(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916558
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】水中モータポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 7/04 20060101AFI20160422BHJP
【FI】
F04D7/04 H
F04D7/04 J
F04D7/04 D
【請求項の数】2
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-174885(P2012-174885)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-34885(P2014-34885A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 慎吾
【審査官】
佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−132432(JP,A)
【文献】
特開2009−008021(JP,A)
【文献】
特開2010−031807(JP,A)
【文献】
特開2012−062807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中モータの下端に装着されたポンプケーシングに内装され、該水中モータ軸の導下先端部に異物の通過性を重視した羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の羽根車を装着した遠心式の水中モータポンプにおいて、該羽根車の主板が収まるような伏鉢状部が設けられたポンプケーシングの軸方向中央部は、該羽根車から吐出された揚液を集めて吐出し口へ導くため、半径方向に膨らんでボリュート形状の揚水流路に形成され、該ボリュート形状はボリュート巻き始めの始端部から水中モータ軸中心までの距離を羽根部外径の0.59ないし0.67倍とすることで、ボリュート巻き始め側の断面積を広くして円形形状に近付けたことにより、部分流量域におけるボリュート巻き始めと巻き終わりの断面積の差が小さくなることで揚水流路内の流速差を小さくし、該揚水流路と伏鉢状部を連通する、該主板の外側壁とそれに対向する伏鉢状部の内側壁との間には3mmないし10mmの環状隙間を設けると共に、該伏鉢状部の上端面とそれに対向する該主板上端面または上端部に装着された蓋上端面との間には6mm以上の軸方向隙間を設けることで、該軸方向隙間と環状隙間の連通機能により過大流量域においても全揚水流路内の流速差による不均衡圧力差を緩和するように構成したことを特徴とする、水中モータポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の水中モータポンプであって、前記羽根車が一枚羽根のノンクロッグポンプ用または一つの流路を持つブレードレスポンプ用の羽根車が用いられていることを特徴とする、水中モータポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維や固形物などの夾雑物を含んだ汚水などの揚送に適した、遠心式の水中モータポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の汚水などを揚送する遠心式のポンプには、流体中の繊維や固形物などの夾雑物が内部に詰らないような通路形状をもつ、JISB0131の用語の番号1323の定義と同付
図25に示された「ノンクロッグポンプ」や、羽根車が一つの流路で形成され、流入した固形物が内部に詰ることのないような構造の、JISB0131の用語の番号1325に定義された「ブレードレスポンプ」などの種々の遠心ポンプが知られており、このような遠心ポンプに用いられるポンプケーシングには回転に伴って羽根車から吐出される揚液を効率よく集めて吐出し口へ導くため、吐出し口に向かって徐々に断面積が大きくなる揚水流路を羽根車の吐出し口の外周に周方向に渦を巻いて形成された、JISB0131の用語の番号4102の定義や同付
