(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記領域設定手段は、前記検索基準点毎に前記多角形領域を形成し、隣り合う前記多角形領域が互いに重複しないように前記多角形領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の情報検索システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の記載の技術では、サンプリング点の間隔を広げ過ぎると地点情報の検索洩れが生じるので、サンプリング点の間隔をある程度狭く設定しなければならず、その結果、必然的に隣接するサンプリング点間の検索範囲の一部が互いに重複することとなっていた。特に、地点情報の検索対象とする経路が複雑な形状を有する場合には、重複する範囲が広くなる。その結果、上記特許文献1の記載の技術では、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理を行うこととなり、処理負担が増加することとなっていた。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、経路周辺の地点情報の検索を行う場合に、検索範囲を重複することなく設定可能であり、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、処理負担を軽減することを可能にした情報検索システム、情報検索装置、情報検索方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る情報検索システム(1)は、周辺の地点情報の検索対象となる検索対象経路(70)を取得する経路取得手段(11、41)と、前記検索対象経路上に複数の検索基準点(71)を設定する基準点設定手段(11、41)と、
前記検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出する座標算出手段と、前記座標算出手段により算出された座標に基づいて、前記検索対象経路の一部を含むとともに互いに隣接する複数の多角形領域(72)を設定する領域設定手段(11、41)と、前記領域設定手段により設定された複数の前記多角形領域毎に、該多角形領域内にある地点情報を検索する情報検索手段(11、41)と、前記情報検索手段により検索された前記地点情報を提供する情報提供手段(11、41)と、を有
し、前記座標算出手段は、最下位ビットから所定数のビットをマスクするマスク値を算出し、前記検索基準点の座標が示す2進数のビットパターンである第1ビットパターンを、前記マスク値を用いてマスクしたビットパターンである第2ビットパターンを算出し、前記第2ビットパターンが示す座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出することを特徴とする。
尚、「地点情報」としては、例えば当該地点にある施設に関する情報や、該地点の地名に関する情報等がある。
【0008】
また、請求項2に係る情報検索システム(1)は、請求項1に記載の情報検索システムにおいて、前記領域設定手段(11、41)は、前記検索基準点(71)毎に前記多角形領域(72)を形成し、隣り合う前記多角形領域が互いに重複しないように前記多角形領域を設定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項
3に係る情報検索システム(1)は、請求項
1又は請求項2に記載の情報検索システムにおいて、前記基準点設定手段(11、41)は、前記検索基準点(71)を前記検索対象経路(70)に沿って所定間隔で設定し、前記検索基準点が設定される前記所定間隔が長い程、前記マスク値によりマスクされるビット数が多くなることを特徴とする。
【0012】
また、請求項
4に係る情報検索システム(1)は、請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載の情報検索システムにおいて、前記多角形領域(72)は正方形形状を有し、前記基準点設定手段(11、41)は、前記検索基準点(71)を前記検索対象経路(70)に沿って所定間隔で設定し、前記検索基準点が設定される前記所定間隔が長い程、前記正方形形状の一辺の長さが長くなることを特徴とする。
【0013】
また、請求項
5に係る情報検索システム(1)は、請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の情報検索システムにおいて、前記領域設定手段(11、41)は、前記検索対象経路(70)の全経路がいずれかの前記多角形領域(72)に含まれるように前記多角形領域を設定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項
6に係る情報検索システム(1)は、請求項1乃至請求項
5のいずれかに記載の情報検索システムにおいて、出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段(11、41)を有し、前記検索対象経路(70)は、前記案内経路であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項
7に係る情報検索装置(5)は、周辺の地点情報の検索対象となる検索対象経路(70)を取得する経路取得手段(41)と、前記検索対象経路上に複数の検索基準点(71)を設定する基準点設定手段(41)と、
