(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1A〜
図1Tを参照しながら、第1の実施形態によるMOSトランジスタの製造方法を説明する。
【0016】
図1Aを参照するに、単結晶バルクシリコンよりなるシリコン基板11の例えば(100)面よりなる平坦な基板表面のうち、pチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11Aをフォトレジストパタ―ン(図示せず)で覆い、前記シリコン基板11表面のうちnチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域11Bに、例えばB(ボロン)を加速エネルギ300keV以下、ドーズ量5×10
13以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ150KeV、ドーズ量3×10
13の条件で注入することでp型ウェル11PWを形成する。イオン注入時の傾斜角(Tilt)は任意で入射方向(Twist)を1方向以上で注入しても良く、注入種としてはBの他にもBF
2やInなどを1種類以上用いても良い。
【0017】
またその際、前記シリコン基板11の素子領域11Bに、例えばB(ボロン)を加速エネルギ150keV以下、ドーズ量1×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ30KeV、ドーズ量5×10
12cm
-2の条件でイオン注入しチャネルストップ注入を行ってもよい。本チャネルストップ注入時のTiltは任意で、Twistを1方向以上で注入しても良く、イオン種としてBのほかにもBF
2やInなどを1種類以上用いても良い。
【0018】
次に前記nチャネルMOSトランジスタの閾値調整のためのイオン注入を行なう。例えば、Bを加速エネルギ40KeV以下、ドーズ量3×10
13cm
-2の範囲で、好ましくは加速エネルギ20KeV,ドーズ量1×10
13cm
-2の条件で注入する。この際、イオン注入時のTiltは任意で、Twistを1方向以上で注入しても良い。またB以外にもInやBF
2、B
10HxなどそのほかのB分子イオンを1種類以上使用しても良い。
【0019】
次にアッシング処理又はSPM(sulfuric acid hydrogen peroxide mixture)等を用いたウェット処理により、前記シリコン基板11の素子領域11A上のレジストパタ―ンを除去し、今度は前記素子領域11Bをレジストパターンで覆った状態で、前記素子領域11Aにn型ウェル11NWを、同様にして形成する。
【0020】
より具体的には、前記シリコン基板11上の前記素子領域11Bをレジストパタ―ン(図示せず)で覆い、前記素子領域11Aに、例えば不純物元素としてP(リン)を加速エネルギ600keV以下、ドーズ量5×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ350KeV、ドーズ量3×10
13cm
-2の条件でイオン注入し、前記n型ウェル11NWを形成する。イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上の条件で注入しても良く、イオン種としてPのほかにもAsやSbなどを1種類以上用いても良い。
【0021】
またその際、前記シリコン基板11の素子領域11Aに、例えば、As(ヒ素)を加速エネルギ300keV以下、ドーズ量1×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ100KeV、ドーズ量5×10
12cm
-2の条件下でイオン注入しチャネルストップ注入をおこなってもよい。本イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上の条件で注入しても良く、イオン種としてPのほかにもAsやSbなどを1種類以上用いても良い。
【0022】
次に前記pチャネルMOSトランジスタの閾値調整のためのイオン注入を行なう。例えばAsを加速エネルギ200KeV以下、ドーズ量3×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ130KeV、ドーズ量3×10
13cm
-2の条件でイオン注入を行なう。この際Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、イオン種としてP、As、Sbなどを1種類以上使用しても良い。
【0023】
次に、アッシング処理又はSPM等を用いたウェット処理により、前記素子領域11Bに形成したレジストパタ―ンを除去し、その後、前記シリコン基板11に対し例えば1000℃の温度で、約10秒間、スパイクアニールを行い、前記シリコン基板11中に注入されたB、P及びAs等の不純物元素を活性化する。
【0024】
なお以上の説明では、前記
図1Aの工程においてウェル注入およびチャネル注入を最初に行なったが、これは後述するSTI構造形成後に実施しても良い。
【0025】
次に
図1Bを参照するに、前記シリコン基板11上にCVD法により酸化膜を成膜し、さらに前記酸化膜をパターニングすることにより、前記シリコン基板11のうち、前記pチャネルMOSトランジスタのチャネル領域となる部分を含む基板部分11CH
1および前記nチャネルMOSトランジスタのチャネル領域となる部分を含む基板部分11CH
2に、酸化膜パタ―ン11Ox
1,11Ox
2をそれぞれ形成する。さらに前記酸化膜パタ―ン11Ox
1,11Ox
2をマスクに前記シリコン基板11を、例えばCl
2やHClをエッチングガスとして使ってドライエッチングすることにより、前記シリコン基板11中、前記基板部分11CH
1の両側、および基板部分11CH
2の両側に、深さが40nm〜150nmのトレンチTA
1〜TA
3を形成する。図示の例では、前記基板部分11CH
1,11CH
2は、前記
図1B中において、例えば30nm〜100nm程度の幅を有する。
【0026】
前記トレンチTA
1〜TA
3の形成の結果、前記酸化膜パタ―ン11Ox
1および11Ox
2が形成されている前記基板部分11CH
1および基板部分11CH
2は、前記シリコン基板11から、前記シリコン基板11の一部として上方へ延在するメサ構造を形成する。
【0027】
次に
図1Cに示すように前記
図1Bの構造上に例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、あるいはシリコン酸窒化膜などの絶縁膜11TOxを、例えばCVD法やALD法(原子層堆積法)などの気相堆積法により、一様な膜厚に堆積する。前記絶縁膜11TOxの膜厚は10nm以下であるのが好ましく、2nm程度もあれば十分である。前記絶縁膜11TOxは、前記酸化膜パタ―ン11OX
1,11OX
2の表面、および前記トレンチTA
1,TA
2,TA
3の底面および側壁面を略一様な膜厚で覆って形成される。
【0028】
次に
図1Dに示すように
図1Cの構造に対し、前記シリコン基板11の面に略垂直に作用する異方性エッチングをRIE法により行い、前記トレンチTA
1〜TA
3の底部から前記絶縁膜11TOxを除去し、前記トレンチTA
1〜TA
3の底部において前記シリコン基板11を露出させる。
図1Dの構造では、前記絶縁膜11TOxは前記酸化膜パタ―ン11OX
1,11OX
2の表面からも除去されており、前記トレンチTA
1,TA
2の側壁面にのみ残されている。
【0029】
次に
図1Eに示すように前記酸化膜パタ―ン11Ox
1,11Ox
2を再びマスクに使い、前記シリコン基板11の露出表面、すなわち前記トレンチTA
1〜TA
3の底に、SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3を、例えばシラン(SiH
4)あるいはジクロロシラン(SiH
2Cl
2),モノゲルマン(GeH
4),塩化水素(HCl),および水素(H
2)の混合ガスを原料に用いたCVD法により、例えば20nm〜80nmの厚さで選択的にエピタキシャル成長させる。尚、本明細におけるSiGe混晶層という記載は、SiとGe以外に更に他の元素を有する混晶層も含むものを意味する。SiC混晶層という記載も、SiとC以外に更に元素を有する混晶層も含むものを意味する。
【0030】
例えば前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3のエピタキシャル成長は、1330〜13300Pa(10〜100Torr)の圧力下、好ましくは5320Pa(40Torr)の圧力下、650〜750℃の基板温度、好ましくは700℃の基板温度にて、水素ガス分圧を4000Pa〜6000Pa、好ましくは5300Paに設定し、ジクロロシラン分圧を20Pa〜30Pa、好ましくは26Paに設定し、モノゲルマンの分圧を10Pa〜15Pa、好ましくは12Paに設定し、塩化水素分圧を10Pa〜15Pa、好ましくは12Paに設定し、45nm/分の成長速度で行うことができる。
【0031】
前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3としては、例えばGeを原子分率で20%程度含むものが使われるが、シリコン基板11に対してエピタキシャルに成長できる範囲でGeの組成はより増大させることができる。例えばGeを原子分率で40%程度含むSiGe混晶を、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3として使うことも可能である。また前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3として、Cをさらに含むSiGeC混晶層を使うことも可能である。
【0032】
図1Eよりわかるように、本実施形態では前記トレンチ11TA
1,11TA
2,11TA
3の側壁面は前記絶縁膜11TOxにより覆われているため、SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3が前記トレンチの側壁面を覆うことはない。
【0033】
次に
図1Fの工程において、前記トレンチ11TA
1,11TA
2,11TA
3の側壁面を覆う絶縁膜11TOxのうち、露出している部分をウェットエッチングあるいはドライエッチングにより除去し、前記トレンチ11TA
1,11TA
2,11TA
3の側壁面において、前記シリコン基板11を露出させる。その結果、
図1F中に円で囲んで示した拡大図よりわかるように、前記絶縁膜11TOxの上端は前記SiGe混晶層11SG
1の上端から多少後退した位置に形成され、凹面形状を示すことが多い。
【0034】
次に
図1Gの工程において、シランガスあるいはジシラン,塩化水素および水素の混合ガスを原料に用い、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3上にシリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3を、それぞれエピタキシャル成長させ、前記トレンチTA
1〜TA
3を実質的に完全に充填する。
【0035】
例えば前記シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3の成長は、1330〜13300Pa(10〜100Torr)の圧力下、好ましくは5320Pa(40Torr)の圧力下、650〜750℃の基板温度、好ましくは700℃の基板温度にて、水素ガス分圧を4000Pa〜6000Pa、好ましくは5300Paに設定し、ジクロロシラン分圧を15Pa〜25Pa、好ましくは21Paに設定し、塩化水素分圧を3Pa〜10Pa、好ましくは5Paに設定し、0.7nm/分の成長速度で行うことができる。
【0036】
その結果、前記メサ構造を形成する基板部分11CH
1および11CH
2の両側が前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3およびシリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3の積層構造により埋め込まれる。
【0037】
このようにして形成されたシリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3は、前記基板11と、前記トレンチTA
1〜TA
3の側壁面においてエピタキシャルに結合する。
【0038】
次に
図1Hを参照するに、前記酸化膜パタ―ン11Ox
1,11Ox
2が除去され、さらに所定の素子分離領域に素子分離溝11TI
1〜11TI
3を、ドライエッチングにより、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3の底面よりも深く、その下のシリコン基板11に到達するように形成する。その結果、前記素子分離溝11TI
1〜11TI
3の側壁面には、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3が露出する。また
図1Hでは形成したトレンチが数度のエッチングテーパ角度を持つように描写しているが、このテーパ角度はエッチング条件に起因するものであり、角度ゼロのストレートに加工することも可能である。また後で
