(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載された搬送装置であって、前記コンベアプレートは、前記上下動プレートの上流側及び下流側に配置され、前記上下動ローラは前記上下動プレートの上流側及び下流側に備えられていることを特徴とする搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に記載の包あん機は、搬送装置としてベルトコンベアを備えている。該ベルトコンベアは、駆動ローラ、リターンローラ、先端部や後端部のコンベアプレートなどに掛け回された無端状のコンベアベルトを備えている。さらに、前記シャッタ装置の下方に位置するコンベア部分には、前記コンベアベルトの搬送面を上下動させる上下動プレートが前記コンベアベルトの内側に備えられている。この上下動プレートにより上下動する搬送面は、棒状食品から包被食品を切断する際には棒状食品の底部を支持するために上昇位置に上昇し、その後、成形された包被食品を搬送する際には下降位置に下降する。そして、上下動プレートが下降位置に停止している際にコンベアベルトを駆動させて包被食品を間欠的に搬送下流側へ搬送する。
【0007】
上下動プレートとコンベアプレートの先端の間に位置するコンベアベルトの搬送面は、上下動プレートがコンベアプレート上面より上昇することによりコンベアプレートの先端に向かって下向きに傾斜した状態となる。したがって、搬送面に載置された包被食品は、上下動プレートの上下動に従って傾斜状態と水平状態を繰り返す。
【0008】
前記構成において、包被食品を成形する速度、つまり、単位時間当たりの生産個数を増加させると前記上下動プレートの上下動回数及び上下速度がそれに比例して増加する。例えば、生産個数が毎分60個までは問題なく包被食品を搬送できたとしても、それ以上の生産個数では、コンベアベルトの搬送面に載置された包被食品は、搬送面が傾斜した状態で上下動することにより滑動し、あるいは転動して安定した搬送ができないという問題がある。したがって、包あん機の生産個数を増加することができないという問題があった。特に、包被食品が比較的に軽量な場合には、生産個数が毎分60個に達する前から滑動や転動が発生してしまう場合があり、その問題が顕著に現れる。
【0009】
前記特許文献2に記載の包あん機においは、シャッタ装置の下方にて包被食品を受け取る昇降搬送装置と、包被食品を下流側に搬送する搬送装置とを別個の装置として各々独立して制御可能に備えている。しかしながら、それらの構造は特許文献1に記載された搬送装置に比べ複雑で有ると共に、比較的に高価なものとなるという問題が有る。
【0010】
前記特許文献3に記載の食品成形装置においは、搬送装置に無端状のコンベアベルトを備えた構成であるが、コンベアベルトの搬送面に複数の容器を載置しているため、特許文献1に記載された上下動プレートなどの上下動機構を備えることができないでいた。しかしながら、容器に食品等を収容する態様としては、スポンジ生地などの流動性の高い食品生地を充填する場合がある。この場合には、充填が終了した後で充填ノズルと容器を離反して充填ノズルから垂れ下がった糸状の食品生地を切り離す動作が必要となる。また、深い容器に食品を充填する際に、容器内に充填ノズルを挿入し、食品を充填しながら充填ノズルの吐出口を相対的に容器の上方へ移動させる場合がある。
【0011】
前記特許文献3に記載の食品成形装置では、搬送コンベアの搬送面を上下動できないため、容器内に食品を充填する場合などにおける充填ノズルと容器の相対的な接近離反動作を行うことができず、食品成形装置の汎用性を高められないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、搬送物を間欠的に搬送する無端状のコンベアベルトを備えた搬送装置であって、前記コンベアベルトの内側に前記コンベアベルトを上下動する上下動プレートと、前記コンベアベルトを水平に支持するコンベアプレートを備え、前記コンベアベルトの外側に前記上下動プレートと連動して上下動する上下動ローラを前記上下動プレートと前記コンベアプレートとの間の下方位置に備え、前記上下動プレートを上下動させるとともに、前記上下動プレートの上下動と連動して上下動するコンベアベルト部分を前記コンベアプレートの下方位置において放出および吸収するよう前記上下動ローラを上下動させる上下装置を備え
