(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5915983
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】あごハンモック
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20160422BHJP
【FI】
A47G9/10 H
A47G9/10 M
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-49990(P2014-49990)
(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公開番号】特開2015-173694(P2015-173694A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2014年3月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314002147
【氏名又は名称】八木 健一
(73)【特許権者】
【識別番号】314002228
【氏名又は名称】田中 翔
(72)【発明者】
【氏名】八木 健一
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔
【審査官】
大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3003764(JP,U)
【文献】
登録実用新案第028669(JP,Z2)
【文献】
登録実用新案第051873(JP,Z2)
【文献】
特開2011−050626(JP,A)
【文献】
特開2009−297486(JP,A)
【文献】
特開2005−323633(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3036462(JP,U)
【文献】
登録実用新案第018406(JP,Z2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
机上に設置され、机上の幅方向に所定距離離間して配置される一対の台座と、
前記一対の台座の各々に固設され、鉛直上方向に伸びる支柱と、
前記支柱間に懸架され、使用者が机上で睡眠時にあごを載せるためのハンモックと、
を備え、
前記一対の台座の各々は、上面視略方形状で、鉛直方向に少し厚みを有する部材であり、
前記支柱は、前記一対の台座の略中央に固設されて鉛直上方向に伸びる四角筒状の第1支柱と、第1支柱の内周面を上下方向にスライド可能な四角柱状の第2支柱とからなり、
前記第1支柱の前記幅方向の側面には、鉛直方向に一定距離ずつ離れて複数の側面視四角形状の穴部が形成され、
前記第2支柱の前記幅方向の側面には、鉛直方向に一定距離ずつ離れて複数の側面視四角形状の穴部が形成され、
前記第1支柱に形成された複数の穴部のいずれかと、前記第2支柱に形成された複数の穴部のいずれかとの間に挿通され、任意の高さで前記支柱を固定可能な直方体状の留め具を備え、
前記第2支柱の上端には、上面視で前記ハンモックの長手方向と垂直方向に、直方体状の溝部が形成され、
前記ハンモックは、長手方向中央に向かう程幅広に形成され、且つ、長手方向中央に窪みが形成され、当該ハンモックの長手方向両端において上面視長手方向と垂直方向に、直方体状であって板状の差込部が取り付けられ、当該差込部が前記溝部に差し込まれることで前記支柱間に懸架されることを特徴とするあごハンモック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は机上用枕の一種としてのハンモックに関し、デスクに座って楽な姿勢で睡眠をとることに使用される、顔、特にあごを載せる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デスクワークで多忙な社会人。寝る間も惜しんで勉強する受験生。机にしがみつきハードワークに励む現代人には休息が必要である。しかし、仕事場では横になって休むことが困難であり、また、勉強等の合間に横になることも集中の妨げになってしまう。そのため、短い休憩時間でも机の上で快適に休むことのできる手段が必要不可欠なのである。
【0003】
例えば、特許文献1には、机の上で快適に寝る為に試案されたスタンド付の枕が記載されている。多くの人間がこれまでの生活の中で頬杖をついて寝る経験をしたことがあると思うが、これをそのまま形にした従来技術である。土台から一本の支柱が伸びその先端に手のひらを模した枕が備えられている。さらに、個人に合わせて好きな高さに調節できる機構も備えられている。これにより、もたれるものが何もない机の上で疲労困憊で眠たくてしょうがない場合に、楽な姿勢で睡眠をとることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−297486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、土台が不安定などの問題があった。従来技術の発明は土台の上に一本の支柱が伸びその先端に手のひらを模した枕がついている訳だが、まず、スタンドが一本足では枕に対して机方向に垂直に荷重がかからなければ、バランスを崩し転倒してしまう可能性が高い。熟睡している時に顔から落ちようものならば、無防備な状態なので非常に危険である。さらには、先端部の枕は、顔を必ず左右どちらかに向けた状態で使用するものである。この状態では窮屈であり、また顔の向きを変えることもできない。加えて、首の一部に大きな負担をかけることとなってしまう。
【0006】
