特許第5915254号(P5915254)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5915254
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】画像表示装置、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20160422BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20160422BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20160422BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20160422BHJP
   H04N 3/08 20060101ALI20160422BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   B60K35/00 A
   G02B27/01
   G02B26/10 C
   H04N5/64 521Z
   H04N3/08
   B60R16/02 640K
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-39594(P2012-39594)
(22)【出願日】2012年2月27日
(65)【公開番号】特開2013-173465(P2013-173465A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2014年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】見砂 力
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 淳
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 龍一
【審査官】 小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−137491(JP,A)
【文献】 特開2011−215398(JP,A)
【文献】 特開2010−002782(JP,A)
【文献】 特開2008−189097(JP,A)
【文献】 特開2004−161263(JP,A)
【文献】 特開2004−226548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
B60R 16/02
G02B 26/10
G02B 27/01
H04N 3/08
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアを有する乗物に設置された画像表示装置であって、
映像信号をレーザー光による光信号に変換する光源部と、
前記光信号の光束を反射させて走査し、前記乗物が備えるフロントガラスに前記光束を透過および反射させて画像を表示させる走査ミラー部と、
前記ドア開状態又は前記ドアのキーが開錠状態である場合、前記光源部からレーザー光が出射していない状態で、前記走査ミラー部を動作させ、前記乗物の前記キーの状態としてアクセサリーモードがオンとなった場合に前記光源部からレーザー光を出射させる制御部と、を備えた画像表示装置。
【請求項2】
前記走査ミラー部が、第1の揺動軸で共振駆動によって揺動第2の揺動軸で非共振駆動によって揺動するMEMSミラーであり、
前記ドアが開状態又はキーが開錠状態である場合、前記制御部が、前記第2の揺動軸の揺動を停止させた状態で前記第1の揺動軸の揺動を動作させるように制御する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記乗物がスマートキーによって開錠及び施錠される自動車であり、
前記スマートキーの鍵データの照合を認証した場合に、前記制御部が前記走査ミラー部を動作させる請求項1、又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ドアが開状態になったこと、又は前記ドアのキーが開錠状態になったことが検出された場合に、前記制御部が前記走査ミラー部を動作させる請求項1、2、又は3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記光源部の温度を調整する温度調整部をさらに備え、
前記ドアの開閉状態又はキー状態に応じて、前記温度調整部が前記光源部の温度調整を開始する請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記光源部が動作していない状態で、前記走査ミラー部を動作させた後、前記画像表示装置が画像表示を一定時間以上行わない場合、前記走査ミラー部の動作を停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に画像表示装置。
【請求項7】
映像信号をレーザー光による光信号に変換する光源部と、前記光信号の光束を反射させて走査し、乗物が備えるフロントガラスに前記光束を透過および反射させて画像を表示させる走査ミラー部とを備えた画像表示装置の制御方法であって、
前記画像表示装置が設置された乗物のドアの開閉状態又はキー状態を検出するステップと、
