された全平均サブバンドエネルギーを比較してサブバンド選択信号836を提供する比較器834を備える。
【0051】
サブバンド選択部840は、選択ロジック844と、同相サブバンド選択部842と、直交サブバンド選択部846とを備える。選択ロジック844は、サブバンドエネルギー検出部からのサブバンド選択信号836に基づいて同相サブバンドセレクタ842及び直交サブバンド選択部846用の制御信号を生成する。次に、同相サブバンド選択部842は、制御信号に基づいて選択された同相パルス列信号P
ISelectとして出力用の同相サブバンドフィルタ810a〜810nから生成された同相パルス列信号P
Iのうちの1つの同相パルス列信号を選択し、直交サブバンド選択部846は、制御信号に基づいて選択された直交パルス列信号P
QSelectとして出力用の直交サブバンドフィルタ811a〜811nから生成された直交パルス列信号P
Qのうちの1つの直交パルス列信号を選択する。
【0052】
選択ロジック844は、基本周波数を含むサブバンドに対応するパルス列信号P
I及びP
Qを選択して制御信号を生成する。選択ロジック844によって適用される選択基準は、そのRMSレベル(E
I及びE
QのRMSレベルの合計)が全平均エネルギー信号E
totの一定の割合に設定された閾値よりも高い周波数スペクトルにおいて最も低いサブバンドを選択することを含む。
図10は、選択ロジック844によって適用される選択基準に従った選択閾値の例を図示している。
図10に図示された例に基づいて、選択ロジック844は、サブバンド選択部842及び846を介して「バンド2」のサブバンドに対応するパルス列信号P
I及びP
Qを選択するために制御信号を生成する。すなわち、「バンド2」のサブバンドが、そのE
I及びE
Qレベルの合計が全平均エネルギー信号E
totの一定の割合である閾値よりも高い周波数において最も低いサブバンドであることから、選択ロジック844は、「バンド2」のサブバンドに由来するパルス列信号P
I及びP
Qを選択するために制御信号を生成する。
【0053】
再度
図8を参照すると、I/Q出力選択部850は、ブレード付きロータ130の速度を表す出力パルス列信号P
outとして、選択された同相パルス列信号P
ISelect及び選択された直交パルス列信号P
QSelectのうちの一方を出力する。I/Q出力選択部850によって適用される選択基準は、所定数のエッジ(立ち下がり又は立ち上がり)が選択された信号については生じないがエッジが他方の信号について生じるまで、選択されたパルス列信号P
ISelect及びP
QSelectのうちの現在の選択を維持することを含む。1つの実施形態において、所定数の立ち下がり又は立ち上がりエッジが3つのエッジであってもよいが、例えば、2つ又は4つなどの他の数のエッジは、本開示の範囲内である。この選択基準は、さらに、
図11に図示されている。
図11において、エッジが信号P
ISelectについては生じないが3つのエッジ1102が信号P
QSelectについて生じるまで、信号P
ISelectが出力される。次に、エッジが信号P
QSelectについては生じないが3つのエッジ1104が信号P
ISelectについて生じるまで、信号P
QSelectが出力される。これに関連して、ここで留意すべきは、上述したように且つ
図7A〜
図7Dに図示されたように、ダウンコンバートされた信号のI/Q信号部が回転するとき、ゼロクロス検出部814及び815のうちの一方のみがI/Q信号部のゼロクロスを検出することができるということである。I/Q出力選択部850は、ダウンコンバートされた信号のI/Q信号部が経時的に回転し、それゆえに、I/Q信号部のゼロクロスの検出が、同相ゼロクロス検出部814から直交ゼロクロス検出部815へと移行するか又はその逆になるという事実を構成するように構成されている。
【0054】
一般に、エンジン制御部がロータ130の速度に関するフィードバックを有するように、ブレード付きロータ130の速度を表す出力パルス列信号P
outが航空機のエンジン制御部に設けられる。出力パルス列信号P
outを参照して、エンジン制御部は、ロータ130の速度に基づいて、エンジン制御部とエンジン102との間の制御ループを閉じることができる。このように、エンジン制御部は、エンジンの損傷、故障又は危険な動作条件を示す性能メトリックを含むエンジン102の性能の様々なメトリックを計算することができる。エンジン制御部は、それゆえに、出力パルス列信号P
outに基づいてエンジンが危険な動作条件で動作していると判定された場合に、より良好にエンジン102を停止させることができる。
【0055】
ここで留意すべきは、他の実施形態においては、マイクロ波プローブ以外の近接センサが使用されてもよいということである。マイクロ波プローブ以外の近接センサが使用される場合、ある実施形態においては、近接センサが受信した反射信号は、別個の同相及び直交位相チャンネルを使用することなくダウンコンバートされ得る。この場合、
図8の構成は、同相及び直交部のうちの一方のみに依存するように変更されることができる。換言すれば、別個の同相及び直交ダウンコンバートされたチャンネルなしに、
