(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る医療システム及びプログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(構成)
まず、実施の形態に係る医療システム1の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る医療システム1を例示するブロック図である。この医療システム1は、概略的に、端末装置10と、管理サーバ20とを備えて構成されており、これら端末装置10と、管理サーバ20とは、ネットワーク2を介して相互に通信可能に接続されている。ここで、
図1には、端末装置10を1台のみ示しているが、実際には医療システム1は、複数の端末装置10と、これら複数の端末装置10に対して通信可能な共通の管理サーバ20とを備えて構成されている。ただし、これら複数の端末装置10は、相互に同様に構成することができるため、以下では、1台の端末装置10について説明するものとし、他の端末装置10についてはその説明を省略する。
【0022】
(構成−端末装置)
次に、端末装置10の構成について説明する。端末装置10は、患者病状情報及び患者属性情報を管理サーバ20に出力すると共に、管理サーバ20から出力された情報に基づく各種の制御を行う装置である。ここで、「患者病状情報」とは、患者の病状を特定するための情報であり、例えば、患者の漠然とした体調を特定する情報や、一般的に知られている病名である一般病名(例えば、がん、糖尿病等)を特定する情報や、国際疾病分類にしたがって定められた病名であるICD病名(例えば、高血圧性疾患、急性心筋梗塞等)を特定する情報を含む概念であるが、本実施の形態ではICD病名であるものとする。また、「患者属性情報」とは、患者の属性を特定するための情報であり、例えば、患者の年齢を特定する情報や、性別を特定する情報や、所在地を特定する情報や、治療にかけることの出来る予算に関する情報を含む概念である。
【0023】
また、この端末装置10は、例えばスマートフォンを含む携帯電話端末の如き、公知の携帯端末を用いて構成されており(あるいは、公知のパーソナルコンピュータや、タブレット型コンピュータ等を用いて構成されてもよい)、通信部11、操作部12、ディスプレイ13、スピーカ14、制御部15、及びデータ記録部16を備えている。なお、端末装置10は、例えば公知の携帯端末等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
(構成−端末装置−通信部)
通信部11は、管理サーバ20との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。この通信部11としては、例えば、移動体無線通信網を用いて通信を行う公知の通信手段として構成することができる。
【0025】
(構成−端末装置−操作部)
操作部12は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部12としては、例えば、タッチパネル、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいはハードスイッチ等、公知の操作手段として構成することができる。
【0026】
(構成−端末装置−ディスプレイ)
ディスプレイ13は、制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。このディスプレイ13としては、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを用いることができる。
【0027】
(構成−端末装置−スピーカ)
スピーカ14は、制御部15の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ14より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0028】
(構成−端末装置−制御部)
制御部15は、端末装置10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る医療プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク2を介して端末装置10にインストールされることで、制御部15の各部を実質的に構成する(後述する管理サーバ20の制御部22についても同様とする)。
【0029】
(構成−端末装置−データ記録部)
データ記録部16は、端末装置10の動作に必要なプログラム及び各種のデータ(例えば、地点情報(例えば地点の住所等)を含む地図情報等)を記録する記録手段である。このデータ記録部16は、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する管理サーバ20のデータ記録部23についても同様とする)。
【0030】
(構成−管理サーバ)
次に、管理サーバ20の構成について説明する。この管理サーバ20は、端末装置10から取得した情報に基づいて患者にとって適切な医師である対象医師を抽出する装置である。
図1に示すように、管理サーバ20は、通信部21、制御部22、及びデータ記録部23を備えている。なお、この管理サーバ20は、例えば管理棟に設置された公知のサーバ等によって構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0031】
(構成−管理サーバ−通信部)
通信部21は、端末装置10との間でネットワーク2を介して通信するための通信手段である。
【0032】
(構成−管理サーバ−制御部)
制御部22は、管理サーバ20を制御する制御手段であり、具体的には、機能概念的に、患者病状取得部22a、患者属性取得部22b、医師属性取得部22c、及び適合度算出部22d、及び医師抽出部22eを備えている。
【0033】
患者病状取得部22aは、患者の病状を特定する患者病状情報を取得する患者病状取得手段である。患者属性取得部22bは、患者の属性を特定する患者属性情報を取得する患者属性取得手段である。医師属性取得部22cは、医師の属性を特定する医師属性情報を取得する医師属性取得手段である。適合度算出部22dは、患者属性取得部22bにて取得した患者属性情報と、医師属性取得部22cにて取得した医師属性情報と、に基づいて、医師における患者の医療に適する度合いを示す適合度を算出する適合度算出手段である。医師抽出部22eは、患者病状取得部22aにて取得された患者病状情報と、医師評価DB23b(後述する)に格納された医師評価情報と、に基づいて、患者の医療に適した医師である対象医師に関する情報を抽出する医師抽出手段である。なお、これらの制御部22を構成する各部によって実行される具体的な処理については、後述する。
【0034】
(構成−管理サーバ−データ記録部)
データ記録部23は、管理サーバ20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録するデータ記録手段であり、具体的には、ICD病名DB23a、医師評価DB23b、医師属性DB23c、及び対象医師DB23dを備えている。
