(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した電気接続箱201におけるリレー16と雌端子金具14との接続構造においては、ケース215内に占める体積が大きいという問題があった。特に、リレー16と雌端子金具14との嵌合方向の寸法が、最低でもリレー本体16aの高さ寸法H3と、コネクタ19の高さ寸法H4とを合わせた寸法H2となってしまうことから、ケース215の高さ方向(矢印Y方向)の寸法が大きくなってしまうという問題があった。
【0009】
したがって、本発明は、外部端子接続部と外部端子との嵌合方向の寸法を小型化でき、保持部材を小型化できる電子部品組立体、該電子部品組立体を有する電子部品モジュール及び該電子部品組立体を有する電気接続箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために請求項1に記載された発明は、電子部品と、該電子部品に電気接続されているとともに外部端子と嵌合される外部端子接続部と、を有し、保持部材の収容部に収容される電子部品組立体であって、前記外部端子接続部と前記電子部品とが、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向と交差する方向に配置されて
おり、前記外部端子接続部が、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向において、前記電子部品の幅内に収まっていることを特徴とする電子部品組立体である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、絶縁板にバスバが取り付けられて成る基板を有し、前記外部端子接続部が、前記バスバの一部であり、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向が前記基板と平行であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、絶縁板に配線パターンが印刷された基板を有し、前記外部端子接続部が、前記配線パターンの一部であり、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向が前記基板と平行であることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4に記載された発明は、請求項2に記載された発明において、前記バスバに、前記電子部品が電気接続される部品搭載部と、前記外部端子接続部と、前記部品搭載部と前記外部端子接続部との間に位置する中間部と、が設けられ、前記電子部品の少なくとも片側には、複数の前記外部端子接続部が配置され、少なくとも1つの前記バスバの前記中間部が直角に折り曲げられていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、前記電子部品の両側には、複数の前記外部端子接続部が配置され、すべての前記バスバの前記中間部が直角に折り曲げられており、すべての前記外部端子接続部に対する前記外部端子の嵌合方向及び前記外部端子の向きが同一であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載された発明は、請求項2ないし請求項5のうちいずれか1項に記載された発明において、前記絶縁板に、前記外部端子接続部よりも、前記収容部への挿入方向先端側に突出した挿入ガイド部が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載された発明において、前記挿入ガイド部の先端に、前記収容部への挿入方向先端側に向かうにしたがって前記絶縁板の厚みを徐々に小さくするテーパーが形成されていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項8に記載された発明は、請求項2ないし請求項7のうちいずれか1項に記載された発明において、前記絶縁板における前記収容部への挿入方向後端に、平坦面が形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項9に記載された発明は、請求項1ないし請求項8のうちいずれか1項に記載された発明において、前記外部端子接続部が複数設けられ、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向の位置が異なる外部端子接続部を有していることを特徴とするものである。
【0019】
請求項10に記載された発明は、請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載された発明において、前記電子部品が、基板用リレーであることを特徴とするものである。
