(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コインを受け入れる複数の受入部を有する回転ディスクを回転させることにより、各受入部に受け入れられたコインをコイン通路を通して投出口から1枚ずつ払い出すコインホッパにおいて、
コインが前記コイン通路を通して払い出される払出方向において、前記投出口より上流側に配置され、軸線が前記コイン通路を横切る方向に延びる支持軸と、
前記支持軸により支持され、前記投出口を閉鎖する閉鎖位置と、前記投出口を開放する開放位置との間で回動可能なシャッタと、
前記シャッタを前記閉鎖位置に向けて付勢する弾性体と、
前記コイン通路の内部において、コインが摺動して移動する前記コイン通路の通路面に対向する前記コイン通路の対向面に形成される取付凹部と、を備え、
前記支持軸は、前記取付凹部内に取り付けられ、
前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材は、前記投出口に向けて前記コイン通路を移動するコインに接触するように配置され、
前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材が前記コイン通路を移動するコインに接触したときに、前記シャッタが前記弾性体の弾性力に抗して前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動することを特徴とする不正防止機能を有するコインホッパ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載された不正防止装置は、シャッタを開閉させるためにソレノイドを使用し、回転ディスクを回転させるモータとタイミングを合わせてソレノイドの励磁を制御する構成である。このため、コインホッパの限られた内部空間においてシャッタに近接してソレノイドを配置する必要があり、しかもソレノイドの励磁を制御する制御処理も必要となることから、従来の不正防止装置は機械的構成および電気的構成ともに複雑となる。
【0006】
そこで、本発明は、コインの投出口を開閉することが可能なシャッタを備え、コインの不正取得を簡易な構成で確実に防止することができる不正防止機能を有するコインホッパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明態様は、コインを受け入れる複数の受入部を有する回転ディスクを回転させることにより、各受入部に受け入れられたコインをコイン通路を通して投出口から1枚ずつ払い出すコインホッパにおいて、コインが前記コイン通路を通して払い出される払出方向において、前記投出口より上流側に配置され、軸線が前記コイン通路を横切る方向に延びる支持軸と、前記支持軸により支持され、前記投出口を閉鎖する閉鎖位置と、前記投出口を開放する開放位置との間で回動可能なシャッタと、前記シャッタを前記閉鎖位置に向けて付勢する弾性体と、
前記コイン通路の内部において、コインが摺動して移動する前記コイン通路の通路面に対向する前記コイン通路の対向面に形成される取付凹部と、を備え、
前記支持軸は、前記取付凹部内に取り付けられ、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材は、前記投出口に向けて前記コイン通路を移動するコインに接触するように配置され、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材が前記コイン通路を移動するコインに接触したときに、前記シャッタが前記弾性体の弾性力に抗して前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動する構成である。
【0008】
発明態様では、コインは、通貨であるコインの外に、ゲーム機で使用するメダルおよびトークンも含む意味である。コインの形状は、円形でも、多角形でもよい。
【0009】
発明態様では、支持軸の軸線が、コイン通路を横切る方向に延びるのであれば、軸線が、払出方向に直交する方向でも、払出方向に対して傾斜する方向でもよい。また、軸線は、コインが移動するコイン通路の通路面に平行に配置されても、通路面に対して傾斜して配置されてもよい。
【0010】
発明態様では、シャッタの閉鎖位置は、投出口とコイン通路との連通状態を遮断するシャッタの回動位置であり、シャッタの開放位置は、投出口とコイン通路との間を連通させるシャッタの回動位置である。
【0011】
発明態様では、支持軸に回動可能に支持されたシャッタが、閉鎖位置に位置するときに、コインが移動するコイン通路の通路面に対して傾斜した状態で位置してもよく、また、その通路面に垂直な状態で位置してもよい。
【0012】
発明態様では、コインが払出方向にコイン通路を移動するために、回転ディスクの回転によりコインを移動させて、シャッタ、またはシャッタに連結された部材にコインを接触させる構成でも、回転ディスクから送り出されたコインを案内する一対のガイドから弾性付勢力をコインに付与することによりコインを移動させて、シャッタ、またはシャッタに連結された部材にコインを接触させる構成でもよい。
【0013】