前記ドア開状態又はキーが開錠状態である場合、前記走査ミラー部への電源供給を制御して、前記光源部からレーザー光が出射していない状態で、前記走査ミラー部を動作させ、前記乗物の前記キーの状態としてアクセサリーモードがオンとなった場合に前記光源部からレーザー光を出射させる画像表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、及びその制御方法に関し、より具体的には、走査ミラーを有する画像表示装置、およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー光を走査ミラーで反射させ、光線のラスター走査により投射面に画像を表示させる画像表示装置が知られている。すなわち、レーザー走査型のプロジェクションディスプレーは、走査ミラーを左右に往復揺動させて水平方向の走査線を描くと同時に、画像を構成する走査線の数に合わせて走査ミラーを垂直方向に往復揺動させる。
【0003】
このような画像表示装置は、半導体レーザーダイオードやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを利用することによって非常に小型化できる可能性があり、ヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイなど様々な応用製品が現在開発されてきている。例えば、特許文献1には、自動車に搭載される車載型のヘッドアップディスプレイが開示されている。特許文献1のヘッドアップディスプレイ装置では、ABS(Antilock Brake System)の制御信号が出力されているときに、表示源への入力をオフしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−100739号公報
【特許文献2】特開平2004−161263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、自動車では、通常、キーがACC(アクセサリーポジション)になると、車載機器に電源が供給され、動作が開始する。また、特許文献2では、ドアが開錠したら、内蔵二次バッテリを用いて、車載機器を起動させている。
【0006】
MEMSミラー等の走査ミラーは、動作が安定するまでに時間がかかる。このため、エンジン始動してから画像表示させるまでに時間がかかってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる画像表示装置は、ドアを有する乗物に設置された画像表示装置(100)であって、映像信号を光信号に変換する光源部(130)と、前記光信号の光束を反射させて走査し、投影面に画像を表示させる走査ミラー部(200)と、前記ドア(12)の開閉状態又はキー状態に応じて、前記光源部(130)が動作していない状態で、前記走査ミラー部(200)を動作させる制御部(23)と、を備えたものである。
上記の画像表示装置において、前記走査ミラー部が、共振駆動によって揺動する第1の揺動軸と、非共振駆動によって揺動する第2の揺動軸を備えたMEMSミラーであり、前記ドアの開閉状態又はキー状態に応じて、前記制御部(23)が、前記第2の揺動軸の揺動を停止させた状態で前記第1の揺動軸の揺動を動作させるように制御してもよい。
上記の画像表示装置において、前記乗物がスマートキーによって開錠及び施錠される自動車であり、前記スマートキーの照合を認証した場合に、前記制御部(23)が前記走査ミラー部(200)を動作させるようにしてもよい。
上記の画像表示装置において、前記ドア(12)が開状態になったこと、又は前記ドア(12)のキーが開錠状態になったことが検出された場合に、前記制御部が前記走査ミラー部を動作させるようにしてもよい。
上記の画像表示装置において、前記光源部の温度を調整する温度調整部(135)をさらに備え、前記ドアの開閉状態又はキー状態に応じて、前記温度調整部(135)が前記光源部の温度調整を開始するようにしてもよい。
上記の画像表示装置において、前記光源部(130)が動作していない状態で、前記走査ミラー部(200)を動作させた後、前記画像表示装置が画像表示を一定時間以上行わない場合、前記走査ミラー部(200)の動作を停止するようにしてもよい。
本発明の一態様にかかる画像表示装置の制御方法は、映像信号を光信号に変換する光源部と、前記光信号の光束を反射させて走査し、投影面に画像を表示させる走査ミラー部とを備えた画像表示装置の制御方法であって、前記画像表示装置が設置された乗物のドアの開閉状態又はキー状態を検出するステップと、前記ドアの開閉状態又はキー状態の検出結果に応じて、前記走査ミラー部への電源供給を制御して、前記光源部が動作していない状態で、前記走査ミラー部を動作させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、速やかに画像を表示することができる画像表示装置、及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態にかかる画像表示装置を搭載する自動車を模式的に示す図。
図2】画像表示装置の典型的使用例を示す図である。
図3】画像表示装置の全体構成とその電源系を示す機能ブロック図。
図4】映像信号の処理の流れを示す図。
図5】画像データの構成を説明するための図。
図6】光射出ユニットの斜視図。
図7】走査ミラー部の構造を示す図。
図8】光射出ユニットから発射された画像光束L1が見る人の眼に到達するまでの光路を示す図。
図9】振動検出信号から主走査駆動制御信号SHを生成する様子を説明する図。
図10】副走査駆動信号SVを例示する図。
図11】第1実施形態の制御方法を示すフローチャート。
