(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916237
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】血管内の動脈と静脈の吻合及び組織溶着カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/11 20060101AFI20160422BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
A61B17/11
A61B17/39 320
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-515487(P2013-515487)
(86)(22)【出願日】2011年6月15日
(65)【公表番号】特表2013-545494(P2013-545494A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2011040567
(87)【国際公開番号】WO2011159825
(87)【国際公開日】20111222
【審査請求日】2014年6月5日
(31)【優先権主張番号】61/354,903
(32)【優先日】2010年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/480,818
(32)【優先日】2011年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512324188
【氏名又は名称】アベヌ メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AVENU MEDICAL,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】512324199
【氏名又は名称】バハ リサーチ,エルエルシー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ケラーマン,ブラッド,エム.
(72)【発明者】
【氏名】オルドリッジ,デビッド,トロッティングウルフ
(72)【発明者】
【氏名】ロルスタッド,デビッド,ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】リシャール,マーク,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハル,ジェフリー,イー.
【審査官】
佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−506190(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0111704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動静脈(AV)フィステルを作るためのデバイスであって、前記デバイスは、
遠位テーパ面を含む細長部材;
前記細長部材に接続され、かつ前記細長部材に対して移動可能である遠位部材であって、該遠位部材は、細長部材の遠位テーパ面にほぼ整列している近位テーパ面を含む、遠位部材;
前記遠位部材と前記細長部材とを接続するためのシャフトであって、該シャフトは、前記細長部材に対して前記遠位部材を伸長し、かつ後退させるために、伸長可能であり、かつ後退可能であり、ここで、遠位部材が後退すると、細長部材に対して、遠位テーパ面と近位テーパ面は、その間に組織を固定するようにほぼ係合する、シャフト;及び
遠位部材の前記近位テーパ面及び細長部材の前記遠位テーパ面の少なくとも1つに配置された発熱部材
を備え、
前記発熱部材が前記フィステルを作るため隣接した血管壁の結合、及び結合した組織を切り開くのに適している
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記細長部材が、細長いアウターチューブを備えてなる請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記発熱部材が前記近位テーパ面に配置されている請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記遠位テーパ面に配置された第2の発熱部材をさらに備えてなる請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記発熱部材と前記第2の発熱部材の少なくとも1つが、起動されたヒーターと、前記ヒーターから熱を遠ざけ、拡散し、温度勾配を作るために、前記起動されたヒーターの下に配されたヒートスプレッダーとを備えてなる請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ヒートスプレッダーが熱伝導性材料を含み、前記発熱部材の下の前記テーパ面に配されてなる請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記遠位部材がテーパ状であり、柔軟性を有してなる請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
