特許第5916557号(P5916557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本カーバイド工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000002
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000003
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000004
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000005
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000006
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000007
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000008
  • 特許5916557-セラミック基板の製造方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916557
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】セラミック基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/40 20060101AFI20160422BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   H05K3/40 B
   H05K3/46 H
   H05K3/46 X
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-173871(P2012-173871)
(22)【出願日】2012年8月6日
(65)【公開番号】特開2014-33131(P2014-33131A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004592
【氏名又は名称】日本カーバイド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(74)【代理人】
【識別番号】100129296
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 博昭
(72)【発明者】
【氏名】河浦 茂裕
(72)【発明者】
【氏名】小路 寛
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−324398(JP,A)
【文献】 特開2011−114189(JP,A)
【文献】 特開2006−222271(JP,A)
【文献】 特開平07−249866(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/40
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリーンシートの一面に導電パターンが形成された前記グリーンシートを一対の金型のプレス面間に配置するシート配置工程と、
前記一対の金型をプレスして、前記グリーンシートの一面に窪み部を形成するとともに、前記窪み部の底面と前記窪み部以外の前記グリーンシートの一面とにわたる溝部を前記窪み部の側面に形成するプレス工程と、
前記溝部に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、
前記導電性ペーストが充填された前記グリーンシートを焼成する焼成工程と
を備えることを特徴とするセラミック基板の製造方法。
【請求項2】
前記グリーンシートの一面のうち、前記窪み部の底面として形成されるべき第1の領域と、前記窪み部が非形成とされるべき第2の領域とに前記導電パターンを形成するパターン形成工程
をさらに備え、
前記プレス工程では、前記第1の領域に形成された前記導電パターンと前記第2の領域に形成された前記導電パターンとに繋がる前記溝部が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のセラミック基板の製造方法。
【請求項3】
前記ペースト充填工程では、
