特許第5915162号(P5915162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5915162
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/34 20060101AFI20160422BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   F16H63/34
   B60T1/06 G
【請求項の数】4
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2011-282073(P2011-282073)
(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公開番号】特開2013-130280(P2013-130280A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】石川 龍也
(72)【発明者】
【氏名】硲 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 真也
(72)【発明者】
【氏名】新実 繁樹
【審査官】 塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−255519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/34
B60T 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に複数の嵌合凹部を有して回動自在に支承されたディテントプレートと、
前記ディテントプレートにモータ回転を伝達する伝達機構と、
前記ディテントプレートの周面に弾圧状態で摺接して前記各嵌合凹部の何れかと嵌合することにより該嵌合凹部に対応する回動位置で前記ディテントプレートを保持するディテントスプリングと、を備えたシフト装置であって、
前記伝達機構は、
前記モータ回転に基づき回転するとともに、内周に螺子部を有する螺子状部材と、
外周に螺子部を有し、前記螺子状部材に螺合されることにより前記モータ回転の方向に応じて往復移動するとともに、軸方向に離間して設けられた第1係合部及び第2係合部を備える筒状部を有する移動体と、
前記移動体の前記筒状部に挿通されるとともに、前記移動体が移動することにより前記第1係合部及び前記第2係合部に係合する被係合部が形成された軸状部を有し、前記被係合部の係合に基づき前記移動体と一体に軸方向移動することにより前記ディテントプレートを回動操作可能な伝達部材と、を備え、
前記移動体が第1方向に移動するとともに前記第1係合部と前記被係合部とが係合することにより生ずる前記ディテントプレートを正転回動させることが可能な第1伝達状態と、
前記移動体が第2方向に移動するとともに前記第2係合部と前記被係合部とが係合することにより生ずる前記ディテントプレートを逆転回動させることが可能な第2伝達状態と、を有し、
前記第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置と前記第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置との間で前記ディテントプレートの自由回動を許容する緩衝手段として、前記第1係合部及び前記第2係合部と前記被係合部との間には、前記軸方向の隙間が設定されること、を特徴とするシフト装置。
【請求項2】
請求項に記載のシフト装置において、
前記第1係合部及び第2係合部側の係合面及び前記被係合部側の係合面の少なくとも一方が湾曲して形成されていること、を特徴とするシフト装置。
【請求項3】
請求項に記載のシフト装置において、
前記被係合部は、球面状の前記係合面を有して前記移動体を挟む軸方向の二位置に形成された第1係合突部及び第2係合突部により構成されるとともに、
前記移動体の軸方向両端面には、前記第1係合部及び前記第2係合部を構成する湾曲面が形成されること、を特徴とするシフト装置。
【請求項4】
請求項〜請求項の何れか一項に記載のシフト装置において、
前記伝達部材は、前記ディテントプレートの回動軸に設けられたレバー部材に連結されるとともに、
前記移動体の前記筒状部と該筒状部内に挿通された前記伝達部材の軸状部との間には、該軸状部の傾動を許容する径方向の隙間が設定されること、を特徴とするシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、周面に複数の嵌合凹部を有して回動自在に支承されたディテントプレートを備え、その回動位置に基づいて変速機のシフト状態を切り替えるシフト装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載のシフト装置は、モータ駆動によりディテントプレートが回動する所謂シフトバイワイヤシステムであり、ディテントプレートには、車両のパーキングロック機構を作動させる「P」レンジ、及び「Not−P(NP)」レンジ(「R」「N」「D」等の各シフトポジション)に対応する複数の嵌合凹部が形成されている。また、このシフト装置には、ディテントプレートの周面に弾圧状態で摺接するディテントスプリングが設けられている。そして、このディテントスプリングが何れかの嵌合凹部に嵌合することにより、そのディテントプレートの回動位置、即ちシフトポジションが保持されるようになっている。
【0003】
また、シフトポジションの切替時、ディテントスプリング側の嵌合部(ローラ)が、その弾性力に基づいてディテントプレート側の各嵌合凹部(の底部)に落とし込まれるように嵌合する構成とすることで、高精度なモータ制御を行うことなく正確な位置決めが可能になる。そして、これにより、回転角センサや制御装置等を簡略化することによって、製造コストの削減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−39094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、駆動モータとして広く用いられるマグネットモータには、コギングトルクが存在する。このため、上記のような落し込み動作時、そのディテントスプリングの弾性力により回動するディテントプレートに対し、非駆動状態にあるモータ(の回転)が追従できない可能性がある。そして、これを回避すべく、コギングトルクのないSRモータ(VRモータ)やコアレスモータ等の特殊なモータを採用した場合には、これに伴う製造コストの上昇が避けられないという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、非駆動状態にあるモータの影響を受けることなく、ディテントスプリングの弾性力を利用した落し込み動作を円滑に行うことのできるシフト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、周面に複数の嵌合凹部を有して回動自在に支承されたディテントプレートと、前記ディテントプレートにモータ回転を伝達する伝達機構と、前記ディテントプレートの周面に弾圧状態で摺接して前記各嵌合凹部の何れかと嵌合することにより該嵌合凹部に対応する回動位置で前記ディテントプレートを保持するディテントスプリングと、を備えたシフト装置であって、前記伝達機構は、前記モータ回転に基づき回転するとともに、内周に螺子部を有する螺子状部材と、外周に螺子部を有し、前記螺子状部材に螺合されることにより前記モータ回転の方向に応じて往復移動するとともに、軸方向に離間して設けられた第1係合部及び第2係合部を備える筒状部を有する移動体と、前記移動体の前記筒状部に挿通されるとともに、前記移動体が移動することにより前記第1係合部及び前記第2係合部に係合する被