(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
家電制御機能を実行する家電制御装置は、家電制御機能が自装置に集約されたこと、または、自装置と前記家電管理装置との間で通信イベントが発生したこと、を契機に、前記家電制御装置情報を前記家電管理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の家電制御システム。
前記家電管理装置は、家電制御機能を実行する家電制御装置から送られてくる家電制御装置情報を受信する毎に、当該家電制御装置情報を現在時刻と関連付けて記憶し、現在時刻の家電制御装置情報と1つ前の時刻の家電制御装置情報が一致しない場合に、その旨を特定の連絡先に通知する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の家電制御システム。
家電制御機能を実行する家電制御装置は、自装置を含むすべての家電制御装置の稼動情報、および宅内の家電機器の稼動情報を収集し、収集した稼動情報を、前記家電管理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の家電制御システム。
宅内の家電機器を制御する家電制御機能を有する複数の家電制御装置を有し、家電制御機能を1台の家電制御装置に集約する、家電制御システムにおける前記家電制御装置であって、
不揮発性メモリ領域を有し、ネットワークの上位側に問合せパケットを送信するかどうかを示すフラグ情報が記憶された記憶部と;
前記記憶部に問合せパケットを送信することを示すフラグ情報が記憶されている場合にはネットワークの上位側に向けて送信元装置固有の識別子を含む問合せパケットを送信し、ネットワークの上位側から前記問合わせパケットに対する送信元装置固有の識別子を含む応答パケットを受信したときは、家電制御機能による家電機器の制御を停止するとともに、家電制御機能を実行する家電制御装置と自装置配下の家電機器との間の通信を中継する中継装置として動作し、前記記憶部に問合せパケットを送信することを示すフラグ情報が記憶されていない場合には家電制御機能により家電機器を制御するとともに、問合せパケットを送信せず、ネットワークの下位側から問合せパケットを受信した場合に、その応答として応答パケットを返送する制御部と;
を具備し、
前記制御部は、前記不揮発性メモリ領域に前記識別子が記憶されていない状態において、前記問合せパケットまたは前記応答パケットを受信した場合、受信したパケットに含まれた識別子を前記不揮発性メモリ領域に記憶し、
前記不揮発性メモリ領域に識別子が記憶された状態でネットワークの下位側から問合せパケットを受信し、当該不揮発性メモリ領域に記憶された識別子と当該問合せパケットに含まれた識別子とが一致する場合に、当該問合せパケットに対する応答として応答パケットを返送し、
前記不揮発性メモリ領域に識別子が記憶された状態でネットワークの上位側から応答パケットを受信し、当該不揮発性メモリ領域に記憶された識別子と当該応答パケットに含まれた識別子とが一致する場合に、家電制御機能による家電機器の制御を停止させる、
ことを特徴とする家電制御装置。
前記制御部は、家電制御機能を実行中に、自装置の識別子を含む家電制御装置情報、および問合せパケット送信元の家電制御装置の識別子を含む家電制御装置情報を、家電制御装置を管理する家電管理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の家電制御装置。
前記制御部は、家電制御機能を実行中に、自装置を含むすべての家電制御装置の稼動情報、および宅内の家電機器の稼動情報を収集し、収集した稼動情報を、前記家電管理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項7に記載の家電制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で説明する第1の実施形態において、家電制御システムは、宅内の家電機器を制御する家電制御機能を有する複数の家電制御装置1,2を有し、家電制御機能を1台の家電制御装置1に集約する。また、家電制御装置1,2が、ネットワークの上位側に問合せパケットを送信するかどうかを示す問合せフラグ情報が記憶された記憶部15を具備する。また、制御部14は、記憶部15に問合せパケットを送信することを示す問合せフラグ情報が記憶されている場合にはネットワークの上位側に向けて他の家電制御装置が接続されているかどうかを問い合わせる問合せパケットを送信する。一方、ネットワークの下位側から問合せパケットを受信した場合には、その応答として応答パケットを返送するとともに、家電制御機能により家電機器を制御する。
【0011】