動静脈(AV)フィステルを作るためのデバイスであって、前記デバイスは、
細長部材;
前記細長部材に接続され、かつ前記細長部材に対して移動可能である遠位部材であって、該遠位部材は、細長部材に対して軸となるトグル部材を含む、遠位部材;及び
前記移動可能な遠位部材及び前記細長部材の少なくとも1つに配置された発熱部材
を備え、
前記遠位部材が、前記フィステルを作るために切断される組織を捕捉するための構造体を備え、前記発熱部材が前記フィステルを作るために隣接した血管壁の結合、及び結合した組織を切り開くのに適している
ことを特徴とするデバイス。
【請求項9】
前記トグル部材と前記細長部材とを接続するためのシャフトをさらに備え、前記シャフトが、前記トグル部材を前記細長部材に対して伸長し、かつ後退するために、伸長可能であり、かつ後退可能であり、前記トグル部材が前記シャフトに旋回可能に接続されてなる請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記発熱部材が前記細長部材の前記遠位テーパ面上に配されてなる請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記発熱部材に関連付けられた組織受取キャビティをさらに含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記発熱部材が、起動されたヒーター、前記ヒーターから熱を遠ざけ、拡散し、温度勾配を作るために前記起動されたヒーターの下に配されたヒートスプレッダーを備えてなる請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ヒートスプレッダーが熱伝導性材料を含む請求項12に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〈背景技術〉
体内において、様々な流体は、様々な本質的な機能を行なうために生物体の全体にわたる導管を通って運ばれる。血管、動脈、静脈、及び毛細管は、体の全体にわたって血液を運び、処理に関して異なる器官及び組織へ栄養素及び老廃物を運ぶ。胆管は肝臓から十二指腸まで胆汁を運ぶ。尿管は腎臓から膀胱まで尿を運ぶ。腸管は口から肛門まで栄養素と廃棄物を運ぶ。
【0002】
医療行為において、既存の導管の疾患又は機能障害を処置するため、互いに、又は取り換えの導管に導管を接続する必要がしばしば存在する。導管の間に作られた接続は吻合と呼ばれる。
【0003】
血管において、吻合は、静脈と動脈、動脈と動脈、又は静脈と静脈の間で作られる。これらの接続の目的は、動脈と静脈の間で、高いフロー接続又はフィステル(fistula)のいずれかを作ること、又は、取り換え導管又はバイパスの障害物のまわりに血液を運ぶことである。バイパスのための導管は、静脈、動脈又は人工移植片である。
【0004】
吻合は、2つの血管又は導管を直接接触させることにより、手術中に作られる。血管は縫合又はクリップと一緒に結合される。吻合は、端−端、端−側、又は側−側である。血管において、吻合は楕円形状であり、連続縫合を用いて手で最も一般に縫合される。吻合生成のための他の方法は、二酸化炭素レーザー、及び様々な接続人工装具、クリップ及びステントを使用する多くの方法を含んで使用された。
【0005】
動脈−静脈のフィステル(AVF)は、静脈に動脈を接続することにより作られる。この種の接続は、運動耐性を増加させるため、動脈又は血管の開路を維持するため、又は化学療法に関して信頼できるアクセスを提供するため、血液透析のために使用される。
【0006】
代替案は、動脈と血管の間の高いフロー接続を作る同じ目的のため、動脈から血管に人工移植片を接続することである。これは、動脈−静脈の移植片と呼ばれ、2つの吻合を必要とする。1つ目は動脈と移植片の間にあり、2つ目は移植片と静脈の間にある。
【0007】
バイパスは動静脈の移植片に類似する。閉塞、2つの吻合、及び導管を迂回することが必要とされる。近位の吻合は血管から導管までに作られる。導管は閉塞の周囲に及び、第2の遠位の吻合は、閉塞を過ぎた導管及び血管の間で作られる。
【0008】
上述の通り、現在の医療行為において、血液透析の目的でフィステルを作るため、静脈に動脈を接続することが望ましい。血液透析のプロセスは、急速な速度での体からの血液の除去を必要とし、透析機により血液を通し、体に血液を戻す。血液循環へのアクセスは、大静脈に置かれたカテーテル、動脈及び血管に付けられる人工移植片、又は動脈が血管に直接付けられているフィステルにより達成される。