前記検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出する座標算出手段と、前記座標算出手段により算出された座標に基づいて、前記検索対象経路の一部を含むとともに互いに隣接する複数の多角形領域(72)を設定する領域設定手段(41)と、前記領域設定手段により設定された複数の前記多角形領域毎に、該多角形領域内にある地点情報を検索する情報検索手段(41)と、前記情報検索手段により検索された前記地点情報を提供する情報提供手段(41)と、を有
し、前記座標算出手段は、最下位ビットから所定数のビットをマスクするマスク値を算出し、前記検索基準点の座標が示す2進数のビットパターンである第1ビットパターンを、前記マスク値を用いてマスクしたビットパターンである第2ビットパターンを算出し、前記第2ビットパターンが示す座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出することを特徴とする。
【0016】
また、請求項
8に係る情報検索方法は、
経路取得手段が、周辺の地点情報の検索対象となる検索対象経路(70)を取得する経路取得ステップと、
基準点設定手段が、前記検索対象経路上に複数の検索基準点(71)を設定する基準点設定ステップと、
座標算出手段が、前記検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出する座標算出ステップと、領域設定手段が、前記座標算出ステップにより算出された座標に基づいて、前記検索対象経路の一部を含むとともに互いに隣接する複数の多角形領域(72)を設定する領域設定ステップと、
情報検索手段が、前記領域設定ステップにより設定された複数の前記多角形領域毎に、該多角形領域内にある地点情報を検索する情報検索ステップと、
情報提供手段が、前記情報検索ステップにより検索された前記地点情報を提供する情報提供ステップと、を有
し、前記座標算出手段は、最下位ビットから所定数のビットをマスクするマスク値を算出し、前記検索基準点の座標が示す2進数のビットパターンである第1ビットパターンを、前記マスク値を用いてマスクしたビットパターンである第2ビットパターンを算出し、前記第2ビットパターンが示す座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出することを特徴とすることを特徴とする。
【0017】
更に、請求項
9に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ
を、周辺の地点情報の検索対象となる検索対象経路(70)を取得する経路取得
手段と、前記検索対象経路上に複数の検索基準点(71)を設定する基準点設定
手段と、
前記検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出する座標算出手段と、前記座標算出手段により算出された座標に基づいて、前記検索対象経路の一部を含むとともに互いに隣接する複数の多角形領域(72)を設定する領域設定
手段と、前記領域設定
手段により設定された複数の前記多角形領域毎に、該多角形領域内にある地点情報を検索する情報検索
手段と、前記情報検索
手段により検索された前記地点情報を提供する情報提供
手段と、
して機能させる為のコンピュータプログラムであって、前記座標算出手段は、最下位ビットから所定数のビットをマスクするマスク値を算出し、前記検索基準点の座標が示す2進数のビットパターンである第1ビットパターンを、前記マスク値を用いてマスクしたビットパターンである第2ビットパターンを算出し、前記第2ビットパターンが示す座標を前記多角形領域の頂点の座標として算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
前記構成を有する請求項1に記載の情報提供システムによれば、検索対象経路の経路周辺の地点情報の検索を行う場合に、検索対象経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。その結果、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、地点情報の検索に係る処理負担を軽減し、処理速度についても上昇させることが可能となる。
また、検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を多角形領域の頂点の座標として算出し、算出された座標に基づいて地点情報の検索範囲として多角形領域を設定するので、検索対象経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。
また、シフト演算やAND演算等のビット演算を用いることによって多角形領域の頂点の座標を算出するので、加減算や乗除算を行う場合と比較して、多角形領域の頂点の座標を算出する為の演算処理速度を高速にすることが可能となる。従って、ユーザに対して長時間の待ち時間を発生させることなく、地点情報の迅速な提供が可能となる。
【0019】
また、請求項2に記載の情報提供システムによれば、検索基準点毎に多角形領域を形成し、隣り合う多角形領域が互いに重複しないように設定されるので、検索基準点の配置間隔が特に狭い場合であっても、多角形領域が重複して設定されることがない。また、検索基準点毎に多角形領域を設定するので、複数の多角形領域を検索対象経路に沿って適当な間隔で設定することが可能となる。
【0022】
また、請求項
3に記載の情報提供システムによれば、検索基準点を検索対象経路に沿って所定間隔で設定し、検索基準点が設定される所定間隔が長い程、マスク値によりマスクされるビット数を多くするので、検索基準点の配置間隔に応じて多角形領域の大きさを適切に設定することが可能となる。その結果、検索対象経路の周辺の必要な地点情報を洩れなく検索することが可能となる。
【0023】
