特許第5914908号(P5914908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914908
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】建物添設用独立構築物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20160422BHJP
【FI】
   E04B1/343 V
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-972(P2011-972)
(22)【出願日】2011年1月6日
(65)【公開番号】特開2012-140831(P2012-140831A)
(43)【公開日】2012年7月26日
【審査請求日】2013年9月24日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 太郎
【審査官】 湊 和也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−131376(JP,A)
【文献】 特開昭55−114731(JP,A)
【文献】 実開昭58−005523(JP,U)
【文献】 特開2001−220823(JP,A)
【文献】 特開平02−161038(JP,A)
【文献】 実開昭54−113113(JP,U)
【文献】 特開2007−146523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/343
E04H 6/02
E04B 1/68
E04D 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部乃至壁面の前面に離間して配置される支柱支持によって独立施工される建物添設用の独立構築物であって、
上記支柱側に一端が固定されて建物開口部乃至壁面の前面に向かって延びる屋根は、上記建物開口部乃至壁面と当該屋根の先端である屋根自由端との間に揺動撓み空隙が形成されていて、上記屋根自由端側に固定して上記建物の躯体側に向けて板状に突出することによっ上記揺動撓み空隙を閉塞させている閉塞部材を備えてなり、
上記閉塞部材は、上記建物開口部乃至壁面の前面に沿って配置されている舌状先端を上記躯体に対して上下方向に摺動自在に弾性圧接させると共に、上記屋根自由端側と前記舌状先端との間下方に凸に屈曲され
上記閉塞部材の下面に設けられた被嵌溝又は嵌合条が上記屋根自由端に設けられた取付枠に固定されていることを特徴とする建物添設用独立構築物。
【請求項2】
上記屋根自由端の上記取付枠の躯体側に、上記閉塞部材を突出方向中間位置で保持して該閉塞部材の突出方向を規制する中間枠乃至中間金具を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の建物添設用独立構築物。
【請求項3】
上記中間枠乃至中間金具と閉塞部材にそれぞれ反対方向に向けて開口する各L字状の係合条又は係合部を配置し、これら係合条係合部の係合によって、該中間枠又は中間金具への閉塞部材の保持を行ってなることを特徴とする請求項2に記載の建物添設用独立構築物。
【請求項4】
上記閉塞部材の舌状先端近傍に、該舌状先端とともに躯体に対接する対接条を配置して、該舌状先端の躯体に対する上下摺動自在の弾性圧接を線接触としてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の建物添設用独立構築物。
【請求項5】
上記閉塞部材をエラストマーの押出成形材によるものとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の建物添設用独立構築物。
【請求項6】
上記揺動撓み空隙の基準幅を8〜12cmとし、上記閉塞部材の幅を該揺動撓み空隙の基準幅の1.7〜2倍としてなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の建物添設用独立構築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、テラス、サンルーム、サイクルポート等の如くに建物開口部乃至壁面の前面に支柱支持によって施工設置する建物添設用の独立構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部乃至壁面の前面に、支柱支持によって施工