(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916097
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】太陽エネルギー利用装置の設置構造
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20140101AFI20160422BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20160422BHJP
H02S 20/24 20140101ALI20160422BHJP
【FI】
E04D13/18ETD
E04D13/00 L
H02S20/24
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-38111(P2012-38111)
(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公開番号】特開2013-174061(P2013-174061A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】藤本 達哉
(72)【発明者】
【氏名】川口 将典
【審査官】
五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3164756(JP,U)
【文献】
特開2007−309039(JP,A)
【文献】
実開平05−095127(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0006386(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第02607816(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04D 13/00
H02S 20/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸屋根の屋根面の所定の箇所に基礎部材が設置され、
前記基礎部材に対し複数本の縦桟が架け渡され、
前記縦桟に対し水下側横桟と水上側横桟が固定され、
前記縦桟と、前記水下側横桟と、前記水上側横桟とから井桁状の架台を構成し、前記架台に太陽エネルギー利用装置が設置される太陽エネルギー利用装置の設置構造であって、
前記縦桟の長手方向に間隔が空けられ、かつ、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配を有するように傾斜して前記太陽エネルギー利用装置が設置され、
間隔を空けて隣り合う前記太陽エネルギー利用装置の間に形成される前記太陽エネルギー利用装置に覆われない空間において配線材を収容するための配線枠であって、
隣り合う前記太陽電池モジュールの間に形成される空間の部位にのみに設けられ、前記縦桟の長手方向において隣り合う前記太陽エネルギー利用装置の間隔よりも少なくとも長い配線枠が前記縦桟に取り付けられ、
前記配線枠には、
前記配線枠の外部から前記配線枠の内部の収容空間に前記配線材を挿入するための一連の開口が前記配線枠の長手方向に形成され、
前記配線枠は、前記縦桟と別部材に構成され、前記縦桟に対して固定される、
太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項2】
前記配線枠の前記収容空間は、
前記縦桟の側面に当着される固定側面部と、
前記固定側面部の上部において前記縦桟から離れる方向に突出する上面部と、
前記固定側面部の下部において縦桟から離れる方向に突出する下面部と、
前記下面部における前記固定側面部と反対側の端部から立ち上がる立上り壁部と、を有して構成されており、
前記上面部と前記立上り壁部の間に、前記開口が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項3】
カバー部材によって前記開口が塞がれ、前記収容空間が閉じられた空間として構成される、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記開口に対して嵌着される構成とする。
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記開口に設けた軟質材からなる閉塞部材にて構成され、閉塞部材を弾性変形させることで、開口において配線材を通過させる隙間が形成される構成とする、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【請求項6】
