特許第5914926号(P5914926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5914926
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】透明導電膜
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160422BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   G06F3/041 400
   G06F3/041 430
   G06F3/044 127
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-518834(P2015-518834)
(86)(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公表番号】特表2015-524961(P2015-524961A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】CN2013079203
(87)【国際公開番号】WO2014190594
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2014年5月1日
(31)【優先権主張番号】201310210468.9
(32)【優先日】2013年5月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514137838
【氏名又は名称】南昌欧菲光科技有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】514080062
【氏名又は名称】▲蘇▼州欧菲光科技有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】514080051
【氏名又は名称】深▲ゼン▼欧菲光科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 云▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】高 育▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 云良
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ ▲イン▼
【審査官】 宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−036600(JP,A)
【文献】 特開2012−174003(JP,A)
【文献】 特開2013−069033(JP,A)
【文献】 特開2007−080758(JP,A)
【文献】 特表2011−513846(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/096492(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0283698(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知領域及び前記検知領域のエッジに位置する枠領域を含む本体と、前記本体の一側から延びるように形成され且つ前記本体の幅より小さい幅を有するフレキシブル基板とを含む透明ベースと、
前記透明ベースに設けられる導通用配線と、
互いに交差する第一導電ワイヤを含み且つ前記検知領域の一側に設けられる格子状の第一導電層と、
互いに交差する第二導電ワイヤを含み且つ前記検知領域の前記第一導電層に対向する一側に設けられる格子状の第二導電層と、
前記枠領域の一側に設けられ、前記第一導電層と前記導通用配線とを電気的に接続する第一リード線電極と、
前記枠領域の他側に設けられ、前記第二導電層と前記導通用配線とを電気的に接続する第二リード線電極と、
を含み、
前記検知領域の対向する二つの表面にそれぞれ前記第一導電層を収容する第一凹溝と、前記第二導電層を収容する第二凹溝とを設置し、
前記第一凹溝の底部が非平面構造であり、前記第二凹溝の底部が非平面構造であり、
前記第一凹溝および前記第二凹溝の高さと幅との比率が1より大きいことを特徴とする透明導電膜。
【請求項2】
検知領域及び前記検知領域のエッジに位置する枠領域を含む本体と、前記本体の一側から延びるように形成され且つ前記本体の幅より小さい幅を有するフレキシブル基板とを含む透明ベースと、
前記透明ベースに設けられる導通用配線と、
互いに交差する第一導電ワイヤを含み且つ前記検知領域の一側に設けられる格子状の第一導電層と、
互いに交差する第二導電ワイヤを含み且つ前記検知領域の前記第一導電層に対向する一側に設けられる格子状の第二導電層と、
前記枠領域の一側に設けられ、前記第一導電層と前記導通用配線とを電気的に接続する第一リード線電極と、
前記枠領域の他側に設けられ、前記第二導電層と前記導通用配線とを電気的に接続する第二リード線電極と、
第一基材層と、
を含み、
前記検知領域に対応する前記第一基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に、前記第一導電層を収容する第一凹溝を設置し、
前記第一凹溝の底部が非平面構造であり
前記第一凹溝の高さと幅との比率が1より大きいことを特徴とする透明導電膜。
【請求項3】
前記第一凹溝の幅が0.2μm〜5μmであり、前記第一凹溝の高さが2μm〜6μmであり、
前記第二凹溝の幅が0.2μm〜5μmであり、前記第二凹溝の高さが2μm〜6μmであることを特徴とする請求項に記載の透明導電膜。
【請求項4】
