【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、
凝縮装置から下流の設備へと流れるプロセスガスが凝縮しないよう、凝縮し得る成分を含有するプロセスガスを、凝縮条件を超える温度に再加熱するセクションを含む
凝縮装置を提供することによって達成され、腐食凝縮性液の場合、該設備は標準的な炭素鋼から製造できる。
【0009】
本発明の目的のため、以下の術語を適合させるべきである。
【0010】
ガスの成分の露点は、その成分がガス混合物から凝縮する温度/圧力である。
【0011】
条件Yにおいて凝縮し得る1つ又はより多くの成分を含有する、条件Xにおけるガスは、条件X(温度及び圧力)においてはガス状であるが、条件Y(より低い温度及び/又はより高い圧力)では、ガスの一部が液体として凝縮に到る組成物であると理解されるべきである。条件が言及されない場合、すなわち、1つ又はより多くの凝縮し得る成分を含有するガスの場合、条件Yは、大気圧及び室温であると見なされ、かつ、条件Xは、ガスが“露点を上回る”、すなわち、凝縮しない、より高い温度及び/又はより低い圧力にあると見なされる。凝縮し得るガスという語は室温及び大気圧における、1つ又はより多くの凝縮し得る成分を含有するガスと理解されるべきである。
【0012】
凝縮装置は、暖かいプロセスガスが凝縮し得る成分を含有する場合に、この成分が
凝縮装置内部で凝縮するよう、暖かいプロセスガスと伝熱媒体との間で熱交換を生じさせるプロセスユニットであると理解されるべきである。
【0013】
凝縮装置の凝縮
側又はプロセスガス
側は、凝縮し得る成分を含有するプロセスガスの流れが、凝縮が実際に起こるような条件とは関係なく流れるよう構成された
凝縮装置の
側であると理解されるべきである。
【0014】
凝縮装置の伝熱媒体
側は、伝熱媒体が流れる
凝縮装置の
側であると理解されるべきである。
【0015】
凝縮物は、凝縮し得る成分を含有するガスの冷却によって形成された液体であると理解されるべきである。位置に関して、上流は、典型的な運転の間のインレットに近い位置にあると理解されるべきである。
【0016】
位置に関して、下流は、典型的な運転の間のアウトレットに近接した位置にあると理解されるべきである。
【0017】
凝縮装置ユニットについて、上流セクション及び下流セクションは、伝熱媒体ではなく、プロセスガス
側の典型的な流れ方向によって画定されるべきである。上流のプロセスガス冷却区域は、
凝縮装置へのプロセスガスのインレットに近接した、
凝縮装置のプロセスガス
側の区域であると理解されるべきである。下流のプロセスガス冷却区域は、
凝縮装置からのプロセスガスのアウトレットに近接した、
凝縮装置のプロセスガス
側の区域であると理解されるべきである。
【0018】
プロセスガス再加熱区域は、プロセスガスが再加熱される、
凝縮装置のプロセスガス
側の区域であると理解されるべきである。
【0019】
向流は、流れが対向する方向、又は実質的に対向する方向にある2つの流れであると理解されるべきである。
【0020】
直交流は、流れが直交する方向又は実質的に直交する方向にある2つの流れであると理解されるべきである。
【0021】
本発明全体にわたり、化学化合物は、化学式、化学名又は慣用名で呼ぶことができる。これらは完全に同義であると理解されるべきであり、また、本発明の術語における差異は特別な意味を持たない。
【0022】
凝縮問題を防止するという目的は、プロセスガス
側及び伝熱媒体
側を有する
凝縮装置であって、
該
凝縮装置は、凝縮
側のインレットへの凝縮し得る成分を含有する高温プロセスガスを供給するために構成されており、かつ、
冷却されたプロセスガスを、凝縮
側のアウトレットから回収するようさらに構成され
ており、かつ、
凝縮装置の一端に近接する位置で凝縮物を回収するよう、さらに構成されており、かつ、
該
凝縮装置は、冷温伝熱媒体インレット及び加熱された伝熱媒体アウトレットを有するように構成されたプロセスガス冷却区域、及び、
該プロセスガスを再加熱するよう構成された、該プロセスガス冷却区域の下流のプロセスガス再加熱区域に分割されたプロセスガス
側を有し、
凝縮装置を出るプロセスガスが実質的に非凝縮であるという利点を伴う上記の
凝縮装置により、本発明に従って達成される。
【0023】
