特許第5916183号(P5916183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5916183乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグ雨除けカバー保持具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5916183
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグ雨除けカバー保持具
(51)【国際特許分類】
   A63B 55/60 20150101AFI20160422BHJP
【FI】
   A63B55/60 F
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-216190(P2015-216190)
(22)【出願日】2015年11月2日
【審査請求日】2015年12月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】315015885
【氏名又は名称】佐糠 学
(74)【代理人】
【識別番号】100072202
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 政雄
(72)【発明者】
【氏名】佐糠 学
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3056975(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3195475(JP,U)
【文献】 特開2004−313307(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3164255(JP,U)
【文献】 特開平11−216215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 55/60
B60J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に適宜の高さ(H)で伸縮調節できる筒形で多段式(11)〜(1n)の支持脚(1)と、その支持脚頂部(1n′)において左右の水平方向に張り出すシート支受バー(2)とからなり、そのシート支受バー(2)を支持脚頂部(1n′)に螺合又は嵌合により脱着できるようにした筒形ソケット(21′)をシート支受バー(2)の中央部に設けた
ことを特徴とする乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具。
【請求項2】
高さ方向に適宜の高さ(H)で伸縮調節できる筒形で多段式(11)〜(1n)の支持脚(1)と、その支持脚頂部(1n′)において左右に分割して水平方向に張り出すシート支受バー(21)・(22)とからなり、支柱脚上部(1n)と左右のシート支受バー(21)・(22)をそれぞれ中折れ式の斜辺ステー(3)を介して折畳みできるようにした乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具。
【請求項3】
高さ方向に適宜の高さ(H)で伸縮調節できるで筒形で多段式(11)〜(1n)の支持脚(1)と、その支持脚頂部(1n′)において左右に分割して水平方向に張り出すシート支受バー(21)・(22)とからなり、支柱脚上部(1n)と左右分割の各シート支受バー(21)・(22)をそれぞれ中折れ式の斜辺ステー(3)を介して折畳みできるように構成し、支持脚(1)の頂部に取付けたシート支受バー(21)・(22)の端部同士を連結具(4)で取外しできるように結合した伸縮式の筒形支持脚(1)を左右一対に並べるようにしたゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の乗用ゴルフカートに何の改造を加えずに搭載したキャディバッグの雨除けカバー保持具に関するもので、雨天のプレー時に簡単な操作によって組立てができ、用済み後の取り外しや折り畳み又は分解が簡単にできるようにしたことを目的とする。
【背景技術】
【0002】
雨の日のゴルフプレーにおいて、乗用ゴルフカートに付いている既存の雨除けカバーは、キャディバッグに入って露出しているゴルフクラブに直接接触するので、そのゴルフクラブの出し入れ時に雨水が直接あたったりして、びしょびしよに濡れることが多い。
【0003】
また、雨除けカバーが直接キャディバッグ及びゴルフクラブに被さっているため、そのクラブの出し入れがしづらいことも難点であった。
【0004】
本発明は、降雨時のゴルフプレーをするに当ってゴルフクラブが濡れるのを少しでも解消することと、キャディバッグからゴルフクラブの出し入れのしづらさを解消することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開11−216215公開特許公報
【特許文献2】第3056975号登録実用新案公報
【特許文献3】第3164255号登録実用新案公報
【0006】
特許文献1は、ゴルフカートの屋根枠後部に巻きとって収納した雨除けカバーの一部を取付け、使用時に開放してゴルフカートに搭載したキャディバッグに収納してあるクラブの頭部に接触することなく覆うようにした構成である。
特許文献2は、ゴルフカートの後部に湾曲したビニールカバーを保持するための骨組みを介して折り畳みできるように備えてキャディバッグの雨除けに供する構成である。
特許文献3は、ゴルフカートの後部にシート張設用骨組み部を介して天井シートを設けてキャディバッグを覆うようにする構成である。
【0007】