図3に示された「渦巻ケーシング」が採用され、特に渦巻状の部分はJISB0131の用語の番号5101に定義された「ボリュート」と呼ばれ、JISB0131の用語の番号2105に定義された「最高効率点」となる、JISB0131の用語の番号2129に定義された「設計吐出し量」或いは、下記「ターボポンプ(新改訂版)」文献(以下、「文献A」という。)では「正規吐出し量」とも呼ばれる吐出し量に基づいて、下記文献Aの第68頁左欄5.2.1「ボリュート流れ」に記載の如く、ボリュート流れとも呼ばれる渦巻ケーシングの揚水流路内の流速が、ボリュートの巻き始めから巻き終わりの周方向の全てにおいて、該流速が一定となるようにボリュートの断面積が定められていることから、最高効率点より少ない吐出し量の運転域である、JISB0131の用語の番号2168に定義された「部分流量域」或いは、下記文献Aでは「低流量域」とも呼ばれる流量域では、前記正規(設計)吐出し量に基づいて定められているボリュートの断面積では、該正規(設計)吐出し量よりも少ない吐出し量の運転域である部分流量域の低流量運転においては、該ボリュートの断面積の比率ではボリュート巻き始めから巻き終わりに向かって次第に大きくなる広がり流路に構成されていることになることから、下記文献Aの第68頁上段の
図5.11「渦巻ポンプの羽根出口とボリュート内の流れおよび等価な流路」の(a)低流量の上のボリュート図に描画される周方向に時計回りに旋回する矢印の長さが巻き終わりに向かって短くなるように示されていることから、揚水流路内の流速が吐出し口に向かって漸次減速されることで、下記文献Aの第68頁右欄中段の
図5.12「ボリュート内の圧力の周方向変化」の線図のQ/Qn=0.10の特性曲線に示されるように、同図左側(θ°=0)の巻き始めから右側(θ°=360)の巻き終わりに向かって圧力は徐々に増加する。
【0003】
一方、「最高効率点」より多い吐出し量の運転域としてJISB0131の用語の番号2169に定義される「過大流量域」と呼ばれる流量域では、回転に伴って羽根車から吐出されて集められる揚液の量が前記正規(設計)吐出し量より多いため、前記正規(設計)吐出し量によって決定された「ボリュート」断面積に対する揚液の量の比率が吐出し口に向かって徐々に大きくなるため、下記文献Aの第68頁上段の
図5.11(c)過大流量の上のボリュート図に描画される時計回りに周方向に旋回する矢印の長さが巻き終わりに向かって長くなるように示されていることから、揚水流路内の流速が吐出し口に向かって漸次増速されることで、下記文献Aの第68頁右欄中段の
図5.12の線図のQ/Qn=1.28の特性曲線に示されるように、同図左側(θ°=0)の巻き始めから右側(θ°=360)の巻き終わりに向かって圧力は徐々に低下される。
【0004】
また、下記文献Aの第68頁上段の
図5.11の(b)正規流量の上のボリュート図に描画される周方向に時計回りに旋回する矢印の長さが巻き終わりに向かって同一に示されていることから、揚水流路内の流速が吐出し口に向かって全て同速であることから、下記文献Aの第68頁右欄中段の
図5.12「ボリュート内の圧力の周方向変化」の線図のQ/Qn=0.99の直線状の特性曲線に示されるように、同図左側(θ°=0)の巻き始めから右側(θ°=360)の巻き終わりに亘って圧力が一定化される。
【0005】
更に、下記文献Aの第69頁右欄下段の5.3.1「半径方向スラストおよび軸スラストの変動」の同第70頁左欄第6行目−11行目の記載および同第69頁右欄上段の
図5.15「半径方向スラストの流量に対する変化と変動成分」の線図に示されているように、Q/Q
n=1の正規流量において変動成分の幅(
図5.15の描画では最大Fr≒12で最少Fr≒0で、その差が12−0のFr=12)が最も小さく、次いで低流量Q/Q
n=0の変動成分の幅(
図5.15の描画では最大Fr≒48で最少Fr≒25で、その差が48−25のFr=23)であり、最大の過大流量Q/Q
n=1.4の変動成分の幅(
図5.15の描画では最大Fr≒60で最少Fr≒15で、その差が60−15のFr=45)であり、変動成分の幅(最大Fr−最少Fr)は正規流量<低流量<過大流量の順となっていることから、半径方向スラストの変動成分は安定した正規流量域を境に低流量域に比べて過大流量域の方が半径方向スラストが大きく作用しており、特に羽根枚数が少ない程、その半径方向スラストの作用力である変動が大きくなる。
【0006】