図8の構成は、同相又は直交部のうちのいずれか一方に類似する単一のチャンネルのみについて変更されることができる。
【0056】
図12を参照すると、MPM410の他の実施形態の例となる概略図が詳細に記載されている。ここで再度留意すべきは、
図12に図示されたMPM410の実施形態は、アナログ、デジタル又はアナログ及びデジタル回路の組み合わせによって実装されてもよいものの、
図12に図示されたMPM410の例となる実施形態は、アナログ回路によって実装されている。
図12において、MPM410は、バンドパスフィルタ1210と、追跡フィルタ1220と、デジタルパルス生成部1215と(1215a及び1215b)と、I/Q出力選択部1260とを含む。バンドパスフィルタ1210は、同相バンドパスフィルタ1214と、直交バンドパスフィルタ1212とを含む。1つの実施形態において、バンドパスフィルタ1212及び1214は、ダウンコンバートされた信号の基本周波数及び基本周波数の所定の高調波に対応する範囲にわたって周波数を通過して他の周波数を除去し、ノイズを低減する。これに関連して、バンドパスフィルタ1212及び1214は、バンドパスされてダウンコンバートされた出力信号を生成する。
【0057】
追跡フィルタ1220は、比例積分微分(PID)制御部1238によってそれぞれ同調される一対の同相及び直交同調ローパスフィルタ1222及び1242を含む。同相同調ローパスフィルタ1222は、同相バンドパスフィルタ1214の出力を受信し、直交同調ローパスフィルタ1242は、直交バンドパスフィルタ1212の出力を受信する。PID制御部1238は、それぞれの出力信号の結合エネルギーがそれぞれの入力信号の結合エネルギーの所定の割合であるように、ローパスフィルタ1222及び1242のカットオフ周波数を調整又は同調するために制御信号1239を生成するように構成されている。所定の割合は、ダウンコンバートされた信号のエネルギーに対する反射したマイクロ波ブレード通過信号の基本周波数の相対エネルギーに係る様々な実施形態において定義されている。換言すれば、フィルタ1222及び1242の出力エネルギーが目標エネルギー未満である場合には、PID制御部1238は、制御信号1239を介してフィルタ1222及び1242のカットオフ周波数を増加させる。逆に、フィルタ1222及び1242の出力エネルギーが目標エネルギーを超えている場合には、PID制御部は、フィルタ1222及び1242のカットオフ周波数を低下させる。このようにして、追跡フィルタ1220は、反射したマイクロ波ブレード通過信号の基本周波数を追跡する。
【0058】
図13は、本発明の所定の態様に係るローパスフィルタ1222及び1242の同調された帯域幅1302の例となる説明を提供する。
図13において、ローパスフィルタ1222及び1242の同調された帯域幅1302は、調整可能であるように図示されている。上述したように、ローパスフィルタ1222及び1242の帯域幅1302は、PID制御部1238によって生成された制御信号1239に基づいて調整される。
【0059】
図12に戻ると、追跡フィルタ1220はまた、同相及び直交同調ローパスフィルタ1222及び1242からの出力信号の平均エネルギーをそれぞれ検出する第1及び第2のエネルギー検出部1226及び1246を含む。1つの実施形態において、エネルギー検出部1226及び1246は、同相及び直交同調ローパスフィルタ1222及び1242からの出力信号のそれぞれ用のRMSエネルギー出力信号を生成してもよい。第1及び第2のエネルギー検出部1226及び1246から出力される平均エネルギーは、加算器1232によって加算される。集合的には、(加算器1232によって加算されるような)エネルギー検出部1226及び1246によって検出されて出力される平均エネルギーは、第1の平均エネルギー出力を有する。追跡フィルタ1220は、さらに、同相及び直交エネルギー検出部1224及び1244と、同相及び直交エネルギー検出部1224及び1244の出力を加算する加算器1228とを含む。加算器1228の出力は、第2の平均エネルギー出力を有する。ダウンコンバートされた信号のエネルギーに対する反射したマイクロ波ブレード通過信号の基本周波数の相対エネルギーを表す入力信号をPID制御部1238に提供するために、第1の平均エネルギー出力は、インバータ1234によってインバートされ、加算器1236によって第2の平均エネルギー出力と加算される。このように、加算器1236の出力は、第1及び第2の平均エネルギー出力間の差分を表す。次に、ダウンコンバートされた信号のエネルギーに対する反射したマイクロブレード通過信号の基本周波数の相対エネルギーを表す加算器1236の「差分」出力は、PID制御部1238に提供される。
【0060】
