特許第5916076号(P5916076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916076
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】可動装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20160422BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   B60R7/04 C
   B60N3/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-263820(P2011-263820)
(22)【出願日】2011年12月1日
(65)【公開番号】特開2013-116646(P2013-116646A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2014年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 洋祐
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−232262(JP,A)
【文献】 特開平10−119652(JP,A)
【文献】 特開2010−215028(JP,A)
【文献】 実開平03−117958(JP,U)
【文献】 特開2008−030576(JP,A)
【文献】 特開2009−184466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、この本体部に対して接近する一の位置とこの本体部に対して離間される他の位置との間でこの本体部に対して可動的に取り付けられた可動体とを具備した可動装置であって、
前記可動体は、所定面に沿って設けられた取付部を備え、
前記本体部は、
前記可動体が取り付けられる被取付部と、
この被取付部から前記取付部側に板状に突設され、この被取付部を補強する補強リブとを備え、
前記補強リブは、前記可動体が前記一の位置となった状態で前記取付部と当接することでこの取付部の前記所定面と交差する方向への変形を抑制する変形抑制部であるリブを含む
ことを特徴とする可動装置。
【請求項2】
本体部は、開口部及びこの開口部に連通する収納部を備えた収納体であり、
可動体は、取付部であるヒンジ部により前記本体部に軸支され、一の位置である前記開口部を閉じる位置と他の位置である前記開口部を開く位置との間で回動可能な蓋体である
ことを特徴とする請求項1記載の可動装置
【請求項3】
リブは、ヒンジ部の収納部側に当接する
ことを特徴とする請求項記載の可動装置。
【請求項4】
蓋体と収納体とのいずれか一方に設けられ前記蓋体が前記収納体の開口部を閉じる位置にて前記蓋体と前記収納体との他方に係合することで前記蓋体が前記収納体の開口部を閉じた状態を維持可能なロック機構を具備し、
リブは、前記ロック機構が前記蓋体と前記収納体との他方に係合するときにヒンジ部と当接する
ことを特徴とする請求項2または3記載の可動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部に対して可動的に取り付けられた可動体を備えた可動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の運転席と助手席との間に配設され、本体部としての収納体であるボックス本体及びこのボックス本体に回動可能に取り付けられた可動体(回動体)としての蓋体を備えた可動装置としての収納装置であるコンソールボックスが知られている。一般に、蓋体は、蓋体本体と、この蓋体本体から突設された一対の取付部としてのヒンジ部であるヒンジアームとを有しており、これらヒンジアームによってボックス本体の両側を挟むように取り付けられて、これらヒンジアームによって蓋体を回動させてボックス本体の開口部を開閉するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような構成の場合、蓋体の回動精度はヒンジアームの組み付け精度(回転中心軸の精度)に大きく依存するため、例えばヒンジアームを合成樹脂で成形する場合には、車室内が高温に晒されるなどの外的要因によってヒンジアームがボックス本体を挟み込む方向に変形して回動精度が低下しないように、鋼板をインサート成形したり、鋼板によってヒンジアームを覆ったりするなどの補強が必要となる。