第2の実施形態においては、問合せパケットおよび応答パケットに送信元装置固有の識別子を含めることとし、また、記憶部15内に不揮発性メモリ領域を設ける。家電制御装置1,2の制御部14aは、自装置の不揮発性メモリ領域に識別子が記憶されていない状態において、問合せパケットまたは応答パケットを受信した場合、受信したパケットに含まれた識別子を自装置の不揮発性メモリ領域に記憶する。また、自装置の不揮発性メモリ領域に識別子が記憶された状態でネットワークの下位側から問合せパケットを受信した家電制御装置1の制御部14aは、自装置の不揮発性メモリ領域に記憶された識別子と問合せパケットに含まれた識別子とが一致する場合に、問合せパケットに対する応答として応答パケットを返送する。また、自装置の不揮発性メモリ領域に識別子が記憶された状態でネットワークの上位側から応答パケットを受信した家電制御装置2の制御部14aは、自装置の不揮発性メモリ領域に記憶された識別子と応答パケットに含まれた識別子とが一致する場合に、家電制御機能による家電機器の制御を停止させる。
【0012】
第3の実施形態において、家電管理装置3は、家電制御機能を実行する家電制御装置1に接続され、家電制御装置1,2を管理する。また、家電制御機能を実行する家電制御装置1は、自装置の識別子を含む家電制御装置情報、および問合せパケット送信元の家電制御装置2の識別子を含む家電制御装置情報を、家電管理装置3に送信する。
【0013】
また、家電制御機能を実行する家電制御装置1は、家電制御機能が自装置に集約されたこと、または、自装置と家電管理装置3との間で通信イベントが発生したこと、を契機に、家電制御装置情報を家電管理装置3に送信する。
【0014】
また、家電管理装置3は、家電制御機能を実行する家電制御装置1から送られてくる家電制御装置情報を受信する毎に、家電制御装置情報を現在時刻と関連付けて記憶する。そして、現在時刻の家電制御装置情報と1つ前の時刻の家電制御装置情報が一致しない場合に、その旨を特定の連絡先に通知する。
【0015】
第4の実施形態において、家電制御機能を実行する家電制御装置1は、家電制御装置1,2の稼動情報、および宅内の家電機器4,5の稼動情報を収集し、収集した稼動情報を、家電管理装置3に送信する。
【0016】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる家電制御システムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
[第1の実施形態]
[家電制御システムの構成例]
図1は、複数の家電制御装置を含む家電制御システムの全体構成の一例を示す図である。ホームネットワークにおいて宅内の家電機器を制御可能な家電制御システムでは、宅内の家電機器とこれらの家電機器を制御する家電制御装置とが無線により接続され、家電制御機能を実行する家電制御装置により家電機器が制御される。
図1において、本実施形態の家電制御システムは、ネットワークの上位側(インターネット側)に家電制御装置1を設置し、ネットワークの下位側(家電制御装置1の配下)に家電制御装置2を設置する。これらの家電制御装置は、ホームゲートウェイ,ゲートウェイ等と呼ばれる場合もある。
【0018】
また、本実施形態においては、すべての家電制御装置が同一の構成を有することとし、各家電制御装置は、通信インタフェースとして、それぞれ外部通信部11とLAN通信部12と無線通信部13を備える。
図1において、家電制御装置1は、外部通信部11がインターネットに接続され、LAN通信部12が家電制御装置2の外部通信部11とLANケーブルで接続される。なお、本実施形態では、一例として、家電制御装置間をLANケーブルで有線接続することとしたが、これに限らず、家電制御装置間を無線LANで接続することとしてもよい。また、家電制御装置間は、直接接続するのではなく、スイッチングハブ等の中継装置を介して接続することとしてもよい。
【0019】
上記のような接続状態で、家電制御装置1は、後述する「問合せ処理」および「問合せ応答処理」の実行により、自装置がネットワークの上位側であると判断して、ネットワーク内の家電機器を制御する。一方、家電制御装置2は、後述する「問合せ処理」および「問合せ応答処理」の実行により、自装置がネットワークの下位側であり、家電制御装置1配下の装置として動作することが適切であると判断する。そして、家電制御装置2は、家電制御装置1の配下で、家電制御装置1と、この家電制御装置1が直接通信することができない家電制御装置2配下の家電機器との間の通信を中継する中継装置として動作する。このような構成により、本実施形態の家電制御システムでは、ネットワーク内の家電機器を制御する家電制御機能を1台の家電制御装置1に集約する。なお、以下の説明では、家電制御機能を1台の家電制御装置1に集約する処理を、便宜上、「家電連携処理」と呼ぶ場合がある。
【0020】