【0035】
(構成−管理サーバ−データ記録部−ICD病名DB)
ICD病名DB23aは、ICD病名を特定するための情報と、ICD病名に対応する病気の詳細を特定する病気情報とを相互に関連付けて格納するICD病名情報格納手段である。ここで、「病気情報」とは、病気に関する情報であり、例えば、病気解説情報、症状解説情報、病気診断情報、病気画像情報、及び外部リンク先情報を含む概念である。
図2は、ICD病名DB23aの構成例を示す図である。
図2に示すように、ICD病名DB23aは、項目「ICD病名」に対応する情報、項目「病気解説」に対応する情報、項目「症状解説」に対応する情報、項目「病気診断」に対応する情報、項目「病気画像」に対応する情報、及び項目「外部リンク先」に対応する情報を、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「ICD病名」に対応する情報は、ICD病名を特定するICD病名特定情報であり、例えば、「原発性肺癌」等が該当する。この「ICD病名」とは、国際疾病分類にしたがって定められた病名を意味する。また、項目「病気解説」に対応する情報は、病気の内容を説明した解説を示す病気解説情報であり、例えば、病気解説情報のファイル「commentary1.txt」等が該当する。なお、
図2では、病気解説情報に対応する情報として、図示の便宜上、ファイルそのものではなく、ファイル名「comentary1.txt」を記載しており、後述する症状解説情報、病気診断情報、及び病気画像情報についても、同様にファイル名のみを記載している。また、項目「症状解説」に対応する情報は、症状の内容を説明した解説を示す症状解説情報であり、例えば、症状解説情報のファイル(ファイル名「symptom1.txt」)等が該当する。また、項目「病気診断」に対応する情報は、病気の診断結果を示す病気診断情報であり、例えば、病気診断情報のファイル(ファイル名「diagnosis1.txt」)等が該当する。また、項目「病気画像」に対応する情報は、病気に関する画像を示す病気画像情報であり、例えば、病気画像情報のファイル(ファイル名「phot1.jpg」)等が該当する。また、項目「外部リンク先」に対応する情報は、病気の内容が取り扱われているインターネット上のサイトのリンク先を特定する外部リンク先情報であり、例えば、外部リンク先情報(ファイル名「rink1.txt」)等が該当する。なお、これらデータの格納形式については、例えば、病気解説情報、症状解説情報、病気診断情報、及び外部リンク先情報はテキスト形式にて格納されており、病気画像情報は、例えばJPEG、PNG、GIF等の画像形式で格納されている。
【0036】
(構成−管理サーバ−データ記録部−医師評価DB)
図1の医師評価DB23bは、医師に対する固有の評価を特定する医師評価情報を格納する医師評価格納手段である。
図3は、医師評価DB23bの構成例を示す図である。
図3に示すように、医師評価DB23bは、項目「医師ID」に対応する情報、項目「専門分野」に対応する情報、項目「評価数」に対応する情報、項目「評価値」に対応する情報、項目「治療方法」に対応する情報、及び項目「治療費」に対応する情報、を相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「医師ID」に対応する情報は、医師を一意に識別するための情報であって、本実施の形態においては、アルファベットのD及び四桁の数字を組み合わせて構成された識別情報が格納されている。また、項目「専門分野」に対応する情報は、各医師の専門分野を一意に特定する情報であって、具体的な情報は任意であるが、本実施の形態においては、「高血圧性心疾患」、「高血圧性心腎疾患」、「急性心筋梗塞」といったICD病名が格納されている。ただし、このような専門分野を特定可能な限りICD病名に限られず、例えば、「がん」、「肺炎」等の一般的な病名であっても良い。また、項目「評価数」に対応する情報は、医師の各専門分野に対して評価を行った者(以下、評価者)の人数であって、例えば「8」、「5」、「3」等といった数値が格納されている。また、項目「評価値」に対応する情報は、医師の各専門分野に対する評価を数値として表したものであり、医師の各専門分野に対して評価者が行った評価に基づいて算出される値である。この評価値の決定方法は任意であり、例えば本実施の形態では、各評価者が、各医師の専門分野における能力を、「尊敬に値する」=10点、「とても良い」=5点、「良い」=0点の三段階のいずれかの点数で主観により評価し、全ての評価者による評価の点数の総計を、評価値として算出する。なお、このような評価方法に限らず、例えば、評価者が0〜10点の点数で医師の各専門分野を評価し、全ての評価者による評価の点数の総計を、評価値として算出しても構わない。また、項目「治療方法」に対応する項目は、各医師の専門分野に対応する病気の具体的な治療方法を特定する情報であって、例えば「A法」、「B法」、「C法」といった具体的な治療方法が格納されている。また、項目「治療費」に対応する情報は、各医師の専門分野に対応する病気の治療に際して患者が負担する治療費を特定する情報であって、例えば「120万円」、「100万円」、「90万円」、といった具体的な金額を示す情報である。
【0037】
(構成−管理サーバ−データ記録部−医師属性DB)
図1の医師属性DB23cは、医師の属性を特定する医師属性情報を格納する医師属性格納手段である。
図4は、医師属性DB23cの構成例を示す図である。
図4に示すように、医師評価DB23bは、項目「医師ID」に対応する情報、項目「氏名」に対応する情報、項目「性別」に対応する情報、及び項目「所属病院」に対応する情報、を相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「医師ID」に対応する情報は、医師を一意に識別するための情報であって、上述した医師評価DB23bの項目「医師ID」に対応する情報として格納された情報と同一の情報である。また、項目「氏名」に対応する情報は、各医師の氏名を示す情報である。また、項目「性別」に対応する情報は、各医師の性別を示す情報である。また、項目「所属病院」に対応する情報は、各医師が所属する病院に関する情報であり、小項目「地域」に対応する情報、小項目「病院名」に対応する情報、及び小項目「診療科」に対応する情報、を相互に関連付けて構成されている。ここで、小項目「地域」に対応する情報は、各医師が所属する病院の地域を特定する情報であって、例えば「関東/東京」、「関東/神奈川」といった地域や県の名称を示す情報である。また、小項目「病院名」に対応する情報は、各医師が所属する病院の名称を特定する情報であって、例えば、「一般財団法人聖路加国際メディカルセンター」、「公立大学法人横浜市立大学附属病院」といった病院名を示す情報が格納されている。また、小項目「診療科」に対応する情報は、各医師が所属する診療科の名称を特定する情報であって、例えば、「血液内科」、「腫瘍内科」といった診療科名を示す情報が格納されている。
