特許第5915902号(P5915902)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5915902
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】バスバ固定構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20160422BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20160422BHJP
   H01H 85/20 20060101ALN20160422BHJP
【FI】
   H02G3/16
   H05K7/06 C
   !H01H85/20 B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-129654(P2012-129654)
(22)【出願日】2012年6月7日
(65)【公開番号】特開2013-255346(P2013-255346A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】川村 幸寛
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−185076(JP,A)
【文献】 特開2005−185032(JP,A)
【文献】 特開平6−276648(JP,A)
【文献】 特開2004−72940(JP,A)
【文献】 特開2006−333583(JP,A)
【文献】 特開2005−50577(JP,A)
【文献】 特開平8−78117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H05K 7/06
H01H 85/20
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板で構成されたバスバを被取付部材に固定するバスバ固定構造において、
前記被取付部材が、収容部と、該収容部内に配置されたロックアームと、を有し、
前記バスバが、一対の板部を有しかつ当該板部間に電子部品の端子が差し込まれる音叉状接続部と、前記ロックアームが係止する爪部と、を有し、
前記バスバが前記収容部に挿入される際、前記ロックアームが前記爪部に当たって一旦撓んだ後に該爪部に係止し、
前記ロックアームが撓む際に前記爪部を押圧する方向が、前記板部の板厚方向と直交する方向である
ことを特徴とするバスバ固定構造。
【請求項2】
前記収容部に、前記電子部品の端子が収容される
ことを特徴とする請求項1に記載のバスバ固定構造。
【請求項3】
前記バスバが平板部をさらに有し、前記一対の板部が前記平板部の一端から延びており、前記爪部が前記平板部の他端において直角に折り曲げられて形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のバスバ固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板で構成されたバスバを被取付部材に固定するバスバ固定構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来のバスバ固定構造が適用された電気接続箱の上面を示す平面図である。図10は、図9に示された上面の斜視図である。図11は、図9に示されたバスバ固定構造を構成するバスバの斜視図である。図12は、図9に示されたバスバ固定構造における問題点を説明するための説明図である。
【0003】
図9,10に示すバスバ固定構造201は、バスバ202をフレーム(被取付部材)203に固定する構造であり、自動車用の電気接続箱210に用いられる。
【0004】
上記フレーム203は、合成樹脂で構成されており、ヒューズの端子が収容されるヒューズキャビティ204や、バスバ202を固定するためのロック部209などを有している。ロック部209は、バスバ202に設けられた後述の固定部220を収容する収容空間と、該収容空間内に配置されたロックアーム205と、を有している。
【0005】
上記バスバ202は、電気接続箱210の配線部材として用いられるものであり、金属板にプレス加工等が施されて得られるものである。このバスバ202は、図11に示すように、並列配置された複数の音叉状接続部6と、複数の音叉状接続部6を連結した平板部20と、前記ロック部209に固定される固定部220と、を有している。前記音叉状接続部6は、平板部20から延びた一対の板部8を有しており、当該板部8間にヒューズの端子が差し込まれる。前記固定部220は、平板部20の長手方向一端部から延びた平板状の部分であり、前記ロックアーム205が係止する係止孔221が形成されている。
【0006】
このようなバスバ202は、下面側からフレーム203内に挿入され、各音叉状接続部6が各ヒューズキャビティ204内に挿入されるとともに、固定部220がロック部209内に挿入され、ロックアーム205が係止孔221に係止することによりフレーム203に固定される(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−284622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したバスバ固定構造201においては、以下に示す問題があった。すなわち、図12に示すように、固定部220がロック部209の収容空間内に挿入される際、ロックアーム205は固定部220に当たって一旦撓んだ後に係止孔221に係止するが、固定部220がロックアーム205に押されることによってバスバ202全体が傾いた状態で挿入されることになり、挿入作業がし難いという問題があった。
【0009】
さらに、係止孔221を平板部20における音叉状接続部6の下部に形成した場合、平板部20の電気抵抗値が局所的に大きくなって好ましくないほか、バスバ202をフレーム203内に挿入する際に音叉状接続部6とロックアーム205が干渉し、音叉状接続部6が変形したりメッキが剥がれることが懸念されるので、係止孔221を音叉状接続部6の下部に形成することができず、その結果、ヒューズキャビティ204とは別にロック部209のスペースが必要となり、フレーム203が大型化してしまうという問題があった。
【0010】
したがって、本発明は、バスバを被取付部材に固定する際に、バスバが傾いた状態で被取付部材内に挿入されることを防止できるバスバ固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、金属板で構成されたバスバを被取付部材に固定するバスバ固定構造において、前記被取付部材が、収容部と、該収容部内に配置されたロックアームと、を有し、前記バスバが、一対の板部を有しかつ当該板部間に電子部品の端子が差し込まれる音叉状接続部と、前記ロックアームが係止する爪部と、を有し、前記バスバが前記収容部に挿入される際、前記ロックアームが前記爪部に当たって一旦撓んだ後に該爪部に係止し、前記ロックアームが撓む際に前記爪部を押圧する方向が、前記板部の板厚方向と直交する方向であることを特徴とするバスバ固定構造である。