図12】変形例の制御方法を示すフローチャート。
図13】第2実施形態にかかる画像表示装置の全体構成とその電源系を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の画像表示装置に係る第1実施形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる画像表示装置を搭載した自動車の構成を示す側面図である。図1に示すように、運転者Pが自動車10のドア12を開錠及び施錠するためのキー13を有している。すなわち、施錠されているドア12を運転者Pがキー13を用いて開錠する。そして、運転者Pが、開錠状態のドアを開けて、自動車10に搭乗する。キー13は、鍵穴に挿入する機械的なキーでもよく、無線通信などを用いて遠隔操作可能なリモコンキー(ワイヤレスキー)であってもよい。
【0011】
図2は、本発明が想定する画像表示装置100の典型的使用例である。
画像表示装置100は、レーザー光を走査ミラーで反射させ、光線のラスター走査により投射面に画像を表示させるものである。
図2において、画像表示装置100は、自動車10に内蔵されている。
画像表示装置100からは所望の画像を表示させるように調整された画像光束L1が発射される。
この画像光束L1は、フロントガラス11での反射を介して運転者Pの眼に入射し、網膜上に像を結ぶ。同時に、フロントガラス11には外界からの光L2も入射して透過していく。したがって、外界からの光L2と光射出ユニットからの画像光束L1とがオーバーレイ(重畳)し、運転者Pの視界には外界の実景と画像表示装置100によって調整された画像とが同時に見えることになる。
【0012】
図3は、画像表示装置100の全体構成を示す機能ブロック図である。
画像表示装置100は、画像信号処理部110と、光射出ユニット120と、結像光学系150と、タイミング処理部160と、を備える。各機能部の構成および動作を以下に説明する。
【0013】
画像信号処理部110は、ビデオインターフェース111と、ビデオデコーダ112と、メモリコントローラ113と、フレームメモリ114と、データバッファ115と、光源駆動部116と、を備える。
【0014】
ビデオインターフェース111を介して映像信号が入力される。ビデオデコーダ112は、入力された映像信号の種別に応じて映像信号をデコード処理する。
例えば、入力された映像信号がアナログ映像信号(コンポーネント映像信号)である場合には、デコード処理により、映像信号を、3色(RGB)のデジタル色信号で構成されるデジタル映像信号と、水平同期信号と垂直同期信号とを含む同期信号と、に分離する。
【0015】
メモリコントローラ113は、書込み部113Wと読出し部113Rとを有する。
図4は、映像信号の処理の流れを示す図である。
書込み部113Wは、ビデオデコーダ112で処理した映像信号の1フレーム分の画像データをフレームメモリ114に一旦書き込んでバッファさせる。そして、読出し部113Rは、指定されたドットクロックに基づいてフレームメモリ114から画像データを主走査線の一ラインずつ読み出す。
ここで、読出し部113Rは、レーザー走査型のプロジェクションディスプレーに適したタイミングで画像データを読み出すとともに後段に出力する。
すなわち、読出し部113Rは、タイミング処理部160で調整されたタイミング信号(ドットクロック、表示期間指示信号)に合わせて画像データを読み出す。このように読み出された画像データはデータバッファ115に一時保持される。
タイミング処理部160の構成および動作については後述する。
【0016】
データバッファ115には一ラインずつ読み出された画像データが一時保持され、さらに、画像データは順に光源駆動部116に出力される。
【0017】
光源駆動部116は、D/A変換部を備え、画像データに応じて光射出ユニット120の光源である各半導体レーザーダイオードに駆動電流を印加して各半導体レーザーダイオードを所望の輝度で発光させる。
光射出ユニット120の光源としては、RGB3色を得るため、赤色レーザーダイオード、青色レーザーダイオード、および、緑色レーザーダイオードが設けられている(具体的な構造は図5を参照)。それに合わせて、光源駆動部116としても、赤色ドライバ116Rと、緑色ドライバ116Gと、青色ドライバ116Bと、を備えている。
【0018】
なお、当然のことであるが、画像データを構成する各画素データは、図5に示すように、画素ごとにR(赤)、G(緑)、B(青)の3色で構成される色情報を有する。それぞれのドライバ116R、116G、116Bはおのおの各画素の各色の情報に応じて半導体レーザーダイオードに電流を印加する。
【0019】
光射出ユニット120は、光源部130と、走査ミラー部200と、を備える。
図6は、光射出ユニット120の斜視図であり、光源部130と走査ミラー部200とはユニット化されている。
光源部130は、3色のレーザーダイオード132R、132G、132Bと、複数のミラー133A、133B、133C、133Dと、複数の集光レンズ134と、を有する。
レーザーダイードとしては、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色用に赤色レーザーダイオード132R、緑色レーザーダイオード132Gおよび青色レーザーダイオード132Bが設けられている。
【0020】
ミラー133B、133Cはそれぞれ所定の波長の色を透過または反射させるダイクロイックミラーである。