【0038】
(構成−管理サーバ−データ記録部−対象医師DB)
図1の対象医師DB23dは、医師抽出部22eにて抽出された対象医師に関する情報を格納する対象医師情報格納手段である。
図5は、対象医師DB23dの構成例を示す図である。
図5に示すように、対象医師DB23dは、項目「患者ID」に対応する情報、項目「医師ID」に対応する情報、項目「総合評価値」に対応する情報、及び項目「優先度」に対応する情報、を相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「患者ID」に対応する情報は、患者を一意に識別するための情報であって、本実施の形態においては、アルファベットのP及び四桁の数字を組み合わせて構成された識別情報が格納されている。また、項目「医師ID」に対応する情報は、医師を一意に識別するための情報であって、上述した医師評価DB23bで説明したものと同様の情報である。また、項目「総合評価値」に対応する情報は、後述する優先度を特定するための指標となる値であって、上述した評価値や、後述する患者属性情報及び医師属性情報等に基づいて算出される値である。また、項目「優先度」に対応する情報は、患者にとって適切な医師をランク付けした番号であり、例えば総合評価値が高い順に若い番号が振られている。なお、項目「医師ID」及び項目「総合評価値」に対応する情報は、対応するレコードの優先度が高い順番(番号が若い順番)にソートされている。
【0039】
(処理)
次に、このように構成される医療システム1によって実行される処理について説明する。
【0040】
(処理−医師評価DB作成処理)
まずは、医師評価DB作成処理について説明する。この医師評価DB作成処理は、
図3に示す医師評価DB23bを作成する処理である。この医師評価DB23bは、概略的に、WEB上の入力フォームから各医師が入力を行い、各医師により入力された医師の評価に関する情報(以下、医師評価情報)を集結させて作成する。
図6は、医師評価DB作成処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0041】
まず、SA1に示すように、管理サーバ20の制御部22は、医師評価情報の登録要求の受け付けを行う。例えば、端末装置10のディスプレイ13に表示させた新規登録アイコンを医師がクリックすることにより登録要求が行われる。このように登録要求を受け付けた場合、医師に固有の医師IDがランダムで決定され、SA2に移行する。
【0042】
SA2にて、管理サーバ20の制御部22は、医師から専門分野の入力を受け付ける。例えば、端末装置10のディスプレイ13にICD病名を複数羅列し、その中から医師が自己の専門分野のICD病名をクリックして選択することにより、入力する事ができる。なお、複数のICD病名を選択しても構わない。
【0043】
SA3にて、管理サーバ20の制御部22は、医師から治療方法の入力を受け付ける。例えば、端末装置10のディスプレイ13に、医師がSA2にて選択したICD病名に対応する治療方法を複数羅列する。この治療方法は、ICD病名と、治療方法とを相互に関連付けて格納した治療方法テーブル(図示省略)を参照して羅列する。そして、このように羅列された治療方法の中から医師が自己の専門の治療方法をクリックして選択することにより、入力する事ができる。なお、複数の治療方法を選択しても構わない。
【0044】
SA4にて、管理サーバ20の制御部22は、医師から治療費の入力を受け付ける。例えば、端末装置10のディスプレイ13に、医師がSA2にて選択したICD病名毎に治療費の入力フォームを表示し、この入力フォームに医師が具体的な額を入力しても良い。
【0045】
SA5にて、管理サーバ20の制御部22は、登録を完了し、SA1〜SA4の処理にて入力された各情報に基づいて、
図3に示す医師評価DB23bの、項目「医師ID」に対応する情報、項目「専門分野」に対応する情報、項目「治療方法」に対応する情報、及び項目「治療費」に対応する情報を格納する。なお、項目「評価数」に対応する情報、及び項目「評価値」に対応する情報については、いずれも初期値として「0」を格納する。このように登録が完了することにより、医師には固有の医師IDが交付されてアカウントが作成されると共に、自己のアカウントに関する各種情報(専門分野、治療方法等の情報(後述する医師属性DB作成処理にて医師の氏名や性別や所属病院の病院名等の情報を登録した場合には、これらの情報も含む))を表示したWEBページが作成される。そして、医師は、自己の医師IDや予め設定したパスワード等をログインフォームから入力することにより当該WEBページの情報を閲覧及び編集可能となる。以上で、医師評価DB作成処理を完了する。
【0046】
(処理−医師属性DB作成処理)
続いて、医師属性DB作成処理について説明する。この医師属性DB作成処理は、
図4に示す医師属性DB23cを作成する処理である。この医師属性DB23cは、概略的に、WEB上の入力フォームから各医師が入力を行い、各医師により入力された情報(以下、医師属性情報)を集結させて作成する。
図7は、医師属性DB作成処理のフローチャートである。
【0047】
SB1にて、管理サーバ20の制御部22は、医師属性情報の登録要求の受け付けを行う。例えば、端末装置10のディスプレイ13に表示させたログインフォームに医師が自己の医師IDやパスワード等を入力して自己のアカウントにログインし、ディスプレイ13に表示させた「プロフィール編集」アイコンをクリックすることにより、登録要求が行われる。このように登録要求を受け付けた場合、SB2に移行する。
【0048】
SB2にて、管理サーバ20の制御部22は、医師からの氏名の入力を受け付ける。例えば、端末装置10のディスプレイ13に氏名入力用の入力フォームを表示し、この入力フォームに医師が自己の氏名を入力しても良い。
【0049】
SB3にて、管理サーバ20の制御部22は、医師からの性別の入力を受け付ける。例えば端末装置10のディスプレイ13に男性又は女性のチェック欄を設け、医師が自己の性別に該当するチェック欄にチェックを入れることにより入力しても良い。
【0050】
SB4にて、管理サーバ20の制御部22は、医師から自己が所属する病院の属する地域の入力を受け付ける。例えば端末装置10のディスプレイ13に地域入力用の入力フォームを表示し、この入力フォームに医師が自己の属する病院の地域を入力しても良い。
【0051】
SB5にて、管理サーバ20の制御部22は、医師から自己が所属する病院の名称の入力を受け付ける。例えば端末装置10のディスプレイ13に病院名入力用の入力フォームを表示し、この入力フォームに医師が自己の属する病院名を入力しても良い。
【0052】
SB6にて、管理サーバ20の制御部22は、医師から自己が所属する診療科の入力を受け付ける。例えば端末装置10のディスプレイ13に診療科入力用の入力フォームを表示し、この入力フォームに医師が自己の属する診療科を入力しても良い。
【0053】
SB7にて、管理サーバ20の制御部22は、登録を完了し、SB1〜SB6の処理にて入力された各情報に基づいて、