さらなる実施形態において、プロセスガス再加熱区域のプロセスガス
側は、加熱された伝熱媒体からの熱エネルギーを受容するように構成され、
凝縮装置中に放出された熱を回収することにより、改善された熱効率をもたらす。
【0024】
さらなる実施形態は、伝熱媒体及びプロセスガスが、再加熱区域中で、向流で流れるように構成され、伝熱媒体からプロセスガスへの改善された伝熱をもたらす。
【0025】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、伝熱媒体及びプロセスガスが再加熱区域中で、直交流で作用するように構成され、再加熱区域の簡単な物理構成をもたらす。
【0026】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、凝縮物がプロセスガスインレット近接で回収されるように構成され、改善された凝縮効率をもたらし、それにより、その後の凝縮物の濃厚化を防止する。
【0027】
さらなる実施形態において、凝縮物は硫酸又は発煙硫酸を含み、硫酸又は発煙硫酸の製造法に特別な利点をもたらす。
【0028】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、プロセスガス
側が、ガラスによって熱交換媒体から分離されるよう構成され、
凝縮装置における耐腐食性の高い範囲をもたらすという利点を伴う。
【0029】
さらなる実施形態において、
凝縮装置はガラス管を含み、該ガラス管は、その内面上にプロセスガスの流れを、かつ、そのガラス管の外側面上に伝熱媒体の流れを有し、プロセスガス
側と、大きな表面積の伝熱媒体
側との間における熱界面をもたらす。
【0030】
さらなる実施形態において、
凝縮装置はガラス管を含み、該ガラス管は、その内面上に伝熱媒体の流れを、かつ、そのガラス管の外側面上にプロセスガスの流れを有し、凝縮物の回収とは独立した、ガラス管の物理的配向、例えば、水平にガラス管を装着するのを可能にする。
【0031】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、凝縮区域と再加熱区域の伝熱媒体
側上で伝熱媒体の流れを分離する流れ制限要素をさらに含み、凝縮区域と再加熱区域とを熱分離するという利点を伴う。
【0032】
さらなる実施形態において、流れ制限要素は、金属板に取り付けられた1つ又はより多くの安定化要素を含み、流れ制限要素の高圧安定性が得られる一方で、同等の圧力安定性を有する巨大な板と比較して、限られた量の材料しか必要としない。
【0033】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、1つ又はより多くの乱流強化要素をさらに含み、プロセスガスと管壁との改善された接触をもたらすという利点を伴う。
【0034】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、1つ又はより多くの固定要素、例えば個々のインデントをさらに含み、管内部の配置要素を、最小限の管の変更で固定する手段が提供される。
【0035】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、より小さい内側断面積を有するガラス管のセクションである固定ショルダーをさらに含み、管の外形全体を損なうことなく管内部の配置要素を固定する手段を提供する。
【0036】
さらなる実施形態において、該1つ又はより多くの乱流強化要素は、該固定要素からの懸垂により固定されるよう構成され、乱流強化要素の重量による、液滴の合体要素の変形を防止する。
【0037】
さらなる実施形態において、該1つ又はより多くの乱流強化要素は、該固定要素上におくことによって固定されるよう構成され、乱流強化要素中の引張り応力を防止するという利点を伴う。
【0038】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、液滴合体要素をさらに含み、プロセスガスの再加熱の前に凝縮物を最大化できるよう、ミスト及び液滴を合体させる。
【0039】
さらなる実施形態において、該固定要素は、液滴合体要素の動きが制限されるように液滴合体要素と係合し、プロセスガスの再加熱の前に凝縮を最大化できる位置に液滴合致要素が固定される。
【0040】
さらなる実施形態において、