、前記コンベアプレートの上面に位置するコンベアベルト部分は前記上下動プレートの上下動に際し上下方向に移動することなく水平に備えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記搬送装置であって、前記コンベアプレートは、前記上下動プレートの下流側に配置されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、前記搬送装置であって、前記コンベアプレートは、前記上下動プレートの上流側及び下流側に配置され、前記上下動ローラは前記上下動プレートの上流側及び下流側に備えられていることを特徴とするものである。
【0015】
また、前記搬送装置を備えた食品成形装置であって、前記上下動プレートの上方に食品供給部を備えた食品成形装置であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構造にて搬送装置の搬送面を上下動する上下動搬送部と上下動しない水平搬送部とに区分でき、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜
図3を参照するに、本発明の第1の実施形態に係る食品成形装置1を包あん機として説明する。包あん機1は、複数のキャスタ3を介して移動自在な箱状の本体フレーム5を備えており、このフレーム5の上部には食品供給部が備えられている。食品供給部には、食材としての内包材を収容する内包材用のホッパ7を備えていると共に食材としての外皮材を収容する外皮材用のホッパ9を備えている。そして、上記各ホッパ7,9内の底部には、ホッパ7,9内の食材を送り出すため一対のスクリューコンベア(図示せず)がそれぞれ水平にかつ回転自在に備えられている。
【0019】
前記各組のスクリューコンベアによって各ホッパ7,9内から送り出された食材を、前記本体フレーム5の前面に備えた重合ノズル13へ送給するために、前記各ホッパ7,9と前記重合ノズル13との間には、ベーンポンプ15A,15Bがそれぞれ備えられている。なお、前記重合ノズル13及びベーンポンプ15A,15Bの構成は、公知の構成でよいものであるから、重合ノズル13及びベーンポンプ15A,15Bの構成についての詳細な説明は省略する。
【0020】
前記重合ノズル13は、前記ベーンポンプ15Aから送給された内包材の周面に、前記ベーンポンプ15Bから送給された外皮材を備えた棒状の食品生地11を連続的に重合するものであって、この重合ノズル13の下側には、前記重合ノズル13から連続的に吐出される棒状の食品生地11を、外皮材でもって内包材を適宜に包み込んだ包被食品12に切断するための包被切断装置17が上下動自在に備えられている。この包被切断装置17は、前記食品生地11を切断するための複数のシャッタ片14が囲んで形成される開口部を開閉自在に備えた構成であり、公知の構成でよいものであるから、前記包被切断装置17についてのより詳細な説明は省略する。
【0021】
前記包被切断装置17の下方には、当該包被切断装置17によって切断された包被食品12を搬送下流側へ搬送するための搬送装置18を備えている。搬送装置18は、無端状で所要巾のコンベアベルト19を備えたベルトコンベアである。前記本体フレーム5の前面には、着脱可能に固定されたコンベアプレート21と、該コンベアプレート21の下方において互いに上下方向に並列に配置された2本の駆動プーリ23A,23Bと、該駆動プーリ23Aの搬送上流側に回転自在に軸着されたリターンローラ25と、前記本体フレーム5に対し揺動自在な揺動アームに回転自在に軸着されたテンションローラ26が備えられている。
【0022】
前記包被切断装置17の下方に位置する前記コンベアプレート21の中間部分には、前記コンベアプレート21に対し上下動可能な上下動プレート27が備えられている。ここでは、上下動プレート27に対し搬送下流側(
図1において左側)に位置する前記コンベアプレート21の部分を下流側コンベアプレート21Dとし、搬送上流側(
図1において右側)に位置する前記コンベアプレート21の部分を上流側コンベアプレート21Uとする。そして、前記上下動プレート27の搬送下流端及び前記下流側コンベアプレート21Dの搬送上流端の間の下方位置には、前記上下動プレート27の上下動に同調して上下動する上下動ローラ29が備えられている。そして、上下動ローラ29の上下方向への移動距離は上下動プレート27の移動距離に対しは略半分に設定される。
【0023】
本実施形態に係る搬送装置18においては、前記コンベアベルト19の外側に駆動プーリ23A、リターンローラ25、上下動ローラ29が掛け回され、それ以外の構成である駆動プーリ23B、テンションローラ26、コンベアプレート21及び上下動プレート27がコンベアベルト19の内側に掛け回された態様にて前記コンベアベルト19が取り付けられている。また、コンベアベルト19は上下動自在に取り付けられたテンションローラ26の自重により常に適度な張りを維持するよう各部材に張架されている。