図4に示す医師属性DB23cの、項目「医師ID」に対応する情報、項目「氏名」に対応する情報、項目「性別」に対応する情報、小項目「地域」に対応する情報、小項目「病院名」に対応する情報、及び小項目「診療科」に対応する情報を格納する。以上で、医師属性DB作成処理を完了する。
【0054】
(処理−医師評価処理)
続いて、医師評価処理について説明する。この医師評価処理は、
図3に示す医師評価DB23bの項目「評価数」に対応する情報、及び項目「評価値」に対応する情報を更新する処理である。
図8は、医師評価処理のフローチャートである。なお、このような医師評価処理を実行する者については、評価対象の医師を知っている者である限り任意であり、例えば評価対象の医師の同業者の医師、同じ職場に勤務する者、患者等を含めて構わないが、本実施の形態においては、上述した
図6に示す医師評価DB作成処理を実行することにより医師IDを所有している医師のみが当該医師評価処理を実行できるものとする。なお、以下では必要に応じて、評価する側の医師を「評価者」、評価される側の医師を「被評価者」と区別して称して説明する。
【0055】
SC1にて、管理サーバ20の制御部22は、被評価者となる医師の選択を受け付ける。このような医師の選択の受け付け方法は任意であり、例えば医師属性情報に基づいて被評価者と同一の病院に所属する医師を被評価者として自動的に選択しても構わない。ただし本実施の形態では、以下の方法で選択を受け付ける。まず、端末装置10のディスプレイ13に表示させたログインフォームに医師が自己の医師IDやパスワード等を入力して自己のアカウントにログインすると端末装置10のディスプレイ13に自己のアカウントのWEBページが表示され、このWEBページ上には、他の複数の医師の情報(例えば氏名や所属する病院名)が羅列される。そして、当該羅列された医師の情報をクリックすると、当該医師のアカウントのWEBページに移り、当該WEBページ上に表示された「この医師を評価する」アイコンをクリックすることにより、被評価者の選択が行われる。
【0056】
SC2にて、管理サーバ20の制御部22は、被評価者となる医師の専門分野の選択を受け付ける。例えば、被評価者の専門分野として登録されているICD病名を端末装置10のディスプレイ13に表示させ、評価者が、表示されたICD病名を選択することにより受け付ける。
【0057】
SC3にて、管理サーバ20の制御部22は、被評価者に対する評価者の評価が、「尊敬に値する」であるか否かを判定する。具体的には、被評価者の端末装置10のディスプレイ13に、「尊敬に値する」、「とても良い」、「良い」の3つのチェック欄を表示させ、被評価者が「尊敬に値する」のチェック欄にチェックを入れたか否かを判定する。そして「尊敬に値する」にチェックを入れた場合(SC3、Yes)、SC4へ移行し、「尊敬に値する」にチェックを入れていない場合(SC3、No)、SC5へ移行する。
【0058】
SC4にて、管理サーバ20の制御部22は、
図3に示す医師評価DB23bのうち、被評価者の医師IDに対応するレコードであって、かつ上述したSC2で評価者が選択した専門分野に対応するレコードにおける項目「評価値」に対応する情報に、「尊敬に値する」に関連付けられた点数(=10点)を加算する。具体的には、評価内容(「尊敬に値する」、「とても良い」、「良い」等)を示す情報と、点数(「10点」、「5点」、「0点」)を示す情報とを相互に関連付けて格納した評価情報テーブル(図示省略)を参照し、評価者が選択した評価内容に対応して格納された点数を加算する。
【0059】
SC5にて、管理サーバ20の制御部22は、被評価者に対する評価者の評価が、「とても良い」であるか否かを判定する。具体的には、上述した3つのチェック欄のうち、被評価者が「尊敬に値する」のチェック欄にチェックを入れたか否かを判定し、「とても良い」にチェックを入れた場合(SC5、Yes)、SC6へ移行し、「とても良い」にチェックを入れていない場合(SC5、No)、SC7へ移行する。
【0060】
SC6にて、管理サーバ20の制御部22は、被評価者の医師IDに対応するレコードにおける項目「評価値」に5点を加算する。この加算の具体的な手順については、上述したSC4と同様の方法により実行される。
【0061】
SC7にて、すなわち、「尊敬に値する」のチェック欄にも「とても良い」のチェック欄にもチェックが入れられていない場合、すなわち、「良い」のチェック欄にチェックが入れられている場合、管理サーバ20の制御部22は、被評価者の医師IDに対応するレコードにおける項目「評価値」に加算をしない。これらのSC4、SC6、又はSC7の処理を終えることにより評価値が蓄積され、この後にSC8に移行する。
【0062】
SC8にて、管理サーバ20の制御部22は、被評価者の医師IDに対応するレコードにおける項目「評価数」を1増加させる。このことにより、被評価者の専門分野に対して評価を行った評価者の数が蓄積される。なお、同一の評価者が同一の被評価者に対して複数回評価を行う事が出来ないように、被評価者に対して評価を行った評価者の医師IDを管理サーバ20のデータ記録部23に格納しておくことが好ましい。以上で、医師評価処理を完了する。
【0063】
(処理−対象医師出力処理)
続いて、対象医師出力処理について説明する。この対象医師出力処理は、患者が患者病状情報及び患者属性情報の送信を行った際に、当該患者にとって適切な対象医師に関する情報を、患者に対して出力する処理である。
図9は、対象医師出力処理のフローチャートである。この対象医師出力処理が実行されるタイミングについては任意であり、例えば、端末装置10及び管理サーバ20の電源が投入されたタイミングで実行される。
【0064】
まず、SD1において、端末装置10の制御部15は、患者病状情報の入力を受け付けたか判定する。この判定の具体的な方法は任意で、例えば端末装置10のディスプレイ13にICD病名のリストを表示させておき、このリストの中から患者が自己の病気を示すICD病名を選択することにより、入力が受け付けられたものと判定する。そして、入力を受け付けるまで待機し(SD1、No)、入力が受け付けられた場合(SD1、Yes)、SD2に移行する。
【0065】
SD2において、端末装置10の制御部15は、SD1において入力された患者病状情報を、端末装置10の通信部11を介して、管理サーバ20に対して送信する。
【0066】
SD3において、管理サーバ20の患者病状取得部22aは、端末装置10から患者病状情報を受信したか否かを判定する。そして、受信するまで待機し(SD3、No)、受信した場合(SD3、Yes)、SD6に移行する。
【0067】
SD4において、端末装置10の制御部15は、患者属性情報の入力を受け付けたか判定する。この判定の具体的な方法は任意で、例えば端末装置10のディスプレイ13に患者属性情報として「年齢」、「性別」、「所在地」、及び「予算」を入力する入力フォームを表示させておき、この入力フォームに入力が行われることにより、入力が受け付けられたものと判定する。なお、患者は一部又は全部の入力フォームへの入力をスキップしても構わない。そして、入力を受け付けるまで待機し(SD4、No)、入力が受け付けられた場合(SD4、Yes)、SD5に移行する。