PID制御部1238によって生成される制御信号1239に基づいて、デジタルパルス生成部1215a及び1215bの同調バンドパスフィルタ1216及び1217の通過帯域もまた調整される。同調ローパスフィルタ1222及び1242と比較して、同調バンドパスフィルタ1216及び1217は、第2の同調フィルタを備える。ここで留意すべきは、パルスがゼロクロス検出部1218及び1219によって正確に生成されることができるように、追跡フィルタ1220の主な機能は、同調バンドパスフィルタ1216及び1217の通過帯域の帯域幅を調整するために入力として制御信号1239を生成することであるということである。
図14は、バンドパスフィルタ1216及び1217の同調された帯域幅1402の例となる説明を提供する。
図14において、バンドパスフィルタ1216及び1217の同調された帯域幅1402は、調整可能であるように図示されている。上述したように、バンドパスフィルタ1216及び1217の帯域幅1402は、PID制御部1238によって生成された制御信号1239に基づいて調整される。
【0061】
図12を参照しなおすと、ゼロクロス検出部1218は、同調バンドパスフィルタ1216によって出力された信号のゼロクロスを検出し、ゼロクロスに基づいて同相パルス列信号P
Iを生成する。同様に、ゼロクロス検出部1219は、同調バンドパスフィルタ1217によって出力された信号のゼロクロスを検出し、ゼロクロスに基づいて直交パルス列信号P
Qを生成する。同相及び直交パルス列信号P
I及びP
Qは、I/Q選択部850と同様に動作してブレード付きロータ130の速度を表すパルス列出力信号P
outを提供するI/Q選択部1260に対する入力として提供される。
【0062】
再度、エンジン制御部がロータ130の速度に関するフィードバックを有するように、出力パルス列信号P
outが航空機のエンジン制御部に設けられてもよい。
図12に図示されたMPMの実施形態は、
図8に図示されたMPMの実施形態が行うように、ブレード付きロータ130の速度を表すパルス列出力信号を提供することを目的とする。
【0063】
ここで再度留意すべきは、他の実施形態においては、マイクロ波プローブ以外の近接センサが使用されてもよいということである。マイクロ波プローブ以外の近接センサが使用される場合、ある実施形態においては、近接センサによって受信した反射信号は、別個の同相及び直交位相チャンネルを使用することなくダウンコンバートされてもよい。この場合、
図12の構成は、同相及び直交部のうちの一方のみに依存するように変更されることができる。換言すれば、別個の同相及び直交ダウンコンバートされたチャンネルなしに、
図12の構成は、同相又は直交部のうちのいずれか一方に類似する単一のチャンネルのみについて変更されることができる。
【0064】
図15〜
図18の処理フロー図を参照する前に、ここで留意すべきは、本発明は、
図15〜
図18に図示された工程の他の順序を使用して実施されてもよいということである。すなわち、
図15〜
図18に図示された処理フローは、例としてのみ提供され、本発明は、それらの図示とは異なる処理フローを使用して実施されてもよい。さらに、ここで留意すべきは、全ての工程が全ての実施形態において必要とされるとは限らないということである。換言すれば、1つ以上の工程は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく省略又は置換されてもよい。他の実施形態においては、工程は、互いに並列的に、異なる順序で行われるか、又は、完全に省略されてもよい、及び/又は、所定の追加の工程は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく行われてもよい。
【0065】
図15を参照すると、ブレード付きロータの速度測定の方法1500が記載されている。方法1500は、
図1及び
図4に図示された速度測定システムと関連して記載されるが、本明細書に記載された他のシステム及び実施形態によって実施されてもよい。工程1510において、電子ユニット110は、ブレード付きロータ130に向けてマイクロ波信号を放射し、工程1520において、電子ユニット110は、ブレード付きロータ130からの反射したマイクロ波信号を受信する。工程1530において、電子ユニット110のRFM420は、ダウンコンバートされた信号に対して反射したマイクロ波信号をダウンコンバートする。工程1550において、電子ユニット110のMPM410は、ダウンコンバートされた信号に基づいて、ブレード付きロータ130の速度を表す出力パルス列信号を生成する。
【0066】
図16を参照すると、工程1540における出力パルス列信号の生成の1つの実施形態がさらに詳細に記載される。
図16に図示された出力パルス列信号の生成処理は、