係合部が形成された軸状部を有し、前記被係合部の係合に基づき前記移動体と一体に軸方向移動することにより前記ディテントプレートを回動操作可能な伝達部材と、を備え、前記移動体が第1方向に移動するとともに前記第1係合部と前記被係合部とが係合することにより生ずる前記ディテントプレートを正転回動させることが可能な第1伝達状態と、前記移動体が第2方向に移動するとともに前記第2係合部と前記被係合部とが係合することにより生ずる前記ディテントプレートを逆転回動させることが可能な第2伝達状態と、を有し、前記第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置と前記第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置との間で前記ディテントプレートの自由回動を許容する緩衝手段として、前記第1係合部及び前記第2係合部と前記被係合部との間には、前記軸方向の隙間が設定されること、を要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、ディテントプレートの各嵌合凹部にディテントスプリング(の嵌合部)を嵌合させる際、そのディテントスプリングの弾性力に基づいて、モータ回転を伴うことなくディテントプレートを自由回動させることができる。その結果、その非駆動状態にあるモータの影響を受けることなく、ディテントスプリングの弾性力を利用した落し込み動作を円滑に行うことができる。そして、これにより、コギングトルクの大きさ等、モータを選定する際の制約を排除することが可能になることで、その回転角センサや制御装置等の簡略化と併せ、製造コストの削減を図ることができる。
【0010】
上記構成によれば、モータ回転に基づき螺子状部材が回転することにより、移動体は、その螺子状部材との螺合関係(螺子対偶)に基づいて軸方向移動する。また、移動体が軸方向移動することにより、伝達部材の被係合部は、その移動体の移動方向に応じて第1係合部又は第2係合部の何れかに係合する。そして、伝達機構は、これにより、ディテントプレートを正転回動させることが可能な第1伝達状態又はディテントプレートを逆転回動させることが可能な第2伝達状態となる。更に、伝達部材は、その被係合部と第1係合部及び第2係合部との間に設定された軸方向の隙間に基づいて、両者が係合しない範囲内で自在に移動することができる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置との間でモータ回転を伴わないディテントプレートの自由回動を許容する緩衝手段を形成することができる。
【0014】
上記構成によれば、その被係合部と移動体の第1係合部又は第2係合部とが係合することにより伝達部材が軸方向移動する。そして、この伝達部材の軸方向移動に基づいて、例えば、ディテントプレートの回動軸に設けられたレバー部材を回動させる等により、ディテントプレートを正転又は逆転方向に回動操作することが可能になる。また、伝達部材は、その被係合部と第1係合部及び第2係合部との間に設定された軸方向の隙間に基づいて、両者が係合しない範囲内で自在に軸方向移動することができる。そして、これにより、簡素な構成にて、第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置との間でモータ回転を伴わないディテントプレートの自由回動を許容する緩衝手段を形成することができる。
【0015】
請求項に記載の発明は、前記第1係合部及び第2係合部側の係合面及び前記被係合部側の係合面の少なくとも一方が湾曲して形成されていること、を要旨とする。
請求項に記載の発明は、前記被係合部は、球面状の前記係合面を有して前記移動体を挟む軸方向の二位置に形成された第1係合突部及び第2係合突部により構成されるとともに、前記移動体の軸方向両端面には、前記第1係合部及び前記第2係合部を構成する湾曲面が形成されること、を要旨とする。
【0016】
上記各構成によれば、伝達部材の傾動時においても、その伝達部材の被係合部と移動体側の各係合部との間の好適な係合状態を確保することができる。
請求項に記載の発明は、前記伝達部材は、前記ディテントプレートの回動軸に設けられたレバー部材に連結されるとともに、前記移動体の前記筒状部と該筒状部内に挿通された前記伝達部材の軸状部との間には、該軸状部の傾動を許容する径方向の隙間が設定されること、を要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、簡素な構成にて、伝達部材の軸方向移動をディテントプレートの回動に変換することができる。また、レバー部材の回動位置に応じた伝達部材の傾動が許容される。その結果、より円滑に、その伝達部材の軸方向移動に基づいて、ディテントプレートを回動操作することができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、非駆動状態にあるモータの影響を受けることなく、ディテントスプリングの弾性力を利用した落し込み動作を円滑に行うことが可能なシフト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1の実施形態におけるシフト装置の概略構成を示す斜視図。
図2】ディテントプレートの平面図。
図3】パーキングロック機構の概略構成を示す斜視図。
図4】第1の実施形態における伝達機構の平面図。
図5】第1の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図6】第1の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図7】本発明にかかるシフト装置の作用説明図。
図8】第2の実施形態におけるシフト装置の概略構成を示す斜視図。
図9】第2の実施形態における伝達機構の要部断面図(A−A断面)。
図10】第2の実施形態における伝達機構の要部断面図(B−B断面)。
図11】第2の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図12】第2の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図13】第3の実施形態におけるシフト装置の概略構成を示す斜視図。
図14】第3の実施形態における伝達機構の平面図。
図15】第3の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図16】第3の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図17】第4の実施形態におけるシフト装置の概略構成を示す斜視図。
図18】第4の実施形態における伝達機構の平面図。
図19】第4の実施形態における伝達機構の要部断面図(C−C断面)。
図20】第4の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図21】第4の実施形態における伝達機構の作用説明図。
図22】別例のスライダ及びレバー部材の概略構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、シフト装置1は、回動自在に支承されたディテントプレート3と、このディテントプレート3の回動位置を保持するためのディテントスプリング4とを備えている。また、シフト装置1は、駆動源としてのモータ5と、そのモータ5の回転を減速してディテントプレート3に伝達する伝達機構7と、を備えている。
【0027】
即ち、本実施形態のシフト装置1は、モータ駆動によりディテントプレート3を回動させる。そして、そのディテントプレート3の回動位置に基づいて変速機のシフト状態を切り替え可能な所謂シフトバイワイヤ型のシフト装置として構成されている。
【0028】