図6A,6Bで説明するように結晶面を発達させ、楔状に加工することも可能である。
【0039】
そこで次に
図1Iの工程において、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3を例えばHClとH
2の混合ガスを使ったドライエッチングにより、その上のシリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3、あるいはその下のシリコン基板11に対して選択的に除去する。例えばかかるドライエッチングは、圧力が50PaのArなどの希ガスプラズマ中、750℃の温度で120秒間にわたり、HClガスを1slmの流量で供給し、水素ガスを10slmの流量で供給しながら行うことが可能である。
【0040】
またこのSiGe混晶層11SG
1〜11SG
3の選択エッチングは、Cl
2ガスを使って実施することも可能である。また前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3の選択エッチングは、ウェットエッチングにより実施することも可能である。
【0041】
あるいは
図1Iのエッチング工程を、アルゴンで希釈したCF
4ガスをエッチングガスとして使ったドライエッチングによって実行することもできる。この場合には、圧力が100PaのArプラズマ中、室温において30秒間、CF
4ガスを1slmの流量で供給することにより所望のエッチングを行うことが可能である。
【0042】
前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3の選択エッチングの結果、前記シリコン基板11中には前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3にそれぞれ対応して、ボイド11V
1〜11V
3が形成される。ただし
図1Eの例では、前記ボイド11V
2は素子分離溝11TI
2により2つの部分に分断されている。
【0043】
なお
図1Iの工程において、前記素子分離溝11TI
1,11TI
2,11TI
3は、必ずシリコン基板11に到達する必要はなく、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3が部分的に露出するように形成されていればよい。
【0044】
本実施形態では
図1Dの工程でトレンチ11TA
1〜11TA
3の側壁面を薄い絶縁膜11TOxで覆っているため
図1Fの工程で前記側壁面にSiGe混晶層が付着することがなく、
図1Iの工程において、前記シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3は前記トレンチ11TA
1〜11TA
3の側壁面において前記シリコン基板11にエピタキシャルに、すなわち格子整合して直接に結合している。このため前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3のエッチングに伴いボイド11V
1〜11V
3が形成されても、シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3がシリコン基板11から脱離して落下することはなく、
図1Iの構造は安定に維持される。
【0045】
次に
図1Jに示すように、前記
図1Eの構造上に埋込絶縁膜11I
Fの堆積を行ない、前記ボイド11V
1〜11V
3を前記埋込絶縁膜11I
Fで充填する。この埋込絶縁膜11I
Fはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を主成分とする膜であり、その堆積にはAtomic layered deposition(ALD)法やCVD法、SOD(spin-on-dielectric)法など、ステップカバレッジに優れた成膜方法を使うのが好ましい。図示の例ではALD法によりシリコン酸化膜を主成分とする絶縁膜を前記埋込絶縁膜11I
Fとして堆積している。このときの成膜は、例えばテトラジメチルアミノシラン(TDMAS)やオゾン(O
3)を原料ガスとして温度300〜600℃で実施した。原料ガスとしては他にBTBBASや酸素(O
2)を用いても良い。ALD法により成膜された埋込絶縁膜11I
Fは、
図1Eの構造の全面にコンフォーマルに堆積され、前記ボイド11V
1〜11V
3を実質的に完全に充填する。ただし前記埋込絶縁膜11I
Fは前記ボイド11V
1〜11V
3を完全に充填する必要はなく、未充填部が残されていても問題はない。前記埋込絶縁膜11I
F中に空隙が残留した場合には、埋込絶縁膜11I
F全体の比誘電率を低減できる好ましい効果が得られる。
【0046】
また
図1Jの工程において前記埋込絶縁膜11I
Fの成膜は、ALD法とCVD法、あるいはALD法とSOD法を組み合わせて行うことも可能である。前記ボイド11V
1〜11V
3を充填する埋込絶縁膜11I
F中に空隙が残ってもよい、あるいは残すのが望ましい場合には、前記埋込絶縁膜11I
Fの成膜はCVD法やSOD法により行うことができる。
【0047】
次に
図1Kに示すように、前記
図1Gの工程で堆積された埋込絶縁膜11I
Fが、前記シリコン基板11の表面から、例えばフッ酸を使うウェット処理などにより除去され、さらに
図1Lの工程において、前記素子分離溝11TI
1〜11TI
3にPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法によりシリコン酸化膜を埋め込む。さらにCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、前記シリコン基板11上に堆積したシリコン酸化膜を除去し、前記素子分離溝11IT
1〜11TI
3を素子分離絶縁膜11I
1〜11I
3により充填したSTI構造の素子分離領域を形成する。
【0048】
このように前記素子分離領域に対応して素子分離絶縁膜11I
1〜11I
3を形成することにより、前記シリコン基板11上においてpチャネルMOSトランジスタの素子領域11AおよびnチャネルMOSトランジスタの素子領域11Bが、前記素子分離絶縁膜11I
1〜11I
3により画成される。
【0049】
なお
図1Aで説明したように、前記n型ウェル11NWやp型ウェル11PWなどを形成するウェル注入およびチャネル注入は、前記素子分離絶縁膜11I
1〜11I
3の形成後に実施しても良い。
【0050】
図1Lの工程においてはさらに、前記シリコン基板11上に、pチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタのゲート絶縁膜となる薄い絶縁膜12が形成される。かかるゲート絶縁膜12の形成は、例えば前記シリコン基板11の表面を約900℃でドライ酸化して膜厚が約1nmの下地酸化膜を形成し、その後NO雰囲気中においてプラズマ窒化を行ってこれを酸窒化膜に変換することにより実行してもよい。この場合、前記プラズマ窒化は、NO雰囲気中のみならず、N
2O雰囲気中又はNH
3雰囲気中において実行してもよい。また、ゲート酸化膜12は酸窒化膜に限らず、HfO
2膜やHfSiO
4膜などの高誘電率(High-K)絶縁膜であってもよい。また各素子領域毎に異なるレジストプロセスを用いることにより、素子領域11A,11Bで膜厚や膜種などの異なるゲート酸化膜を形成することも可能である。
【0051】
次に
図1Mの工程において、図示はしないが、まず前記
図1Lの構造上、すなわち前記ゲート絶縁膜12上に、LPCVD(Low Pleasure Chemical Vapor Deposition)法などにより、約600℃の温度でポリシリコン膜(図示せず)を、例えば約100nmの膜厚に堆積する。さらに
図1Mの工程では、前記素子領域11Aにおいて前記ポリシリコン膜をレジストパタ―ンで覆い、前記素子領域11Bにおいて前記ポリシリコン膜中にn型不純物をイオン注入し、これをn型にドープする。例えば、P(リン)を、加速エネルギ30keV以下、ドーズ量2×10
15cm
-2〜2×10
16cm
-2の範囲で、好ましくは加速エネルギ20KeV,ドーズ量5×10
15cm
-2の条件下でイオン注入する。本イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、イオン注入種としてPやAsなど1種類以上使用しても良い。なおプレアモルファス化のためにGeやSiを先に注入しても良い。さらにアッシング処理又はSPM等を用いたウェット処理により、前記レジストパタ―ンを除去する。
【0052】
さらに今度は前記素子領域11Bにおいて前記ポリシリコン膜をレジストパタ―ンで覆い、前記素子領域11Aにおいて前記ポリシリコン膜中にp型不純物をイオン注入し、これをp型にドープする。例えば、B(ボロン)を、加速エネルギ7keV以下、ドーズ量2×10
15cm
-2〜2×10
16cm
-2の範囲で、好ましくは加速エネルギ5KeV、ドーズ量5×10
15cm
-2の条件下でイオン注入を行うことができる。本イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良い。またイオン注入種としてBやBF
2、B
10Hxなどのその他のB分子イオンを1種類以上使用しても良い。なおプレアモルファス化のためにGeやSiを先に注入しても良い。この後、アッシング処理又はSPM等を用いたウェット処理により、前記レジストパタ―ンを除去する。
【0053】
また
図1Mの工程では、必要に応じて前記ポリシリコン膜に注入されたn型不純物及びp型不純物の拡散を促進させるため、例えば、熱処理温度1000℃、処理時間約5秒の条件で、半導体基板に対してスパイクアニールを行う。
【0054】
次に前記
図1Mの工程では、前記ポリシリコン膜をパターニングし、前記素子領域11Aにp型ポリシリコンよりなるゲート電極パターン13G
1を、また前記素子領域11Bにn型ポリシリコンよりなるゲート電極パターン13G
2を形成する。
【0055】
なお
図1Mの工程において、前記ゲート電極13G
1,13G
2はポリシリコンに限定されるものではなく、アモルファスシリコン膜であってもよい。この場合には、
図1Mの工程の初めに、前記ポリシリコン膜の代わりにアモルファスシリコン膜を形成すればよい。
【0056】
次に
図1Nの工程において前記シリコン基板11上に、前記シリコン基板11およびゲート電極パターン13G
1,13G
2をその形状に整合して覆う絶縁膜(図示せず)を、例えばCVD法により形成し、これを前記シリコン基板11の主面に対して略垂直方向に作用するRIE法によりエッチバックを行い、前記ゲート電極パターン13G
1,13G
2の両側壁面上に、前記絶縁膜よりなるサイドウォールスペーサ13GW
1,13GW
2を形成する。かかる絶縁膜は、例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料としたLPCVD法により、約600℃の基板温度で約10nmの膜厚に形成した酸化膜をエッチバックすることで形成することができる。また前記サイドウォールスペーサ13GW
1,13GW
2は、ジクロルシラン(SiH
2Cl
2)を原料としたLPCVD法により、約650℃の基板温度で形成された約10nmの膜厚のSiN膜をエッチバックすることで形成することもできる。
【0057】
なお本実施形態において前記サイドウォールスペーサ13GW
1,13GW
2は必須ではなく、サイドウォール膜の形成工程及びサイドウォールスペーサの形成工程は省略することが可能である。
【0058】
さらに
図1Nの工程では、前記サイドウォールスペーサ13GW
1,13GW
2の形成に引き続き、前記シリコン基板11上の素子領域11Aをフォトレジストで保護し、前記素子領域11Bにおいてゲート電極パターン13G
2およびサイドウォールスペーサ13GW
2をマスクとして、ポケット注入及びエクステンション注入を行う。その際、前記サイドウォールスペーサ13GW
2は、前記素子領域11Bへのポケット注入及びエクステンション注入のためのオフセットとして機能する。その結果、
図1Nに示すように前記チャネル形成が形成される基板部分11CH
2には、前記ポリシリコンゲート電極13G
2の両側に、p型のポケット注入領域(図示せず)とn型のソース/ドレインエクステンション領域11c,11dが形成される。
【0059】
前記素子領域11Bへのポケット注入は、例えばBを20KeV以下、ドーズ量を5×10
13cm
−2以下の範囲で好ましくは加速エネルギ10KeV、ドーズ量3×10
13cm
−2の条件でイオン注入を行なう。この際、Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、注入イオン種として、BやIn、BF
2、B
10Hxなどのその他のB分子イオンを1種類以上使用しても良い。
【0060】
前記素子領域11Bにおける前記ソース/ドレインエクステンション領域11c,11dの形成は、例えばAs(ヒ素)を加速エネルギ5KeV以下、ドーズ量2×10
13〜2×10
15の範囲で、好ましくは加速エネルギ3KeV、ドーズ量5×10
14cm