上記の各特許文献の発明は、雨除けカバーが直接キャディバッグのクラブに接触しないので、クラブの出し入れに雨に濡れにくいので便利である。しかしながら、当該特許文献の雨除けカバーはいずれも既存のカバーを使用するのではなく、専用の骨組みを施し、その骨組みを介してキャディバッグを覆う形状に保型している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、専用の骨組み等は一切用いず、しかも既存の雨除けカバーをそのまま使用しながらもキャディバッグのクラブとの適宜の空間を自由に設定できるようにした雨除けを提供するものである。
【0009】
本発明の第1は、乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具において、高さ方向に伸縮調節できる筒形の支持脚の頂部に左右水平方向に張り出すシート支受バーを固定し又は分解ができ、若しくは折畳み分解ができるように設けたものである。
【0010】
本発明の第2は、第1の発明に係る乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具において、シート支受バーの中程に筒形ソケットを当該支受バーと直交して設け、これを筒形の支持脚の頂部に脱着できるように挿入結合するようにしたものである。
【0011】
本発明の第3は、第1の発明に係る乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具において、シート支受バーを筒形支持脚の中心部から左右に分割し、その左右のシート支受バーをそれぞれ中折れ式の斜辺ステーを介して折畳みできるようにしたものである。
【0012】
本発明の第4は、第1ないし第3の発明に係る乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具において、伸縮式筒形の支持脚を左右一対に並べ、支持脚の頂部に取付けたシート支受バーの端部同士を連結具で取外しできるように結合するようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記の構成であるから、次のような作用効果がある。
第1に、雨の日のプレーにおいて、荷台に搭載した通常の4バッグすなわちキャディバッグを搭載し、その上に被せた雨除けカバーを荷台の横幅方向の中央部に設けてあるパターケースとこれに隣接するキャディバッグの間に挟んで設置し、または隣接するキャディバッ同士の間に挟んでシート支受バーでキャディバッグの頂面部位から適当な空間を設けて支受することにより、雨に濡れることが少なくなり、クラブの取出しと収納がきわめて容易に行える。
【0014】
第2に、雨が上がって用済み後は、雨除けカバーを片付けた後、本発明品の折畳み式にあっては、左右のシート支受バーを、その斜辺ステーを中折りして当該支受バーを支持脚に沿って折り畳むことができるため、コンパクトに収納することができる。
【0015】
第3に、本発明品の分割式にあっては、支持脚と、その支持脚頂部近傍からシート支受バー側とを外して分割することによって支持脚と一緒にコンパクトに収納することができる。
以後クラブの出し入れに邪魔になったり目障りになるようなことが無くなり、キャディやプレーヤの負担が軽減される。
【0016】
第4に、本発明にあっては、その使用にあたり、専用の雨除けカバーや当該カバーを保持するための骨組みなどを一切設けず、すべて既存の雨除けカバーに適用し、且つ設置にあたっても既存のパターケースとキャディバッグの間に挟み、又はキャディバッグ同士の間に挟むだけで済むので、簡単迅速に雨除け対応ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施例を示す乗用ゴルフカートの背面図である。
図2図1の側面図である。
図3図2の一部を示す拡大図である。
図4】本発明の第2実施例を示す乗用ゴルフカートの背面図である。
図5図4の側面図である。
図6】本発明の第3実施例を示す乗用ゴルフカートの背面図である。
図7図6の側面図である。
図8】本発明の第4実施例を示す乗用ゴルフカートの背面図である。
図9図8の側面図である。
図10図1に示す第1実施例の雨除けカバー保持具の正面図である。
図11図10の分解状態を示す雨除けカバー保持具の正面図である。
図12図11の一部を示す拡大正面図である。
図13図3に示す第2実施例の雨除けカバー保持具の正面図である。
図14図13の分解状態を示す雨除けカバー保持具の正面図である。
図15図6に示す第3実施例の雨除けカバー保持具の正面図である。
図16図15の折り畳み状態を示す雨除けカバー保持具の正面図である。
図17図8に示す第4実施例の雨除けカバー保持具の正面図である。
図18】左右一対の支受バーの端部同士を連結するための連結具の拡大斜視図である。
図19図17の19−19線に沿う拡大断面図である。
図20図17の折畳み状態を示す雨除けカバー保持具の正面図である。
図21図8図15図17に示すシート支受バーの拡大正面図である。
図22図21の折畳み(又は組立て)途中の正面図である。
図23図21における支受バーの折畳み状態を示す拡大正面図である。
図24】本発明に係る雨除けカバー保持具を荷台に搭載したキャディバッグに被せた乗用ゴルフカートの斜視図である。
図25】従来の既存の雨除けカバーをキャディバッグに被せた乗用ゴルフカートの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、乗用ゴルフカートの荷台に搭載したゴルフクラブのキャディバッグとパターケースの間やゴルフバッグ同士の間に伸縮して高さ調節できる支持脚を挟み込み、その頂部に設けた左右の水平方向に張り出すシート支受バーで既存のシート状の雨除けカバーをゴルフクラブの露出頂部との間に適当なスペースを確保して被せる。
【0019】
そして、雨上がり等の用済み後にあっては、雨除けカバーを片付けると支持脚及びシート支受バーが露呈して邪魔になるので、これを折り畳んだり、分解したりしてコンパクトにまとめて収納できるような形態になっている。
【実施例1】