【0024】
コンベアベルト19を各部に分けて説明する。上下動プレート27の上面に位置するコンベアベルト19の部分を上下動搬送部19Aとする。また、上下動プレート27の搬送下流端からその下方に配置された上下動ローラ29の下側外周を回ってコンベアプレート21の下流側コンベアプレート21Dにおける搬送上流端の間に位置するコンベアベルト19の部分をバッファ部19Bとする。
図2で示すように、上下動プレート27の搬送下流端と下流側コンベアプレート21Dの搬送上流端との隙間はコンベアベルト19が移動できる程度に離れていればよい。また、下流側コンベアプレート21Dの上面に位置する部分を水平搬送部19Cとする。
【0025】
前記上下動プレート27及び上下動ローラ29を上下動させる上下装置31について説明する。前記上下動プレート27の本体側の下面には第1摺動シャフト32が取り付けられている。第1摺動シャフト32は、前記本体フレーム5の前面に取り付けられた第1ガイド部材33に摺動可能に案内されている。また、前記上下動ローラ29は軸部材30に回転自在に軸着され、軸部材30の本体側には、第2摺動シャフト34が取り付けられている。第2摺動シャフト34は、前記本体フレーム5の前面に取り付けられた第2ガイド部材35に摺動可能に案内されている。
【0026】
第1ガイド部材33及び第2ガイド部材35の下方には揺動アーム36が備えられている。揺動アーム36は、一方の端部36A(
図2においては左側の端部、支点側端部)を支点として上下方向に揺動可能に備えられている。そして、揺動アーム36の中央部36Bは、リンクプレート37を介して前記第2摺動シャフト34の下端部に連結されている。また、揺動アーム36の他方の端部36C(揺動側端部)は、リンクプレート38を介して前記第1摺動シャフト32の下端部に連結されている。この揺動アーム36において、リンクプレート38の軸着位置と支点(支点側端部36Aが回動する中心点)との間隔は、リンクプレート37の軸着位置と支点との間隔の略2倍に備えられている。
【0027】
前記揺動アーム36の支点側端部36Aは本体フレーム5の内部に取り付けられた駆動モータM1の出力軸に連動連結されている。この連動連結機構は公知の構成でよく、例えば、歯車列やカム機構を介した構成でよい。そして、包あん機1の各駆動部を制御する制御装置39の指令に基づき駆動モータM1が前記包被切断装置17の上下動などと同調して駆動される。この揺動アーム36が上方に向かって揺動(
図2において左回り)すると、上下動プレート27と上下動ローラ29が上昇する(
図3参照)。このとき、上下動プレート27は上下動ローラ29に対し2倍の速度で上昇し、その移動距離も2倍となる。
【0028】
コンベヤベルト19のバッファ部19Bに位置するベルト部分は、上下動プレートの上昇に連動して搬送下流側に位置したベルト部分が上下動ローラ29の下側外周を通って搬送上流側に移動し、バッファ部19Bのベルト部分の一部が水平搬送部19Cの搬送面より上方へ出現上昇する。また、上下動プレートの下降に連動して上下動ローラ29に対し搬送上流側に位置したベルト部分が上下動ローラ29の下側外周を通って上下動ローラ29の搬送下流側に移動し、水平搬送部19Cの搬送面より下方へ埋没下降する。このとき、バッファ部19Bに位置するベルト部分は上下動ローラ29の回りを移動するものの上下動搬送部19Aや水平搬送部19Cに移動することはなく、また、弛緩することなく上下動ローラ29の周りに掛け回されている。
【0029】
また、上下動搬送部19Aに位置するベルト部分は、上下動プレート27の上下動に際し上下動プレート27とともに上下動はするが、上下動プレート27の上面に対し搬送方向には移動しない。また、水平搬送部19Cに位置するベルト部分は、上下動プレート27の上下動に際し上下方向及び搬送方向のいずれの方向にも移動しない。つまり、バッファ部19Bは、上下動搬送部19Aが上下動する際に水平搬送部19Cにその動作に起因する影響を与えることなく、その上下動と連動して上下するコンベアベルト部分を放出および吸収する緩衝部分である。また、バッファ部19Bは、コンベアベルト19が搬送駆動する際には、水平搬送部19Cと上下動搬送部19Aに位置するコンベアベルト部分を一体的に連動させる連結部分である。
【0030】