前記縦桟の側面に設けられる突部に対し、前記配線枠の一部を突き当てることで、前記配線枠の前記縦桟に対する位置決めが可能に構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の太陽エネルギー利用装置の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅などの建物の屋根に設置される太陽電池パネルなどの太陽エネルギー利用装置を設置する際の構造等に関するものであり、より詳しくは、太陽エネルギー利用装置の配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュールなどの屋根上設置物を設置するための架台を桟部材にて構成することが行われており、この桟部材の具体的構造について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
太陽電池モジュールなどの屋根上設置物を屋根上に設置した場合には、電気ケーブル、アンテナケーブル、温水管などの各種の配線材を桟に括り付けるなどして、配線材を固定する必要がある。
【0004】
特許文献1では、屋根上設置物の配線材を収容して保持するとともに、配線材を雨水等による劣化から保護することを可能とする桟の構成について開示がされており、桟の全長にわたる収容空間を構成するための溝を設け、溝に対して閉塞部材を取り付ける構造が提案されている。
【0005】
特許文献2では、結束バンドを用いて金具に固定する方法や、略U字の断面を有するケーブル支持材に挿入固定する方法について開示がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4679435号明細書
【特許文献2】特開2006−16790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、屋根上設置物の配線材の固定について従来より課題が存在するが、近年の太陽光発電の需要の急増などを背景に、更なる改善の要求が顕在化している。
【0008】
例えば、特許文献1との関連では、桟の全長にわたる収容空間を構成する必要があるため、桟の製造コストが嵩むとともに、桟の重量増につながってしまうことになる。特に、重量物となる太陽電池パネルを屋根上に設置する場合においては、重量増の問題は重視されるべきものとなる。
【0009】
また、他の課題として、特許文献1の構造では、溝から配線材が脱落しないように片手で配線材を抑えつつ、もう一方の手で閉塞部材を溝に対して固定するという両手が必要な作業形態となるため、屋根上といった高所作業であることを考慮すると、作業性の向上を図る余地があった。
【0010】
他方、特許文献2に開示されるような結束バンドを用いる方法においても、結束バンドを締結する作業は両手作業となってしまい、また、結束バンドを固定するための専用の部位を桟側に設けるなどといった対策も必要となる。
【0011】
また、特許文献2に開示されるケーブル支持材の形態では、例えば、コネクタ等の配線の接続部などにおいては、接続部を差し込むことができないことが懸念される。とはいえ、接続部を差し込めるように余裕を持たせることとすると、他の大部分の配線材がケーブル支持材にしっかりと固定されず、脱落するという不具合が発生することが懸念される。
【0012】
そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、太陽エネルギー利用装置の配線材に関する様々な課題を解決するための新規な構造を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0014】
即ち、請求項1に記載のごとく、
陸屋根の屋根面の所定の箇所に基礎部材が設置され、
前記基礎部材に対し複数本の縦桟が架け渡され、
前記縦桟に対し水下側横桟と水上側横桟が固定され、
前記縦桟と、前記水下側横桟
と、
前記水上側横桟とから井桁状の架台を構成し、前記架台に太陽エネルギー利用装置が設置される太陽エネルギー利用装置の設置構造であって、
前記縦桟の長手方向に間隔
が空け
られ、かつ、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配を有するように傾斜して前記太陽エネルギー利用装置が設置され、
間隔を空けて隣り合う
前記太陽エネルギー利用装置の間に形成される前記
太陽エネルギー利用装置に覆われない空間において配線材を収容するための配線枠
であって、
隣り合う前記太陽電池モジュールの間に形成される空間の部位にのみに設けられ、前記縦桟の長手方向において隣り合う前記太陽エネルギー利用装置の間隔よりも少なくとも長い配線枠が前記縦桟に取り付けられ、
前記配線枠には、
前記配線枠の外部から前記配線枠の内部の収容空間に前記配線材を挿入するための一連の開口が前記配線枠の長手方向に形成され、
前記配線枠は、前記縦桟と別部材に構成され、前記縦桟に対して固定される、
太陽エネルギー利用装置の設置構造とする。
【0016】
また、請求項
2記載のごとく、前記配線枠の前記収容空間は、前記縦桟の側面に当着される固定側面部と、前記固定側面部の上部において前記縦桟から離れる方向に突出する上面部と、前記固定側面部の下部において縦桟から離れる方向に突出する下面部と、前記下面部における前記固定側面部と反対側の端部から立ち上がる立上り壁部と、に囲まれて構成されており、前記上面部と前記立上り壁部の間に、前記開口が形成される、構成としている。
【0017】
また、請求項
3記載のごとく、カバー部材によって前記開口が塞がれ、前記収容空間が閉じられた空間として構成されることとする。