発明態様では、前記支持軸が、コインが摺動して移動する前記コイン通路の通路面から、コインの厚さ以上の距離だけ離れた位置に配置され、前記シャッタが前記閉鎖位置に位置するときに、前記シャッタの先端部が、前記通路面に当接する
構成でもよい。
【0014】
発明態様では、前記支持軸が、コインが前記回転ディスクから前記コイン通路に進入するコイン入口より前記払出方向において下流側に配置され、前記シャッタが、前記支持軸に支持された基端部を有し、前記通路面に対して、その基端部から前記払出方向に傾斜して延びる
構成でもよい。
【0015】
発明態様では、前記シャッタが、前記基端部から前記投出口まで前記払出方向に傾斜して延びる
構成でもよい。
【0016】
請求項2に記載の具体的態様は、前記コイン通路と前記投出口とが連結される箇所において前記通路面に形成された凹所を備え、
前記凹所の深さは、前記シャッタの厚さより大きく設定され、前記シャッタの先端部が、前記シャッタが前記閉鎖位置に位置するときに、前記凹所に嵌合する。
【0017】
具体的態様では、凹所の形状は、シャッタの先端部が嵌合し得る形状であれば、矩形形状でも、楕円形などの曲面により形成される形状でも、傾斜した平面により形成される形状でもよい。
【0018】
請求項3に記載の具体的態様では、前記投出口が、投出口が細長く形成される方向において対向する一対の側端縁を有し、前記シャッタが、前記支持軸の軸線が延びる方向において対向する一対の側端部を有し、前記シャッタの両側端部が、前記投出口の両側端縁をそれぞれ超えて側方に配置される。
【0019】
請求項4に記載の具体的態様では、前記回転ディスクから前記コイン通路に送り出されるコインを案内するために第1ガイドと、その第1ガイドに向かって弾性力により付勢された第2ガイドと、を備え、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材が、コインが前記第1および第2ガイドに案内されている間に、その案内されているコインとの接触を開始するように配置される。
【0020】
具体的態様では、第1ガイドがコインホッパのフレームに固定される構成でも、第1および第2ガイドが互いに接近する方向に弾性力で付勢される構成でもよい。
【0021】
請求項5に記載の具体的態様では、
前記回転ディスクから前記コイン通路に送り出されるコインを案内するために第1ガイドと、その第1ガイドに向かって弾性力により付勢された第2ガイドと、を備え、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材が、
コインが前記第1および第2ガイドの間を通過する前においてコインが前記回転ディスクの回転により前記回転ディスクから前記払出方向の移動力を受けている間に、その移動力を受けているコインとの接触を開始するように配置される。
【0022】
請求項6に記載の具体的態様では、
前記コイン通路の対向面を構成するフレーム部分を有し、コイン貯留部が形成された貯留フレームと、前記コイン通路
の通路面が形成され、前記貯留フレームが載置されるホッパベースと、を備え、前記支持軸は、前記貯留フレームが前記ホッパベースに載置されたときに前記コイン通路
の通路面に対向する前記貯留フレームの
前記フレーム部分に、取り付けられる。
【0023】
請求項7に記載の発明態様では、コインを受け入れる複数の受入部を有する回転ディスクを回転させることにより、各受入部に受け入れられたコインをコイン通路を通して投出口から1枚ずつ払い出すコインホッパにおいて、コインが前記コイン通路を通して払い出される払出方向において、前記投出口より上流側に配置され、軸線が前記コイン通路を横切る方向に延びる支持軸と、前記支持軸により支持され、前記投出口を閉鎖する閉鎖位置と、前記投出口を開放する開放位置との間で回動可能なシャッタと、前記シャッタを前記閉鎖位置に向けて付勢する弾性体と、前記コイン通路と前記投出口とが連結される箇所において、コインが摺動して移動する前記コイン通路の通路面に形成された凹所と、を備え、前記シャッタの先端部は、前記シャッタが前記閉鎖位置に位置するときに、前記凹所に嵌合し、前記支持軸は、前記コイン通路の内部において、前記コイン通路の通路面に対向する前記コイン通路の対向面に配置され、前記コイン通路を移動するコインの先端部が前記投出口に到達した状態で、前記支持軸は、前記払出方向において、そのコインの後端部より下流側に配置され、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材は、前記投出口に向けて前記コイン通路を移動するコインに接触するように配置され、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材が前記コイン通路を移動するコインに接触したときに、前記シャッタが前記弾性体の弾性力に抗して前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動する構成である。
【0024】