するテラス、サンルーム等の構築物は、支柱支持した屋根の躯体側端部を躯体に対してネジ、ボルト等の固定金具を用いて固定することによって、支柱支持と該躯体固定によって風圧の煽り荷重や積雪荷重に対する屋根の固定強度を確保するものとしてあり、下記特許文献1は、躯体への固定を、躯体側と屋根側の接続枠に相互に回動自在の湾曲面を介設して、例えば構築物設置スペースとの関係で屋根傾斜角度が異なる場合にも、該屋根傾斜角度に応じて躯体への固定をなし得るものとしたものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−257013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、上記のように風圧の煽り荷重や積雪荷重に対する屋根の固定強度を確保することができるが、躯体への固定にネジ、ボルト等の固定金具を用いることによって、躯体固定部位から雨水が浸入して、壁面の雨仕舞が損なわれる可能性を否定できないし、近時、住宅瑕疵担保履行法が施行されたことによって、住宅メーカーや住宅建築業者が、雨仕舞に影響する可能性のあるネジ、ボルト等の固定金具を用いた構築物の躯体への固定を忌避する傾向が生じている一方で、施主がテラス、サンルーム等の設置を望むことも多い。
【0005】
従って、これら構築物を、建物開口部乃至壁面の前面に躯体固定することなく支柱支持によって独立施工する建物添設の独立構築物とする必要が生じるところ、該独立構築物とした場合に屋根の自由端と躯体との間に生じる空隙を有効且つ外観よく処理する必要が生じる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、テラス、サンルーム等の独立構築物の屋根自由端と躯体との間に生じる空隙を有効且つ外観よく処理し得るようにした建物添設用独立構築物を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に沿って本発明は、例えば、カーポート、サイクルポート等の屋根を支柱支持した独立構築物の設置を、その屋根自由端と躯体との間に屋根自由端の揺動撓み空隙を配置して施工する建物添設のものとし、該揺動撓み空隙によって屋根自由端の揺動を躯体非接触状態で積極的に許容し、風圧の煽り荷重や積雪荷重の負荷によって、該屋根自由端が上下方向に揺動し、該屋根自由端が躯体の壁面に接触して屋根自由端乃至躯体の壁面を損傷する可能性を解消する一方、屋根自由端と躯体との該揺動撓み空隙に、可及的に雨水の浸入を防止するように閉塞部材を配置するとともに該閉塞部材を高弾性伸張性のものとして、該閉塞部材に配置した舌状先端を躯体に対して上下方向摺動自在に弾性圧接することによって、該揺動撓み空隙を、長期の耐久性を備えて有効に且つ外観よく処理し得るようにしたものである。
即ち、請求項1の発明を、建物開口部乃至壁面の前面に離間して配置される支柱支持によって独立施工される建物添設用の独立構築物であって、上記支柱側に一端が固定されて建物開口部乃至壁面の前面に向かって延びる屋根は、上記建物開口部乃至壁面と当該屋根の先端である屋根自由端との間に揺動撓み空隙が形成されていて、上記屋根自由端側に固定して上記建物の躯体側に向けて板状に突出することによっ上記揺動撓み空隙を閉塞させている閉塞部材を備えてなり、上記閉塞部材は、上記建物開口部乃至壁面の前面に沿って配置されている舌状先端を上記躯体に対して上下方向に摺動自在に弾性圧接させると共に、上記屋根自由端側と前記舌状先端との間下方に凸に屈曲され、上記閉塞部材の下面に設けられた被嵌溝又は嵌合条が上記屋根自由端に設けられた取付枠に固定されていることを特徴とする建物添設用独立構築物としたものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記高弾性伸張性の閉塞部材の屋根自由端から躯体への突出方向を突出方向中間位置で規制し、該閉塞部材の突出方向の確保と中間支持によって閉塞部材による雨水防止の閉塞を可及的有効になし得るものとするように、これを、上記屋根自由端の上記取付枠の躯体側に、上記閉塞部材を突出方向中間位置で保持して該閉塞部材の突出方向を規制する中間枠乃至中間金具を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記中間枠乃至中間金具による閉塞部
材の保持を、可及的安定且つ確実に行うものとするように、これを、上記中間枠乃至中間
金具と閉塞部材にそれぞれ反対方向に向けて開口する各L字上の係合条又は係合部を配置