−2の条件でイオン注入を行なう。この際、Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、注入イオン種としてAs,P、Sbなどを1種類以上注入しても良い。またプレアモルファス化のためにGeやSiを先に注入しても良い。
【0061】
図1Nの工程において前記サイドウォールスペーサ13GW
1,13GW
2の形成工程を省略している場合には、前記ポケット注入領域を形成するためのイオン注入、および前記ソース/ドレインエクステンション領域11c,11dを形成するためのイオン注入は、前記ゲート電極パターン13G
2をマスクとして行われる。
【0062】
また前記
図1Nの工程では、前記シリコン基板11上の素子領域11Aに、同様にしてn型ポケット注入領域およびp型のソース/ドレインエクステンション領域11a,11bの形成を行う。
【0063】
より具体的には、前記素子領域11Bをレジストパタ―ンで保護し、前記素子領域11Aにおいてゲート電極パターン13G
1および前記ゲ―ト電極パターン13G
1に形成されたサイドウォールスペーサ13GW
1をマスクとして前記素子領域11Aにポケット注入及びエクステンション注入を行う。その際、前記サイドウォールスペーサ13GW
1は、前記シリコン基板11の素子領域11Aにポケット注入及びエクステンション注入を行うためのオフセットとして機能する。
【0064】
前記素子領域11Aに対するポケット注入は、例えばAsを加速エネルギ100KeV以下、ドーズ量5×10
13cm
−2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ70KeV、ドーズ量3×10
13cm
−2の条件でイオン注入を行なう。この際、Tiltは任意でTwistは1方向以上の条件で注入しても良く、PやAs、Sbを1種類以上注入しても良い。
【0065】
また前記素子領域11Aにおいて前記ソース/ドレインエクステンション領域11a,11bを形成するエクステンション注入は、前記素子領域11Aに、例えばBを加速エネルギ2KeV以下、ドーズ量2×10
13〜2×10
15の範囲で、好ましくは加速エネルギ1KeV、ドーズ量5×10
14cm
−2の条件でイオン注入を行なう。この際、Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、注入イオン種としてB,BF2、B10Hxなどを1種類以上注入しても良い。またプレアモルファス化のためにGeやSiを先に注入しても良い。
【0066】
前記素子領域11Aにおいてもポケット不純物元素の注入は前記p型ソース/ドレインエクステンション領域11a,11bより深い位置まで形成される。
【0067】
なお、前記シリコン基板11上にpチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタのための素子領域が複数存在する場合には、前記ポケット注入及びソース/ドレインエクステンション領域の形成のためのイオン注入の条件を、素子領域毎に変えることも可能である。この場合には、前記レジストパタ―ンの形成工程、前記素子領域に対するポケット注入工程、および前記素子領域に対するソース/ドレインエクステンション形成のためのイオン注入工程、及びレジストパタ―ンの除去工程を、素子領域毎に、必要な数だけ繰り返し行うことになる。
【0068】
前記サイドウォールスペーサ13GW
1の形成を省略している場合は、前記素子領域11Aへのポケット注入及びエクステンション注入を、前記ゲート電極パターン13G
1をマスクとして行うことができる。
【0069】
次に
図1Oの工程において前記シリコン基板11の全面に、前記サイドウォールスペーサ13GW
1を担持したゲート電極パターン13G
1、さらに前記サイドウォールスペーサ13GW
2を担持したゲート電極パターン13G
2を覆うように、例えばSiON膜やSiN膜など、好ましくはHF耐性を有する絶縁膜を、LPCVD法になどにより、約600℃以下の低温で、20〜40nmの膜厚に形成する。さらにこのようにして形成した絶縁膜をRIE法によりエッチバックし、前記ゲート電極13G
1の両側壁面上に、前記サイドウォールスペーサ13GW
1を介して側壁絶縁膜13SW
1を、また前記ゲート電極13G
2の両側壁面上に、前記サイドウォールスペーサ13GW
2を介して側壁絶縁膜13SW
2を形成する。
【0070】
次に
図1Pの工程において、例えばAsを40keV以下の加速エネルギ下、5×10
14cm
−2〜2×10
16cm
−2の範囲のドーズ量で、好ましくは加速エネルギ30KeV,ドーズ量2×10
15cm
−2の条件でイオン注入する。この際、Tiltは任意でTwistは1方向以上の条件で注入しても良く、注入種としてはAsやPを1種類以上注入しても良い。これにより前記素子領域11B中、前記ゲート電極13G
2に対し前記側壁絶縁膜13SW
2よりも外側の領域にn+型のソース領域11gおよびドレイン領域11hが形成される。
【0071】
前記
図1Pの工程では次に前記レジストパターンを除去し、今度は前記素子領域11Bをレジストパターンで保護し、前記素子領域11Aに例えばBを7keV以下の加速エネルギ、5×10
14cm
−2〜2×10
16cm
−2のドーズ量の範囲で、好ましくは加速エネルギ5keV、ドーズ量2×10
15cm
−2の条件でイオン注入する。この際、Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良い。またイオン種としてB、BF
2、B
10Hxなどその他のB分子イオンを1種類以上使用しても良い。これにより、前記素子領域11A中、前記ゲート電極13G
1に対し前記側壁絶縁膜13SW
1よりも外側の領域にp+型のソース領域11eおよびドレイン領域11fが形成される。
【0072】
さらに
図1Qの工程において前記
図1Pの構造上に例えばNiやCoなどの金属膜を堆積し、これを急速熱処理するサリサイドプロセスにより、前記ソース領域11eの表面にNiSiなどのシリサイド層14S
1を、前記ドレイン領域11fの表面に同様なシリサイド層14D
1を、前記ソース領域11gの表面に同様なシリサイド層14S
2を、前記ドレイン領域11hの表面に同様なシリサイド層14D
2を、さらに前記ポリシリコンゲート電極13G
1および13G
2の表面に同様なシリサイド層14G
1および14G
2を、それぞれ形成する。
【0073】
さらに
図1Rの工程において前記
図1Qの構造上に前記素子領域11Aにおいては前記ゲート電極13G1および側壁絶縁膜13SW
1を覆うように、また素子領域11Bにおいては前記ゲート電極13G
2および側壁絶縁膜13SW
2を覆うように、層間絶縁膜15を、例えばTEOSを原料とするプラズマCVD法により形成され、前記層間絶縁膜15中には
図1Sの工程において、それぞれ前記シリサイド層14S
1,14D
1,14S
2および14D
2を露出するビアホール15A〜15Dが形成される。
【0074】
さらに
図1Tの工程において前記ビアホール15A〜15DにW(タングステン)やCu(銅)よりなるビアプラグ16A〜16Dを、図示は省略するが、必要に応じてTaNやTiNなどのバリアメタル膜とともに形成する。次に、タングステン、バリアメタルを層間絶縁膜表面が露出するところまでCMP法により研磨し、その後配線層を形成することで本実施形態による半導体装置が製造される。
【0075】
本実施形態によれば、先に
図1Iに関連して説明したように、
図1Dの工程でトレンチ11TA
1〜11TA
3の側壁面を薄い絶縁膜11TOxで覆っているため
図1Fの工程で前記側壁面にSiGe混晶層が付着することがなく、
図1Iの工程において、前記シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3は前記トレンチ11TA
1〜11TA
3の側壁面において前記シリコン基板11にエピタキシャルに直接に結合する。このため前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3のエッチングに伴いボイド11V
1〜11V
3が形成されても、シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
3が脱離して落下することはなく、
図1Iの構造は安定に維持される。
【0076】
また本実施形態によれば、ソース領域11eあるいは11g、およびドレイン領域11fあるいは11hの下に局所的に形成された埋込絶縁膜11I
Fを有するpチャネルあるいはnチャネルMOSトランジスタにおいて、エッチングなどの加工を施さないバルクシリコン基板11の平坦な表面にゲート絶縁膜12およびゲート電極13G
1あるいは13G
2を形成するため、ゲート電極直下のチャネル領域は平坦であり、またチャネル領域に欠陥が導入されることがない。すなわち好ましい実施形態によれば、当初の良好な結晶品質を有するバルクシリコン基板11をチャネル領域として使うことができ、MOSトランジスタの動作特性を向上させ、また特性のばらつきを低減させることができる。
【0077】
なお本実施形態において、前記SiGe混晶層11SG
1〜11SG
3の代わりに、Bで1×10
18cm
-3以上の濃度にドープされたシリコンエピタキシャル層を使うことも可能である。
【0078】
また本実施形態において、前記酸化膜パタ―ン11Ox
1,11Ox
2の代わりにシリコン窒化膜(SiN)パタ―ンあるいは酸窒化膜(SiON)パタ―ンを使うことも可能である。
【0079】
なお本実施形態において前記
図1Cの工程を変形し、前記絶縁膜11TOxを
図2Aに示すように熱酸化膜により形成することも可能である。特に本実施形態ではまだ基板領域11CH
1,11CH
2にソースエクステンション領域やドレインエクステンション領域などが形成されていないため、かかる熱酸化処理を酸素雰囲気中で実行しても、トランジスタの特性が劣化することはない。
【0080】
図2Aの工程を行う場合には、
図2Bに示すように先の
図1Dの工程と同様に異方性エッチングを行って前記トレンチTA1〜TA3の底部から前記熱酸化膜11TOxを除去しておく。
【0081】
以後は、
図11E以降に説明したのと同様の工程を行うことで、
図1Tと実質的に同一構造の半導体装置が得られる。ただしこの場合、前記絶縁膜11TOxは熱酸化膜となっている。
【0082】
なお
図1Sの構造では、前記絶縁膜11TOxに隣接して埋め込み絶縁膜11I
Fが形成されるため、両者ともシリコン酸化膜である場合、その区別が多少困難になる場合があるが、先に
図1Fで説明したように、前記酸化膜11TOxは上端が前記SiGe混晶層11SG
1を置き換える埋込絶縁膜11I
Fの上端よりも多少後退しており、かつ凹面形状をしている場合があるため、これらの特徴により前記埋込絶縁膜11I
Fに対して区別することが可能である。また前記絶縁膜11TOxが熱酸化膜である場合には、不純物量が少ないため、気相堆積法で形成された埋込絶縁膜11I
Fに対して区別できる可能性がある。
【0083】
[第2の実施形態]
次に第2の実施形態によるMOSトランジスタの製造工程を、
図3A〜
図3Xを参照しながら説明する。
【0084】
図3Aを参照するに、本実施形態ではまず単結晶バルクシリコンよりなるシリコン基板31上に、形成しようとしているpチャネルMOSトランジスタの素子領域31AおよびnチャネルMOSトランジスタの素子領域31Bを画定するようにSTI構造の素子分離領域31I
1〜31I
3を形成する。
【0085】
次に
図3Bの工程において前記素子領域31Aを、図示を省略したレジストパタ―ンにより保護し、素子領域31Bに、例えばB(ボロン)を加速エネルギ300keV以下、ドーズ量5×10
13以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ150KeV、ドーズ量3×10
13の条件で注入することでp型ウェル11PWを形成する。イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、注入種としてはBの他にもBF
2やInなどを1種類以上用いても良い。
【0086】
またその際、前記シリコン基板11の素子領域11Bに、例えばB(ボロン)を加速エネルギ150keV以下、ドーズ量1×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ30KeV、ドーズ量5×10
12cm
-2の条件でイオン注入しチャネルストップ注入を行ってもよい。本チャネルストップ注入時のTiltは任意で、Twistを1方向以上で注入しても良く、イオン種としてBのほかにもBF
2やInなどを1種類以上用いても良い。
【0087】
次に前記nチャネルMOSトランジスタの閾値調整のためのイオン注入を行なう。例えば、Bを加速エネルギ40KeV以下、ドーズ量3×10
13cm
-2の範囲で、好ましくは加速エネルギ20KeV,ドーズ量1×10
13cm
-2の条件で注入する。この際、イオン注入時のTiltは任意で、Twistを1方向以上で注入しても良い。またB以外にもInやBF
2、B
10HxなどそのほかのB分子イオンを1種類以上使用しても良い。
【0088】
次に前記