【0009】
血液透析のためのフィステルは、腎不全の患者によって必要とされる。フィステルは、廃棄物を除去するために体から透析機へと引き抜くことができ、その後体に戻される、高い血流を提供する。血液は、動脈の近くの大きなアクセス針により引き抜かれ、第2の大きなリターンニードル(return needle)によりフィステルに戻される。これらのフィステルは、典型的には前腕に、上腕に、あまり頻繁ではないが大腿に、及び珍しい場合には体の他の場所において作られる。フィステルが毎分500ml以上の流量を達成できることは重要である。透析フィステルは、皮膚に近く(<6mm)、及び大きな針によりアクセスするほど大きなもの(>4mm)でなければならない。フィステルは、アクセスの適切な隔離を可能にし、及びフィステルに挿入された針の間にある、透析された及び透析されていない血液の再循環を予防するため針を戻すほど、十分に長い(>6cm)必要がある。
【0010】
フィステルは、周囲の組織から動脈と静脈を注意深く解剖し、細密な縫合術又はクリップと一緒に血管を縫合することにより、麻酔をかけた患者において作られる。このように作成された接続は吻合である。速く、確実に、解剖があまりなく、及び痛みがあまりない状態で吻合を作ることができることは、大いに望ましい。吻合が正確な大きさであり、滑らかであること、及び動脈と静脈が捻れていないことが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
開示された本発明は、上述の開放手順(open procedure)を除去し、手術時間を少なくし、一貫した反復可能なフィステル生成を可能にする。
【0012】
そのソースが高周波(RF)、抵抗性又はレーザーの何れであっても、熱が、直接の圧力の下で組織又は血管を付ける又は溶着する、又は標的とされた溶着領域上に接触することは、周知である。これは、顎型(jaw−type)、圧縮熱送達装置(compression heat delivery devices)によりしばしば行われる。また、バルーン、金属ケージ、及びバスケットのような放射状に伸長可能なデバイスが、RFの形態でのエネルギーによりしばしば結合され、又はバルーンの場合には、加熱された生理食塩水、又は組織を除去し、出血を止め、又は狭窄を作るために管腔内に使用されることは、周知である。
【0013】
本発明は、1つの血管から隣接した血管へ(すなわち、血管から動脈へ)進められ、熱を加えることにより血管壁を結合し、及び2つの壁を切り離す、カテーテルに基づいたデバイスを使用し、吻合を作る。
【0014】
発明性のあるカテーテルに基づいたデバイスは、静脈のような第1の血管から動脈のような第2の血管まで配され、又は任意の他の2つの血管構造物間により広く配される、ガイドワイヤ上をたどる。カテーテルの遠位先端は、カテーテルが血管壁を通って容易に進むことを可能にする、伸長する先端を有する。遠位先端に近位であることから、カテーテルは、直径の著しい減少、及びその後、鈍的な(blunt)楕円形状のテーパ面を有する。カテーテルがガイドワイヤ上でたどられるとともに、テーパ状の遠位先端は、隣接した血管へ容易に入る。カテーテルがさらに進められるとともに、鈍的な隣接面は、第1の血管の壁と接触し始め、抵抗性に遭遇し、及び第2の血管への壁を通って穿孔することができない。その後、遠位先端(その近位端部上に一致する鈍的な表面を有する)は後退し、2つの鈍的な表面の間の2つの血管の壁を捕捉する。既知の、制御された圧力(およそ100mN/mm
2−300mN/mm
2)は、2つの表面の間に加えられる。圧力は、カテーテルにおいて内部に、又はカテーテルの近位端部に付けられるハンドルによって制御できる。その後、2つの血管の壁を溶着するために、熱は鈍的な表面に加えられる。1つの表面に同様に熱を加えることだけが可能である。熱は、いくつかの異なる方法により加えることができ、該方法は、限定されないが、高周波、抵抗性、インダクタンス又はそれらの組み合わせを含む。熱は、約100−150Cの間に及ぶ、既知の温度で制御される。熱は、安定した熱を加え、熱をパルス化し、又はそれらを組み合わせることにより加えられ得る。
【0015】
血管壁の接合後、その後、熱は、所望の大きさのフィステルを作るため、血管壁を切り開くために増加される。また、血管壁を溶着し、かつ血管を切り開くために同じ熱を加えることが可能であることが注目されるべきである。
【0016】
更に詳しく言えば、動静脈の(AV)フィステルを作るためのデバイスが提供され、該デバイスは、細長部材、細長部材に付けられる及び細長部材に対して移動可能な遠位部材、及び移動可能な遠位部材及び細長部材の少なくとも1つに配置される発熱部材を含む。遠位部材は、フィステルを作るため切られる組織を捕捉するための構造を含み、発熱部材は、フィステルを作るため組織を切り開くために適用される。細長部材は細長いアウターチューブを含む。