し、これら係合条係合部の係合によって、該中間枠又は中間金具への閉塞部材の保持を行ってなることを特徴とする請求項2に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、閉塞部材の上記舌状先端による躯体に
対する弾性圧接を可及的に線接触になし得るものとすることによって、閉塞部材の雨水防
止を可及的有効になし得るものとするように、これを、上記閉塞部材の舌状先端近傍に、該舌状先端とともに躯体に対接する対接条を配置して、該舌状先端の躯体に対する上下摺
動自在の弾性圧接を線接触としてなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記閉塞部材を、高弾性伸張性を有す
る好ましい形態のものとするように、これを、上記閉塞部材をエラストマーの押出成形材
によるものとしてなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0013】
請求項6に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記揺動撓み空隙を、独立構築物の屋
根自由端の揺動撓みを可及的充分に確保しつつ該屋根自由端が躯体に接触して該屋根自由
端乃至躯体の壁面の損傷可能性を解消する幅を有するものとするように、これを、上記揺
動撓み空隙の基準幅を8〜12cmとし、上記閉塞部材の幅を該揺動撓み空隙の基準幅の
1.7〜2倍としてなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の建物添設用独立構築物としたものである。
【0014】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、例えば、カーポート、サイクルポート等の屋根を支柱支持した独立構築物の設置を、その屋根自由端と躯体との間に屋根自由端の揺動撓み空隙を配置して施工する建物添設のものとし、該揺動撓み空隙によって屋根自由端の揺動を躯体非接触状態で積極的に許容し、風圧の煽り荷重や積雪荷重の負荷によって、該屋根自由端が上下方向に揺動し、該屋根自由端が躯体の壁面に接触して屋根自由端乃至躯体の壁面を損傷する可能性を解消する一方、屋根自由端と躯体との該揺動撓み空隙に、可及的に雨水の浸入を防止するように閉塞部材を配置するとともに該閉塞部材を高弾性伸張性のものとして、該閉塞部材に配置した舌状先端を躯体に対して上下方向摺動自在に弾性圧接することによって、該揺動撓み空隙を、長期の耐久性を備えて有効に且つ外観よく処理し得るようにした建物添設用独立構築物を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、屋根自由端に対する閉塞部材の固定を可及的簡易且つ確実に行うものとすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記高弾性伸張性の閉塞部材の屋根自由端から躯体への突出方向を突出方向中間位置で規制し、該閉塞部材の突出方向の確保と中間支持によって閉塞部材による雨水防止の閉塞を可及的有効になし得るものとすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記中間枠乃至中間金具による閉塞部材の保持を、可及的安定且つ確実に行うものとすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、閉塞部材の上記舌状先端による躯体に対する弾性圧接を可及的に線接触になし得るものとすることによって、閉塞部材の雨水防止を可及的有効になし得るものとすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記閉塞部材を、高弾性伸張性を有する好ましい形態のものとすることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記揺動撓み空隙を、独立構築物の屋根自由端の揺動撓みを可及的充分に確保しつつ該屋根自由端が躯体に接触して該屋根自由端乃至躯体の壁面の損傷可能性を解消する幅を有するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】テラスの正面図である。
図2】テラスの平面図である。
図3】テラスの縦断面図である。
図4図3の部分拡大縦断面図である。
図5】閉塞部材の設置状態を示す分解縦断面図である。