光源部130における光の経路を簡単に説明すると、第1ミラー133Aは緑色レーザーを直角に反射して反射光を赤色レーザーの光路に導く。第2ミラー133Bは、赤色レーザーを透過させるとともに緑色レーザーを反射して両者を合波する。第3ミラー133Cは、前記第2ミラー133Bからの光を透過させるとともに青色レーザーを反射する。
これにより三つのレーザー光を一軸に合波した光束として、最後に第4ミラー133Dによって前記光束を走査ミラー部200に所定の角度で入射させる。このようにして、光源部130は、映像信号を光信号に変換する。
なお、光路上に集光レンズ134が適宜配置されており、レーザー光を集光させる。
各集光レンズの光学特性および配置位置は、次段の結像光学系150との関係で決定される。
【0021】
なお、図6において、光射出ユニット120の背面側に回路基板が設けられ、この回路基板上に画像信号処理部110とタイミング処理部160とが組み込まれており、全体としてモジュール化されている。
【0022】
次に、走査ミラー部200の構成を説明する。
走査ミラー部200は、いわゆるMEMSデバイスであって、半導体集積回路の加工技術を応用して製造される。走査ミラー部200は、互いに直交する二つの揺動軸を有する二軸駆動可能であって、一面にミラーを有する。ミラーを揺動させることにより、画像光束をラスタースキャンさせる。走査ミラー部200は、光源部130からの光信号の光束を反射させて走査し、投影面に画像を表示させる。
【0023】
走査ミラー部200の典型的構造を図7を参照して説明する。
図7において、(A)は走査ミラー部200の平面図であり、(B)は断面模式図である。
なお、断面模式図においては、見易いように、誤解のない範囲でハッチングは省略した。
また、説明の都合上、図7(A)において、上下方向をy軸方向、左右方向をx軸方向として説明する。
【0024】
走査ミラー部200は、光を主走査方向および副走査方向に偏向させるように二軸駆動する光偏向素子210と、光偏向素子210を支える支持基台部250と、を備える。
光偏向素子210は、Si(シリコン)ウェハから周知の半導体プロセスで作製される。
光偏向素子210は、図7(A)においてx軸方向の両端に配置された二つの支持部220L,220Rと、前記二つの支持部の間において全体として副走査方向に揺動する副走査揺動体部230と、二つ支持部と副走査揺動体部230とを繋ぐ二つのアーム240L、240Rと、を有する。
二つのアーム240L、240Rは、上下方向のほぼ中央で支持部220L,220Rと副走査揺動体部230とを繋ぎ、これにより、副走査揺動軸Xsを揺動軸として副走査揺動体部230が揺動可能になっている。
【0025】
次に、副走査揺動体部230は、枠を構成する枠体231と、枠体231の枠内において枠体231から離間した状態で支持された主走査揺動片部232と、枠体231の内縁と主走査揺動片部232とを繋ぐ四つのL型梁部233A、233B、233C、233Dと、四つの圧電素子234A、234B、234C、234Dと、ミラー235と、二つの磁石236U、236Dと、を備える。
【0026】
L型梁部233A、233B、233C、233Dは、枠体231のうちのy軸に平行な内辺と、主走査揺動片部232のx軸に平行な辺と、を連結している。
このとき、L型梁部233A、233B、233C、233Dは、主走査揺動片部232の左右中央に近接した位置において主走査揺動片部232と連結されている。これにより、主走査揺動軸Ysを揺動軸として主走査揺動片部232が揺動可能になっている。
【0027】
そして、四つL型梁部233A、233B、233C、233Dにおいて、x軸に平行な部分に圧電素子234A、234B、234C、234Dが配置されている。圧電素子234A、234B、234C、234Dは、詳しくは図示しないが、下部電極と上部電極との間に圧電体膜を挟んだ積層構造である。
【0028】
ミラー235は、主走査揺動片部232の一面に形成されている。ミラーは、反射率の高い金属(例えばAlやAu)の蒸着によって形成できる。
ここまでの構造で明らかなように、ミラー235は、アーム240L、240Rによる支持によって副走査方向に揺動するとともに、L型梁部233A、233B、233C、233Dの支持によって主走査方向にも揺動できる。
【0029】
二つの磁石236U、236Dは、主走査揺動片部232においてy軸に沿った上下にそれぞれ配置されている。
ミラー235が形成された面を表面とすると、磁石236U、236Dは副走査揺動体部230の裏面に貼設されている。
【0030】
支持基台部250は、台部251と、二つの電磁コイル252U、252Dと、を有する。
電磁コイル252U、252Dは、それぞれ磁石236U、236Dと対になるように配置されている。
【0031】
最後に、電気的配線について説明する。
4つの圧電素子234A、234B、234C、234Dが設けられているところ、二つの圧電素子234A、234Bで主走査揺動片部232に振動を誘起し、二つの圧電素子234C、234Dで主走査揺動片部232の振動を検出する。
すなわち、図7(A)において、主走査揺動軸Ysを間にして左側に配置されている二つの駆動用圧電素子234A、234Bには駆動信号を印加する。すると、左側の二つの駆動用圧電素子234A、234Bの振動がL型梁部233A、233Bを介して主走査揺動片部232に伝達され、主走査揺動片部232が主走査揺動軸Ysを揺動軸として揺動する。
また、主走査揺動軸Ysを間にして右側に配置されている二つの検出用圧電素子234C、234Dで主走査揺動片部232の振動を検出する。