【0020】
請求項11に記載された発明は、請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載の電子部品組立体と、前記電子部品組立体が収容される保持部材と、を有していることを特徴とする電子部品モジュールである。
【0021】
請求項12に記載された発明は、請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載の電子部品組立体と、前記電子部品組立体が収容される保持部材と、を有していることを特徴とする電気接続箱である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載された発明によれば、前記外部端子接続部と前記電子部品とが、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向と交差する方向に配置されているので、外部端子接続部と外部端子との嵌合方向の寸法を小型化でき、保持部材を小型化できる電子部品組立体を提供することができる。
【0023】
請求項2に記載された発明によれば、絶縁板にバスバが取り付けられて成る基板を有し、前記外部端子接続部が、前記バスバの一部であり、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向が前記基板と平行であるので、電子部品組立体を低コストで提供することができる。
【0024】
請求項3に記載された発明によれば、絶縁板に配線パターンが印刷された基板を有し、前記外部端子接続部が、前記配線パターンの一部であり、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向が前記基板と平行であるので、回路配索の自由度を高めることができる。
【0025】
請求項4に記載された発明によれば、前記バスバに、前記電子部品が電気接続される部品搭載部と、前記外部端子接続部と、前記部品搭載部と前記外部端子接続部との間に位置する中間部と、が設けられ、前記電子部品の少なくとも片側には、複数の前記外部端子接続部が配置され、少なくとも1つの前記バスバの前記中間部が直角に折り曲げられているので、保持部材にデッドスペースを生じにくくすることができる。
【0026】
請求項5に記載された発明によれば、前記電子部品の両側には、複数の前記外部端子接続部が配置され、すべての前記バスバの前記中間部が直角に折り曲げられており、すべての前記外部端子接続部に対する前記外部端子の嵌合方向及び前記外部端子の向きが同一であるので、電子部品組立体の投影形状すなわち平面形状が矩形状となり、保持部材にデッドスペースを生じにくくすることができる。また、外部端子接続部と外部端子との嵌合作業を効率化することができる。
【0027】
請求項6に記載された発明によれば、前記絶縁板に、前記外部端子接続部よりも、前記収容部への挿入方向先端側に突出した挿入ガイド部が設けられているので、外部端子接続部が収容部に挿入される前に挿入ガイド部が収容部に挿入されることになり、そのために、外部端子接続部を真っ直ぐ収容部に挿入することができる。よって、外部端子接続部のこじりを防止できる。
【0028】
請求項7に記載された発明によれば、前記挿入ガイド部の先端に、前記収容部への挿入方向先端側に向かうにしたがって前記絶縁板の厚みを徐々に小さくするテーパーが形成されているので、挿入ガイド部を容易に収容部に挿入することができる。
【0029】
請求項8に記載された発明によれば、前記絶縁板における前記収容部への挿入方向後端に、平坦面が形成されているので、電子部品組立体を収容部に挿入する際に平坦面を押すことができ、容易に挿入することができる。
【0030】
請求項9に記載された発明によれば、前記外部端子接続部が複数設けられ、前記外部端子接続部と前記外部端子との嵌合方向の位置が異なる外部端子接続部を有しているので、外部端子が取り付けられた電線の取り回しを容易にすることができる。
【0031】
請求項10に記載された発明によれば、前記電子部品が、基板用リレーであるので、電子部品組立体をさらに小型化することができる。
【0032】
請求項11に記載された発明によれば、請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載の電子部品組立体と、前記電子部品組立体が収容される保持部材と、を有しているので、小型化可能な電子部品モジュールを提供することができる。
【0033】
請求項12に記載された発明によれば、請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載の電子部品組立体と、前記電子部品組立体が収容される保持部材と、を有しているので、小型化可能な電気接続箱を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかる「電子部品組立体」及び「電子部品モジュール」を