なお、上下動プレート27、下流側コンベアプレート21D及び上流側プレート21Uはプレート状に限ることなく、例えば、複数のローラを水平方向に備えたローラコンベア状の構成をも意図するものであり、コンベアベルト19に上下動搬送部19A及び水平搬送部19Cを形成できる構成であればよい。また、上下動ローラ29は回転自在に備えられたローラに限ることなく、例えば、丸棒による軸部材やプレート状の部材をも意図するものであり、コンベアベルト19にバッファ部19Bを形成できる構成であればよい。
【0031】
前記構成において、包あん機1にて成形された包被食品12が搬送装置18により搬送される態様について説明する。搬送装置18のコンベアベルト19は、上下動プレート27が下降位置に位置する際に搬送動作行い、上下動プレート27が上下動している際には搬送を停止して搬送動作と搬送停止を交互に繰り返すよう間欠的に駆動される。コンベアベルト19が搬送停止の際に、上下動プレート27は最上昇位置から下降工程にある包被切断装置17のシャッタ片14の下方にて包被成形される包被食品12の下面を上下動搬送部19Aに位置するコンベアベルト19を介して支持する(
図1参照)。さらに、上下動プレート27は、その上面が下流側コンベアプレート21Dの上面と同じ高さ位置まで下降する(
図2参照)。この下降に際し、コンベアベルト19の上下動搬送部19Aは搬送方向に移動しないため上面に載置された包被食品12は安定して下降する。そして、搬送装置18の駆動プーリ23A,23Bを間欠的に駆動してコンベアベルト19を搬送させ、上下動搬送部19Aに載置された包被食品12を所要の距離だけ搬送下流側に搬送させて水平搬送部19Cに移乗する。
【0032】
次に、コンベアベルト19の搬送動作を停止し、上下動プレート27及び上下動ローラ29を上昇させる(
図3参照)。このとき、水平搬送部19Cは上下方向及び水平方向のいずれにも移動しないため、水平搬送部19C上に載置された包被食品12は従来のような滑動や転動することなく静置されている。そして、次の包被食品12が上下動搬送部19Aに載置されて下降位置まで下降される。
【0033】
このように、上下動搬送部19Aが上下動する際に上下動搬送部19A及び水平搬送部19Cの搬送面が上下動プレート27の上下動に影響されることなく搬送方向に移動することがないものである。したがって、包あん機1による包被食品12の生産個数を例えば毎分120個に増加させた場合であっても、従来のごとく上下動プレート27が上昇する際に包被食品12が傾斜する搬送面上を滑動や転動するようなことが防止でき、生産性を向上させることができる。また、従来のごとく上下動装置及び水平搬送装置を個別に備えることなく、簡単な構造にて搬送装置の搬送面を上下動する上下動搬送部と上下動しない水平搬送部とに区分でき比較的に安価な搬送装置を提供できる。
【0034】
特許文献1に記載された搬送装置においては、上下動プレートが上下動する際に傾斜する搬送面を形成するコンベアベルト部分の長さが変化するため上下動プレートの上面に位置するコンベアベルト部分が搬送方向に移動していた。したがって、従来の搬送装置においては、包被切断装置と上下動プレートが同調して下降しながら包被食品を棒状の食品生地から包被切断成形する際に、上下動搬送部の搬送方向への移動により包被食品の頂部が包被食品の中央から多少横方向へ位置ずれした状態に成形されてしまう場合があった。しかしながら、搬送装置18によれば、上下動プレート27が上下動する際に上下動搬送部19Aは搬送方向に移動することがないため、従来のような問題が解決でき、包被食品12の品質を高めることもできる。
【0035】
次に、
図4及び
図5を参照するに、本発明の第2の実施の形態に係る食品成形装置41を充填装置として説明する。なお、前述の食品成形装置1と同様な機能を有する構成においては同じ符号を用い、重複した説明は省略する。充填装置41は、本体フレーム5の前方に食品供給部を備えている。食品供給部には、食品生地40を収容するホッパ42を備え、ホッパ42の底部には、ホッパ42内の食品生地40をノズル部43に送り出すためのベーンポンプ45を備えている。ノズル部43は、その下端部に充填ノズル44を備え、該充填ノズル44の下端に食品生地40を吐出する吐出口44Aを備えている。さらに、該吐出口44Aを開閉する弁部材47が上下動可能に備えられている。
【0036】
前記ノズル部43の下方には、充填ノズル44から吐出される食品生地40を収容する容器49を搬送下流側へ搬送するための搬送装置51を備えている。搬送装置51は、無端状で所要巾のコンベアベルト19を備えたベルトコンベアである。搬送装置51の構成は、前記搬送装置18と同様な構成を含んでいる。したがって、同様な構成については同じ符号を用い、相違する部分について説明する。