なお、図示はしていないが、本実施形態の家電制御システムでは、家電制御装置1,2と、それぞれの配下の家電機器(制御対象の家電機器)とを無線通信部13を介して接続する。接続方法としては、たとえば、近距離無線通信技術(Bluetooth(登録商標),UWB(Uitra Wide Band),ZigBee(登録商標),NFC(Near Field Communication)等)等が用いられる。
【0021】
また、本実施形態では、一例として、家電制御システム内の家電制御装置を2台としているが、これに限るものではなく、3台以上の家電制御装置で家電制御システムを構成することとしてもよい。3台以上の家電制御装置で家電制御システムを構成する場合においても、家電制御機能は1台の家電制御装置に集約され、その他の家電制御装置は、すべて中継装置として動作する。
【0022】
[家電制御装置の構成例]
図2は、第1の実施形態の家電制御装置の構成例を示す図である。
図2では、
図1に示す家電制御装置1,2の一例として、外部通信部11とLAN通信部12と無線通信部13と制御部14と記憶部15を備える家電制御装置が示されている。
【0023】
図2において、制御部14は、家電制御装置全体の動作を制御し、問合せモジュール21と問合せ応答モジュール22と家電制御機能モジュール23と中継機能モジュール24を実行することにより、本実施形態における家電制御を実現する。
【0024】
問合せモジュール21は、家電制御機能を実行する家電制御装置が自装置に接続されているかどうかを問い合わせるための問合せパケットを送信する「問合せ処理」を実行するためのモジュールである。
図3は、問合せパケットの一例を示す図である。この問合せパケットは、一例として、問合せ元の家電制御装置の通信部識別子「000102030405」とIPアドレス「192.168.126.100」を含む家電制御装置情報で構成される。なお、問合せパケットに含まれる通信部識別子は、MACアドレス,製造番号等、自装置を識別可能な固有情報である。
【0025】
問合せ応答モジュール22は、上記問合せパケットに対する応答を含む応答パケットを送信する「問合せ応答処理」を実行するためのモジュールである。
図4は、応答パケットの一例を示す図である。応答パケットは、一例として、応答した家電制御装置の通信部識別子「000102030406」とIPアドレス「192.168.126.1」を含む家電制御装置情報で構成される。なお、応答パケットに含まれる通信部識別子は、MACアドレス,製造番号等、自装置を識別可能な固有情報である。
【0026】
家電制御機能モジュール23は、家電制御機能を実行するためのモジュールである。中継機能モジュール24は、家電制御機能を実行する家電制御装置と、この家電制御装置が直接通信することができない家電機器との間の通信を中継する中継機能を実行するためのモジュールである。
【0027】
また、
図2において、記憶部15は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリにより構成されている。記憶部15には、たとえば、問合せパケットに含まれる家電制御装置情報または応答パケットに含まれる家電制御装置情報が登録される。これらの情報は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリのどちらのメモリ領域に記憶してもよいが、本実施形態では、一例として揮発性メモリに記憶することとする。また、記憶部15の不揮発性メモリには、パソコン等からのユーザ設定により、または、スイッチ等の物理的な設定手段により、「問合せ処理」を実行するかどうかを示す問合せフラグ情報が登録されており、たとえば、「1」の場合には「問合せ処理」を実行することを示し、「0(デフォルト)」の場合には「問合せ処理」を実行しないことを示す。
【0028】
[家電制御装置の動作]
つづいて、本実施形態の家電制御システムにおける家電制御装置の動作について説明する。なお、本実施形態においては、
図1のシステム構成、すなわち、ネットワークの上位側(インターネット側)に家電制御装置1を設置し、ネットワークの下位側(家電制御装置1の配下)に家電制御装置2を設置する場合における、各家電制御装置の動作を説明する。また、
図1のシステム構成では、家電制御装置2の記憶部15に、問合せフラグ情報として「1」が予め設定され、家電制御装置1の記憶部15には問合せフラグ情報として「0(デフォルト)」が設定されていることを前提とする。
【0029】
図5は、本実施形態の家電制御システムを構成する家電制御装置1,2の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、
図1に示すとおりに結線作業が完了し、各家電制御装置に電源が投入されていることを前提とする。電源投入は、たとえば、宅内に備えられたブレーカ(図示せず)を操作することにより各家電制御装置に対して同時に実行することとしてもよいし、電源制御装置毎に個別に実行することとしてもよい。また、電源投入後、各家電制御装置の制御部14は、それぞれ家電制御機能モジュール23を実行することによって、配下の家電機器との通信を確立することとする。
