(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態>
まず、
図1を用いて、実施形態の運動支援装置1000の使用例を説明する。運動支援装置1000は、いわゆるタブレット端末であり、高齢者(ユーザ10)が自宅でリハビリ運動(体操)をする際に用いる。例えば、高齢者が定期的に通所しているデイケア・デイサービス施設等が、運動支援装置1000を通所者に貸し出す。そして、デイケア・デイサービス施設等のリハビリ指導員等が、貸し出す運動支援装置1000毎に、その借主である高齢者に最適なリハビリ運動が運動支援装置1000に表示されるように、運動支援装置1000の運動メニューを設定する。
【0023】
運動支援装置1000のディスプレイ(表示部1200)に表示される運動画面1220は、動画像領域A1とカウント画像領域A2とを備える。動画像領域A1には、模範の運動画像が表示され、カウント画像領域A2には、カウント画像が表示される。カウント画像は、1つの運動を適切な速度でゆっくり行うための、いわゆるテンポをユーザ10が取りやすくするために表示されるものであり、実施形態では、数値が表示される。実施形態では、カウント画像領域A2は、動画像領域A1に重ねて表示されているが、重ねて表示しなくても良い。
【0024】
ここで、
図2、
図3を用いて、運動支援装置1000を使用するための画面について説明する。
図2、
図3において、運動支援装置1000を結ぶ白抜き矢印は、画面の遷移を表す。
【0025】
図2に、運動支援装置1000の運動開始画面1210の例を示す。
【0026】
ユーザ10は、自宅で運動支援装置1000のスイッチを入れると、スタートボタン1211を備えた運動開始画面1210が表示部1200に表示される。運動開始画面1210には、ユーザ10の名前「○山△男」、及び、今日の日付「2015年8月10日」が表示されている。ユーザ10がスタートボタン1211をタッチ(押下)すると、運動画面1220が表示され、動画像領域A1に模範運動の動画像の表示が開始される。ユーザ10は、動画像領域A1に表示される運動画像をまねて、カウント画像領域A2に表示される数値によりテンポをとりながら、正しい動作で運動を行う。動画像が表示される際に、カウント画像領域A2に表示される数値を表す音声や、テンポをとる音、更に、楽曲などが出力されるようにしても良い。
【0027】
図3に、回数設定メインメニュー画面1230、及び、自宅回数設定メニュー画面1240の例を示す。
【0028】
デイケア・デイサービス施設のリハビリ指導員は、運動支援装置1000の入力部を介して、例えば、入力部の所定の2つのキーを同時に押下する等の予め定められた操作を行って、借主であるユーザ10の回数設定メインメニュー画面1230を表示させる。回数設定メインメニュー画面1230には、ユーザ10の名前「○山△男」及び日付「2015年8月10日」、及び、リハビリの種類を指定するためのボタン領域1231が表示される。尚、ユーザ10が、表示された名前の者と異なる場合、例えば、貸し出す相手が「○山△男」でない場合は、貸し出すメンバーのIDを入力して名前を変更することができるものとする。
【0029】
図3では、リハビリの種類を示すボタンが矩形で示され、ボタン領域1231には、「自宅」ボタン、「ストレッチ」ボタン、「棒リハビリ」ボタン、「マシンリハビリ」ボタン、「日常生活動作」ボタン、「その他」ボタンの、6つのボタンが表示されている。例えば、「自宅」ボタンは、ユーザ10が自宅で行うためのリハビリ運動の回数を設定するためのボタンであり、「マシンリハビリ」ボタンは、デイケア・デイサービス施設内に設置されているマシンを用いて行うリハビリ運動の回数を設定するためのボタンである。
図1では、ユーザ10が自宅で運動支援装置1000を用いてリハビリ運動をしている例を示しているが、デイケア・デイサービス施設等において運動支援装置1000が用いられても良く、ディスプレイを見ながら多人数が同時に運動をしても良い。多人数で同時に運動を行う場合には、実施形態の運動支援装置1000は、タブレット端末としているが、より大画面のテレビ等に画像を表示させることとしても良い。
【0030】
図3の回数設定メインメニュー画面1230において、「自宅」ボタンが選択されると、自宅回数設定メニュー画面1240が表示される。尚、選択された「自宅」ボタンは、ハッチングがかけられている。
【0031】
自宅回数設定メニュー画面1240には、ユーザ10の名前「○山△男」及び日付「2015年8月10日」、及び、回数設定領域1241が表示される。