そのため、コスト及び重量の増加が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−331875号公報 (第2−3頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、収納装置などの可動装置において、蓋体の回動精度を確保しながら、コストや重量の増加を抑制することが望まれている。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、コスト及び重量の増加を抑制しつつ可動体の可動精度を確保できる可動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の可動装置は、本体部と、この本体部に対して接近する一の位置とこの本体部に対して離間される他の位置との間でこの本体部に対して可動的に取り付けられた可動体とを具備した可動装置であって、前記可動体は、所定面に沿って設けられた取付部を備え、前記本体部は、前記可動体が取り付けられる被取付部と、この被取付部から前記取付部側に板状に突設され、この被取付部を補強する補強リブとを備え、前記補強リブは、前記可動体が前記一の位置となった状態で前記取付部と当接することでこの取付部の前記所定面と交差する方向への変形を抑制する変形抑制部であるリブを含むものである。
【0008】
請求項2記載の可動装置は、請求項1記載の可動装置において、本体部は、開口部及びこの開口部に連通する収納部を備えた収納体であり、可動体は、取付部であるヒンジ部により前記本体部に軸支され、一の位置である前記開口部を閉じる位置と他の位置である前記開口部を開く位置との間で回動可能な蓋体であるものである。
【0009】
求項記載の可動装置は、請求項記載の可動装置において、リブは、ヒンジ部の収納部側に当接するものである。
【0010】
請求項記載の可動装置は、請求項2または3記載の可動装置において、蓋体と収納体とのいずれか一方に設けられ前記蓋体が前記収納体の開口部を閉じる位置にて前記蓋体と前記収納体との他方に係合することで前記蓋体が前記収納体の開口部を閉じた状態を維持可能なロック機構を具備し、リブは、前記ロック機構が前記蓋体と前記収納体との他方に係合するときにヒンジ部と当接するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の可動装置によれば、可動体を取り付ける本体部の被取付部を補強する補強リブに含まれる変形抑制部であるリブが、可動体が本体部に対して接近する一の位置となった可動装置の非使用状態で所定面に沿って設けた取付部と当接してこの取付部の所定面と交差する方向への変形を抑制することで、構成を簡略化しつつ、例えば鋼板などを用いることなく取付部を合成樹脂のみで成形することが可能となり、コスト及び重量の増加を抑制しつつ可動体の可動精度を確保できる。
【0012】
請求項2記載の可動装置によれば、請求項1記載の可動装置の効果に加え、本体部を、開口部及びこの開口部に連通する収納部を備えた収納体とし、可動体を、取付部であるヒンジ部により本体部に軸支され、開口部を閉じる位置と開口部を開く位置との間で回動可能な蓋体とすることで、収納体の開口部を開閉する蓋体のコスト及び重量の増加を抑制しつつ蓋体の回動精度を確保できる。
【0013】
求項記載の可動装置によれば、請求項記載の可動装置の効果に加え、リブをヒンジ部の収納部側に当接するように構成することで、成形時の残留応力によるヒンジ部の収納部側への変形を、より確実に抑制できる。
【0014】
請求項記載の可動装置によれば、請求項2または3記載の可動装置の効果に加え、蓋体と収納体との一方に設けたロック機構が蓋体と収納体との他方に係合するときにリブがヒンジ部と当接することで、蓋体の回動操作の違和感を生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の可動装置の一実施の形態を示す側面図であり、(a)は可動体としての蓋体が一の位置である状態を示し、(b)は蓋体が他の位置である状態を示す。
図2】同上可動装置の一部を示す断面図であり、(a)は変形抑制部と取付部であるヒンジ部とが当接を開始した状態を示し、(b)は蓋体を閉じた状態を示す。
図3】同上可動装置の蓋体と本体部としての収納体とのロック機構による係合を示す側面図である。
図4】同上可動装置の収納体を示す斜視図である。