前記溝部に対する前記導電性ペーストの充填開始時点から充填終了時点までの期間のうち少なくとも一時期に前記グリーンシートが振動される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミック基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセラミック基板の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリーンシートの一面に導電パターンが印刷されたグリーンシートをプレスして、当該グリーンシートの表面にキャビティを形成した後に焼成する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−45965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、グリーンシートの一面に導電パターンが印刷されたグリーンシートをプレスしているため、当該プレスによって形成されるキャビティの側面とグリーンシートの表面との境界部位等の導電パターンが切断され易いという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、精度よく導電パターンを形成し得るセラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明におけるセラミック基板の製造方法は、グリーンシートの一面に導電パターンが形成された前記グリーンシートを一対の金型のプレス面間に配置するシート配置工程と、前記一対の金型をプレスして、前記グリーンシートの一面に窪み部を形成するとともに、前記窪み部の底面と前記窪み部以外の前記グリーンシートの一面とにわたる溝部を前記窪み部の側面に形成するプレス工程と、前記溝部に導電性ペーストを充填するペースト充填工程と、前記導電性ペーストが充填された前記グリーンシートを焼成する焼成工程とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような製造方法では、窪み部の側面に形成された溝部に充填する導電性ペーストを、窪み部の底面上に形成される導電パターンと、当該窪み部以外に形成される導電パターンとを繋ぐパターンとして機能させることができる。
したがって、グリーンシートのプレスによって形成される窪み部の側面に導電パターンがそのプレスによって切断されたとしても、当該窪み部の底面側と開口面側とにおける導電パターンの電気的接続を確保することができる。こうして、精度よく導電パターンを形成し得るセラミック基板の製造方法が提供される。
【0008】
また、前記グリーンシートの一面のうち、前記窪み部の底面として形成されるべき第1の領域と、前記窪み部が非形成とされるべき第2の領域とに前記導電パターンを形成するパターン形成工程をさらに備え、前記プレス工程では、前記第1の領域に形成された前記導電パターンと前記第2の領域に形成された前記導電パターンとに繋がる前記溝部が形成されることがより好ましい。
【0009】
このようにした場合、窪み部の側面に導電パターンが配置されることなく、その側面に形成された溝部に充填される導電性ペーストを介して、窪み部の底面側と開口面側における導電パターンの電気的接続が確保される。
したがって、窪み部の側面に導電パターンが配置された部分に溝部を形成して導電性ペーストを充填する場合に比べて、無駄な導電パターンを省くことができる。
ところで、窪み部の側面に導電パターンが配置された部分に溝部を形成して導電性ペーストを充填する場合、当該導電パターンが切断されるか否かにかかわらず、導電性ペーストを介して導電パターンの電気的接続を確保することができる。
しかし、導電パターンが切断されていた場合と、当該導電パターンが切断されていなかった場合とでは、導電性ペーストを介して電気的に接続された導電パターンの電気的特性に違いが生じる可能性がある。
この点、窪み部の側面に導電パターンを配置せずに、その側面に形成された溝部に充填される導電性ペーストを介して導電パターンの電気的接続を確保した場合には、上記可能性を生じさせることなく、電気的特性のばらつきを低減することができる。したがって、より一段と精度よく導電パターンを形成することが可能となる。
【0010】
また、前記ペースト充填工程では、前記溝部に対する前記導電性ペーストの充填開始時点から充填終了時点までの期間のうち少なくとも一時期に前記グリーンシートが振動されることがより好ましい。
【0011】
このようにした場合、溝部に対して気泡等を含ませずに導電性ペーストを充填させることができる。したがって、上記期間にグリーンシートを振動させない場合に比べて、導電性ペーストにおける電気的特性のばらつきや変動が生じたり、当該導電性ペーストにおけるノイズを抑止することができ、この結果、より一段と精度よく導電パターンを形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、精度よく導電パターンを形成し得るセラミック基板の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るセラミック基板の製造方法に用いられるプレス装置を概略的に示す断面図である。
図2】第1金型の様子を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るセラミック基板の製造方法を示すフローチャートである。
図4】パターン形成工程の様子を示す図である。
図5】シート配置工程の様子を示す図である。
図6】プレス工程の様子を示す図である。
図7】プレス工程後のグリーンシートの様子を示す図である。