詳述すると、図2に示すように、ディテントプレート3は、略扇形の外形を有する平板状に形成されている。また、ディテントプレート3の基端部3aには、回動軸11が設けられている。具体的には、図1に示すように、回動軸11は、ディテントプレート3の基端部3aを厚み方向に貫通する態様で相対不能に固定されている。そして、ディテントプレート3は、この回動軸11を軸心として、同回動軸11と一体に回動することが可能となっている。
【0029】
一方、ディテントスプリング4は、固定端4aを有する長尺板状のバネ部材であるとともに、その先端部4bには、回転自在に軸支されたローラ13が設けられている。また、ディテントプレート3の先端側の周面12には、複数の嵌合凹部14が形成されている。そして、ディテントスプリング4は、そのローラ13が弾圧状態でディテントプレート3の周面12に摺接する位置に配置されている。
【0030】
即ち、ディテントプレート3が回動することにより、その周面12上をローラ13が摺動する。そして、ディテントスプリング4は、そのローラ13が各嵌合凹部14の何れかに嵌合することにより、その嵌合凹部14に対応する回動位置において、ディテントプレート3を保持することが可能になっている。
【0031】
また、図1及び図2に示すように、ディテントプレート3の基端部3aには、当該ディテントプレート3の回動を変速機に伝達する出力部16が設けられている。具体的には、出力部16は、ディテントプレート3の長手方向(図2参照、上下方向)に対して略直交する方向(同図中、左側)に延びる板状に形成されている。そして、ディテントプレート3の回動は、この出力部16を介して変速機に伝達されるようになっている。
【0032】
詳述すると、本実施形態のシフト装置1は、停車状態にある車両の移動を禁止可能なパーキングロック機構に連結される。そして、そのディテントプレート3の回動に基づいて、パーキングロック機構の動作、即ちパーキング状態(「P」レンジ)と非パーキング状態(「NP」レンジ)とを切り替えることが可能となっている。
【0033】
図3に示すように、パーキングロック機構20は、周面に複数のロック歯21aが形成されたロック部21を有するパーキングギヤ22と、そのロック部21に係合することによりパーキングギヤ22の回転を規制可能なロックポール23とを備えている。
【0034】
パーキングギヤ22は、図示しないエンジンのクランクシャフトに対して相対回転不能に固定されている。また、ロックポール23は、各ロック歯21aに対向する係合爪24を有してパーキングギヤ22のロック部21と同一の平面上に配置されている。そして、ロックポール23は、その基端部23aに設けられた回動軸25を軸心として回動することにより、その係合爪24がロック部21に対して係脱する構成になっている。
【0035】
即ち、ロックポール23がパーキングギヤ22に近接する方向に回動して、その係合爪24がロック部21に係合することにより、パーキングギヤ22の回転が規制される。そして、パーキングロック機構20は、これによりクランクシャフト(図示略)を回転不能とすることで、車両の移動を禁止することが可能となっている。
【0036】
さらに詳述すると、パーキングロック機構20は、ディテントプレート3の回動に基づいて軸方向に往復動するパークロッド26を備えている。そして、パーキングロック機構20は、このパークロッド26の軸方向移動に基づいて、そのパーキング状態及び非パーキング状態が制御される。
【0037】
具体的には、パークロッド26の基端部26aは、クランク状に湾曲して形成されている。また、図1に示すように、ディテントプレート3の出力部16には、貫通孔16aが形成されている。即ち、パークロッド26は、この貫通孔16aに基端部26aが挿通されることにより、同出力部16に対して回動可能に連結される。そして、パークロッド26は、これにより、そのディテントプレート3の回動に基づいて、軸方向に往復動するようになっている。
【0038】
また、図3に示すように、パークロッド26の先端部には、軸方向先端側に向かって先細りとなるテーパ面27aを有した制御カム27が軸方向移動可能に設けられている。そして、パークロッド26は、その制御カム27のテーパ面27aが、ロックポール23の先端に設けられた押圧部28に摺接する位置に配置されている。
【0039】
具体的には、パークロッド26は、その制御カム27のテーパ面27aが、ロックポール23の背面側、即ち上記係合爪24が設けられた側の側面23cとは反対の側面23d側から押圧部28に当接する位置に配置されている。また、パークロッド26には、コイルスプリング29が嵌装されている。そして、制御カム27は、このコイルスプリング29の弾性力に基づいて、そのテーパ面27aが押圧部28に弾接する構成になっている。
【0040】
即ち、ロックポール23は、ディテントプレート3の回動に基づきパークロッド26が軸方向移動することにより、その背面側(側面26d)に摺接する制御カム27のテーパ面27aに案内される態様で、パーキングギヤ22に近接する方向又はパーキングギヤ22から離間する方向に回動する。具体的には、ロックポール23は、パークロッド26が突出方向(図3中、左側から右側に向かう方向)に移動することによりパーキングギヤ22に近接する方向に回動し、パークロッド26が没入方向(図3中、右側から左側に向かう方向)に移動することにより、パーキングギヤ22から離間する方向に回動する。そして、本実施形態では、これにより、そのパーキングロック機構20のパーキング状態及び非パーキング状態が切り替えられるようになっている。
【0041】
一方、図2に示すように、ディテントプレート3の周面12には、上記のようなパーキングロック機構20のパーキング状態及び非パーキング状態に対応する二つの嵌合凹部14a,14bが形成されている。
【0042】
具体的には、本実施形態では、同図中、左側に位置する嵌合凹部14aがパーキング状態に対応し、右側に位置する嵌合凹部14bが非パーキング状態に対応する。また、ディテントプレート3の周面形状は、これら二つの嵌合凹部14a,14bの底部P1,P2を最下点とした場合に、その間の摺接面Sが径方向外側(同図中、上側)に突出する山形状となるように形成されている。更に、この山形状をなす摺接面Sの頂点P0は、パーキング状態に対応する嵌合凹部14a側に偏った位置に設定されている。そして、これにより摺接面Sは、その嵌合凹部14a側において急峻な傾斜を有するものとなっている。
【0043】
本実施形態のシフト装置1は、伝達機構7を介してモータ5の回転をディテントプレート3の回動軸11に伝達することにより、そのモータ5の回転方向に応じてディテントプレート3を正転方向又は逆転方向に回動させる。尚、本実施形態では、その周面12に摺接するローラ13を嵌合凹部14a側に移動させる方向(同図中、時計回り方向)が「正転方向の回動(正転回動)」となっている。そして、嵌合凹部14b側にローラ13を移動させる方向(同図中、反時計回り方向)が、ディテントスプリング4の「逆転方向の回動(逆転回動)」となっている。
【0044】
即ち、ディテントプレート3が正転回動することにより、ディテントスプリング4のローラ13は、見かけ上、嵌合凹部14b側から嵌合凹部14a側に向かって、その摺接面S上を移動する。また、ディテントプレート3が逆転回動することにより、ローラ13は、見かけ上、嵌合凹部14a側から嵌合凹部14b側に向かって、その摺接面S上を移動する。
【0045】
本実施形態のシフト装置1は、このようなディテントプレート3の回動により、ディテントスプリング4のローラ13をパーキング状態に対応する嵌合凹部14a又は非パーキング状態に対応する嵌合凹部14bの何れかに嵌合させる。そして、そのローラ13と嵌合凹部14との嵌合に基づきディテントプレート3の回動位置を保持することにより、パーキングロック機構20をパーキング状態又は非パーキング状態に維持することが可能となっている。