前記第一リード線電極と前記第二リード線電極がそれぞれ前記枠領域の対向する二つの表面に嵌設されるか、又は、
前記第一リード線電極または前記第二リード線電極がそれぞれ前記枠領域の対向する二つの表面に直接設けられることを特徴とする請求項1または3に記載の透明導電膜。
【請求項5】
前記第一リード線電極が前記枠領域に対応する前記第一基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に嵌設されるか、又は、
前記第一リード線電極が前記枠領域に対応する前記第一基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に直接設けられることを特徴とする請求項に記載の透明導電膜。
【請求項6】
第二基材層をさらに含み、前記検知領域に対応する前記第二基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に、前記第二導電層を収容する第二凹溝を設置することを特徴とする請求項2または5に記載の透明導電膜。
【請求項7】
前記第二リード線電極が前記枠領域に対応する前記第二基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に嵌設されるか、又は、
前記第二リード線電極が前記枠領域に対応する前記第二基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に直接設けられることを特徴とする請求項に記載の透明導電膜。
【請求項8】
前記透明ベースの材質が熱可塑性材料であり、前記熱可塑性材料はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートであり、
前記第一基材層の材質がUV接着剤、インプリント用接着剤又はポリカーボネートであり、
前記第二基材層の材質がUV接着剤、インプリント用接着剤又はポリカーボネートであることを特徴とする請求項6または7に記載の透明導電膜。
【請求項9】
前記第一リード線電極が格子状又は帯状であり、格子状の前記第一リード線電極が、互いに交差する第一導電リード線を含み、帯状の前記第一リード線電極の最小幅が10μm〜200μmであり、帯状の前記第一リード線電極の高さが5μm〜20μmであり、
前記第二リード線電極が格子状又は帯状であり、格子状の前記第二リード線電極が、互いに交差する第二導電リード線を含み、帯状の前記第二リード線電極の最小幅が10μm〜200μmであり、帯状の前記第二リード線電極の高さが5μm〜20μmであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の透明導電膜。
【請求項10】
前記導通用配線が格子状又は帯状であり、格子状の前記導通用配線が導通ワイヤを交差させることによって形成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の透明導電膜。
【請求項11】
前記第一導電層の材質が導電金属であり、前記導電金属が銀又は銅であり、
前記第二導電層の材質が導電金属であり、前記導電金属が銀又は銅であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の透明導電膜。
【請求項12】
少なくとも部分的に前記透明ベース、第一導電層、第二導電層、第一リード線電極、第二リード線電極及び導通用配線を被覆する透明保護層をさらに含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の透明導電膜。
【請求項13】
前記透明導電膜の可視光透過率が86%以上であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の透明導電膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタッチスクリーンの分野に関し、特に透明導電膜に関する。
【背景技術】
【0002】
透明導電膜は良好な導電性を有し、可視波長域において高い光透過率を有する薄膜である。現状において、透明導電膜はフラットパネルディスプレイ、光起電力素子、タッチパネル、電磁シールド等の分野で広く使用され、非常に広範な市場における将来性を有している。
【0003】
フレキシブル回路基板は、ポリイミド又はポリエステル薄膜を基体として製造される高信頼性を有する優れた可撓性印刷回路基板である。フレキシブル回路基板は、ソフトボード又はFPC(Flexible Printed Circuit)とも略称され、配線密度が高く、重量が軽く、厚みが薄いという特性を有する。透明導電膜はFPCによって外部回路に接続されるため、透明導電膜が検知する位置信号がプロセッサに伝送されて識別され、タッチ位置を確定する。
【0004】
従来において、透明導電膜をFPCによって外部回路に接続する時に、まずFPCを透明導電膜のリード線領域に貼り合わせ、その後、FPCをプリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)に接続するため、生産性が低くなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、本発明は、高い生産性を有する透明導電膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本透明導電膜は、
検知領域及び前記検知領域のエッジに位置する枠領域を含む本体と、前記本体の一側から延びるように形成され且つ前記本体の幅より小さい幅を有するフレキシブル基板とを含む透明ベースと、
前記透明ベースに設けられる導通用配線と、
互いに交差する第一導電ワイヤを含み且つ前記検知領域の一側に設けられる格子状の第一導電層と、