図4では、回数設定領域1241には、「運動名」項目、「前回設定回数」項目、「実績」項目、「回数」項目が表形式で表示されている。「運動名」項目、「前回設定回数」項目、「実績」項目は、自宅回数設定メニュー画面1240が表示されたときに表示されている項目であり、その内容は名前「○山△男」のユーザ10のものである。リハビリ指導員は、「運動名」項目に示される運動名ごとに、「回数」項目に回数を設定する。例えば、リハビリ指導員は、運動名「スクワット」について、前回設定回数が「5」であり、実績が「6」であるので、運動能力に余裕があると判断して、今回の回数として「8」を設定するなどである。
図3では、「運動名」項目の運動名として「肩上げ 左」、「肩上げ 右」、「スクワット」の3つが表示されているが、より多くの運動名がスクロール表示され、回数を設定できるものとする。また、「運動名」項目の運動名は、その順序を変更することができ、運動の動画像は、この順序で再生される。例えば、
図3では、「肩上げ 左」、「肩上げ 右」、「スクワット」の順序で表示されているので、この順番で動画像が再生されることになる。
【0032】
次に、
図4、
図5を用いて、動画像領域A1に表示される動画像、及び、カウント画像領域A2に表示される数値について説明する。
【0033】
図4に、「両腕の曲げ伸ばし運動」の運動画像の遷移図を示す。動画像領域A1内の破線矢印は、腕の動きの方向を示す。
【0034】
「両腕の曲げ伸ばし運動」は、「両腕を曲げる」という動作と、「両腕を伸ばす」という2つの動作で構成される。そして、ユーザ10がこの1つの運動を、カウント「0」からカウント「8」までの9カウントで行うものとし、カウント「0」が、いわゆるスタートポジションとする。ユーザ10は、カウント「1」からカウント「4」にかけて、「腕を曲げる」という動作を行い、カウント「5」からカウント「8」にかけて、「腕を伸ばす」という動作を行う。
【0035】
運動支援装置1000では、カウント画像領域A2に表示されるカウント画像の色を、カウント「0」からカウント「4」と、カウント「5」からカウント「8」とで異ならせて表示させる。つまり、カウント画像の色が変わるので、ユーザ10は、1つの運動中で、動作が切り替わるタイミングを容易に認識することができることになる。
【0036】
図5に、「右腕の上げ下げ運動」の運動画像の遷移図を示す。尚、ユーザ10の右腕の運動がしやすいように、動画像領域A1には、左腕を上げ下げする指導員の姿が表示されている。「右腕の上げ下げ運動」は、「右腕を上げる」という動作と、「右腕を下げる」という2つの動作で構成される。この「右腕の上げ下げ運動」は、
図4の「両腕の曲げ伸ばし運動」と同様に、カウント「0」からカウント「8」までの9カウントで行うものとするが、動作の切り替わるタイミングが異なる。カウント「0」が、いわゆるスタートポジションとし、ユーザ10は、カウント「1」からカウント「6」にかけて、「右腕を上げる」という動作を行い、カウント「7」からカウント「8」にかけて、「右腕を下げる」という動作を行う。つまり、腕を上げる場合は、時間をかけてゆっくりとしたスピードで動作を行い、腕を下す場合は、短い時間で速いスピードで動作を行うことになる。この運動では、カウント画像領域A2に表示されるカウント画像の色を、カウント「0」からカウント「6」と、カウント「7」からカウント「8」とで異ならせて表示させる。
【0037】
図4、
図5で示すように、複数の動作で構成される運動では、その運動の効果を発揮させるために、一つ一つの動作のスピードをそれぞれ異ならせる場合がある。
【0038】
例えば、ユーザ10が、
図4の「両腕の曲げ伸ばし運動」が9カウントであることを、認識していたとしても、カウント「1」から「6」で「両腕を曲げる」動作を行い、カウント「7」から「8」で「両腕を伸ばす」動作を行った場合には、この運動の効果が最大限に発揮されないことになる。
【0039】
そこで、実施形態の運動支援装置1000では、1つの運動中で動作が切り替わるタイミングで、カウント画像領域A2に表示するカウント画像の色を変えて、ユーザ10がそのタイミングを認識しやすくすることで、より正しい動作で運動を行うように支援する。
【0040】
従って、ユーザ10は、カウント画像領域A2に表示されるカウント画像の色が変わることで動作の切り替わるタイミングを知ることができるので、様々な運動を適切な動作で行うことが可能となる。
【0041】