また、請求項
4に記載の情報提供システムによれば、多角形領域は正方形形状を有し、検索基準点が設定される所定間隔が長い程、正方形形状の一辺の長さを長くするので、検索基準点の配置間隔に応じて多角形領域の大きさを適切に設定することが可能となる。特に、多角形形状を正方形形状として場合であっても、検索対象経路の周辺の必要な地点情報を洩れなく検索することが可能となる。
【0024】
また、請求項
5に記載の情報提供システムによれば、検索対象経路の全経路がいずれかの多角形領域に含まれるように多角形領域を設定するので、検索対象経路周辺の地点情報を洩れなく検索することが可能となる。
【0025】
また、請求項
6に記載の情報提供システムによれば、特に出発地から目的地までの案内経路の経路周辺の地点情報の検索を行う場合に、案内経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。その結果、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、地点情報の検索に係る処理負担を軽減し、処理速度についても上昇させることが可能となる。
【0026】
また、請求項
7に記載の情報提供装置によれば、検索対象経路の経路周辺の地点情報の検索を行う場合に、検索対象経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。その結果、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、地点情報の検索に係る処理負担を軽減し、処理速度についても上昇させることが可能となる。
【0027】
また、請求項
8に記載の情報提供方法によれば、検索対象経路の経路周辺の地点情報の検索を行う場合に、検索対象経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。その結果、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、地点情報の検索に係る処理負担を軽減し、処理速度についても上昇させることが可能となる。
【0028】
更に、請求項
9に記載のコンピュータプログラムによれば、検索対象経路の経路周辺の地点情報の検索を行わせる場合に、検索対象経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定させることが可能となる。その結果、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、地点情報の検索に係る処理負担を軽減し、処理速度についても上昇させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る情報検索システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る情報検索システム1の概略構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る情報検索システム1を示した概略構成図である。
図2は本実施形態に係る情報検索システム1の構成を示したブロック図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る情報検索システム1は、サーバ2を備えた情報センタ3と、ユーザ4が所有する通信端末5とから基本的に構成されている。尚、通信端末5としては例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、PC、車両に搭載された車載器としてのナビゲーション装置等がある。また、ユーザ4は車両や車両以外の移動手段(例えば電車、自転車、徒歩等)による移動中であっても良いし、移動していない状態であっても良い。また、情報センタ3と通信端末5とは通信ネットワーク網6を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。
【0032】
ここで、情報センタ3は、地図情報や交通情報を記憶したDBを備え、通信端末5から要求があった場合に、該当するエリアの地図情報や交通情報を通信端末5に対して配信する。また、通信端末5から経路探索の要求があった場合には、指定された出発地から目的地までの経路探索を行い、探索された案内経路に関する情報を通信端末5に対して配信する。更に、探索された案内経路周辺の地点情報を検索し、検索された地点情報についても配信する。尚、経路探索の要求があった場合には、経路探索処理については通信端末5で実行させ、地点情報の検索のみを情報センタ3で行う構成としても良い。また、地図情報は情報センタ3から通信端末5に配信するのではなく、通信端末5の有する記憶手段(メモリ等)に予め記憶させる構成としても良い。
【0033】
一方、通信端末5は、GPS等の通信端末5の現在位置(即ちユーザ4の現在位置)を特定する為の機能やユーザ4の現在位置周辺の地図画像を表示する機能を備えた情報通信端末が用いられ、例えばナビゲーション装置、携帯電話機、タブレット型端末、スマートフォン、PC等が該当する。また、通信端末5がスマートフォン等の複数のアプリケーションをそれぞれ実行可能な端末である場合には、アプリケーションの一つとしてナビゲーションアプリがインストールされている。ここで、ナビゲーションアプリは、通信端末5においてナビゲーション機能(以下、ナビ機能という)を実行するアプリケーションである。ナビ機能としては、サーバ2から取得したりメモリに格納された地図情報や交通情報に基づいて通信端末5(ユーザ4)の現在位置周辺の地図画像や交通情報を表示したり、表示された地図画像中において通信端末5(ユーザ4)の現在位置を表示したり、設定された出発地から目的地までの経路の探索及び案内をしたり、経路周辺の施設や地名等の地点情報を案内する機能等がある。また、通信端末5は、後述の送受信回路部(RF)33を介して通信ネットワーク網6に接続され、情報センタ3と双方向通信可能に構成されている。尚、ナビゲーションアプリは、上記ナビ機能の全てを必ずしも備えている必要はなく、少なくとも1以上のナビ機能を有していれば本願発明を構成することが可能である。また、通信端末5の詳細については後述する。