図3Bの工程では前記素子領域31Aのレジストパターンを除去し、素子領域31Bを、図示を省略した別のレジストパターンで保護した後、今度は前記素子領域31Aに例えば、不純物元素としてP(リン)を加速エネルギ600keV以下、ドーズ量5×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ350KeV、ドーズ量3×10
13cm
-2の条件でイオン注入し、前記n型ウェル11NWを形成する。イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上の条件で注入しても良く、イオン種としてPのほかにもAsやSbなどを1種類以上用いても良い。
【0089】
またその際、前記シリコン基板11の素子領域11Aに、例えば、As(ヒ素)を加速エネルギ300keV以下、ドーズ量1×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ100KeV、ドーズ量5×10
12cm
-2の条件下でイオン注入しチャネルストップ注入をおこなってもよい。本イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上の条件で注入しても良く、イオン種としてPのほかにもAsやSbなどを1種類以上用いても良い。
【0090】
次に前記pチャネルMOSトランジスタの閾値調整のためのイオン注入を行なう。例えばAsを加速エネルギ200KeV以下、ドーズ量3×10
13cm
-2以下の範囲で、好ましくは加速エネルギ130KeV、ドーズ量3×10
13cm
-2の条件でイオン注入を行なう。この際Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、イオン種としてP、As、Sbなどを1種類以上使用しても良い。
【0091】
さらに
図3Bの工程においては、前記素子領域31Bを覆うレジストパターンをアッシング処理又はSPM等を用いたWET処理により除去し、前記シリコン基板31に対し、例えば熱処理温度1000℃、処理時間約10秒の条件でスパイクアニールを行い、前記シリコン基板31に注入されたB,P及びAs等の不純物を活性化する。
【0092】
次に
図3Cの工程において、前記シリコン基板31上にまず酸化膜を、例えば約900℃の基板温度でドライ酸化を行うことにより、約1nmの膜厚に形成し、これを引き続きNO雰囲気中においてプラズマ窒化する。これにより、前記シリコン基板31の表面には、前記pチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタのゲート絶縁膜となる酸窒化膜32が形成される。なお前記酸窒化膜32の形成は、N
2O雰囲気中又はNH
3雰囲気中においてプラズマ窒化を行うことにより形成することもできる。
【0093】
また本実施形態において、前記pチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタのゲート酸化膜は酸窒化膜に限定されるものではなく、HfO
2膜やHfSiO
4膜などのいわゆる高誘電率(High-K)絶縁膜であってもよい。また素子領域31Aおよび31Bで異なるレジストプロセスを使うことにより、素子領域31Aと素子領域31Bで異なる膜厚あるいは膜種のゲート絶縁膜を形成することも可能である。
【0094】
次に前記
図5Cの工程では、LPCVD(Low Pleasure Chemical Vapor Deposition)法により、このようにして形成されたpチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタのゲート絶縁膜となる絶縁膜上に、約600℃の基板温度で膜厚約100nmのポリシリコン膜(図示せず)を堆積する。さらに前記ポリシリコン膜上に素子領域31Aを覆うレジストパタ―ンを形成し、前記ポリシリコン膜のうち、素子領域31Bに対応する部分にn型不純物をイオン注入し、これをn型にドープする。例えば、P(リン)を、加速エネルギ30keV以下、ドーズ量2×10
15cm
-2〜2×10
16cm
-2の範囲で、好ましくは加速エネルギ20KeV,ドーズ量5×10
15cm
-2の条件下でイオン注入する。本イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良く、イオン注入種としてPやAsなど1種類以上使用しても良い。なおプレアモルファス化のためにGeやSiを先に注入しても良い。この後、前記ポリシリコン膜のうち、前記素子領域31Aに対応する部分を覆うレジストパタ―ンを除去する。
【0095】
さらに
図3Cの工程では、前記ポリシリコン膜上に素子領域31Bを覆うレジストパターンを形成し、前記ポリシリコン膜のうち素子領域31Aに対応する部分にp型不純物をイオン注入し、これをp型にドープする。このイオン注入は、例えば、B(ボロン)を、加速エネルギ7keV以下、ドーズ量2×10
15cm
-2〜2×10
16cm
-2の範囲で、好ましくは加速エネルギ5KeV、ドーズ量5×10
15cm
-2の条件下でイオン注入を行うことができる。本イオン注入時のTiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良い。またイオン注入種としてBやBF
2、B
10Hxなどのその他のB分子イオンを1種類以上使用しても良い。なおプレアモルファス化のためにGeやSiを先に注入しても良い。さらにアッシング処理又はSPM等を用いたウェット処理により、前記レジストパタ―ンを前記ポリシリコン膜のうち、前記素子領域31Bに対応する部分から除去する。
【0096】
更に、必要に応じて、このように前記ポリシリコン膜に注入されたn型不純物及びp型不純物の拡散を促進させるため、前記シリコン基板31に対し、例えば熱処理温度1000℃、処理時間約5秒の条件で、スパイクアニールを行ってもよい。
【0097】
さらに
図3Cの工程において、前記ポリシリコン膜を異方性エッチングによりパターニングし、前記素子領域31Aにゲート電極パターン33G
1を、また素子領域31Bにゲート電極パターン33G
2を、それぞれ前記ゲート絶縁膜32を介して形成する。
【0098】
なお
図3Cの工程において前記ポリシリコン膜のかわりにアモルファスシリコン膜を形成することも可能である。この場合には、前記ゲート電極31G
1,31G
2はアモルファスパタ―ンにより構成される。
【0099】
次に
図3Dの工程において前記ゲート電極パターン33G
1,33G
2の両側壁面上にサイドウォールスペーサ33GW
1,33GW
2を、先の実施形態のサイドウォールスペーサ13GW
1,13GW
2と同様にして形成し、さらに前記シリコン基板31上の素子領域31Aをフォトレジストで保護し、前記素子領域31Bにおいてゲート電極パターン13G
2およびサイドウォールスペーサ13GW
2をマスクとして、ポケット注入及びエクステンション注入を行い、p型のポケット注入領域(図示せず)とn型のソース/ドレインエクステンション領域31c,31dを、先の実施形態のポケット注入領域およびソース/ドレインエクステンション領域11c,11dと同様に形成する。
【0100】
また前記
図3Dの工程では、前記シリコン基板31上の素子領域31Aに、同様にしてn型ポケット注入領域およびp型のソース/ドレインエクステンション領域31a,31bを、先の実施形態のn型ポケット注入領域およびp型のソース/ドレインエクステンション領域11a,11bと同様にして形成する。
【0101】
次に
図3Eの工程において、前記
図3Dのゲート電極パターン33G
1,33G
2上にそれぞれのサイドウォールスペーサ33GW
1,33GW
2を介して側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2を、前記側壁絶縁膜13SW
1および13SW
2と同様にして形成する。
【0102】
さらに
図3Eの工程では、前記側壁絶縁膜33SW
1〜33SW
2をマスクとしたドライエッチングを、先の実施形態の
図1Bの工程と同様にしてCl
2やHClをエッチングガスとして行い、その結果、前記シリコン基板31中、前記素子領域31Aにおいては前記ゲート電極パターン33G
1および側壁絶縁膜33GW
1で覆われ、形成しようとしているpチャネルトランジスタのチャネル領域を含む基板部分33CH
1の外側に、トレンチ31TA
1,31TA
2が40nm〜150nmの深さ形成される。また
図3Eの工程では前記シリコン基板31中前記素子領域31Bにおいて、前記ゲート電極パターン33G
2および側壁絶縁膜33GW
2で覆われ形成しようとしているnチャネルトランジスタのチャネル領域を含む基板部分33CH
2の外側に、トレンチ31TA
3,31TA
4が40nm〜150nmの深さに形成される。
【0103】
なお
図3Eの工程では、前記ゲート電極パターン33G
1および33G
2上に、図示はしないが、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2と同様なマスクパターンが形成されており、前記トレンチ31TA
1,31TA
2の形成の際にゲート電極パターン33G
1,33G
2がエッチングされるのを防いでいる。このマスクパタ―ンは、例えばあとで説明する
図3Pの工程において除去される。
【0104】
次に
図3Fの工程において前記
図3Eの構造上に例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜などの絶縁膜11TOxを、400℃以下の基板温度で行われる低温の気相成長法、例えばプラズマCVD法あるいはALD法により、前記ゲート側壁絶縁膜33SW
1および33SW
2の膜厚よりも薄い、好ましくは10nm以下の膜厚で形成し、前記絶縁膜31TOxにより前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面および底面を、略一様な膜厚で覆う。前記絶縁膜31TOxの成膜をこのように低温で行うことにより、前記基板部分31CH
1に形成されたソースエクステンション領域およびドレインエクステンション領域31a,31b、あるいは前記基板部分31CH
1に形成されたソースエクステンション領域およびドレインエクステンション領域31a,31bにおいて、不純物元素の濃度プロファイルが変化することはない。前記絶縁膜31TOxは2nm以上の膜厚を有していれば十分である。
【0105】
さらに
図3Gの工程において前記絶縁膜31TOxのうち、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の底面を覆う部分を、前記シリコン基板31の表面に略垂直に作用する異方性エッチングにより除去し、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の底面において前記シリコン基板31を露出させる。
【0106】
前記絶縁膜31Oxが前記ゲート電極33G
1,33G
2の側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2と同じ材質により形成されている場合には、
図3Gの工程において前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2も同時にエッチングされるが、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2の膜厚は前記絶縁膜31Oxの膜厚よりもはるかに厚いため、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2が消滅するようなことはない。
【0107】
次に
図3Hの工程において、選択エピタキシャル成長技術を用いて、前記
図3Gのトレンチ31TA
1〜31TA
4中に、SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を、先の実施形態の場合と同様にエピタキシャルに形成し、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の下部を充填する。
【0108】
さらに
図3Iの工程において前記絶縁膜31TOxのうち、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面において露出している部分をドライあるいはウェットエッチングにより除去し、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の露出側壁面において、前記シリコン基板31を露出させる。前記絶縁膜31Oxが前記ゲート電極33G
1,33G
2の側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2と同じ材質により形成されている場合には、
図3Iの工程においても前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2が同時にエッチングされるが、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2の膜厚は前記絶縁膜31Oxの膜厚よりもはるかに厚いため、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2の膜厚が実質的に減少したり消滅したりすることはない。