尚、実施形態では、カウント画像の色を変えることとしているが、画像の大きさを変える、字体を変える、形状を変えるなど、カウント画像の表示形態(表示態様)を変えることとしても良い。また、実施形態では、カウントの数値を表示することとしているが、数値ではなく、例えば、円等の図形を表示し、テンポに応じて点灯させる等しても良い。すなわち、ユーザ10が、運動のテンポを認識でき、動作の切り替えタイミングを認識できるような表示方法であればよい。また、
図4、
図5では、一つの運動を9カウントで行うこととしているが、他のカウント数であってももちろん良く、運動を行う場合に最適なカウント数でよい。また、運動が2つの動作で構成される場合をして説明しているが、運動が3つ以上の動作で構成されていても良く、この場合も、動作が切り替わるタイミングにおいて、カウント画像の表示態様を変更すれば良い。
【0042】
以下、本発明にかかる実施の一形態である運動支援装置1000を図面に基づいて説明する。
【0043】
<構成>
図6を用いて、運動支援装置1000を説明する。
図6は、運動支援装置1000の機能ブロック図である。
【0044】
運動支援装置1000は、運動支援制御部1100、表示部1200、入力部1300、回数取得部1400、表示制御部1500、履歴処理部1600、タイマー1700、メンバー情報記憶部2000、運動回数情報記憶部2100、履歴情報記憶部2200、及び、動画像情報記憶部2300を備える。
【0045】
運動支援制御部1100は、他の機能部を制御して、動画像を表示部1200に表示させる運動支援処理を行う。
【0046】
表示部1200は、各記憶部に記憶されているデータや、プログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を出力する機器であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。
【0047】
入力部1300は、さまざまな操作指示を管理サーバ装置1000に入力する機器、例えば、キーボード、マウス等である。
【0048】
実施形態では、表示部1200及び入力部1300からタッチパネルが構成されているものとする。このタッチパネルを構成する場合において、入力部1300は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力装置である。このタッチパネルでは、表示装置(表示部1200)の表示面上に、位置入力装置(入力部1300)が設けられる。まず、表示装置に、運動支援装置1000に入力可能な1又は複数の入力内容の候補が表示される。そして、ユーザが、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力装置によってその位置が検出され、検出された位置に表示されている内容が、ユーザの操作入力内容として運動支援装置1000に入力される。このようなタッチパネルでは、ユーザは、入力操作を直感的に理解し易いので、ユーザにとって取り扱い易い運動支援装置1000が提供される。
【0049】
回数取得部1400は、運動を行う回数、つまり、1つの運動の動画像の繰り返し回数を取得する。具体的には、例えば、回数取得部1400は、
図3に示した回数設定メインメニュー画面1230、及び、自宅回数設定メニュー画面1240等を表示させ、回数設定領域1241の回数の欄に入力された回数を取得する。
【0050】
表示制御部1500は、運動の動画像を、複数の運動の動画像それぞれを、予め設定されたそれぞれの回数だけ繰り返し表示する。具体的には、例えば、表示制御部1500は、
図4、
図5に示すような一連の運動画面1220を、予め設定された回数だけ、繰り返して表示部1200に表示する。
【0051】
履歴処理部1600は、ユーザが各運動を実際に行った回数に関して処理を行う。具体的には、履歴処理部1600は、実績回数を取得し、履歴情報記憶部2200に記憶させる。例えば、履歴処理部1600は、実際に行った回数を入力するための実績回数入力画面1250(
図13)を表示部1200に表示させ、入力部1300を介して実績回数を取得する等である。また、履歴表示部1600は、所定の命令が入力部1300を介して入力されると、過去の設定回数と実績回数とを、例えば、グラフ(不図示)として表示部1200に表示してもよい。
【0052】
タイマー1700は、いわゆるタイマーであり、表示制御部1500の依頼により、所定の周期で、例えば、1秒ごとに表示制御部1500に割り込みをかける。表示制御部1500は、この所定の周期で、カウント画像を、例えば、「1」から「2」に変更する。この周期を変えることで、運動毎のテンポを変えることが可能となる。
【0053】
メンバー情報記憶部2000は、メンバー情報、すなわち、運動支援装置1000を用いるユーザ(メンバー)に関する情報を記憶する。