【0046】
ここで、本実施形態のシフト装置1は、上記パーキング状態と非パーキング状態との切替の際、その摺接面S上のローラ13が両嵌合凹部14a,14b間の頂点P0を超える位置に移動するまでは、モータ駆動によりディテントプレート3を回動させる(図2参照)。そして、そのモータ回転を停止した後は、ディテントスプリング4の弾性力を利用して、更にディテントプレート3を回動させる。
【0047】
即ち、ディテントスプリング4のローラ13は、この更なるディテントプレート3の回動によって、その摺接面S上を滑り落ちるように最下点(底部P1,P2)まで移動する。そして、本実施形態の伝達機構7には、このディテントスプリング4の弾性力を利用した落し込み動作を円滑に行うべく、所定範囲内において、モータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段が備えられている。
【0048】
詳述すると、図1に示すように、本実施形態の伝達機構7は、モータ回転に基づき回転する螺子状部材としての台形螺子32と、この台形螺子32に螺合された移動体としてのスライダ33とを備えている。
【0049】
台形螺子32は、軸状をなすとともに外周に螺子部32aが形成された周知の構成を有している。そして、台形螺子32は、その両端が軸受34,35に軸支されることにより、軸方向移動が規制された状態で回転自在に支承されている。一方、スライダ33は、台形螺子32の軸方向に延びる略直方体状の外形を有している。そして、スライダ33は、その台形螺子32との螺合関係(螺子対偶)に基づいて、モータ5の回転方向に応じて軸方向に往復移動するようになっている。
【0050】
また、伝達機構7は、スライダ33の軸方向移動をディテントプレート3の回動に変換するレバー部材36を備えている。具体的には、レバー部材36は、ディテントプレート3の回動軸11に対して、その基端部36aが相対回転不能に固定されている。また、レバー部材36の先端部36bは、スライダ33が軸方向移動することにより、同スライダ33と係合するようになっている。そして、本実施形態の伝達機構7は、その係合関係に基づき、レバー部材36がスライダ33の移動方向に応じて回動することによって、ディテントプレート3を正転回動又は逆転回動させることが可能となっている。
【0051】
詳述すると、スライダ33の上面33aには、その長手方向両端部に設けられることにより軸方向に離間して配置された突起状の第1係合部37及び第2係合部38が形成されている。そして、レバー部材36の先端部36bには、これら第1係合部37及び第2係合部38間に軸方向の隙間Xを空けて配置される被係合部39が設けられている。
【0052】
具体的には、図4に示すように、被係合部39は、円板状に形成されるとともに、その直径D1は、第1係合部37及び第2係合部38の軸方向間隔D2よりも小径に設定されている。そして、これにより、被係合部39は、モータ回転に基づきスライダ33が軸方向移動することで、第1係合部37又は第2係合部38の何れかに係合するようになっている。
【0053】
即ち、図5に示すように、モータ回転に基づきスライダ33が第1方向(同図中、左側から右側に向かう方向)に移動することで、レバー部材36の被係合部39は、第1係合部37に係合する。更に、その第1係合部37との係合に基づいて、被係合部39がスライダ33とともに第1方向に移動することによりレバー部材36が回動する(同図中、時計回り方向)。そして、これにより、伝達機構7は、ディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態となる。
【0054】
また、図6に示すように、モータ回転に基づきスライダ33が第2方向(同図中、右側から左側に向かう方向)に移動することで、レバー部材36の被係合部39は、第2係合部38に係合する。更に、その第2係合部38との係合に基づいて、被係合部39がスライダ33とともに第2方向に移動することによりレバー部材36が回動する(同図中、反時計回り方向)。そして、これにより、伝達機構7は、ディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態となる。
【0055】
さらに、図4に示すように、第1係合部37及び第2係合部38と被係合部39との間に軸方向の隙間Xが設定されることにより、レバー部材36は、その被係合部39が第1係合部37及び第2係合部38に係合しない範囲内で自在に回動することができる。そして、本実施形態では、これにより、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置との間でモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段が形成されるようになっている。
【0056】
次に、本実施形態のシフト装置の作用について説明する。
図7に示すように、例えば、パーキングロック機構20をパーキング状態に切り替える際、ディテントプレート3は、伝達機構7を介して伝達されるモータ回転に基づいて、正転方向(同図中、時計回り方向)に回動される。そして、その周面12に形成された嵌合凹部14aにディテントスプリング4のローラ13が嵌合し、ディテントプレート3の回動位置が保持されることにより、パーキングロック機構20のパーキング状態が維持される。
【0057】
このとき、ディテントプレート3は、その周面12に摺接するローラ13が両嵌合凹部14a,14b間の頂点P0を超える摺接位置Pxに移動するまで、モータ駆動により正転方向に回動する。尚、この頂点P0を超える摺接位置Pxは、モータ駆動により制御可能なディテントプレート3の回動位置に対応する位置、具体的には、そのモータ制御の精度に応じた嵌合凹部14aの底部P1に近い任意の位置に設定されている。
【0058】
また、モータ回転の停止後、ディテントプレート3は、ディテントスプリング4の弾性力によって、更に正転方向に回動する。そして、その摺接面S上のローラ13は、モータ停止時の摺接位置Pxから滑り落ちるように最下点となる嵌合凹部14aの底部P1に移動する。
【0059】
即ち、図5に示すように、ローラ13が摺接位置Pxに移動するまでの間、モータ回転に基づきスライダ33が第1方向に移動することで、伝達機構7は、そのスライダ33の第1係合部37とレバー部材36の被係合部39とが係合した状態にある。そして、これによりディテントプレート3の逆転方向の回動が規制されることで、そのディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態が維持されている。
【0060】
しかしながら、更なる正転方向への回動については、スライダ33の第1係合部37及び第2係合部38とレバー部材36の被係合部39との間に設定された軸方向の隙間Xの範囲内において許容されている。従って、そのモータ回転の停止後、ディテントスプリング4の弾性力に基づきディテントプレート3が更に正転回動することで、上記被係合部39と第1係合部37との係合状態、即ち第1伝達状態が解除される。
【0061】
つまり、図7に示すように、そのモータ回転を停止した時点(摺接位置Px)におけるディテントプレート3の回動位置が第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1となる。また、モータ回転の停止後、ディテントプレート3が正転方向に回動し続けたと仮定した場合、伝達機構7は、そのレバー部材36の被係合部39とスライダ33の第2係合部38とが係合した状態、即ちディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態となる(図6参照)。そして、この時点(摺接位置Px´)におけるディテントプレート3の回動位置が第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2となる。