【0017】
シャフトは、細長部材に遠位部材を接続し、細長部材に対して遠位部材を伸長して後退させるために伸長可能であり、後退可能である。好ましくは、細長部材は、遠位テーパ面を含み、遠位部材は近位テーパ面を含み、ここで遠位テーパ面及び近位テーパ面は、互いにほぼ一直線に並ぶ。幾つかの実施形態において、発熱部材は遠位テーパ面に配置されるが、一方、他の実施形態において、発熱部材は近位テーパ面に配置される。幾つかの実施形態は、遠位テーパ面に配置された第2の発熱部材をさらに含む。発熱部材及び第2の発熱部材の少なくとも1つは、起動された(energized)ヒーター、及び熱をヒーターから遠ざけて拡散して温度勾配を作るための起動されたヒーターの下に配置されるヒートスプレッダーを含む。ヒートスプレッダーは熱伝導性材料を含み、発熱部材の下のテーパ面に配置される。
【0018】
好ましくは、遠位部材はテーパ状であり、柔軟性であり、その結果、フィステルに結合される2つの血管の間の小さな孔によって押すことができる。幾つかの実施形態において、遠位部材は、細長部材に対して旋回し得るトグル部材を含む。特定の実施形態において、シャフトは、細長部材にトグル部材を接続するために提供され、前記シャフトは、細長部材に対してトグル部材を伸長して後退させるために伸長可能であり、後退可能であり、ここで、トグル部材は、シャフトに旋回し得るように接続される。
【0019】
1つの開示された実施形態において、遠位部材は、ヒーターに接続される柔軟性のクランプを含み、ここで、該クランプは、細長部材に対して移動可能であり、フィステルを作るために切られる組織を捕捉するために適用される。この実施形態において、遠位部材は、細長部材の遠心端に接続される遠位部分をさらに含み、前記遠位部分は、その中に、柔軟性のクランプ及び接続されたヒーターが及ぶサイドポートを有する。
【0020】
キャビティを受ける組織は、切断された組織を捕捉するために、発熱部材に関連し得る。上述のように、幾つかの実施形態において、発熱部材は、起動されたヒーター、及び熱をヒーターから遠ざけて拡散して温度勾配を作るための起動されたヒーターの下に配置されるヒートスプレッダーを含む。ヒートスプレッダーは熱伝導性材料を含む。
【0021】
本発明の別の態様において、隣接する第1の血管と第2の血管との間に動静脈フィステルを作る方法が開示され、該方法は、第1の血管から第2の血管にガイドワイヤを挿入する工程、ガイドワイヤにわたり近位細長部材と遠位部材を含むカテーテルを挿入する工程を含み、その結果、遠位部材のテーパ状の遠位先端は、選択された吻合部位と接触し、第2の血管の中へ遠位部材を進め、一方で、細長部材は第1の血管に残り、それにより2つの血管の間の開口が拡大される。さらなる工程は、遠位部材と細長部材の各々の上の対向した面の間の開口を囲む組織を留めるために、細長部材の方へ遠位部材を後退させること、開口を切断して形成し、及び2つの血管の間の所望のフィステルを作るためにその端を溶着するために、遠位部材及び細長部材のうちの1つの上の発熱部材にエネルギーを適用することに関する。
【0022】
好ましくは、遠位部材と細長部材の各々の上にある対向した面は、整列したテーパ面(組織がその間で留められる)を含み、そこで発熱部材は、2つの整列したテーパ面の少なくとも1つに配置される。方法は、都合よく更に、発熱部材に隣接して配置されるキャビティ内の切断した組織を捕捉する工程を含む。熱は、発熱部材の下のテーパ面に配置された伝導性材料を含むヒートスプレッダーを使用して、発熱部材から離れて分散され得る。
【0023】
本発明は、追加の特徴及びその利点と一緒に、添付の実例となる図面と組み合わせて得られる以下の記載への言及により、最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の原理に従って構築されたカテーテルデバイスの実施形態の等角図である。
【
図2】
図2は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の原理に従って行なわれたフィステルを作り、
図1で示される及び本明細書に開示されるようなデバイスを使用する方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図9】
図9は、開口の溶着された端部を特に強調する、フィステルを作るために2本の隣接した血管の間で形成された細長い開口を図示する概略図である。
【
図11】
図11は、本発明の代替の実施形態を図示する、
図1に類似する等角図である。
【
図12】
図12は、本発明のまた別の代替の実施形態の等角図である。
【
図13】
図13は、本発明のまた別の代替の実施形態の等角図であり、デバイスの遠位トグル部材形成部は伸長される。
【
図15】
図15は、本発明のまた別の代替の実施形態の等角図である。
【
図16】
図16は、