【0030】
この状態において、まず、各家電制御装置の制御部14は、それぞれ自装置の記憶部15に記憶された問合せフラグ情報を読み出し、「問合せ処理」を実行するかどうかを確認する(S1)。本実施形態では、家電制御装置2の記憶部15に問合せフラグ情報として「1」が設定されているので、家電制御装置2の制御部14が、問合せモジュール21を実行し、「問合せ処理」を開始する。具体的には、家電制御装置2の制御部14は、自身の家電制御装置情報を含む問合せパケットを生成し(
図3参照)、この問合せパケットを、外部通信部11を介して送信する(S2)。
【0031】
家電制御装置1の制御部14は、自装置のLAN通信部12を介して問合せパケットを受信した場合に、自装置がネットワークの上位側であると判断する。そして、問合せパケットに含まれる家電制御装置情報を自装置の記憶部15に登録する(S3)。
【0032】
また、家電制御装置1の制御部14は、問合せパケットに対する応答として問合せ応答モジュール22を実行し、「問合せ応答処理」を開始する。具体的には、家電制御装置1の制御部14は、自身の家電制御装置情報を含む応答パケットを生成し(
図4参照)、この応答パケットを、LAN通信部12を介して送信する(S4)。
【0033】
家電制御装置2の制御部14は、自装置の外部通信部11を介して応答パケットを受信した場合に、自装置がネットワークの下位側である、すなわち、家電制御装置1の配下で中継装置として動作することが適切であると判断する。そして、応答パケットに含まれる家電制御装置情報を自装置の記憶部15に登録する(S5)。
【0034】
また、家電制御装置2の制御部14は、中継装置としての動作を開始する前に、自装置において実行中のファイアウォール等のセキュリティの解除処理を行い(S6)、さらに、実行中の家電制御機能モジュール23を停止させる(S7)。そして、家電制御装置2の制御部14は、家電制御機能モジュール23を停止させた後に、自身の中継機能モジュール24を実行し、中継装置としての動作を開始する(S8)。
【0035】
このように、本実施形態においては、問合せフラグ情報として「1」が設定されている家電制御装置2が問合せパケットを送信することとし、問合せフラグ情報として「0」が設定されている家電制御装置1は、問合せパケットを送信しない。また、家電制御装置1は、問合せパケットを受信した時点で自装置がネットワークの上位側であると判断し、一方、家電制御装置2は、応答パケットを受信した時点で自装置がネットワークの下位側であると判断する。これにより、ネットワークの下位側であると判断した家電制御装置2が、家電制御装置1と、この家電制御装置1が直接通信することができない家電制御装置2配下の家電機器との間の通信を中継する中継装置として動作することが可能となり、ネットワーク内の家電機器を制御する家電制御機能を1台の家電制御装置1に集約することが可能となる。
【0036】
つづいて、メンテナンス時や工事現場等の作業において、作業者が誤った結線を行い、家電制御装置1と家電制御装置2が入れ替わった場合について説明する。具体的には、作業者が、誤って、ネットワークの上位側(インターネット側)に家電制御装置2を設置し、ネットワークの下位側(家電制御装置1の配下)に家電制御装置1を設置したことにより、
図1における家電制御装置1と家電制御装置2が入れ替わった場合を想定する。なお、上記同様、家電制御装置2の記憶部15に、問合せフラグ情報として「1」が予め設定されていることを前提とする。
【0037】
このような状態において、各家電制御装置に電源が投入されると、まず、各家電制御装置は、上記
図5に示すとおり、それぞれ自装置の記憶部15に記憶された問合せフラグ情報を読み出し、「問合せ処理」を実行するかどうかを確認する(S1)。本実施形態では、家電制御装置2の記憶部15に問合せフラグ情報として「1」が設定されているので、家電制御装置2の制御部14が、問合せモジュール21を実行し、「問合せ処理」を開始する。具体的には、家電制御装置2の制御部14は、自身の家電制御装置情報を含む問合せパケットを生成し(
図3参照)、この問合せパケットを、外部通信部11を介して送信する(S2)。
【0038】