【0054】
運動回数情報記憶部2100は、メンバー毎の運動メニュー、つまり、行うべき運動名、繰り返し回数などを記憶する。
【0055】
履歴情報記憶部2200は、メンバー毎の運動を行った履歴を記憶する。
【0056】
動画像情報記憶部2300は、各運動の動画像、及び、カウント画像領域A2にカウント画像を表示するための情報、及び、動画像データを記憶する。
【0057】
メンバー情報記憶部2000〜動画像情報記憶部2300に記憶されるデータについては、<データ>の項で説明する。
【0058】
運動支援装置1000は、上述のようにいわゆるコンピュータで構成され、それぞれハードディスク等の記憶部(不図示)に格納されているソフトウェアプログラムがCPU(Central Processing Unit)により実行されることによって上述の各機能部がコンピュータに機能的に構成される。
【0059】
<データ>
次に、運動支援装置1000で用いる主なデータについて説明する。
【0060】
図7は、メンバー情報記憶部2000に記憶されているメンバー情報テーブル2010の構成及び内容の例を示す図である。メンバー情報テーブル2010には、運動支援装置1000を用いて運動を行うメンバー(運動支援装置1000の借主)ごとに、1レコードが登録される。
【0061】
メンバー情報テーブル2010は、メンバーID2011、年齢2012、及び、氏名2013を有する。
【0062】
メンバーID2011は、メンバーを特定するための識別子を示す。
【0063】
年齢2012は、メンバーID2011で示されるメンバーの年齢を示す。
【0064】
氏名2013は、メンバーID2011で示されるメンバーの氏名を示す。
【0065】
図8は、運動回数情報記憶部2100に記憶されている運動回数情報テーブル2110の構成及び内容の例を示す図である。運動回数情報テーブル2110は、メンバー毎に作成され、運動ごとに、1レコードが登録される。
【0066】
運動回数情報テーブル2110は、メンバーID2111、運動名2112、回数2113、及び、再生順番2114を有する。
【0067】
メンバーID2111は、メンバーを特定するための識別子を示す。このメンバーの識別子は、メンバー情報テーブル2010(
図7)のメンバーID2011として設定されている識別子のうちのいずれか一つである。
【0068】
運動名2112は、運動を特定するための識別子を示す。実施形態では、この識別子は、運動の部位(例えば、「上肢」、「下肢」等)と番号(例えば、「01」、「02」等)とを連結して表す。また、括弧内に説明を記載している。
【0069】
回数2113は、運動名2112で示される運動の繰り返し回数、つまり、運動の動画像の再生回数を示す。この回数は、自宅回数設定メニュー画面1240(
図3)の「回数」項目に入力された回数が、回数取得部1400よって設定される。
【0070】
再生順番2114は、運動名2112で示される運動を行う順番、つまり、運動の動画像が再生される順番を示す。尚、「0」は、動画像の再生を行わないことを示す。この順番は、自宅回数設定メニュー画面1240の「運動名」項目として設定されている運動名の表示の順番が、回数取得部1400によって設定される。例えば、自宅回数設定メニュー画面1240の「運動名」項目として「肩上げ 左」が最初に表示されているので、運動名2112が「上肢01(肩上げ 左)」のレコードの再生順番2114として「1」が設定される。
【0071】
図9は、履歴情報記憶部2200に記憶されている履歴情報テーブル2210の構成及び内容の例を示す図である。履歴情報テーブル2210は、メンバー毎に作成され、運動ごとに、1レコードが登録される。
【0072】
履歴情報テーブル2210は、メンバーID2211、運動名2212、日付2213、設定回数2214、及び、実績回数2215を有する。履歴情報テーブル2210には、メンバーID2211が示すメンバーが運動を行う都度、日付2213、設定回数2214、及び、実績回数2215が追加される。
【0073】
メンバーID2211は、メンバーを特定するための識別子を示す。このメンバーの識別子は、メンバー情報テーブル2010(
図7)のメンバーID2011として設定されている識別子のうちのいずれか一つである。
【0074】
運動名2212は、運動を特定するための識別子を示す。この運動名2212として、運動回数情報テーブル2110(
図8)の運動名2112として設定されている識別子と同じ識別子が設定されている。
【0075】
日付2213は、運動を行った年月日を示す。