【0109】
さらに
図3Jの工程において、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4中において前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4上にシリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4をエピタキシャル形成することで前記トレンチ31TA
1〜31TA
4を完全に充填する。
【0110】
例えば、ジクロロシランとモノゲルマンと塩化水素と水素の混合ガスを用いたCVD法により、先の実施形態と同様な条件下で、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を20nm〜80nmの厚さに形成し、次に前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4上にそれぞれ前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4を、ジクロロシランと塩化水素と水素の混合ガスを用いたCVD法により、やはり先の実施形態と同様な条件下で20nm〜70nmの厚さに形成する。
【0111】
本実施形態では
図3Hの工程において前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を成長させる際、トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面が前記絶縁膜31TOxで覆われているため、SiGe混晶層がトレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面において成長することがなく、その後、前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4を形成した場合、前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4を前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面において前記基板領域31CH
1および31CH
2を構成するシリコン基板31と確実に格子整合させて結合することが可能となる。
【0112】
次に
図3Kの工程において、さらに例えばフッ酸を使ったウェットエッチングやシリコン酸化膜のドライエッチングなどにより、前記素子分離構造31I
1〜31I
3を構成する素子分離絶縁膜を後退させ、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4の側壁面を露出させる。
【0113】
なお
図3Kの工程において、先に前記素子分離構造31I
1〜31I
3を構成する素子分離絶縁膜を後退させておき、その後で前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4のエピタキシャル成長および前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4のエピタキシャル成長を行うことも可能である。
【0114】
なお
図3Kで得られた構造において、前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の側壁面、あるいは前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の側壁面は、単一の結晶面より形成される場合もあれば、複数の結晶面を含む場合もある。
【0115】
次に
図3Lの工程において、先の実施形態と同様に、例えば塩素(Cl
2)と水素の混合ガス、あるいは塩化水素ガスを使ったドライエッチングにより、あるいはフッ酸や硝酸や酢酸などの混合液を使ったウェットエッチングにより、さらにはArで希釈したCF4ガスを使ったドライエッチングにより、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を前記シリコン基板31およびシリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4に対して選択的にエッチングし、前記シリコン基板31中に前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4の形成領域にそれぞれ対応して、ボイド31V
1〜31V
4を形成する。
【0116】
なお
図3Lの工程では、先にも述べたように前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2は前記基板領域31CH
1に、またシリコンエピタキシャル層31ES
3および31ES
4は前記基板領域31CH
2にエピタキシャルに格子整合しており、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を選択的に除去しても前記基板領域31CH
1あるいは基板領域31CH
2から脱離して落下することはない。
【0117】
また
図3Lのエッチング工程をドライエッチングにより行う場合、
図3Kにおける素子分離絶縁膜31I
1〜31I
3を後退させるエッチングを前記SiGe混晶層31SG1〜31SG
4の成膜およびシリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の成膜前に行っておけば、素子分離絶縁膜31I
1〜31I
3を後退させるエッチングをウェットエッチングで行う場合であっても、前記SiGe混晶層31SG1〜31SG
4の成膜およびシリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の成膜、および
図3Lの選択エッチング工程を、同一の処理装置内において連続して、すなわち途中で被処理基板を取り出すことなく実行することが可能である。
【0118】
本実施形態においても前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4としてはGeを原子分率で20%程度含むものが使われるが、エピタキシャル成長可能な範囲ないでより多量のGeを、例えば原子分率で40%程度含むものを使うことも可能である。このように高濃度でGeを含むSiGe混晶を前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4として使うことにより、
図3Lのエッチング工程におけるエッチングの選択性を向上させることができる。またSiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4として、必要に応じてSiGeC混晶を使うことも可能である。
【0119】
次に
図3Mの工程において前記
図3Lの構造上にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を主成分とする埋込絶縁膜31I
Fを、ステップカバレッジに優れた成膜方法、例えばALD法やCVD法、SOG法などにより堆積し、前記ボイド31V
1〜31V
4を前記埋込絶縁膜31I
Fにより充填する。図示の例では、前記埋込絶縁膜31I
FをALD法により形成している。このときの成膜条件としては、例えばテトラジメチルアミノシラン(TDMAS)やオゾン(O
3)を原料ガスとして温度300〜600℃で成膜した。原料ガスとしては他にBTBBASや酸素(O
2)を用いても良い。なお本実施形態でも、先の実施形態と同様に前記ボイド31V
1〜31V
4が前記埋込絶縁膜31I
Fにより完全に充填される必要はなく、未充填部が一部に残留してもよい。
【0120】
次に
図3Nの工程において前記
図3Mの構造に対してウェットあるいはドライエッチングを行い、前記埋込絶縁膜31I
Fを、前記シリコンエピタキシャル膜31ES
1〜31ES
4の表面、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2の表面および前記ゲート電極33G
1,33G
2の露出表面から除去する。
図3Mの工程では、前記エッチング工程の結果、前記シリコンエピタキシャル膜31ES
1〜31ES
4の側壁面に、素子分離構造31I
1〜31I
3に対応して、当初の素子分離溝に対応する溝部31TI
1〜31TI
3が形成されている。
【0121】
さらに
図3Nの段階では前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2は前記
図3Lのエッチング工程などにより後退しているため、
図3Oの工程において、いったん前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2を除去し、新たな側壁絶縁膜を前記ゲート電極33G
1および33G
2の側壁面上に形成する。
【0122】
より具体的には、
図3Pの工程において
図3Oの構造上にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜、さらにはシリコン酸化膜とシリコン窒化膜の積層膜などの絶縁膜34をCVD法により、下地構造に整合する形状で堆積し、
図3Qの工程において前記絶縁膜34をエッチバックする。これにより前記ゲート電極33G
1の両側壁面に新たな側壁絶縁膜33SW
3が、また前記ゲート電極33G
2の両側壁面に新たな側壁絶縁膜33SW
4が形成される。なお
図3Qの状態では、前記溝部31I
1〜31I
3の側壁面に前記絶縁膜34が残留しているのがわかる。
【0123】
次に
図3Rの工程において前記
図3Qの素子領域31AをレジストパターンR31により保護し、素子領域31BにAsなどのn型不純物元素を、前記ゲート電極33G
2および側壁絶縁膜33SW
4をマスクに、例えばAsを40keV以下の加速エネルギ下、5×10
14cm
−2〜2×10
16cm
−2の範囲のドーズ量で、好ましくは加速エネルギ30KeV,ドーズ量2×10
15cm
−2の条件でイオン注入する。この際、Tiltは任意でTwistは1方向以上の条件で注入しても良く、注入種としてはAsやPを1種類以上注入しても良い。これにより、前記シリコンエピタキシャル層31ES
3および31ES
4に、n型のソース領域31gおよびドレイン領域31hを、先に前記基板部分31CH
2に形成したソースエクステンション領域31cおよびドレインエクステンション領域31dよりも深く形成する。
【0124】
次に
図3Sの工程において前記レジストパターンR31を除去し、新たに
図3Qの素子領域31BをレジストパターンR32により保護する。さらに素子領域31Aにp型不純物元素を、前記ゲート電極33G
1および側壁絶縁膜33SW
3をマスクに、例えばBを7keV以下の加速エネルギ、5×10
14cm
−2〜2×10
16cm
−2のドーズ量の範囲で、好ましくは加速エネルギ5keV、ドーズ量2×10
15cm
−2の条件でイオン注入する。この際、Tiltは任意でTwistを1方向以上で注入しても良い。またイオン種としてB、BF
2、B
10Hxなどその他のB分子イオンを1種類以上使用しても良い。これにより、前記シリコンエピタキシャル層31ES
1および31ES
2に、p型のソース領域31eおよびドレイン領域31fを、先に前記基板部分31CH
1に形成したソースエクステンション領域31aおよびドレインエクステンション領域31bよりも深く形成する。
【0125】
さらに
図3Tの工程において露出シリコン面上に、すなわち前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4の露出表面および前記ポリシリコンゲート電極31G
1および31G
2の露出表面に、NiSiなどの低抵抗シリサイド層36a,36b,36c,36d,36e,36fを、それぞれサリサイド法などにより形成する。
【0126】
あるいは前記
図3Qの工程の後、前記溝部31TI
1〜31TI
3から残留している絶縁膜34を、例えばHFを使ったウェットエッチングなどにより除去し、得られた構造に対してシリサイド形成を行うことにより、
図3Uに示す構造を得ることも可能である。
図3Uの構造では、前記シリサイド層36a〜36dは、それぞれ前記溝部31TI
1〜31TI
3の側壁面を覆って形成される。
【0127】
さらに
図3Vの工程において、前記
図1Rの工程と同様にして層間絶縁膜37が前記溝部31TI
1〜31TI
3を充填して形成され、前記
図3Wの工程において前記層間絶縁膜37中に、前記n型ソース領域31e,n型ドレイン領域31f,p型ソース領域31gおよびp型ドレイン領域31hを覆うシリサイド膜36a〜36dをそれぞれ露出するビアホール37A〜37Dがそれぞれ形成される。
【0128】
さらに
図3Xの工程において前記ビアホール37A〜37Dに、それぞれ前記シリサイド膜36a〜36dとコンタクトするビアプラグ38A〜38Dを形成する。
【0129】
本実施形態によれば、先に
図3Lに関連して説明したように、
図3Fの工程でトレンチ31TA
1〜31TA
3の側壁面を薄い絶縁膜31TOxで覆っているため
図3Hの工程で前記側壁面にSiGe混晶層が付着することがなく、