【0018】
また、請求項
4記載のごとく、前記カバー部材は、前記開口に対して嵌着される構成とする。
【0019】
また、請求項
5記載のごとく、カバー部材は、開口に設けた軟質材からなる閉塞部材にて構成され、閉塞部材を弾性変形させることで、開口において配線材を通過させる隙間が形成される構成とする。
【0020】
また、請求項
6記載のごとく、縦桟の側面に設けられる突部に対し、配線枠の一部を突き当てることで、配線枠の縦桟に対する位置決めが可能に構成されることとする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0022】
即ち、請求項1に記載の発明においては、配線枠は縦桟とは別部材で構成されるため、縦桟の製造コストを安価に抑えることができる。また、配線枠は空間の部位にのみ取り付けられるため、配線枠を含む縦桟の重量増を抑えることが可能となる。
また、開口を通じて配線材を収容空間内に収容することができる。
【0024】
また、請求項
2記載の発明においては、開口を通じて配線材を収容空間内に収容することができるとともに、いったん収容空間内に配線材が挿入されると、立上り壁部の存在により、開口を通じて配線枠の外側へと脱落することが防がれる。また、立上り壁部を設けることによって、配線材が太い場合、細い場合のいずれの場合においても、開口を通じて配線材が脱落する不具合を確実に防ぐことができる。また、コネクタ等の接続部を収容することが可能な広い収容空間を構成することも可能となる。
【0025】
また、請求項
3記載の発明においては、配線材の脱落をさらに確実に防止できることになるととともに、コネクタ等の配線の接続部が外部にさらされないことになるため、接続部の劣化や、接続部への雨水の降りかかりや、塵、ホコリの付着による予期せぬ不具合なども効果的に防ぐことが可能となり、耐用年数の長期化や、メンテナンス間隔の長期化などを図ることが可能となる。また、別部材で構成されるカバー部材を配線枠に取り付ける際には、配線材を予め収容空間に収容させることで、配線材を手で押さえることなく、容易にカバー部材を取り付けることが可能である。
【0026】
また、請求項
4記載の発明においては、配線枠に対するカバー部材の取付作業を容易に行うことができる。
【0027】
また、請求項
5記載の発明においては、カバー部材の取付作業を不要とすることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0028】
また、請求項
6記載の発明においては、配線枠の縦桟に対する位置決めを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図5】配線枠が固定される対象である縦桟の構造について説明する図。
【
図6】(A)は上下一対の閉塞部材を設けてカバー部材を構成する例について示す図。(B)は一片の閉塞部材を設けてカバー部材を構成する例について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の概要について説明するものであり、屋根1の屋根面10に矩形板状の太陽電池パネル2を設置した状態が示されている。太陽電池パネル2のほかにも、太陽熱を利用する太陽熱温水器など、各種の太陽エネルギー利用装置が設置されることが想定される。
【0031】
図1及び
図2に示すごとく、屋根面10の所定の箇所には基礎部材3,3が設置され、基礎部材3,3に対し縦桟4,4が架け渡される。縦桟4,4は複数本が平行となるように配置され、縦桟4,4と直交する方向において、それぞれ水下側横桟5、水上側横桟6が縦桟4,4に対して架け渡される。
【0032】
なお、縦桟4と水下側横桟5、水上側横桟6における「縦」「横」の用語は、両者の関係を明記するために便宜的に付記するものであって、特定の方向を限定するものではない。例えば、縦と横を逆にする、つまり、「縦桟」を「横桟」と読み替えるとともに「横桟」を「縦桟」と読み替えることも可能である。また、便宜上、傾斜配置される太陽電池パネル2の低い側を水下側、高い側を水上側とする。
【0033】
以上の構成により、屋根面10には、平行に配設される複数本の縦桟4,4と、縦桟4,4と直交する方向にそれぞれ配置される水下側横桟5、水上側横桟6とから井桁上の架台7が構成される。本実施形態の屋根面10は、ほぼ水平な面を構成する陸屋根として構成されている。
【0034】
そして、水下側横桟5と水上側横桟6によって、太陽電池パネル2の水下側端部21、水上側端部23がそれぞれ支持される。太陽電池パネル2は、水下側の高さが水上側の高さよりも低くなる勾配Rを有するように傾斜して配置される。
【0035】
また、
図2に示すごとく、各太陽電池パネル2,2には、配線材30a,30bが接続されており、各太陽電池パネル2,2によって発電された電力が、配線材30a,30bを通じて送電される。なお、配線材としては、送電を行うための電力線のほか、制御信号を送信するためのケーブル類や、流体を流通させるための配管などである場合も想定される。
【0036】