図1〜2を参照して説明する。
【0036】
上記電子部品組立体1Aは、
図1,2に示すように、基板用リレー10(請求項の「電子部品」に相当する。)と、該基板用リレー10に電気接続されているとともに雌端子金具9(請求項の「外部端子」に相当する。)と嵌合される外部端子接続部41と、を有するものであり、基板用リレー10と複数の雌端子金具9とを電気的に接続するためのものである。また、電子部品組立体1Aは、保持部材3Aの内部空間、すなわち収容部、に収容される。
【0037】
上記電子部品モジュール13Aは、上記電子部品組立体1Aと、上記保持部材3Aと、を有するものである。
【0038】
上記複数の雌端子金具9は、電線12a〜12dの端末に取り付けられたものであり、電線12a〜12dと電気接続される電線接続部91と、後述する外部端子接続部41を互いの間に挟持する一対の挟持片92と、を有している。また、電線12a〜12dは、いずれも被覆電線であるが、電線径が異なるため、異なる符合を付している。電線12b,12cは、電線12a,12dよりも電線径が大きい。
【0039】
上記電子部品組立体1Aの構成を詳細に説明する。電子部品組立体1Aは、基板用リレー10と、絶縁板5Aに複数のバスバ4a,4b,4c,4dが取り付けられて成るバスバ基板2A(請求項の「基板」に相当する。)と、を有している。
【0040】
上記基板用リレー10は、
図2に示すように、6面の平面を有する立方体状のリレー本体10aと、リレー本体10aの1つの平面から突出した複数のリード部10bと、を有している。
【0041】
上記バスバ基板2Aは、金属板から複数のバスバ4a〜4dが一括型抜きされ、これら複数のバスバ4a〜4dがインサート成形により絶縁板5Aに取り付けられて形成されている。また、本発明では、インサート成形以外に、複数のバスバ4a〜4dを絶縁板5Aに係止させることで取り付けるようにしても良い。
【0042】
上記各バスバ4a〜4dには、基板用リレー10及び抵抗11が載置されてはんだ付けされる部品搭載部42と、雌端子金具9と電気接続される外部端子接続部41と、部品搭載部42と外部端子接続部41との間に位置する中間部43と、が設けられている。部品搭載部42は、平らに形成されており、基板用リレー10のリード部10bまたは抵抗11のリード部が挿通される貫通孔が形成されている。外部端子接続部41は、タブ状に形成されており、絶縁板5Aの端部から突出している。この外部端子接続部41は、雌端子金具9の一対の挟持片92間に挿入される、すなわち嵌合される、ことにより該雌端子金具9と電気接続される。これら部品搭載部42、中間部43、外部端子接続部41、は、同一平面上に配置されている。また、電子部品組立体1Aにおいては、すべてのバスバ4a〜4dが同一平面上に配置されている。
【0043】
上記複数のバスバ4a〜4dの外部端子接続部41は、基板用リレー10の両側に配置されている。具体的には、
図2に示すように、バスバ4aの外部端子接続部41とバスバ4bの外部端子接続部41とが、基板用リレー10の紙面左側に配置され、バスバ4cの外部端子接続部41とバスバ4dの外部端子接続部41とが、基板用リレー10の紙面右側に配置されている。これら複数のバスバ4a〜4dは、すべての外部端子接続部41及び雌端子金具9の嵌合方向が同一となるように、また、前記嵌合方向がバスバ基板2Aと平行になるように、外部端子接続部41の絶縁板5Aからの突出方向が揃えられている。また、
図1,2中の矢印Sは、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合方向を表している。このように、本発明の電子部品組立体1Aは、外部端子接続部41と基板用リレー10とが、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合方向と交差する方向に配置されている。
【0044】
さらに、バスバ4aの外部端子接続部41と、バスバ4bの外部端子接続部41とは、前記嵌合方向及び前記嵌合方向と直交する方向にずれた位置に配置されている。同様に、バスバ4cの外部端子接続部41と、バスバ4dの外部端子接続部41とは、前記嵌合方向及び前記嵌合方向と直交する方向にずれた位置に配置されている。すなわち、バスバ4a,4dの外部端子接続部41は、バスバ4b,4cの外部端子接続部41よりも外側かつ上側に配置されている。また、バスバ4a,4dの外部端子接続部41には、細い電線12a,12dに取り付けられた雌端子金具9が電気接続され、バスバ4b,4cの外部端子接続部41には、太い電線12b,12cに取り付けられた雌端子金具9が電気接続される。
【0045】