図5】同上可動装置の蓋体を前方から示す斜視図である。
図6】同上可動装置の蓋体を後方から示す斜視図である。
図7】同上可動装置の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の可動装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1ないし図7において、10は可動装置としての収納装置であるコンソールボックスで、このコンソールボックス10は、例えば自動車の車両の前席すなわち運転席と助手席との間に位置するセンタコンソールの一部を構成する。そして、このコンソールボックス10は、可動体である回動体としての蓋体12と、この蓋体12が回動可能に軸支されて自動車の車体側に取り付けられる本体部である収納体としてのボックス本体13とを備えている。なお、以下、前後方向、両側方向及び上下方向などの方向は、コンソールボックス10を車体に取り付けた状態を基準として説明する。
【0018】
蓋体12は、リッドなどとも呼ばれ、ボックス本体13の被開閉部としての開口部15を回動により開閉する機能を有するとともに、乗員が肘などを乗せるアームレストとしても機能するものである。この蓋体12は、可動体本体(回動体本体)としての蓋体本体16と、この蓋体本体16の上部に位置するアームレスト部17とを備えている。そして、この蓋体12は、ボックス本体13に対して最も接近して開口部15を閉じる一の位置である最大閉じ位置と、ボックス本体13に対して最も離間されて開口部15を開く他の位置である最大開き位置との間で移動可能すなわち回動可能となっている。
【0019】
蓋体本体16は、様々な形状とすることができるが、例えば前後方向に長手状となっている。この蓋体本体16は、合成樹脂により一体成形されており、前後方向に延びてアームレスト部17により上側が覆われる蓋部20と、この蓋部20の後部の下側に突設され、ボックス本体13側に軸支されて取り付けられる対をなす(一対の)取付部であるヒンジ部としてのヒンジアーム21,21とを備えている。したがって、この蓋体本体16は、正面視(断面視)で下側に開口したコ字状となっている。そして、蓋部20の前部の下側には、凹部22が設けられ、この凹部22には、ロック機構としてのクランプ部23が配置されている。
【0020】
各ヒンジアーム21は、蓋部20の下部の両側から後方下側へと板状、すなわち前後方向及び上下方向に沿う所定面に沿って突出する取付部本体としてのヒンジ部本体であるアーム本体25と、このアーム本体25の後部上側から突出する軸支部26とをそれぞれ有している。
【0021】
各アーム本体25は、外側すなわち他方のヒンジアーム21と反対側の側面に、略六角形状(ハニカム構造)の補強部としての補強リブ部28が一体成形されている。換言すれば、このアーム本体25の外側の側面は、補強リブ部28間が肉抜きされた肉抜き部29となっている。なお、補強リブ部28は、説明をより明確にするために図6において一部を省略して示している。また、このアーム本体25の内側すなわち他方のヒンジアーム21側の側面の後側寄り、すなわち軸支部26の近傍には、ボックス本体13側と干渉可能な平坦状の干渉部である干渉面30が設けられている。さらに、このアーム本体25の前側は、円弧状に湾曲した湾曲部31となっているとともに、この湾曲部31の後端部に連続して、この湾曲部31に対して交差する方向へと突出する突出部32が設けられている。この突出部32は、湾曲部31側である前側が平面状の当接支持部32aとなっている。
【0022】
また、軸支部26は、車幅方向すなわち両側方向を軸方向としてボックス本体13に軸支される部分であり、この軸支部26には、上側が開口した半円形状の受け凹部34を備え、この受け凹部34の外側の一側が覆い部35により覆われている。この受け凹部34には、ボックス本体13の一部が嵌合するようになっている。さらに、覆い部35の中央部には、円形状の挿入開口35aが形成されており、この挿入開口35aには、蓋体12の回動軸36の端部が挿入されている。そして、覆い部35の挿入開口35aの両側には、直径方向に対して平行にリブ35b,35bが一体に形成されている。
【0023】
回動軸36の両端部は、それぞれヒンジアーム21,21の軸支部26,26の挿入開口35a,35aに挿入され、係止手段としてのEリング37などによりヒンジアーム21,21(蓋体12)に対して抜け止めされている。そして、この回動軸36の中心軸が蓋体12の回動中心となっている。このため、湾曲部31の形状は、回動軸36の中心軸を中心とした側面視の仮想的な円周に沿っている。