図8】ペースト充填工程の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に関して図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るセラミック基板の製造方法に用いられるプレス装置を概略的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係るプレス装置1は、搬送部10及びプレス部20を主な構成要素として備える。
【0016】
搬送部10は、グリーンシートを送り方向SDに所定量単位で搬送させる部である。グリーンシートは、原料であるセラミック粉体と、当該セラミック粉体の結合剤とを含むシートである。
【0017】
本実施形態における搬送部10は、例えば、グリーンシートの長手方向に両端を挟持した状態で、グリーンシートを送り方向SDに所定量単位で搬送するレール式のコンベアとされる。また、本実施形態における搬送部10には、グリーンシートを振動させる振動機構が設けられ、必要に応じて、当該グリーンシートを所定位置に位置決めさせるための位置決め機構等が設けられる。
【0018】
プレス部20は、昇降機21と、一対の金型である第1金型22及び第2金型23とを有する。
【0019】
昇降機21は、搬送部10における搬送路を境界として一方側に配置され、当該搬送路に対して離れる方向D1及び近づく方向D2の双方向へ移動可能な機器とされる。
【0020】
第1金型22は、昇降機21に取り付けられる。また、第1金型22は、グリーンシートにプレスさせるべき面(以下、プレス面という)PS1を有し、このプレス面PS1は、搬送部10における搬送路に正対される。
【0021】
図2は、第1金型22の様子を示す図ある。図2に示すように、第1金型22におけるプレス面PS1には、グリーンシートの一面に窪み部(以下、キャビティという。)を形成するための凸部(以下、キャビティ形成用凸部という。)22Xが設けられる。
【0022】
このキャビティ形成用凸部22Xは、プレス面PS1の一部の領域がプレス面PS1から突出したものであり、そのキャビティ形成用凸部22Xの先端は平らな面とされる。本実施形態におけるキャビティ形成用凸部22Xの形状は錐台形状とされる。
【0023】
また、キャビティ形成用凸部22Xの側面には、キャビティの側方に溝部を形成するための突起部(以下、溝形成用突起部という。)22Yが設けられる。
【0024】
この溝形成用突起部22Yは、キャビティ形成用凸部22Xにおける一側面の一部の領域がキャビティ形成用凸部22Xの側面から、キャビティ形成用凸部22Xの先端面とプレス面PS1との間にわたって突出したものである。本実施形態における溝形成用突起部22Yの形状は、円柱の両端面の直径を通る平面で円柱を切断した半円柱形状とされる。
【0025】
第2金型23は、図1に示すように、搬送部10における搬送路を境界として第1金型22が配置される側とは逆側に配置される。また、第2金型23は、平らなプレス面PS2を有し、当該プレス面PS2は第1金型22のプレス面PS1に正対される。
【0026】
このようなプレス装置1を用いてグリーンシートがプレスされる。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係るセラミック基板の製造方法を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態に係るセラミック基板の製造方法は、パターン形成工程P1、シート配置工程P2、プレス工程P3、ペースト充填工程P4及び焼成工程P5を主工程として備える。
【0028】
<パターン形成工程>
このパターン形成工程P1は、グリーンシートの一面のうち、キャビティの底面として形成されるべき第1の領域(以下、キャビティ底面領域という。)と、当該キャビティが非形成とされるべき第2の領域(以下、非キャビティ領域という。)とに導電パターンを形成する工程である。
【0029】
本実施形態では、図4に示すように、グリーンシートGTの一面におけるキャビティ底面領域AR1と非キャビティ領域AR2との所定位置に所定形状の導電パターンEPがそれぞれ形成される。このような導電パターンEPの形成手法としては、例えばスクリーン印刷法等が用いられる。なお、グリーンシートGTの一面のうち、キャビティの側面として形成されるべき領域(以下、キャビティ側面領域という。)AR3は、導電パターンEPを形成しない領域とされる。
【0030】
<シート配置工程>
このシート配置工程P2は、グリーンシートGTを一対の金型のプレス面PS1及びPS2間に配置する工程である。
【0031】
具体的には、図5に示すように、第2金型23のプレス面PS2を載置台として、第1金型22のプレス面PS1と第2金型23のプレス面PS2との間にグリーンシートGTが配置される。このとき、第1金型22におけるキャビティ形成用凸部22Xの側面と、グリーンシートGTにおけるキャビティ側面領域AR3とが対向する状態とされる。
【0032】
<プレス工程>
このプレス工程P3は、一対の第1金型22及び第2金型23をプレスして、グリーンシートの一面にキャビティを形成するとともに、当該キャビティの底面とキャビティ以外のグリーンシートの一面とにわたる溝部をキャビティの側面に形成する工程である。
【0033】