上記電子部品組立体1Aは、インサート成形により複数のバスバ4a〜4dが絶縁板5Aに取り付けられてバスバ基板2Aが形成された後、基板用リレー10及び抵抗11がバスバ4a〜4dにはんだ付けされることにより組み立てられる。
【0046】
上記保持部材3Aは、耐熱樹脂で構成されており、保持部材本体部30と、包囲壁36と、を有している。保持部材本体部30には、上面31から凹に形成され、バスバ基板2Aを収容する第1収容部32と、下面33から凹に形成され、各外部端子接続部41及び各雌端子金具9をそれぞれ収容する複数の第2収容部34と、が設けられている。これら第1収容部32と複数の第2収容部34とは連通している。また、保持部材本体部30の外壁には、基板用リレー10のリレー本体10aを内側に位置付ける切り欠き35が形成されている。包囲壁36は、切り欠き35の縁から立設した3面の壁で構成されており、リレー本体10aの側面に沿う。前述した第1収容部32、第2収容部34、包囲壁36で囲まれた空間は、請求項の「保持部材3Aの収容部」に相当する。
【0047】
上記電子部品モジュール13Aは、電子部品組立体1Aが、
図2中の矢印Tに沿って保持部材3Aの前記収容部に挿入されることにより組み立てられる。さらに、複数の雌端子金具9が矢印Sに沿って保持部材3Aの複数の第2収容部34に挿入されることにより、各外部端子接続部41と各雌端子金具9とが嵌合されるとともに電気接続される。また、
図1(b)のP1,P2,P3,P4は、外部端子接続部41と雌端子金具9との接点を表している。このようにして、電子部品組立体1Aは、基板用リレー10と複数の雌端子金具9とを電気的に接続する。
【0048】
本発明の電子部品組立体1Aによれば、複数の外部端子接続部41が基板用リレー10の両側に配置され、これら複数の外部端子接続部41と基板用リレー10とが、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合方向と交差する方向に配置されているので、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合方向の寸法を、従来品(
図22を参照。)と比較して非常に小型化することができ、保持部材3Aを小型化することができる。
【0049】
また、本発明の電子部品組立体1Aによれば、電子部品として、基板用リレー10を採用していることから、従来品(
図22を参照。)と比較してさらに小型化することができる。
【0050】
また、本発明の電子部品組立体1Aによれば、
図1(b)に示すように、低い位置に配置された外部端子接続部41に、太い電線12b,12cに取り付けられた雌端子金具9が電気接続されるので、複数の電線12a〜12dを取り回す際、太い電線12b,12cの曲げ量が少なくて済み、これら電線12a〜12dの取り回しを容易にすることができる。
【0051】
また、本発明の電子部品組立体1Aによれば、基板として、複数のバスバ4a〜4dが絶縁板5Aに取り付けられたバスバ基板2Aを採用していることから、製造コストを低く抑えることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる「電子部品モジュール」及び「電気接続箱」を
図3〜5を参照して説明する。また、
図3〜5において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
本実施形態では、
図3に示す電子部品モジュール113Aは、自動車用の電気接続箱21に用いられ、
図4に示すように、電気接続箱21のケース15に取り付けられる。この電子部品モジュール113Aは、複数の電子部品組立体1A(図示例では7つ)と、これら複数の電子部品組立体1Aが収容される保持部材103Aと、を有している。また、電子部品組立体1Aは、第1の実施形態で説明したものと同一である。
【0054】
上記電気接続箱21は、リレー16、ヒューズ17、電子部品モジュール113A等の複数の部品と、これらを収容したケース15と、を有するものである。ケース15は、前記複数の部品が取り付けられるケース本体15aと、ケース本体15aの上面を覆うアッパーカバー(
図9中に符号15bで示す。)と、ケース本体15aの下面を覆うロアカバー(
図9中に符号15cで示す。)と、を有している。また、
図4は、ケース本体15a上面の平面図である。
【0055】
上記保持部材103Aは、合成樹脂で構成されており、
図3に示すように、ブロック状に形成された本体ブロック130と、本体ブロック130の側面に設けられ、ケース15に係止する係止部135と、を有している。本体ブロック130には、上面131から凹に形成され、バスバ基板2A及び基板用リレー10を収容する第1収容部132と、下面133から凹に形成され、各外部端子接続部41及び電線12の端末に取り付けられた各雌端子金具9をそれぞれ収容する複数の第2収容部134と、が設けられている。これら第1収容部132と複数の第2収容部134とは連通している。これら第1収容部132及び複数の第2収容部134は、請求項の「保持部材103Aの収容部」に相当する。また、該収容部は、保持部材103Aに7つ設けられている。