請求項8に記載の発明態様では、コインを受け入れる複数の受入部を有する回転ディスクを回転させることにより、各受入部に受け入れられたコインをコイン通路を通して投出口から1枚ずつ払い出すコインホッパにおいて、前記回転ディスクから前記コイン通路に送り出されるコインを案内するために第1ガイドと、前記第1ガイドに向かって弾性力により付勢された第2ガイドと、コインが前記コイン通路を通して払い出される払出方向において、前記投出口より上流側に配置され、軸線が前記コイン通路を横切る方向に延びる支持軸と、前記支持軸により支持され、前記投出口を閉鎖する閉鎖位置と、前記投出口を開放する開放位置との間で回動可能なシャッタと、前記シャッタを前記閉鎖位置に向けて付勢する弾性体と、前記コイン通路と前記投出口とが連結される箇所において、コインが摺動して移動する前記コイン通路の通路面に形成された凹所と、を備え、前記シャッタの先端部は、前記シャッタが前記閉鎖位置に位置するときに、前記凹所に嵌合し、前記支持軸は、前記コイン通路の内部において、前記コイン通路の通路面に対向する前記コイン通路の対向面に配置され、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材は、コインが前記第1および第2ガイドの間を通過する前においてコインが前記回転ディスクの回転により前記回転ディスクから前記払出方向の移動力を受けている間に、その移動力を受けているコインとの接触を開始するように配置され、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材が前記コイン通路を移動するコインに接触したときに、前記シャッタが前記弾性体の弾性力に抗して前記閉鎖位置から前記開放位置へ移動する構成である。
【発明の効果】
【0025】
請求項1、請求項7、または請求項8に記載の
発明態様では、コイン通路を横切る方向に軸線が延びるように支持軸が配置される。この支持軸の配置により、シャッタは小さな可動範囲で投出口の開閉動作を迅速に行うことができ、コインホッパの限られた内部空間にシャッタを配置することができる。また、シャッタの一部、またはシャッタに連結された部材が、コイン通路を移動するコインに接触するように構成される。このコインと接触可能な簡易な構成により、ソレノイドなどの特別な作動手段を使用することなく、コインの払出動作に関連してシャッタを開放することができる。
【0026】
発明態様では、支持軸が、コイン通路の通路面から、コインの厚さ以上の距離だけ離れた位置に配置される
構成である場合、支持軸は、コイン通路上でのコイン移動を妨げることなく、シャッタが小さな可動範囲で迅速に開閉動作を行うことを可能にする。
発明態様では、支持軸が、コイン通路のコイン入口より払出方向において下流側に配置され、シャッタが、通路面に対して、基端部から払出方向に傾斜して延びる
構成である場合、払出方向におけるシャッタの長さを比較的短くすることができ、また、コインは、通路面に対して傾斜するシャッタに接触して円滑に通過することができる。
発明態様では、シャッタが、基端部から投出口まで払出方向に延びる
構成である場合、このシャッタの構成により、投出口から器具をコイン通路の内部に挿入してコイン通路の周辺に配置された部材を損傷させることを確実に防止することができる。また、通路面に対するシャッタの傾斜角度を小さくすることができることから、コインは、シャッタに接触して一層円滑に通過することができる。
【0027】
請求項2に記載の具体的態様では、凹所が、コイン通路と投出口とが連結される箇所において通路面に形成され、
前記凹所の深さは、前記シャッタの厚さより大きく設定される。シャッタの先端部が、シャッタが閉鎖位置に位置するときに、凹所に嵌合する。この先端部と凹所との嵌合により、器具を投出口からシャッタの先端部にこじ入れてシャッタを開けることを確実に防止することができる。
【0028】
請求項3に記載の具体的態様では、シャッタの両側端部が、投出口の両側端縁をそれぞれ超えて側方に配置される。このシャッタの構成により、器具を投出口からシャッタの側端部にこじ入れてシャッタを開けることを確実に防止することができる。
【0029】
請求項4に記載の具体的態様では、シャッタの一部、またはシャッタに連結された部材が、コインが第1および第2ガイドに案内されている間に、その案内されているコインとの接触を開始するように配置される。この結果、コインがシャッタの一部、またはシャッタに連結された部材と接触を開始するとき、両ガイドの案内によりコインの移動姿勢が安定し、コインは、シャッタを円滑に通過することができる。
【0030】
請求項5に記載の具体的態様では、
前記回転ディスクから前記コイン通路に送り出されるコインを案内するために第1ガイドと、その第1ガイドに向かって弾性力により付勢された第2ガイドと、を備え、前記シャッタの一部、または前記シャッタに連結された部材は、
コインが前記第1および第2ガイドの間を通過する前においてコインが回転ディスクの回転により回転ディスクから払出方向の移動力を受けている間に、その移動力を受けているコインとの接触を開始するように配置される。この結果、コインがシャッタの一部、またはシャッタに連結された部材と接触を開始するとき、コインは、回転ディスクから安定した移動力を受け、弾性体の弾性付勢力に抗してシャッタを円滑に通過することができる。
