【実施例】
【0041】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、ナビゲーション装置によって構成される速度算出装置100を実施した場合の一例について説明する。なお、本実施例に用いるナビゲーション装置は、タイヤの回転速度に比例した時間間隔にて検出される車速信号を取得することができない簡易型のもの(PND)とする。
【0042】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図4を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置400のハードウェア構成について説明する。
図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置400のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
図4において、ナビゲーション装置400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、音声I/F(インターフェース)408と、スピーカ409と、入力デバイス410と、映像I/F411と、ディスプレイ412と、通信I/F413と、GPSユニット414と、各種センサ415とを備えている。また、各構成部401〜415はバス420によってそれぞれ接続されている。
【0044】
CPU401は、ナビゲーション装置400の全体の制御を司る。ROM402やフラッシュROM等の書換え可能な不揮発性メモリは、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、速度算出プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。
【0045】
現在地点算出プログラムは、例えば、GPSユニット414や加速度センサ421など各種センサ415の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置400の現在地点)を算出させるプログラムである。
【0046】
経路探索プログラムは、磁気ディスク405に記録されている地図データや経路計算データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させるプログラムである。最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU401を介して音声I/F408や映像I/F411へ出力される。
【0047】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報や、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点の情報や、磁気ディスク405から読み出された地図データなどに基づいて、リアルタイムの経路誘導情報を生成させるプログラムである。生成された経路誘導情報は、CPU401を介して音声I/F408や映像I/F411へ出力される。
【0048】
速度算出プログラムは、各種センサ415によって検出される垂直速度とピッチ角度とに基づいて傾斜面に沿った方向の車両の移動速度を算出させたり、GPSユニット414によって受信される現在地点を示すGPS情報に基づいて車両の移動速度を算出させたりするプログラムである。
【0049】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、例えば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。磁気ディスク405には、地図データや経路計算データなどが記録される。
【0050】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0051】
音声I/F408は、スピーカ409に接続される。スピーカ409からは、音声情報が出力される。入力デバイス410は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス410は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0052】
映像I/F411は、ディスプレイ412と接続される。映像I/F411は、具体的には、例えば、ディスプレイ412全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ412を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0053】
ディスプレイ412には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ412は、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0054】
通信I/F413は、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとして機能する。GPSユニット414は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示すGPS情報を出力する。GPS情報は、例えば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。GPSユニット414の出力情報は、CPU401による車両の現在地点の算出や移動速度の算出に際して利用される。