図8に図示されたシステム要素と関連して記載されるが、当業者によって理解されるように、他の同等の要素によって実施されてもよい。工程1610において、同相エネルギー検出部822は、ダウンコンバートされた信号の同相部の平均エネルギーを検出し、工程1620において、直交エネルギー検出部824は、ダウンコンバートされた信号の直交部の平均エネルギーを検出する。工程1630に進むと、加算器826は、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーとして、ダウンコンバートされた信号の同相部の平均エネルギーとダウンコンバートされた信号の直交部の平均エネルギーとを加算する。さらに、ダウンコンバートされた信号の複数のサブバンドのそれぞれについて、サブバンドフィルタ810のバンクは、工程1640において、ダウンコンバートされた信号の同相部をバンドパスフィルタリングして同相バンドパスされた信号を提供し、工程1650において、同相バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出し、工程1660において、同相バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、工程1670において、同相バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて、同相パルス列信号を生成する。同様に、ダウンコンバートされた信号の複数のサブバンドのそれぞれについて、サブバンドフィルタ811のバンクは、工程1642において、ダウンコンバートされた信号の直交部をバンドパスフィルタリングして直交バンドパスされた信号を提供し、工程1652において、直交バンドパスされた信号の平均エネルギーを検出し、工程1662において、直交バンドパスされた信号のゼロクロスを検出し、工程1672において、直交バンドパスされた信号のゼロクロスに基づいて、直交パルス列信号を生成する。
【0067】
工程1680において、ダウンコンバートされた信号の複数のサブバンドのそれぞれについて、サブバンドエネルギー検出部830のバンクは、全平均サブバンドエネルギーとして、同相及び直交バンドパスされた信号の平均エネルギーを加算する。工程1680の後、処理は、
図17に図示されたように工程1710に進み、ダウンコンバートされた信号の複数のサブバンドのそれぞれについて、サブバンドエネルギー検出部830のバンクは、ダウンコンバートされた信号の全平均エネルギーと全平均サブバンドエネルギーを比較してサブバンド選択信号を提供する。工程1720において、選択ロジック844は、サブバンド選択信号に基づいて制御信号を生成し、工程1720において、同相サブバンド選択部842は、制御信号に基づいて、選択された同相パルス列信号として出力について複数のサブバンドの同相パルス列信号のうちの1つの同相パルス列信号を選択する。同様に、工程1730において、直交サブバンド選択部846は、制御信号に基づいて、選択された直交パルス列信号として出力について複数のサブバンドの直交パルス列信号のうちの1つの直交パルス列信号を選択する。工程1740に進み、I/Q出力選択部は、ブレード付きロータの速度を表す出力パルス列信号として、選択された同相パルス列信号及び選択された直交パルス列信号のうちの一方を選択することによって出力パルス列信号を生成する。
【0068】
図18を参照すると、工程1540における出力パルス列信号の生成の他の実施形態がさらに詳細に記載されている。
図18に図示された出力パルス列信号の生成の処理は、
図12に図示されたシステム要素と関連して記載されるが、当業者によって理解されるように、他の等価な要素によって実施されてもよい。工程1810において、バンドパスフィルタ1210は、ダウンコンバートされた信号の基本周波数に対応するダウンコンバートされた信号の周波数を通過して他の周波数を拒絶し、バンドパスされた信号を生成する。工程1820において、同調ローパスフィルタ1222及び1242は、制御信号に応答してバンドパスされた信号をフィルタリングし、フィルタリングされた出力を提供する。工程1830に進み、エネルギー検出部1226及び1246は、同調ローパスフィルタ1222及び1242のフィルタリングされた出力に基づいて第1の平均エネルギー出力を生成する。さらに、工程1840において、エネルギー検出部1224及び1244は、バンドパスされた信号に基づいて、第2の平均エネルギーを生成する。
【0069】
工程1850に進み、PID制御部1238は、第1及び第2の平均エネルギー出力間の差分に基づいて制御信号を生成する。工程1860において、制御信号に基づいて、同調バンドパスフィルタ1216及び1217は、制御信号に応答してバンドパスされた信号に第2のフィルタリングを行い、第2のフィルタリングが行われた出力を提供する。第2のフィルタリングが行われた出力を使用して、ゼロクロス検出部1218及び1219は、工程1870において、第2のフィルタリングが行われた出力のゼロクロスを検出する。検出されたゼロクロスに基づいて、I/Q選択部1260は、工程1880において、ゼロクロスに基づいて出力パルス列信号を生成する。
【0070】
本発明の実施形態が本明細書において詳細に記載されてきたが、説明は例示である。本明細書に記載された発明の特徴は、代表的なものであり、他の実施形態においては、所定の特徴及び要素が追加又は省略されてもよい。さらに、本明細書に記載された実施形態の態様に対する変更が、その範囲が変更及び同等の構造を含むように最も広い解釈が与えられるべきである以下の特許請求の範囲において定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって行われてもよい。