【0034】
また、通信ネットワーク網6は全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。
ここで、基地局は通信端末5との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網6の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にある通信端末5の通信を情報センタ3との間で中継する役割を持つ。
【0035】
続いて、情報検索システム1を構成するサーバ2の構成について
図2を用いてより詳細に説明する。サーバ2は、
図2に示すようにサーバ制御ECU11と、サーバ制御ECU11に接続された情報記録手段としての地図情報DB12と、センタ通信装置13とから基本的に構成されている。
【0036】
サーバ制御ECU11は、
図2に示すようにサーバ2における各種制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、各種制御プログラムの他、後述の地点情報検索処理プログラム(
図6)等が記憶されたROM23等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御ECU11は、通信端末5のECUとともに処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、経路取得手段は、周辺の地点情報の検索対象となる経路(以下、検索対象経路という)を取得する。基準点設定手段は、検索対象経路上に複数の検索基準点を設定する。領域設定手段は、検索基準点に基づいて、検索対象経路の一部を含むとともに互いに隣接する複数の多角形領域を地点情報の検索範囲として設定する。情報検索手段は、複数の多角形領域毎に、該多角形領域内にある地点情報を検索する。情報提供手段は、情報検索手段により検索された地点情報を提供する。座標算出手段は、検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を多角形領域の頂点の座標として算出する。経路探索手段は、出発地から目的地までの案内経路を探索する。
【0037】
また、地図情報DB12は、地図情報が記憶される記憶手段である。ここで、地図情報DB12に格納されている地図情報は、道路網を始めとして経路探索及び地図表示に必要な各種情報が記録されており、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設や地名等に関する地点情報、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図を表示するための地図表示データ等から構成されている。尚、地図情報DB12は、定期的に新たな地図情報へと更新される。
【0038】
ここで、地点情報としては、通信端末5のナビ機能において出発地、目的地、案内対象となる施設等の地点に関する情報が記憶される。例えば、ホテル、旅館等の宿泊施設、ガソリンスタンド等の給油施設、ショッピングモール、スーパーマーケット、ショッピングセンタ等の商業施設、テーマパーク、ゲームセンタ等の娯楽施設、レストラン、バー、居酒屋等の飲食施設、公共駐車場等の駐車施設、交通施設、寺院、教会等の宗教施設、美術館、博物館等の公共施設等に関する情報が該当する。
ここで、
図3は地図情報として記憶される地点情報の一例を示した図である。
図3に示すように、地点情報は、施設毎に、施設の識別子である施設番号、施設の名称を示す施設名称、施設のジャンル(「駐車場」、「郵便局」、「レストラン」等)を示す施設ジャンル、施設の位置を示す位置座標等から構成されている。また、施設の位置を示す位置座標(緯度、経度)に関しては、後述のようにそれぞれ2進数のビットパターン(32ビット)によって記憶されている。
【0039】
そして、情報検索システム1は、後述のように通信端末5のナビ機能において出発地から目的地までの案内経路が設定された場合において、案内経路の周辺に位置する地点(施設等)に関する地点情報を地図情報DB12から検索し、検索された地点情報を地図情報DB12から取得する。そして、取得した地点情報に基づいて、検索された地点の位置、名称、現在位置からの距離、所要時間等を表示することにより、案内経路周辺の地点に関する情報をユーザに対して案内する(
図7参照)。
【0040】
また、センタ通信装置13は、通信端末5と通信ネットワーク網6を介して通信を行う為の通信装置である。
【0041】
次に、ユーザ4の有する通信端末5の概略構成について
図4を用いて説明する。
図4は本実施形態に係る通信端末5の制御系を模式的に示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように通信端末5はデータバスBUSに、CPU31と、通信端末5を所持するユーザ4に関するユーザ情報(ユーザID、氏名等)や地図情報等が記憶されたメモリ32と、通信ネットワーク網6の基地局との間で信号の送受信を行う送受信回路部(RF)33と、送受信回路部33において受信したRF(Radio Frequency)信号をベースバンド信号に変換するとともにベースバンド信号をRF信号に変換するベースバンド処理部34と、マイクロホン35及びスピーカ36等とのインターフェイスである入出力部37と、液晶表示パネル等で構成されたディスプレイ38と、タッチパネルやキーボード等から構成される入力操作部39と、GPS40とが接続されることにより構成されている。