図3Jの工程において、前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4は前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面において前記シリコン基板31にそれぞれエピタキシャルに直接に結合している。このため前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4のエッチングに伴いボイド31V
1〜31V
4が形成されても、シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
4が脱離して落下することはなく、
図3Lの構造は安定に維持される。
【0130】
また本実施形態においても、ソース領域31eあるいは31g、およびドレイン領域31fあるいは31hの下に局所的に形成された絶縁構造31I
Fを有するpチャネルあるいはnチャネルMOSトランジスタにおいて、エッチングなどの加工を施さないバルクシリコン基板31の表面にゲート絶縁膜32およびゲート電極33G
1あるいは33G
2を形成するため、ゲート電極直下のチャネル領域は平坦であり、またチャネル領域に欠陥が導入されることがない。すなわち好ましい実施形態によれば、当初の良好な結晶品質を有するバルクシリコン基板31をチャネル領域として使うことができ、MOSトランジスタの動作特性を向上させ、また特性のばらつきを低減させることができる。
【0131】
[第3の実施形態]
図4A〜
図4Cは、前記
図3Nの工程に引き続き、前記第2の実施形態の一変形例として実行される第3の実施形態による半導体装置の製造工程を示す図である。ただし
図4A〜4C中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。また
図4Aは
図3Nと同じであり説明を省略する。
【0132】
本実施形態では
図4Aの工程の後、先の
図3Oの工程と異なり、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2を除去することなく、その後の工程を実行する。
【0133】
すなわち
図4Bの工程において前記
図3Oの工程に対応するイオン注入工程を、前記ゲート電極33G
2およびその側壁絶縁膜33SW
2をマスクに、また前記
図3Sの工程に対応するイオン注入工程を、前記ゲート電極33G
1およびその側壁絶縁膜33SW
1をマスクに実行する。その結果、前記シリコンエピタキシャル層31ES
3および31ES
4にn型のソース領域31gおよびドレイン領域31hが形成され、また前記シリコンエピタキシャル層31ES
1および31ES
2にp型のソース領域31eおよびドレイン領域31fが形成される。なお
図4Bの工程においては先の
図3Lの選択エッチングの結果、前記側壁絶縁膜33SW
1および33SW
2が後退しており、その結果前記ソース領域31eおよびドレイン領域31fは前記基板領域31CH
1中、側壁絶縁膜33SW
1の外壁面に対応する位置まで延在する。同様に
図4Bの工程において前記ソース領域31gおよびドレイン領域31hは前記基板領域31CH
2中、前記側壁絶縁膜33SW
2の外壁面に対応する位置まで延在する。
【0134】
さらに
図4Cの工程において前記
図4Bの露出シリコン面にサリサイド法によりシリサイド層を形成することにより、先に
図3Uで説明したように前記p型ソース領域31eにシリサイド層36aが、p型ドレイン領域31fにシリサイド層36bが、前記p型ソース領域31gにシリサイド層36cが、p型ドレイン領域31hにシリサイド層36dが、また前記ポリシリコンゲート電極33G
1の上面にシリサイド層36eが、ポリシリコンゲート電極33G
2の上面にシリサイド層36fが形成される。
【0135】
図4Cの工程の後、前記
図3VQ〜
図3Xの工程を実行することにより、前記シリコン基板11上に前記
図3Xと同様な構造を有する半導体装置が形成される。ただし本実施形態では、先にも説明したように、前記ソース領域31eおよびドレイン領域31fは前記基板領域31CH
1中、側壁絶縁膜33SW
1の外壁面に対応する位置まで延在する。同様に
図4Bの工程において前記ソース領域31gおよびドレイン領域31hは前記基板領域31CH
2中、前記側壁絶縁膜33SW
2の外壁面に対応する位置まで延在している。
【0136】
本実施形態では側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2を
図3Lの選択エッチング工程の後も引き続き側壁絶縁膜として使うため、先の実施形態における
図3O〜
図3Qの工程、および溝部31TI
1〜31TI
3に残る絶縁膜34の除去プロセスが不要となり、半導体装置の製造工程が簡素化される。
【0137】
なお上記の各実施形態において、例えば
図1Oの工程に引き続き、
図5Aに示すように前記シリコンエピタキシャル層11ES
1〜11ES
4をその下の埋込絶縁膜11I
Fに対して選択的に、ウェットエッチングあるいはドライエッチングにより除去し、
図5Bの工程において、形成された溝部に素子領域11AにおいてはSiGe混晶層11SGV
1および11SGV
2を、また素子領域11BにおいてはSiC混晶層11SCV
1および11SCV
2を、前記基板部分11CH
1,11CH
2を構成するシリコン単結晶に対してエピタキシャルに成長させることにより埋め込むことも可能である。これにより、前記素子領域31Aに形成されるpチャネルMOSトランジスタのチャネル領域に一軸性圧縮応力を、また前記素子領域31Bに形成されるnチャネルMOSトランジスタのチャネル領域に一軸性引張応力が誘起され、前記pチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタの動作速度が向上する。
【0138】
またその際、
図5Cに示すように、前記pチャネルMOSトランジスタのソース領域11eおよびドレイン領域11f、前記nチャネルMOSトランジスタのソース領域11gおよび11hの形成、およびシリサイド層14S
1,14D
1,14S
2,14D
2,14G
1,14G
2の形成の後、前記pチャネルMOSトランジスタ上に前記ゲート電極13G
1および側壁絶縁膜13SW
1を覆ってSiNなどの圧縮応力膜17Aを形成し、前記nチャネルMOSトランジスタ上に前記ゲート電極13G
2および側壁絶縁膜13SW
2を覆ってSiNなどの圧縮応力膜17Bを形成することにより、前記pチャネルMOSトランジスタの一軸性圧縮応力を、また前記nチャネルMOSトランジスタの一軸性引張応力を増大させることも可能である。
【0139】
図5A〜
図5C中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、さらなる説明は省略する。
【0140】
さらに前記
図5Aの構造において、前記トレンチTA
1,TA
2の側壁面を、前記基板部分11CH
1,11CH
2に食い込む楔形状に形成することも可能である。この場合、
図6Bに示すように前記トレンチTA
1,TA
2を、圧縮あるいは引張応力源となるSiGe混晶層11SGV
1,11SGV
2、あるいはSiC混晶層11SCV
1,11SCV
2により充填した場合、楔形状の先端が前記基板部分11CH
1,11CH
2のチャネル部分直下まで侵入するため、チャネルに大きな応力を印加することが可能となる。
【0141】
このような構造においても、前記絶縁膜11TOxを前記トレンチTA
1,TA
2の楔形状の側壁面に形成しておくことにより、前記埋込絶縁膜11I
Fを充填するに先立って
図1Iの工程と同様な工程においてSiGe混晶層11SG
1〜11SG
3を除去する際に、構造が力学的に不安定になり崩壊する問題を回避することができる。
【0142】
なお
図6Bの例では、応力源となる前記SiGe混晶層11SGV
1,11SGV
2およびSiC混晶層11SCV
1,11SCV
2を前記ゲート絶縁膜12とシリコン基板11との界面よりも高く形成しているが、かかる構造により、ソース抵抗を低減することができる。
【0143】
[第4の実施形態]
次に第4の実施形態による半導体装置の製造方法を、
図7A〜
図7Rを参照しながら説明する。ただし図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0144】
図7Aを参照するに、本実施形態では前記
図3Bの基板31上に、素子領域31Aにおいてはゲート電極33G
1を、また素子領域31Bにおいてはゲート電極33G
2を、それぞれ前記基板部分31CH
1および31CH
2上に対応して形成する。前記基板部分31CH
1において前記ゲート電極33G
1は左右の側壁面のそれぞれにおいてシリコン酸化膜よりなるサイドウォールスペーサ31GW
1を介してシリコン窒化膜よりなる側壁絶縁膜33SW
1を担持しており、同様に、前記基板部分31CH
2において前記ゲート電極33G
2は、左右の側壁面のそれぞれにおいてシリコン酸化膜よりなるサイドウォールスペーサ31GW
2を介してシリコン窒化膜よりなる側壁絶縁膜33SW
2を担持している。また前記ゲート電極33G
1はシリコン窒化膜よりなるキャップ層33GN
1を担持し、また前記ゲート電極33G
2はシリコン窒化膜よりなるキャップ層33GN
2を担持している。
【0145】
ただし本実施形態では、
図7Aの工程では前記基板部分31CH
1,31CH
2にソースエクステンション領域やドレインエクステンション領域は、まだ形成されていない。
【0146】
次に
図7Bに示すように本実施形態では前記シリコン基板31が、前記素子分離構造31I
1〜31I
3および側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2およびキャップ層33GN
1,33GN
2をマスクに30nm〜50nmの深さにドライエッチングされ、前記基板部分31CH1の左右にトレンチ31TA
1および31TA
2が、また前記基板部分31CH
2の左右にトレンチ31TA
3および31TA
4が、それぞれ形成される。なお
図7Bの工程では、ドライエッチングの際に、台形形状をしている素子分離領域31I
1〜31I
3の影になる部分にシリコン基板31の一部が残さ31sとして残留することがある。
【0147】
次に
図7Cに示すように前記
図7Bの構造に対し熱酸化あるいはプラズマ酸化を行い、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4において側壁面および底面を覆うシリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4を、例えば10nm〜15nmの膜厚でそれぞれ形成する。このようなシリコン酸化膜は、前記残さ31s上にも形成される。前記基板部分31CH1,31CH2にはソースエクステンション領域やドレインエクステンション領域の形成はまだなされていないため、このような熱酸化工程を行っても得られる半導体装置の特性が劣化することはない。またプラズマ酸化を行えば、600℃以下の温度で前記シリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4を形成することが可能である。
【0148】
次に
図7Dに示すように前記トレンチ31TA
1〜31TA
4において底面を覆うシリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4が、前記シリコン基板31の主面に略垂直方向に作用する異方性エッチングにより除去され、さらに前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の底面が、露出されたシリコン基板31をドライエッチングすることにより、
図7D中に矢印で示すように、30nm〜50nmの深さにわたり、掘り下げられる。前記シリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4を、先に述べたように10nm〜15nmの膜厚に形成しておくと、このようなシリコン酸化膜の異方性エッチングを行った場合にも、トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面には、十分な膜厚のシリコン酸化膜を残すことができる。前記トレンチ31TA
1〜31TA
4のうち、
図7Dに矢印で示すドライエッチングにより掘り下げられた部分では、底面および側壁面にシリコン基板31が露出している。
【0149】
さらに
図7Eに示すように本実施形態では前記
図7Dの構造に対し、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)などをエッチャントとした等方性のウェットエッチングを実施し、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4のうち、露出しているシリコン基板31をさらに約10nm程度掘り下げる。
【0150】
このような等方性のウェットエッチングの結果、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の底の、ドライエッチングの際に不純物が注入された恐れのある領域が除去され、当初の高品質なシリコン基板31のシリコン面が露出される。このため、引き続き実行されるSiGe混晶層のエピタキシャル成長が促進される。また、前記