また、縦桟4の長手方向において、太陽電池パネル2,2は所定の間隔Dを空けて配置されている。このため、縦桟4の長手方向において隣り合う太陽電池パネル2,2の間には、太陽電池パネル2によって覆われない空間Kが形成される。
【0037】
この空間Kにおいては、配線材30aが太陽電池パネル2によって覆われないことになるため、紫外線や雨水によって配線材30aが劣化することが懸念される。
【0038】
そこで、この空間Kの部位において、配線材30aを収容するための配線枠70が設けられている。
図3及び
図4に示すごとく、本実施例の配線枠70は、縦桟4の側面41に対し留め具72(
図4)によって付設される長尺の部材であり、配線材30aを収容するための収容空間73を有する部材にて構成されている。収容空間73の長手方向の端部は開放されており、配線材30aが収容空間73内を通過するように構成されている。
【0039】
配線枠70は、縦桟4の側面41に当着される固定側面部71aと、固定側面部71aの上下の部位においてそれぞれ縦桟4から離れる方向に突出する上面部71b、下面部71cとを有している。
【0040】
下面部71cにおける固定側面部71aと反対側の端部には、立上り壁部71dが設けられており、立上り壁部71dの上部に係合片部71eが設けられている。
【0041】
上面部71bにおける固定側面部71aと反対側の端部には、係合片部71fが垂設されている。
【0042】
係合片部71e,71fの間には隙間が確保されており、この隙間により配線材30aを収容空間73内へと挿入するための開口76が構成される。
【0043】
そして、いったん収容空間73内に配線材30aが挿入されると、立上り壁部71dの存在により、開口76を通じて配線枠70の外側へと脱落することが防がれる。この観点から、立上り壁部71dは、配線枠70の上面部71bと下面部71cの間の上下方向位置において、少なくとも、1/3以上の高さに設置されることが好ましい。
【0044】
また、このように立上り壁部71dを設けることによって、配線材30aが太い場合、細い場合のいずれの場合においても、開口76を通じて配線材30aが脱落する不具合を確実に防ぐことができる。また、コネクタ等の接続部75を収容することが可能な広い収容空間73を構成することも可能となる。
【0045】
また、収容空間73に配線材30aを挿入した後には、開口76を塞ぐためのカバー部材78が配線枠70に取り付けられる。
【0046】
カバー部材78は、開口76を塞ぐための閉塞面部78aと、閉塞面部78aから突設され、開口76の係合片部71e,71fに係合するための係合片部78e,78fを有して構成される。開口76に係合片部78e,78fを挿入すると、係合片部78e,78fが互いの距離を縮ませるように撓んだ後、弾性復帰して係合片部71e,71fに係合し、これにより、カバー部材78が配線枠70に対して嵌着される。
【0047】
また、配線枠70とカバー部材78は略同一の長さに構成され、縦桟4と同一の素材(例えば、アルミ成型材)や、樹脂成型品にて構成することができる。なお、カバー部材78は配線枠70よりも短く構成してもよく、また、短く構成したものを複数箇所に取り付けることとしてもよい。
【0048】
また、
図2に示すごとく、配線枠70の長さは、縦桟4の長手方向における太陽電池パネル2,2の間の間隔Dよりも、少なくとも長く構成され、これにより、配線材30aが太陽電池パネル2によって覆われない空間Kにおいて、配線材30aが配線枠70内に収容されて、配線材30aの紫外線や雨水による劣化を防止することができる。
【0049】
より好ましくは、配線枠70は、太陽電池パネル2によって覆われる水上側横桟6よりも水下側の位置P1から、太陽電池パネル2によって覆われる水下側横桟5よりも水上側の位置P2の間において、配線材30aを収容でできるように構成されることが好ましい。
【0050】
また、特に、本実施例のように、配線枠70にカバー部材78を取り付けて閉じられた収容空間73を構成することによれば、配線材30aの脱落をさらに確実に防止できることになるととともに、コネクタ等の配線の接続部75が外部にさらされないことになるため、接続部75の劣化や、接続部75への雨水の降りかかりや、塵、ホコリの付着による予期せぬ不具合なども効果的に防ぐことが可能となり、耐用年数の長期化や、メンテナンス間隔の長期化などを図ることが可能となる。
【0051】
また、配線枠70の縦桟4に対する位置決めについては、例えば、縦桟4の側面41に設けられる突部42に対し、配線枠70の固定側面部71aと上面部71bの角部を突き当てることで位置決めさせることなどが考えられる。
【0052】
なお、
図5に示すごとく、この突部42は、縦桟4の長手方向に伸びる突条部として構成することで、水下側横桟5や水上側横桟6を固定するブラケット8,9の位置決めや、回り止めの機能を兼ね備えるものとすることができる。
【0053】
また、以上の実施例とは異なる他の実施形態として、
図6(A)に示す配線枠70Aのように、配線材30aを通過させる開口76Aに、軟質材(ゴム、樹脂など)からなる上下一対の閉塞部材77a,77bを設けてカバー部材78Aを構成し、閉塞部材77a,77bを撓ませることで両者の間に隙間を構成して配線材30aを通過させ、収容空間73Aに配線材30aを収容させる形態も考えられる。