【0062】
本実施形態のシフト装置1は、これら第1回動位置C1と第2回動位置C2との間において、そのモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する。そして、これにより、その各嵌合凹部14a,14bにローラ13を嵌合させる際における円滑な落し込み動作を担保する構成になっている。
【0063】
尚、パーキングロック機構20を非パーキング状態に切り替える際についても、ディテントプレート3が、逆転方向(図3参照、反時計回り方向)に回動されることを除き、上記パーキング状態に切り替える際と同様の操作が行われる。このため、非パーキング状態に切り替える際の動作については、その説明を省略する。
【0064】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)シフト装置1は、モータ5の回転をディテントプレート3に伝達する伝達機構7を備える。伝達機構7は、モータ回転の方向に応じて往復移動するスライダ33を備え、同スライダ33が第1方向に移動することにより生ずるディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態と、スライダ33が第2方向に移動することにより生ずるディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態とを有する。そして、伝達機構7は、第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2との間でディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段を備える。
【0065】
上記構成によれば、ディテントプレート3の各嵌合凹部14a,14bにディテントスプリング4のローラ13を嵌合させる際、そのディテントスプリング4の弾性力に基づいて、モータ回転を伴うことなくディテントプレート3を自由回動させることができる。その結果、その非駆動状態にあるモータ5の影響を受けることなく、ディテントスプリング4の弾性力を利用した落し込み動作を円滑に行うことができる。そして、これにより、コギングトルクの大きさ等、モータ5を選定する際の制約を排除することが可能になることで、その回転角センサや制御装置等の簡略化と併せ、製造コストの削減を図ることができる。
【0066】
(2)伝達機構7は、モータ回転に基づき回転する台形螺子32を備え、スライダ33は、この台形螺子32に螺合されることにより、その螺合関係(螺子対偶)に基づいて、モータ5の回転方向に応じて軸方向に往復移動する。また、スライダ33の上面33aには、軸方向に離間して配置された突起状の第1係合部37及び第2係合部38が形成される。そして、伝達機構7は、これら第1係合部37及び第2係合部38間に軸方向の隙間Xを空けて配置される被係合部39を有してディテントプレート3の回動軸11に固定されたレバー部材36を備える。
【0067】
即ち、モータ回転に基づきスライダ33が軸方向移動することにより、レバー部材36の被係合部39は、そのスライダ33の移動方向に応じて第1係合部37又は第2係合部38の何れかに係合する。そして、これにより、伝達機構7は、ディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態又はディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態となる。また、第1係合部37及び第2係合部38と被係合部39との間に軸方向の隙間Xが設定されることにより、レバー部材36は、その被係合部39が第1係合部37及び第2係合部38に係合しない範囲内で自在に回動することができる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2との間でモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段を形成することができる。
【0068】
[第2の実施形態]
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態は、上記第1の実施形態との比較において、その伝達機構の構成のみが相違する。従って、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0069】
図8に示すように、本実施形態では、モータ5の一端には、略円筒状のケース41が設けられている。そして、伝達機構40は、このケース41内においてモータ駆動により回転する螺子状部材42と、螺子状部材42に螺合されることにより、その螺合関係(螺子対偶)に基づいて、モータ5の回転方向に応じて軸方向に往復移動する移動体43とを備えている。
【0070】
詳述すると、図9に示すように、螺子状部材42は、内周に螺子部42aを有する長尺略円筒状に形成されている。また、螺子状部材42は、軸方向一端がモータ5の出力部(図示略)に固定された状態で、ケース41の軸線に沿うように配置されている。尚、モータ5の回転出力は、モータ5と同軸に配置される図示しない遊星歯車により減速され、モータ5の出力部より出力される。そして、螺子状部材42は、ケース41内に設けられた軸受(図示略)により回転自在に支承されている。
【0071】
一方、移動体43は、外周に螺子部43aを有する略円筒状に形成されている。そして、移動体43は、螺子状部材42に螺合されることにより、当該螺子状部材42の回転方向に応じて、その筒内を軸方向移動するようになっている。
【0072】
また、図8に示すように、伝達機構40は、移動体43の筒内に挿通される軸状の伝達部材45を備えるとともに、この伝達部材45には、モータ回転に基づき移動体43が軸方向移動することにより、その軸方向端面46,47に係合する一対の係合突部48a,48bが設けられている。そして、伝達部材45は、その先端45aがケース41の先端部41aから突出することにより、ディテントプレート3の回動軸11に設けられたレバー部材49に連結されている。
【0073】
具体的には、伝達部材45の先端45aは、略L字状に屈曲して形成されている。そして、伝達部材45は、この屈曲部分がレバー部材49の先端部に形成された貫通孔49aに挿通されることにより、レバー部材49に対して回動可能に連結されている。
【0074】
尚、伝達部材45は、平板部(二面幅)45bを有するとともに、ケース41の先端部41aに形成された挿通孔50には、その平板部45bの形状に合わせた角孔部(図示略)が設けられている。また、図8及び図10に示すように、移動体43の筒内及びその筒内に挿通される伝達部材45の挿通部45cには、それぞれ、周方向に係合することにより移動体43と伝達部材45との相対回転を規制する所謂二面幅構造の回り止め51,52が形成されている。そして、本実施形態では、これにより、螺子状部材42の回転に伴う移動体43の連れ回りが抑えられている。
【0075】
また、図9に示すように、各係合突部48a,48bは、移動体43との間に軸方向の隙間Xが形成されるように、当該移動体43を挟んで軸方向に離間した二位置に形成されている。そして、図10に示すように、移動体43と当該移動体43の筒内に挿通された伝達部材45(の挿通部45c)との間には、伝達部材45の傾動を許容する径方向の隙間Yが設定されている。
【0076】
さらに詳述すると、図9に示すように、各係合突部48a,48bは、凸状に湾曲して形成された係合面53を有している。具体的には、各係合突部48a,48bの係合面53は、略球面状に形成されている。そして、移動体43側の係合面となる軸方向端面46,47は、それぞれ、その対応する各係合突部48a,48bの球面形状に対応した凹状の湾曲面54となっている。