図6】他の例を示す部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図1乃至図5において1は、建物開口部乃至壁面の前面に躯体固定することなく支柱支持によって独立施工する、本例にあって、例えば、既存のカーポートを転用することによってアルミ製のテラスとした建物添設用の独立構築物であり、該独立構築物1は、上記躯体Aとの間に屋根自由端の風圧揺動乃至積雪撓みを躯体非接触状態で許容する揺動撓み空隙Bを配置する一方、上記屋根自由端に該自由端長手方向に一連に配置した取付枠2と、該取付枠2に該自由端側の幅方向一端を固定して躯体A側に向けて幅広に突出することによって舌状先端43を躯体Aに対して上下方向摺動自在に弾性圧接して上記揺動撓み空隙Bを閉塞する高弾性伸張性の閉塞部材を備えたものとしてある。
【0024】
本例にあって該独立構築物Aは、アルミ押出材製の一対の支柱11と、アルミ押出材製の屋根外枠内に同じくアルミ押出材を格子状に配置し上面に屋根パネル、例えばポリカーボネート、アルミ等の透明乃至不透明の屋根パネルを載置固定した屋根12とを備え、一対の支柱11を、躯体Aから外側に離隔した位置に、該躯体Aと平行に起立設置するとともに該一対の各支柱11から躯体A側に上向き傾斜して一端を固定した一対の梁に屋根12を載置固定することによって、その上向き傾斜上位側先端に位置する屋根自由端を躯体A側として、該一対の支柱11によって屋根12を支持したものとしてある。
【0025】
このとき、該一対の支柱11の起立設置は、これを、上向き傾斜の屋根12の奥行幅と上記揺動撓み空隙Bの幅の合計寸法を躯体Aから離隔した位置として、独立構築物Aのテラスを施工することによって、その設置状態で躯体Aとの間に上記揺動撓み空隙Bを配置して、該独立構築物1を、建物に添設するように施工するも、その躯体Aに固定したり、支持したりすることなく、上記一対の支柱11の支持によって躯体Aとは無関係に施工した独立設置のものとしてある。
【0026】
従って、該独立構築物1のテラスは、風圧の煽り荷重や積雪荷重の負荷の如くに外力を受けることによって、支柱11支持状態で屋根12に揺動や撓みを生じるに至るところ、該屋根12の揺動や撓みは、上記揺動撓み空隙Bでなされるから、該屋根12の揺動や撓みが生じても、屋根自由端は、躯体Aとは無関係に上下方向に移動する結果、該屋根自由端が躯体Aに接触するに至ることはなく、従って、該屋根12の風圧の煽り荷重や積雪荷重による揺動や撓みを積極的に容認したものとしてある。
【0027】
本例にあって該揺動撓み空隙Bは、その基準幅、即ち、施工時に基準として設置する幅を8〜12cm、本例にあっては10cmとしてあり、該10cmを屋根自由端の先端と躯体Aの壁面まで基準の幅として、上記独立構築物1のテラスの施工を行うものとしてある。
【0028】
該揺動撓み空隙Bには、閉塞部材4によって、これを被覆するように閉塞して該揺動撓み空隙Bに対して可及的に雨水の浸入を防止し且つ損傷することなく耐久性を有するものとしてあり、該閉塞部材4は、例えばゴム、軟質合成樹脂等の高弾性伸張性の材質による幅広の板状成形材を用いて、その幅を、上記揺動撓み空隙の基準幅の1.7〜2倍としてあり、本例にあって該閉塞部材は、その幅を18cm強としてある。
【0029】
このとき、該閉塞部材4は、本例にあって、これを、エラストマーの成形材、特に押出成形材によるものとして、上記高弾性伸長性を高度に有することによって、好ましい雨水の浸入防止作用と耐久性を備えたものとしてある。該閉塞部材4は、その肉厚を、例えば、外側、即ち屋根側において1cm〜数mmとし、躯体側に向けて次第に肉厚を減少して躯体側の上記舌状先端43を、例えば数mm〜1〜2mm程度とした肉厚漸減のものとしてある。また、本例の閉塞部材4は、これに、例えばその外側に、下向き一連に一体成形して断面T字状とした嵌合条41を備え、その幅方向中間の下面に下向き一連にL字状の係合条42を配置し、その舌状先端43の近傍に、該舌状先端43とともに躯体に対接する対接条44を配置したものしてあり、更に、上記T字状の嵌合条41の外側、即ち、屋根12の上面に向けて下降傾斜する水切突片45を配置して一体に成形することによって、上記幅広板状のものとしてある。
【0030】
本例における該閉塞部材4の上記取付枠2に対する固定は、これを、該取付枠2と閉塞部材4の一方に被嵌溝を、他方に嵌合条を配置し、これらの嵌合固定によって行ったものとしてあり、本例の被嵌溝24は、これをアルミ押出材製の取付枠2の上面に、嵌合条41は、これを閉塞部材4の上記下面にそれぞれ配置し、これらを嵌合し、必要に応じてネジ、接着等の固定手段、本例にあっては被嵌溝の下面からのネジ5を閉塞部材4の嵌合条41に螺入することによって、その固定を行ったものとしてある。