【0076】
設定回数2214は、運動名2212で示される運動を繰り返す回数、つまり、運動の動画像が再生される回数を示す。
【0077】
実績回数2215は、運動名2212で示される運動を、メンバーID2211が示すメンバーが、実際に繰り返して行った回数を示す。
【0078】
図10は、動画像情報記憶部2300に記憶されている動画像情報テーブル2310の構成及び内容の例を示す図である。動画像情報テーブル2310は、1運動ごとに、1レコードが登録される。
【0079】
動画像情報テーブル2310は、運動名2311、ファイル名2312、全カウント数2313、及び、変化カウント数2314を有する。
【0080】
運動名2311は、運動を特定するための識別子を示す。この運動名2311として、運動回数情報テーブル2110(
図8)の運動名2112として設定されている識別子と同じ識別子が設定されている。
【0081】
ファイル名2312は、運動名2311が示す運動の動画像データが記憶されているファイル名を示す。
【0082】
全カウント数2313は、運動名2311が示す運動のカウント数を示す。例えば、全カウント数2313が「8」の運動は、カウント「0」からカウント「8」までの9カウントで行うことを示す。
【0083】
変化カウント数2314は、運動名2311が示す運動を構成する動作が、切り替わるタイミングを示す。例えば、変化カウント数2314が「5」の運動は、カウントが「5」の時に動作が切り替わることを示す。尚、
図10の動画像情報テーブル2310では、変化カウント数2314が1つ、つまり、2つの動作で構成されている運動のみを記載しているが、3つ以上の動作で構成される運動の場合は、変化カウント数2314を2つ以上備えることになる。
【0084】
<動作>
次に、
図11、
図12を用いて、運動支援装置1000が行う処理について説明する。
【0085】
図11は、運動画像表示処理のフローチャートである。
【0086】
ユーザ10が、運動支援装置1000の電源を入れると、運動支援制御部1100等の機能部が起動され、運動支援制御部1100は、表示部1200に運動開始画面1210(
図2)を表示させる。詳細には、運動支援制御部1100は、ユーザ10のメンバーIDをメモリから読み出す。運動支援装置1000の借主、すなわち、ユーザ10のメンバーIDは、例えば、リハビリ指導者が借主の名前を変えるためにメンバーIDを回数設定メインメニュー画面1230(
図3)で入力した時(貸出し時)に運動支援装置1000の内部のメモリに記憶されるものとする。
【0087】
運動支援制御部1100は、読み出したメンバーIDがメンバー情報テーブル2010(
図7)のメンバーID2011として設定されているレコードから、氏名2013として設定されている名前を読み出し、運動開始画面1210内の所定場所に埋め込んで、運動開始画面1210を表示させ、又、タイマー1700から現在の日時を取得して、年月日を運動開始画面1210の所定場所に表示させる。
【0088】
運動開始画面1210を表示させた運動支援制御部1100は、スタートボタン1211が押下(タッチ)されるのを待つ(ステップS10:No)。
【0089】
ユーザ10がスタートボタン1211を押下し、運動支援制御部1100は、入力部1300を介して、スタートボタン1211が押下されたことを検知すると(ステップS10:Yes)、表示制御部1500にユーザ10のメンバーIDを渡して、運動の動画像の表示を依頼する。
【0090】
依頼を受けた表示制御部1500は、渡されたユーザ10のメンバーIDが、メンバーID2111として設定されている運動回数情報テーブル2110(
図8)を運動回数情報記憶部2100から読み出す。そして、再生順番2114として「1」が設定されているレコードの運動名2112として設定されている運動識別子と、回数2113として設定されている再生回数とを読み出し、運動識別子が示す運動の動画像を、再生回数分繰り返し表示させる(ステップS11)。
【0091】
ここで、
図12を用いて、表示制御部1500が行う、1運動の動画像の表示処理を説明する。
図12は、1運動表示処理のフローチャートである。
【0092】
再生順番2114として「1」が設定されているレコードの運動名2112として設定されている運動識別子(以下、「対象運動識別子」という。)と、回数2113として設定されている再生回数(以下、「対象再生回数」という。)とを読み出した表示制御部1500は、カウンタを初期化、つまり、カウンタに「0(ゼロ)」を設定する(ステップS20)。また、表示制御部1500は、カウント画像領域A2に表示するカウント画像の属性として、属性1を設定する(ステップS21)。尚、属性1、及び、後述する属性2は、予め定められているものとし、例えば、属性1はカウント画像の数値の色が赤で、属性2では青などである。