【0077】
即ち、モータ回転に基づき移動体43が軸方向移動することにより、伝達部材45に設けられた各係合突部48a,48bの何れかが、その軸方向に対向する移動体43の軸方向端面46,47に係合する。そして、移動体43が更に移動することにより、伝達部材45は、その各係合突部48a,48bとの係合に基づいて、移動体43と一体に軸方向移動する。
【0078】
本実施形態の伝達機構40は、この伝達部材45の軸方向移動に基づいて、レバー部材49を回動させる。そして、これにより、そのモータ5の回転方向に応じて、ディテントプレート3を正転方向又は逆転方向に回動操作することが可能となっている。
【0079】
具体的には、図11に示すように、モータ回転に基づき移動体43が第1方向(同図中、左側から右側に向かう方向)に移動することで、その軸方向端面46に対して伝達部材45の係合突部48aが係合する。そして、この係合により、伝達部材45が移動体43とともに第1方向に移動し、その先端45aが突出方向に動くことによって、伝達機構40は、ディテントプレート3を正転回動させる方向に、そのレバー部材49を操作することが可能な状態になる。
【0080】
また、図12に示すように、モータ回転に基づき移動体43が第2方向(同図中、右側から左側に向かう方向)に移動することで、その軸方向端面47に対して伝達部材45の係合突部48bが係合する。そして、この係合により、伝達部材45が移動体43とともに第2方向に移動し、その先端45aが没入方向に動くことによって、伝達機構40は、ディテントプレート3を逆転回動させる方向に、そのレバー部材49を操作することが可能な状態になる。
【0081】
即ち、本実施形態では、移動体43の各軸方向端面46,47が、それぞれ1係合部及び第2係合部を構成し、これら各軸方向端面46,47に係合する係合突部48a,48bが伝達部材45側の被係合部を構成する。そして、伝達機構40は、その移動体43の軸方向端面46と伝達部材45の係合突部48aとが係合することで、ディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態となり、移動体43の軸方向端面47と伝達部材45の係合突部48bとが係合することで、ディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態となる。
【0082】
さらに、移動体43の各軸方向端面46,47と伝達部材45の各係合突部48a,48bとの間に軸方向の隙間Xが設定されることにより、伝達部材45は、その各係合突部48a,48bが移動体43の各軸方向端面46,47に係合しない範囲内で軸方向に自由移動することができる(図9参照)。そして、本実施形態では、これにより、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2との間でモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段が形成されている(図7参照)。
【0083】
以上、本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、移動体43と一体に軸方向移動する伝達部材45により、ディテントプレート3の回動軸11に設けられたレバー部材49を回動させる構成とすることで、伝達機構40をコンパクトにまとめることが可能になる。更に、移動体43と当該移動体43の筒内に挿通された伝達部材45との間に当該伝達部材45の傾動を許容する径方向の隙間を設定することで、より円滑にレバー部材49を回動させることができる。そして、各係合突部48a,48bの係合面53を凸状に湾曲して形成するとともに、移動体43側の係合面となる軸方向端面46,47を湾曲面54とすることにより、伝達部材45の傾動時においても、これら伝達部材45の各係合突部48a,48bと移動体43側の各軸方向端面46,47との間の好適な係合状態を確保することができる。
【0084】
[第3の実施形態]
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態は、上記第1の実施形態との比較において、その伝達機構の構成のみが相違する。従って、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
図13及び図14に示すように、本実施形態の伝達機構60は、モータ回転に基づき回転する回転軸61と、この回転軸61に対して相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられた螺子状部材としてのウォームギヤ62とを備えている。
【0086】
回転軸61は、その軸方向両端が軸受63,64により回転自在に支承されている。また、軸受63の隣には、その軸方向中央側(図14中、右側)に外歯歯車65が設けられている。そして、モータ5の回転は、この外歯歯車65を介して回転軸61に伝達されるようになっている。
【0087】
また、回転軸61の外周には、スプライン66が形成されており、ウォームギヤ62は、回転軸61に対してスプライン嵌合されている。また、軸方向に対向する位置関係にあるウォームギヤ62と軸受64及び外歯歯車65との間には、軸方向の隙間Xが設定されている。そして、ウォームギヤ62は、これにより、回転軸61と一体に同軸回転するとともに、第1規制壁としての外歯歯車65と第2規制壁としての軸受64との間における軸方向移動が許容されている。
【0088】
さらに、伝達機構60は、ウォームギヤ62のウォーム歯67に噛合するギヤ歯68を有したレバー部材69を備えている。そして、このレバー部材69は、ディテントプレート3の回動軸11に対して相対回転不能に固定されている。
【0089】
具体的には、レバー部材69は、略扇形の外形を有する板状に形成されるとともに、その基端部69aがディテントプレート3の回動軸11に固定されている。そして、ギヤ歯68は、その円弧状に形成された先端部69bの周面に設けられている。
【0090】
即ち、レバー部材69は、モータ回転に基づきウォームギヤ62が回転し、そのギヤ歯68とウォーム歯67との螺子係合に基づきモータトルクが伝達されることにより回動する。そして、本実施形態の伝達機構60は、このレバー部材69がディテントプレート3の回動軸11と一体に回動することにより、そのモータ5の回転方向に応じてディテントプレート3を正転方向又は逆転方向に回動させることが可能となっている。
【0091】
次に、本実施形態の伝達機構60の作用について説明する。尚、以下の説明においては、図14中、右側から左側へ向かう方向を第1方向とし、左側から右側へ向かう方向を第2方向とする。
【0092】
本実施形態の伝達機構60において、レバー部材69は、ウォームギヤ62を介して第1回転方向(図14参照)のモータトルクが伝達されることによりディテントプレート3を正転回動させる方向に回動し、第2回転方向(図14参照)のモータトルクが伝達されることによりディテントプレート3を逆転回動させる方向に回動する。
【0093】
ここで、ウォームギヤ62は、回転軸61上を軸方向移動可能であるとともに、その軸方向に対向する軸受64及び外歯歯車65との間には、軸方向の隙間Xが設定されている。このため、ウォームギヤ62は、モータ駆動により回転軸61と一体に回転することにより、そのウォーム歯67とレバー部材69のギヤ歯68との螺子係合に基づいて、その軸方向に対向する軸受64の側面64a又は外歯歯車65の側面65aに当接するまで、回転軸61上を軸方向に移動する。
【0094】
具体的には、図15に示すように、ウォームギヤ62は、回転軸61が第1回転方向に回転することにより、回転軸61上を第1方向に軸方向移動する。そして、その軸方向移動を第1規制壁としての外歯歯車65に規制されることにより、ディテントプレート3を正転回動させる方向のモータトルクをレバー部材69に伝達することが可能になる。