しかしながら、電制御装置1と家電制御装置2が入れ替わっているため、問合せパケットを送信した家電制御装置2の制御部14は、上位側から応答パケットを受け取ることができず、自装置がネットワークの上位側であると判断することになる。また、家電制御装置1の制御部14は、ステップS1の処理で問合せフラグ情報を読み出すが、問合せフラグ情報が「0(デフォルト)」であるため、問合せパケットを待つ状態となる。すなわち、本実施形態においては、誤った結線が行われ、正しい位置に家電制御装置が設置されていない場合には、家電制御機能を停止させる動作および中継機能を開始する動作、すなわち、家電連携処理が行われない。したがって、作業者は、家電制御システムにおいて家電制御機能を1台の家電制御装置に集約することができていないことから、結線が誤っていることを容易に認識することができる。そして、家電制御装置1と家電制御装置2が入れ替わった状態であると判断することが可能となる。
【0039】
[第1の実施形態の効果]
上述のように、本実施形態の家電制御システムにおいては、家電制御装置1,2が、問合せフラグ情報が記憶された記憶部15を具備することとした。そして、家電制御装置1,2の制御部14は、自装置の記憶部15に問合せパケットを送信することを示す問合せフラグ情報が記憶されている場合に、ネットワークの上位側に問合せパケットを送信する。一方で、ネットワークの下位側から問合せパケットを受信した場合には、その応答として応答パケットを返送するとともに、家電制御機能により家電機器を制御する。これにより、複数の家電制御装置を用いてホームネットワークを構築する場合において、家電制御機能を実行する家電制御装置の乱立を回避することができるため、家電制御機能を1台の家電制御装置に集約する処理を効率的に実現することができる。
【0040】
[第2の実施形態]
[家電制御装置の構成例]
図6は、第2の実施形態の家電制御装置の構成例を示す図である。
図6では、
図1に示す家電制御装置1,2の一例として、外部通信部11とLAN通信部12と無線通信部13と制御部14aと記憶部15を備える家電制御装置が示されている。なお、前述した第1の実施形態の家電制御装置と同様の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、家電制御システムの構成については、前述した第1の実施形態の
図1と同様である。
【0041】
図6において、制御部14aは、家電制御装置全体の動作を制御し、問合せモジュール21と問合せ応答モジュール22と家電制御機能モジュール23と中継機能モジュール24と識別子比較モジュール25を実行することにより、本実施形態における家電連携処理を実現する。
【0042】
識別子比較モジュール25は、記憶部15の不揮発性メモリ領域に記憶された通信部識別子と、受信した問合せパケットまたは応答パケットに含まれる通信部識別子とが一致するかどうかを比較する処理を実行するためのモジュールである。
【0043】
なお、第1の実施形態においては、問合せパケットに含まれる家電制御装置情報,応答パケットに含まれる家電制御装置情報を揮発性メモリに記憶することとしたが、本実施形態においては、不揮発性メモリに記憶する。
【0044】
[家電制御装置の動作]
つづいて、本実施形態の家電制御システムにおける家電制御装置の特徴的な動作について説明する。なお、不揮発性メモリに家電制御装置情報が登録されていない場合の動作については、家電制御装置情報を記憶部15の不揮発性メモリ領域に登録すること(
図5のS3およびS5に対応)以外、前述した第1の実施形態の
図5と同様である。
【0045】
以下、家電制御システムにおいて家電制御機能を1台の家電制御装置1に集約する場合における、第2の実施形態の家電制御装置の動作を説明する。
【0046】
図7は、本実施形態の家電制御システムにおける家電制御装置1,2の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、結線作業が完了し、各家電制御装置に電源が投入されていることを前提とする。また、電源投入後、各家電制御装置の制御部14aは、それぞれ家電制御機能モジュール23を実行済みである。
【0047】
この状態において、まず、各家電制御装置の制御部14aは、それぞれ自装置の記憶部15に記憶された問合せフラグ情報を読み出し、「問合せ処理」を実行するかどうかを確認する(S1)。本実施形態では、家電制御装置2の記憶部15に問合せフラグ情報として「1」が設定されているので、家電制御装置2の制御部14aが、問合せモジュール21を実行し、「問合せ処理」を開始する。具体的には、家電制御装置2の制御部14aは、自身の家電制御装置情報を含む問合せパケットを生成し(
図3参照)、この問合せパケットを、外部通信部11を介して送信する(S2)。
【0048】
家電制御装置1の制御部14aは、自装置のLAN通信部12を介して問合せパケットを受信した場合に、自装置がネットワークの上位側であると判断する。そして、家電制御装置1の制御部14aは、識別子比較モジュール25を実行することによって、自装置の記憶部15から通信部識別子を読み出し(S11)、この通信部識別子と受信した問合せパケットに含まれた通信部識別子とを比較する(S12)。比較の結果、両者が一致した場合(S12,Yes)、家電制御装置1の制御部14aは、問合せパケットに対する応答として問合せ応答モジュール22を実行し、「問合せ応答処理」を開始する。具体的には、家電制御装置1の制御部14aは、自身の家電制御装置情報を含む応答パケットを生成し(