凝縮装置は、液滴合体要素の動きを制限するよう構成された制限要素さらに含み、液滴合体要素の位置がさらに固定されるという利点を伴う。
【0041】
固定要素として管ショルダーホルダーを有する
凝縮装置のさらなる実施形態において、制限要素は、狭い端部と広い端部とを有し、かつ、その広い端部が、制限要素の動きが制限されるように管壁の固定ショルダーと機械的に係合して使用されるように構成された、1つ又はより多くのシート型要素をさらに含み、結合された液滴合体要素及び固定要素にわたり最小限の追加の圧力損失で、液滴合体要素の位置を固定するという利点をもたらす。
【0042】
固定要素としての1つ又はより多くの管インデント(indentations)を有する
凝縮装置のさらなる実施形態において、制限要素は、リング型要素をさらに含み、該リング型要素はその外周が、制限要素の動きが制限されるように、制限要素と機械的に係合させるのに使用されるよう構成されるという利点を伴う。
【0043】
本発明の代替的な実施は、プロセスガス中の硫酸及び/又は発煙硫酸を凝縮する方法であって、
(i)プロセスガスを、本発明による硫酸凝縮段を通過させる工程であって、インレット温度が硫酸の露点を超える、該工程、
(ii)プロセスガスを、硫酸の露点未満に冷却する工程、
(iii)硫酸を凝縮し、そして回収する工程、及び
(iv)プロセスガスを、
凝縮装置段で硫酸の露点を上回るまで再加熱する工程、
を含む、該方法であり、下流の凝縮の危険性を取り除くため、
凝縮装置下流の耐腐食性材料の必要性を低減する従来技術を超える利点をもたらす。
【0044】
さらなる実施形態において、工程(iv)における再加熱後の
凝縮装置段からのアウトレットにおけるプロセスガスの温度は、硫酸の露点を少なくとも10℃超えており、十分な安全マージンで下流の凝縮の危険性が取り除かれるため、
凝縮装置下流の耐腐食性材料の必要性を低減する。
【0045】
本発明のさらなる代替的な実施は、プロセスガス中の硫酸及び/又は発煙硫酸の製造方法に関し、該方法は、
(a)0.1〜30モル%のSO
2を含有する供給プロセスガスを提供する工程、
(b)該供給プロセスガスを、1つ又はより多くの触媒床においてSO
2がSO
3へ酸化される、第1のSO
2転化工程を通過させる工程、
(c)前記第1のSO
2転化工程からのSO
3含有プロセスガスを、プロセスガスの硫酸の露点を0〜100℃上回る温度に冷却する工程、及び
(d)前記
凝縮装置段が本発明の方法に従って操作される、第1の凝縮段におけるプロセスガス中の硫酸を凝縮させる工程、
を含む、該方法であり、硫酸を製造するための本発明に利点をもたらす。
【0046】
本発明のさらなる実施形態において、プロセスガス中の硫酸及び/又は発煙硫酸の製造方法は、
(e)前記工程(d)から得られるプロセスガス流をさらに再加熱し、
(f)そしてこのプロセスガスを、1つ又はより多くの触媒床において残存するSO
2がSO
3へ酸化される第2のSO
2転化工程を通過させる工程、
(g)前記プロセスガスを、その硫酸の露点を0〜100℃上回る温度に冷却する工程、及び
(h)前記プロセスガスを引き続き最終凝縮段へ送る工程、
をさらに含み、その際、
凝縮装置の工程(d)及び(h)の少なくとも1つが、本発明の方法に従って操作され、高いレベルの二酸化硫黄が排除されるという利点を伴う。
【0047】
さらなる実施形態は、プロセスガスの第2の触媒ユニットへのインレット温度を、350〜470℃、好ましくは350〜400℃、又は好ましくは350〜370℃の範囲内にすることに関し、触媒床の要求を満たす一方で、最適な熱平衡を確保し、かつ、過剰温度を最小限にし、これはSO2/SO
3平衡を最適にする。
【0048】
さらなる実施形態は、第2の触媒ユニットへのプロセスガスのインレット温度を、400〜470℃、好ましくは400〜450℃の範囲内にし、高い反応率をもたらし、それにより、小さい触媒床を可能にする。
【0049】
さらなる実施形態は、O
2リッチガス、例えば純粋なO
2の形態の酸化剤の添加に関し、大気と比較してより少ない不活性ガスの添加を可能にし、これは結果としてプロセス設備の寸法を低減するため費用を低減する。
【0050】
本発明のこれら及びその他の特徴は、添付の図面を参照する、非制限的実施例として与えられる以下の好ましい形態の実施形態の説明から明らかとなる。