特許第5916096号(P5916096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916096
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】太陽エネルギー利用装置の設置構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20140101AFI20160422BHJP
   E04D 13/00 20060101ALI20160422BHJP
   H02S 20/24 20140101ALI20160422BHJP
【FI】
   E04D13/18ETD
   E04D13/00 L
   H02S20/24
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-38110(P2012-38110)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-174060(P2013-174060A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】藤本 達哉
(72)【発明者】
【氏名】川口 将典
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−183899(JP,A)
【文献】 特開2000−213129(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/148107(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04D 13/00
H02S 20/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸屋根の屋根面の所定の箇所に基礎部材が設置され、
前記基礎部材に対し複数本の縦桟が架け渡され、
前記縦桟に対し水下側横桟と水上側横桟が固定され、
前記縦桟と、前記水下側横桟前記水上側横桟とから井桁状の架台を構成し、前記架台に太陽エネルギー利用装置が設置される太陽エネルギー利用装置の設置構造であって、
前記水下側横桟と前記水上側横桟によって、前記太陽エネルギー利用装置の水下側端部、水上側端部がそれぞれ支持され、
前記水上側横桟が、前記縦桟に固定されるブラケットに固定されることで、
前記太陽エネルギー利用装置が、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配を有するように傾斜して配置され、
前記水下側横桟の最下部の高さ位置が、前記縦桟の上面の高さ位置よりも下に配置される構成とする
太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項2】
記水下側横桟は前記縦桟に対しブラケットを介して固定され、
前記ブラケットの高さ位置が、前記縦桟の上面の高さ位置以上に設定される構成とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項3】
前記水下側横桟を固定する前記ブラケットは略L字板状であり、
前記水下側横桟の水上側の被固定部に対し、前記ブラケットの被固定部が固定される、
ことを特徴とする請求項に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項4】
前記水下側横桟の被固定部には、前記ブラケットの被固定部に係合する係合部が設けられており、
前記係合部を前記ブラケットに仮置きした状態で、留め具による前記ブラケットに対する前記水下側横桟の固定作業が可能となっている、
ことを特徴とする請求項に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項5】
前記水上側横桟固定する前記ブラケットは、
前記縦桟の側面に対して固定される、
ことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項6】
前記縦桟の側面には、突部が突設されており、
前記突部に対し、
前記水下側横桟を前記縦桟に固定するための前記ブラケット、及び/又は、
前記水上側横桟を前記縦桟に固定するための前記ブラケット、
を係止させる構成としている、