互いに交差する第二導電ワイヤを含み且つ前記検知領域の前記第一導電層に対向する一側に設けられる格子状の第二導電層と、
前記枠領域の一側に設けられ、前記第一導電層と前記導通用配線とをそれによって電気的に接続させる第一リード線電極と、
前記枠領域の他側に設けられ、前記第二導電層と前記導通用配線とをそれによって電気的に接続させる第二リード線電極とを含む。
【0007】
本発明の一つの実施形態において、前記検知領域の対向する二つの表面にそれぞれ前記第一導電層を収容する第一凹溝と、前記第二導電層を収容する第二凹溝を設置する。
【0008】
本発明の一つの実施形態において、前記第一凹溝底部は非平面構造であり、前記第二凹溝底部は非平面構造である。
【0009】
本発明の一つの実施形態において、前記第一凹溝は、その幅が0.2μm〜5μmであり、その高さが2μm〜6μmであり、高さと幅との比率が1より大きくなり、
前記第二凹溝は、その幅が0.2μm〜5μmであり、その高さが2μm〜6μmであり、高さと幅との比率が1より大きくなる。
【0010】
本発明の一つの実施形態において、前記第一リード線電極と前記第二リード線電極はそれぞれ前記枠領域の対向する二つの表面に嵌設されるか、又は、
前記第一リード線電極又は前記第二リード線電極はそれぞれ前記枠領域の対向する二つの表面に直接設けられる。
【0011】
本発明の一つの実施形態において、前記透明導電膜は第一基材層をさらに含み、前記検知領域に対応する前記第一基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に、前記第一導電層を収容する第一凹溝を設置する。
【0012】
本発明の一つの実施形態において、前記第一リード線電極は前記枠領域に対応する前記第一基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に嵌設されるか、又は、
前記第一リード線電極は前記枠領域に対応する前記第一基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に直接設けられる。
【0013】
本発明の一つの実施形態において、前記透明導電膜は第二基材層をさらに含み、前記検知領域に対応する前記第二基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に、前記第二導電層を収容する第二凹溝を設置する。
【0014】
本発明の一つの実施形態において、前記第二リード線電極は前記枠領域に対応する前記第二基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に嵌設されるか、又は、
前記第二リード線電極は前記枠領域に対応する前記第二基材層の前記透明ベース側と反対側の表面に直接設けられる。
【0015】
本発明の一つの実施形態において、前記透明ベースの材質は熱可塑性材料であり、前記熱可塑性材料はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートであり、
前記第一基材層の材質はUV接着剤、インプリント用接着剤又はポリカーボネートであり、
前記第二基材層の材質はUV接着剤、インプリント用接着剤又はポリカーボネートである。
【0016】
本発明の一つの実施形態において、前記第一リード線電極は格子状又は帯状であり、格子状の前記第一リード線電極は、互いに交差する第一導電リード線を含み、帯状の前記第一リード線電極は、その最小幅が10μm〜200μmであり、その高さが5μm〜20μmであり、
前記第二リード線電極は格子状又は帯状であり、格子状の前記第二リード線電極は、互いに交差する第二導電リード線を含み、帯状の前記第二リード線電極は、その最小幅が10μm〜200μmであり、その高さが5μm〜20μmである。
【0017】
本発明の一つの実施形態において、前記導通用配線は格子状又は帯状であり、格子状の前記導通用配線は導通ワイヤを交差させることによって形成される。
【0018】
本発明の一つの実施形態において、前記第一導電層の材質は導電金属であり、前記導電金属は銀又は銅であり、
前記第二導電層の材質は導電金属であり、前記導電金属は銀又は銅である。
【0019】
本発明の一つの実施形態において、前記透明導電膜は、少なくとも部分的に前記透明ベース、第一導電層、第二導電層、第一リード線電極、第二リード線電極及び導通用配線を被覆する透明保護層をさらに含む。
【0020】
本発明の一つの実施形態において、前記透明導電膜の可視光透過率は86%以上である。
【発明の効果】
【0021】
上記透明導電膜の透明ベースは本体とフレキシブル基板を含み、第一導電層、第二導電層及び導通用配線を同一の透明ベースに設置することによって導電膜とフレキシブル回路基板を形成しているので、貼り合わせプロセスで貼り合わせる必要がある従来の導電膜とフレキシブル回路基板と比較して、上記透明導電膜は貼り合わせプロセスを必要がないため、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る透明導電膜の第一導電層に沿う断面構造を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る透明導電膜の第二導電層に沿う断面構造を示す模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係る透明導電膜の断面構造を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る凹溝底部の構造を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る導電性グリッドの構造を示す模式図である。
図6】本発明の別の実施形態に係る導電性グリッドの構造を示す模式図である。