【0043】
ここで、通信端末5に内蔵されるCPU31は、メモリ32に格納されている動作プログラムに従って種々の動作を実行する通信端末5の制御手段であり、メモリ32とともに通信端末ECU41を構成する。また、通信端末ECU41の各種処理内容は必要に応じてディスプレイ38に表示される。
【0044】
また、メモリ32は通信端末5を所持するユーザ4に関するユーザ情報(ユーザID、氏名等)や地図情報の他、インストールされたアプリケーションプログラム、後述の地点情報検索処理プログラム(
図6)等が記憶された記憶媒体である。尚、地図情報はメモリ32に記憶せずにサーバから通信により取得する構成としても良い。また、メモリ32は、ハードディスク、メモリーカード、CDやDVD等の光ディスク等により構成しても良い。
【0045】
また、ディスプレイ38は、筐体の一面に配設されており、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等が用いられる。そして、通信端末5にインストールされている各種アプリケーションを実行する為のトップ画面や、実行されたアプリケーションに係る画面(インターネット画面、メール画面、ナビゲーション画面等)や、画像、動画等の各種情報が表示される。特に、ナビゲーションアプリを実行した場合に表示されるナビゲーション画面では、道路を含む地図画像、交通情報、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報等についても表示される。
【0046】
ここで、
図5は特に通信端末5においてナビゲーションアプリが起動された場合に、ディスプレイ38に表示されるナビゲーション画面45の一例について示した図である。
図5に示すように、ナビゲーション画面45には、通信端末5周辺の地図画像46と、通信端末5(即ちユーザ4)の地図上に特定された現在位置を示す現在位置マーク47が表示される。また、地点登録や経路探索を行う際等に操作される各種操作ボタン48〜50についても表示される。また、現在位置周辺の渋滞情報や交通規制等の交通情報(例えば、
図5に示す例では工事による通行規制を示すマーク51)についても表示される。更に、通信端末5において目的地までの案内経路が設定された場合には、地図画像上で案内経路に沿って描かれた案内経路線や、目的地の位置を示す目的地マークや、案内経路周辺の地点情報についても表示される(
図7参照)。そして、ユーザはディスプレイ38に表示されたナビゲーション画面45を参照することによって、ユーザ周辺の道路形状や交通状況、目的地までの経路、経路周辺の施設等を把握することが可能となる。
【0047】
また、入力操作部39は、ディスプレイ38の前面に設けられたタッチパネルによって構成されている。そして、通信端末ECU41は、タッチパネルの押下等により出力される電気信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。特に本実施形態では、トップ画面におけるアイコンの操作や、起動されたアプリケーションでの各種選択及び入力操作等に用いられる。尚、入力操作部39は、番号/文字入力キー、表示された内容を選択するためのカーソルを動かすカーソルキー、選択を確定する決定キー等の各種キー等により構成することもできる。
【0048】
また、GPS40は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、通信端末5(即ちユーザ4)の現在位置及び現在時刻を検出可能とする。また、GPS40以外にも通信端末5の現在位置や方位を検出する為の他の装置(例えばジャイロセンサ等)を備える構成としても良い。
【0049】
続いて、前記構成を有する情報検索システム1を構成する通信端末5及びサーバ2において実行する地点情報検索処理プログラムについて
図6に基づき説明する。
図6は本実施形態に係る地点情報検索処理プログラムのフローチャートである。ここで、地点情報検索処理プログラムは通信端末5の電源がONされた後(特に通信端末5が車載器である場合には搭載された車両のACCがONされた後)に実行され、通信端末5のナビ機能において設定された案内経路の周辺の地点情報を検索し、案内するプログラムである。尚、以下の
図6及び
図8にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ2や通信端末5が備えるRAMやROM等に記憶されており、CPU21やCPU31により実行される。尚、地点情報検索処理プログラムは、地点情報検索処理プログラムが携帯端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末)から起動される場合には地点情報検索処理プログラムを含むアプリケーションが起動された後に実行されるようにしても良い。
【0050】
先ず、通信端末5において実行される地点情報検索処理プログラムについて説明する。
ステップ(以下、Sと略記する)1においてCPU31は、入力操作部39により受け付けたユーザの操作に基づいて、目的地を設定する。
【0051】
次に、S2においてCPU31は、出発地から前記S1で設定した目的地までの案内経路を取得する。尚、案内経路は通信端末5が探索する構成としても良いし、サーバ2が探索し、探索された案内経路を通信端末5がサーバ2から受信する構成としても良い。尚、案内経路の探索については公知のダイクストラ法が用いられる。また、出発地はユーザの現在位置としても良いし、ユーザにより選択された任意の地点(例えば自宅)としても良い。