具体的には、図6に示すように、昇降機21がプレス前位置からプレス位置にまで移動され、グリーンシート部位GTPに対して第1金型22及び第2金型23が所定の押圧量でプレスされる。これによりグリーンシート部位GTPの一方の面に対してキャビティ形成用凸部22X及び溝形成用突起部22Yがプレスされる。
【0034】
なお、プレス前位置は、図5に示したように、キャビティ形成用凸部22Xと、このキャビティ形成用凸部22Xに対向するグリーンシート部位の一面とが非接触状態にある位置とされる。
【0035】
次に、昇降機21がプレス位置に移動した時点から所定期間が経過したとき、当該昇降機21がプレス位置からプレス前位置に戻される。
【0036】
こうして、図7に示すように、グリーンシート部位GTPの一方の面にはキャビティ形成用凸部22Xに対応するキャビティCVが形成されるとともに、キャビティCVの側面には溝形成用突起部22Yに対応する溝部VPが形成される。
【0037】
この溝部VPは、キャビティCVの底面とキャビティCV以外のグリーンシートGTの一面とにわたっている。また、この溝部VPは、キャビティCVの底面部分に形成される導電パターンEPと、当該キャビティCVが非形成の以外のグリーンシートGTの一面に形成される導電パターンEPとに繋がるものとなっている。
【0038】
<ペースト充填工程>
このペースト充填工程P4は、溝部VPに導電性ペーストを充填する工程である。
【0039】
具体的には、振動機構によってグリーンシートGTの振動が開始された後、図8に示すように、溝部VPに導電性ペーストCPが、例えばディップ機からノズルを介して流し込まれる。そして、導電性ペーストCPが溝部VPに充填された場合、当該導電性ペーストCPの流し込みが停止されるとともにグリーンシートGTの振動が停止される。
【0040】
<焼成工程>
この焼成工程P5は、ペースト充填工程P4を経たグリーンシートGTを焼成する工程である。
【0041】
具体的には、例えば、グリーンシート部位GTPがグリーンシートGTから切断された後に焼成炉に搬送され、当該焼成炉において所定温度で所定期間だけ加熱される。この結果、グリーンシート部位GTPが、セラミック基板として得られる。
【0042】
以上、本実施形態における製造方法の場合、一対の金型22及び23のプレスによって、図7に示したように、グリーンシートGTの一面にキャビティCVが形成される。また、キャビティCVの底面とキャビティCV以外のグリーンシートGTの一面とにわたる溝部VPがキャビティCVの側面に形成される。そして、図8に示したように、この溝部VPに導電性ペーストCPが充填され、その後、グリーンシートGTが焼成される。
【0043】
このようにした場合、キャビティCVの側面に形成された溝部VPに充填する導電性ペーストCPを、キャビティCVの底面に形成される導電パターンEPと、当該キャビティCV以外に形成される導電パターンEPとを繋ぐパターンとして機能させることができる。
【0044】
したがって、グリーンシートGTのプレスによって形成されるキャビティCVの側面に存在する導電パターンがそのプレスによって切断されたとしても、キャビティCVの底面側と開口面側とにおける導電パターンEPの電気的接続を確保することができる。こうして、精度よく導電パターンを形成し得るセラミック基板の製造方法が提供される。
【0045】
また本実施形態の製造方法の場合、図4に示したように、グリーンシートGTの一面におけるキャビティ底面領域AR1と非キャビティ領域AR2とに導電パターンEPを形成するパターン形成工程P1が、プレス工程P3前に備えられる。
【0046】
そして、プレス工程P3では、図7に示したように、キャビティ底面領域AR1に形成された導電パターンEPと、当該非キャビティ領域AR2に形成された導電パターンEPとに繋がる溝部VPが形成される。
【0047】
このため、キャビティCVの側面に導電パターンEPが配置されることなく、その側面に形成された溝部VPに充填される導電性ペーストCPを介して、キャビティCVの底面側と開口面側とにおける導電パターンEPの電気的接続が確保される。
【0048】
したがって、キャビティCVの側面に配置された導電パターン部分に溝部VPを形成して導電性ペーストCPを充填する場合に比べて、無駄な導電パターンEPを省くことができる。
【0049】
ところで、キャビティCVの側面に配置された導電パターン部分に溝部VPを形成して導電性ペーストCPを充填する場合、当該導電パターン部分が切断されるか否かにかかわらず、導電性ペーストCPを介して導電パターンEPの電気的接続を確保することができる。しかし、導電パターンEPが切断されていた場合と、当該導電パターンEPが切断されていなかった場合とでは、導電性ペーストCPを介して電気的に接続された導電パターンEPの電気的特性に違いが生じる可能性が高くなる。
【0050】
この点、上述したように、キャビティCVの側面に導電パターンEPを配置せずに、その側面に形成された溝部VPに充填される導電性ペーストCPを介して導電パターンEPの電気的接続を確保する本実施形態の場合、上記可能性を生じさせることなく、電気的特性のばらつきを低減することができる。したがって、より一段と精度よく導電パターンを形成することが可能となる。