ことを特徴とする請求項4又は請求項に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅などの建物の屋根に設置される太陽電池パネルなどの太陽エネルギー利用装置を設置する際の構造等に関するものであり、より詳しくは、太陽エネルギー利用装置を設置するための架台の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの建物の屋根に太陽電池パネルを設置するための支持構造に関し、屋根上に縦桟と横桟を井桁状に設置して架台を構成し、架台の上に太陽電池パネルを設置する構成が知られており、この構成について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、陸屋根(水平面を構成する屋根)に太陽電池パネルを傾斜させて設置する形態について開示されており、所定位置に配設された基礎部材(置き基礎)の上に複数本の縦桟(縦レール)を平行に架け渡し、縦桟と直交するように水下側の横桟(横レール)と水上側の横桟を縦桟の上に架け渡し、水下側の横桟と水上側の横桟によって、それぞれ太陽電池パネルの水下側、水上側を下側から支持する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−152619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、太陽電池パネルなどの屋根に設置される装置については、日影規制の制約等の関係から、屋根の高さ位置から可能な限り低く設置する、即ち、可能な限り低く設置可能とする要求が生じる場合がある。例えば、屋上のパラペットの立ち上がり高さよりも低く設置するといった要求などが考えられる。
【0006】
この点、特許文献1に開示されるような井桁状の架台を構成する場合では、屋根上の基礎の高さ、縦桟の高さ、横桟の高さが重畳的に加算されるため、上記の要求に応じ難い場合が生じることがあった。特に横桟が中空構造であり、その上部に太陽電池パネル等の装置を配置する場合には、装置を支持する部位が著しく高い位置になってしまうことが想定される。また、高さを抑えるために、縦桟のみで太陽電池パネル等の装置を支持しようとすると、縦桟は、装置毎に最低2本必要であり、該縦桟を支えるための基礎も縦桟1本につき最低2つは必要となり、井桁状に構成するものに対して、基礎の数が増加してしまうという問題点がある。
【0007】
そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、屋根の上に太陽電池パネルなどの太陽エネルギー利用装置を低い位置に設置可能とするための新規の技術について提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1に記載のごとく、
陸屋根の屋根面の所定の箇所に基礎部材が設置され、
前記基礎部材に対し複数本の縦桟が架け渡され、
前記縦桟に対し水下側横桟と水上側横桟が固定され、
前記縦桟と、前記水下側横桟前記水上側横桟とから井桁状の架台を構成し、前記架台に太陽エネルギー利用装置が設置される太陽エネルギー利用装置の設置構造であって、
前記水下側横桟と前記水上側横桟によって、前記太陽エネルギー利用装置の水下側端部、水上側端部がそれぞれ支持され、
前記水上側横桟が、前記縦桟に固定されるブラケットに固定されることで、
前記太陽エネルギー利用装置が、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配を有するように傾斜して配置され、
前記水下側横桟の最下部の高さ位置が、前記縦桟の上面の高さ位置よりも下に配置される構成とする太陽エネルギー利用装置の設置構造とする。
【0010】
また、請求項2に記載のごとく記水下側横桟は前記縦桟に対しブラケットを介して固定され、前記ブラケットの高さ位置が、前記縦桟の上面の高さ位置以上に設定される構成とする。
【0012】
また、請求項記載のごとく、水下側横桟は略L字板状のブラケットを介して縦桟に対して固定されるものであり、水下側横桟の水上側の被固定部に対し、ブラケットの被固定部が固定される。
【0013】
また、請求項記載のごとく、水下側横桟の被固定部には、ブラケットの被固定部に係合する係合部が設けられており、係合部をブラケットに仮置きした状態で、留め具によるブラケットに対する水下側横桟の固定作業が可能となっている。
【0014】
また、請求項記載のごとく、水上側横桟を縦桟に固定するためのブラケットは、縦桟の側面に対して固定される。
【0015】
また、請求項記載のごとく、縦桟の側面には、突部が突設されており、突部に対し、水下側横桟を縦桟に固定するためのブラケット、及び/又は、水上側横桟を縦桟に固定するためのブラケット、を係止させる構成とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0017】
即ち、請求項1に記載の発明においては、