図15の装置を使用して、フィステルを作る方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図17】
図17は、
図15の装置を使用して、フィステルを作る方法を図示する、連続的な概略図である。
【
図18】
図18は、
図15の装置を使用して、フィステルを作る方法を図示する、連続的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
特に図面を参照すると、
図1には、二極のテーパ状の先端カテーテルの実施形態(10)が示され、該実施形態は、3F−12Fに及ぶ外径を有する細長いアウターチューブ(12)を含む。それは、ポリマー又は金属などの、様々な材料から製造され得る。それは、中心管腔(14)を含み、その中で、先端(18)に付けるための管状の構造(16)はスライドし得る。それぞれ細長いアウターチューブ(12)及び遠位先端(18)の整列したテーパ面に配置される、電極又は発熱体(20)、(22)(それぞれ、近位及び遠位の)に電力を供給するための、及びまた接着及び切断プロセス中に温度を測定するための配線に関する、アウターチューブ(12)の細長いコアの下方に流れる別々の管腔(lumina)がある。この構成において、遠位RF電極(22)及び近位RF電極(20)への二極のエネルギーを使用して、カテーテルに電力を供給する。システムはまた、患者を接地し、接着の長さを増加させるためRF電極の1つ又は両方にエネルギーを適用することにより、単極性の構成において使用することができる。RF電極は、カテーテルの直径に関連する接着及びフィステルの大きさの表面積を増加させるために整合角(matching angle)にて切断する。これらの角は、所望のフィステルのサイズを達成するために調節することができる。RF電極は、エネルギー密度を最大限にする前面に対し、単に電気的に伝導性である。電極は楕円形状であり、シャフト(16)の直径より大きい吻合を切断するために適用される。
【0026】
図1に関して示され、上述された装置は、動静脈フィステルを作るために方法(10)が使用され得る特定の方法の説明と共に、さらに記載されるであろう。この方法は、
図2−9に特に図示される。
【0027】
動静脈フィステルを作成する発明性のある方法を始めるために、専門家は、互いに極めて近接した第1の血管(26)及び第2の血管(28)の各々を有する適切な手続き上の部位を選択する。現在の好ましい方法において、第1の血管(26)は静脈を含み、第2の血管(28)は動脈を含むが、本発明は必ずしもこの配置に限定されない。
図2に示されるように、1つの現在の好ましい部位は、患者の手(30)である。その後、一般的にセルディンガー法の原理を使用して、
図2に示されるように、前記部位へアクセスシースを差し込むため、第1の血管(26)に、そこに挿入される針(32)を刺す。その後、2010年6月15日出願の、その全体において引用により本明細書に明確に組み込まれる、米国仮特許出願第61/354,903号に記載の技術等の適切な技術を使用して、ガイドワイヤ(34)は、
図3に示されるように、第1の血管(26)から第2の血管(28)へと、患者に挿入される。
【0028】
ガイドワイヤ(34)は、カテーテル(10)のためのアクセス経路を作る。カテーテル(10)は、先端(18)にガイドワイヤ(34)の近位端を装着することにより、患者に差し込まれる。当該ガイドワイヤ(34)は柔軟かつテーパ状に製造される。テーパ状の拡大する遠位先端(18)が選択された吻合位置と接触するまで、ガイドワイヤ(34)を辿りつつ、カテーテル(10)は患者内にさらに進められる。デバイス(10)は、遠位先端が伸ばされるか(
図5に示されたように)、或いは後退して(
図4に示されたように)ガイドワイヤを辿ることができる。遠位先端(18)は伸長されアウターチューブ(12)から中央の管状構造体(16)を遠位方向に進めることにより、第2の血管(28)(
図5)へさらに進められ、それによって、フィステル(fistula)を拡大し、その結果、遠位先端(18)は第2の血管(28)に存在し、チューブ(12)は、第1の血管(26)の内部壁を接触させるその遠位テーパ面と共に第1の血管(26)に存在する。抵抗が感じられると、システム全体は摩擦を少なくするために回転することができる。この段階で、第2の血管(28)の壁に形成された開口部は、小さな直径に回復しており、図示されるように、シャフト(16)の周りでしっかりと適合する。
【0029】
図6に示されるように、遠位先端(18)が第2の血管(28)に進められた後、血管の壁に対して着座させるために、僅かな張力が遠位RF電極(22)に適用される。遠位先端(18)の近位側端部の鈍的な形状は、血管の壁によって遠位先端が後退するのを防ぐ。その後、第1及び第2の血管(26)、(28)の壁が、それぞれ、アウターチューブ(12)の各々が面する鈍的な表面と、遠位先端(18)との間で捕捉されるまで、デバイス(10)(すなわち、アウターチューブ(12))の近位端はチューブ(12)と先端(18)との間の間隔を閉じるために進められる。