【0051】
さらに本実施形態におけるペースト充填工程P4では、溝部VPに対する導電性ペーストCPの充填開始時点から充填終了時点までの期間、グリーンシートGTが振動される。
【0052】
このため、溝部VPに対して気泡等を含ませずに導電性ペーストCPを充填させることができる。したがって、上記期間にグリーンシートGTを振動させない場合に比べて、導電性ペーストCPにおける電気的特性のばらつきや変動が生じたり、当該導電性ペーストCPにおけるノイズを抑止することができ、この結果、より一段と精度よく導電パターンを形成することが可能となる。
【0053】
以上、上記実施形態が一例として説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0054】
例えば上記実施形態では、溝部VPに対する導電性ペーストCPの充填開始時点から充填終了時点までの期間、グリーンシートGTが振動されたが、当該期間の一部の期間が振動期間とされても良い。要するに、溝部VPに対する導電性ペーストCPの充填開始時点から充填終了時点までの期間のうち少なくとも一時期にグリーンシートGTが振動されていれば良い。
【0055】
また上記実施形態では、錐台形状のキャビティ形成用凸部22Xが第1金型22のプレス面PS1に形成された。しかしながら、キャビティ形成用凸部22Xの形状は、部品収納部位(キャビティ)としての窪み部を形成するための凸部である限り、様々な形状を採用することができる。
【0056】
また上記実施形態では、1つのキャビティ形成用凸部22Xが第1金型22のプレス面PS1に形成された。しかしながら、キャビティ形成用凸部22Xの数は2以上であっても良い。
【0057】
また上記実施形態では、半円柱形状の溝形成用突起部22Yがキャビティ形成用凸部22Xの側面に形成された。しかしながら、溝形成用突起部22Yの形状は、導電性ペーストCPが入るべき溝部を形成するための突起部である限り、様々な形状を採用することができる。
【0058】
また上記実施形態では、1つの溝形成用突起部22Yがキャビティ形成用凸部22Xの側面に形成された。しかしながら、溝形成用突起部22Yの数は2以上であっても良い。なお、2以上の溝形成用突起部22Yをキャビティ形成用凸部22Xの側面に形成する場合、当該キャビティ形成用凸部22Xの1つの側面に各溝形成用突起部22Yが形成されていても良く、2以上の側面に分割して形成されていても良い。
【0059】
また上記実施形態では、グリーンシート部位GTPを第1金型22と第2金型23との間に配置させるために、グリーンシートGTが移動対象とされた。しかしながら、第1金型22又は第2金型23が移動対象とされても良く、第1金型22又は第2金型23とグリーンシートGTとが移動対象とされても良い。要するに、グリーンシート部位GTPが第1金型22と第2金型23との間に配置されれば良い。
【0060】
また上記実施形態では、第1金型22のみを移動させて、当該第1金型22のプレス面PS1と第2金型23のプレス面PS2とがグリーンシート部位GTPにプレスされた。しかしながら、第1金型22及び第2金型23の双方を移動させて、当該第1金型22のプレス面PS1と第2金型23のプレス面PS2とがグリーンシート部位GTPにプレスされても良い。
【0061】
また上記実施形態では、グリーンシート面にキャビティCVを形成するためのプレス面PS1を有する第1金型22と、平らなプレス面PS2を有する第2金型23とが搬送部10の一方側と他方側に設けられた。しかしながら、例えば、グリーンシートにスルーホールや外枠切出用の貫通溝を得るためのプレス面を有する一対の金型が、第1金型22及び第2金型23の後方(グリーンシートの送り方向SDの後方)における搬送部10の一方側と他方側に設けられていても良い。なお、このような金型は、第1金型22又は第2金型23と一体に連結されていても良く、別体であっても良い。
【0062】
また上記実施形態では、1枚のグリーンシートGTから複数のグリーンシート部位GTPが切断された。しかしながら、1枚のグリーンシートGTを分割し、当該分割された各グリーンシートからそれぞれ1つのグリーンシート部位GTPが切断されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係るセラミック基板の製造方法は、セラミック基板を取り扱う様々な産業において利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0064】
1・・・プレス装置
10・・・搬送部
20・・・プレス部
21・・・昇降機
22・・・第1金型
22X・・・キャビティ形成用凸部
22Y・・・溝形成用突起部
23・・・第2金型
PS1,PS2・・・プレス面
CV・・・キャビティ
VP・・・溝部
CP・・・導電性ペースト
GT・・・グリーンシート
GTP・・・グリーンシート部位
P1・・・パターン形成工程
P2・・・シート配置工程
P3・・・プレス工程
P4・・・ペースト充填工程
P5・・・焼成工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8