【0024】
また、クランプ部23は、ボックス本体13側に係合されることにより開口部15を閉じた状態に蓋体12を係止して維持するものである。そして、このクランプ部23は、凹部22から前方に突出し乗員などが操作する被操作部41と、この被操作部41と一体的に回動してボックス本体13側に係合可能な爪部42とを備えており、蓋体本体16の蓋部20に対して両側方向を軸方向として回動可能に軸支されている。すなわち、このクランプ部23は、上下方向に回動可能となっている。
【0025】
爪部42は、側面視で後側に向けて先端側が屈曲したL字状に形成され、ボックス本体13の開口部15の上縁部に対して前側から係合可能となっている。
【0026】
そして、このクランプ部23は、図示しないばねなどの係止付勢手段により蓋体12を係止する方向、すなわち爪部42が後方に向けて突出する方向へと付勢されており、この係止付勢手段の付勢により蓋体12のボックス本体13への係止状態を維持するとともに、乗員などの外部操作によって係止を解除可能に構成されている。
【0027】
また、アームレスト部17は、コンソールボックス10の後部上側に位置しており、例えば皮革、あるいは布などによって蓋体本体16の蓋部20を覆って構成されている。
【0028】
なお、蓋体12は、例えば蓋部20を薄箱状とし、この蓋部20の上部を下部に対して長手方向にスライド可能、あるいは回動可能などとすることで、小物などを収納できる回動体収容部(蓋体収容部)を内部に構成してもよい。
【0029】
一方、ボックス本体13は、例えば合成樹脂により箱状に形成されたケーシング部45と、このケーシング部45の両側を覆って前方へと伸びる側部化粧板46,46と、ケーシング部45の後部を覆う後部化粧板47とを有している。そして、このボックス本体13のケーシング部45の前方と側部化粧板46,46との間には、例えば前側から順に、図示しない変速操作部、及び、必要に応じてジョイスティックなどを備える多機能操作部などが配置される配置部48が区画されている。
【0030】
ケーシング部45は、有底角筒状のケーシング部本体51と、このケーシング部本体51の後部に設けられ蓋体12が軸支されて取り付けられる被取付部としての軸部である支持部52とを一体に有している。
【0031】
ケーシング部本体51は、平板状の図示しない底板と、この底板の前端部から上方に立ち上げられた前板54と、底板の両側から上方に立ち上げられた側板55,55と、底板の後側から上方に立ち上げられた後板56とを一体に備えており、これら底板、前板54、側板55,55及び後板56により内部に物品を収納可能な収納部57が区画されているとともに、前板54、側板55,55及び後板56の上端部により、収納部57と連通する開口部15が四角形状に区画されている。したがって、収納部57は、開口部15を介して内部へとアクセス可能となっている。そして、各側板55の外面、すなわち反収納部57側の面には、補強用のリブ部58が格子状に形成されている。さらに、各側板55の外面には、側部化粧板46,46を取り付けるための受け部59が複数形成されている。
【0032】
前板54の両側方向の中央部の上端部には、蓋体12のクランプ部23の爪部42が係合される被係合部としての係合凹部61が設けられている。この係合凹部61は、前方に向けて開口しており、前側から爪部42が挿入されて上縁部に係合されるように構成されている。
【0033】
ここで、この係合凹部61に対して、クランプ部23の爪部42は、蓋体12の回動範囲のうち、最大閉じ位置(図1(a))から開き方向へ所定角度α、本実施の形態では例えば2.5°の範囲において、係合凹部61に係合するように構成されている。換言すれば、この係合凹部61に対して、クランプ部23の爪部42は、蓋体12を閉じ方向に回動させた場合に、最大閉じ位置の直前の所定角度αの位置でボックス本体13の係合凹部61への係合を開始するように構成されている(図3)。
【0034】
また、リブ部58には、最大開き位置で蓋体12と当接してこの位置を維持するための開放保持部63が設定されている。この開放保持部63は、蓋体12の各ヒンジアーム21の突出部32の当接支持部32aが蓋体12の回動時に対向して当接することで蓋体12の回動を規制する部分、すなわち蓋体12の最大回動角度(最大開き位置)を設定する部分であり、略水平状に延びて設けられた平面状となっており、側板55に対して、この側板55の厚さ方向である車幅方向に沿って突出するリブ状に形成されている。すなわち、この開放保持部63は、薄板状に形成されている。なお、本実施の形態において、開放保持部63によって、蓋体12は、例えば最大で70°回動可能となっている。