【0093】
次に、表示制御部1500は、動画像情報記憶部2300に記憶されている動画像情報テーブル2310(
図10)から、運動名2311として対象運動識別子が設定されているレコードにファイル名2312として設定されているファイル名(以下、「対象ファイル名」という。)を読み出し、全カウント数2313として設定されている数値(以下、「終了カウント」という。)を読み出し、変化カウント数2314として設定されている数値(以下、「変化カウント」という。)を読み出す。
【0094】
そして、表示制御部1500は、対象ファイル名が示すファイルの動画像データの表示部1200への表示を開始し(ステップS22)、タイマー1700に1秒周期で割り込みをかけるように指示し、カウント画像領域A2にカウント画像を表示する(ステップS23)。現在のカウントは「0」であるので、数値0が表示される。
【0095】
タイマー1700から割り込みを受けると、表示制御部1500はカウンタに1を加算する(ステップS25)。表示制御部1500は、現在のカウンタの値が終了カウント以下の場合は(ステップS26:No)、まだ1運動の動画像が終了していないと判断する。次に、表示制御部1500は、現在のカウンタが変化カウンタと同じである場合には(ステップS27:Yes)、動作が切り替わるタイミングであると判断して、カウント画像の属性として属性1に代えて属性2を設定し(ステップS28)、現在のカウンタが変化カウンタと同じでない場合には(ステップS27:No)、動作が切り替わるタイミングではないと判断して属性1のままとする。そして、表示制御部1500は、ステップS23からの処理を繰り返す。
【0096】
ステップS26において、現在のカウンタの値が終了カウントより大きい場合(ステップS26:Yes)、表示制御部1500は、1運動の動画像が終了したと判断し、動画像を対象再生回数だけ繰り返し表示するまで(ステップS29:Yes)、ステップS20からの処理を行う(ステップS29:No)。
【0097】
これで、
図11のフローチャートのステップS11の処理が終了する。次に、表示制御部1500は、運動回数情報テーブル2110の再生順番2114として「2」が設定されているレコードの運動名2112として設定されている運動識別子と、回数2113として設定されている再生回数とを読み出し、運動識別子が示す運動の動画像を、再生回数分繰り返し表示させる(ステップS11)。表示制御部1500は、次に「3」が再生順番2114として設定されているレコードを読み出して、というように、運動の順番を示す数値を1ずつ加算して、この数値が再生順番2114として設定されているレコードを検索して、動画像の表示を行い(ステップS12:No)、この数値が再生順番2114として設定されているレコードが無い場合に、全運動の動画像の表示が終了したと判断し(ステップS12:Yes)、運動支援制御部1100に通知し、処理を終了する。
【0098】
処理が終了した通知を受けた運動支援制御部1100は、履歴処理部1600に履歴処理を行うよう指示する。
【0099】
指示を受けた履歴処理部1600は、例えば、
図13に示すような実績回数入力画面1250を表示部1200に表示する。
【0100】
実績回数入力画面1250には、ユーザ10の名前「○山△男」及び日付「2015年8月10日」、及び、実績入力領域1251が表示される。
図13では、実績入力領域1251には、「運動名」項目、「目標回数」項目、「行った回数」項目が表形式で表示されている。「運動名」項目、「目標回数」項目は、実績回数入力画面1250が表示されたときに表示されている項目である。ユーザ10は、「運動名」項目に示される運動名ごとに、「行った回数」項目に自分が行った回数を入力する。例えば、ユーザ10は、運動名「肩上げ 左」について、目標回数が「15」であり、行った回数が15回であれば「15」を入力する。
【0101】
詳細には、履歴処理部1600は、ユーザ10のメンバーIDがメンバー情報テーブル2010(