【0056】
また、電子部品モジュール113Aにおいては、すべての電子部品組立体1Aの外部端子接続部41及び雌端子金具9の嵌合方向(矢印S方向)が同一である。
【0057】
上記電子部品モジュール113Aは、複数の電子部品組立体1Aが
図3中の矢印Tに沿って保持部材103Aの前記各収容部に挿入されることにより組み立てられる。さらに、複数の雌端子金具9が
図3,5中の矢印Sに沿って保持部材103Aの各第2収容部134に挿入されることにより、各外部端子接続部41と各雌端子金具9とが嵌合されるとともに電気接続される。このようにして、電子部品組立体1Aは、基板用リレー10と複数の雌端子金具9とを電気的に接続する。
【0058】
本発明の電子部品モジュール113Aによれば、保持部材103Aの矢印S方向及び矢印T方向の寸法を小型化することができる。また、該電子部品モジュール113Aが適用された本発明の電気接続箱21においては、ケース15の高さ方向の寸法を小型化することができる。
【0059】
また、本発明の「保持部材」は、第1の実施形態の保持部材3Aのように、1つの電子部品組立体1Aが装着される構成であっても良いし、第2の実施形態の保持部材103Aのように、複数の電子部品組立体1Aが装着される構成であっても良い。また、本発明の「保持部材」は、電子部品組立体と、ヒューズ等の他の電子部品とが装着される構成であっても良い。また、本発明の「保持部材」は、電気接続箱の本体(例えば、
図9に示すケース本体15a)と一体に形成されていても良い。
【0060】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態にかかる「電子部品組立体」及び「電子部品モジュール」を
図6〜7を参照して説明する。また、
図6〜7において、前述した第1〜2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
上記電子部品組立体1Bは、
図6,7に示すように、基板用リレー10と、絶縁板5Bに複数のバスバ4a’,4b,4c,4d’が取り付けられて成るバスバ基板2Bと、を有している。また、電子部品組立体1Bは、保持部材3Bの内部空間、すなわち収容部、に収容される。
【0062】
上記電子部品モジュール13Bは、上記電子部品組立体1Bと、上記保持部材3Bと、を有するものである。
【0063】
これら複数のバスバ4a’,4b,4c,4d’のうち、バスバ4a’,4d’は、中間部43が基板用リレー10側に直角に折り曲げられている。すなわち、電子部品組立体1Bは、バスバ4a’,4d’の中間部43が折り曲げられていること以外は、第1の実施形態で説明した電子部品組立体1Aと同一の構成である。
【0064】
また、
図6(b)のP11,P12,P13,P14は、外部端子接続部41と雌端子金具9との接点を表している。
【0065】
本発明の電子部品組立体1Bによれば、その投影形状すなわち平面形状が、
図6(a)に示すように矩形状となり、保持部材3Bにデッドスペースを生じにくくすることができる。
【0066】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態にかかる「電子部品モジュール」及び「電気接続箱」を
図8〜9を参照して説明する。また、
図8〜9において、前述した第1〜3の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施形態では、
図8,9に示す本発明の電子部品モジュール113Bは、自動車用の電気接続箱22に用いられ、電気接続箱22のケース15に取り付けられる。この電子部品モジュール113Bは、複数の電子部品組立体1B(図示例では7つ)と、これら複数の電子部品組立体1Bが収容される保持部材103Bと、を有している。また、電子部品組立体1Bは、第3の実施形態で説明したものと同一である。
【0068】
上記電気接続箱22は、リレー16、ヒューズ17、電子部品モジュール113B等の複数の部品と、これらを収容したケース15と、を有するものである。ケース15は、前記複数の部品が取り付けられるケース本体15aと、ケース本体15aの上面を覆うアッパーカバー15bと、ケース本体15aの下面を覆うロアカバー15cと、を有している。
【0069】
また、電気接続箱22は、