図4参照)、この応答パケットを、LAN通信部12を介して送信する(S4)。
【0049】
家電制御装置2の制御部14aは、自装置の外部通信部11を介して応答パケットを受信した場合に、自装置がネットワークの下位側である、すなわち、家電制御装置1の配下で中継装置として動作することが適切であると判断する。そして、家電制御装置2の制御部14aは、識別子比較モジュール25を実行することによって、自装置の記憶部15から通信部識別子を読み出し(S13)、この通信部識別子と受信した応答パケットに含まれた通信部識別子とを比較する(S14)。比較の結果、両者が一致した場合(S14,Yes)、家電制御装置2の制御部14aは、中継装置としての動作を開始する前に、自装置において実行中のファイアウォール等のセキュリティの解除処理を行い(S6)、さらに、実行中の家電制御機能モジュール23を停止させる(S7)。そして、家電制御装置2の制御部14aは、家電制御機能モジュール23を停止させた後に、自身の中継機能モジュール24を実行し、中継装置としての動作を開始する(S8)。
【0050】
このように、本実施形態においては、記憶部15の不揮発性メモリ領域に記憶された通信部識別子と、受信したパケットに含まれた通信部識別子が一致し、家電制御装置間でネットワーク上の位置関係(上位,下位)が確定した場合に、家電制御機能を1台の家電制御装置1に集約することが可能となる。
【0051】
一方、上記ステップS12の処理において両者が一致しなかった場合(S12,No)、または、上記ステップS14の処理において両者が一致しなかった場合(S14,No)、家電制御装置1と家電制御装置2との間では、家電制御機能が1台の家電制御装置に集約されることはない。
【0052】
[第2の実施形態の効果]
上述のように、本実施形態においては、家電制御装置1,2の制御部14aが、自装置の不揮発性メモリ領域に通信部識別子が記憶されていない状態で、問合せパケットまたは応答パケットを受信した場合に、受信したパケットに含まれた通信部識別子を自装置の不揮発性メモリ領域に記憶することとした。また、自装置の不揮発性メモリ領域に識別子が記憶された状態でネットワークの下位側から問合せパケットを受信した家電制御装置1の制御部14aが、自装置の不揮発性メモリ領域に記憶された識別子と問合せパケットに含まれた識別子とが一致する場合に、応答パケットを返送する。そして、自装置の不揮発性メモリ領域に識別子が記憶された状態でネットワークの上位側から応答パケットを受信した家電制御装置2の制御部14aが、自装置の不揮発性メモリ領域に記憶された識別子と応答パケットに含まれた識別子とが一致する場合に、家電制御機能による家電機器の制御を停止させる。これにより、意図しない家電制御装置間で家電連携処理が行われることを回避することができる。
【0053】
[第3の実施形態]
[家電制御システムの構成例]
図8は、第3の実施形態の家電制御システムの全体構成の一例を示す図である。本実施形態の家電制御システムでは、前述した第1の実施形態または第2の実施形態の家電制御システムの構成に加え、家電制御機能を実行する家電制御装置1がインターネット上の家電管理装置3に接続する。本実施形態においては、第1の実施形態または第2の実施形態の家電制御システムにより構築されたホームネットワークを、遠隔から管理することを目的とする。なお、第1または第2の実施形態の家電制御システムと同様の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、
図8の家電制御システムを構成する家電制御装置内の構成については、前述した第1の実施形態の
図2または第2の実施形態の
図6と同様である。以下、一例として
図2の家電制御装置を用いて、本実施形態の家電制御システムについて説明する。
【0054】
図8の家電制御システムにおいて、家電制御装置1の制御部14は、家電制御機能モジュール23の実行中に、自装置の家電制御装置情報(通信部識別子,IPアドレス等)、および自装置配下で中継装置として動作中の家電制御装置の家電制御装置情報を、インターネットを介して家電管理装置3へ送信する。家電管理装置3は、ホームネットワークの外部に設置されたサーバ装置または端末装置として動作し、インターネットを介して家電制御装置1から送られてくる家電制御装置情報に基づいて、家電制御システムを構成する全ての家電制御装置を管理する。
【0055】
[家電管理装置の構成例]
図9は、第3の実施形態の家電管理装置の構成例を示す図である。
図9では、
図8に示す家電管理装置3の一例として、通信部31と制御部32と記憶部33を備える家電管理装置が示されている。