【0035】
また、支持部52は、側部化粧板46,46の後部及び後部化粧板47によって覆われる部分であり、後板56の後部に一体に設けられている。さらに、この支持部52は、後板56の上端近傍に突出する被取付部本体としての支持部本体65と、この支持部本体65の下部に連続し後板56の外面である後面に沿って車幅方向の中央部に上下方向に長手状に形成された支持延設部66とを一体に備えている。そして、この支持部52の支持部本体65及び支持延設部66の両側外方、すなわち反収納部57側に、蓋体12のヒンジアーム21がそれぞれ位置している。
【0036】
支持部本体65は、後板56の上部から後方に向けて下方へと突出する長尺状の両側板部68,68と、これら両側板部68,68の下端部間を連結する連結板部69とを備え、後板56の上部とともに四角形枠状に形成されている。
【0037】
各側板部68には、車幅方向を軸方向とする付勢手段保持部としての軸部本体である保持部71が上端寄りの位置に円筒状(ボス状)に突設され、この保持部71の周囲に、蓋体12との干渉を避ける逃げ部72が凹設されている。
【0038】
保持部71は、付勢手段としてのトーションばね74を保持する部分であり、この保持部71の外周面に、保持リブ部71aが軸方向に沿って複数形成されている。これら保持リブ部71aは、保持部71を補強するとともにトーションばね74を回り止めするものである。さらに、両側板部68,68の保持部71,71間に亘って、回動軸36が挿通されている。また、トーションばね74は、金属製の線状体がコイル状に巻回されて形成され、内部に挿入された保持部71の保持リブ部71aにより保持部71に保持されている。そして、このトーションばね74は、一端側が蓋体12に固定され、他端側がボックス本体13に固定されて、ボックス本体13の開口部15の開き方向(図1の時計回り方向)へと蓋体12を付勢するようになっている。
【0039】
また、逃げ部72は、外縁部が保持部71(回動軸36)の中心軸を中心とする仮想的な円弧に沿って形成されている。
【0040】
さらに、各支持延設部66は、最大閉じ位置とした状態で蓋体12の各ヒンジアーム21の内側(収納部57側)に対向する部分であり、各支持延設部66の側部及び後部には、それぞれ側部化粧板46及び後部化粧板47を取り付けるための図示しない受け部が形成されている。また、支持延設部66の側部には、支持部本体65,65の前部に亘って、保持部71(回動軸36)の下方すなわち直下付近に、複数、例えば2つの変形抑制部である一対のリブ75,75を含む補強リブ76がそれぞれ突設されている。これら補強リブ76は、ケーシング部45の支持部52を補強する機能を有しており、側面視で、前後方向に沿って、かつ、後側から前側へと徐々に下方に傾斜するように、換言すれば支持部本体65に対して交差(直交)する方向に沿って直線状で、互いにほぼ平行に離間されている。さらに、補強リブ76は、支持部本体65の下部前方にて支持延設部66の側部に突設された連結部としての連結リブ77とそれぞれ連結されている。この連結リブ77は、支持部本体65とほぼ平行となっている。
【0041】
また、各リブ75は、各ヒンジアーム21の内側である干渉面30に当接することでこれらヒンジアーム21が蓋部20に対してボックス本体13(支持部52)側へと倒れるように変形することを抑制するものであり、補強リブ76のうち、最も下側に位置している。さらに、これらリブ75の前側の側部は、前側へと徐々に内側(ボックス本体13側)に向けて傾斜する傾斜部75aとなっている。この傾斜部75aは、各リブ75と干渉面30との接触抵抗を緩和するものである。なお、各リブ75は、蓋体12の最大閉じ位置(図1(a)及び図2(b))から開き方向へ所定角度α(本実施の形態では例えば2.5°)の範囲(図2(a))で干渉面30と当接するように構成されている。したがって、蓋体12の回動範囲における各リブ75と干渉面30との当接範囲は、クランプ部23が係合凹部61に係合する範囲と同一となっている。換言すれば、各リブ75は、蓋体12を閉じ方向に回動させた場合に、クランプ部23の爪部42がボックス本体13の係合凹部61に係合を開始するタイミングと同時に傾斜部75a側から干渉面30に対して当接するように構成されている。