【0068】
SD5において、端末装置10の制御部15は、SD4において入力された患者属性情報を、端末装置10の通信部11を介して、管理サーバ20に対して送信する。
【0069】
SD6において、管理サーバ20の患者属性取得部22bは、端末装置10から患者属性情報を受信したか否かを判定する。そして、受信するまで待機し(SD6、No)、受信した場合(SD6、Yes)、SD7に移行する。
【0070】
SD7において、管理サーバ20の制御部22は、SD3において受信した患者病状情報及びSD6において受信した患者属性情報に基づいて、医師検索情報を作成する。ここで、
図10は、医師検索情報の構成例を示す図である。この医師検索情報は、項目「患者ID」に対応する情報、項目「患者病状情報」に対応する情報、及び項目「患者属性情報」に対応する情報、を相互に関連付けて構成されている。項目「患者ID」に対応する情報は、医師の検索を行った患者の患者IDである。項目「患者病状情報」に対応する情報は、患者の病状を一意に特定するための情報であって、SD1の処理において入力された患者のICD病名が格納される。項目「患者属性情報」に対応する情報は、患者の属性を一意に特定するための情報であって、SD4の処理において入力された患者の属性が格納される。具体的には、小項目「年齢」に対応する情報、小項目「性別」に対応する情報、小項目「所在地」に対応する情報、及び小項目「予算」に対応する情報、が相互に関連付けて格納されており、それぞれ患者の年齢、性別、所在地、及び予算に関する情報が格納されている。
【0071】
(処理−対象医師出力処理−対象医師抽出処理)
図9に戻り、SD8において、管理サーバ20の医師抽出部22eは、対象医師抽出処理を行う。以下では、対象医師出力処理について説明する。
図11は、対象医師抽出処理のフローチャートである。この対象医師抽出処理は、医師検索情報に基づいて、患者にとって適切な医師である対象医師を抽出する処理である。
【0072】
まず、SE1にて、医師抽出部22eは、患者のICD病名を特定する。具体的には、
図9に示す対象医師出力処理のSD7において作成された
図10の医師検索情報における、項目「患者病状情報」に対応する情報を、患者のICD病名として特定する(
図10では「高血圧性心疾患」)。
【0073】
SE2にて、医師抽出部22eは、SE1にて特定した患者のICD病名を専門とする医師の医師IDを特定する。具体的には、
図3に示す医師評価DB23bの項目「専門分野」に対応する情報を参照し、SE1にて特定したICD病名が格納されたレコードの医師IDを特定する。例えば、
図3においては、患者のICD病名である高血圧性心疾患が格納されたレコードの医師IDとして、「D0001」がある。同様に、高血圧性心疾患を専門とする医師の医師IDを全て特定する。
【0074】
SE3にて、医師抽出部22eは、SE2にて特定した全ての医師IDの中から、評価値が基準値よりも大きい医師IDを抽出する。ここで、「基準値」とは、評価の低い医師を患者に対して出力しないために設定される基準であって、例えば管理サーバ20のデータ記録部23に予め格納されている。基準値としては、例えば「10」、「20」、又は「30」等といった任意の値が設定される。なお、評価の高低に関わらず全ての医師を出力する場合には、基準値を「0」と設定すれば構わない。以上で、医師IDの抽出を完了し、
図9の対象医師出力処理に戻り、SD9に移行する。
【0075】
(処理−対象医師出力処理−並べ替え処理)
SD9にて、管理サーバ20の制御部22は、並べ替え処理を実行する。この並べ替え処理は、SE3にて抽出した全ての医師IDを、患者にとって適切な医師の順に並べ変える処理である。
図12は、並べ替え処理のフローチャートである。ここで、この並べ替え処理では、概略的に、
図11のSE3にて抽出した医師IDの中から1つの医師IDを抽出し、この医師IDの総合評価値(後述する)を算出し、続いて
図11のSE3にて抽出した医師IDの中から他の医師IDを抽出し、この医師IDの総合評価値を算出し、以降同様の処理を繰り返すことにより、
図11のSE3にて抽出した全ての医師IDの総合評価値を算出する。なお、以下では、総合評価値を算出する対象となる医師IDが示す医師を、「算出対象医師」と称して説明する。
【0076】
まず、SF1にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師に関する医師属性情報を取得する。具体的には、
図4に示す医師属性DB23cを参照し、項目「医師ID」に対応する情報として、SE3にて抽出した医師IDが格納されたレコードを取得する。
【0077】
SF2にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師の適合度を「1.0」に設定する。この適合度は、患者の属性と医師の属性との相性を特定するための基準となる値であり、初期値としてはこのように「1.0」に設定されている。
【0078】
SF3にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師の所属病院が、患者の所在地から移動可能な範囲であるかを判定する。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば、
図4に示す医師属性DB23cにおける項目「地域」に対応する情報として格納された算出対象医師の所属病院の所在地と、
図10に示す医師検索情報における項目「所在地」に対応する情報として格納された患者の所在地とが一致する場合に、移動可能であると判定しても良い。または、患者の所在地から算出対象医師の所属病院の所在地への移動時間が所定時間(例えば、2時間)以内である場合に移動可能であると判定しても良い。なお、この所定時間については任意に設定して構わないが、患者の年齢を考慮して設定しても構わず、例えば患者の年齢が高齢である場合には長時間移動が困難であるものとし、所定時間を短く設定しても構わない。また、移動時間の測定方法は任意で、例えば公知のルート検索ソフトを用いて測定する事が可能である。そして、移動可能な範囲である場合(SF3、Yes)、SF4に移行し、移動可能な範囲でない場合(SF3、No)、SF5に移行する。
【0079】
SF4にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師と患者との地理的な相性が良いものとし、適合度に0.1を加算する。なお、この際に加算する具体的な点数は任意であり、例えば0.2や0.3を加算しても構わない。また、後述するSF6やSF8にて加算する値と異なっても構わない。
【0080】
SF5にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師の費用が患者にとって妥当であるかを判定する。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば、