図7)のメンバーID2011として設定されているレコードから、氏名2013として設定されている名前を読み出し、実績回数入力画面1250の所定場所に埋め込み表示させ、又、タイマー1700から現在の日時を取得して、年月日を実績回数入力画面1250の所定場所に表示させる。また、履歴処理部1600は、ユーザ10のメンバーIDがメンバーID2111として設定されている運動回数情報テーブル2110を運動回数情報記憶部2100から読み出す。そして、履歴処理部1600は、再生順番2114として設定されている数値(順番)が「1」のレコードから順番に読み出し、各レコードに運動名2112として設定されている運動識別子の後に記載されている括弧内の文字列を「運動名」項目に、回数2113として設定されている数値を「目標回数」項目に表示させた実績回数入力画面1250を表示する。
【0102】
ユーザ10は、「行った回数」項目に回数を入力し、終了ボタン1252を押下する。
【0103】
終了ボタン1252が押下されてことを検知した履歴処理部1600は、履歴情報テーブル2210(
図9)に、日付2213〜実績回数2215を追加する(ステップS13)。詳細には、履歴処理部1600は、実績回数入力画面1250の実績入力領域1251の「運動名」項目に対応している運動識別子が運動名2212として設定されているレコードに、日付2213として、タイマー1700から取得した本日の年月日を設定し、追加する設定回数2214として、「目標回数」項目に表示されている数値を設定し、追加する実績回数2215として、「行った回数」項目に表示されている数値を設定する。
【0104】
尚、
図13の実績回数入力画面1250では、行った回数を入力するものとしているが、「楽だった」、「少しきつかった」などの運動の感想を入力することとしても良い。この場合は、履歴情報テーブル2210には、実績回数2215に代えて感想が設定され、自宅回数設定メニュー画面1240(
図3)の「実績」項目に代えて「感想」項目が表示されることになる。
【0105】
次に、リハビリ指導員が、運動の繰り返し回数を設定する処理を説明する。
【0106】
入力部の所定の2つのキーを同時に押下されたことを検知した運動支援制御部1100は、回数取得部1400に回数を取得するよう指示する。
【0107】
指示を受けた回数取得部1400は、履歴情報テーブル2210(
図9)から、前回の、すなわち、日付2213として最も新しい日付が設定されているデータ群の設定回数2214として「1」以上が設定されているレコードを読み出し、各レコードに運動名2212として設定されている運動識別子(の説明文)を「運動名」項目として、設定回数2214及び実績回数2215として設定されている数値を、「前回設定回数」項目及び「実績」項目の数値として表示する。
【0108】
そして、リハビリ指導員が「回数」項目に回数を入力し、必要に応じて、「運動名」項目の順序を入れ替えて、つまり、運動の順番を入れ替えて、所定のボタンを押下するなどの終了操作を行う。
【0109】
終了操作を検知した回数取得部1400は、回数設定領域1241に表示されている「運動名」項目の運動識別子が運動名2112として設定されている各レコードに、再生順番2114として、「運動名」項目にその運動識別子が表示されている順番を設定し、回数2113として、「回数」項目に設定された数値を設定する。
【0110】
実施形態では、運動支援装置1000内の記憶部に、複数名のメンバーの情報を記憶しておき、その中の一人のメンバーに運動支援装置1000を貸し出すこととしているが、すべてのメンバーの情報を外部のサーバ装置等に記憶しておき、運動支援装置1000を貸し出す際に、借主のデータのみを記憶させることとしても良い。この場合は、運動支援装置1000にはサーバ装置と通信を行うための機能部を備える。この場合の通信は、有線、無線を問わず、インターネット等のネットワークを介しても良い。
【0111】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更及び/又は改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態又は改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態又は当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【解決手段】表示部を備える運動支援装置は、1運動の動画像を記憶する動画像記憶手段と、回数を取得する回数取得手段と、前記動画像記憶手段で記憶されている動画像を、前記回数取得手段で取得した回数だけ繰り返して、前記表示部に表示させる表示制御手段とを備え、前記1運動は、複数の動作で構成され、前記表示制御手段は、前記1運動の動画像の表示と並行して、予め定められた所定数のカウントを示すカウント画像を前記表示部に表示し、当該1運動を構成する動作ごとに、前記カウント画像の表示態様を変えて表示する