【0052】
続いて、S3においてCPU31は、前記S2で取得した案内経路に関する情報をサーバ2に送信する。尚、案内経路の探索処理をサーバ2で行った場合には、前記S3の処理は不要となる。そして、案内経路に関する情報を受信したサーバ2は、後述のように案内経路周辺の地点情報の検索を行う。
【0053】
その後、S4においてCPU31は、サーバ2から送信された地点情報の検索結果を受信する。尚、前記S4で受信する地点情報の検索結果は、案内経路周辺の地点情報の検索結果であり、例えば、該当する地点のID、位置座標、名称、施設ジャンル等を含む。
【0054】
次に、S5においてCPU31は、前記S4で受信した地点情報の検索結果をディスプレイ38に表示する。それによって、案内経路周辺の地点情報をユーザに提供することが可能となる。
【0055】
ここで、
図7は前記S5において通信端末5のディスプレイ38に表示される地点情報案内画面61を示した図である。
図7に示すように地点情報案内画面61は、通信端末5(即ちユーザ4)の地図上に特定された現在位置を示す現在位置マーク62と、設定された目的地の位置を示す目的地マーク63と、設定された案内経路を示す経路マーク64と、探索された地点情報を表示する情報ウィンドウ65が表示される。尚、情報ウィンドウ65には、例えば、地点の名称、施設である場合にはジャンル、現在位置からの所要時間等を表示する。その結果、ユーザ4は地点情報案内画面61を参照することによって、目的地までの経路沿いのどの場所にどのような地点があるのかを容易に把握することが可能となる。
【0056】
次に、サーバ2において実行される地点情報検索処理プログラムについて説明する。
S11においてCPU21は、前記S3で通信端末5から送信された案内経路に関する経路情報を受信する。
【0057】
続いて、S12においてCPU21は、後述の地点情報検索処理(
図8)を行う。尚、地点情報検索処理は、前記S11で受信した案内経路の経路情報に基づいて、案内経路周辺の地点情報を検索する処理である。
【0058】
その後、S13においてCPU21は、前記12の地点情報検索処理の検索結果をRAM22等の記憶媒体に保存する。
【0059】
次に、S14においてCPU21は、前記13で記憶媒体に保存された地点情報検索処理の検索結果を経路情報の送信元の通信端末5へと送信する。その後、地点情報の検索結果を受信した通信端末5は、前記したように案内経路周辺の地点情報の案内を行う(
図7)。
【0060】
以下に、本実施形態に係るサーバ2において実行する地点情報検索処理のサブ処理について
図8に基づき説明する。
図8は本実施形態に係る地点情報検索処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0061】
先ず、S21においてCPU21は、前記S11で受信した案内経路の経路情報に基づいて、案内経路上に検索基準点を設定する。ここで、
図9は案内経路70に対して設定された検索基準点71を示した図である。
図9に示すように、検索基準点71は、案内経路70の出発地から目的地まで案内経路70に沿って所定の配置間隔Dで等間隔に設置される。また、検索基準点71の配置間隔Dは、例えば300m、500m、1500m、3000m、5000m、10000mのいずれかから案内経路70の形状に基づいて適当な値が選択される。具体的には、案内経路70の形状が複雑な形状を有する場合や、都心部等の地点情報の多いエリアでは、より狭い間隔とするのが望ましい。また、案内経路70の全長によって配置間隔Dを決定しても良い(例えば全長が長い程、より広い間隔とする)。更に、一の案内経路の中で配置間隔を変更しても良い。例えば、直線形状部分は間隔を広くし、カーブ形状部分は間隔を狭くすることも可能である。
【0062】
次に、S22においてCPU21は、シフト値を設定する。このシフト値は、後述のS23で多角形領域の頂点座標を算出する際に用いられ、検索基準点の座標が示す2進数のビットパターン(第1ビットパターン)をマスクする為のマスク値を算出する際に用いられる。具体的には、後述のように全てのビットが『1』であるビットパターンを前記S22で設定されたシフト値だけシフトさせることによってマスク値が算出される。
【0063】
そして、シフト値は、前記S21で設定された検索基準点の配置間隔に基づいて設定される。具体的には、
図10に示すように検索基準点の配置間隔Dが広い程、より大きいシフト値が設定される。例えば、検索基準点が300m間隔で設定された場合には、シフト値は11ビットに設定され、検索基準点が1500m間隔で設定された場合には、シフト値は13ビットに設定される。尚、
図10に示すシフト値は、32ビットのビットパターンで演算する場合に用いるシフト値であり、16ビットや24ビットのビットパターンで演算する場合には、シフト値を適宜変更することが可能である。
【0064】
尚、以降のS23〜S25の処理は、前記S21で設定された検索基準点毎に行う。具体的には、出発地に近い検索基準点から順に処理対象として、S23〜S25の処理を繰り返し実行する。そして、S21で設定された全ての検索基準点を対象としてS23〜S25の処理を終了した後に、S26へと移行する。
【0065】
先ず、S23においてCPU21は、処理対象の検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を、地点情報の検索対象領域となる多角形領域の頂点座標として算出する。ここで、本実施形態に係る情報検索システム1では、多角形領域は正方形形状とする。そして、前記S23においてCPU21は、多角形領域となる正方形の左下の頂点座標と右上の頂点座標とをそれぞれ算出する。