図10に示す医師検索情報における項目「予算」に対応する情報として格納された患者の予算内に、
図3に示す医師評価DB23bにおける項目「治療費」に対応する情報として格納された算出対象医師の治療費が収まる場合に、妥当であると判定しても良い。または、患者の予算と算出対象医師の治療費の差額が所定額(例えば、20万円)以下である場合、妥当であると判定しても良い。そして、妥当である場合(SF5、Yes)、SF6に移行し、妥当でない場合(SF5、No)、SF7に移行する。
【0081】
SF6にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師と患者との費用的な相性が良いものとし、適合度に0.1を加算する。なお、この際に加算する具体的な点数は任意であり、例えば0.2や0.3を加算しても構わない。
【0082】
SF7にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師の性別と患者の性別が一致するか否かを判定する。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば、
図4に示す医師属性DB23cにおける項目「性別」に対応する情報として格納された算出対象医師の性別と、
図10に示す医師検索情報における項目「性別」に対応する情報として格納された患者の性別とを比較し、一致する場合、両者の性別が一致するものと判定しても良い。そして、一致する場合(SF7、Yes)、SF8に移行し、一致しない場合(SF7、No)、SF9に移行する。
【0083】
SF8にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師と患者との性別的な相性が良いものとし、適合度に0.1を加算する。なお、この際に加算する具体的な点数は任意であり、例えば0.2や0.3を加算しても構わない。
【0084】
SF9にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、上記のSF1〜SF8の処理を経た上での、算出対象医師の最終的な適合度を算出する。具体的には、上記の例では「1.0」〜「1.3」の値が適合度として算出される。
【0085】
SF10にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、算出対象医師の総合評価値を算出する。この総合評価値は、患者にとっての算出対象医師の総合的な評価を特定するための情報であって、総合評価値を算出する具体的な手段は任意であるが、本実施の形態では、
図3に示す医師評価DB23bにおける算出対象医師の項目「評価値」に対応する情報と、
図12のSF9にて算出した適合度に基づいて算出される。具体的には、総合評価値は、評価値に適合度を乗ずることにより算出する。ただし、このような算出方法に限らず、例えば評価値や適合度以外の他の要素も考慮して算出しても構わない。例えば、
図3に示す医師評価DB23bにおける算出対象医師の項目「評価数」に対応する情報を参照し、評価数が多い医師は知名度が高いものとして総合評価値をさらにプラスしても構わない。
【0086】
SF11にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、
図11のSE3にて抽出した全ての医師IDの総合評価値を算出したか否かを判定し、算出していない場合(SF11、No)、SF1に戻り、未だ総合評価値を算出していない医師を算出対象医師として、以降SF1〜SF11の処理を繰り返し実行する。また、
図11のSE3にて抽出した全ての医師IDの総合評価値を算出している場合(SF11、Yes)、SF12に移行する。
【0087】
SF12にて、管理サーバ20の適合度算出部22dは、SF1〜SF11に示す処理にて算出した全ての総合評価値が高い順に医師IDを並べた
図5に示す対象医師DB23dを作成する。例えば、患者ID「P0001」の患者に対しては、優先度が高い順(すなわち総合評価値が高い順)に、医師ID「D0006」、「D0001」、「D0085」の医師を順に並べてある。また、患者ID「P0002」の患者に対しては、優先度が高い順に、医師ID「D0074」、「D0016」、「D0153」の医師を順に並べてある。以上で、並べ替え処理を終了し、
図9に示す対象医師出力処理に戻る。
【0088】
続いて、SD10にて、管理サーバ20の制御部22は、
図5に示す対象医師DB23dに格納された対象医師情報のうち、送信先の患者の患者IDに対応するレコードの情報を、患者の端末装置10に対して送信する。この際には、送信する情報に対して患者の端末装置10を一意に特定するIDを対象医師情報に付して送信する。
【0089】
SD11にて、端末装置10の制御部15は、対象医師情報を受信したか否かを判定する。この判定方法は任意で、端末装置10側で、端末装置10のIDと対象医師情報に付されたIDとが一致するかを判定し、一致する場合に対象医師情報を受信したと判定しても良い。そして、端末装置10の制御部15は、対象医師情報を受信するまで待機し(SD11、No)、受信した場合(SD11、Yes)、SD12に移行する。
【0090】
SD12にて、端末装置10の制御部15は、SD11にて受信した対象医師情報を端末装置10のディスプレイ13に表示する。このように、総合評価値の高い順番に医師が並べられた対象医師情報を表示することにより、患者は、自身にとって適切な医師を容易に認識する事ができる。なお、ディスプレイ13に表示された対象医師情報における各医師のIDをクリックすることにより、当該クリックされた医師に関する詳細な情報を閲覧できるようにしても良く、例えば、医師属性DB23cに格納された医師の氏名、性別、所属病院に関する情報、又は、医師評価DB23bに格納された専門分野、治療方法、治療費に関する情報等を閲覧できるようにしても良い。また、これら以外の情報を医師属性DB23cや医師評価DB23b等に格納しておき、当該情報も閲覧可能としても構わず、例えば、医師の顔写真や、医師が執筆した論文等を閲覧可能としても良い。また、医師の専門分野のICD病名をクリックすることにより、
図2に示すICD病名DB23aに格納された情報を参照し、当該ICD病名に対応する病気に関する詳細な情報を閲覧可能としても良い。具体的には、ICD病名をクリックすることにより、ディスプレイ13に
図2の各項目名(病気解説、症状解説、病気診断、病気画像、及び外部リンク先)が羅列され、いずれかの項目をクリックすると、当該項目に対応する情報を
図2のICD病名DB23aから読み込んでディスプレイ13に表示しても良い。これにて、対象医師出力処理を終了する。
【0091】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、患者病状情報と医師評価情報とに基づいて、対象医師に関する情報を出力するので、対象医師を選定する上で、患者の病状を考慮した選定を行う事ができるので、患者が自己の病気に関する治療を受ける上で適切な医師を選定する事が可能となる。
【0092】
