(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916543
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】バスバーの取付構造
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20160422BHJP
H01R 13/41 20060101ALI20160422BHJP
H05K 7/06 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
H02G3/16
H01R13/41
H05K7/06 C
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-152292(P2012-152292)
(22)【出願日】2012年7月6日
(65)【公開番号】特開2014-17922(P2014-17922A)
(43)【公開日】2014年1月30日
【審査請求日】2015年6月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】古賀 健郎
【審査官】
久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−172394(JP,A)
【文献】
特開平11−041749(JP,A)
【文献】
特開2013−150377(JP,A)
【文献】
特開2013−150378(JP,A)
【文献】
特開2013−187123(JP,A)
【文献】
特開2013−188041(JP,A)
【文献】
特開2013−230046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H01R 13/41
H05K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバーは、ケースに保持される圧入部と、前記圧入部と一体的に形成され、前記ケースの表面に載置される底面部を備え、
前記ケースは、前記ケースの表面に設けられて、前記バスバーの圧入部が圧入されるハウジングと、前記ケースの表面に設けられて、前記バスバーの底面部が圧入でない状態で収容される収容部を備える、ことを特徴とするバスバーの取付構造。
【請求項2】
前記底面部から、前記底面部を基端として端子が延びており、
前記収容部は、前記圧入部の圧入方向と同一方向に起立した側壁により、前記端子の基端部を収容している、ことを特徴とする請求項1に記載のバスバーの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースに対するバスバーの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気接続箱等のケースにバスバーを取り付ける際には、下記の特許文献1に示すように、端子ホルダのようなハウジングの圧入溝に圧入片を圧入していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平03−011574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の取付構造では、バスバーを圧入する際に圧入片が幅方向に傾き、バスバーの位置ずれが生じたり、バスバーが傾いたりする虞があった。また、圧入後には圧入片の幅方向に外力が加えられるとバスバーが変形する虞があった。
【0005】
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、上記課題を解決できるバスバーの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明のバスバーの取付構造は、バスバーは、ケースに保持される圧入部と、前記圧入部と一体的に形成され、前記ケースの表面に載置される底面部を備え、前記ケースは、前記ケースの表面に設けられて、前記バスバーの圧入部が圧入されるハウジングと、前記ケースの表面に設けられて、前記バスバーの底面部が圧入でない状態で収容される収容部を備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記底面部から、前記底面部を基端として端子が延びており、前記収容部は、前記圧入部の圧入方向と同一方向に起立した側壁により、前記端子の基端部を収容している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バスバーが圧入されるハウジングの他にバスバーの底面部を収容する収容部をケースに設けることでバスバーの姿勢を安定させ、圧入時にバスバーの位置ずれや傾きが生じることや、ケースに取り付けられたバスバーが外力で変形するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態のバスバーの取付構造を示す斜視図である。
【
図2】
図1のバスバーの取付構造を示す平面図である。
【
図3】
図1のバスバーの取付構造を示す図であり、(a)は背面図,(b)は左側面図,(c)は右側面図,(d)は正面図である。
【
図7】
図1のバスバーを示す斜視図であり、(a)はケースへの取付前,(b)は取付後を示している。
【
図10】
図1のケースを示す図であり、(a)は背面図,(b)は左側面図,(c)は右側面図,(d)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
図1〜6に示すバスバーの取付構造は、ケース1の表面に設けられてバスバー2の圧入部21が圧入されたハウジング11と、ケース1の表面に設けられてバスバー2の底面部22を収容した収容部12とを備えている。
【0011】
バスバー2は、
図7に示すように、1枚の板状体を折り曲げて形成されており、ケース1の表面に載置される底面部22と、底面部22から上方に延びた2本の端子23と、底面部22から立ち上がった立上部24と、立上部24から側方に延びた圧入部21とを備えている。圧入部21は、ハウジング11に圧入される圧入片211を備えている。端子23は、底面部22の先端部に形成されている。底面部22は、2本の端子23の形成箇所の間に切欠部221を備えている。底面部22は、端子23が圧入部21の幅方向に並ぶよう設けられている。
【0012】
ハウジング11は、
図8〜13に示すように、ケース1の表面に設けられている。ハウジング11には、ハウジング11の幅方向の一端から他端にかけて延びた溝111が備えられている。溝111には、
図2〜7に示すように、バスバー2の圧入部21が圧入される。
【0013】
溝111の長さ方向の中央部には、幅狭部111aが形成されている。溝111の長さ方向の中央部の底面には、圧入穴112が開口している。圧入穴112には、
図2〜7に示すように、バスバー2が圧入部21に備えた圧入片211が圧入される。
【0014】
収容部12は、
図8〜13に示すように、ケース1の表面に設けられており、平面視E字状の凹形状を呈している。収容部12には、
図2〜7に示すように、バスバー2の底面部22、及び、底面部22の先端部から上方に延びた端子23の基端部が、圧入でない状態で収容される。収容部12には、嵌合部121が備えられている。嵌合部121には、
図2〜7に示すように、底面部22の先端部の切欠部221が嵌合する。
【0015】
次に、ケース1にバスバー2を取り付ける際の動作を説明する。
【0016】
ケース1にバスバー2を取り付ける際には、
図7(a)に示すように、圧入部21がハウジング11の上方に、底面部22が収容部12の上方にそれぞれ位置するように、バスバー2をケース1の上方に位置させる。続いて、
図7(a)に太矢印で示すようにバスバー2をケース1側に押し込み、ハウジング11の溝111に圧入部21を、収容部12に底面部22をそれぞれ嵌合させる。これにより、
図7(b)に示すように、圧入穴112に圧入片211が圧入され、収容部12の嵌合部121に切欠部221が嵌合する。
【0017】
本実施形態によれば、バスバー2をケース1側に押し込む際、底面部22が収容部12に収容されることで、圧入部21が圧入穴112に対して所定の位置に位置決めされる。このため、圧入穴112に対する圧入部21の圧入精度を向上させることができる。また、バスバー2の取付後には、圧入部21の幅方向に外力が働いた際にバスバー2が傾き難くなり、バスバー2が変形するのを防止できる。
【0018】
なお、上記実施形態では、底面部22から2本の端子23が延びている場合について説明したが、底面部22から延びた端子23の本数は任意である。また、上記実施形態では、圧入部21が板状体から構成されている場合について説明したが、圧入部21の構成は任意である。例えば、圧入部21が圧入片211を備えていなくてもよい。また、上記実施形態では、端子23が圧入部21の幅方向に並んで設けられている場合について説明したが、圧入部21の幅方向に並んでいなくてもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 ケース
11 ハウジング
111 溝
111a 幅狭部
112 圧入穴
12 収容部
121 嵌合部
2 バスバー
21 圧入部
211 圧入片
22 底面部
221 切欠部
23 端子
24 立上部