【0031】
また、本例にあって、上記屋根自由端の上記取付枠2の躯体側に、上記閉塞部材4を突出方向中間位置で保持して該閉塞部材の突出方向を規制する中間枠乃至中間金具、本例にあっては、例えばステンレス又はアルミ押出材製とした中間金具3を備えたものとしてあり、このとき、該中間金具3への閉塞部材4の保持は、該中間金具3と閉塞部材4にそれぞれ反対方向に向けて開口する各L字上の係合条又は係合部、本例にあっては閉塞部材4において係合条42、中間金具3において係合部32を配置し、これら係合条42と係合部32の係合によって行ったものとしてある。
【0032】
本例における取付枠2は、屋根面内側のL字脚条21と、該L字脚条21に対して起立高さをやや高くして対向配置した先端側の先端L字脚条22と、これらL字脚条21及び先端L字脚条22によって、屋根自由端に位置する端部枠(既存のカーポートをテラスに転用した本例の独立構築物にあってカーポートとして見たときはその前枠に相当するから、該端部枠を前枠といってもよい)13から一対のL字状対向突条23を上方に突出することによって、断面C字状とした被嵌溝24と、上記先端L字脚条22の突端に上向き傾斜面乃至上向き曲面をなすように起立した起立固定条25を備えたものとしてある。
【0033】
即ち、本例にあって上記端部枠13は、上記既存のカーポートを転用したことから、その上面に上向きの合掌連結金具を設置する引掛け係合用のリブ14を備えているところ、該リブ14を、上記取付枠2を固定するための連結リブとして用いるように、該リブ14に上記L字脚条21を引掛け係合するとともに該L字脚条21と先端L字脚条22を該端部枠13の上面に載置してその配置を行ってあり、このとき、該取付枠2は、上記中間金具3を上記起立固定条25に、例えばネジ止めすることによって、該中間金具3とともに該端部枠13を囲繞して該端部枠13を2面で挟持するようにして、その固定を行ったものとしてある。
【0034】
本例にあって、上記中間金具3は、上記取付枠2の起立固定条25に重合し且つ上記端部枠13に配置した屋根下面側に向けて傾斜面乃至曲面をなす降下端部面15に、例えば上下方向部分的に重合する上下幅広の固定部31と、該固定部31の上端を屋根12面内側に屈曲して上記横向きL字状とした係合部32とを備えた片仮名のフ字状をなすプレートによるものとしてあり、該中間金具3は、その固定部31を上記取付枠2の起立固定条25と端部枠13の下降端部面15に重合配置して、その係合部32を取付枠2の起立固定条25にネジ5止めすることによって、該取付枠2に対して該中間金具3を一体化するとともに上記固定部31を端部枠13の降下端部面15をなす傾斜面乃至曲面に重合することによって、該一体化した取付枠2と中間金具3は、取付枠のL字脚条21の上記リブ14への引掛係合と、中間金具3の降下端部面15へのネジ5止めにより、該端部枠13を上記囲繞してその挟持を行うようにしてその固定を行ってある。従って、本例にあって取付枠2は、これを、例えば、テラスの屋根内部へ雨水が浸入する可能性が残る端部枠13に対して直接にネジ止めする如き構造を採ることなく、その安定且つ確実な固定を行ったものとしてある。
【0035】
該端部枠13に配置した取付枠2に対する上記閉塞部材4の上記幅方向一端の固定は、取付枠2の上記断面C字状の被嵌溝24に閉塞部材4の上記T字状の嵌合条41を嵌合固定することによって行ってあり、また、閉塞部材4の上記突出方向中間位置の保持は、上記中間金具3のL字状の係合部32に閉塞部材4の上記幅方向中間の下面に下向き一連に配置したL字状の係合条42を噛合せ状に係合することによって行ってあり、これにより、該閉塞部材4は、その材質における上記高弾性伸張性を利用して、舌状先端43を躯体Aに対して上下方向摺動自在に弾性圧接する一方、上記舌状先端43近傍、即ち、該舌状先端43の下位に、例えば舌状先端43とハ字状をなすように配置した対接条44が、該舌状先端43を下支え状にして同様に躯体に弾性圧接することによって、上記舌状先端43の躯体に対する上記上下摺動自在の弾性圧接を可及的に線接触としたものとしてある。
【0036】