図7】本発明の別の実施形態に係る透明導電膜の断面構造を示す模式図である。
図8】本発明の別の実施形態に係る透明導電膜の断面構造を示す模式図である。
図9】本発明の別の実施形態に係る透明導電膜の断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解することができるように、以下に図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、多くの具体的な詳細が、十分に本発明を理解するために記載する。しかし、本発明はここで記載した多様な形態と異なるその他の形態で実施されることができ、当業者は本発明の主旨から逸脱しない場合には類似した改善を行うことができ、そのため、本発明は以下に開示する実施形態によって制限されるものではない。
【0024】
図1図3を参照すると、本発明の一実施形態に係る透明導電膜100は、透明ベース10、第一導電層20、第二導電層30、第一リード線電極40、第二リード線電極50及び導通用配線60を含む。
【0025】
透明ベース10の材質はポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)又は熱可塑性材料であることが好ましい。熱可塑性材料はポリカーボネート(Polycarbonate、PC)又はポリメチルメタアクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)であることが好ましい。
【0026】
透明ベース10は本体110と本体110の一側から延びるように形成されるフレキシブル基板120を含む。フレキシブル基板120の幅は本体110の幅より小さく、本体110は検知領域112及び検知領域112のエッジに位置する枠領域114を含む。
【0027】
検知領域112の対向する二つの表面にそれぞれ第一凹溝と第二凹溝を設置する。枠領域114の対向する二つの表面にそれぞれ第三凹溝と第四凹溝を設置する。第一凹溝と第三凹溝は同じ側に位置し、第二凹溝と第四凹溝は同じ側に位置する。
【0028】
フレキシブル基板120は少なくとも1枚である。フレキシブル基板120は一枚である場合に、フレキシブル基板120は第五凹溝を設置する。第五凹溝は第一凹溝に連通することもでき、第二凹溝と同じ側に位置することもできる。もちろん、フレキシブル基板120が一枚である場合、フレキシブル基板120の対向する二つの表面にそれぞれ第五凹溝と第六凹溝を設置することもできる。第五凹溝と第六凹溝の一つは第一凹溝と同じ側に位置し、もう一つは第二凹溝と同じ側に位置する。本実施形態では、フレキシブル基板120は2枚である。2枚のフレキシブル基板120はそれぞれ第五凹溝と第六凹溝を設置する。第五凹溝と第六凹溝の一つは第一凹溝と同じ側に位置し、もう一つは第二凹溝と同じ側に位置する。
【0029】
説明の便宜のために、特に断らない限り、第一凹溝、第二凹溝、第三凹溝、第四凹溝、第五凹溝及び第六凹溝を凹溝と総称する。図4を参照すると、凹溝底部は非平面構造である。凹溝底部の形状は「V」字状、「W」字状、弧状又は波状である。凹溝底部の「V」字状、「W」字状、弧状又は波状の振幅は500nm〜1μmの範囲である。溝底部を「V」字状、「W」字状、弧状又は波状に設置し、導電材料を凹溝に充填して乾燥硬化する時に、導電材料の収縮を減少させることができる。導電材料を凹溝に充填して硬化させることにより、第一導電ワイヤ、第二導電ワイヤ、第一導電リード線、第二導電リード線及び導通ワイヤを形成し、導電材料の性能に対して優れた保護機能を果たし、且つベーク工程中に導電材料が収縮して破断することを防止する。凹溝は、その幅が0.2μm〜5μmであり、その高さが2μm〜6μmであることが好ましく、高さと幅との比率が1より大きいことが好ましい。
【0030】
第一導電層20を第一凹溝に収容する。第一導電層20は格子状である。図5図6を参照すると、第一導電層20のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第一導電層20は互いに交差する第一導電ワイヤを含む。第一導電層は第一凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第一導電層の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0031】
第二導電層30を第二凹溝に収容する。第二導電層30は格子状である。図5図6を参照すると、第二導電層30のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第二導電層30は互いに交差する第二導電ワイヤを含む。第二導電層は第二凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第二導電層30の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0032】
第一リード線電極40と第二リード線電極50はそれぞれ第三凹溝と第四凹溝に収容される。第一リード線電極40は第一導電層20と同じ側に位置する。第一導電層20と導通用配線60とを第一リード線電極40によって電気的に接続させる。第二リード線電極50は第二導電層30と同じ側に位置する。第二導電層30と導通用配線60とを第二リード線電極50によって電気的に接続させる。第一導電層20は導通用配線60に第一リード線電極40によって電気的に接続させ、第二導電層30と導通用配線60とを第二リード線電極50によって電気的に接続させ、それによって検知領域が検出したタッチ信号を導通用配線60に伝達させる。
【0033】
第一リード線電極40は格子状、又は帯状であってもよく、第二リード線電極50は格子状、又は帯状であってもよい。
【0034】