【0031】
請求項6に記載の具体的態様では、支持軸が、貯留フレームがホッパベースに載置されたときにコイン通路
の通路面に対向する貯留フレームの
前記フレーム部分に、取り付けられる。支持軸を貯留フレームに取り付けることにより、ホッパベースのコイン通路周辺の構成を複雑化させることを避けることができ、しかもシャッタを支持軸に組み付けることが容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<実施形態>
[コインホッパ1の全体構成]
以下に、本発明の一実施形態に係るコインホッパについて、図面を参照して説明する。コインホッパは、スロットマシンなどのゲーム機に内蔵される。コインホッパが払い出したコインは、ゲーム機の正面に設けられた受取口に送出される。
図1は、コインホッパ1の外観を示す斜視図である。
図1に矢印で示す3つの方向を、上下方向、左右方向、および前後方向として、各図面での各方向を示す。
【0034】
図1において、コインホッパ1は、ホッパベース2と、貯留フレーム3とを備える。ホッパベース2は、図示しないゲーム機のフレームに取り付けられる。貯留フレーム3は、一対のクランプ4、5により、ホッパベース2上に着脱可能に装着される。クランプ4、5は、ホッパベース2に固定されたクランプ本体の止め金具4A、5Aを有する。貯留フレーム3に設けられた突部4B、5Bに止め金具4A、5Aを引っ掛けることにより、貯留フレーム3をホッパベース2に固定することができる。貯留フレーム3は、コインをバラ積み状態で貯留する貯留ボウル6を備える。貯留フレーム3は、貯留ボウル6の底面に円形の開口7を備える。貯留ボウル6内のコインは、開口7を通してホッパベース2の上面に供給される。投出口8が、コインホッパ1の左側に設けられる。コインは、投出口8から払い出される。
【0035】
図2は、コインホッパ1を分解して示す分解斜視図である。
図2において、ホッパベース2は、前方に向かって低くなる上面傾斜部9を備える。一方、貯留フレーム3は、ホッパベース2の上面傾斜部9と密着する下面傾斜部10を備える。止め金具4A、5Aが引っ掛けられる突部4B、5Bは、下面傾斜部10の前端部に形成される。コインホッパ1は、シャッタ開閉機構11を備える。
図2には、シャッタ開閉機構11が分解して示される。
【0036】
図3は、貯留フレーム3を下方から見た斜視図である。
図3において、垂下部12が、下面傾斜部10の左側端部から下方に突出して形成される。垂下部12は、前後に延びており、その前後における長さは、コインの直径より僅かに長い。シャッタ開閉機構11は、下面傾斜部10の下面に組み付けられ、垂下部12に近接した位置に配置される。
【0037】
図2において、切欠部13が、上面傾斜部9の左側端部に形成される。切欠部13は、前後に延びており、その前後における長さは、コインの直径より僅かに長い。貯留フレーム3がホッパベース2に装着されたときに、垂下部12は、コインの厚さに相当する間隙を開けて切欠部13に嵌合する。
図1に示すように、投出口8が、垂下部12および切欠部13の嵌合により形成される。
【0038】
[シャッタ開閉機構11の構成]
シャッタ開閉機構11は、
図2に示すように、支持軸14と、シャッタ15と、巻きバネ16と、一対の止め板17A、17Bとを備える。シャッタ15は、金属材料の平板から形成され、ほぼ長方形の形状を有する。シャッタ15は、両側端部に一対の折曲部を備える。巻きバネは、巻回部と、巻回部から延びる一対の掛止端とを備える。巻きバネ16の巻回部に支持軸14を挿通した状態で、支持軸14の両端部がシャッタ15の一対の折曲部の取付孔に挿通される。更に、支持軸14の両端部は、一対の止め板17A、17Bにより支持される。支持軸14を支持した両止め板17A、17Bは、ねじにより下面傾斜部10の下面に固定される。これにより、シャッタ開閉機構11は、下面傾斜部10の下面に組み付けられる。シャッタ開閉機構11が組み付けられた状態において、巻きバネ16の一方の掛止端は下面傾斜部10に係止され、巻きバネ16の他方の掛止端はシャッタ15に係合される。巻きバネ16は、支持軸14を中心にシャッタ15を下方に向けて回動させるように弾性力により常時付勢する。
【0039】
[ホッパベース2の構成]
ホッパベース2の構成について、
図4を参照して説明する。
図4は、ホッパベース2の上面傾斜部9を前方から見た正面図である。
図4において、ホッパベース2は、図示しないモータにより回転される回転軸20を備える。回転ディスク21は、回転軸20に着脱可能に構成される。円形収容部22が、上面傾斜部9の上面に形成され、回転ディスク21を回転可能に収容する。回転ディスク21は、円周方向に複数の円形の受入部21Aを有する。貯留ボウル6から供給されるコイン23は、複数の受入部21Aにそれぞれ受け入れられる。回転ディスク21は、各受入部21Aに近接した位置に第1および第2押出部21B、21Cを有する。円形収容部22は円形の内周壁を有し、