図6は、他の例を示すもので、閉塞部材4の上記取付枠2に対する被嵌溝24と嵌合条41による嵌合固定を、該被嵌溝24を、アルミ押出材製の取付枠2の躯体側後面に躯体側を開口するように倒T字状に配置し、嵌合条41を、閉塞部材4の下面に屋根12側に倒T字状に突出してそれぞれ配置し、これらを嵌合することによって行うようにした例であり、このとき、取付枠2は、上記端部枠13のリブ14を覆うように上面に載置する載置部26と、該載置部26から、該端部枠13の降下端部面15に重合し、ネジ5によって該降下端部面15に固定した固定部27を備えて一体成形したものとしてあり、これによって、該取付枠2は、端部枠に直接にネジ止めするも、閉塞部材4下面に位置する降下端部面15を固定箇所とするから、同様にテラスの屋根内部へ雨水が浸入する可能性を解消したものとしてあり、また、このように閉塞部材4の嵌合固定を、端部枠13上に形成した垂直面をなす被嵌溝24と閉塞部材4の屋根12側下面の嵌合条41の横向きの嵌合によって行い、また、閉塞部材4の舌状先端43を該閉塞部材4から躯体A側に屈曲したものとした結果、本例にあって上記中間枠乃至中間金具や上記対接条を用いることなく、該閉塞部材4の舌状先端43を躯体Aに対して線接触の弾性圧接を行うものとしてある。なお、閉塞部材4の屋根12側の端部は取付枠2の上面に位置することから水切突片の配置を省略してある。その余は上記例と変わらないので同一符合を付して重複する説明を省略する。
【0037】
従って、本例の独立構築物1のテラスは、閉塞部材4が屋根12と躯体A間の上記揺動撓み空隙Bを閉塞して、該揺動撓み空隙Bからの雨水の浸入を可及的に防止することができ、該雨水の浸入を完全に防止することはできないとしても、日常的な建物とテラスの出入を含めた雨天時のテラス使用に際して有効な雨仕舞を行うことができ、このとき、上記エラストマーによる幅広板状の閉塞部材4を用いたから、該揺動撓み空隙Bを外観よく閉塞して、独立構築物1のテラスや躯体Aの外観を損なうこともなく、また損傷することなく長期の耐久性を備えたものとすることができる。また、風圧の煽り荷重や積雪荷重の負荷によって屋根12に揺動や撓みが生じても、閉塞部材4の舌状先端43は躯体Aに固定されることなく、上下方向摺動自在に弾性圧接したものとしたから、該閉塞部材4が屋根自由端の動作に追従し、上下方向に摺動する結果、例えば硬質の部材を用いた場合のように、該閉塞部材4が損傷することもなく、また、仮に、積雪荷重の負荷で該閉塞部材4が屋根自由端から垂下がり状に変形しても、該荷重負荷がなくなれば、必要に応じて棒を用いる等して下方から該閉塞部材4を上向きに押圧する如くにするようにすれば、容易に上向きの通常状態に復帰することができる。
【0038】
図示した例は以上のとおりとしたが、独立構築物を、サンルームやサイクルポートの如くに、建物の開口部や建物の壁面に添設する、上記テラス以外のものとすること、上記サンルームのように躯体側に開口を有する独立構築物にあっては、縦壁や床の自由端にも屋根自由端に準じて躯体との間に空隙を配置し、該空隙を閉塞部材で閉塞するようにすること、取付枠への閉塞部材の嵌合固定を、取付枠に、例えば上記T字状の起立条を、閉塞部材に該起立条に係合する上記断面C字状の被嵌溝を配置して、上記と同様にこれらの嵌合によって行うようにすること、上記中間金具に代えて中間枠を用いること、このとき該中間枠は、屋根自由端長手方向に一連に設置した、例えば断面形状を中間金具と同様にして上記係合部を備えたものとすること、このとき該固定に際して、上記取付枠や中間枠乃至中間金具を用いるとき、端部枠を上記連結リブを備えたものとする如くに、端部枠と取付枠又はこれと中間枠乃至中間金具をその固定に適した構造のものとすること等を含めて、本発明の実施に当って、建物、独立構築物、屋根自由端、揺動撓み空隙、取付枠、閉塞部材、必要に応じて用いる被嵌溝、嵌合条、中間枠乃至中間金具、係合条又は係合部、対接条、エラストマーの押出成形材、揺動撓み空隙の基準幅等の各具体的形状、構造、材質、寸法、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0039】
A 躯体
B 揺動撓み空隙
1 独立構築物
11 支柱
12 屋根
13 端部枠
14 リブ
15 降下端部面
2 取付枠
21 L字脚条
22 先端L字脚条
23 L字状対向突条
24 被嵌溝
25 起立固定条
26 載置部
27 固定部
3 中間金具
31 固定部
32 係合部
4 閉塞部材
41 嵌合条
42 係合条
43 舌状先端
44 対接条
45 水切突片
5 ネジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6