【0055】
各種センサ415は、加速度センサ421、ジャイロセンサ422などを有しており、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。加速度センサ421は、車両の進行方向を示すx軸方向、進行方向に対して直角かつ水平な方向を示すy軸方向、および鉛直方向を示すz軸方向、の加速度を計測することが可能な3軸加速度センサである。ナビゲーション装置400は、各方向の加速度を積分することにより、各方向の速度を算出することができる。なお、加速度センサ421は、少なくとも、x軸方向のx軸加速度と、z軸方向のz軸加速度とを検出することが可能なものであればよい。
【0056】
ジャイロセンサ422は、方位変化量を出力するものであり、特に、ピッチ角度を検出できるものが用いられる。本実施例において、ジャイロセンサ422には、ロール角度、ヨー角度、ピッチ角度の角速度を検出することができる3軸ジャイロセンサを用いている。各種センサ415の出力値は、CPU401による車両の現在地点の算出や、速度の算出などに用いられる。なお、ナビゲーション装置400は、簡易型のPNDとしているため、各種センサ415には車両の移動速度を検出する車速センサは含まれないものとする。
【0057】
図1に示した本実施の形態における速度算出装置100が備える、垂直速度検出部101と、角度検出部102と、第1算出部103と、出力部104と、取得部105と、加速度検出部106と、第2算出部107と、補正部108とは、
図4に示したナビゲーション装置400におけるROM402や磁気ディスク405などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401に各種プログラムを実行させることにより、その機能を実現する。
【0058】
(ナビゲーション装置400の速度算出処理手順)
つぎに、
図5を用いて、ナビゲーション装置400の速度算出処理手順について説明する。
図5は、ナビゲーション装置400の速度算出処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置400は、起動したか否かを判断する(ステップS501)。ナビゲーション装置400は、起動するまで待機し(ステップS501:No)、起動すると(ステップS501:Yes)、GPS情報を受信しているか否かを判定する(ステップS502)。
【0059】
GPS情報を受信していない場合(ステップS502:No)、すなわち、例えば、トンネル内、立体駐車場内、地下道、高架下などを車両が走行している場合、ナビゲーション装置400は、垂直速度を検出する(ステップS503)。垂直速度は、加速度センサ421によって測定されるz軸加速度を、ナビゲーション装置400が積分することによって検出される。
【0060】
そして、ナビゲーション装置400は、ジャイロセンサ422を用いてピッチ角度を検出する(ステップS504)。つぎに、ナビゲーション装置400は、ピッチ角度が「0」であるか否かを判定する(ステップS505)。なお、ステップS505の判定は、具体的には、傾斜路を走行中であるか否かの判定であり、ピッチ角度=「0」であるか否かの判定に限らず、垂直速度=「0」であるか否かの判定としてもよい。また、傾斜路を走行中であるか否かをより高精度に判定するために、ステップS505の判定では、ピッチ角度=「0」かつ垂直速度=「0」であるか否かの判定をおこなうようにしてもよい。
【0061】
ピッチ角度が「0」ではない場合(ステップS505:No)、すなわち、傾斜路を走行中である場合、ナビゲーション装置400は、垂直速度とピッチ角度とを用いて、車両の移動速度を算出する(ステップS506)。車両の移動速度の算出には、上述した(2)式を用いるようにするが、上述した(1)式を用いるようにしてもよい(実施の形態参照)。
【0062】
そして、ナビゲーション装置400は、加速度センサ421によって検出されたx軸加速度を積分することによって算出した移動速度と、ステップS506において算出した移動速度との誤差を示す補正値をRAM403に格納する(ステップS507)。なお、x軸加速度を積分することによって移動速度を算出する処理については、不図示であるが、例えば、ステップS504とステップS505との間にておこなえばよい。そして、ナビゲーション装置400は、算出した移動速度を出力し(ステップS508)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0063】
ステップS505において、ピッチ角度が「0」である場合(ステップS505:Yes)、すなわち、水平路を走行している場合、ナビゲーション装置400は、加速度センサ421によって検出されたx軸加速度を積分することによって移動速度を算出する(ステップS509)。そして、RAM403に補正値が格納されているか否かを判定する(ステップS510)。補正値が格納されていない場合(ステップS510:No)、ナビゲーション装置400は、ステップS508の処理に移行させる。
【0064】