ここで、検出用圧電素子234C、234Dから得られる振動検出信号に対して所定の位相差をもった駆動電圧信号を駆動用圧電素子234A、234Bにフィードバックすることにより、主走査揺動片部232を共振駆動させることができる。
【0032】
また、電磁コイル252U、252Dには、所定周期で副走査揺動体部230を揺動させる駆動電流を印加する。
これにより、電磁コイル252U、252Dと磁石236U、236Dとが反発および接近を交互に繰り返し、副走査揺動体部230が副走査揺動軸Xsを揺動軸として揺動する。
副走査方向の揺動は、非共振駆動であり、画像データの垂直駆動の周期に合わせて調整される。
【0033】
次に、結像光学系150について説明する。
図8は、光射出ユニット120から発射された画像光束L1が見る人の眼に到達するまでの光路を示す図である。
なお、結像光学部150の構成は、光射出ユニット120から射出された画像光束L1を見る人の眼に導くものであればよく、特定の構成に限定されるものではない。
結像光学部150は、平面ミラー151、スクリーン152と、平面ミラー153と、凹面ミラー154と、コンバイナ(combiner)としてのフロントガラス11と、を備える。
スクリーン152は、光透過型のものであり、拡散板やマイクロレンズをマトリックス状に配列した所謂マイクロレンズアレイなどで構成される。
マイクロレンズアレイは、レーザー特有のスペックルを低減する効果があり、放射角や色ムラを考慮して最適設計されている。
走査ミラー部200で反射された光束L1は、スクリーン152上で一旦中間像を結ぶ。その後、平面ミラー153、凹面ミラー154、フロントガラス11での反射を介して画像光束L1は見る者の眼に届く。
また、コンバイナとしてのフロントガラス11において、画像光束L1と外界からの実景とがオーバーレイされる。
【0034】
タイミング処理部160は、ミラー駆動制御回路161と、振動検出部162と、タイミング調整部170と、を備える。
【0035】
タイミング処理部160は、走査ミラー部200の主走査駆動制御、走査ミラー部200の副走査駆動制御、および、画像信号処理部110での画像処理タイミングを走査ミラー部200の駆動に合わせるためのタイミング信号の生成等を行う。
【0036】
ミラー駆動制御回路161は、走査ミラー部200の主走査駆動制御を行う主走査駆動制御部161Hと、走査ミラー部200の副走査駆動制御を行う副走査駆動制御部161Vと、を備える。
【0037】
まず、走査ミラー部200の主走査駆動制御について説明すると、走査ミラー部200の検出用圧電素子234C、234Dからの検出信号を振動検出部162で検出する。
振動検出部162は、例えば、増幅回路やフィルタで構成することができる。振動検出部162は、検出した振動検出信号Snを主走査駆動制御部161H、及びタイミング調整部170に出力する。
この振動検出信号Snを主走査駆動制御部161Hにフィードバックし、図9(B)のように走査ミラー部200が主走査方向で共振するように位相調整を行い、主走査駆動制御信号SHとして駆動用圧電素子234A、234Bに印加する。図9からわかるように、振動検出信号Snと主走査駆動制御信号SHとは、位相がずれているが、波長は同じである。
なお、主走査駆動制御信号SHは、パルス化してもよい。
これにより、走査ミラー部200を主走査方向においては共振駆動させる。
【0038】
一方、副走査駆動制御部161Vは、画像データの垂直駆動の周期に合わせて走査ミラー部200を副走査方向に非共振駆動させる。
副走査方向の振動周波数は、例えば、VGAであれば60Hzである。
副走査駆動制御部161Vは、主走査駆動制御部161Hから出力される主走査駆動制御信号SHとタイミングを合わせながら、60Hzで走査ミラー部200を副走査方向で揺動させる副走査駆動信号SVを出力する。
図10に、副走査駆動信号SVを例示すると、副走査駆動信号SVは三角波であり、上から下には480本の主走査線を描画するだけの時間を確保するために比較的遅く揺動させ、下から上への戻りは素早く駆動させる。
【0039】
タイミング調整部170は、振動検出信号Snに基づいて、画像信号処理部110のタイミングを調整するためのタイミング信号を出力する。タイミング信号としては、例えば、ドットクロック、及び表示期間指示信号である。そして、タイミング調整部170からのタイミング信号によって、メモリコントローラ113の読み出し及び書き込み処理、光源駆動部116の駆動処理、データバッファ115からの転送処理が制御される。各色の輝度、主走査、副走査の駆動が同期することにより、各画素が適切に描画され、これによって、所望の画像データが描画されることになる。タイミング調整については、既知の手法を用いることができるため、説明を省略する。
【0040】
さらに、図3に示すように、画像表示装置100は、制御部23を有している。また、自動車10には、バッテリ21と、ドア・キー状態検出部22が設けられている。バッテリ21は、画像表示装置100や、図示しないエアコン、オーディオ、計器盤、パワーウィンドウ、ワイパー等の電気機器に電源を供給する。ドア・キー状態検出部22は、機械的又は電気的なセンサ等を有しており、ドア12が開いているか否か、及びドア12がロックしているか否かを検出する。すなわち、ドア・キー状態検出部22は、ドア12の開閉状態、及びドア12のキー状態を検出する。そして、ドア・キー状態検出部22は、検出結果に応じた検出信号を制御部23に出力する。制御部23は、バッテリ21から画像表示装置100への電源供給を制御する。例えば、運転者Pがキーを回してACCポジションになると、ドア・キー状態検出部22が、ACCオンとなったことを検出する。そして、ドア・キー状態検出部22は、制御部23に検出信号を出力する。これにより、制御部23が、画像表示装置100が画像表示を行うように、画像表示装置100全体に電源を供給する。
