特許第5916435号(P5916435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916435
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】地下構造物用蓋構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/14 20060101AFI20160422BHJP
   E02D 29/12 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   E02D29/14 E
   E02D29/12 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-43214(P2012-43214)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-177791(P2013-177791A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2014年11月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231877
【氏名又は名称】日本鋳鉄管株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
(72)【発明者】
【氏名】松島 誠二
【審査官】 石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−035345(JP,U)
【文献】 特開2007−100295(JP,A)
【文献】 実開昭63−045858(JP,U)
【文献】 実開平03−021464(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3121167(JP,U)
【文献】 実開平06−020540(JP,U)
【文献】 実開平02−050442(JP,U)
【文献】 特開2008−266969(JP,A)
【文献】 特開2004−011244(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02128344(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 29/12 −29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受枠と、前記受枠に嵌め込まれる蓋本体とからなり、前記蓋本体には、前記受枠への前記蓋本体の食い込みを解除するためのバールのT字状先端部が挿入されるバール孔が形成されている地下構造物用蓋構造において、
前記バール孔は、前記蓋本体の周縁部から前記蓋本体の中心側に離れた位置に形成され、かつ、閉塞手段により閉塞可能であり、前記受枠内には、前記バール孔から前記受枠内に挿入された前記T字状先端部の一端下部が当接する受枠側突起が形成され、前記バールの前記T字状先端部の他端上部は、前記蓋本体の裏面に当接し、前記蓋本体の裏面には、前記T字状先端部の一端側部が当接するストッパー用壁面が形成されていることを特徴とする地下構造物用蓋構造。
【請求項2】
前記閉塞手段は、前記バール孔に嵌め込んで前記バール孔を閉塞する栓体からなっていることを特徴とする、請求項1に記載の地下構造物用蓋構造。
【請求項3】
前記閉塞手段は、前記バール孔の裏面に当接させて前記バール孔を閉塞する蓋体からなっていることを特徴とする、請求項1に記載の地下構造物用蓋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地下構造物用蓋構造、特に、蓋本体の強度の低下とバール孔からの雨水の地下構造物内への流入を阻止することができ、しかも、受枠への蓋本体の食い込みを容易かつ確実に解除することができる地下構造物用蓋構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、上下水道における地下構造物としての埋設管路への連絡口を開閉するための地下構造物用蓋構造は、車道部分に埋設された受枠と、受枠に嵌め込まれる蓋本体とから構成されている。
【0003】
このような地下構造物用蓋構造においては、蓋本体上を車両が走行したときの蓋本体のガタツキを防止するために、蓋本体は、受枠に対してテーパー嵌合により支持されている。この結果、蓋本体上を走行する車両の重量により次第に蓋本体が受枠に食い込み、蓋本体をあける際に蓋本体の重量以上の大きな力を要することになる。従って、蓋本体をあける際には、通常、開閉用の専用バールを用い、バールの先端を蓋本体に形成されたバール孔に挿入し、てこの原理を利用して、受枠への蓋本体の食い込みを解除していた。
【0004】
従来の地下構造物用蓋構造の一例が特許文献1(実公昭58−5712号公報)に開示されている。以下、この地下構造物用蓋構造を従来蓋構造Aといい、図面を参照しながら説明する。
【0005】
図9は、従来蓋構造Aを示す平面図、図10は、図9のX−X線断面図、図11は、バールを示す一部省略斜視図、図12は、蓋本体の食い込みを解除する状態を示す部分断面図である。