図4において、切欠開口22Aが、その内周壁の左後方部分を切り欠いて形成される。第1および第2押出部21B、21Cは、回転ディスク21の回転に伴い、各受入部21Aに受け入れられたコイン23を押しながら、円形収容部22の切欠開口22Aまで移送する。そして、第1押出部21Bは、回転ディスク21の回転に伴い、コイン23を切欠開口22Aから外方に押し出す。
【0040】
コイン通路24が、上面傾斜部9の左後方部分に形成される凹溝から構成される。コイン通路24は、切欠開口22Aから切欠部13まで延びる。コイン23は、コイン通路24に沿って払出方向DSに移動する。コイン通路24は、コイン23の円形面が接触して移動する通路面24Aと、コイン23の外周部を案内する一対の側面24B、24Cとを有する。通路面24Aは、コイン通路24の底面を構成する。
図3において、複数のリブ24Dが、下面傾斜部10の下面に左右方向に延びて形成される。開口7からシャッタ15の配置位置まで延びる複数のリブ24Dが、コイン通路24の上面部分を構成する。
図2に示すように、シャッタ15は、支持軸14により支持される基端部側の端部に、前後に並んで形成された複数の溝15Aを有する。シャッタ開閉機構11が下面傾斜部10の下面に組み付けられたときに、複数のリブ24Dの端部が、シャッタ15の複数の溝15Aに嵌合する。
【0041】
図4において、固定ピン25が、コイン通路24の側面24Cに近接して上面傾斜部9に固定される。可動ローラ26が、コイン通路24の側面24Bの近くに配置される。可動ローラ26は、固定ピン25に対して接離可能に上面傾斜部9に取り付けられる。具体的には、可動ローラ26は、上面傾斜部9に揺動可能に支持されたレバーに取り付けられる。可動ローラ26が固定ピン25に接近するように、そのレバーがコイルバネなどの弾性体により常時付勢される。固定ピン25および可動ローラ26は、払出方向DSにおいて切欠開口22Aより下流側であって、切欠開口22Aの近くに配置される。固定ピン25および可動ローラ26は、切欠開口22Aから押し出されるコイン23の外周部に接触してコイン23を払出方向DSに案内する。このとき、可動ローラ26は、コイン23に押され、弾性付勢力に抗して固定ピン25から離間する。この可動ローラ26が、固定ピン25に対する接近および離間の動作に連動して、払い出されるコイン23の枚数が計数される。このコインの枚数を計数する構成は、特開2006−323530号公報などに記載され、周知である。
【0042】
図4において、凹所27が、払出方向DSにおいて切欠部13より上流側であって、その切欠部13に連続して形成される。凹所27は、前後に切欠部13と平行して延びる。
図5は、シャッタ開閉機構11がコイン通路24に配置された状態で、コイン通路24を拡大して示す正面図である。
図5において、切欠部13の前後における長さL1は、凹所27の前後における長さL2より短い。凹所27の前端縁は、切欠部13の前端縁より前方に位置し、凹所27の後端縁は、切欠部13の後端縁より後方に位置する。シャッタ15の先端部は、巻きバネ16の弾性付勢力により凹所27に嵌り込み、凹所27の底面に当接して静止する。本実施形態では、シャッタ15の前後における長さは、切欠部13の前後における長さL1よりも長く、凹所27の前後における長さL2よりも僅かに短く設定される。
【0043】
図6は、コイン通路24の内部を拡大して示す断面図である。
図6において、凹所27は、第1傾斜面27Aと、第2傾斜面27Bとを備える。第1傾斜面27Aは、払出方向DSに緩やかに下方に傾斜する。第2傾斜面27Bは、その第1傾斜面27Aから上方に傾斜して立ち上がる。
図6において、第1傾斜面27Aが通路面24Aから反時計回りに傾斜する傾斜角度は、第2傾斜面27Bが切欠部13の上面から時計回りに傾斜する傾斜角度よりも小さい。第1傾斜面27Aは、シャッタ15が
図6に実線で示す閉鎖位置に位置するときに、シャッタ15の先端部分の下面に当接する。コイン23がシャッタ15を通過するときに、シャッタ15の先端部分は、第1傾斜面27Aから離間して、
図6に二点鎖線で示す開放位置に移動する。第2傾斜面
27Bは、切欠部13の上面と連続して形成される。
【0044】
切欠部13の上面は、コイン通路24の通路面24Aと同じ高さの位置、または、通路面24Aより僅かに低い位置に配置される。また、凹所27の払出方向DSにおける長さは、コイン23の直径に比べて充分に小さい。この切欠部13の上面の配置および凹所27の小さな長さにより、通路面24Aを摺動するコイン23は、凹所27を支障なく通過することができ、投出口8から円滑に払い出される。更に、凹所27の上下方向の深さは、シャッタ15の厚さより大きく設定される。この結果、シャッタ15が閉鎖位置に位置するときに、シャッタ15の先端部は凹所27内に完全に嵌り込み、シャッタ15の先端部の上面は切欠部13の上面よりも下方に位置する。
【0045】
図6において、コイン通路24の上面を構成する複数のリブ24Dは、コイン通路24の底面を構成する通路面24Aから上方に離れ、リブ24Dの下面と通路面24Aとの間隔は、コイン23の上下方向の厚さより大きい。本実施形態では、コイン23の厚さが、1.6mmであるのに対し、リブ24Dの下面と通路面24Aとの間隔が、2.3mmに設定される。この結果、コイン23がコイン通路24内で上下方向に2枚重なることが、確実に防止される。支持軸14は、複数のリブ24Dを上方に切り欠いて形成された取付凹部28内に取り付けられる。支持軸14は、通路面24Aに対して、リブ24Dの下面よりも上方に離れて配置されることから、コイン通路24内におけるコイン23の移動を妨げることはない。
