特許第5916218号(P5916218)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916218
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】流路用ボックス及びこれを備えた水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/02 20060101AFI20160422BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20160422BHJP
   E03C 1/05 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   E03C1/02
   E03C1/042 Z
   E03C1/05
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-120658(P2012-120658)
(22)【出願日】2012年5月28日
(65)【公開番号】特開2013-245498(P2013-245498A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2015年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】株式会社三栄水栓製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(72)【発明者】
【氏名】西岡 利明
(72)【発明者】
【氏名】木村 訓和
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−262759(JP,A)
【文献】 実開昭55−119636(JP,U)
【文献】 特開平10−271620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00−1/10
A47K 1/00、1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス本体及び該ボックス本体に被さるボックス蓋を備え、流路の一部を覆う流路用ボックスであって、
前記ボックス本体及び前記ボックス蓋には、前記一部の上流部又は下流部を構成する管部を避けるための切欠き状の回避部が設けられ、
前記ボックス蓋は、前記ボックス本体から離脱可能な状態で該ボックス本体に被さり、この離脱可能な状態にある前記ボックス蓋が前記ボックス本体に対して前記一部の上流側または下流側にスライドすると、前記ボックス本体から離脱不能な状態となるように構成されており、さらに、前記離脱不能な状態にある前記ボックス蓋と前記ボックス本体との隙間に挿入可能なクリップ部材が設けられ、該クリップ部材は前記隙間内に位置する前記管部に係脱自在に係合し、前記隙間内に位置する前記管部に前記クリップ部材が係合した状態では、前記ボックス蓋は前記離脱不能な状態となる位置から前記離脱可能な状態となる位置にスライドすることができないように構成されていることを特徴とする流路用ボックス。
【請求項2】
前記ボックス蓋には該ボックス蓋の開口縁から延びるL状溝が設けられると共に、前記ボックス本体には前記L状溝に係合可能な突起が設けられ、
前記L状溝は、前記ボックス蓋の開口縁から該L状溝の屈曲部分まで延びる非ロック溝部と、前記屈曲部分よりも該L状溝の最奥側の部分を占めるロック溝部とを有し、
前記ボックス蓋が前記離脱可能な状態にあるときは、前記突起は前記非ロック溝部内に位置し、前記ボックス蓋が前記離脱不能な状態にあるときは、前記突起は前記ロック溝部内に位置している請求項に記載の流路用ボックス。
【請求項3】
前記一部に設けられた電気的駆動弁及び水力発電機と、前記電気的駆動弁及び水力発電機に接続される電源ユニットとを覆うように構成された請求項1〜の何れか一項に記載の流路用ボックス。
【請求項4】
前記一部の上流部が下を向き下流部が上を向くように配置され、
前記流路において前記一部の下流側に設けられる吐水部はセンサを有すると共に前記一部の上方に位置し、
前記センサに対して前記電気的駆動弁または前記電源ユニットを接続する電線は、前記ボックス本体の外面に形成された凹溝に沿って該ボックス本体の下方から側方を経て上方に引き出されるように構成されている請求項に記載の流路用ボックス。
【請求項5】
請求項1〜の何れか一項に記載の流路用ボックスによって上流側の流路の一部が覆われた水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流路の特定部位を覆うための流路用ボックス及びこれを備えた水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
流路の特定部位を覆うための従来のボックスとして、特許文献1に開示されたものが知られている。このボックスは、ボックス本体としてのカバーと、ボックス蓋としてのケースとを備え、電磁弁、この電磁弁を制御するための制御部等を収容する。
【0003】
斯かるボックスでは、制御部等を覆って保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−262759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記ボックスでは、カバーに対するケースの取付けがねじ止めによるため、ケースの着脱作業に手間が掛かるという問題がある。