補正値が格納されている場合(ステップS510:Yes)、ナビゲーション装置400は、補正値を用いて移動速度を補正し(ステップS511)、ステップS508の処理に移行させる。ステップS502において、GPS情報を受信している場合(ステップS502:Yes)、ナビゲーション装置400は、GPS情報を用いて車両の移動速度を算出し(ステップS512)、ステップS508の処理に移行させる。
【0065】
上述した処理により、トンネル内などGPS情報を受信できない条件下でも、傾斜路を走行することにより実際の移動速度に近い移動速度を算出することができる。また、車速センサからの車速信号を取得することが可能なナビゲーション装置400の場合には、車速センサが故障した場合など、車速信号を用いることができない条件下でも、高精度に速度を算出することができる。これにより、ユーザに正確な速度を提示することができるとともに、目的地までの正確な到達時間を提示することができる。
【0066】
なお、車速センサからの車速信号を取得することが可能なナビゲーション装置400の場合、車速センサを用いることができない緊急時であるか否かを判定するようにし、緊急時には、ロール角度、ヨー角度およびy軸加速度に基づいて移動速度を算出するようにしてもよい。このような構成によれば、通常時は車速センサによる正確な移動速度を提示することができるとともに、緊急時には、ロール角度、ヨー角度およびy軸加速度に基づく正確な移動速度を提示することができる。
【0067】
また、上述した処理では、垂直速度と傾斜角度とに基づいて、傾斜面に沿った方向の車両の移動速度を算出するようにしたので、GPS情報を受信できない条件下において、傾斜角が小さい斜面を走行中に正確な値を提示することができる。なお、垂直速度とピッチ角度とに基づいて、傾斜面に沿った方向の車両の移動速度を算出するようにすれば、より正確な移動速度を提示することができる。
【0068】
さらに、上述した処理において、車両のGPS情報の取得が可能な条件下では、GPS情報を用いて車両の移動速度を算出する一方、GPS情報の取得が不可能な条件下では、垂直速度とピッチ角度とに基づいて、車両の移動速度を算出するようにした。したがって、GPS情報の受信状況に応じて、正確な移動速度を算出することができる。
【0069】
また、本実施の形態において、補正値を用いて、x軸加速度を用いて算出される移動速度を補正するようにし、車両が水平路を移動している際には補正した移動速度を出力するようにした。これにより、x軸加速度を用いた移動速度の算出時に各種誤差が蓄積された場合、x軸加速度を用いて算出される移動速度を実際の移動速度に近づけることができ、移動速度を正確なものとすることができる。したがって、水平路においても正確な速度を提示することができる。
【0070】
なお、上述した処理において、補正値は、垂直速度とピッチ角度とに基づく移動速度の算出がおこなわれた場合に、逐次更新されていく。これにより、補正値をより正確なものとすることができ、水平路において正確な速度を提示することができる。
【0071】
(GPS情報を受信することが不可能な条件下における車両の移動速度の一例)
つぎに、
図6を用いて、GPS情報を受信することが不可能な条件下における車両の移動速度の一例について説明する。
図6は、GPS情報を受信することが不可能な条件下における車両の移動速度の一例を示す説明図である。
図6のグラフ600において、縦軸は、速度および傾斜角度を示しており、横軸は、時間を示している。
【0072】
ここでは、1秒毎に、各種センサ415の検出結果を取得して速度を算出する場合を例に挙げて説明する。A点に到達する前のT点まで、水平路とし、傾斜角度(ピッチ角度)は、0°とする。T点までは、x軸加速度を用いて移動速度が算出される。T点までは、例えば、算出された移動速度13m/sが出力される。なお、補足的に記載している実際の速度は11.5m/sであり、出力された移動速度との間には1.5m/sの乖離がある。
【0073】
A点において、ジャイロセンサ422によってピッチ角度(傾斜角度)θ=1°が検出されたとする。また、A点において、垂直速度α=0.2m/sが検出されたとする。
【0074】
実施の形態で示した(2)式(tanθ=α/γ)を用いると、
水平成分のみの移動速度γ(m/s)は、
γ=α/tanθ≒11.5
として算出される。
【0075】
A点では、この11.5m/sが移動速度として出力される。A点において、x軸加速度を用いて算出された移動速度13m/sと、垂直速度および傾斜角度に基づく移動速度11.5m/sとの間には、1.5m/sの乖離があることが判定される。
【0076】
そのため、傾斜角度が0°となるB点以降は垂直速度と傾斜角度とに基づく移動速度の算出はできないものの、乖離した値1.5m/sを用いて、x軸加速度に基づいて算出した移動速度を補正することができる。補正の手法は、例えば、x軸加速度を用いて算出された移動速度に差分を加味させるようにしてもよいし、具体的には、1.5m/sを減じるようにしてもよいし、これに限らず、他の手法を用いてもよい。
【0077】
本実施例では、急な傾斜路や、長い傾斜路でなくとも、傾斜角が小さく短い傾斜路を走行した場合にも、傾斜路を走行中の実際の移動速度を算出することができる。つまり、わずかな傾斜角の傾斜路を走行した際に、垂直速度と傾斜角度とに基づいて走行中の実際の移動速度を算出することができる。また、傾斜路を走行した後の水平路では、補正値を用いて移動速度を算出することができる。なお、補正値は、傾斜路を走行する度に更新することができ、水平路においても正確な移動速度を出力することができる。