【0037】
前記上下動プレート27の搬送上流端と前記上流側コンベアプレート21Uの下流端の間の下方位置には、第2の上下動ローラ55が備えられている。前記上下動ローラ29及び上下動ローラ55は、前記上下動プレート27の上下動に同調して一体的に上下動する。上下動ローラ29,55の上下方向への移動距離は上下動プレート27の移動距離に対し略半分に設定される。
【0038】
搬送装置51においては、前記コンベアベルト19の外側面に駆動プーリ23A、リターンローラ25、上下動ローラ29、上下動ローラ55が掛け回された態様にて前記コンベアベルト19が取り付けられている。コンベアベルト19を各部に分けて説明する。上下動プレート27の上面に位置するコンベアベルト19の部分を上下動搬送部19A、上下動プレート27の搬送下流端から上下動ローラ29の下側外周を回って下流側コンベアプレート21Dにおける搬送上流端の間に位置するコンベアベルト19の部分を第1のバッファ部19B、下流側コンベアプレート21Dの上面に位置する部分を水平搬送部19Cとする。さらに、上下動プレート27の搬送上流端から上下動ローラ55の下側外周を回って上流端コンベアプレート21Uにおける搬送下流端の間に位置するコンベアベルト19の部分を第2のバッファ部19D、上流側コンベアプレート21Uの上面に位置する部分を水平搬送部19Eとする.
【0039】
前記上下動プレート27、上下動ローラ29及び上下動ローラ55を上下動させる上下装置57は前記上下装置31に類似しており、上下動ローラ55を上下動させるための構成を追設したものである。上下動プレート27には第1摺動シャフト32が取り付けられ、第1ガイド部材33に摺動可能に案内されている。また、上下動ローラ29は第2摺動シャフト58に備えられた軸部材30に回転自在に軸着され、第2ガイド部材35に摺動可能に案内されている。また、第2の上下動ローラ55は前記第2摺動シャフト58に一体的に備えられた軸部材59に回転自在に軸着され上下動ローラ29と一体的に上下動する。
【0040】
第1摺動シャフト32及び第2摺動シャフト58は前記上下動装置31と同様に揺動アーム36に連結されている。この揺動アーム36が一方の端部36Aを支点に上方に向かって揺動すると、上下動プレート27と上下動ローラ29、55が上昇する。このとき、上下動プレート27は上下動ローラ29、55に対し約2倍の速度で上昇し、その移動距離も約2倍となる。
【0041】
前記構成において上下動プレート27、上下動ローラ29及び上下動ローラ55を上下動させると、コンベヤベルト19のバッファ部19Bに位置するベルト部分及びバッファ部19Dに位置するベルト部分は、それぞれ上下動ローラ29及び上下動ローラ55の回りを上下動プレート27側に移動する。このとき、バッファ部19B、19Dに位置するベルト部分は弛緩することなく上下動ローラ29、55の周りに掛け回されている。また、上下動搬送部19Aに位置するベルト部分は上下動プレート27とともに上下動はするが、上下動プレート27の上面に対し搬送方向には移動しない。また、水平搬送部19C及び水平搬送部19Eに位置する各々のベルト部分は、上下動プレート27の上下動に際し上下方向及び搬送方向のいずれの方向にも移動しない。
【0042】
前記構成において、充填装置41にて容器49が搬送装置51により搬送される態様について説明する。搬送装置51のコンベアベルト19は前記搬送装置18と同様に搬送動作と搬送停止を交互に繰り返すよう間欠的に駆動される。容器49は、前記ベルトコンベア19が搬送停止している際に、搬送装置51の上流側に連設された図示されない容器供給装置によりコンベアベルト19の搬送面、より具体的には水平搬送部19Eの上流側搬送面に供給される。そして、搬送装置51の間欠駆動及び容器49の供給を繰り返すことにより、容器49が水平搬送部19Eの上面に所要の間隔で搬送され、やがて、水平搬送部19Eから上下動搬送部19Aに移乗される。
【0043】
容器49が上下動搬送部19Aに搬送され停止されると、上下動プレート27が上昇し、容器49の上部開口部から充填ノズル44が挿入される。そして、ノズル部43内の弁部材47が上昇して吐出口44Aを開口し食品生地40を容器49内に充填する。このとき、食品生地40の吐出量に追従して容器49を徐々に吐出口44Aから離すように上下動プレート27を下降させてもよい。上下動プレート27の下降にともない上下動ローラ29、55が下降することにより上下動搬送部19Aのベルト部分は搬送方向に移動することがないため、容器49内に食品生地40を安定して充填することができる。そして、吐出口44Aを弁部材47で閉じることにより食品生地40の吐出が終了する。