太陽エネルギー利用装置の水下側端部の屋根面からの高さ位置をより低くすることが可能となり、勾配を確保したまま、太陽エネルギー利用装置の全体の高さ位置をより低くすることが可能となる。また、全体の高さ位置を変更しない場合において、より大きな勾配を形成するといったことも可能である。特に、水下側横桟が中空構造である場合には、太陽エネルギー利用装置を支持する部位を低くすることが可能となるため、実効性の高い効果が得られる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明においては、
太陽エネルギー利用装置の水下側端部が縦桟の上面よりも高い位置に配置されるため、縦桟を跨ぐ様にして太陽エネルギー利用装置を設置することができる。また、この場合、隣り合う縦桟の間隔(ピッチ)に関係なく太陽エネルギー利用装置を設置することができ、太陽エネルギー利用装置の配置の自由度を高くすることができる。
【0020】
また、請求項記載の発明においては、
ブラケットに対する水上側横桟の固定作業は、水下側横桟に対して横側から行うことができるため、水下側横桟に対して下側から作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。即ち、低姿勢となる不安定な作業を作業を無くすことができ、特に、屋根上という高所作業において優れた作業性を確保することは極めて重要なものであり、優れた効果となる。
【0021】
また、請求項記載の発明においては、
重量のある長尺の水下側横桟手で支えずに固定作業が可能となるため、水下側横桟を手で支えながら作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。特に、屋根上という高所作業において優れた作業性を確保することは極めて重要なものであり、優れた効果となる。
【0022】
また、請求項記載の発明においては、
縦桟に対するブラケットの固定作業は、側面に対して横側から行うことができるため、縦桟に対して下側から作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。即ち、低姿勢となる不安定な作業を作業を無くすことができ、特に、屋根上という高所作業において優れた作業性を確保することは極めて重要なものであり、優れた効果となる。
【0023】
また、請求項記載の発明においては、
縦桟に対するブラケットの位置決めや、留め具を締結する際のブラケットの回り止め回転規制が行える。特に、回り止めの効果は、ブラケットを手で押さえる必要がないため、優れた作業性を確保する上で有効なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例の全体概要について示す図。
図2】屋根上の構成の概要について示す側面図。
図3】太陽電池パネルの水下側端部が水下側横桟によって支持される構成について示す側面一部断面図。
図4】太陽電池パネルの水下側端部が水下側横桟によって支持される構成について示す正面一部断面図。
図5】水下側横桟とブラケットについて示す背面側斜視図。
図6】(A)は水下側横桟を取り付ける前の状態について示す部位拡大側面図。(B)は水下側横桟を取り付けた状態について示す部位拡大側面図水下側横桟の部位の拡大側面図。
図7】太陽電池パネルの水下側横桟を支持するための支持部を縦桟の上面よりも低い位置に設定する例について示す図。
図8】(A)は隣り合う縦桟の間隔よりも太陽電池パネルの幅が小さく構成される場合について示す図。(B)は隣り合う縦桟の間隔よりも太陽電池パネルの幅が大きく構成される場合について示す図。
図9】(A)は縦桟の一部を切り欠いてなる切欠き部に水下側横桟の端部を載置固定する形態について示す図。(B)は縦桟を貫通するようなより長い水下側横桟を切欠き部に嵌入する形態について示す図。
図10】中途部横桟と水上側横桟によって太陽電池パネルを支持する形態について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の概要について説明するものであり、屋根1の屋根面10に矩形板状の太陽電池パネル2を設置した状態が示されている。太陽電池パネル2のほかにも、太陽熱を利用する太陽熱温水器など、各種の太陽エネルギー利用装置が設置されることが想定される。
【0026】
図1及び図2に示すごとく、屋根面10の所定の箇所には基礎部材3,3が設置され、基礎部材3,3に対し縦桟4,4が架け渡される。縦桟4,4は複数本が平行となるように配置され、縦桟4,4と直交する方向において、それぞれ水下側横桟5、水上側横桟6が縦桟4,4に対して架け渡される。
【0027】