【0030】
制御された張力は、遠位先端(18)と近位側のアウターチューブ(12)の間で維持される。また、この段階では、安全に血管壁を留めたまま、エネルギーはRF電極(20)および(22)(
図7)に適用される。電極が血管を溶着し、切断すると、電極は互いに接近して移動する。完全に後退すると、2つの電極(20)および(22)が互いに直接接触することができず、それにより、電極が短絡するのを防ぐことができるように、システム(10)が設計されている。様々なRFエネルギープロファイルが、所望の接着および切断を達成するために適用され得る。例えば、接着段階中に、テーパ状の正弦波が、組織を切断することなく、凝結を最大限にするために適用され得る。エネルギーも、組織のインピーダンスに基づいて調節され得る。異なるパルス幅または負荷サイクルは隣接した組織へ移る熱を最小限にするために使用され得る。発熱導線は楕円形状で、シャフト(16)の直径より大きい吻合部を切断する。切断要素の楕円形状内に、切断された組織を捕捉するためのキャビティが存在する。外側摺動チューブは熱によるスティックの課題が存在する場合に、ヒーターから組織を押し進めるために使用可能である。
【0031】
組織溶着プロセスに関して、さらに詳しくは、RFエネルギーは、血管同士を燃やし、溶解し、或いは溶着するように機能し、第1及び第2の血管の各々の対向する壁並びに介在する組織を通す細長い開口(36)(
図8)を作る。形成されると、細長い開口(36)は、典型的には、スリットに類似する。しかしながら、圧縮流(38)が、スリット又は隙間(36)を貫いて生じ始めると、第1の血管と第2の血管の間で連通路を作り、圧力に応答して、隙間が広くなり、所望のフィステルを形成するように隙間が開くにつれて、楕円の形態をとる。この効果は
図9で示される。隙間の端(40)は焼灼され溶着される。
図9は、静脈(第1の血管)側から接合点を例証する。図示されるように、切断部分はヒーターワイヤーの形態に相当する。それは、円形、楕円形、スリットまたは示されるような組み合わせなどの多数の形態であり得る。切断部分の外側の部分は、切断用ワイヤーより大きい血管(第1の血管)へのカテーテルの平坦な面により溶着された。ワイヤーからの熱も、以下に述べられるように、好ましくはヒーターの下に存在する導体材料によってこの領域に広げられる。これは温度勾配を作る。温度勾配は本発明の特に有利な特徴である。
【0032】
これらの発明性のある方法の実施上に起こるように意図された組織溶着のタイプは、Treatらへの米国特許第6,908,463号において説明されているが、引用により、その全体が本明細書に明示的に組み入れられた。
【0033】
図10は
図1に示された実施形態のハンドル部分(42)の断面図である。他の多くの適切な形態も使用され得るが、上述されるように、これは、細長いアウターチューブ(12)に対して遠位先端(18)の伸長及び後退を作動させるための1つの可能なアプローチである。トリガー(44)は、ハンドル(42)に摺動可能に配置され、矢印(48)の方向のスロット(46)を通って遠位方向に摺動することができ、その後、逆方向に後退可能である。ハンドル制御圧力の範囲内でばね(50)およびロック機構は、後退した状態でトリガー(44)をロックするために機能する。
【0034】
所望されると、抵抗性の熱(ホットワイヤ)、超音波、レーザーまたは機械的アプローチなどの代替的な切断アプローチは、RFエネルギーの代わりに使用され得る。例えば、
図11は代替的な実施形態を示しており、カテーテル(110)が中央の管腔(114)、管状の構造体(116)および柔軟かつテーパ状の遠位先端(118)を有している細長いアウターチューブ(112)を含む。この実施形態では、単一の抵抗性発熱ワイヤー(152)は上述された組織の加熱、切断、および溶着機能を提供するために使用される。さらに、単極性のエネルギーを静脈の側または動脈の側だけに適用するRF形態が使用され得る。RFエネルギーと抵抗性加熱の組み合わせも使用され得る。先端(118)は、この実施形態においては、ガイドワイヤ上を辿り、先の実施形態のように、吻合位置を拡大する。部材(112)および(118)のテーパ面(taper face)は整列する。当該面の下で、単一のホットワイヤ(152)は、血管壁のスリットを切断する。また、当該面は当該デバイスを除去するのを支援するためにテーパ状である。
【0035】
ここで、
図12を参照して、熱拡散(heat spread)カテーテル(210)を例証する。カテーテル(210)は抵抗性発熱素子(252)を含み、