図9に示すように、ケース15内にワイヤハーネス18が通されており、ワイヤハーネス18の上に電子部品モジュール113Bが配置されたレイアウトとなっている。このため、電子部品モジュール113Bに対しては、特にその高さ方向(矢印Y方向)の寸法に厳しい制約があるが、本発明の電子部品モジュール113Bは、保持部材103Bの高さ方向の寸法H1を、外部端子接続部41と接続される雌端子金具9(
図7を参照。)の長さ程度とすることができ、ケース15における厳しい搭載条件を満たすことができる。
【0070】
なお、電気接続箱22は、
図9に示すように、搭載スペースに余裕がある部位においては、電子部品組立体1Bではなく、リレー16と複数の雌端子金具14とをコネクタ接続により電気接続する従来の接続構造を採用している。この場合、ケース15内に占める高さ方向の寸法が、リレー本体16aの高さ寸法と、コネクタ19の高さ寸法とを合わせた寸法H2となる。すなわち、本発明の電子部品組立体1Bを有する電子部品モジュール113Bによれば、ケース15内に占める高さ方向の寸法H1を、従来品の約半分にすることができる。
【0071】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態にかかる「電子部品組立体」及び「電子部品モジュール」を
図10〜11を参照して説明する。また、
図10〜11において、前述した第1〜4の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
上記電子部品組立体1Cは、
図10,11に示すように、基板用リレー10と、該基板用リレー10が電気接続されているとともに雌端子金具9と嵌合される外部端子接続部6a,6b,6c,6dと、を有するものであり、基板用リレー10と複数の雌端子金具9とを電気的に接続するためのものである。また、電子部品組立体1Cは、保持部材3Cの内部空間、すなわち収容部、に収容される。
【0073】
上記電子部品モジュール13Cは、上記電子部品組立体1Cと、上記保持部材3Cと、を有するものである。
【0074】
上記電子部品組立体1Cの構成を詳細に説明する。電子部品組立体1Cは、基板用リレー10と、絶縁板5Cに配線パターンが印刷されたプリント基板2C(請求項の「基板」に相当する。)と、を有している。また、上記外部端子接続部6a,6b,6c,6dは、前記配線パターンの一部である。これら外部端子接続部6a,6b,6c,6dは、絶縁板5Cと共に雌端子金具9の一対の挟持片92間に挿入される、すなわち嵌合される、ことにより該雌端子金具9と電気接続される。また、複数の外部端子接続部6a,6b,6c,6dの配置についての構成は、第1の実施形態の外部端子接続部41と同一である。また、
図10(b)のP21,P22,P23,P24は、外部端子接続部6a,6b,6c,6dと雌端子金具9との接点を表している。
【0075】
このように、本発明の電子部品組立体1Cは、外部端子接続部6a,6b,6c,6dと基板用リレー10とが、外部端子接続部6a,6b,6c,6dと雌端子金具9との嵌合方向と交差する方向に配置されている。
【0076】
本発明の電子部品組立体1Cによれば、基板として、絶縁板5Cに配線パターンが印刷されたプリント基板2Cを採用していることから、回路配索の自由度を高めることができる。
【0077】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態にかかる「電子部品組立体」及び「電子部品モジュール」を
図12〜13を参照して説明する。また、
図12〜13において、前述した第1〜5の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0078】
上記電子部品組立体1Dは、
図12,13に示すように、基板用リレー10と、該基板用リレー10に電気接続されているとともに雌端子金具7(請求項の「外部端子」に相当する。)と嵌合される外部端子接続部41と、を有するものであり、基板用リレー10と複数の雌端子金具7とを電気的に接続するためのものである。また、電子部品組立体1Dは、保持部材3Dの内部空間、すなわち収容部、に収容される。
【0079】
上記電子部品モジュール13Dは、上記電子部品組立体1Dと、上記保持部材3Dと、スペーサ8と、を有するものである。
【0080】
上記複数の雌端子金具7は、電線12a〜12dの端末に取り付けられたものであり、電線12a〜12dと電気接続される電線接続部71と、電子部品組立体1Dの外部端子接続部41を内側に位置付ける筒部72と、電線接続部71と筒部72との間に位置する首部73と、を有している。この雌端子金具7は、第1〜5の実施形態の雌端子金具9よりも小型のものである。
【0081】