【0044】
その後、さらに容器49を下降させることにより吐出口44Aから容器49内に吐出された食品生地40を切り離す。容器49は下降位置まで下降し、コンベアベルト19が所要の距離だけ搬送駆動されると、上下動搬送部19Aから下流側の水平搬送部19Cに移乗される。このとき、上流側の水平搬送部19E上において最も下流端側に位置する容器49が上下動搬送部19Aに移乗されている。
【0045】
このように、上下動搬送部19Aが上下動する際に上下動搬送部19A、水平搬送部19C及び水平搬送部19Eの搬送面が上下動プレート27の上下動に影響されることなく搬送方向に移動することがないものであり、上記本発明の第1の実施の形態に係る搬送装置18と同様に搬送物たる容器49の滑動や転動が抑制され安定した搬送ができる。また、簡単な構造にて搬送装置の搬送面を上下動する上下動搬送部と上下動しない水平搬送部とに区分でき比較的に安価な搬送装置を提供できる。さらに、充填機41による食品生地40の充填の際に容器49を載置する上下動搬送部19Aを上下動させることができ、充填ノズル44と容器49内に充填された食品生地40を引き離すことが可能となるため、充填を安定して行えるものである。
【0046】
これらの説明から理解できるように、本発明の実施の形態に係る搬送装置18及び51では、各々独立して制御する別個の上下動搬送装置及び水平搬送装置を備えるものではなく、搬送物を載置して搬送する搬送面として上下動する搬送部と該搬送物を水平な状態で下流側に搬送する水平搬送部とを一本のコンベアベルト19で形成できるため、簡単な構造にて従来の問題点を解決できるものである。
【0047】
本発明の実施の形態に係る搬送装置の説明は概ね上記のとおりであるが、これに限らず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記説明においては、搬送装置に所要巾のコンベアベルト19を1本備えた構成として説明した。しかしながら、本発明においては、搬送装置18や搬送装置51において、例えば、ひも状や細い丸ベルト状で無端状のコンベアベルトを搬送方向に沿って張架し、そのコンベアベルトを搬送方向に直交する巾方向に向かって複数本を並列に備えて搬送物を載置する搬送面を形成し、それら搬送面において上下動搬送部や水平搬送部を形成した場合であっても所要巾を有する搬送面を形成するコンベアベルトということができる。
【0048】
また、上下装置31において、上下動プレート27及び上下動ローラ29、55を上下動させる機構として揺動アームを備えるよう説明した。しかし、上下装置としては、上下動プレート27の上下方向の移動距離に対し上下動ローラ29、55の上下方向への移動距離を半分に駆動できる機構であればよく、例えば、歯数比が2:1のラック及びそれらに係合する各々のピニオンなど回転運動を直線運動に変換する動力伝達機構を用いてもよい。
【0049】
また、バッファ部19B,19Dにおいては、上下動プレート27の上下方向への移動距離に対し上下動ローラ29,55の移動距離を半分に設けるよう説明したが、バッファ部におけるベルトの掛け回しを変更することにより上下動ローラの移動距離も変更するものである。バッファ部19Bでは、上下動プレート27の搬送下流端から上下動ローラ29の下側外周を通り下流側コンベアプレート21Dの搬送上流端に渡って U字あるいはJ字のようにコンベアベルト19を掛け回しているが、例えば、W字のごとく掛け回し、中央部に固定ローラを備え、その両側の下方に2つの上下動ローラを備えることも可能である。この場合において、固定ローラはコンベアベルト19の内側に配置され、上下動ローラはコンベアベルト19の外側に配置される。
【0050】
そして、上下動ローラの上下方向の移動距離を上下動プレート27の移動距離に対し略1/4となるよう上下装置を設けることにより、上下動プレート27の上下動に際し、上下動搬送部19A及び水平搬送部19Cに位置するコンベアベルト19の各部分は搬送方向に移動することがない。つまり、このようにバッファ部を設けた場合であっても、上下動搬送部19Aが上下動する際に水平搬送部19Cにその動作に起因する影響を与えることなく、その上下動と連動して上下するコンベアベルト部分を放出および吸収する緩衝部分として作用するものである。