【0006】
図9および図10に示すように、従来蓋構造Aは、リング状の受枠21と、受枠21にテーパー嵌合により支持される蓋本体22と、蓋本体22の周縁部に形成されたT字状バール孔23とから構成されている。バール孔23は、袋状に形成され、幅広部23aと幅狭部23bとからなっている。幅広部23aの幅は、後述するバール24のT字状先端部25の長さ(L2)とほぼ等しく、幅狭部23bの幅は、バール24のT字状先端部25の長さ(L2)より短く形成されている。
【0007】
受枠21への蓋本体22の食い込みを解除するバール24は、図11に示すように、ハンドル26と長さ(L2)のT字状先端部25を有している。
【0008】
従来蓋構造Aによれば、図12に示すように、バール24のT字状先端部25をバール孔23の幅広部23a内に挿入し、バール24を手前側に引き寄せてから倒す(図12参照)。これによりバール24のT字状先端部25が幅狭部23cの裏面に当接すると共に、バール24の基部24aが受枠1の上部角部21aに当接する。バール24をさらに倒すと、バール24の基部24aと受枠21の上部角部21aとの当接部を支点とするてこの原理により、受枠21への蓋本体22の食い込みを小さい力によって解除することができる。
【0009】
上述したように、従来蓋構造Aによれば、受枠21への蓋本体22の食い込みをてこの原理により小さい力により解除することができるといった効果がもたらされるが、以下のような問題があった。
【0010】
(1)受枠21の上部角部21aをバール24の支点とすべく、バール孔23は、蓋本体22の周縁部を切り欠くことにより形成されているので、蓋本体22の強度が低下する。
【0011】
(2)バール孔23は、蓋本体22の周縁部を切り欠くことにより形成されているので、蓋本体22が受枠21に対して傾斜して嵌め込まれると、受枠21の内周面とバール孔23が形成された蓋本体22の外周面との間に隙間が生じ、この隙間から雨水が地下構造物内に流入する。
【0012】
そこで、上述した従来蓋構造Aの有する問題点を解決した地下構造物用蓋構造の一例が特許文献2(特開2007−100295号公報)に開示されている。以下、この地下構造物用蓋構造を従来蓋構造Bといい、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図13は、バールのT字状先端部がバール孔に挿入された従来蓋構造Bを示す断面図、図14は、バールにより可動支点蓋を押し下げた状態を示す断面図、図15は、バールによりてこの原理を利用して蓋本体の食い込みを解除した状態を示す断面図、図16は、バールを90°回した状態を示す断面図、図17は、バールを手前側に倒して施錠を解除した状態を示す断面図である。
【0014】
図13から図17において、35は、内周面に係合突起35aが形成されたリング状の受枠、36は、受枠35に嵌め込まれる、バール孔36aが形成された蓋本体である。バール孔36aは、蓋本体36の周縁部から蓋本体36の中心側に離れた位置に形成されている。37は、蓋本体36の裏面に軸支された、係止爪37aが形成された鉤体、38は、揺動鉤体37に圧縮ばね39を介して上下動可能に取り付けられた、バール孔36aを閉塞する可動支点蓋である。可動支点蓋38の側部には、受枠35の係合突起35aに当接するストッパー突部38aが形成されている。
【0015】
従来蓋構造Bによれば、図11に示すようなバール24のT字状先端部25を、図13に示すように、蓋本体36のバール孔26aに挿入した後、図14に示すように、バール24により支点蓋38を、圧縮ばね39の弾性力に抗して、ストッパー突部38aが受枠35の係合突起35aに当接するまで押し下げる。
【0016】
この後、図15に示すように、バール24を手前側(図15中、A方向)に倒す。これにより、バール24のT字状先端部25が可動支点蓋38の上面と蓋本体32の裏面とに当接する。さらにバール24を手前側に倒せば、バール24のT字状先端部25と可動支点蓋38との当接部を支点とするてこの原理により、受枠35への蓋本体36の食い込みを小さい力によって解除することができる。
【0017】
次いで、図16に示すように、バール24をその軸回りに90°回転させた後、図17に示すように、バール24をさらに手前側に倒せば、バール24のT字状先端部25の上面がバール孔36aの裏面に当接し、T字状先端部25の下面が揺動鉤体37の中心線(L)より手前側に当接するので、揺動鉤体37は、可動支点蓋38と共に回動し、かくして、揺動鉤体37の係止爪37aが受枠35の係合突起35aから外れて施錠が解除される。そして、このようにして施錠を解除した後、バール24を引き上げれば、蓋本体36を開放することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】実公昭58−5712号公報
【特許文献2】特開2007−100295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述した従来蓋構造Bによれば、受枠35への蓋本体36の食い込みを、てこの原理により小さい力によって解除することができる。また、従来蓋構造Aのように、バール孔36aが蓋本体36の周縁部ではなく、蓋本体36の周縁部から蓋本体36の中心側に離れた位置に形成されているので、蓋本体36の強度が低下するといった問題は解決される。