従って、前述の如く、ポンプの運転状態や羽根枚数に応じて生じるボリュート内圧力分布の不均一に起因する、JISB0131の用語の番号2194に定義された「半径方向スラスト」の作用方向は、下記文献Aの第68頁上段の
図5.11のボリュート図の中心の矢印で示されるように、該
図5.11の(a)低流量の部分流量域の低流量運転では、吐出し口を基準とした中心に対して左斜上から右斜下に向かって半径方向スラストが作用しているの対して、該
図5.11の(c)過大流量の過大流量域の過大流量運転では吐出し口を基準とした中心に対して右斜下からに左斜上向かって全く逆方向に半径方向スラストが作用され、該
図5.11の(b)正規流量の設計吐出し量域の正規流量運転ではボリュート内圧力分布は均一化されることから半径方向スラストは作用していないことになり、このように設計吐出し量以外のポンプ運転状況による半径方向スラストが振動や騒音の発生原因となっている。
【0007】
そして、単一の渦巻ケーシングの内部に渦巻方向に沿って部分仕切壁を設けて部分的にケーシング流路が分断される二重ボリュートに形成された、下記文献Aの第69頁右欄中段の
図5.16「半径方向スラストの釣り合わせ法」の(a)二重ボリュートにも示される、二重ボリュートのポンプケーシングを用いることで、前記半径方向スラストによる振動や騒音の発生を防止することは公知である(例えば、特許文献1参照。)。
<文献A:「ターボポンプ(新改訂版)」の出典の抜粋>
<文献A:「ターボポンプ(新改訂版)」第68頁の抜粋>
<文献A:「ターボポンプ(新改訂版)」第69頁の抜粋>
<文献A:「ターボポンプ(新改訂版)」第70頁の抜粋>
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−166499号公報 (
図1−
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、本発明者が検討した結果、前述のような従来の遠心ポンプには、以下のような課題があることが分かった。
【0010】
前記特許文献1および前記文献Aの第69頁右欄中段の
図5.16「半径方向スラストの釣り合わせ法」の(a)二重ボリュートの単一の渦巻ケーシングの内部に渦巻方向に沿って部分仕切壁を設けて部分的にケーシング流路が分断される二重ボリュートのポンプケーシングを用いたポンプにおいて、文献Aの第70頁左欄第25行目−28行目の「・・二重ボリュートでは羽根枚数を偶数枚にすると、羽根外径部と舌部との干渉が同時に二ヵ所で起こり圧力脈動が大きくなることがあるので、通常は奇数枚にする。」に記載されているように、羽根枚数が奇数枚の羽根車にしか適用できないという問題を有している。
【0011】
また、前記文献Aの第70頁左欄第6行目−11行目の「・・したがって半径方向スラストは、前節に述べた定常値のまわりに時間変動することになり、羽根枚数が少ないほど、また段当りの揚程が大きいほど変動が大きくなる。」に記載されているように、異物等が混入し得る汚水の排出に適しているノンクロッグポンプに用いられる羽根車は、異物の通過性を考慮して羽根枚数が少なくなっており、とくに羽根枚数が一枚の羽根車およびブレードレスポンプに用いられる羽根車のように一つの流路形状の羽根車においては、周方向の全てにおいて羽根車の出口流れが一様では無いため半径方向スラストの変動成分が大きくなり、半径方向スラストによる振動や騒音の発生を防止することができないという問題を有している。
【0012】
更にまた、繊維や固形物などの夾雑物を含んだ汚水などを揚送する場合には、ケーシング流路のボリュートが分断される二重ボリュートの構成では、必然的にケーシング流路の通過面積が狭くなり、ケーシングを通過する異物の異物通過粒径が半減するので、対応できる汚水の揚液に制限を受けると共に、二重ボリュートの内側の仕切壁と羽根車との間に夾雑物が詰まり易くなることから、羽根車の拘束(ロック)による過負荷やポンプ破損、性能低下、磨耗などの事故を招来するという問題を有している。