【0006】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、ボックス蓋の着脱が容易となる流路用ボックス及びこれを備えた水栓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る流路用ボックスは、ボックス本体及び該ボックス本体に被さるボックス蓋を備え、流路の一部を覆う流路用ボックスであって、前記ボックス本体及び前記ボックス蓋には、前記一部の上流部又は下流部を構成する管部を避けるための切欠き状の回避部が設けられ、前記ボックス蓋は、前記ボックス本体から離脱可能な状態で該ボックス本体に被さり、この離脱可能な状態にある前記ボックス蓋が前記ボックス本体に対して前記一部の上流側または下流側にスライドすると、前記ボックス本体から離脱不能な状態となるように構成されており、さらに、前記離脱不能な状態にある前記ボックス蓋と前記ボックス本体との隙間に挿入可能なクリップ部材が設けられ、該クリップ部材は前記隙間内に位置する前記管部に係脱自在に係合し、前記隙間内に位置する前記管部に前記クリップ部材が係合した状態では、前記ボックス蓋は前記離脱不能な状態となる位置から前記離脱可能な状態となる位置にスライドすることができないように構成されている(請求項1)。
【0008】
【0009】
上記流路用ボックスにおいて、前記ボックス蓋には該ボックス蓋の開口縁から延びるL状溝が設けられると共に、前記ボックス本体には前記L状溝に係合可能な突起が設けられ、前記L状溝は、前記ボックス蓋の開口縁から該L状溝の屈曲部分まで延びる非ロック溝部と、前記屈曲部分よりも該L状溝の最奥側の部分を占めるロック溝部とを有し、前記ボックス蓋が前記離脱可能な状態にあるときは、前記突起は前記非ロック溝部内に位置し、前記ボックス蓋が前記離脱不能な状態にあるときは、前記突起は前記ロック溝部内に位置していてもよい(請求項)。
【0010】
上記流路用ボックスが、前記一部に設けられた電気的駆動弁及び水力発電機と、前記電気的駆動弁及び水力発電機に接続される電源ユニットとを覆うように構成されていてもよい(請求項)。
【0011】
上記流路用ボックスにおいて、前記一部の上流部が下を向き下流部が上を向くように配置され、前記流路において前記一部の下流側に設けられる吐水部はセンサを有すると共に前記一部の上方に位置し、前記センサに対して前記電気的駆動弁または前記電源ユニットを接続する電線は、前記ボックス本体の外面に形成された凹溝に沿って該ボックス本体の下方から側方を経て上方に引き出されるように構成されていてもよい(請求項)。
【0012】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る水栓は、請求項1〜の何れか一項に記載の流路用ボックスによって上流側の流路の一部が覆われている(請求項)。
【発明の効果】
【0013】
本願発明では、ボックス蓋の着脱が容易となる流路用ボックス及びこれを備えた水栓が得られる。すなわち、本願の各請求項に係る発明の流路用ボックスでは、ボックス蓋をボックス本体に被せてスライドさせるだけで、ボックス蓋がボックス本体に係合するようになっているので、ボックス本体に対するボックス蓋の着脱を簡易に行うことができる。しかも、ボックス本体及びボックス蓋は、共にシンプルな構成とすることができ、ひいては、流路用ボックスを安価なものとすることができる。
また、前記グリップ部材を用いるので、ボックス本体に対するボックス蓋の装着状態をより確実に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係る流路用ボックスを備えた水栓の構成を概略的に 示す全体図である。
図2】前記流路用ボックスの内部のユニットの構成を概略的に示す斜視図である。
図3】前記流路用ボックスに覆われるユニットの構成を概略的に示す斜視図である 。
図4】前記ユニットの構成の一部を概略的に示す正面図である。
図5】(A)及び(B)は、前記ユニットの構成を概略的に示す平面図及び説明図 である。
図6】前記水栓のシステム構成を概略的に示す説明図である。
図7】前記流路用ボックスの内部の構成を概略的に示す説明図である。
図8】(A)〜(D)は、前記流路用ボックスの開閉方法を概略的に示す斜視図で ある。
図9】ボックス蓋が外れている状態の前記流路用ボックスの構成を概略的に示す上 方からの斜視図である。
図10】ボックス蓋が外れている状態の前記流路用ボックスの構成を概略的に示す 下方からの斜視図である。
図11】前記流路用ボックスのボックス本体の構成を概略的に示す斜視図である。
図12】前記ボックス蓋の構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
本実施の形態に係る水栓(以下、本水栓という)は、図1に示すように、例えば洗面台のカウンターの上面等に立設される吐水部1と、吐水部1の上流側の流路(以下、供給流路という)の一部を覆う流路用ボックス(制御ボックス)2とを具備する。流路用ボックス2の上流側には止水栓3が設けられ、この止水栓3は図示していない壁面に取り付けられる。一方、流路用ボックス2の下流側には可撓性のホース4が設けられ、このホース4は吐水部1に接続される。