なお、縦桟4と水下側横桟5、水上側横桟6における「縦」「横」の用語は、両者の関係を明記するために便宜的に付記するものであって、特定の方向を限定するものではない。例えば、縦と横を逆にする、つまり、「縦桟」を「横桟」と読み替えるとともに「横桟」を「縦桟」と読み替えることも可能である。また、便宜上、傾斜配置される太陽電池パネル2の低い側を水下側、高い側を水上側とする。
【0028】
以上の構成により、屋根面10には、平行に配設される複数本の縦桟4,4と、縦桟4,4と直交する方向にそれぞれ配置される水下側横桟5、水上側横桟6とから井桁上の架台7が構成される。本実施形態の屋根面10は、ほぼ水平な面を構成する陸屋根として構成されている。
【0029】
また、本実施形態では、パラペットPの屋根面10からの高さ位置H1よりも低い位置に太陽電池パネル2,2の高さ位置H2が納まるように設置されており、これにより、日影規制の制約等の関係において、太陽電池パネル2,2の存在が規制の制限に影響しないようになっている。
【0030】
そして、水下側横桟5と水上側横桟6によって、太陽電池パネル2の水下側端部21、水上側端部23がそれぞれ支持される。太陽電池パネル2は、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配Rを有するように傾斜して配置される。
【0031】
図3は太陽電池パネル2の水下側端部21が水下側横桟5によって支持される構成について示す側面一部断面図であり、図4は同じく正面一部断面図であり、図5は同じく背面側斜視図である。
【0032】
縦桟4は、長方形状の断面を形成する中空の長尺部材により構成されており、屋根面に設置される基礎部材3に対し、固定部材33を介して設置される。縦桟4の側面41には、略L字板状のブラケット8の被固定部81が留め具75によって固定される。縦桟4は断面視において左右対称に構成され、縦桟4のいずれか一方の側面41、或いは、両方の側面41,41に対しブラケット8が固定できるようになっている。
【0033】
縦桟4の側面41に形設されたコ字状のレール44からは留め具74が突出され、留め具74がブラケット8の被固定部81の図示せぬ貫通孔から突出される。この留め具74に対し留め具75が締結固定される。
【0034】
本実施形態では、留め具74がボルト、留め具75がナットにて構成され、一つのブラケット8の固定を一組の留め具74,75で行うことができる。また、レール44内に留め具74のボルト頭が挿入されていることにより、レール44の内側表面によって留め具74の回り止めがなされる。
【0035】
また、留め具74,75の固定作業は、側面41に対して横側から行うことができるため、縦桟4に対して下側から作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。
【0036】
縦桟4の側面41には、縦桟4の長手方向に連続する突部42が突設されており、この突部42にブラケット8の被固定部81を係止させることにより、ブラケット8の位置決めや、留め具74,75を締結する際のブラケット8の回り止め(回転規制)が行える。なお、この突部42は、後述する水上側横桟6(図3参照)のブラケット9の位置決めや回り止めとしても機能することになる。
【0037】
水下側横桟5は、上下に中空部56,57を有する長尺部材(中空構造)により構成されており、長手方向の端部がブラケット8を介して縦桟4に対して固定される。水下側横桟5の下側の中空部57を形成する部位57aにおける水上側の側面は、ブラケット8の被固定部82に対する被固定部52として構成され、この被固定部52とブラケット8の被固定部82が留め具76によって固定される。
【0038】
水下側横桟5の被固定部52には、ブラケット8の被固定部82に係合する係合部52aが設けられており、係合部52aをブラケット8に仮置きした状態で、留め具76による固定作業が可能となっている。なお、この効果を得るために、ブラケット8を縦桟4に固定した後に、ブラケット8に対する水下側横桟5の固定がなされることが好ましい。
【0039】
また、留め具76の固定作業は、水下側横桟5に対して横側から行うことができるため、水下側横桟5に対して下側から作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。
【0040】
水下側横桟5には、断面視において平面を構成する支持部51が形成されており、この支持部51の上に太陽電池パネル2の水下側端部21が載置される。載置された太陽電池パネル2の水下側端部21は、水下側横桟5の上側の中空部56を形成する部位56aによって覆い隠されるようになっている。
【0041】