【0020】
しかし、次のような問題があった。受枠35への蓋本体36の食い込みを解除するに際しては、バール24のT字状先端部25をバール孔36aに挿入して、可動支点蓋38をストッパー突部38aが受枠35の係合突起35aに当接するまで圧縮ばね39の弾性力に抗して、てこの原理を利用するために押し下げ(図14参照)、この後、さらにバール24を手前側に倒す必要があるので(図17参照)、バール24の複雑な操作が強いられる。しかも、てこの原理を利用するために可動支点蓋38が不可欠な構成となる。
【0021】
従って、この発明の目的は、蓋本体の強度の低下とバール孔からの雨水の地下構造物内への流入を阻止することができ、しかも、受枠への蓋本体の食い込みを容易かつ確実に解除することができる地下構造物用蓋構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0023】
請求項1に記載の発明は、受枠と、前記受枠に嵌め込まれる蓋本体とからなり、前記蓋本体には、前記受枠への前記蓋本体の食い込みを解除するためのバールのT字状先端部が挿入されるバール孔が形成されている地下構造物用蓋構造において、前記バール孔は、前記蓋本体の周縁部から前記蓋本体の中心側に離れた位置に形成され、かつ、閉塞手段により閉塞可能であり、前記受枠内には、前記バール孔から前記受枠内に挿入された前記T字状先端部の一端下部が当接する受枠側突起が形成され、前記バールの前記T字状先端部の他端上部は、前記蓋本体の裏面に当接し、前記蓋本体の裏面には、前記T字状先端部の一端側部が当接するストッパー用壁面が形成されていることに特徴を有するものである。
【0024】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記閉塞手段は、前記バール 孔に嵌め込んで前記バール孔を閉塞する栓体からなっていることに特徴を有するものである。
【0025】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記閉塞手段は、前記バール孔の裏面に当接させて前記バール孔を閉塞する蓋体からなっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0027】
この発明によれば、バール孔を蓋本体の周縁部ではなく、蓋本体の周縁部から蓋本体の中心側に離れた位置に形成し、かつ、バール孔を閉塞手段により閉塞可能にすることによって、蓋本体の強度の低下やバール孔からの雨水の地下構造物内への流入を阻止することができ、しかも、バールのT字状先端部を受枠と蓋本体とに直接、当接させることにより、てこの原理を利用して、受枠への蓋本体の食い込みを容易かつ確実に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】この発明の地下構造物用蓋構造Cを示す断面図である。
図2】バール孔部分の蓋本体を示す底面図である。
図3】バール孔を閉塞するゴム栓を示す断面図である。
図4】バールの先端部をバール孔内に挿入した状態を示す断面図である。
図5】バールを垂直に立てた状態を示す断面図である。
図6】バールを手前側に倒した状態を示す断面図である。
図7】バールをさらに手前側に倒して蓋本体の食い込みを解除した状態を示す断面図である。
図8】バールを持ち上げて蓋本体を開いた状態を示す断面図である。
図9】従来蓋構造Aを示す平面図である。
図10図9のX−X線断面図である。
図11】バールを示す一部省略斜視図である。
図12】蓋本体の食い込みを解除する状態を示す部分断面図である。
図13】バールの先端部がバール孔に挿入された従来蓋構造Bを示す断面図である。
図14】バールにより可動支点蓋を押し下げた状態を示す断面図である。
図15】バールによりてこの原理を利用して蓋本体の食い込みを解除した状態を示す断面図である。
図16】バールを90°回した状態を示す断面図である。
図17】バールを手前側に倒して施錠を解除した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、この発明の地下構造物用蓋構造Cの一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、この発明の地下構造物用蓋構造Cを示す断面図、図2は、バール孔部分の蓋本体を示す底面図である。
【0031】
図1および図2において、1は、リング状の受枠、2は、受枠1にテーパー嵌合される円板状の蓋本体、3は、蓋本体2に形成された、受枠1への蓋本体2の食い込みを解除するためのバール24(図11参照)のT字状先端部25が挿入されるバール孔である。バール孔3は、蓋本体2の周縁部から蓋本体2の中心側に離れた位置に、前記中心側に向かって横長に形成されている。このように、バール孔3を蓋本体2の周縁部ではなく、周縁部から蓋本体2の中心側に離れた位置に形成することによって、蓋本体2の強度低下を防止することができる。バール孔3の長さ(L1)は、バール4のT字状先端部25の長さ(L2)より若干短く、バール孔3の幅(L3)は、バール4のT字状先端部25の長さ(L2)より短く形成されている。
【0032】