格子状の第一リード線電極40は互いに交差する第一導電リード線を含む。図5図6を参照すると、第一リード線電極40のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第一リード線電極40は第三凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第一リード線電極40の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0035】
帯状の第一リード線電極40は、その最小幅が10μm〜200μmであり、その高さが5μm〜20μmであることが好ましい。
【0036】
格子状の第二リード線電極50は互いに交差する第二導電リード線を含む。図5図6を参照すると、第二リード線電極50のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第二リード線電極50は第四凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第二リード線電極50の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0037】
帯状の第二リード線電極50は、その最小幅が10μm〜200μmであり、その高さが5μm〜20μmであることが好ましい。
【0038】
本実施形態では、導通用配線60は2本であり、それぞれ第五凹溝と第六凹溝に収容される。導通用配線60は格子状、又は帯状であってもよい。
【0039】
格子状の導通用配線60は互いに交差する導通ワイヤを含む。図5図6を参照すると、導通用配線60のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。導通用配線60は第五凹溝と第六凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。導通用配線60の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0040】
図7に示すように、第一リード線電極40は枠領域の表面に直接設けられ、第一導電層20と同じ側に位置することができる。この場合、第一リード線電極40はスクリーン印刷、リソグラフィ又はインクジェット印刷によって形成することができる。第二リード線電極50は枠領域の表面に直接設けられ、第二導電層30と同じ側に位置することもできる。この場合、第二リード線電極50はスクリーン印刷、リソグラフィ又はインクジェット印刷によって形成することができる。
【0041】
もちろん、その他の実施形態では、第一リード線電極40と第二リード線電極50を以下の方式で設置することもできる。
(1)第一リード線電極40は枠領域の表面に直接設けられ、第一導電層20と同じ側に位置することができる。第二リード線電極50は枠領域の第四凹溝に収容され、第二導電層30と同じ側に位置する。この場合、第一リード線電極40はスクリーン印刷、リソグラフィ又はインクジェット印刷によって形成することができる。第二リード線電極50は第四凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。
(2)第一リード線電極40は枠領域の第三凹溝に収容され、第一導電層20と同じ側に位置する。第二リード線電極50は枠領域の表面に直接設けられ、第二導電層30と同じ側に位置する。この場合、第一リード線電極40は第三凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第二リード線電極50はスクリーン印刷、リソグラフィ又はインクジェット印刷によって形成することができる。
【0042】
図8に示すように、別の実施形態では、透明導電膜100は第一基材層70と第二基材層80をさらに含む。第一基材層70と第二基材層80はそれぞれ透明ベース10の対向する二つの表面に設置される。
第一基材層70の材質はUV接着剤、インプリント用接着剤又はポリカーボネートであることが好ましい。
【0043】
検知領域112に対応する第一基材層70の透明ベース10側と反対側の表面に第一凹溝を設置する。枠領域114に対応する第一基材層70の透明ベース10側と反対側の表面に第三凹溝を設置する。
【0044】
第二基材層80の材質はUV接着剤、インプリント用接着剤又はポリカーボネートであることが好ましい。
【0045】
検知領域112に対応する第二基材層80の透明ベース10側と反対側の表面に第二凹溝を設置する。枠領域114に対応する第二基材層80の透明ベース10側と反対側の表面に第四凹溝を設置する。
【0046】
説明の便宜のために、特に断らない限り、第一凹溝、第二凹溝、第三凹溝、第四凹溝を凹溝と総称する。図4を参照すると、凹溝底部の形状は「V」字状、「W」字状、弧状又は波状であることができる。凹溝底部の「V」字状、「W」字状、弧状又は波状の振幅は500nm〜1μmの範囲である。溝底部を「V」字状、「W」字状、弧状又は波状に設置し、導電材料を凹溝に充填して乾燥硬化する時に、導電材料の収縮を減少させることができる。導電材料を凹溝に充填して硬化させることにより、第一導電ワイヤ、第二導電ワイヤ、第一導電リード線、第二導電リード線を形成し、導電材料の性能に対して優れた保護機能を果たし、且つベーク工程中に導電材料が切断することがない。凹溝は、その幅が0.2μm〜5μmで、その高さが2μm〜6μmであることが好ましく、高さと幅との比率が1より大きいことが好ましい。
【0047】