図6に示すように、支持軸14がリブ24Dの下面よりも上方に配置され、シャッタ15が閉鎖位置および開放位置に位置するときに、支持軸14により支持されるシャッタ15の基端部側の端部がリブ24Dの下面よりも上方に配置されることから、コイン通路24を移動するコイン23の先端部がシャッタ15の基端部側の端部に引っ掛かって滞留させられることはない。支持軸14は、
図5に示すように、切欠部13が延びる方向、すなわち、投出口8が細長く延びる方向に平行に配置され、また、
図6に示すように、コイン通路24の通路面24Aに平行に配置される。この支持軸14の配置により、シャッタ15の先端部は、切欠部13に平行に通路面24Aに設けられた凹所27に密着した状態で嵌合することができる。
【0046】
[実施形態の動作および作用]
実施形態の動作および作用について、
図7A〜
図10Bを参照して説明する。
図7Aおよび
図7Bは、コイン23が第1押出部21Bにより押し出され、コイン23が固定ピン25および可動ローラ26に接触した直後のコイン23の位置、およびシャッタ15の開放状態をそれぞれ示す。
図8Aおよび
図8Bは、コイン23が第1押出部21Bにより押し出され、可動ローラ26が固定ピン25から最も離間したときのコイン23の位置、およびシャッタ15の開放状態をそれぞれ示す。
図9Aおよび
図9Bは、コイン23が第1押出部21Bから押出力を受けなくなった直後のコイン23の位置、およびシャッタ15の開放状態をそれぞれ示す。
図10Aおよび
図10Bは、コイン23が可動ローラ26に作用する弾性付勢力の作用により可動ローラ26から移動力を受けて切欠部13から左方に押し出されたときのコイン23の位置、およびシャッタ15の開放状態をそれぞれ示す。
【0047】
先ず、ゲーム機が、所定枚数のコイン23を払い出すために回転ディスク21を回転させると、コイン23は、各受入部21Aに受け入れられた状態で、第1および第2押出部21B、21Cにより押されて切欠開口22Aまで移動される。更に、コイン23が両押出部21B、21Cにより押されると、コイン23はコイン通路24の側面24Cに沿って回転ディスク21から外方に移動する。
図6は、コイン23が切欠開口22Aに進入した後であって固定ピン25および可動ローラ26に接触する前に、コイン23がコイン通路24内に位置する状態を示す。
図6に示す状態では、コイン23の先端部である左端部は、閉鎖位置にあるシャッタ15に接触していない。
【0048】
回転ディスク21の回転に伴い、第1押出部21Bがコイン23をコイン通路24の側面24Cに沿って押し出すと、コイン23の先端部は、閉鎖位置に位置するシャッタ15に当接して閉鎖位置からシャッタ15を押し上げ始める。コイン23の先端部がシャッタ15を押し上げ始めるとき、コイン23は第1押出部21Bからの押出力を受けていることから、コイン23の先端部はシャッタ15を確実に開放させることができる。コイン23の先端部がシャッタ15に当接したとき、コイン23は固定ピン25および可動ローラ26にまだ接触していない。更に、コイン23が第1押出部21Bにより押し出されると、
図7Aに示すように、コイン23は固定ピン25および可動ローラ26に当接する。コイン23が固定ピン25および可動ローラ26に当接したときに、コイン23の先端部は、
図7Bに示すように、開放位置に向かってシャッタ15を押し上げつつある。
【0049】
回転ディスク21の回転に伴い、第1押出部21Bが、コイン23を固定ピン25および可動ローラ26の間に押し出すと、コイン23は、可動ローラ26に作用する弾性付勢力に抗して、固定ピン25および可動ローラ26に案内されながら、コイン通路24内を移動する。
図8Aは、可動ローラ26が、固定ピン25から、コイン23の直径である最大距離だけ離れたときのコイン23の位置を示す。可動ローラ26が、固定ピン25から最大距離だけ離れたとき、シャッタ15は、
図8Bに示すように、ほぼ水平な位置まで押し上げられ、コイン23の先端部はシャッタ15の先端部の手前まで移動する。
【0050】
回転ディスク21の回転に伴い、第1押出部21Bが、
図8Aに示す状態から、コイン23を固定ピン25および可動ローラ26の間に更に押し出すと、コイン23は、可動ローラ26に作用する弾性付勢力に起因する移動力を受けてコイン通路24内を移動する。コイン23の移動により、コイン23は、
図9Aに示すように、第1押出部21Bからの押出力を受けない状態となる。コイン23が、可動ローラ26に作用する弾性付勢力に起因する移動力を受けているとき、シャッタ15は、
図9Bに示すように、開放位置まで押し上げられてその開放状態を維持し、コイン23の先端部はシャッタ15の先端部を僅かに通過した位置まで移動する。
【0051】
コイン23は、投出口8を構成する切欠部13から外方である左方に突出したときでも、