【0041】
さらに、ドア・キー状態検出部22が検出したドア12の開閉状態又はキー状態に応じて、制御部23が画像表示装置100に対する電源供給を選択的に制御する。すなわち、制御部23が、画像表示装置の一部に対して、電源供給を開始する。例えば、制御部23は、光源部130、画像信号処理部110、及びタイミング処理部160等へ電源が供給されていない状態で、走査ミラー部200に電源を供給する。従って、光源部130からの光が出射される前に、走査ミラー部200に電源供給を開始する。こうすることで、走査ミラー部200が予め動作する。光源部130が動作していない状態で、走査ミラー部200が動作する。これにより、走査ミラー部200の動作を速やかに安定させることができ、画像表示装置100の実質的な起動時間を短縮することができる。制御部23は、画像表示装置100全体が動作して、画像表示が行われる表示モードと、走査ミラー部200のMEMSミラーのみを事前に動作させるエージングモードとを切り替える。よって、速やかに画像表示を行うことができる。
【0042】
具体的な制御方法について、図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態にかかる画像表示装置100の制御方法を示すフローチャートである。まず、運転者Pが自動車に乗っていない状態では、電源が全く供給されておらず、HUDである画像表示装置100が停止している(ステップS11)。そして、ドア・キー状態検出部22が、ドア12がオープンになったこと、又はドアロックが開錠したことを検出する(ステップS12)。すると、ドア・キー状態検出部22が検出信号を制御部23に出力する。すると、制御部23は、ただちに走査ミラー部200への電源供給を開始して、走査ミラー部200を動作させる(ステップS13)。すなわち、エージングモードとなり、走査ミラー部200のみが動作する。このとき、制御部23は、光源部130等には電源を供給していない。従って、光源部130は動作しておらず、光源部130のレーザーダイオードがレーザー光を出射していない。
【0043】
そして、ドア・キー状態検出部22が、ACCがONになっているか否かを判定する(ステップS14)。キーがACCポジションにない場合(ステップS14のNo)、ステップS12に戻る。従って、ドア12の開状態になっている、又は、ドアロックが開錠状態になっている場合は、引き続き走査ミラー部200が動作する。また、ACCをONする前に、運転者Pがドア12を閉めて、施錠すると、走査ミラー部200のMEMSミラーの動作が停止する。
【0044】
一方、ACCがONになると(ステップS14のYes)、HUDである画像表示装置100を起動する(ステップS15)。すなわち、制御部23が、画像表示装置100全体に電源を供給して、画像表示モードにする。これにより、画像信号処理部110、光源部130、タイミング処理部160などに電源が供給される。よって、画像表示装置100が動作を開始して、所望の画像を表示する。
【0045】
このようにすることで、走査ミラー部200の走査を速やかに安定させることができ、画像表示装置100の実質的な起動時間を短縮することができる。エンジンの始動と同時に画像を表示することが可能になる。さらに、制御部23が走査ミラー部200のみを動作させている。すなわち、画像信号処理部110、光源部130、タイミング処理部160の電源供給に先立って、走査ミラー部200への電源供給を開始するよう、制御部23が電源供給を制御している。走査ミラー部200以外に電源供給をしないため、消費電力を低減することができる。例えば、光源部130に電源が供給されないため、運転者Pがいない状態でレーザー光が出射されるのを防ぐことができる。さらには、画像信号処理部110や、タイミング処理部160を構成するマイコンを動作させなくてもよい。これにより、消費電力を低減することができる。
【0046】
さらに、ドア12のキーが開錠状態になってACCがオンとなるまでの期間が一定時間以上となった場合、走査ミラー部200の動作を停止してもよい。こうすることで、消費電力をより低減する低減することができる。例えば、走査ミラー部200が動作したら、タイマーを起動する。タイマーの時間が予め設定された時間以上となったら、制御部23が走査ミラー部200への電源供給を停止させる。すなわち、走査ミラー部200が動作してから画像表示が行われるまで時間が所定の時間以上となったら、走査ミラー部200の動作を停止する。こうすることで、運転者Pが施錠を忘れた場合でも、走査ミラー部200が動作し続けることを防ぐことができる。よって、消費電力を低減することができる。
【0047】
開錠した後、運転者Pが乗車せずに、開錠状態が一定時間以上続くと自動ロックされる自動車10がある。このような、自動車10では、自動ロックによる施錠とともに、走査ミラー部200の動作を停止させればよい。こうすることで、消費電力を低減することができる。
【0048】
ドア・キー状態検出部22は、自動車10に既設のセンサを用いることができる。すなわち、自動車10に設けられているドア12やドアのキー状態を検出するセンサ等からの信号を利用すればよい。これにより、自動車10に新たなセンサ等を設ける必要が無くなる。よって、簡便な構成で、走査ミラー部200を安定させることができる。
【0049】