また、医師評価情報として、ICD病名に対応する病気に関しての医師に対する評価を格納するので、国際的に規定された基準に関する医師の評価を格納でき、複数の病名を有する病気であっても1つに統合された評価を格納する事ができる。
【0093】
また、医師評価情報として、患者の病状に対応する治療方法に関しての医師に対する評価を格納するので、異なる複数の病気を単一の治療方法で治療可能である場合等にも、医師の評価を適切に格納する事ができる。
【0094】
また、患者属性情報と医師属性情報とに基づいて、医師における患者の医療に適する度合いを示す適合度を算出し、この適合度を考慮して対象医師を抽出するので、患者の病状や医師の評価以外の情報であって、患者や医師に固有の情報に基づいて対象医師を抽出でき、患者が自己の病気に関する治療を受ける上で一層適切な医師を選定する事が可能となる。
【0095】
また、患者の属性は、患者の年齢、性別、現在地、又は医療の費用を含むので、患者の年齢、性別、現在地、又は医療の費用等といった固有の情報に基づいて対象医師を抽出でき、患者が自己の病気に関する治療を受ける上で一層適切な医師を選定する事が可能となる。
【0096】
また、専門的な知識を有する者である他の医師からの評価に基づいて医師の評価を決定するので、より適切な評価を格納する事ができる。
【0097】
〔変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良できる。以下、このような変形例について説明する。
【0098】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、従来のシステムよりも、患者にとって適切な医師を選定することができない場合であっても、本願発明の手段が従来のシステムの手段と異なっている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0099】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、端末装置10又は管理サーバ20を複数の装置に分散して構成したり、端末装置10又は管理サーバ20を相互に統合したり、端末装置10又は管理サーバ20の一方の機能の一部を他方に持たせたりしてもよい。また、各部を分散する場合において、これら各部の相互間の連携は、有線と無線のいずれか一方又は両方により行うことができる。
【0100】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0101】
(評価について)
本実施の形態では、
図3に示すように、医師評価情報として、医師の専門分野に関しての医師に対する評価を格納するものとして説明したが、これに限られず、例えば治療方法に関しての医師に対する評価を格納しても構わない。このように、医師評価情報として、患者の病状に対応する治療方法に関しての医師に対する評価を格納する事で、異なる複数の病気を単一の治療方法で治療可能である場合等にも、医師の評価を適切に格納する事ができる。
【0102】
また、本実施の形態では、他の医師からの評価に基づいて医師の評価を決定するものとして説明したが、これに限らず、患者からの評価に基づいて医師の評価を決定しても構わない。また、他の医師からの評価と患者からの評価の両方に基づいて医師の評価を決定してもよく、この際に医師からの評価によって加点される評価値と、患者からの評価によって加点される評価値とを相互に異なる値にして、各評価値の総和によって単一の評価値を算出しても良い。または、これらのそれぞれの評価値を別々に扱って、「医師からの評価値に基づいて適切と判断された対象医師」と、「患者からの評価値に基づいて適切と判断された対象医師」と、を両方出力しても構わない。
【0103】
(評価値について)
本実施の形態では、評価の方法として、「尊敬に値する」、「とても良い」、「良い」の三段階のいずれかの基準で評価するものとしたが、これに限られず、例えば評価値として「0」〜「10」のいずれかの点数で評価しても良い。あるいは、評価の基準としてマイナスの評価を加えてもよく、例えば「悪い」、「とても悪い」の2段階を追加した計5段階の基準を設け、「悪い」で評価した場合には評価値を「−5」し、「とても悪い」で評価した場合には評価値を「−10」しても構わない。
【0104】
また、他者からの評価以外の方法で医師の評価値を特定しても良い。例えば、医師の評価されるべき経歴、職歴、学歴、及び活動等に基づいて医師の評価値を特定しても構わない。具体的な例としては、医師の活動(特に、医師による論文や書籍等(以下、「論文等」)の執筆)に基づいて医師の評価値を特定する方法を以下に説明する。まず、医師属性DB23cや医師評価DB23b等に、医師が執筆した論文等に関する情報(論文等の本文や、論文等のタイトルのみ等)を格納可能とする。これらは医師が自ら操作部12を介して入力することにより格納可能としても良い。そして、医師属性DB23cや医師評価DB23b等に、当該論文等が記憶されている場合、当該医師を権威あるものとし、当該論文等に対応する専門分野の評価値を所定値(例えば、+30)増加させても良い。他には、医師の経歴に基づいて評価値を特定する方法としては、例えば医師属性DB23cや医師評価DB23b等に、医師として専門分野の病気に携わった期間を格納可能とし、当該期間に応じて、評価値を所定値増加させても良い。例えば、30年以上の場合には評価値を+100、20年以上の場合には評価値を+50、10年以上の場合には評価値を+20等しても良い。
【0105】
また、上記論文等の共著者を、管理サーバ20のデータ記録部23(例えば、医師属性DB23cや医師評価DB23b等)に格納可能としても良い。例えば、まず、入力を行う医師(以下、「医師A」)が、上記のように操作部12を介して論文等の入力をする際に、共著者を入力する項目をディスプレイ13に表示させ、この項目に共著者である他の医師(以下、「医師B」)を特定するための情報を入力する。次に、管理サーバ20の制御部22は、入力内容等に基づいて、論文の執筆者に関する情報と、論文等とを関連付けて管理サーバ20のデータ記録部23に格納する。具体的な格納の態様は任意であるが、例えば、医師属性DB23cにおける医師Aのレコードに、医師Aに入力された医師Bを特定する情報と、論文等に関する情報を関連付けて格納しても良い。または、医師Aによって入力された医師Bを特定する情報に基づいて、医師属性DB23cにおける当該医師Bのレコードを特定し、当該医師Bのレコードに、医師Aを特定する情報と、論文等に関する情報を関連付けて格納しても良い。または、これらの両方の態様を組み合わせて、医師A及び医師Bのレコードの両方に、それぞれの共著者を特定する情報と、論文等に関する情報を関連付けて格納しても良い。あるいは、論文等の全ての執筆者(この場合、医師A及び医師B)を特定する情報と、論文等に関する情報と、を相互に関連付けて格納する論文情報DB(図示省略)に、医師Aを特定する情報、医師Bを特定する情報、及び医師Aと医師Bとが執筆した論文等に関する情報を格納しても構わない。このことにより、共著者である医師Bは、自ら論文等に関する情報を入力する手間を省略でき、論文等に関する情報の蓄積を効率化する事が可能となる。