図10Aに示すように、可動ローラ26と接触して可動ローラ26に作用する弾性付勢力に起因する移動力を継続して受けている。この結果、コイン23は、移動力により確実に投出口8から払い出される。また、コイン23は、
図10Aに示すように、払い出される際にも、固定ピン25および可動ローラ26により案内されながら、投出口8を通過する。コイン23が払い出されるとき、シャッタ15は、
図10Bに示すように、ほぼ水平な位置である開放位置を維持していることから、コイン23はシャッタ15の下面に接触しながら円滑に移動することができる。
【0052】
1枚のコイン23が払い出されると、可動ローラ26は固定ピン25に接近した位置に戻り、この可動ローラ26の離間および接近の1回の動作により、ケーム機の制御装置は1枚のコインが払い出されたことを計数する。また、コイン23が払い出されたことにより、シャッタ15は巻きバネ16の弾性付勢力により開放位置から閉鎖位置に回動して復帰する。このようなコイン23の払い出し動作と、シャッタ15の開閉動作とが、ゲーム機の制御装置が所定枚数を計数するまで繰り返される。
【0053】
[実施形態の効果]
本実施形態では、
図6に示すように、支持軸14に支持されたシャッタ15は、閉鎖位置に位置するときに、コイン通路24内で投出口8に向かって傾斜した状態で静止する。コイン23がシャッタ15に接触してシャッタ15を開放させるとき、シャッタ15はコイン23の厚さに相当する僅かな角度だけ回動するだけでよい。この結果、シャッタ15は投出口8の開閉を迅速に行うことができる。
【0054】
本実施形態では、支持軸14およびシャッタ15を備えるシャッタ開閉機構11が、払出方向DSにおいて、コイン通路24のコイン入口である切欠開口22Aよりも、下流側に配置される。この結果、回転ディスク21などの可動部材と干渉することなく、シャッタ15をコイン通路24の通路面24Aに接近させた位置に配置することができる。また、払出方向DSにおけるシャッタ15の長さを比較的短くしてシャッタ開閉機構11全体をコンパクトに構成するとともに、通路面24Aに対するシャッタ15の傾斜角度を小さくしてコイン23の通過を円滑にすることができる。
【0055】
本実施形態では、
図5に示すように、支持軸14およびシャッタ15を備えるシャッタ開閉機構11が、払出方向DSにおいて、可動ローラ26よりも、下流側に配置される。この結果、固定ピン25に対する可動部材である可動ローラ26の移動、すなわち、コイン23の払い出し枚数の計数動作が、シャッタ15の開閉動作により妨げられることはない。
【0056】
本実施形態では、
図6に示すように、シャッタ15が閉鎖位置に位置するときに、シャッタ15の先端部が凹所27内に完全に嵌り込み、シャッタ15の先端部の上面が切欠部13の上面よりも下方に位置する。この結果、針金などの器具を投出口8から挿入する不正行為が発生した場合でも、その器具がシャッタ15の先端部の下面にまで挿入される可能性を低くすることができる。また、
図5に示すように、シャッタ15の前後における長さは、切欠部13の前後における長さL1よりも長く、凹所27の前後における長さL2よりも僅かに短く設定される。この結果、シャッタ15が閉鎖位置に位置するときに、投出口8から挿入された器具がシャッタ15の前端縁または後端縁からシャッタ15の下面にまで挿入される可能性を低くすることができる。
【0057】
本実施形態では、
図6に示すように、支持軸14が取付凹所28内に取り付けられ、シャッタ15が支持軸14よりも下方に配置される。この結果、シャッタ15が閉鎖位置に位置するときに、通路面24Aに対するシャッタ15の傾斜角度が小さくなることから、コイン23の先端部がシャッタ15に当接したときにコイン23の移動に対する抵抗を小さくすることができ、コイン23の通過を円滑にすることができる。
【0058】
本実施形態では、シャッタ15は、
図2に示すように、支持軸14により支持される基端部側の端部に複数の溝15Aを有する。下面傾斜部10に形成された複数のリブ24Dは、シャッタ開閉機構11が下面傾斜部10に組み付けられたときに、複数の溝15Aにそれぞれ嵌合する。リブ24Dが溝15Aに嵌合する構成により、
図6に示すように、シャッタ15の基端部側の端部は、コイン通路24の上方部分を構成する複数のリブ24Dの下面よりも、シャッタ15の閉鎖位置および開放位置において、上方に位置することから、コイン23は、シャッタ15の基端部側の端部に引っ掛かることなくコイン通路24内を移動することができる。
【0059】
本実施形態では、コイン23の先端部が、シャッタ15に接触してシャッタ15を閉鎖位置から開放させるときに、コイン23は、回転ディスク21の回転に伴う第1押出部21Bからの押出力を受ける。この結果、巻きバネ16の弾性付勢力を大きく設定した場合でも、コイン23の先端部は巻きバネ16の弾性力に抗してシャッタ15を確実に開放させることができる。
【0060】
本実施形態では、コイン23の先端部が、シャッタ15に接触してシャッタ15を押し上げるときに、コイン23は、コイン通路24内で、固定ピン25および可動ローラ26により案内される。この結果、シャッタ15を通過するコイン23の移動姿勢を安定化させることができ、コイン23がシャッタ15を円滑に通過することを可能にする。