【0066】
ここで、
図11は前記S23の多角形領域の頂点座標の算出処理について説明した図である。
図11に示すようにCPU21は、先ず、前記S22で設定されたシフト値に基づいてマスク値(shift_LB)を算出する。具体的には、
図12に示すように全てのビットが『1』であるビットパターンを前記S22で設定されたシフト値(
図12に示す例ではシフト値「11」)だけ左方向にシフトさせたビットパターンがマスク値となる。尚、算出されたマスク値(shift_LB)は最下位ビットからシフト値と同じ数のビットをマスクする(ビットを『0』とする)マスク値となる。次に、
図13に示すように処理対象の検索基準点71の座標(lat,lng)が示す2進数のビットパターンである第1ビットパターンと、マスク値(shift_LB)とをAND演算(マスク値によるビットマスク)した第2ビットパターンを算出する。その後、第2ビットパターンが示す座標を多角形領域72の左下の頂点Xの座標(LB_lat,LB_lng)として算出する。
【0067】
また、CPU21は、同様にして右上の頂点Yの座標(RT_lat,RT_lng)を算出する。具体的には、全てのビットが『1』であるビットパターンを、ビット数である32と前記S22で設定されたシフト値の差分だけ右方向にシフトさせることによってマスク値(shift_RT)を算出する。尚、算出されたマスク値(shift_RT)は最上位ビットからシフト値と同じ数のビットをマスクする(ビットを『0』とする)マスク値となる。次に、処理対象の検索基準点71の座標(lat,lng)が示す2進数のビットパターンである第1ビットパターンと、マスク値(shift_RT)とをAND演算(マスク値によるビットマスク)した第3ビットパターンを算出する。その後、第3ビットパターンが示す座標を多角形領域72の右上の頂点Yの座標(RT_lat,RT_lng)として算出する。
【0068】
尚、上記ビット演算により算出された頂点Yは、頂点Xに対して多角形領域72の一辺の長さ分だけX軸(経度)、Y軸(緯度)の正方向にそれぞれ移動した点となる。また、多角形領域72の一辺の長さは、前記S22で設定されたシフト値、即ちマスク値(shift_LB)によってマスクされるビット数に依存し、マスク値(shift_LB)によってマスクされるビット数が多い程(即ち、検索基準点の配置間隔Dが広い程)、多角形領域72の一辺の長さが長くなる。また、上記ビット演算により算出された頂点座標によって形成される多角形領域72は、領域内に位置する座標を対象に上記ビット演算を行った場合に、該多角形領域72の頂点座標に集約する領域となる。従って、
図14に示すように、検索基準点73によって算出された多角形領域72内に、他の検索基準点74が存在する場合には、検索基準点74によって算出される多角形領域も同じ多角形領域72となる。
【0069】
次に、S24においてCPU21は、前記S23で算出された頂点座標に基づいて形成される多角形領域が、後述のS25において既に登録された多角形領域であるか否か判定する。
【0070】
そして、前記S23で算出された頂点座標に基づいて形成される多角形領域が既に登録された多角形領域であると判定された場合(S24:YES)には、該多角形領域を登録せず、処理対象の検索基準点を変更してS23の処理へと戻る。一方、前記S23で算出された頂点座標に基づいて形成される多角形領域が登録されていない多角形領域であると判定された場合(S24:NO)には、S25へと移行する。
【0071】
S25においてCPU21は、前記S23で算出された頂点座標に基づいて形成される多角形領域を登録する。その結果、後述のS28において登録された多角形領域を検索対象領域として地点情報の検索が行われる。そして、S21で設定された全ての検索基準点を対象として上記S23〜S25の処理を終了した後には、S26へと移行する。
【0072】
次に、S26においてCPU21は、前記S25で登録された全多角形領域によって、前記S11で受信した案内経路の全経路が包含されたか否かを判定する。ここで、
図15に示すように、検索基準点71毎に算出された各多角形領域72は、案内経路70の一部を含むとともに、案内経路70に沿って隣接し、且つ隣接する多角形領域72が互いに重複しないように配置される。しかしながら、案内経路の形状や検索基準点の配置間隔によっては、
図15に示すように多角形領域72によって包含されない経路部分が生じる場合がある。
【0073】
そこで、前記S25で登録された全多角形領域によって、前記S11で受信した案内経路の全経路が包含されていないと判定された場合(S26:NO)には、
図16に示すように多角形領域72を追加して登録する(S27)。尚、追加する多角形領域72の頂点の座標は、隣接する他の多角形領域の頂点の座標と、多角形領域の一辺の長さから算出することが可能である。
【0074】
そして、多角形領域を追加した登録した後はS26へと戻り、追加された多角形領域を含む全多角形領域によって、前記S11で受信した案内経路の全経路が包含されたか否かを再度判定する。
【0075】
一方、前記S25で登録された全多角形領域によって、前記S11で受信した案内経路の全経路が包含されていると判定された場合(S26:YES)には、S28へと移行する。
【0076】
S28においてCPU21は、登録された多角形領域を検索対象領域として、多角形領域内に位置する地点の地点情報の検索を行う。尚、地点情報の検索を行う際にCPU21は、先ず、地図情報に含まれる全ての地点情報(