また、走査ミラー部200は、上記のように主走査方向(水平方向)においては共振駆動しており、副走査方向(垂直方向)においては非共振駆動している。この場合、共振駆動の主走査方向にのみ動作するように制御部23が電源供給を制御するようにしてもよい。例えば、二つの圧電素子234A、234Bのみに所定の電圧を印加するように、主走査駆動制御部161Hが駆動制御する。共振駆動の走査方向のみを動作させて、予め自己共振させておく。すなわち、非共振駆動よりも安定動作に長い時間が必要な共振駆動の揺動軸のみを事前に動作させる。予め起動する機器を少なくすることができ、より消費電力を低減することにできる。さらに、二つの圧電素子234A、234Bに一定電圧を印加するようにしてもよい。こうすることで、フィードバック制御等が不要になり、予め立ち上げる機器をより少なくすることができる。例えば、マイコンであるタイミング処理部160を立ち上げなくてもよいため、より消費電力を低減することができる。
【0050】
(変形例)
本実施の形態の変形例では、キー13が、スマートキーとなっている。画像表示装置100の構成等については、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。スマートキーでは、内蔵された送信機が鍵データ(固有ID)を含む電波を送信している。従って、適切なキー13を持った運転者Pが自動車10に近づくと、自動車10がこの電波を受信する。そして、自動車10が電波に含まれる鍵データを照合する。照合結果が正しいと認証されれば、ドア12が開錠及び施錠可能な状態になる。照合を認証した状態で、運転者Pがドア12のノブ等に設けられているスイッチを押すことで、ドア12のロックが開錠する。一方、照合が認証されない場合、すなわち、適切なキー13を持つ運転者Pが自動車10から一定距離以上離れている状態では、ドア12が開錠しない。
【0051】
変形例にかかる制御方法について、図12を用いて説明する。図12は、変形例にかかる制御方法を示すフローチャートである。まず、運転者Pが自動車10から一定距離以上離れている状態では、HUDである画像表示装置100が停止している(ステップS21)。運転者Pが自動車10に近づくと、キー13と自動車10との通信が行われる。そして、ドア・キー状態検出部22が、照合を行い、適切なスマートキーであるか否かを判定する(ステップS22)。適切なスマートキーでない場合(ステップS22のNo)適切なスマートキーであることを検出するまで、ステップS22の判定を行う。
【0052】
適切なスマートキーであることを検出したら(ステップS22のYes)、走査ミラー部200を動作させる(ステップS23)。すなわち、スマートキーの認証が行われたら、走査ミラー部200を事前に動作させて、エージングモードとする。ミラー動作後、ACCがONとなったら(ステップS24)、HUDである画像表示装置100を起動する(ステップS25)。すなわち、制御部23が、画像表示装置100全体に電源を供給する。これにより、画像信号処理部110、光源部130、タイミング処理部160などに電源が供給され、表示モードとなる。よって、画像表示装置100が動作を開始して、所望の画像を表示する。
【0053】
この制御であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。例えば、スマートキーが認証された後、運転者Pが自動車10に乗るためにドアを開錠する。そして、運転者Pが、自動車10に乗って、エンジンを始動する。この間、実施の形態1と同様に、走査ミラー部200が動作している。よって、エンジン始動後速やかに画像を表示することができる。スマートキーの認証後、ACCがONするまでの間、走査ミラー部200が動作している。ACCがONして、画像表示装置100が画像を表示するよりも前に、走査ミラー部200を動作させることができる。よって、速やかに安定させることが可能になる。また、スマートキーとの通信が途絶えたら、走査ミラー部200の動作が停止する。こうすることで、より消費電力を低減することができる。
【0054】
さらに、本変形例では、ドア12の開錠やドア12のオープンよりも早く、走査ミラー部200に電源供給を行うことができる。これにより、走査ミラー部200の動作をより早く安定させることができる。また、走査ミラー部200を動作後、運転者Pがドアロックを開錠せずに、自動車10から離れることもある。この場合、スマートキーが一度検出された後に、スマートキーが検出されなくなる。よって、スマートキーが検出されなくなった場合は、ステップS21に戻って、走査ミラー部200への電源供給を停止してもよい。これにより、運転者Pが搭乗しない場合に、走査ミラー部200が動作し続けることを防ぐことができる。また、スマートキーの照合結果を用いることで、自動車10に新たなセンサを設ける必要が無くなる。これにより、簡便な構成で制御することができる。
【0055】
(第2実施形態)
本実施の形態にかかる画像表示装置100について、図13を用いて説明する。図13は、実施の形態2にかかる画像表示装置100の制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、ペルチェ素子136と、温度センサ137と、温調計138とを備えた温度調整部135が設けられている。なお、温度調整部135以外の構成については、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。ペルチェ素子136は、光源部130に取り付けられた熱電素子であり、光源部130のレーザーダイオードの温度を変更する。すなわち、ペルチェ素子136は、光源部130を加熱、又は冷却する。なお、ペルチェ素子136以外の素子を用いてもよく、加熱及び冷却の一方のみを行う素子を用いてもよい。