【0061】
<構成の対応関係>
コインホッパ1は、本発明のコインホッパの一例である。ホッパベース2、貯留フレーム3および貯留ボウル6は、本発明のホッパベース、貯留フレームおよびコイン貯留部の一例である。回転ディスク21、受入部21A、および投出口8は、本発明の回転ディスク、受入部および投出口の一例である。コイン通路24、通路面24A、切欠開口22Aおよび払出方向DSは、本発明のコイン通路、通路面、コイン入口および払出方向の一例である。支持軸14、シャッタ15および巻きバネ16は、本発明の支持軸、シャッタおよび弾性体の一例である。凹所27は、本発明の凹所の一例である。固定ピン25および可動ローラ26は、本発明の第1ガイドおよび第2ガイドの一例である。シャッタ15の前端縁および後端縁は、本発明のシャッタの一対の側端部の一例であり、投出口8の前端縁および後端縁は、本発明の投出口の一対の側端縁の一例である。
【0062】
<変形例>
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0063】
(1)本実施形態では、巻きバネ16の掛止端がシャッタ15の上面に係合してシャッタ15を弾性付勢する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、シャッタに連結された部材としてシャッタの基端部近傍から延出する部材を設け、この延出する部材と貯留フレームの下面傾斜部との間に、コイルバネを配置する構成でもよい。
【0064】
(2)本実施形態では、支持軸14は、貯留フレーム3とは別個の部材として設けられ、止め板17A、17Bを使用して貯留フレーム3に固定される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、ホッパベースまたは貯留フレームのいずれかとともに、軸部または突出部を一体に成形して、シャッタの基端部をその軸部または突出部に支持する構成でもよく、この場合、軸部または突出部が支持軸の一例である。
【0065】
(3)本実施形態では、シャッタ15は、
図6に示すように、払出方向DSに切断した断面形状として、直線状の形状であるが、この形状に限定されない。たとえば、シャッタが、屈曲した形状であって、複数の傾斜面を有する形状でも、曲面形状でもよい。屈曲形状である場合、シャッタが閉鎖位置に位置するときに、シャッタの先端部における傾斜面がコイン通路の通路面に対して傾斜する傾斜角度が、コインの先端部が最初に当接する他の傾斜面よりも大きくすることが、針金などの器具の侵入を防止するために好ましい。
【0066】
(4)本実施形態では、コイン23は、回転ディスク21から切欠開口22Aに押し出された後に、固定ピン25および可動ロータ26により案内される。固定ピン25に対する可動ローラ26の接近および離間は、コインの払い出し枚数を計数する動作と連動する。しかし、コイン通路の側面、または、コイン通路に固定された複数の案内部材により、コインを案内し、別の手段によりコインの払い出し枚数を計数する構成でもよい。
【0067】
(5)本実施形態では、コイン23が第1押出部21Bにより押し出され、コイン23の先端部がシャッタ15に当接したときに、コイン23は、固定ピン25および可動ローラ26に当接していない構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、コインの先端部がシャッタに当接する前に、コインが固定ピンおよび可動ローラに当接する。その後に、コインが固定ピンおよび可動ローラにより案内されつつ、コインの先端部がシャッタに当接する構成でもよい。または、コインが、第1押出部から押出力を受けなくなった後に、可動ローラに作用する弾性付勢力に起因する移動力のみを受けてコイン通路を移動する間に、コインの先端部が閉鎖位置に位置するシャッタに当接する構成でもよい。
【0068】
(6)本実施形態では、支持軸14、シャッタ15および巻きバネ16が、別個の部材により構成されるが、この構成に限定されない。たとえば、支持軸に相当する軸部分をシャッタと一体に成形し、その軸部分をコインホッパのフレームに形成された支持孔に嵌める構成でもよい。または、巻きバネに相当する弾性部分をシャッタと一体に成形し、その弾性部分の一部をコインホッパのフレームに掛止する構成でもよい、
【0069】
(7)本実施形態では、凹所27が、払出方向DSにおいて、投出口8を構成する切欠部13より上流側に、その切欠部13に連続して形成される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、凹所が、払出方向において投出口から上流側に離れて配置され、凹所と投出口との間に、コイン通路の一部が存在する構成でもよい。
【0070】
(8)本実施形態では、シャッタ15が閉鎖位置に位置するときに、シャッタ15の先端部が凹所27に嵌合する構成であるが、凹所27を設けない構成でもよい。たとえば、巻きバネ16の弾性力が強い場合には、針金などの器具がシャッタ15の先端部を超えて先端部の下面にまで挿入される可能性が低いことから、凹所を設ける必要性が低くなる。