【0042】
そして、コンソールボックス10は、蓋体12が開口部15を閉じた状態(最大閉じ位置)でクランプ部23(図3)によってボックス本体13に係止されている。このとき、蓋体12は、各ヒンジアーム21の軸支部26が各逃げ部72に嵌合するとともに、干渉面30にリブ75,75が当接して、各ヒンジアーム21がボックス本体13側(内側)へと倒れないように支持された状態となっている(図1(a)及び図2(b))。
【0043】
この状態で、乗員などがクランプ部23を操作することにより蓋体12のボックス本体13への係止を解除すると、トーションばね74の付勢によって、蓋体12が回動軸36を中心として回動する。このとき、蓋体12は、前部が後方上側へと回動するため、各ヒンジアーム21の突出部32が前方上側へと移動する。この蓋体12は、各ヒンジアーム21の当接支持部32aがボックス本体13の各開放保持部63に当接することにより回動が停止し、開口部15を最大に開いた最大開き位置で保持され(図1(b))、収納部57に対して乗員などがアクセス可能となって物品を出し入れできるようになる。
【0044】
また、この蓋体12を閉じる際には、トーションばね74の付勢に抗して蓋体12のアームレスト部17を前方へと押し下げる。そして、最大閉じ位置に対して所定角度αとなった位置において、クランプ部23の爪部42が係合凹部61への係合を開始する(図3)と同時に、リブ75が各ヒンジアーム21の干渉面30と傾斜部75a側から当接を開始する。さらに、蓋体12を最大閉じ位置へと押し込むことにより、爪部42が係合凹部61の上縁部を下方へと乗り越えた後、係止付勢手段の付勢によって係合凹部61側へと進出するように回動し、クランプ部23によって蓋体12がボックス本体13に係止された状態を維持する。この状態で、収納部57内に物品が収納保持された状態となり、乗員などが外部から収納部57内へとアクセス不可能となる。また、この状態で、各リブ75は、各ヒンジアーム21の干渉面30と当接した状態を維持することにより、例えば車室内の熱などによる各ヒンジアーム21のボックス本体13(支持部52)側への変形を抑制する。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、蓋体12がボックス本体13(開口部15)に対して最も接近する最大閉じ位置となった状態でリブ75,75が前後方向及び上下方向に沿う所定面に沿って設けた板状のヒンジアーム21と当接してこのヒンジアーム21の所定面と交差する方向である内側(ボックス本体13(支持部52)側)への変形を抑制することで、例えば鋼板などをインサート成形したり、鋼板などによってヒンジアームを覆ったりすることなく、いわばヒンジアーム21を変形に対して矯正した状態で維持することができる。したがって、ヒンジアーム21を合成樹脂のみで成形することが可能となり、(材料)コスト及び重量の増加を抑制しつつ、ヒンジアーム21の変形による組み付け精度(回転中心軸の精度)の低下を抑制できるので、蓋体12の可動精度を確保できる。
【0046】
すなわち、本実施の形態では、本体部として、開口部15及びこの開口部15に連通する収納部57を備えた収納体であるボックス本体13とし、可動体として、取付部であるヒンジ部すなわちヒンジアーム21によりボックス本体13の支持部52に軸支され、開口部15を閉じる位置と開口部15を開く位置との間で回動可能な蓋体12とすることで、ボックス本体13の開口部15を開閉する蓋体12のコスト及び重量の増加を抑制しつつ回動精度を確保できる。
【0047】
特に、コンソールボックス10などの収納装置の場合、使用していない状態では一般に蓋体12を閉じた位置(最大閉じ位置)とするため、このように蓋体12を閉じた状態で長期に亘って放置されることなども考えられる。したがって、放置された車室内が高温に晒されるなどの外的要因が各ヒンジアーム21に作用したとしても、蓋体12の最大閉じ位置で各ヒンジアーム21にリブ75,75を当接させることにより、長期に亘ってコンソールボックス10を放置した場合でも、各ヒンジアーム21のボックス本体13(支持部52)側への変形を抑制できる。
【0048】