図7Dのドライエッチングの際にも、前記残さ31sに対応したシリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
3の下方に、台形形状を有する素子分離領域31I
1〜31I
3の影になってシリコン残さ31tが残留する場合があるが、前記等方性ウェットエッチングの結果、かかる残さ31tを完全に除去することができる。前記残さ31tを除去することの技術的意義については、後ほど、
図7Kの工程に関連して説明する。
【0151】
次に
図7Fの工程において、前記
図7Eの構造上にSiGe混晶層を400℃〜800℃、好ましくは500〜600℃の基板温度でCVD法により、SiH
4ガスおよびGeH
4ガスをソースガスとして使い、HClガスをエッチングガスとして使い、水素ガスをキャリアガスとして使うことにより堆積し、前記トレンチ31TA
1においてはSiGe混晶層31SG
1を、前記トレンチ31TA
2においてはSiGe混晶層31SG
2を、前記トレンチ31TA
3においてはSiGe混晶層31SG
3を、前記トレンチ31TA
4においてはSiGe混晶層31SG
4を、前記シリコン基板31に対してエピタキシャルに、半導体装置のソース領域およびドレイン領域の下に形成したい酸化膜パタ―ンの厚さに対応した、例えば20nm〜80nmの膜厚で選択的に形成する。例えば
図7Fの工程において前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の形成を、約30Pa〜1500Paの圧力下、水素ガス分圧を例えば30Pa〜1450Pa、SiH
4ガス分圧を例えば1Pa〜90Pa、GeH
4ガス分圧を例えば0.05〜90Pa、さらにHClガスの分圧を例えば1Pa〜500Paに設定することにより実行することができる。
【0152】
次に本実施形態では
図7Gの工程において、前記
図7Fの構造上に先の実施形態と同様にしてシリコン層をCVD法により、500℃〜800℃、好ましくは500〜600℃の基板温度でのCVD法により、SiH
4ガスをソースガスとして使い、HClガスをエッチングガスとして使い、水素ガスをキャリアガスとして使いながら堆積し、前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4上にシリコンエピタキシャル層31ESを例えば7nm程度の膜厚で選択的に形成する。例えば
図7Gの工程において前記シリコンエピタキシャル層31ESの形成を、約30Pa〜1500Paの圧力下、水素ガス分圧を例えば30Pa〜1450Paに設定し、SiH
4ガス分圧を例えば1Pa〜90Paに設定し、さらにHClガスの分圧を例えば1Pa〜500Paに設定することにより実行することができる。
【0153】
次に
図7Hの工程において、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁面に形成されていたシリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4を、HFを使ったウェットエッチングにより選択的に除去する。その際、SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4上に薄いシリコンエピタキシャル層31ESを形成しておくことにより、前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の露出が限定され、ウェットエッチングの際に溶出するGeによる製造装置の汚染を回避することができる。
【0154】
次に
図7Iの工程において、前記
図7Hの構造上にシリコンエピタキシャル層を500℃〜800℃、好ましくは前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4または前記シリコンエピタキシャル層31ESを形成する場合の基板温度よりも高い700〜800℃の基板温度でCVD法により、SiH
4ガスをソースガスとして使い、HClガスをエッチングガスとして使い、水素ガスをキャリアガスとして使うことにより堆積し、前記トレンチ31TA
1においてはシリコンエピタキシャル層31ES
1を、前記トレンチ31TA
2においてはシリコンエピタキシャル層31ES
2を、前記トレンチ31TA
3においてはシリコンエピタキシャル層31ES
3を、前記トレンチ31TA
4においてはシリコンエピタキシャル層31ES
4を、その下のシリコンエピタキシャル層31ESに対してエピタキシャルに形成し、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4を充填する。前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の堆積に伴い、先に形成されていたシリコンエピタキシャル層31ESは、それぞれのエピタキシャル層の一部となって吸収される。このようにして形成されたシリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4は、その下のSiGe混晶層31SG
1〜31SG
4に対してエピタキシャルな関係を維持する。例えば
図7Iの工程において前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の形成を、約30Pa〜1500Paの圧力下、水素ガス分圧を例えば30Pa〜1450Paに設定し、SiH
4ガス分圧を例えば1Pa〜90Paに設定し、さらにHClガスの分圧を例えば1Pa〜500Paに設定することにより実行することができる。
【0155】
本実施形態では前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の表面が先に
図7Gの工程において薄いシリコンエピタキシャル層31ESにより覆われているため、
図7Iの工程において高温で前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4を厚く堆積しても、前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の表面の荒れが抑制され、その結果、高品質なシリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4を得ることができる。
【0156】
なお
図7Iの工程において前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4を、前記シリコン基板31とゲート絶縁膜32の界面を超えて成長させ、いわゆるエレベーテッドソース/ドレイン構造を形成することも可能である。
【0157】
次に
図7Jの工程において、前記
図3Kの工程と同様に、例えばフッ酸を使ったウェットエッチングやシリコン酸化膜のドライエッチングなどにより、前記素子分離構造31I
1〜31I
3を構成する素子分離絶縁膜を後退させ、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4の側壁面を露出させる。
【0158】
なお
図7Jの工程において、先に前記素子分離構造31I
1〜31I
3を構成する素子分離絶縁膜を後退させておき、その後で前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4のエピタキシャル成長および前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4のエピタキシャル成長を行うことも可能である。
【0159】
図7Jで得られた構造においても、前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の側壁面、あるいは前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の側壁面は、単一の結晶面より形成される場合もあれば、複数の結晶面を含む場合もある。
【0160】
次に
図7Kの工程において、先の
図3Lの工程と同様に、例えば塩素(Cl
2)と水素の混合ガス、あるいは塩化水素ガスを使ったドライエッチングにより、あるいはフッ酸や硝酸や酢酸などの混合液を使ったウェットエッチングにより、さらにはArで希釈したCF4ガスを使ったドライエッチングにより、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を前記シリコン基板31およびシリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2,31ES
3および31ES
4に対して選択的にエッチングし、前記シリコン基板31中に前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4の形成領域にそれぞれ対応して、ボイド31V
1〜31V
4を形成する。
【0161】
図7Kの工程では、先にも述べたように前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,31ES
2は前記基板領域31CH
1に、またシリコンエピタキシャル層31ES
3および31ES
4は前記基板領域31CH
2にエピタキシャルに格子整合しており、前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4を選択的に除去しても前記基板領域31CH
1あるいは基板領域31CH
2から脱離して落下することはない。
【0162】
図7Kのエッチング工程をドライエッチングにより行う場合、
図7Jにおける素子分離絶縁膜31I
1〜31I
3を後退させるエッチングを前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4の成膜およびシリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の成膜前に行っておけば、素子分離絶縁膜31I
1〜31I
3を後退させるエッチングをウェットエッチングで行う場合であっても、前記SiGe混晶層31SG1〜31SG
4の成膜およびシリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の成膜、および
図7Kの選択エッチング工程を、同一の処理装置内において連続して、すなわち途中で被処理基板を取り出すことなく実行することが可能である。
【0163】
本実施形態においても前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4としてはGeを原子分率で20%程度含むものが使われるが、エピタキシャル成長可能な範囲ないでより多量のGeを、例えば原子分率で40%程度含むものを使うことも可能である。このように高濃度でGeを含むSiGe混晶を前記SiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4として使うことにより、
図7Kのエッチング工程におけるエッチングの選択性を向上させることができる。またSiGe混晶層31SG
1,31SG
2,31SG
3および31SG
4として、必要に応じてSiGeC混晶を使うことも可能である。
【0164】
本実施形態では、先にも説明したようにトレンチ31TA
1〜31TA
4の側壁を、素子分離領域31I1〜31I3に接して構成するシリコン残さ31tを
図7Eの工程において、ウェットエッチングにより除去していることに注意すべきである。このようにシリコン残さ31tを除去した結果、
図7Kの工程において前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4を除去する際にボイド31V
1〜31V
4の開口部31v
1〜31v
4が前記シリコン残さ31tにより塞がれることがなく、前記SiGe混晶層31SG
1〜31SG
4のエッチングを効率よく実施することができる。
【0165】
次に
図7Lの工程において前記
図7Kの構造上にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を主成分とする埋込絶縁膜41I
Fを、ステップカバレッジに優れた成膜方法、例えばALD法やCVD法、SOG法などにより堆積し、前記ボイド31V
1〜31V
4を前記埋込絶縁膜31I
Fにより充填する。図示の例では、前記埋込絶縁膜41I
FをHD−CVD法により形成している。なお本実施形態でも、先の実施形態と同様に前記ボイド31V
1〜31V
4が前記埋込絶縁膜41I
Fにより完全に充填される必要はなく、未充填部が一部に残留してもよい。
【0166】
次に
図7Mの工程において前記埋込絶縁膜41I
Fを、前記ゲート電極33G
1,33G
2上のシリコン窒化膜33GN
1,33GN
2をストッパに前記埋込絶縁膜41I
Fを化学機械研磨(CMP)あるいはエッチバックにより平坦化し、さらに
図7Nの工程で前記埋込絶縁膜41I
FをHFによりエッチングし、前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4の表面は前記埋込絶縁膜41I