図3)について、各地点情報の位置座標を前記S23と同様のビット演算処理を行うことにより、座標の集約を行う。具体的には、地点情報の位置座標(x,y)が示す2進数のビットパターンをマスク値(shift_LB)とAND演算(マスク値によるビットマスク)することによって座標の集約を行う。そして、集約された座標と前記S25及びS27で登録された多角形領域の頂点の座表とを比較することにより、地点情報が登録された多角形領域内の地点情報であるか否かを判定する。具体的には、登録された多角形領域の左下の頂点Xの座標(LB_lat,LB_lng)と同じ座標に集約された地点情報については、登録された多角形領域内の地点情報であると判定される。そして、CPU21は、登録された多角形領域内にあると判定された地点情報を、検索条件に該当する地点情報として抽出する。その後、抽出された地点情報はS14において通信端末5へと送信される。
【0077】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係る情報検索システム1、情報検索システム1による情報検索方法及び情報検索システム1で実行されるコンピュータプログラムでは、出発地から目的地までの案内経路を取得し(S2)、案内経路上に複数の検索基準点を設定し(S21)、検索基準点に基づいて検索対象経路の一部を含むとともに互いに隣接する複数の多角形領域を設定し(S25、S27)、設定された複数の多角形領域毎に、該多角形領域内にある地点情報を検索し(S28)、検索された地点情報を提供する(S5)ので、案内経路の経路周辺の地点情報の検索を行う場合に、案内経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。その結果、同一のエリアに対して複数回の地点情報の検索処理が行われることなく、地点情報の検索に係る処理負担を軽減し、処理速度についても上昇させることが可能となる。
また、検索基準点毎に多角形領域を形成し、隣り合う多角形領域が互いに重複しないように設定されるので、検索基準点の配置間隔が特に狭い場合であっても、多角形領域が重複して設定されることがない。また、検索基準点毎に多角形領域を設定するので、複数の多角形領域を案内経路に沿って適当な間隔で設定することが可能となる。
また、検索基準点の座標に基づいて、該検索基準点を含む該検索基準点周辺の座標を集約する座標を多角形領域の頂点の座標として算出し、算出された座標に基づいて地点情報の検索範囲として多角形領域を設定するので、案内経路に沿って検索範囲を重複することなく適切に設定することが可能となる。
また、シフト演算やAND演算等のビット演算を用いることによって多角形領域の頂点の座標を算出するので、加減算や乗除算を行う場合と比較して、多角形領域の頂点の座標を算出する為の演算処理速度を高速にすることが可能となる。従って、ユーザに対して長時間の待ち時間を発生させることなく、地点情報の迅速な提供が可能となる。
また、検索基準点を案内経路に沿って所定間隔で設定し、検索基準点が設定される所定間隔が長い程、マスク値によりマスクされるビット数を多くするので、検索基準点の配置間隔に応じて多角形領域の大きさを適切に設定することが可能となる。その結果、案内経路の周辺の必要な地点情報を洩れなく検索することが可能となる。
また、多角形領域は正方形形状を有し、検索基準点が設定される所定間隔が長い程、正方形形状の一辺の長さを長くするので、検索基準点の配置間隔に応じて多角形領域の大きさを適切に設定することが可能となる。特に、多角形形状を正方形形状として場合であっても、案内経路の周辺の必要な地点情報を洩れなく検索することが可能となる。
また、案内経路の全経路がいずれかの多角形領域に含まれるように多角形領域を設定するので、案内経路周辺の地点情報を洩れなく検索することが可能となる。
【0078】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では出発地から目的地までの案内経路の探索を行う時に、地点情報の検索も併せて行う構成としているが、経路探索と地点情報の検索はそれぞれ異なるタイミングで行っても良い。例えば、地点情報の検索は案内経路の走行中に行っても良い。
【0079】
また、本実施形態では登録された多角形領域内に位置する全ての地点情報を検索する構成となっているが、ユーザに指定された特定のジャンル(例えば、駐車場やガソリンスタンド)の地点情報のみを検索する構成としても良い。
【0080】
また、本実施形態では地点情報の検索範囲となる多角形領域を正方形形状としているが、その形状は適宜変更可能である。例えば、長方形形状や6角形形状としても良い。
【0081】
また、本実施形態ではナビ機能において設定された案内経路を、周辺の地点情報の検索対象となる検索対象経路としているが、例えばユーザの指定した任意の経路を検索対象経路としても良い。
【0082】
また、本実施形態では前記S26の処理において、前記S11で受信した案内経路の全経路が包含されたか否かを判定し、案内経路の全経路が包含されていない場合(S26:NO)には新たな多角形領域を登録する(S27)構成となっているが、S26及びS27の処理を行わない構成としても良い。即ち、S21で設定された全ての検索基準点を対象として前記S23〜S25の処理を終了した後に、S28へと移行するようにしても良い。
【0083】
また、本実施形態では地点情報検索処理プログラムの各ステップを通信端末5とサーバ2によりそれぞれ実行させる構成としているが、全てのステップを通信端末5で実行させる構成としても良い。その場合には、通信端末5が地点情報の検索に必要な地図情報を備える又はサーバ2から取得する構成とする必要がある。