そして、各リブ75に設けた傾斜部75aにより、各ヒンジアーム21の干渉面30とリブ75とが、蓋体12を閉じ方向に回動させた際に、所定角度αの位置から最大閉じ位置へと徐々に強く当接するように設定されるため、この当接によって蓋体12の回動負荷が急激に増加して蓋体12の回動操作に違和感が生じることを抑制できる。
【0049】
また、ボックス本体13を補強する機能を有するリブ75,75を変形抑制部として共用することで、変形抑制部を別途設ける必要がなく、コンソールボックス10の構成をより簡略化できる。しかも、リブ75,75は、ボックス本体13を成形する際に同時に一体成形できるので、リブ75,75を形成する工程を別途必要とせず、作業工数の抑制によるコスト削減が可能になる。
【0050】
さらに、リブ75,75を、これらリブ75,75の反収納部57側である外側に位置するヒンジアーム21,21の収納部57側である内側に当接するように構成することで、成形時の残留応力によるヒンジアーム21,21の内側への変形を、より確実に抑制できる。すなわち、角部を有する樹脂成形品の場合、ゲートからキャビティに注入された溶融樹脂材料の流れが角部に対応する箇所の内側と外側とで異なることにより、角部の内側に応力が残留し、この角部において収縮率差が生じやすいため、成形後の収縮を経て成形品となった後に、側面が内倒れ(内反り)を起こしやすくなる。したがって、蓋部20に対して交差する方向にヒンジアーム21,21が突出する、すなわちヒンジアーム21,21の蓋部20側である基端側が角部となる蓋体本体16を合成樹脂により成形すると、ヒンジアーム21,21が内倒れ、すなわちボックス本体13(支持部52)側に倒れやすくなるため、リブ75,75によってヒンジアーム21,21を内側から支持することで、ヒンジアーム21,21の変形を、より確実に抑制できる。
【0051】
そして、蓋体12に設けたクランプ部23がボックス本体13の係合凹部61に係合するときにリブ75,75がヒンジアーム21,21と当接することで、この当接による蓋体12の回動負荷の増加を、蓋体12の回動操作の違和感を生じにくくすることができる。すなわち、クランプ部23をボックス本体13の係合凹部61に係合させる際、蓋体12を回動操作している乗員などは、蓋体12に対して閉じる方向へと外力を加えることでクランプ部23の爪部42を係合凹部61へと乗り越えさせようとする。したがって、このようにクランプ部23の係合のために加える外力を、リブ75,75がヒンジアーム21,21と当接して増加した回動負荷に抗して蓋体12を回動させる力として利用することができるので、乗員などは回動負荷の増加を殆ど認識することがなく、蓋体12の回動操作に違和感が生じにくい。
【0052】
さらに、本実施の形態のリブ75,75及びヒンジアーム21,21は、コンソールボックス10などの大きさに拘らず設定できるため、任意の大きさのコンソールボックス10に適用できる。
【0053】
なお、上記の一実施の形態において、クランプ部23は、ボックス本体13側に設けて蓋体12側と係合するようにしてもよい。
【0054】
また、車両の車室に備えられるコンソールボックス10について説明したが、この構成に限られず、例えばグローブボックスなどの、車両の他の位置に配置される車両用収納ボックスなどに適用できる。さらに、車両用に限られず、種々の場所に取り付けられる収納装置に適用することもできる。そして、収納装置に限られず、すなわち、回動体は収納ボックスの開口部を開閉する蓋体に限られず、操作部などの部分を覆う蓋体などとすることもできる。また、可動体としては回動する蓋体に限られず、本体部に対して可動体が収納された状態からレール状の摺動部を摺動して可動体が引き出されるカップホルダなどの装置としても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、車両の車室に備えられるコンソールボックス、あるいは蓋体を有する小物入れやカップホルダなどに適用できる。
【符号の説明】
【0056】
10 可動装置としてのコンソールボックス
12 可動体である蓋体
13 本体部である収納体としてのボックス本体
15 開口部
21 取付部であるヒンジ部としてのヒンジアーム
23 ロック機構としてのクランプ部
52 被取付部としての支持部
57 収納部
75 変形抑制部であるリブ
76 補強リブ
図1
図2
図3
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図5
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図7