【0020】
図1〜3及び図10図14において、1は高さの調節ができる伸縮式の支持脚であり、具体的には多段式の円筒に挿入した支持脚1〜1nを最低90cmから最高200cmの間の適宜の高さHに設定できる。2は支持脚頂部1n′の雄ねじに螺合する雌ねじを有する筒形ソケット2′(図12)を設けた水平孔2nに挿通したシート支受バーであり、図10の図示例は既存の雨除けカバーCにおける両側面C図1図23)の横幅内に収まる横幅W(約91cm〜93cm)に設定した防錆の金属棒を示す。上記の筒形ソケット2′は、
ねじによる螺合のほか、内外筒形による嵌合式にすることも可能である。
【0021】
図4及び図6において、支持脚1と一体のシート支受バー2を左右丁対用意し、支持脚1を4バッグの隣接するキャディバッグBとパターケースPcの間に挟み込む構成になっている。この場合の支持脚1の高さHは90cmから最高200cmに設定してある。この場合のシート支受バー2の長さは、既存の雨除けカバーCの横幅内に収まる幅W(91cm〜93cm)に設定する。
【0022】
図6及び図7図4及び図15図18及び図19において、3は支持脚1の頂部1n′において分割し、その各水平のシート支受バー2・2を折り畳みできるように支受する中折れ式斜辺ステーであり、上下のステー片3′・3″が回動軸3で結合してある。
当該ステーの一端を支持脚の頂部1nに、他端をシート支受バー2・2に回動できるように接続してある。上記のシート支受バー2・2は、アルミ押出形材で断面に逆M字形の凹溝を成形したものを用いている。この場合のシート支受バー2の長さは、91cm〜93cmに設定してある。
【0023】
図8及び図17図20において4は横断面が逆M字形を成す左右の支受バー2の端部同士を挿入して連結する連結具であり、当該連結具のネジ孔に摘み付きねじ4をねじ込んでその先端を逆さM字形の凹溝に掛止して支受バー2の端部同士を固定するようにしてある。前記の支受バーは、逆さM形に限定されず、角管や丸管でも可能である。5は乗用ゴルフカートGの荷台NにパターケースPを挟んでその両側に搭載したキャディバッグBを被せるために雨除けカバーCをシート支受バー2に止着するためのクリップである。上記の図17及び図20において、左右一対の支受バー2の長さW×2がシートカバーCの横幅内に収まるように、支受バーの長さ(W×2)の一方(外側)Wを他方(内側)にWに比べて短くしてある。
【0024】
図8及び図9図16及び図17において、支持脚1と一体で折畳み式のシート支受バー2を左右一対用意し、支持脚1を4バッグの隣接するキャディバッグB・B及びB・Bの間に挟み込む構成になっている。この場合のシート支受バー2・2の長さは、50cm〜55cmに設定してある。
【0025】
ゴルフカートAの屋根Aの後端部位に巻き上げてある雨除けカバーCを引き下ろす前に、当該カバーの保持具における伸縮式支持脚1の高さHを調節しておく。
「具体的な使用法・その1」
本発明に係るカバーの保持具を1個だけ用いる場合は、荷台Nに設置されているパターケースPと、これに隣接して搭載されている左右一対のキャディバッグBの間に支持脚1を挟み込む。
【0026】
雨除けカバーCを引き下ろしてキャディバッグBのフードを外し、露出しているクラブの頂部を覆った当該カバーをシート支受バー2で支受すると共に、最も長いクラブ(ドライバー)と当該カバーCとのスペースを15cm〜20cmに確保しておく。
【0027】
雨除けカバー保持具を左右一対に使用する場合は、支持脚1と支受バー2がほぼ門型をなし、2バッグの場合や、または雨除けカバーCを安定強固に保持するときに用いるのに対応する。
【0028】
本発明に係る雨除けカバー保持具の用済み後において、図1及び図4にあっては、図10図14に示す支持脚1からシート支受バーを頂部近傍から取り外し、パターケースPCとキャディバッグB、またはキャディバッグB同士に挟み込んだ支持脚1を抜き取り、パターケースPCとキャディバッグB、またはキャディバッグB同士に挟み込んだ支持脚1を抜き取り、カートAの所定箇所に格納する。
【0029】
また、図15図23に示すように、雨除けカバー保持具のシート支受バー2が折畳み式の場合は、図21の状態から左右のシート支受バー2に取り付けてある斜辺ステー4の中央部の回動軸3を内側方向の押すと、支受バー2側の回動軸3を及び斜辺ステー両端の回動軸3・3を介して図22の状態を経て図23の状態に折り畳まれる。パターケースPCとキャディバッグB、またはキャディバッグ同士B・B又はB・Bに挟み込んだ支持脚1を抜き取って、ゴルフカートAの所定箇所に格納する。
【符号の説明】
【0030】
1…支持脚
2…支受バー
…支柱の中心から左右に張り出す支受バー
′…筒形のソケット
3…斜辺ステー
4…支受バーの連結具
5…雨除けカバーを支受バーに止着するクリップ
A…ゴルフカート
B(B〜B)…キャディバッグ
C…雨除けカバー
D…ドライバー
G…隙間
H…支持脚の高さ
N…荷台
C…パターケース
W…支受バーの横幅
【要約】
【目的】
本発明は、既存の乗用ゴルフカートに何の改造を加えずに搭載したキャディバッグの雨除けカバー保持具に関するもので、雨天のプレー時に簡単な操作によって組立てができ、用済み後の折り畳み又は分解が簡単にできるようにしたことを目的とする。
【構成】
高さ方向に伸縮調節できる支持脚(1)の頂部に左右水平方向に張り出すシート支受バー(2)を固定し、又は折畳み若しくは分解できるように設け、且つシート支受バー(2)の中程に筒形ソケット(21′)を当該支受バーと直交して設け、これを筒形の支持脚の頂部(11)に脱着できるように挿入結合した乗用ゴルフカート搭載のキャディバッグの雨除けカバー保持具の構成。。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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