【0056】
図9において、通信部31は、インターネットを介して家電制御装置1から家電制御装置情報を受信し、制御部32に転送する。制御部32は、家電管理装置3全体の動作を制御し、管理機能モジュール41と比較判定モジュール42と通知モジュール43を実行することにより、本実施形態における家電管理を実現する。
【0057】
管理機能モジュール41は、通信部31を介して受け取った家電制御装置情報に基づいて家電制御システムを構成する家電制御装置を管理するための処理を実行するためのモジュールである。比較判定モジュール42は、自装置が記憶する家電制御装置情報と、家電制御装置1から送られてくる家電制御装置情報とを比較し、一致しているかどうかを判断する処理を実行するためのモジュールである。通知モジュール43は、家電制御装置情報に変更があった場合に、その旨をホームネットワークの管理者や利用者に通知する処理を実行するためのモジュールである。
【0058】
また、
図9において、記憶部33は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリにより構成されている。記憶部33には、家電制御システムを構成する家電制御装置の家電制御装置情報や、ホームネットワークの管理者や利用者に関するユーザ情報(アドレス情報,電話番号等)が記憶されている。これらの情報は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリのどちらのメモリ領域に記憶してもよいが、本実施形態では、一例として不揮発性メモリに記憶することとする。
【0059】
[家電制御装置および家電管理装置の動作]
つづいて、本実施形態の家電制御システムにおける家電制御装置および家電管理装置の動作について説明する。なお、本実施形態においては、
図8のシステム構成、すなわち、ネットワークの上位側(インターネット側)に家電制御装置1を設置し、ネットワークの下位側(家電制御装置1の配下)に家電制御装置2を設置する場合における、家電制御装置1および家電管理装置3の動作を説明する。また、家電連携処理については、前述した
図5の処理により行われるものとする。
【0060】
図10は、本実施形態の家電制御システムを構成する家電制御装置1および家電管理装置3の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、家電制御装置1および家電制御装置2の動作により、家電連携処理が完了していることを前提とする。
【0061】
まず、家電制御機能モジュール23を実行中の家電制御装置1の制御部14は、家電制御機能が自装置に集約された時点で、自装置の記憶部15から、配下の家電制御装置(中継装置として動作中の家電制御装置)の家電制御装置情報を読み出す(S21)。そして、家電制御装置1の制御部14は、それらの家電制御装置情報および自装置の家電制御装置情報にそれぞれの動作モード(「家電制御機能モジュール23実行中」または「中継機能モジュール24実行中」)を含めて、外部通信部11を介して家電管理装置3へ送信する(S22)。
【0062】
通信部31を介して家電制御装置1から家電制御装置情報を受信した家電管理装置3の制御部32は、管理機能モジュール41を実行することによって、受信したすべての家電制御装置情報を現在時刻と関連付けて記憶部33に登録する(S23)。
【0063】
その後、家電管理装置3の制御部32は、比較判定モジュール42を実行することによって、記憶部33から、今回受信した家電制御装置情報と1つ前の時刻に受信した家電制御装置情報とを読み出し、比較する(S24)。たとえば、比較の結果、一致している場合には(S25,No)何も処理を行わないが、一致しなかった場合には(S25,Yes)システムに変化が生じたと判断し、家電管理装置3の制御部32は、通知モジュール43を実行することによって、記憶部33からユーザ情報を読み出し、管理者または利用者宛にシステムに変化があった旨を通知する(S26)。この通知により、管理者または利用者は、システムの状況を正確に把握することができるため、適切かつ迅速な対応が可能となる。
【0064】
[第3の実施形態の効果]
上述のように、本実施形態においては、家電管理装置3が、家電制御機能を実行する家電制御装置1に接続され、家電制御装置1,2を管理することとした。また、家電制御装置1は、自装置の識別子を含む家電制御装置情報、および問合せパケット送信元の家電制御装置2の識別子を含む家電制御装置情報を、家電管理装置3に送信する。これにより、管理者または利用者が宅内を確認することなく、遠隔からホームネットワークを管理することが可能となる。
【0065】