図11の実施形態に関して上述された方法に似た方法で使用される。しかしながら、この実施形態では、導体材料(254)は発熱素子(252)の下に配置される。1つの構成において、他の伝導性の生体適合性をもつ材料が使用され得るが、この伝導性材料(254)はアルミニウムを含む。手術の際には、上述されるように、この伝導性材料(254)は発熱素子(252)から熱勾配を作るために溶着機能を改善する目的で機能する。
【0036】
前述の実施形態に似たこの実施形態では、先端(218)はガイドワイヤ上を辿り、吻合位置を拡大する。部材(212)および(218)の各々のテーパ面は、血管壁を固定するために整列する。ホットワイヤ(252)は楕円形状であり、動脈の両側で、垂直の帯(256)を有している。ホットワイヤはシャフト(216)の直径より大きい吻合部を切断する。ホットワイヤ(252)の下で、熱伝導性の材料(254)がホットワイヤから熱を取り、その結果、当該面を横切る温度勾配が存在し、温度は中心で最も熱く、中心からの距離が外方に増加するにつれて冷却する。
【0037】
ホットワイヤ(252)(ヒーター)は、組織上への圧力を増加し、それによって切断プロセスを助けるために、スプレッダー(254)の上に上昇される。ホットワイヤの内部に、切断された組織を捕捉するためのキャビティが存在する。後退したときに、遠位先端(218)の輪郭はヒーターの縁部と並ぶ。遠位先端の輪郭はヒートスプレッダーよりも低い輪郭である。その結果、遠位先端は、フィステルを介して後退され得る。これは、また切断機能を助けるためにヒーター表面の直上への圧力を増加させる。
【0038】
図13と14は、遠位トグル部材(358)を含む、さらに他の実施形態(310)を例証する。この実施形態における切断要素は、
図12に関して示され、かつ記載された切断要素と実質的に同一である。先の実施形態におけるように、トグル(358)は動脈の中へのガイドワイヤ上を辿る。後退した時(
図15)、トグルは動脈を捕捉し、静脈に対して引く。ホットワイヤは楕円形状で、動脈の両側で垂直の帯(356)を有しており、シャフト(316)の直径より大きい吻合部を切断する。ホットワイヤ(352)の下には、ホットワイヤから熱を取る熱伝導性材料(356)が存在し、その結果、温度勾配が当該面を横切って存在する。組織上への圧力を増加させて、切断することを助けるために、ホットワイヤはヒートスプレッダーの上に上昇される。ホットワイヤの内部に、切断された組織を捕捉するキャビティが存在する。
【0039】
後退した時、トグル(358)の輪郭はヒーターの縁部と並ぶ。トグル(358)の輪郭はヒートスプレッダーの輪郭より低く、その結果、フィステルを介して後退し得る。これは、ヒーター表面直上への圧力を増加させて、切断するのを支援する。組織を切断し、溶着するヒーター(352)と協働するために、発熱素子もトグル表面に配置され得る。
【0040】
旋回可能なトグルおよびそれらの機能性は、2010年6月15日に出願された米国仮特許出願第61/354,903号において説明されており、本明細書に引用によって組み入れられた。この教示事項は、第1の血管に向かって第2の血管に入り、ついで後退するために、トグルがどのように使用されるかの詳細について、一般的に、このトグルの実施形態に適用する。
【0041】
図15−18に示されるように、異なる切断のアプローチが示されている。この実施形態では、切断デバイス(410)は、遠位部(462)を有するシャフト(460)を備えている。遠位部は、サイドポート(464)を含み、当該側孔から、ヒーターワイヤ(466)を伸長させる。当該ヒーターワイヤーは柔軟性のクランプ(468)に支持され、当該クランプ(468)は好ましくはニチノール又は類似の材料から製造される。ヒーターワイヤーは抵抗性を有し得るか、或いは上述されるような任意の他のエネルギー源を利用し得る。
【0042】
図16−18に示されるように、吻合位置へのアクセスは、上述されるような方法によって得られ、このデバイスの機能は、ひとたび適所にアクセスすると、所望の構成のフィステルを作るために、柔軟性のクランプ(468)と適切な作動機構を使用して、ワイヤー(466)を操作することである。特に、
図16に示されるように、先端(462)はガイドワイヤ(34)上を辿り、前述されたアプローチにおけるように、吻合位置を拡大する。カテーテル(410)が前進すると、その結果、クリップ(466)が動脈(28)までの間に存在し、
図17に示されるように、クリップの下の動脈壁を捕らえるために引き戻される。その後、ワイヤーは加熱するために駆動され、ついで引き戻され、静脈及び動脈壁を切り開く。ついでホットワイヤは引き戻され(
図18)、血管壁を介してクリップ部を引き下ろす。
【0043】
従って、本発明の例示的な実施形態および方法が示され、かつ記載されたが、本明細書に使用された用語がすべて限定的ではなく記述的であり、多くの変更、修正および置換が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によってなされ得ることが理解される。