【0054】
なお、
図6(B)に示すカバー部材78Bように、一片の閉塞部材77cを設け、閉塞部材77cを撓ませることで、配線材30aを通過させる隙間が形成されることとしてもよい。
【0055】
さらに、配線枠70の形状は、上述の実施例の他にも考えられる。例えば、
図4に示すように、配線枠70の断面が方形をなすように角管状に構成するほか、丸管や、楕円管などとすることも考えられる。
【0056】
以上のようにして、本発明を実施することが可能となる。
即ち、
図1乃至
図5に示すごとく、縦桟4の長手方向に間隔Dを空けて太陽電池パネル2などの太陽エネルギー利用装置が設置される太陽エネルギー利用装置の設置構造であって、所定の間隔Dを空けて隣り合う太陽電池パネル2,2の間に形成される空間Kにおいて配線材30aを収容するための収容空間73を有する配線枠70が縦桟4に取り付けられる構成とする。
【0057】
これにより、
図3及び
図4に示すごとく、配線枠70は縦桟4とは別部材で構成されるため、縦桟4の製造コストを安価に抑えることができる。また、配線枠70は空間Kの部位にのみ取り付けられるため、配線枠70を含む縦桟4の重量増を抑えることが可能となる。
【0058】
また、配線枠70には、配線枠70の外部から配線枠70の内部の収容空間73に配線材70を挿入するための一連の開口76が配線枠70の長手方向に形成される。
【0059】
好ましくは、配線枠70の収容空間73は、縦桟4の側面に当着される固定側面部71aと、固定側面部71aの上部において縦桟4から離れる方向に突出する上面部71bと、固定側面部71aの下部において縦桟4から離れる方向に突出する下面部71cと、下面部71cにおける固定側面部71aと反対側の端部から立ち上がる立上り壁部71dと、に囲まれて構成されており、上面部71bと立上り壁部71dの間に、外部から配線材30aを挿入するための一連の開口76が形成される、構成としている。
【0060】
これにより、開口76を通じて配線材30aを収容空間73内に収容することができるとともに、いったん収容空間73内に配線材30aが挿入されると、立上り壁部71dの存在により、開口76を通じて配線枠70の外側へと脱落することが防がれる。また、立上り壁部71dを設けることによって、配線材30aが太い場合、細い場合のいずれの場合においても、開口76を通じて配線材30aが脱落する不具合を確実に防ぐことができる。また、コネクタ等の接続部75を収容することが可能な広い収容空間73を構成することも可能となる。
【0061】
また、カバー部材78によって開口76が塞がれ、収容空間73が閉じられた空間として構成されることとする。
【0062】
これにより、配線材30aの脱落をさらに確実に防止できることになるととともに、コネクタ等の配線の接続部75が外部にさらされないことになる。そして、接続部75の劣化や、接続部75への雨水の降りかかりや、塵、ホコリの付着による予期せぬ不具合なども効果的に防ぐことが可能となり、耐用年数の長期化や、メンテナンス間隔の長期化などを図ることが可能となる。また、別部材で構成されるカバー部材78を配線枠70に取り付ける際には、配線材30aを予め収容空間73に収容させることで、配線材30aを手で押さえることなく、容易にカバー部材78を取り付けることが可能である。
【0063】
また、カバー部材78は、開口76に対して嵌着される構成とする。
【0064】
これにより、配線枠70に対するカバー部材78の取付作業を容易に行うことができる。
【0065】
また、
図6(A)に示すごとく、カバー部材78Aは、開口76に設けた軟質材からなる閉塞部材77a,77bにて構成され、閉塞部材77a,77bを弾性変形させることで、開口76において配線材30aを通過させる隙間が形成される構成とする。
【0066】
これにより、カバー部材78Aの取付作業を不要とすることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0067】
また、
図4及び
図5に示すごとく、縦桟4の側面41に設けられる突部42に対し、配線枠70の一部を突き当てることで、配線枠70の縦桟4に対する位置決めが可能に構成されることとする。
【0068】
これにより、配線枠70の縦桟4に対する位置決めを容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、太陽電池パネルや、太陽熱を利用する太陽熱温水器など、各種の太陽エネルギー利用装置を設置する際の配線材の劣化を防ぐための技術として幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 屋根
2 太陽電池パネル
4 縦桟
5 水下側横桟
6 水上側横桟
7 架台
10 屋根面
30a 配線材
30b 配線材
41 側面
42 突部
70 配線枠
71a 固定側面部
71b 上面部
71c 下面部
71d 立上り壁部
71e 係合部
71f 係合部
73 収容空間
76 開口
78 カバー部材
D 間隔
K 空間