【0095】
また、図16に示すように、ウォームギヤ62は、回転軸61が第2回転方向に回転することにより、回転軸61上を第2方向に軸方向移動する。そして、その軸方向移動を第2規制壁としての軸受64に規制されることにより、ディテントプレート3を逆転回動させる方向のモータトルクをレバー部材69に伝達することが可能になる。
【0096】
即ち、本実施形態では、螺子状部材としてのウォームギヤ62が「モータ回転方向に応じて往復移動する移動体」を構成し、レバー部材69が「螺子状部材の回転をディテントプレートの回動に変換可能な変換手段」を構成する。そして、伝達機構60は、そのウォームギヤ62が外歯歯車65の側面65aに当接することで「ディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態」となり、ウォームギヤ62が軸受64の側面64aに当接することで「ディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態」となる。
【0097】
更に、モータ回転が停止している状態にある場合、ウォームギヤ62は、その螺子係合状態にあるレバー部材69がディテントプレート3と一体に回動することにより、軸受64及び外歯歯車65との間に設定された軸方向の隙間Xに基づいて、回転軸61の回転を伴うことなく当該回転軸61上を軸方向に移動する。
【0098】
具体的には、図15に示すように、モータ回転の停止時、上記第1伝達状態にあった場合、ウォームギヤ62は、ディテントプレート3が更に正転回動することにより、その回転が停止した回転軸61上を第2方向へと移動する。また、図16に示すように、モータ回転の停止時、上記第2伝達状態にあった場合、ウォームギヤ62は、ディテントプレート3が更に逆転回動することにより、その回転が停止した回転軸61上を第1方向へと移動する。そして、本実施形態では、これにより、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2との間でモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段が形成されている(図7参照)。
【0099】
即ち、パーキングロック機構20をパーキング状態に切り替える際には、そのモータ回転の停止後、回転軸61の回転を伴うことなく、ディテントスプリング4の弾性力に基づいてディテントプレート3を更に正転回動させることができる。また、パーキングロック機構20を非パーキング状態に切り替える際も同様に、回転軸61の回転を伴うことなく、ディテントプレート3を更に逆転回動させることができる。そして、本実施形態では、これにより、上記各実施形態と同様、そのディテントプレート3の各嵌合凹部14a,14bにディテントスプリング4のローラ13を嵌合させる際、非駆動状態にあるモータ5の影響を受けることなく、ディテントスプリング4の弾性力を利用した円滑な落し込み動作を行うことが可能になっている。
【0100】
[第4の実施形態]
以下、本発明を具体化した第4の実施形態を図面に従って説明する。尚、本実施形態は、上記各実施形態との比較において、その伝達機構の構成のみが相違する。従って、上記各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0101】
図17図19に示すように、本実施形態の伝達機構70は、上記第3の実施形態の伝達機構60と同様、その軸方向両端が軸受63,64により回転自在に支承された回転軸71と、この回転軸71に対して相対回転不能且つ軸方向移動可能に設けられた螺子状部材としての台形螺子75とを備えている。
【0102】
尚、この台形螺子75は、上記第3の実施形態におけるウォームギヤ62と同様、回転軸71に対してスプライン嵌合されている。また、回転軸71には、上記第3の実施形態における外歯歯車65に相当する回転伝達部材は設けられていない。そして、その軸方向において対向する位置関係にある台形螺子75と各軸受63,64との間には、軸方向の隙間Xが設定されている。
【0103】
即ち、台形螺子75は、回転軸61と一体に同軸回転するとともに、第1規制壁及び第2規制壁としての各軸受63,64間において、その軸方向移動が許容されている。
また、伝達機構70は、台形螺子75に螺合されたスライダ76と、ディテントプレート3の回動軸11に対して相対回転不能に固定されるとともに先端部36bがスライダ76に対して回動自在に連結されたレバー部材36と、を備えている。
【0104】
具体的には、スライダ76の上面76aには、軸方向に離間して配置された一対の係合突部77a,77bが形成されている。そして、レバー部材36は、その先端部36bに設けられた被係合部39が両係合突部77a,77bに挟み込まれるように係合することにより、スライダ76に対して回動自在に連結されている。
【0105】
即ち、本実施形態では、スライダ76の螺子部78が、螺子状部材としての台形螺子75の螺子部79に対する「螺子係合部」を構成する。また、両係合突部77a,77bと被係合部39との間に軸方向の隙間は設定されていない。そして、本実施形態の伝達機構70は、これらスライダ76及びレバー部材36を変換手段として、そのモータ回転に基づく台形螺子75の回転をディテントプレート3の回動に変換する構成になっている。
【0106】
次に、本実施形態の伝達機構70の作用について説明する。尚、以下の説明においては、図18中、右側から左側へ向かう方向を第1方向とし、左側から右側へ向かう方向を第2方向とする。
【0107】
本実施形態の伝達機構70において、スライダ76は、台形螺子75を介して第1回転方向(図18参照)のモータトルクが伝達されることにより第2方向に移動し、第2回転方向(図18参照)のモータトルクが伝達されることにより第1方向に移動する。そして、レバー部材36は、スライダ76が第2方向に移動することによりディテントプレート3を正転回動させる方向に回動し、スライダ76が第1方向に移動することにより、ディテントプレート3を逆転回動させる方向に回動する。
【0108】
ここで、台形螺子75は、回転軸71上を軸方向移動可能であるとともに、その軸方向に対向する第1規制壁及び第2規制壁として各軸受63,64との間には、軸方向の隙間Xが設定されている。このため、台形螺子75は、モータ駆動により回転軸71と一体に回転することにより、そのスライダ76との螺合関係(螺子対偶)に基づいて、その軸方向に対向する各軸受63,64の側面63a,64aに当接するまで、回転軸71上を軸方向に移動する。
【0109】
具体的には、図20に示すように、台形螺子75は、回転軸71が第1回転方向に回転することにより、回転軸71上を第1方向に軸方向移動する。そして、台形螺子75は、その軸方向移動を軸受63に規制されることにより、スライダ76を第2方向に移動させる、即ちディテントプレート3を正転回動させる方向のモータトルクをスライダ76に伝達することが可能になる。
【0110】
また、図21に示すように、台形螺子75は、回転軸71が第2回転方向に回転することにより、回転軸71上を第2方向に軸方向移動する。そして、その軸方向移動を軸受64に規制されることにより、スライダ76を第1方向に移動させる、即ちディテントプレート3を逆転回動させる方向のモータトルクをスライダ76に伝達することが可能になる。
【0111】