【0078】
また、補正値は、例えば、カーブの曲率毎や、右カーブまたは左カーブ毎といった道路態様毎に記憶しておくようにし、水平路においては、道路態様に応じた補正値を用いるようにしてもよい。これにより、道路態様に応じて移動速度を補正することができ、水平路においてより正確な移動速度を出力することができる。
【0079】
本実施例では、GPS情報を受信することが可能な条件下においては、GPS情報を用いた速度の算出がおこなわれる。つまり、GPS情報を用いた場合、実際の速度との乖離がほとんどない高精度に速度が算出される。このように、本実施例では、速度の算出に際し、GPS情報を受信することが可能な条件下ではGPS情報を用い、GPS情報を受信することが不可能な条件下では、傾斜路を走行した際の垂直速度と傾斜角度とを用いるようにした。したがって、GPS情報の受信状態にかかわらず、正確な速度を出力することができる。
【0080】
なお、GPS情報を受信することが可能な条件下においても、傾斜路を走行するときには、垂直速度と傾斜角度とを用いて車両の移動速度を算出しておき、x軸加速度を用いて算出された移動速度と比較することにより、乖離した量を補正値として、その都度更新するようにしてもよい。これにより、GPS情報を受信することが不可能な条件下において、傾斜路を走行せずとも補正値を取得することができ、例えばトンネル内に進入した直後の水平路の移動速度を補正することができ、正確な速度を出力することができる。具体的には、A点に到達する前段階において、x軸加速度を用いて算出された移動速度を補正することができ、正確な速度を出力することができる。
【0081】
また、GPS情報を用いた移動速度の算出は、所定速度以上の高速走行時に適しているものの所定速度未満の低速走行時には誤差が生じやすいという点を考慮すると、GPS情報の受信が可能な条件下においても、低速走行時には、垂直速度と傾斜角度とに基づいて移動速度を算出するようにしてもよい。このような構成にすれば、低速走行時の移動速度の精度を向上させることができる。
【0082】
なお、
図6では、上り坂のときに傾斜角度をプラスとし、傾斜角度がプラスの場合のみを示しているが、下り坂を走行する際には、傾斜角度がマイナスとなる。下り坂を走行する際には、傾斜角度をマイナスとし、上り坂を走行した際の移動速度の算出と同様の処理をおこなえばよい。
【0083】
(ディスプレイ412に表示される表示画面の一例)
つぎに、
図7を用いて、ディスプレイ412に表示される表示画面の一例を説明する。
図7は、ディスプレイ412に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
図7において、表示画面701,702は、GPS情報を受信することが不可能なトンネル内を走行している状態を示している。表示画面701は、水平路を走行している際の画面を示しており、表示画面702は、傾斜路を走行している際の画面を示している。
【0084】
表示画面701には、走行中の地図画面と、x軸加速度を用いて算出された現在速度(移動速度)と、この現在速度を用いて算出された目的地到着時刻とが表示されている。具体的には、表示画面701は、
図6に示したA点に到達する前の現在速度と、この現在速度を用いて算出された目的地到着時刻とが表示されている。なお、車両の実際の速度は41km/hであるものの、表示画面701では、47km/hとして表示されている。
【0085】
表示画面702には、走行中の地図画面と、垂直速度と傾斜角度とに基づいて算出された現在速度(移動速度)と、この現在速度を用いて算出された目的地到着時刻とが表示されている。具体的には、表示画面702は、
図6に示したA点に到達してからの現在速度と、この現在速度を用いて算出された目的地到着時刻とが表示されている。なお、車両の実際の速度は41km/hであり、表示画面702においても41km/hとして表示されている。
【0086】
このように、本実施例によれば、車両の移動速度を高精度に算出し、ユーザに提示することができる。なお、垂直速度と傾斜角度とに基づいて移動速度を算出して現在速度を47km/hから41km/hに表示変更するときには、「現在速度を補正しました」などの通知をおこなうようにしてもよい。これにより、ユーザは、提示される現在速度が変更されたことを知ることができる。また、トンネル内ではGPS情報を受信できないことを知っているユーザにしてみれば、GPS情報を用いずに何らかの処理によって現在速度が補正されたことを知ることができ、ユーザにとって現在速度の信頼性を向上させることができる。
【0087】
以上説明したように、本発明の速度算出装置、速度算出方法、速度算出プログラム、および記録媒体によれば、車速信号を用いることなく、実際の移動速度に近い移動速度を算出することができる。これにより、ユーザに正確な速度を提示することができ、提示する速度の信頼性を向上させることができる。
【0088】
なお、本実施例で説明した速度算出方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD、メモリカードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。