【0012】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記収容部に、前記電子部品の端子が収容されることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記バスバが平板部をさらに有し、前記一対の板部が前記平板部の一端から延びており、前記爪部が前記平板部の他端において直角に折り曲げられて形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載された発明によれば、前記被取付部材が、収容部と、該収容部内に配置されたロックアームと、を有し、前記バスバが、一対の板部を有しかつ当該板部間に電子部品の端子が差し込まれる音叉状接続部と、前記ロックアームが係止する爪部と、を有し、前記バスバが前記収容部に挿入される際、前記ロックアームが前記爪部に当たって一旦撓んだ後に該爪部に係止し、前記ロックアームが撓む際に前記爪部を押圧する方向が、前記板部の板厚方向と直交する方向であるので、バスバを被取付部材に固定する際に、バスバが傾いた状態で被取付部材内に挿入されることを防止できるバスバ固定構造を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、前記収容部に、前記電子部品の端子が収容されるので、被取付部材を小型化することができる。
【0016】
請求項3に記載された発明によれば、前記バスバが平板部をさらに有し、前記一対の板部が前記平板部の一端から延びており、前記爪部が前記平板部の他端において直角に折り曲げられて形成されているので、バスバを被取付部材内に挿入する際に、音叉状接続部とロックアームが干渉することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態にかかるバスバ固定構造が適用された電気接続箱を示す斜視図である。
図2図1に示されたバスバ固定構造を構成するバスバの斜視図である。
図3図1中のA部の平面図である。
図4図3中のB−B線に沿った断面図である。
図5図3中のC−C線に沿った断面図である。
図6図5に示されたロックアーム及び爪部を矢印D方向から見た斜視図である。
図7図5に示されたロックアーム及び爪部を矢印D方向から見た底面図である。
図8図6中のE−E線に沿った断面図である。
図9】従来のバスバ固定構造が適用された電気接続箱の上面を示す平面図である。
図10図9に示された上面の斜視図である。
図11図9に示されたバスバ固定構造を構成するバスバの斜視図である。
図12図9に示されたバスバ固定構造における問題点を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態にかかる「バスバ固定構造」を図1〜8を参照して説明する。
【0019】
バスバ固定構造1は、図1〜8に示すように、バスバ2をフレーム(請求項中の「被取付部材」に相当する。)3に固定する構造である。このバスバ固定構造1は、本実施形態では、自動車用の電気接続箱10に用いられる。また、本明細書では、ジャンクションブロック(ジャンクションボックスとも言う。)、ヒューズブロック(ヒューズボックスとも言う。)、リレーブロック(リレーボックスとも言う。)を、総称して以下電気接続箱と呼ぶ。
【0020】
上記フレーム3は、合成樹脂で構成されており、図1,3〜5に示すように、枠状に形成された外壁30と、リレーの端子が収容されるリレーキャビティ31と、ヒューズの端子が収容されるヒューズキャビティ(請求項中の「収容部」に相当する。)4と、ヒューズキャビティ4内に配置されたロックアーム5などを有している。また、ヒューズキャビティ4は複数設けられており、直線状に配列されている。また、ロックアーム5は、複数のうちの所定のヒューズキャビティ4内に配置されている。また、フレーム3の上面及び下面には図示しないカバーが取り付けられる。
【0021】
上記バスバ2は、電気接続箱10の配線部材として用いられるものであり、金属板にプレス加工等が施されて得られるものである。このバスバ2は、図2に示すように、電源入力部(ヒュージブルリンク接続部)21と、並列配置された複数の音叉状接続部6と、複数の音叉状接続部6を連結した平板部20と、前記ロックアーム5が係止する爪部7と、を有している。音叉状接続部6は、平板部20の一端から延びた一対の板部8を有しており、当該板部8間にヒューズの端子が差し込まれる。爪部7は、平板部20の他端において直角に折り曲げられて形成されている。また、板部8と爪部7は、90度の角をなしている。
【0022】
このようなバスバ2は、下面側(図4,5において紙面方向下側)からフレーム3内に挿入され、各音叉状接続部6が各ヒューズキャビティ4内に挿入されるとともに、爪部7が所定のヒューズキャビティ4内に挿入され、ロックアーム5が爪部7に係止することによりフレーム3に固定される。この際、ロックアーム5は爪部7に当たって一旦撓んだ後に該爪部7に係止する。
【0023】
また、ロックアーム5が撓む際に爪部7を押圧する方向は、板部8の板厚方向と直交する方向である。この構成により、バスバ2が傾いた状態でフレーム3内に挿入されることを防止でき、挿入作業を容易に行うことができる。なお、図5においては、矢印Y方向がバスバ2の挿入方向であり、矢印Z方向が板部8の板厚方向であり、矢印X方向がロックアーム5の撓む方向であり、矢印Xと逆方向が前記「ロックアーム5が撓む際に爪部7を押圧する方向」である。また、矢印X、矢印Y、矢印Zは互いに直交する。
【0024】
また、爪部7は、所定の音叉状接続部6の下部に配置されており、当該音叉状接続部6と同じヒューズキャビティ4内に収容される。この構成により、フレーム3を小型化することができる。さらに、爪部7は、図6〜8に示すように、前記所定の音叉状接続部6と同一平面上に位置しないように配置されているので、バスバ2をフレーム3内に挿入する際に、前記所定の音叉状接続部6とロックアーム5が干渉することを防止できる。よって、音叉状接続部6が変形したりメッキが剥がれることを防止できる。
【0025】
また、本実施形態においては、フレーム3の省スペース化を図るためにロックアーム5をヒューズキャビティ4内に配置しているが、本発明では、ヒューズキャビティ4とは別に専用のスペースを設け、そこにロックアーム5を配置しても良い。すなわち、本発明では、バスバ2の所望の位置に爪部7を配置することができる。
【0026】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 バスバ固定構造
2 バスバ
3 フレーム(被取付部材)
4 ヒューズキャビティ(収容部)
5 ロックアーム
6 音叉状接続部
7 爪部
8 板部
10 電気接続箱
20 平板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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