【0056】
温度センサ137は光源部130又はその周辺の環境温度を測定する。温調計138は、温度センサ137で測定された温度に基づいて、ペルチェ素子136を制御する。具体的には、温調計138には、バッテリ21が接続されている。そして、温調計138がバッテリ21からペルチェ素子136に対する電源供給を制御する。これにより、光源部130が所望の温度になるように温度制御される。このように、温度調整部135が光源部130の温度を調整する。そして、実施の形態1の走査ミラー部200と同様に、温度調整部135を事前に動作させる。
【0057】
すなわち、制御部23が、ドア・キー状態検出部22の検出結果に応じて、温度調整部135を動作させるように電源供給を行う。これにより、走査ミラー部200の動作と同様に、温度調整部135を予め動作させることが可能である。具体的には、実施の形態1で示したように、ドア12が開いた状態になったとき、あるいはドア12のロックが開錠したときに、温度調整部135の温度制御を行う。あるいは、変形例で示したように、スマートキーの検出結果に応じて、温度調整部135の温度制御を行う。温度調整部135の制御は、走査ミラー部200の制御と同様にすることができる。光源部130の温度を安定させることができ、光源部130のレーザーダイオードを動作可能温度範囲内(例えば、0℃〜60℃)にすることができる。
【0058】
例えば、自動車10が寒冷地にある場合、環境温度が光源部130のレーザーダイオードの動作可能温度範囲の下限値よりも低くなってしまうことがある。この場合、温度調整部135のペルチェ素子136が光源部130を予め加熱しておく。これにより、画像表示装置100の画像表示が始まる前に、光源部130のレーザーダイオードが動作可能温度範囲内になる。また、自動車10が酷暑地にある場合、環境温度が光源部130のレーザーダイオードの動作可能温度範囲の上限値よりも高くなってしまう。この場合、温度調整部135のペルチェ素子136が光源部130を冷却する。これにより、画像表示装置100の画像表示が始まる前に、光源部130のレーザーダイオードが動作可能温度範囲内になる。
【0059】
なお、レーザーダイオードの発光による温度上昇を見込んで、温度調整を行ってもよい。この場合、動作可能温度範囲の上限値よりも一定以上低い温度になるよう温度調整を行う。例えば、動作可能温度範囲が0〜60℃の場合、55℃以下になるように、温度調整を行う。また、ペルチェ素子136は、光源部130の全てのレーザーダイオードを冷却、又は加熱するのではなく、一部のレーザーダイオードのみを冷却、又は加熱するようにしてもよい。例えば、温度条件の最も厳しいレーザーダイオードのみを温調するようにしてもよい。さらに、実施の形態1と同様に、タイマーによって、温度調整部135の温度調整を停止してもよい。
【0060】
なお、温度調整部135による動作は、走査ミラー部200による動作と組み合わせて行ってもよく、走査ミラー部200による動作を行わずに温度調整部135による動作のみを行ってもよい。すなわち、ドア・キー状態検出部22の検出結果に応じて、走査ミラー部200が動作をさせずに、温度調整部135のみを動作させてもよい。
【0061】
なお、画像表示装置100は、通常の自動車10に限らず、その他の特殊車両など、他の乗物に搭載されていてもよい。以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
10・・・自動車、11・・・フロントガラス、12・・・ドア、13・・・キー、
21・・・バッテリ、22・・・ドア・キー状態検出部、23・・・制御部、
100・・・画像表示装置、110・・・画像信号処理部、111・・・ビデオインターフェース、112・・・ビデオデコーダ、113・・・メモリコントローラ、113R・・・読出し部、113W・・・書込み部、114・・・フレームメモリ、115・・・データバッファ、116・・・光源駆動部、116B・・・青色ドライバ、116G・・・緑色ドライバ、116R・・・赤色ドライバ、120・・・光射出ユニット、130・・・光源部、132B・・・青色レーザーダイオード、132G・・・緑色レーザーダイオード、132R・・・赤色レーザーダイオード、133A・・・ミラー、133B・・・ミラー、133D・・・ミラー、134・・・集光レンズ、135・・・温度調整部、136・・・ペルチェ素子、137・・・温度センサ、138・・・温調計、150・・・結像光学系、151・・・平面ミラー、152・・・スクリーン、153・・・平面ミラー、154・・・凹面ミラー、160・・・タイミング処理部、161・・・ミラー駆動制御回路、161H・・・主走査駆動制御部、161V・・・副走査駆動制御部、162・・・振動検出部、170・・・タイミング調整部、171・・・周期検出部、172・・・周波数逓倍部、173・・・ドットクロック供給部、174・・・表示期間指示部、200・・・走査ミラー部、210・・・光偏向素子、230・・・副走査揺動体部、231・・・枠体、232・・・主走査揺動片部、233A、233B、233C、233D・・・L型梁部、234A、234B、234C、234D・・・圧電素子、235 ミラー、236U、236D・・・磁石、240L、240R・・・アーム、・・・支持基台部、251・・・台部、252U、252D・・・電磁コイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図6