なお、本実施の形態においては、家電制御機能が家電制御装置1に集約されたことを契機に、家電制御装置1が家電管理装置3に家電制御装置情報を送信することとしたが、これに限るものではない。たとえば、定期的に家電制御装置情報を送信することとしてもよいし、家電制御装置1と家電管理装置3との間で通信イベントが発生したことを契機に家電制御装置情報を送信することとしてもよい。
【0066】
[第4の実施形態]
[家電制御システムの構成例]
図11は、第4の実施形態の家電制御システムの全体構成の一例を示す図である。本実施形態の家電制御システムは、前述した第3の実施形態の家電制御システムの構成と同様である。本実施形態においては、第1の実施形態または第2の実施形態の家電制御システムにより構築されたホームネットワークを、遠隔から管理することを目的とする。なお、第1、第2または第3の実施形態の家電制御システムと同様の構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、
図11の家電制御システムを構成する家電制御装置内の構成については、前述した第1の実施形態の
図2または第2の実施形態の
図6と同様である。以下、一例として
図2の家電制御装置を用いて、本実施形態の家電制御システムについて説明する。また、
図11の家電制御システムを構成する家電管理装置3内の構成については、前述した第3の実施形態の
図9と同様である。
【0067】
図1の家電制御システムにおいて、家電制御装置1の制御部14は、家電制御機能モジュール23の実行中に、自装置、中継装置として動作する家電制御装置2、および各家電制御装置配下の家電機器4,5の稼動情報(電源投入から現在までの稼働時間,ON/OFF情報等)を収集し、これらの情報を、インターネットを介して家電管理装置3へ送信する。家電管理装置3の制御部32は、インターネットを介して家電制御装置1から送られてくる各機器の稼動情報に基づいて、ホームネットワークを構成する全ての機器を管理する。
【0068】
[家電制御装置および家電管理装置の動作]
つづいて、本実施形態の家電制御システムにおける家電制御装置および家電管理装置の動作について説明する。なお、本実施形態においては、
図11のシステム構成、すなわち、ネットワークの上位側(インターネット側)に家電制御装置1を設置し、ネットワークの下位側(家電制御装置1の配下)に家電制御装置2を設置し、家電制御装置1配下に家電機器4が存在し、家電制御装置2配下に家電機器5が存在する場合における、家電制御装置1および家電管理装置3の動作を説明する。また、家電連携処理については、前述した
図5の処理により行われるものとする。
【0069】
図12は、本実施形態の家電制御システムを構成する家電制御装置1および家電管理装置3の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、家電制御装置1および家電制御装置2の動作により、家電連携処理が完了していることを前提とする。
【0070】
まず、家電制御機能モジュール23を実行中の家電制御装置1の制御部14は、家電制御機能が自装置に集約された時点で、自装置の稼動情報(自装置の通信部識別子を含む)を収集し(S31)、その後、LAN通信部12を介して家電制御装置2に対して、稼動情報を収集させるための収集要求パケットを送信する(S32)。外部通信部11を介して収集要求パケットを受信した家電制御装置2の制御部14は、自装置の稼動情報(自装置の通信部識別子を含む)を収集し(S33)、その後、収集した稼動情報を収集応答パケットに含めて、外部通信部11を介して家電制御装置1に返送する(S34)。LAN通信部12を介して収集応答パケットを受信した家電制御装置1は、収集応答パケットに含まれる家電制御装置2の稼動情報を記憶部15に保存する(S35)。以降、家電制御装置1の制御部14は、家電機器4に対しても上記と同様の手順で稼動情報収集処理を行い(S36,S37,S38)、さらに、家電制御装置2を介して家電機器5に対しても上記と同様の手順で稼動情報収集処理を行う(S39,S40,S41)。
【0071】
その後、ホームネットワークを構成する全ての機器から稼動情報を収集した家電制御装置1の制御部14は、記憶部15から全ての機器の稼動情報を読み出し(S42)、これらの稼動情報と自装置の稼動情報とを、外部通信部11を介して家電管理装置3へ送信する(S43)。
【0072】
通信部31を介して家電制御装置1から各機器の稼動情報を受信した家電管理装置3の制御部32は、管理機能モジュール41を実行中に、受信したすべての稼動情報を記憶部33に登録する(S44)。
【0073】
[第4の実施形態の効果]
上述のように、本実施形態においては、家電制御機能を実行する家電制御装置1が、家電制御装置1,2の稼動情報、および宅内の家電機器4,5の稼動情報を収集し、収集した稼動情報を、家電管理装置3に送信することとした。これにより、管理者または利用者が宅内を確認することなく、遠隔からホームネットワークを構成する機器の稼働状況を把握することが可能となる。