そこで、本発明のあごハンモックではこれらの諸問題を解決し、机の上で安定して安らかな眠りを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るあごハンモックは、机上に設置され、机上の幅方向に所定距離離間して配置される一対の台座と、前記一対の台座の各々に固設され、鉛直上方向に伸びる支柱と、前記支柱間に懸架され、
使用者が机上で睡眠時にあごを載せるためのハンモックと、を備え、
前記一対の台座の各々は、上面視略方形状で、鉛直方向に少し厚みを有する部材であり、前記支柱は、前記一対の台座の略中央に固設されて鉛直上方向に伸びる四角筒状の第1支柱と、第1支柱の内周面を上下方向にスライド可能な四角柱状の第2支柱とからなり、前記第1支柱の前記幅方向の側面には、鉛直方向に一定距離ずつ離れて複数の側面視四角形状の穴部が形成され、前記第2支柱の前記幅方向の側面には、鉛直方向に一定距離ずつ離れて複数の側面視四角形状の穴部が形成され、前記第1支柱に形成された複数の穴部のいずれかと、前記第2支柱に形成された複数の穴部のいずれかとの間に挿通され、任意の高さで前記支柱を固定可能な直方体状の留め具を備え、前記第2支柱の上端には、
上面視で前記ハンモックの長手方向と垂直
方向に、直方体状の溝部が形成され、前記ハンモックは、長手方向中央に向かう程幅広に形成され、且つ、長手方向中央に窪みが形成され、当該ハンモックの長手方向両端
において上面視長手方向と垂直
方向に
、直方体状であって板状の差込部が取り付けられ、当該差込部が前記溝部に差し込まれることで前記支柱間に懸架されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、机の上で安定して安らかな眠りを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るあごハンモックを示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るあごハンモックの使用形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、本発明に係る机上用枕の一種として、
図1に示すあごハンモック300を例に挙げて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係るあごハンモック300を示す斜視図である。
図1に示すあごハンモック300は、一対の台座101と、各々の台座101から鉛直上方向に伸びる二本の支柱100a、100bからなるスタンド部100と、各々の支柱100bの先端(上端)間に懸架されるハンモック部200からなる。
【0012】
台座101は、机上に設置され、上面視略方形状で、鉛直方向に少し厚みを有する部材である。一対の台座101は、机の幅方向に所定距離離間して配置されることによって、土台としての安定性を保つことができる。特に、机の幅方向に30cm程度離間して配置されることが好ましい。この台座101の材質は、強度、安全面の関係からアルミ等の金属類が好ましい。
【0013】
スタンド部100は、台座101の略中央に固設されて鉛直上方向に伸びる四角筒状の支柱100aと、支柱100aの内周面を上下方向にスライド可能な四角柱状の支柱100bとからなる。支柱100bの上端には、ハンモック部200の長手方向と垂直に形成された溝部としての隙間部201が設けられ、この隙間部201の上方から、ハンモック部200の差込部202が差し込まれる。このスタンド部100の材質は、強度、安全面の関係から、台座101と同様にアルミ等の金属類が好ましい。なお、支柱100a、100bの形状は、それぞれ円筒状、円柱状等、他の形状であっても良い。また、支柱100a、100bは、一つの支柱として一体的に構成されても良い。
【0014】
支柱100a、100bは、高さ調節機構103を備えている。ここでいう高さ調節機構103とは、支柱100aの側面に鉛直方向に一定距離ずつ離れて形成された複数の穴部100cと、支柱100bの側面に鉛直方向に一定距離ずつ離れて形成された複数の穴部100dと、これら穴部100c、100dに挿通され、任意の高さで固定することが可能な略直方体状の留め具104とからなる。
【0015】
ハンモック部200は、長手方向中央に向かう程幅広(d1>d2)に形成されたハンモック203と、ハンモック200の長手方向両端に取り付けられ、ハンモック部200を隙間部201に差し込むための差込部202とからなる。このハンモック部200は、差込部202が隙間部201に差し込まれることによって、スタンド部100に設置される。なお、ハンモック部200は、スタンド部100に固定してもよいし、脱着可能としても良い。
【0016】
ハンモック203は、あごを載せることができる面を持つ、網、布等の材質が好ましいが、こちらも安全面のため荷重に耐えることができるものが良い。長手方向中央に向かう程幅広に形成されたハンモック203によって、ユーザは休息時にも顔の向きを左右に自由に変えたりすることができ、首に大きな負担がかかることなく、安定して安らかに眠ることができる。また、あごを乗せやすいようにハンモック203の中央部には窪みや切れ目などがあってもよい。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態に係るあごハンモックの使用形態を示す図である。使い方はさまざまであるが、机に座った状態で机上に置いたあごハンモックのハンモック部にあごを乗せ、
図2に示すような、抱え込むような姿勢が最も安定する。
【符号の説明】
【0018】
100 スタンド部
100a、100b 支柱
100c、100d 穴部
101 台座
103 高さ調節機構
104 留め具
200 ハンモック部
201 隙間部
202 差込部
203 ハンモック