Fで覆われたままの状態で、前記側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2を露出させる。
【0167】
さらに
図7Oの工程においてリン酸(H
3PO
4)をエッチャントとしたウェットエッチングを行い、シリコン窒化膜よりなる側壁絶縁膜33SW
1,33SW
2を除去し、
図7Pの工程において再びHF処理を行うことにより、前記シリコンエピタキシャル層31ES
1〜31ES
4を露出させる。またこの工程により、前記ゲート電極33G1,33G2のサイドウォールスペーサ33GW
1,33GW
2が除去される。
【0168】
図7P以降は、通常のMOSトランジスタの製造工程が実施され、前記素子領域31Bを図示しないレジストマスクで覆った状態で前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,39ES
2に前記ゲート電極33G
1をマスクにBをイオン注入することにより、p型のソースエクステンション領域31aおよびドレインエクステンション領域31bが形成され、また前記素子領域31Aを図示しないレジストマスクで覆った状態で前記シリコンエピタキシャル層31ES
3,39ES
4に前記ゲート電極33G
2をマスクにAsあるいはPをイオン注入することにより、n型のソースエクステンション領域31cおよびドレインエクステンション領域31dが形成される。
【0169】
さらに
図7Qの工程において前記ゲート電極31G
1および31G
2にシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜よりなる側壁絶縁膜43SW
1,43SW
2をそれぞれ形成し、
図7Rの工程において前記素子領域31Bを図示しないレジストマスクで覆った状態で前記シリコンエピタキシャル層31ES
1,39ES
2に前記ゲート電極33G
1および側壁絶縁膜43SW
1をマスクにBをイオン注入することにより、p+型のソース領域31eおよびドレイン領域31fが形成され、また前記素子領域31Aを図示しないレジストマスクで覆った状態で前記シリコンエピタキシャル層31ES
3,39ES
4に前記ゲート電極33G
2および前記側壁絶縁膜43SW
2をマスクにAsあるいはPをイオン注入することにより、n+型のソース領域31cおよびドレイン領域31dが形成される。
【0170】
なお本実施形態において、
図7Bの工程と
図7Cの工程の間に、
図8Aに示すように
図7Bの構造に対しTMAHなどを使って等方性エッチングを行い、前記トレンチ31TA
1〜31TA
4を矢印のように拡張する工程を含ませてもよい。
図8Aの工程によれば、各々のトレンチ31TA
1〜31TA
4において、基板部分31CH
1を画成する側壁面が後退すると同時に、シリコン残さ21sが除去される。
【0171】
かかる変形例によれば、次いで前記
図7Cの工程に対応して
図8Bの酸化処理を行って、前記シリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4を形成した場合、前記後退した側壁面に形成されたシリコン酸化膜は前記ゲート電極33GN
1あるいは33GN
2の側壁絶縁膜33SW
1あるいは33SW
2により保護され、引き続き
図7Dのドライエッチング工程を行った場合に多少斜めに入射するラジカルがあっても、シリコン酸化膜41TOx
1〜41TOx
4が消失することがなく、前記側壁面におけるSiGe混晶層の成長を確実に回避することが可能となる。
【0172】
なお
図8A,
図8Bの変形例は、前記第1〜第3の実施形態においても適用可能である。
【0173】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
(付記1)
素子分離領域により画成された第1導電型のウェルを有する半導体基板と、
前記半導体基板上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成され、第1のゲート側壁面と、前記第1の側と対向する第2のゲート側壁面とを有するゲート電極と、
前記第1および第2のゲート側壁面上にそれぞれ形成された第1および第2の側壁絶縁膜と、
前記半導体基板中、前記第1の側壁絶縁膜の下に形成された、前記第1導電型とは反対の第2導電型のソースエクステンション領域と、
前記半導体基板中、前記第2の側壁絶縁膜の下に形成された、前記第2導電型のドレインエクステンション領域と、を含み、
前記半導体基板は、前記第1の側壁絶縁膜、前記ゲート電極および前記第2の側壁絶縁膜を支えるメサ構造を形成し、
前記メサ構造は、第1の側壁面と第2の側壁面を有し、
前記メサ構造の前記第1の側壁面の外側には、前記第2の導電型を有しソース領域を形成する第1の半導体層が、前記第1の側壁面において前記基板に接続されて形成されており、
前記メサ構造の前記第2の側壁面の外側には、前記第2の導電型を有しドレイン領域を形成する第2の半導体層が、前記第2の側壁面において前記基板に接続されて形成されており、
前記第1および第2の半導体層の直下には、第1の絶縁膜よりなる第1および第2の埋込絶縁領域がそれぞれ形成され、
前記第1の埋込絶縁領域と前記第1の側壁面の間、および前記第2の埋込絶縁領域と前記第2の側壁面の間には、第2および第3の絶縁膜がそれぞれ形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記第2および第3の絶縁膜は、2nm以上で10nm以下の厚さを有することを特徴とする付記1記載の半導体装置。
(付記3)
前記第2および第3の絶縁膜の上端は前記第1および第2の埋込絶縁領域の上端よりも後退しており、凹面を有することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置。
(付記4)
前記第1の絶縁膜と前記第2および第3の絶縁膜とは組成が異なることを特徴とする付記1〜3のうち、いずれか一項記載の半導体装置。
(付記5)
前記第1の絶縁膜はシリコン酸化膜であり、前記第2および第3の絶縁膜はシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜またはシリコン酸窒化膜であることを特徴とする付記1〜4のうち、いずれか一項記載の半導体装置。
(付記6)
前記第1の絶縁膜はCVD法により形成されたシリコン酸化膜であり、前記第2および第3の絶縁膜は熱酸化法、プラズマ酸化法またはCVD法により形成されたシリコン酸化膜であることを特徴とする付記1〜4のうち、いずれか一項記載の半導体装置。
(付記7)
第1の半導体からなる半導体基板上の第1の領域にゲート電極を形成し、前記ゲート電極の第1の側壁面に第1の側壁絶縁膜を、前記ゲート電極の第2の側壁面に第2の側壁絶縁膜を形成する工程と、
前記半導体基板に、前記第1の領域を挟んで第1および第2の開口部を形成する工程と、
前記第1及び前記第2の開口部の側面および底面に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1及び前記第2の開口部の側面に前記第1の絶縁膜の少なくとも一部を残存させつつ、前記第1及び前記第2の開口部の底面において前記第1の絶縁膜を除去する工程と、
前記第1及び前記第2の開口部に、前記第1の半導体に対してエッチング選択性を有する第2の半導体からなる第1及び第2の半導体層をそれぞれ形成する工程と、
前記第1及び前記第2の開口部の側面において前記第1の絶縁膜を除去する工程と、
前記第1及び前記第2の開口部の側面において前記第1の絶縁膜を除去する工程の後、前記第1及び前記第2の半導体層の上に、前記第1の半導体からなる第3及び第4の半導体層をそれぞれ形成する工程と、
前記第3及び前記第4の半導体層を形成する工程の後、前記第1及び前記第2の半導体層の一部を露出させる工程と、
前記第1及び前記第2の半導体層を露出させる工程の後、前記第1及び前記第2の半導体層を除去して第3及び第4の開口部をそれぞれ形成する工程と、
前記第3及び前記第4の開口部に第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第3及び前記第4の半導体層に不純物元素を注入して、第1及び第2の拡散領域をそれぞれ形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記第1および第2の開口部を形成する工程の後で、かつ第1の絶縁膜を形成する工程の前に、前記第1および第2の開口部に対し等方性エッチングを行い、前記第1および第2の開口部において側面を後退させる工程を含むことを特徴とする付記7記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記第1及び前記第2の開口部を形成する工程は、
前記半導体基板に第1及び第2の素子分離溝を形成する工程と、
前記第1及び前記第2の素子分離溝に第3の絶縁膜を形成して前記第1及び前記第2の素子分離領域をそれぞれ形成する工程と、
前記第1及び前記第2の開口部を前記第1及び第2の素子分離領域にそれぞれ接して形成する工程と、を有し、
前記第1及び前記第2の半導体層を露出させる工程は、
前記第1及び前記第2の素子分離領域の前記第3の絶縁膜を除去して、前記第1及び前記第2の素子分離溝を開口し、前記第1及び前記第2の半導体層をそれぞれ露出させる工程と、を有し、
前記第3及び前記第4の開口部に第2の絶縁膜を形成する工程は、前記第3の絶縁膜を除去して開口された前記第1及び前記第2の素子分離溝に、第2の絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする付記7または8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記第1及び前記第2の半導体層の一部を露出させる工程は、
前記半導体基板、前記第3の半導体層及び前記第4の半導体層をマスクパターンで覆う工程と、
前記マスクパターンをマスクとして前記第3及び前記第4の半導体層をエッチングして、第1及び第2の素子分離溝を形成し、前記第1及び前記第2の半導体層を露出させる工程と、を有し、
前記第3及び前記第4の開口部に第2の絶縁膜を形成する工程は、前記第1及び前記第2の素子分離溝に前記第2の絶縁膜を形成する工程を有することを特徴とする付記7または8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記第1の絶縁膜は、熱酸化法、プラズマ酸化法またはCVD法により形成されたシリコン酸化膜であることを特徴とする付記7〜10のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記第1及び前記第2の半導体層を形成する工程の後で前記第1及び前記第2の開口部の側面において前記第1の絶縁膜を除去する工程の前に、前記第1及び前記第2の半導体層の上に、前記第1の半導体からなる第5及び第6の半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする付記7〜11のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記第1及び前記第2の開口部の底面において前記第1の絶縁膜を除去する工程の後で前記第1及び前記第2の半導体層を形成する工程の前に、前記第及び前記第2の開口部の底面をエッチングする工程を有することを特徴とする付記7〜12のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記第1及び前記第2の開口部の底面をエッチングする工程は、前記第1及び前記第2の開口部の底を異方的にエッチングする工程と、
前記異方的にエッチングする工程の後、前記第1及び前記第2の開口部の底面を等方的にエッチングする工程を含むことを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記第1及び前記第2の側壁面の側面において前記第1の絶縁膜を除去する工程は、少なくとも前記第1の半導体層と前記第1の開口部の側面との間以外、及び、少なくとも前記第2半導体層と前記第2の開口部の側面との間以外、に形成された第1の絶縁膜を除去することを特徴とする付記7〜12のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記第1及び前記第2の開口部を形成する工程は、前記ゲート電極、前記第1の側壁絶縁膜及び前記第2の側壁絶縁膜をマスクとして、前記半導体基板をエッチングする工程を含むことを特徴とする付記7〜15のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
前記第3及び前記第4の開口部に前記第2の絶縁膜を形成する工程の後、前記第1の領域にゲート電極を形成し、前記ゲート電極の前記第1の側壁面に前記第1の側壁絶縁膜を、前記ゲート電極の前記第2の側壁面に前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程を含むことを特徴とする付記7〜15のうち、いずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。