【0106】
また、本実施の形態においては、総合評価値を算出する際に、
図3の項目「評価値」に対応する情報をそのまま用いたが、これに限らず、評価の平均値を用いても構わない。具体的には、項目「評価値」に対応する情報の数値を、項目「評価数」に対応する情報の数値で除することにより求めた値を用いて、総合評価値を算出しても良い。このことにより、評価数は少ないが高評価を得ている医師を抽出し易くする事ができる。
【0107】
(対象医師出力処理について)
本実施の形態においては、
図9の対象医師出力処理SD12において、
図5に示す対象医師DB23dに格納された対象医師情報のうち、送信先の患者の患者IDに対応するレコードの情報(すなわち、
図5の医師ID、総合評価値、及び優先度)をディスプレイ13に表示するものとして説明したが、表示する情報はこのような情報に限られない。例えば、医師ID、総合評価値、及び優先度のいずれかを表示しなくても良いし、医師IDの代わりに医師を特定可能な情報(例えば医師属性DB23cに基づいて特定した医師の氏名等)を表示しても良いし、これらの全てを表示しても良い。
【0108】
また、本実施の形態においては、総合評価値が高い順に医師を表示したが、これに限らず、任意の順番や任意の表示態様で医師を表示して構わない。例えば総合評価値に応じて複数の区分(例えば総合評価値が上位20%以内の第1区分、上位20%〜40%の第2区分、それ以外の第3区分)に医師を分けて、区分ごとに医師を表示しても構わない。
【0109】
(付記)
付記1の医療システムは、患者の病状を特定する患者病状情報を取得する患者病状取得手段と、前記医師に対する固有の評価を特定する医師評価情報を格納する医師評価格納手段と、前記患者病状取得手段にて取得された患者病状情報と、前記医師評価格納手段に格納された前記医師評価情報と、に基づいて、前記患者の医療に適した医師である対象医師を抽出する医師抽出手段と、前記医師抽出手段にて抽出された対象医師に関する情報を格納する対象医師情報格納手段と、前記対象医師情報格納手段に格納された対象医師に関する情報を出力する出力手段と、を備える。
【0110】
また、付記2の医療システムは、付記1に記載の医療システムにおいて、前記患者病状取得手段にて取得する前記患者病状情報は、国際疾病分類にしたがって定められた病名であるICD病名であり、前記医師評価格納手段は、前記医師評価情報として、前記ICD病名に対応する病気に関しての前記医師に対する評価を格納する。
【0111】
また、付記3の医療システムは、付記1又は2に記載の医療システムにおいて、前記医師評価格納手段は、前記医師評価情報として、前記患者の病状に対応する治療方法に関しての前記医師に対する評価を格納する。
【0112】
また、付記4の医療システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の医療システムにおいて、前記患者の属性を特定する患者属性情報を取得する患者属性取得手段と、前記医師の属性を特定する医師属性情報を取得する医師属性取得手段と、前記患者属性取得手段にて取得した前記患者属性情報と、前記医師属性取得手段にて取得した前記医師属性情報と、に基づいて、前記医師における前記患者の医療に適する度合いを示す適合度を算出する適合度算出手段と、を備え、前記医師抽出手段は、前記適合度算出手段にて算出された適合度と、前記患者病状取得手段にて取得された患者病状情報と、前記医師評価格納手段に格納された前記医師評価情報と、に基づいて、前記対象医師を抽出する。
【0113】
また、付記5の医療システムは、付記4に記載の医療システムにおいて、前記患者の属性は、患者の年齢、性別、現在地、又は医療の費用を含む。
【0114】
また、付記6の医療システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の医療システムにおいて、前記医師に対する固有の評価は、当該医師以外の他の医師による評価である。
【0115】
また、付記7の医療プログラムは、コンピュータを、患者の病状を特定する患者病状情報を取得する患者病状取得手段と、前記医師に対する固有の評価を特定する医師評価情報を格納する医師評価格納手段と、前記患者病状取得手段にて取得された患者病状情報と、前記医師評価格納手段に格納された前記医師評価情報と、に基づいて、前記患者の医療に適した医師である対象医師を抽出する医師抽出手段と、前記医師抽出手段にて抽出された対象医師に関する情報を格納する対象医師情報格納手段と、前記対象医師情報格納手段に格納された対象医師に関する情報を出力する出力手段と、として実行させる。
【0116】
(付記の効果)
付記1に記載の医療システム又は付記7に記載の医療プログラムによれば、患者病状情報と医師評価情報とに基づいて、対象医師に関する情報を出力するので、対象医師を選定する上で、患者の病状を考慮した選定を行う事ができるので、患者が自己の病気に関する治療を受ける上で適切な医師を選定する事が可能となる。
【0117】
付記2に記載の医療システムによれば、医師評価情報として、ICD病名に対応する病気に関しての医師に対する評価を格納するので、国際的に規定された基準に関する医師の評価を格納でき、複数の病名を有する病気であっても1つに統合された評価を格納する事ができる。
【0118】
付記3に記載の医療システムによれば、医師評価情報として、患者の病状に対応する治療方法に関しての医師に対する評価を格納するので、異なる複数の病気を単一の治療方法で治療可能である場合等にも、医師の評価を適切に格納する事ができる。
【0119】
付記4に記載の医療システムによれば、患者属性情報と医師属性情報とに基づいて、医師における患者の医療に適する度合いを示す適合度を算出し、この適合度を考慮して対象医師を抽出するので、患者の病状や医師の評価以外の情報であって、患者や医師に固有の情報に基づいて対象医師を抽出でき、患者が自己の病気に関する治療を受ける上で一層適切な医師を選定する事が可能となる。
【0120】
付記5に記載の医療システムによれば、患者の属性は、患者の年齢、性別、現在地、又は医療の費用を含むので、患者の年齢、性別、現在地、又は医療の費用等といった固有の情報に基づいて対象医師を抽出でき、患者が自己の病気に関する治療を受ける上で一層適切な医師を選定する事が可能となる。
【0121】
付記6に記載の医療システムによれば、専門的な知識を有する者である他の医師からの評価に基づいて医師の評価を決定するので、より適切な評価を格納する事ができる。
【解決手段】医療システム1は、患者の病状を特定する患者病状情報を取得する患者病状取得部22aと、医師に対する固有の評価を特定する医師評価情報を格納する医師評価DB23bと、患者病状取得部22aにて取得された患者病状情報と、医師評価DB23bに格納された医師評価情報と、に基づいて、患者の医療に適した医師である対象医師を抽出する医師抽出部22eと、医師抽出部22eにて抽出された対象医師に関する情報を格納する対象医師DB23dと、対象医師DB23dに格納された対象医師に関する情報を出力するディスプレイ13と、を備える。