【0017】
流路用ボックス2は、図2に示すように、供給流路の一部を構成する二つの配管5,6と、上流側の配管5に対して設けられた電磁弁(電気的駆動弁の一例)7と、下流側の配管6に対して設けられた水力発電機8と、電源基盤(電源ユニットの一例)9と、例えば一次電池を装填した電池ケース等のバックアップ電源10とを覆う(図3図5図7も参照)。そして、配管5,6、電磁弁7、水力発電機8、電源基盤9及びバックアップ電源10は、一体化されたユニットとなっている。
【0018】
ここで、二つの配管5,6は適宜の連結手段により連結され、本例では、図4に示すように、配管5の下流端部にねじ接続されるアダプター11Aと、このアダプター11Aに設けられたフランジと配管6の上流端に設けられたフランジとを挟持するクイックファスナー11Bとにより連結される。そして、上流側の配管5は適宜の接続部材(例えば袋ナット)によって流路用ボックス2外の止水栓3に接続され、下流側の配管6は適宜の接続部材(例えばホースクランプ)によって流路用ボックス2外のホース4に接続される。
【0019】
本例の電磁弁7は、ダイアフラム式の電磁弁であり、図5(B)に示すように、この電磁弁7が設けられる配管5には、電磁弁7のダイアフラム7aによって閉弁時に閉塞される弁座5aが形成されている。
【0020】
電磁弁7はまた、吐水部1に設けられたセンサ12(図6参照)に電気的に接続され、センサ12による人体の検知結果に基づいて吐水部1からの吐水とその停止(止水)とが行われるように、開弁及び閉弁するように構成されている。すなわち、本水栓は自動水栓である。
【0021】
尚、センサ12は、吐水部1の前方領域に向けて光を発する発光部(図示していない)と、発光部から発せられ前方領域内に進入した人体(主に手)によって反射された光を受ける受光部(図示していない)とを具備する反射型のセンサである。また、センサ12は、図6に示すように、電源回路12aと、電磁弁駆動回路12bと、制御回路12cと、センサ回路12dとを有する。
【0022】
水力発電機8は配管6内の水流により発電するものであり、公知の構成からなるものを採用可能である。
【0023】
電源基盤9は、水力発電機8の発電出力と、バックアップ電源10の出力との何れによっても蓄電可能に構成されている。また、電源基盤9からセンサ12への給電により、センサ12は作動し、電磁弁7の駆動もが行われる。
【0024】
以上のような作動を実現するために、図5(A)及び(B)に示すように、水力発電機8と電源基盤9とは電線13により接続されると共に、バックアップ電源10と電源基盤9とは電線14により接続される。また、電源基盤9とセンサ12とは電線15により接続され、センサ12と電磁弁7とは電線16により接続され、電線15,16はワイヤーハーネス17(図1も参照)に束ねられる。
【0025】
また、電源基盤9は、図6に示すように、水力発電機8によって生成される交流電力を直流電力に変換する整流回路9aと、この整流回路9aに接続されて電圧を蓄電に適したレベルに調節する蓄電電圧調節回路(キャパシタ充電回路)9bと、この回路9bからの出力によって蓄電するコンデンサ9cと、このコンデンサ9cに蓄電した電力を負荷に必要な電圧に調節する放電電圧調節回路(昇圧回路)9dと、この回路9dの出力またはバックアップ電源10の出力の何れか一方を選択的に接続する選択接続回路9eとを有する。
【0026】
流路用ボックス2は、上述の通り、二つの配管5,6、電磁弁7、水力発電機8、電源基盤9及びバックアップ電源10からなるユニットを覆うためのものであり、合成樹脂製のボックス本体21(図11参照)と、合成樹脂製のボックス蓋22(図12参照)とを備え、図8(D)に示すようにボックス本体21にボックス蓋22が被さった状態で上記ユニットを覆うように構成されている。
【0027】
ここで、ボックス本体21は下流側の配管6(前記供給流路の一部の一例)に固定される。本例では、配管6のねじ孔23(図2図3参照)とボックス本体21のねじ溝24(図11参照)とに図外のねじを螺合させてねじ止めするようにしてある。また、ボックス本体21内には、図11に示すように補強用及び保持用の多数のリブ25が設けられている。
【0028】
また、上流側の配管5(前記供給流路の一部の上流部)が下を向き下流側の配管6(前記供給流路の一部の下流部)が上を向くように配置されているのに対応させて、ボックス本体21の天壁26には配管6を通す(避ける)ための貫通孔(切欠き状の回避部の一例)26aが設けられ、ボックス本体の底壁27には配管5を通す(避ける)ための切欠状の長溝(切欠き状の回避部の他の一例)27aが設けられている(図9図11参照)。
【0029】
さらに、貫通孔26aが形成される天壁26の内面(下面)並びに長溝27aが形成される底壁27の内面(上面)には、シール部材としてクッション性に優れた(凹凸に対して十分に変形して凹凸を埋めることができる)独立発泡性のパッキン(図示していない)が全面に取り付けられる。
【0030】
一方、ボックス蓋22は、ボックス本体21から離脱可能な状態でボックス本体21に被さり(図8(A)及び(B)参照)、この離脱可能な状態にあるボックス蓋22がボックス本体21に対して前記供給流路の一部の上流側または下流側にスライドすると、ボックス本体21から離脱不能な状態となる(図8(C)参照)ように構成されている。そして、ボックス蓋22の上下両面には、配管5,6を避けるための切欠き状の回避部としての長溝22aが設けられている(図8(A)及び図12参照)。