即ち、本実施形態では、軸受63が第1規制壁を構成し、軸受64が第2規制壁を構成する。また、螺子状部材としての台形螺子75が「モータ回転方向に応じて往復移動する移動体」を構成し、スライダ76が「螺子状部材に螺合された第2螺子状部材」を構成する。そして、伝達機構70は、その台形螺子75が軸受63の側面63aに当接することで「ディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態」となり、台形螺子75が軸受64の側面64aに当接することで「ディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態」となる。
【0112】
また、モータ回転が停止している状態にある場合、台形螺子75は、ディテントプレート3と一体にレバー部材36が回動することにより、このレバー部材36に連結されたスライダ76とともに、両軸受63,64との間に設定された軸方向の隙間Xに基づいて、回転軸71の回転を伴うことなく当該回転軸71上を軸方向に移動する。
【0113】
具体的には、図20に示すように、モータ回転の停止時、上記第1伝達状態にあった場合、台形螺子75及びスライダ76は、ディテントプレート3が更に正転回動することにより、その回転が停止した回転軸71上を第2方向へと移動する。また、図21に示すように、モータ回転の停止時、上記第2伝達状態にあった場合、台形螺子75及びスライダ76は、ディテントプレート3が更に逆転回動することにより、その回転が停止した回転軸71上を第1方向へと移動する。そして、本実施形態では、これにより、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2との間でモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段が形成されている(図7参照)。
【0114】
以上、本実施形態によれば、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、ディテントプレート3の周面12には、パーキングロック機構20のパーキング状態及び非パーキング状態に対応する二つの嵌合凹部14a,14bが形成されることとした。しかし、これに限らず、「R」「N」「D」等、「Not−P(NP)」レンジの各シフトポジションに対応する複数の嵌合凹部を有するものに具体化してもよい。
【0115】
・上記第1の実施形態では、スライダ33の上面33aには、軸方向に離間して配置された突起状の第1係合部37及び第2係合部38が設けられ、レバー部材36には、これら第1係合部37及び第2係合部38間に軸方向の隙間Xを空けて配置される被係合部39が設けられることとした。
【0116】
しかし、これに限らず、例えば、図22に示すように、スライダ83に、係合突部84を設ける。また、レバー部材86には、その内側に係合突部84を配置可能な切欠き(若しくは孔)87を形成する。そして、その係合突部84の各軸方向端面84a,84bと切欠き87の側端面87a,87bとの間に軸方向の隙間Xを設定する構成としてもよい。
【0117】
即ち、スライダ83が第1方向(同図中、左側から右側に向かう方向)に移動することにより、第1係合部としての係合突部84の軸方向端面84aと被係合部としての切欠き87の側端面87aとが係合することで、ディテントプレート3を正転回動させることが可能な第1伝達状態となる。また、スライダ83が第2方向(同図中、右側から左側に向かう方向)に移動することにより、第2係合部としての係合突部84の軸方向端面84aと被係合部としての切欠き87の側端面87bとが係合することで、ディテントプレート3を逆転回動させることが可能な第2伝達状態となる。更に、レバー部材36は、その切欠き87の各側端面87a,87bが係合突部84の各軸方向端面84a,84bに係合しない範囲内で自在に回動することができる。その結果、簡素な構成にて、その第1伝達状態の境界に対応する第1回動位置C1と第2伝達状態の境界に対応する第2回動位置C2との間でモータ回転を伴わないディテントプレート3の自由回動を許容する緩衝手段を形成することができる(図7参照)。
【0118】
・上記第2の実施形態では、被係合部を構成する伝達部材45の各係合突部48a,48bの係合面53は、略球面状に形成される。そして、移動体43側の係合面となる軸方向端面46,47については、それぞれ、その対応する各係合突部48a,48bの半球形状に対応する凹状の湾曲面54とした。しかし、これに限らず、伝達部材45の傾動時においても、これら伝達部材45の各係合突部48a,48bと移動体43側の各軸方向端面46,47との間の好適な係合状態を確保することが可能な湾曲形状であれば、必ずしも半球状でなくともよい。また、伝達部材45の各係合突部48a,48bの係合面53又は移動体43側の係合面となる軸方向端面46,47の何れか一方を湾曲して形成する構成としてもよい。そして、係合状態が確保可能であれば、両者の係合面を湾曲させなくともよい。
【0119】
・上記第2の実施形態では、筒状に形成された移動体43の筒内に軸状の伝達部材45を挿通することとした。しかし、移動体及び伝達部材の形状は必ずしもこれに限るものではなく、その一部分に筒状部を有する移動体を用いてもよい。また、その一部分に軸状部を有する伝達部材を用いる構成であってもよい。
【0120】
・上記第2の実施形態では、伝達部材45の軸方向移動に基づいて、ディテントプレート3の回動軸11に設けられたレバー部材49を回動させることにより、ディテントプレート3を正転方向又は逆転方向に回動操作することが可能な構成とした。しかし、これに限らず、例えば、ラック&ピニオン機構を用いる等、その他の方法により、伝達部材45の軸方向移動をディテントプレート3の回動に変換する構成であってもよい。
【0121】
・上記第2及び第3の実施形態では、それぞれ、その螺子状部材としてのウォームギヤ62及び台形螺子75が、回転軸61,71に対してスプライン嵌合されることとした。しかし、これに限らず、その回転軸に対して相対回転不能且つ軸方向移動可能に螺子状部材を固定可能な構成であれば、例えば、所謂二面幅や、多角形状(例えば六角)による嵌合構造を有するものであってもよい。
【0122】
・また、上記第2の実施形態では、外歯歯車65及び軸受64を第1規制壁及び第2規制壁とし、上記第3の実施形態では、各軸受63,64を第1規制壁及び第2規制壁とした。しかし、第1規制壁及び第2規制壁については、必ずしもこれに限るものではなく、軸方向に離間して設けられることにより、それぞれ、第1方向及び第2方向への移動体の移動を規制可能なものであればよい。
【符号の説明】
【0123】
1…シフト装置、3…ディテントプレート、4…ディテントスプリング、5…モータ、7…伝達機構、11…回動軸、12…周面、13…ローラ、14(14a,14b)…嵌合凹部、20…パーキングロック機構、22…パーキングギヤ、23…ロックポール、24…パークロッド、32…台形螺子、32a…螺子部、33…スライダ、33a…上面、36…レバー部材、37…第1係合部、38…第2係合部、39…被係合部、40…伝達機構、42…螺子状部材、42a…螺子部、43…移動体、43a…螺子部、45…伝達部材、45c…挿通部、46,47…軸方向端面、48a,48b…係合突部、49…レバー部材、53…係合面、54…湾曲面、60…伝達機構、61…回転軸、62…ウォームギヤ、63,64…軸受、63a,64a…側面、65…外歯歯車、65a…側面、66…スプライン、67…ウォーム歯、68…ギヤ歯、69…レバー部材、70…伝達機構、71…回転軸、75…台形螺子、76…スライダ、76a…上面、77a,77b…係合突部、78…螺子部、79…螺子部、83…スライダ、84…係合突部、84a,84b…軸方向端面、86…レバー部材、87…切欠き、87a,87b…側端面、D1…直径、D2…軸方向間隔、X…隙間、S…摺接面、P0…頂点、P1,P2…底部、Px,Px´…摺接位置、C1…第1回動位置、C2…第2回動位置、Y…隙間。
図1
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