4は、受枠1内に形成された受枠側突起である。受枠側突起4の上部には、バール孔3から受枠1に挿入されたバール24のT字状先端部25の一端下部25aが当接する(図6参照)。
【0033】
5は、バール24のT字状先端部25の他端上部25bが当接する、蓋本体2の裏面である(図2図7参照)。
【0034】
このように、バール24のT字状先端部25の一端下部25aが受枠側突起4に当接し、バール24のT字状先端部25の他端上部25bが蓋本体側突起5に当接することにより、バール24により、てこの原理を利用して、受枠への蓋本体の食い込みを容易かつ確実に解除することができる。
【0035】
6は、ストッパー用壁面である。ストッパー用壁面6は、バール24のT字状先端部25の他端上部25bが当接する、蓋本体2の裏面5より蓋本体2の中心側に寄った位置に形成されている。ストッパー用壁面6は、バール24により受枠1への蓋本体2の食い込みを解除する際に、ストッパー用壁面6にバール24のT字状先端部25の他端側部25cを当接させて、バール24が蓋本体2の中心側に水平移動することを阻止し、かくして、バール24の操作位置を安定させることにより、受枠1への蓋本体2の食い込みを確実に解除する作用を有している。
【0036】
7は、バール孔3を閉塞して、バール孔3からの雨水の流入を阻止する閉塞手段である(図3参照)。閉塞手段7は、柔軟性を有するゴム製の栓体からなっている。閉塞手段7は、栓体以外に、バール孔3の裏面にばね8により当接させてバール孔3を閉塞する蓋体であっても良い(図1参照)。
【0037】
このように構成されている、この発明の地下構造物用蓋構造によれば、以下のようにして、バールにより、てこの原理を利用して、受枠への蓋本体の食い込みを容易かつ確実に解除することができる。
【0038】
図4に示すように、バール24を蓋本体2の中心側に傾けるようにして、バール24のT字状先端部25をバール孔3内に挿入する。次いで、図5に示すように、バール24を手前側(図5中、A方向)に引き、続いて、図6に示すように、さらにバール24を手前側に倒す。これにより、バール24のT字状先端部25の一端下部25aが受枠側突起4に当接し、バール24のT字状先端部25の他端上部25bが蓋本体2の裏面5に当接する。この後、図7に示すように、さらにバール24を手前側に倒すと、バール24のT字状先端部25の一端下部25aと受枠側突起4との当接部を支点とするてこの原理により、受枠1への蓋本体2の食い込みを小さい力によって解除することができる。
【0039】
以上のようにして、受枠1への蓋本体2の食い込みが解除されたら、図8に示すように、バール24をその軸回り90°回転させて、バール24のT字状先端部25をバール孔3の裏面に当接させ、バール24を引き上げれば、蓋本体2を開放することができる。
【0040】
なお、バール24のT字状先端部25の他端上部25bが当接する、蓋本体2の裏面5より蓋本体2の中心側に寄った位置にストッパー用壁面6が形成されているので、バール24により蓋本体2の食い込みを解除する際に、ストッパー用壁面6にバール24のT字状先端部25の他端側部25cが当接するので、バール24が蓋本体2の中心側に水平移動することが阻止される。かくして、バール24の操作位置を安定させることができるので、受枠1への蓋本体2の食い込みを確実に解除することができる。
【0041】
蓋本体2を受枠1に嵌め込んで、蓋本体2を閉じた後は、バール孔3を栓体等からなる閉塞手段7により閉塞すれば、バール孔3からの雨水の流入を確実に阻止することができる。
【0042】
以上説明したように、この発明の地下構造物用蓋構造Cによれば、バール孔3を蓋本体2の周縁部ではなく、周縁部から蓋本体2の中心側に離れた位置に形成することによって、蓋本体2の強度低下を防止することができる。しかも、受枠1への蓋本体2の食い込みは、バール24のT字状先端部25の一端下部25aと受枠側突起4との当接部を支点とするてこの原理により容易に解除することができるので、従来蓋構造Bのように、バール4を2段階の操作により手前側に倒して食い込みを解除する必要がなく、バール4の簡単な操作によって、ワンタッチで蓋本体2の食い込みを確実に解除することができる。
【0043】
なお、上述したように、この発明の地下構造物用蓋構造Cによれば、T字状の専用のバール4であれば容易に蓋本体2を開放することができるが、ツルハシ等の一般的な工具では、てこの原理を発生させることができないので、蓋本体2の不法開放を確実に防止することができるといった効果も有する。
【符号の説明】
【0044】
1:受枠
2:蓋本体
3:バール孔
4:受枠側突起
5:蓋本体の裏面
6:ストッパー用壁面
7:閉塞手段
8:ばね
21:受枠
21a:上部角部
22:蓋本体
23:バール孔
23a:幅広部
23b:幅狭部
24:バール
24a:基部
25:T字状先端部
25a:一端下部
25b:他端上部
25c:他端側部
26:ハンドル
35:受枠
35a:係合突起
36:蓋本体
36a:バール孔
37:揺動鉤体
37a:係止爪
38:可動支点蓋
38a:ストッパー突部
39:圧縮ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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