上記電子部品組立体1Dの構成を詳細に説明する。電子部品組立体1Dは、基板用リレー10と、絶縁板5Dに複数のバスバ4e,4f,4g,4hが取り付けられて成るバスバ基板2Dと、を有している。これら複数のバスバ4e,4f,4g,4hは、同一平面上に配置されている。複数のバスバ4e〜4hの外部端子接続部41は、基板用リレー10の両側に配置されている。また、複数のバスバ4e〜4hの外部端子接続部41は、一直線上に配置されている。
【0082】
また、
図12(b)のP31,P32,P33,P34は、外部端子接続部41と雌端子金具7との接点を表している。
【0083】
上記保持部材3Dは、耐熱樹脂で構成されており、保持部材本体部30と、包囲壁36と、を有している。上記雌端子金具7は、保持部材3Dの第2収容部34に収容される。保持部材本体部30の第2収容部34の外壁には、上記スペーサ8が装着される開口部37が形成されている。
【0084】
上記スペーサ8は、合成樹脂で構成されており、開口部37から各第2収容部34内に挿入されて、各雌端子金具7の首部73を押さえる複数の押さえ部82と、複数の押さえ部82に連なった連結部81と、を有している。このように、スペーサ8は、複数の雌端子金具7の抜け止めを行う。
【0085】
本発明の電子部品モジュール13Dによれば、第2収容部34内に挿入されることにより雌端子金具7の抜け止めを行うスペーサ8をさらに有しているので、小型の雌端子金具7を用いた場合でも外部端子接続部41と雌端子金具7との接続信頼性を保持することができる。
【0086】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態にかかる「電子部品組立体」及び「電子部品モジュール」を
図14〜20を参照して説明する。また、
図14〜20において、前述した第1〜6の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
上記電子部品組立体1Eは、
図14,15,17に示すように、基板用リレー10と、該基板用リレー10に電気接続されているとともに雌端子金具9と嵌合される外部端子接続部41と、を有するものであり、基板用リレー10と複数の雌端子金具9とを電気的に接続するためのものである。また、電子部品組立体1Eは、保持部材103Eの内部空間、すなわち収容部、に収容される。
【0088】
上記電子部品モジュール113Eは、第2,第4の実施形態と同様に、自動車用の電気接続箱に用いられるものであり、電気接続箱のケースに取り付けられる。この電子部品モジュール113Eは、
図18に示すように、複数の電子部品組立体1E(図示例では6つ)と、これら複数の電子部品組立体1Eが収容される保持部材103Eと、を有している。
【0089】
上記保持部材103Eは、合成樹脂で構成されており、
図14,17に示すように、本体ブロック130と、係止部135と、を有している。本体ブロック130には、上面131から凹に形成され、バスバ基板2E及び基板用リレー10を収容する第1収容部132と、上面131及び下面133に開口し、各外部端子接続部41及び電線12の端末に取り付けられた各雌端子金具9をそれぞれ収容する複数の第2収容部134と、が設けられている。これら第1収容部132及び複数の第2収容部134は、請求項の「保持部材103Eの収容部」に相当する。また、該収容部は、保持部材103Eに6つ設けられている。
【0090】
上記電子部品組立体1Eの構成を詳細に説明する。電子部品組立体1Eは、基板用リレー10と、絶縁板5Eに複数のバスバ4e’,4f’,4g’,4h’が取り付けられて成るバスバ基板2Eと、を有している。
図16に示す複数のバスバ4e’,4f’,4g’,4h’は、インサート成形により絶縁板5Eに取り付けられている。
【0091】
上記複数のバスバ4e’,4f’,4g’,4h’の外部端子接続部41は、基板用リレー10の両側に配置されている。また、すべてのバスバ4e’,4f’,4g’,4h’は、中間部43が基板用リレー10側に直角に折り曲げられている。また、これら複数のバスバ4e’,4f’,4g’,4h’は、すべての外部端子接続部41に対する雌端子金具9の嵌合方向及び雌端子金具9の向きが同一となるように、また、前記嵌合方向がバスバ基板2Eと平行になるように、外部端子接続部41の絶縁板5Eからの突出方向が揃えられている。
【0092】
このように、本発明の電子部品組立体1Eは、外部端子接続部41と基板用リレー10とが、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合方向と交差する方向に配置されているので、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合方向の寸法を、従来品(
図22を参照。)と比較して非常に小型化することができ、保持部材103Eを小型化することができる。
【0093】