図3には、縦桟4に固定される水上側横桟6も示されている。水上側横桟6は、長尺の中空部材(中空構造)にて構成され、縦桟4に固定されるブラケット9に対して固定されている。水上側横桟6には、図示せぬ配線材を収容するための配線トレイ65を固定するための固定部61や、太陽電池パネル2の水上側端部23を支持するための支持部62や、太陽電池パネル2の水上側端部23を上側から抑える押さえ部63が形成される。
【0042】
そして、図3に示すごとく、水下側横桟5の支持部51が水上側横桟6の支持部62よりも低い位置に配置されることによって、太陽電池パネル2が、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配Rを有するように傾斜して配置される。
【0043】
次に、図6(A)は水下側横桟5を取り付ける前の状態について示す部位拡大側面図であり、図6(B)は水下側横桟5を取り付けた状態について示す部位拡大側面図である。
【0044】
図6(B)においては、本発明において特徴的な構成である、太陽電池パネル2の水下側端部21を支持する水下側横桟5の最下部の高さ位置Hdが、縦桟4の上面43の高さ位置Huよりも下に配置される構成が示されている。
【0045】
本実施例では、水下側横桟5の最下部を構成する下面部53を、縦桟4の上面43の高さ位置よりも下に設定することで、水下側横桟5の最下部の高さ位置Hdが、縦桟4の上面43の高さ位置Huよりも低い位置に設定されていることとしている。
【0046】
また、他の実施形態として、水下側端部21は、縦桟4の上面43以下となる低位置においてブラケット8を介して縦桟4に支持されることとし、太陽電池パネル2の水下側端部21を支持するための支持部51の高さ位置Hmを、縦桟4の上面43の高さ位置と略同一にする構成も考えられる。
【0047】
さらに、他の実施形態として、図7に示す水下側横桟5Aの構成のように、例えば、被固定部52において係合部52Aaの位置をより高い位置に設けることで、太陽電池パネル2の水下側端部21を支持するための支持部51Aを上面43よりも低い位置に設定することも可能である。
【0048】
この場合、図8(A)に示すように、隣り合う縦桟4,4の間隔W1よりも太陽電池パネル2Aの幅W2が小さく構成される場合における設置形態や、図8(B)に示すように、隣り合う縦桟4,4の間隔W1よりも太陽電池パネル2Bの幅W3が大きく構成される場合において、介装部材4a,4aを介して太陽電池パネル2の水下側端部21を支持するための支持部51Bに太陽電池パネル2を設置するといった設置形態が考えられる。
【0049】
また、図6乃至図8に示されるように、ブラケット8を用いて縦桟4に水下側横桟5を固定する構成とするほか、図9(A)に示すように、縦桟4の一部を切り欠いてなる切欠き部46Aに水下側横桟5の端部を載置固定する形態や、図9(B)に示すように、水下側横桟5の端部を一部切り欠いて縦桟に載置固定する形態や、図9(C)に示すように、縦桟4を貫通するようなより長い水下側横桟5を切欠き部46Bに嵌入する形態も考えられる。
【0050】
以上のようにして、本発明を実施することが可能となる。
即ち、図1乃至図6に示すごとく、複数の縦桟4,4と、縦桟4,4に架け渡される水下側横桟5、及び、水上側横桟6とから井桁状の架台7を構成し、架台7に太陽電池パネル2などの太陽エネルギー利用装置が設置される太陽エネルギー利用装置の設置構造であって、太陽電池パネル2の水下側端部21を支持する前記水下側横桟5の最下部(下面部53)の高さ位置Hdが、縦桟4の上面43の高さ位置Huよりも下に配置される構成とする。
【0051】
これにより、図2に示すごとく、太陽電池パネル2の水下側端部21の屋根面10からの高さ位置H1をより低くすることが可能となり、勾配Rを確保したまま、太陽電池パネル2の全体の高さ位置H2をより低くすることが可能となる。また、全体の高さ位置H2を変更しない場合において、より大きな勾配Rを形成するといったことも可能である。特に、水下側横桟が中空構造である場合には、太陽電池パネル2を支持する部位(支持部51の高さ位置Hm)を低くすることが可能となるため、実効性の高い効果が得られる。
【0052】
なお、この構成を実現するために、図10に示すように、水下側横桟5(図1)を設ける代わりに太陽電池パネル2の縦方向の中途部に中途部横桟5Mを設け、この中途部横桟5Mと水上側横桟6によって太陽電池パネル2を支持する構成とすることも考えられる。
【0053】
また、図6に示すごとく、太陽電池パネル2の水下側端部21を支持するための水下側横桟5の支持部51の高さ位置Hmが、縦桟4の上面43の高さ位置Hu以上に設定される構成とすることで、本発明を実施することができる。
【0054】