第一導電層20を第一凹溝に収容する。第一導電層20は格子状である。図5図6を参照すると、第一導電層20のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第一導電層20は互いに交差する第一導電ワイヤを含む。第一導電層20は第一凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第一導電層20の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0048】
第一リード線電極40を第三凹溝に収容する。第一リード線電極40は格子状、又は帯状であってもよい。
【0049】
格子状の第一リード線電極40は互いに交差する第一導電リード線を含む。図5図6を参照すると、第一リード線電極40のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第一リード線電極40は第三凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第一リード線電極40の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0050】
帯状の第一リード線電極40は、その最小幅が10μm〜200μmであり、その高さが5μm〜20μmであることが好ましい。
【0051】
第二導電層30を第二凹溝に収容する。第二導電層30は格子状である。図5図6を参照すると、第二導電層30のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第二導電層30は互いに交差する第二導電ワイヤを含む。第二導電層30は第二凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第二導電層30の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0052】
第二リード線電極50を第四凹溝に収容する。第二リード線電極50は格子状、又は帯状であってもよい。格子状の第二リード線電極50は互いに交差する第二導電リード線を含む。図5図6を参照すると、第二リード線電極50のグリッドは規則的なグリッド(図5)、又はランダムなグリッド(図6)であってもよい。第二リード線電極50は第四凹溝に充填される導電材料から硬化されてなるものである。第二リード線電極50の材質は導電金属であり、導電金属は銀又は銅であることが好ましい。
【0053】
帯状の第二リード線電極50は、その最小幅が10μm〜200μmであり、その高さが5μm〜20μmであることが好ましい。
【0054】
図9に示すように、第一リード線電極40はさらに枠領域に対応する第一基材層70の表面に直接設けられ、第一導電層20と同じ側に位置することができ、第二リード線電極50は枠領域に対応する第二基材層80の表面に直接設けられ、第二導電層30と同じ側に位置することもできるものと解される。
【0055】
その他の実施形態では、第一リード線電極40と第二リード線電極50を以下の方式で設置することができる。
(1)第一リード線電極40は枠領域に対応する第一基材層70の表面に直接設けられ、第一導電層20と同じ側に位置することができる。第二リード線電極50は第四凹溝に収容され、第二導電層30と同じ側に位置する。
(2)第一リード線電極40は第三凹溝に収容され、第一導電層20と同じ側に位置する。第二リード線電極50は第二基材層80の表面に直接設けられ、第二導電層30と同じ側に位置する。
【0056】
上記透明導電膜100は、少なくとも部分的に透明ベース10、第一導電層20、第二導電層30、第一リード線電極40、第二リード線電極50及び導通用配線60を被覆する透明保護層(図示せず)をさらに含む。透明保護層の材質は紫外線硬化型接着剤(UV接着剤)、インプリント用接着剤又はポリカーボネートであってもよい。透明導電膜100は透明保護層を設置することによって導電材料の酸化を効果的に防止できる。
【0057】
上記透明導電膜100の可視光透過率は86%以上である。
【0058】
上記透明導電膜100の透明ベースは本体110とフレキシブル基板120を含み、第一導電層20、第二導電層30及び導通用配線60を同一の透明ベースに設置することによって導電膜とフレキシブル回路基板を形成している。従って、貼り合わせプロセスで貼り合わせる必要がある従来の導電膜とフレキシブル回路基板と比較して、上記透明導電膜100は貼り合わせプロセスを必要とせず、生産性を向上させる。尚、可撓性接続部材を外部装置に接続する場合には、貼り合わせを採用することもできるが、又は可撓性接続部材の端部に雄端又は雌端を設け、外部装置にプラグインに接続することもできる。その一方で、貼り合わせプロセスは必須ではないので、生成コストを節約し、製品の歩留まりを向上させる。上記第一導電層20と第二導電層30はそれぞれ透明ベースの両側に設けられ、生産時にさらに便利である。
【0059】
いうまでもなく、上記の実施形態は本発明に係る実施形態を説明するためのものであり、その説明はより具体的かつ詳細であるが、これは、本発明を限定するものではない。本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲内で、本発明に係る実施形態を変形したり、また、技術特徴を部分的に均等なものに置き換えたりすることも本願発明の請求の範囲に属することは、当業者にとって理解されるものである。したがって、本発明の特許保護範囲は、添付した特許請求の範囲を基準とするものである。
【符号の説明】
【0060】
10 透明ベース
20 第一導電層
30 第二導電層
40 第一リード線電極
50 第二リード線電極
60 導通用配線
70 第一基材層
80 第二基材層
100 透明導電膜
110 本体
112 検知領域
114 枠領域
120 フレキシブル基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9