【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、上記のように風圧の煽り荷重や積雪荷重に対する屋根の固定強度を確保することができるが、躯体への固定にネジ、ボルト等の固定金具を用いることによって、躯体固定部位から雨水が浸入して、壁面の雨仕舞が損なわれる可能性を否定できないし、近時、住宅瑕疵担保履行法が施行されたことによって、住宅メーカーや住宅建築業者が、雨仕舞に影響する可能性のあるネジ、ボルト等の固定金具を用いた構築物の躯体への固定を忌避する傾向が生じている一方で、施主がテラス、サンルーム等の設置を望むことも多い。
【0005】
従って、これら構築物を、建物開口部乃至壁面の前面に躯体固定することなく支柱支持によって独立施工する建物添設の独立構築物とする必要が生じるところ、該独立構築物とした場合に屋根の自由端と躯体との間に生じる空隙を有効且つ外観よく処理する必要が生じる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、テラス、サンルーム等の独立構築物の屋根自由端と躯体との間に生じる空隙を有効且つ外観よく処理し得るようにした建物添設用独立構築物を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に沿って本発明は、例えば、カーポート、サイクルポート等の屋根を支柱支持した独立構築物の設置を、その屋根自由端と躯体との間に屋根自由端の揺動撓み空隙を配置して施工する建物添設のものとし、該揺動撓み空隙によって屋根自由端の揺動を躯体非接触状態で積極的に許容し、風圧の煽り荷重や積雪荷重の負荷によって、該屋根自由端が上下方向に揺動し、該屋根自由端が躯体の壁面に接触して屋根自由端乃至躯体の壁面を損傷する可能性を解消する一方、屋根自由端と躯体との該揺動撓み空隙に、可及的に雨水の浸入を防止するように閉塞部材を配置するとともに該閉塞部材を高弾性伸張性のものとして、該閉塞部材に配置した舌状先端を躯体に対して上下方向摺動自在に弾性圧接することによって、該揺動撓み空隙を、長期の耐久性を備えて有効に且つ外観よく処理し得るようにしたもので
ある。
即ち、請求項1の発明を、建物開口部乃至壁面の前面に離間して配置される支柱支持によって独立施工される建物添設用の独立構築物であって、上記支柱側に一端が固定されて建物開口部乃至壁面の前面に向かって延びる屋根は、上記建物開口部乃至壁面と当該屋根の先端である屋根自由端との間に揺動撓み空隙
が形成されていて、上記屋根自由端側に固定して上記建物の躯体側に向けて板状に突出することによっ
て上記揺動撓み空隙を閉塞
させている閉塞部材を備えてなり、
上記閉塞部材は、
上記建物開口部乃至壁面の前面に沿って配置されている舌状先端を上記躯体に対して上下方向に摺動自在に弾性圧接させると共に、上記屋根自由端側と前記舌状先端との間
が下方に凸に屈曲され
、上記閉塞部材の下面に設けられた被嵌溝又は嵌合条が上記屋根自由端に設けられた取付枠に固定されていることを特徴とする建物添設用独立構築物としたものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記高弾性伸張性の閉塞部材の屋根自由端から躯体への突出方向を突出方向中間位置で規制し、該閉塞部材の突出方向の確保と中間支持によって閉塞部材による雨水防止の閉塞を可及的有効になし得るものとするように、これを、上記屋根自由端の上記取付枠の躯体側に、上記閉塞部材を突出方向中間位置で保持して該閉塞部材の突出方向を規制する中間枠乃至中間金具を備えてなることを特徴とする
請求項1に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記中間枠乃至中間金具による閉塞部
材の保持を、可及的安定且つ確実に行うものとするように、これを、上記中間枠乃至中間
金具と閉塞部材にそれぞれ反対方向に向けて開口する各L字上の係合条又は係合部を配置
し、これら係合条
と係合部の係合によって、該中間枠又は中間金具への閉塞部材の保持を行ってなることを特徴とする
請求項2に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、閉塞部材の上記舌状先端による躯体に
対する弾性圧接を可及的に線接触になし得るものとすることによって、閉塞部材の雨水防
止を可及的有効になし得るものとするように、これを、上記閉塞部材の舌状先端近傍に、該舌状先端とともに躯体に対接する対接条を配置して、該舌状先端の躯体に対する上下摺
動自在の弾性圧接を線接触としてなることを特徴とする請求項1、2
又は3に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記閉塞部材を、高弾性伸張性を有す
る好ましい形態のものとするように、これを、上記閉塞部材をエラストマーの押出成形材
によるものとしてなることを特徴とする請求項1、2、
3又は4に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記揺動撓み空隙を、独立構築物の屋
根自由端の揺動撓みを可及的充分に確保しつつ該屋根自由端が躯体に接触して該屋根自由
端乃至躯体の壁面の損傷可能性を解消する幅を有するものとするように、これを、上記揺
動撓み空隙の基準幅を8〜12cmとし、上記閉塞部材の幅を該揺動撓み空隙の基準幅の
1.7〜2倍としてなることを特徴とする請求項1、2、3、
4又は5に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0014】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、例えば、カーポート、サイクルポート等の屋根を支柱支持した独立構築物の設置を、その屋根自由端と躯体との間に屋根自由端の揺動撓み空隙を配置して施工する建物添設のものとし、該揺動撓み空隙によって屋根自由端の揺動を躯体非接触状態で積極的に許容し、風圧の煽り荷重や積雪荷重の負荷によって、該屋根自由端が上下方向に揺動し、該屋根自由端が躯体の壁面に接触して屋根自由端乃至躯体の壁面を損傷する可能性を解消する一方、屋根自由端と躯体との該揺動撓み空隙に、可及的に雨水の浸入を防止するように閉塞部材を配置するとともに該閉塞部材を高弾性伸張性のものとして、該閉塞部材に配置した舌状先端を躯体に対して上下方向摺動自在に弾性圧接することによって、該揺動撓み空隙を、長期の耐久性を備えて有効に且つ外観よく処理し得るようにした建物添設用独立構築物を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、屋根自由端に対する閉塞部材の固定を可及的簡易且つ確実に行うものとすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記高弾性伸張性の閉塞部材の屋根自由端から躯体への突出方向を突出方向中間位置で規制し、該閉塞部材の突出方向の確保と中間支持によって閉塞部材による雨水防止の閉塞を可及的有効になし得るものとすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記中間枠乃至中間金具による閉塞部材の保持を、可及的安定且つ確実に行うものとすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、閉塞部材の上記舌状先端による躯体に対する弾性圧接を可及的に線接触になし得るものとすることによって、閉塞部材の雨水防止を可及的有効になし得るものとすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記閉塞部材を、高弾性伸張性を有する好ましい形態のものとすることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記揺動撓み空隙を、独立構築物の屋根自由端の揺動撓みを可及的充分に確保しつつ該屋根自由端が躯体に接触して該屋根自由端乃至躯体の壁面の損傷可能性を解消する幅を有するものとすることができる。