【実施例】
【0014】
以下に、本発明の1実施形態であるキャップ整列供給装置100の構成について、図面に基づいて具体的に説明する。
キャップ整列供給装置100は、
図1乃至
図4に示すように、基台101上に設けられた保持板102の外周部にキャップ側面ガイド120が固定され、該保持板102に回転円板110が回転可能に保持され、キャップ側面ガイド120の上端の内周側に、上方ガイド固定手段131を介してリング状の上方ガイド130が固定されて構成されている。
回転円板110は、
図2に示すように、保持板102の中央部に設けられた駆動軸受117に回転可能に支持される駆動軸115に固定されるとともに、該駆動軸115は、保持板102の下方に設けられた駆動モータ116によって回転駆動される。
キャップ側面ガイド120は、
図3に示すように、円筒状の壁が一部欠損したキャップ出口部121を有し、該キャップ出口部121には整列されたキャップCが排出される整列排出部123が連接されている。
【0015】
また、本実施形態においては、
図2に示すように、キャップ側面ガイド120の内周にキャップCの側面と当接する側面当接レール122が設けられており、キャップ側面ガイド120とキャップCとの摩擦抵抗を低減している。
上方ガイド130の内周側には、上方に立設するように飛散防止壁103が設けられるとともに、該飛散防止壁103の上端には、内周側を覆うように上蓋部材104が設けられ、回転円板110上に投入されたキャップCが上方から外部に飛散するのを防止している。
なお、上蓋部材104は、開閉可能な構造であり、内部が目視できる材質であるのが望ましい。
また、
図1の参考写真に示すように、上蓋部材104は、キャップCを投入する手段が連結可能となっていると、大量のキャップを自動供給することができて好ましい。
【0016】
上方ガイド130には、表裏検出手段を構成する近接センサ141が設けられるとともに、キャップ側面ガイド120には、排除手段を構成する排除ノズル142が設けられている。
さらに、本実施形態においては、
図3に示すように、上方ガイド130の内周側下方のキャップ出口部121に対応する位置には、出口部カバー133が設けられ、上方ガイド130の内周側下方の排除ノズル142に対応する位置には、排除部カバー132が設けられ、ともに、当該位置におけるキャップCの外周方向への移動を阻止するように構成されている。
【0017】
回転円板110の上面のキャップCに接線方向の駆動力を与える受面112は、
図2および
図4に示すように、表面の摩擦係数の異なる外周受面113と内周受面114とからなり、外周受面113が内周受面114より摩擦係数が大きくなるように設定されている。
なお、本実施形態では、受面112の中心部には中央コーン部111が設けられ、キャップCが重力で外周側に移動可能として、接線速度の低い中心付近に滞留しないように構成されている。
本実施形態では、回転円板110は軽量なアルミニウムで形成されるとともに、外周受面113は回転円板110の表面を硬質クロムめっきした後、鏡面加工されたものであり、内周受面114は回転円板110の表面にフッ素樹脂コーティングした後、サンドブラスト加工により粗面化されたものである。
このことで、外周受面113が内周受面114より摩擦係数が大きくなるとともに、いずれの表面も摩擦係数が均一であり、かつ、キャップCとの接触や衝突による表面の損傷や摩耗が少なく、また、キャップCに損傷や摩耗を与えることも極めて少ない。
【0018】
外周受面113の半径方向の幅aは、キャップCの直径d以上に設定されており、上方ガイド130の半径方向の幅bより小さく設定されている。
なお、本実施形態では、キャップ側面ガイド120の内周に側面当接レール122が設けられているため、
図2に示すように、外周受面113の半径方向の幅aは、側面当接レール122がキャップCと接する位置と内周受面114最外周との半径方向の幅で設定され、上方ガイド130の半径方向の幅bは、側面当接レール122がキャップCと接する位置と上方ガイド130内周との半径方向の幅で設定される。
【0019】
表裏検出手段を構成する近接センサ141は、
図5に示すように、上方ガイド130の上部に設けられており、上方ガイド130の上下方向に設けられた検出孔134の下方をキャップCが通過したことを検知し、その検知時間および検知パターンから図示しない制御手段によってキャップCの表裏を判断する。
すなわち、キャップCの天面壁が下方に位置し、側壁の開口端が上方に位置した正常状態と、逆の不適正状態とを判別することになる。
排除手段を構成する排除ノズル142は、
図6に示すように、キャップ側面ガイド120の側面当接レール122の下部から、内周方向に気体を噴出可能に設けられており、電磁弁143によって、気体の噴出、停止が制御される。