また、本発明の電子部品組立体1Eは、すべてのバスバ4e’,4f’,4g’,4h’の中間部43が基板用リレー10側に直角に折り曲げられており、その投影形状すなわち平面形状が
図14,18に示すように矩形状となるので、保持部材103Eにデッドスペースを生じにくくすることができる。さらに、本発明の電子部品組立体1Eは、すべての外部端子接続部41に対する雌端子金具9の嵌合方向及び雌端子金具9の向きが同一であるので、外部端子接続部41と雌端子金具9との嵌合作業を効率化することができる。さらに、電子部品モジュール113Eにおいては、すべての電子部品組立体1Eの外部端子接続部41及び雌端子金具9の嵌合方向(矢印S方向)及び雌端子金具9の向きが同一である。
【0094】
上記絶縁板5Eには、
図15に示すように、基板用リレー10が載置されるとともにバスバ4e’,4f’,4g’,4h’の部品搭載部42が埋設された平板部50と、平板部50の下端から突出するとともに外部端子接続部41よりも第1収容部132への挿入方向先端側に突出した挿入ガイド部51と、が設けられている。挿入ガイド部51の幅は、平板部50の幅よりも小さい。さらに、挿入ガイド部51の先端には、第1収容部132への挿入方向先端側に向かうにしたがって絶縁板5Eの厚みを徐々に小さくするテーパー52が形成されている。また、絶縁板5Eにおける前記挿入方向後端、すなわち平板部50の上端、には、平坦面53が形成されている。平坦面53は、平面視がコ字状の形状とされている。
【0095】
上記電子部品モジュール113Eは、複数の電子部品組立体1Eが
図14中の矢印Tに沿って保持部材103Eの前記各収容部に挿入されることにより組み立てられる。この際、平坦面53を押すことで容易に電子部品組立体1Eを挿入することができる。また、この際、外部端子接続部41が第2収容部134に挿入される前に挿入ガイド部51が第1収容部132に挿入されることになり、そのために、外部端子接続部41を矢印T方向に真っ直ぐ第2収容部134に挿入することができる。よって、外部端子接続部41のこじりを防止できる。また、挿入ガイド部51の先端にはテーパー52が形成されているので、挿入ガイド部51を容易に第1収容部132に挿入することができる。
【0096】
さらに、電子部品モジュール113Eは、複数の雌端子金具9が
図17中の矢印Sに沿って保持部材103Eの各第2収容部134に下面133側から挿入されることにより、各外部端子接続部41と各雌端子金具9とが嵌合されるとともに電気接続される。このようにして、電子部品組立体1Eは、基板用リレー10と複数の雌端子金具9とを電気的に接続する。
【0097】
次に、上記電子部品モジュール113Eを分解する方法、すなわち電子部品組立体1Eを保持部材103Eから外す方法の一例を説明する。電子部品組立体1Eを保持部材103Eから外す際は、
図18〜20に示す治具110を使用する。治具110は、棒状の操作部111と、操作部111の中央から垂直方向に棒状に延びた柱部112と、柱部112の先端に連なった断面コ字型の作用部113と、作用部113の両端から互いに離れる方向に延びた延長部114と、を有している。
【0098】
上記治具110の操作部111を握り、当該治具110を
図18中の矢印D1方向にスライドさせて、
図19に示すように作用部113を基板用リレー10の上方に位置付けるとともに一対の延長部114を平坦面53の下方に位置付け、当該治具110を
図18中の矢印D2方向に引き上げることにより、電子部品組立体1Eを保持部材103Eから外すことができる。
【0099】
上述した第1〜7の実施形態で説明した電子部品組立体1A〜1E及び電子部品モジュール13A〜13D,113A,113B,113Eは、自動車用の電気接続箱に用いられるが、それ以外にも種々の電子機器に用いることができる。また、上述した第1〜7の実施形態においては、基板に基板用リレー10が搭載される例を説明したが、本発明の電子部品組立体及び電子部品モジュールは、基板に、基板用リレー10だけでなく、半導体等、種々の電子部品を搭載することができる。
【0100】
また、本発明の電子部品組立体1A〜1Eの外部端子接続部41,6a〜6dには、
図21に示す外部端子107を電気接続することも可能である。この外部端子107は、電線12の端末に取り付けられるものであり、電線12と電気接続される電線接続部71と、外部端子接続部41,6a〜6dと電気接続される相手側接続部74と、を有している。相手側接続部74は、板状に形成されており、外部端子接続部41,6a〜6dが圧入される、すなわち嵌合される、スリット75が設けられている。外部端子接続部41,6a〜6dは、スリット75に電線12の軸方向に進入して外部端子107と嵌合されるとともに電気接続される。
【0101】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。