この場合には、太陽電池パネル2の水下側端部21が縦桟4の上面43よりも高い位置に配置されるため、縦桟4を跨ぐ様にして太陽電池パネル2を設置することができる。また、この場合、隣り合う縦桟4の間隔(ピッチ)に関係なく太陽電池パネル2を設置することができ、太陽電池パネル2の配置の自由度を高くすることができる。
【0055】
また、図6に示すごとく、水下側横桟5が縦桟4の上面43以下となる低位置において縦桟4に支持されることとすることができる。
【0056】
水下側横桟5の固定位置を低くすることができ、水下側横桟5を低く配置する構成が実現可能となる。
【0057】
また、図3乃至図6に示すごとく、水下側横桟5は略L字板状のブラケット8を介して縦桟4に対して固定されるものであり、水下側横桟5の水上側の被固定部52に対し、ブラケット8の被固定部82が固定される。
【0058】
これにより、留め具76を用いたブラケット8に対する水下側横桟5の固定作業は、水下側横桟5に対して横側から行うことができるため、水下側横桟5に対して下側から作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。即ち、低姿勢となる不安定な作業を作業を無くすことができ、特に、屋根上という高所作業において優れた作業性を確保することは極めて重要なものであり、優れた効果となる。
【0059】
また、図3乃至図6に示すごとく、水下側横桟5の被固定部52には、ブラケット8の被固定部82に係合する係合部52aが設けられており、係合部52aをブラケット8に仮置きした状態で、留め具76によるブラケット8に対する水下側横桟5の固定作業が可能となっている。
【0060】
これにより、重量のある長尺の水下側横桟5手で支えずに固定作業が可能となるため、水下側横桟5を手で支えながら作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。特に、屋根上という高所作業において優れた作業性を確保することは極めて重要なものであり、優れた効果となる。
【0061】
また、図3に示すごとく、水上側横桟6を縦桟4に固定するためのブラケット9は、縦桟4の側面41に対して固定される、こととしている。
【0062】
具体的には、ブラケット9は、縦桟4を上から跨ぐようにして縦桟4の両側面41に対向するブラケット側面9aを有しており、このブラケット側面9aが、留め具94,95を介して縦桟4の側面に固定されるようになっている。なお、留め具94,95の形態は、上述の留め具74,75と同様である。
【0063】
これにより、縦桟4に対するブラケット9の固定作業は、側面41に対して横側から行うことができるため、縦桟4に対して下側から作業を行う場合と比較して作業性に優れたものとなる。即ち、低姿勢となる不安定な作業を作業を無くすことができ、特に、屋根上という高所作業において優れた作業性を確保することは極めて重要なものであり、優れた効果となる。なお、あらかじめ水上側横桟6に対しブラケット9を一体化しておき、ブラケット9の縦桟4への固定と同時に、水上側横桟6の縦桟4に対する固定がなされることとしてもよい。
【0064】
また、図3乃至図6に示すごとく、
縦桟4の側面41には、突部42が突設されており、
前記突部42に対し、
前記水下側横桟5を前記縦桟4に固定するための前記ブラケット8、及び/又は、
前記水上側横桟6を前記縦桟4に固定するための前記ブラケット9、を係止させる構成としている。
【0065】
これにより、縦桟4に対するブラケット8の位置決めや、留め具74,75を締結する際のブラケット8の回り止め(回転規制)が行える。特に、回り止めの効果は、ブラケット8を手で押さえる必要がないため、優れた作業性を確保する上で有効なものとなる。なお、突部42は、上記の実施形態のように縦桟4の長手方向の全ての部位に設ける突条部にて構成するほか、断続的に設けることや、別部材を設けることなどによって実現することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、太陽電池パネルや、太陽熱を利用する太陽熱温水器など、各種の太陽エネルギー利用装置を設置するための技術として幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 屋根
2 太陽電池パネル
3 基礎部材
4 縦桟
5 水下側横桟
6 水上側横桟
7 架台
8 ブラケット
9 ブラケット
10 屋根面
21 水下側端部
23 水上側端部
41 側面
42 突部
51 支持部
52 被固定部
52a 係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10