近接センサ141による検知の結果、キャップCの表裏が逆(すなわち、キャップCの天面壁が上方に位置し、側壁の開口端が下方に位置した不適正状態)の場合、図示しない制御手段によって電磁弁143が操作されて排除ノズル142から気体が噴出され、キャップCは、噴出された気体の圧力で内周側に押し出される。
【0020】
以上のように構成された本発明の1実施形態であるキャップ整列供給装置100の構成および動作について説明する。
回転円板110は、
図7に示す矢印方向に回転しており、上蓋部材104を開け、あるいは上蓋部材104に連結された投入手段から、回転円板110の内周受面114上に適宜の数量のキャップCが投入される。
この時、中心付近の中央コーン部111上に投入されたキャップCは、その傾斜によって回転円板110の内周受面114の上に移動する。
なお、
図7に記載された、符号105は、キャップCを自動投入する場合の投入量の制御に用いるため、複数のキャップCの高さ方向の重なりを検知するホッパ容量検出センサである。
【0021】
内周受面114上のキャップCは、回転円板110から接線方向の力を受けるが、内周受面114の摩擦係数が低いため、回転円板110とともに回転方向の運動を行うことなく、滑って(いわゆる遠心力が働き)外周方向に移動する。
この時、キャップCは様々な姿勢で外周方向に移動するが、上方ガイド130と回転円板110との間隔を、キャップCの高さよりやや大きく、キャップCの高さの1.5倍より小さく、かつ、キャップCの直径よりも小さく設定することで、
図5に示すような、表および裏向きの姿勢のキャップCのみが上方ガイド130の下方を通過して、回転円板110の外周受面113上に移動し、詰まることなくキャップ出口部121の方向に移動することができる。
表および裏向きの姿勢以外のキャップCや、他のキャップCの上に重なったキャップCは、上方ガイド130と接触して内周受面114側に戻されてその姿勢が変化する。
【0022】
表および裏向きの姿勢のキャップCは、キャップ側面ガイド120の側面当接レール122に当接する位置まで外周受面113上を移動し、外周受面113によって接線方向の力を受け、キャップ側面ガイド120の側面当接レール122に沿って回転円板110の回転方向に移動する。
外周受面113上を移動するキャップCは回転方向に移動すればよいため、外周受面113は内周受面114より表面の摩擦係数を大きく設定されており、キャップCは外周受面113から力を受けて、より高速に回転方向に移動する。
上記の動作で複数のキャップCが外周受面113上に整列した状態で回転方向に移動して、キャップ側面ガイド120のキャップ出口部121に向かう。
【0023】
キャップ出口部121の近傍には、表裏検出手段を構成する近接センサ141と排除手段を構成する排除ノズル142が設けられており、近接センサ141により通過するキャップCの表裏が逆と判断された場合、電磁弁143が操作されて排除ノズル142から気体が噴出されて内周受面114側に押し出される。
本実施形態では、近接センサ141および排除ノズル142が2対設けられて、排除ミスを防止している。
図7に示す近接センサ141と排除ノズル142の円周上の角度θは、排除ノズル142の応答性を高めることで小さく設定可能であり、この角度θが小さいほどキャップCの通過速度の変動による排除ミスを低減することが可能となる。
また、
図3に示すように、それぞれの排除ノズル142の内周側には、排除部カバー132が設けられており、排除されるキャップCが押し出された際に内周受面114上のキャップCと衝突して排除ミスが発生することを防止するとともに、内周受面114から直接排除ノズル142の方向に移動するキャップCの侵入を防止している。
【0024】
2対の近接センサ141および排除ノズル142によって排除されなかった表裏の正しいキャップCのみが、キャップ出口部121に達し、キャップ出口部121に連接された整列排出部123を通過して外部に排出され、当該キャップCは、次の工程に供給される。
キャップ出口部121の内周側には出口部カバー133が設けられ、内周受面114から直接キャップ出口部121の方向に移動するキャップCの侵入を防止している。
また、出口部カバー133と排除部カバー132は、少なくとも後流の排除ノズル142の位置からキャップ出口部121までの間で、内周受面114上を外周受面113側に移動するキャップを全て内周受面114側に排除するように、その形状、サイズ、角度、配置等が設定されている。
このことで、キャップCが近接センサ141および排除ノズル142を通過せず、表裏の判定がなされないまま外部に排出されることを防止できる。
なお、
図7に記載された、符号106は、キャップ整列供給装置100の動作異常の判定に用いるため、整列排出部123におけるキャップCの通過を検知するキャップ供給検出センサである。