【0031】
また、離脱不能な状態にあるボックス蓋22とボックス本体21との隙間g(図8(C)参照)に挿入可能なクリップ部材28が設けられ、クリップ部材28は隙間g内に位置する管部5に係脱自在に係合し、隙間g内に位置する管部5にクリップ部材28が係合した状態(図8(D)参照)では、ボックス蓋22は前記離脱不能な状態となる位置(図8(C)または(D)に示す位置)から前記離脱可能な状態となる位置(図8(B)参照)にスライドすることができないように構成されている。尚、クリップ部材28は、自身の弾性により配管5に係合するように構成されている。
【0032】
本例では、ボックス蓋22の前後両面にはボックス蓋22の開口縁から延びるL状溝29が二つずつ設けられると共に、ボックス本体21にはL状溝29に係合可能な突起30が設けられている。そして、L状溝29は、図12に示すように、ボックス蓋22の開口縁からL状溝の屈曲部分29aまで延びる非ロック溝部29bと、屈曲部分29aよりもL状溝の最奥側の部分を占めるロック溝部29cとを有し、ボックス蓋22が前記離脱可能な状態にあるときは、突起30は非ロック溝部29b内に位置し(図8(B)参照)、ボックス蓋22が前記離脱不能な状態にあるときは、突起30はロック溝部29c内に位置している(図8(C)参照)。
【0033】
そして、図8(C)に示す状態にあるボックス本体21とボックス蓋22とが形成する隙間gにグリップ部材28を差し込み、配管5にグリップ部材28を係合させることで、ボックス本体21からのボックス蓋22の離脱を確実に防止することができる。しかし、ボックス蓋22が図8(C)に示す上記離脱不能な状態にある場合、このボックス蓋22が持ち上がらない限りこの状態は維持される。
【0034】
ここで、センサ12を有する吐水部1は流路用ボックス2(前記供給流路の一部)の上方に位置している(図1参照)。従って、電源基盤9及び電磁弁7をセンサ12に接続するための配線15,16を束ねたワイヤーハーネス17を、流路用ボックス2からその上方に引き出す必要があるが、流路用ボックス2の上面から引き出すようにした場合、防水性が低下したり、防水性の低下を防止するためにシール性を上げようとすると構造が複雑化したりする恐れがある。
【0035】
そこで、本実施形態では、ワイヤーハーネス17が、ボックス本体21の外面に形成された凹溝31に沿ってボックス本体21の下方から側方を経て上方に引き出されるように構成してある(図8図11参照)。
【0036】
上記のように構成した流路用ボックス2では、ワイヤーハーネス17のコネクタ(図示していない)をセンサ12に接続する作業を行う際やメンテナンス時などに、ボックス本体21に対するボックス蓋22の着脱を行う必要があるが、その着脱を簡易に行うことができる。また、ボックス本体21に対して装着状態としたボックス蓋22のがたつきはグリップ部材28によって確実に防止することができ、ボックス本体21、ボックス蓋22及びグリップ部材28は非常にシンプルな構成からなるので流路用ボックス2は安価なものとなる。
【0037】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0038】
例えば、上記実施の形態では、ボックス本体21を下流側の配管6に固定する例を示したが、これに限らず、上流側の配管5等に固定してもよい。
【0039】
上記実施の形態では、電線15,16をワイヤーハーネス17で束ねているが、これに限らず、また、各電線13〜16の配線方法は適宜に変更可能である。
【0040】
上記実施の形態では、流路用ボックス2を縦向きに用いているが、横向きに用いるように構成してあってもよい。
【0041】
上記実施の形態ではL状溝29がボックス蓋22の外面に表れているが、L状溝29がボックス蓋22の外面に表れないように、例えば、L状溝29を貫通溝状ではなくその外側が閉塞された凹溝状にしたり、L状溝29をボックス本体21に設け、突起30をボックス蓋22の内面に設けるようにしたりしてもよい。また、L状溝29の代わりに、円弧状の溝等、種々の形状の溝を採用可能である。
【0042】
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0043】
1 吐水部
2 流路用ボックス
3 止水栓
4 ホース
5 配管
5a 弁座
6 配管
7 電磁弁
7a ダイアフラム
8 水力発電機
9 電源基盤
9a 整流回路
9b 蓄電電圧調節回路
9c コンデンサ
9d 放電電圧調節回路
9e 選択接続回路
10 バックアップ電源
11A アダプター
11B クイックファスナー
12 センサ
12a 電源回路
12b 電磁弁駆動回路
12c 制御回路
12d センサ回路
13 電線
14 電線
15 電線
16 電線
17 ワイヤーハーネス
21 ボックス本体
22 ボックス蓋
23 ねじ孔
24 ねじ溝
25 リブ
26 天壁
26a 貫通孔
27 底壁
27a 長溝
28 グリップ部材
29 L状溝
29a 屈曲部分
29b 非ロック溝部
29c ロック溝部
30 突起
31 凹溝
g 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12