【0013】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、羽根車の羽根枚数が奇数枚に制約されることなく、特に異物等が混入し得る汚水の排出に適している羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の羽根車において、半径方向スラストによる振動や騒音の発生を防止し得ると共に、繊維や固形物などの夾雑物が詰まり難く、羽根車の拘束(ロック)による過負荷やポンプ破損、性能低下、磨耗などの事故が招来することのない、羽根車を備えた水中モータポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明者らは、前記課題を達成するために半径方向スラストを半減させるため羽根車の吐出し側に、渦巻ケーシングの中に仕切壁を設けて二重の流路を形成した二重渦巻ケーシング(JISB0131の用語の番号4103に定義)やそれに類する特許文献1の採用を検討した。
【0015】
しかし、異物等が混入し得る汚水の排出に適している、ノンクロッグポンプやブレードレスポンプに用いられる羽根車のような、殆どまたは全てにおいて羽根車の出口流れが一様では無い羽根車においては、羽根車自体で羽根車出口流れの影響による半径方向スラストの変動成分が大きいため、例え半径方向スラストの軽減に効果のある二重渦巻ケーシングを用いたとしても半径方向スラストの低減効果は殆ど無く、寧ろ逆に異物の詰りや絡みによるトラブルが発生したり、製造コストが高くなってしまうという不具合が生じる。
【0016】
前記文献Aの第69頁右欄上段の
図5.15「半径方向スラストの流量に対する変化と変動成分」の半径方向スラストの測定値線図に示されるように、部分流量域のQ/Qn=0.2の低流量において半径方向スラスト値Frが最も高いため、部分流量域における半径方向スラストを低減するため、ボリュート巻き始め(JISB0131の用語の番号5102に定義)と巻き終わりの揚水流路内の流速の差に着目して、部分流量域では前記文献Aの第68頁上段の
図5.11の(a)低流量に示されるようにボリュート巻き始めの流速は速く、巻き終わりは遅くなっており、ボリュート巻き終わり側は異物通過径や吐出し配管の口径により断面積が決まっている吐出し口へ接続されるため断面積を容易には変更できないため、ボリュート巻き始めの断面積を大きくして揚水流路内を通過する流速を減速させようと考えた。
【0017】
ボリュート巻き始めの断面積を大きくして揚水流路内を通過する流速を減速させるには、下記「ポンプとその使用法」文献(以下、「文献B」という。)の第158頁の
図4.72(b)に示されたポンプケーシングを同心円とした円形ケーシングとする方が設計的に容易であるが、ボリュート断面積が全周に亘って一定であるため速度エネルギを圧力に変換する効率が低下して、特に揚程の高い部分流量域でポンプ効率が低下するという問題があった。
<文献B:「ポンプとその使用法」の出典の抜粋>
<文献B:「ポンプとその使用法」第158頁の
図4.72抜粋>
【0018】
そこで、本願発明者らは最高効率点における正規(設計)吐出し量を用いて、渦巻ケーシングの揚水流路内の流速がボリュートの巻き始めから巻き終わりの全周に亘って一定となるように、ボリュートの断面積をボリュート基礎円に基づいて決定されるボリュート形状(以下、「従来設計手法」という。)を基にして、ボリュート巻き始め側の断面積を広くして円形状に近付けることで、揚水流路内を通過する流速を減速させて巻き始めと巻き終わりの流速差を小さくすると共に、前記ボリュート巻き始めを除いた従来設計手法によるボリュートの範囲で速度エネルギを圧力に十分に変換できることを見出したことにより、部分流量域における半径方向スラストの低減とポンプ効率の維持を両立し得ることが検証できた。
【0019】
なお、半径方向スラストが小さくなったかどうかは、ポンプに加速度計を複数取付けて振動値を測定し、その振動値が安定したときの値を計測して比較することで判断することができたが、環状隙間G1を1mmとして軸方向隙間G2は4mmに設定した状態において、前記従来設計手法を基にしてボリュート巻き始め側の断面積を広くして円形状に近付ける構成(以下、「本発明のボリュート形状」という。)だけでは、正規流量および過大流量域におけるボリュート巻き始めの流速をも減速させてしまうため、正規流量および過大流量域におけるボリュート巻き終わりとの流速の差は、前記従来設計手法の揚水流路内の流速が全周に亘って一定となるように設計されたボリュート形状で示されている、前記文献Aの第68頁上段の
図5.11の(b)正規流量および(c)過大流量の揚水流路内の巻き始めと巻き終わりとの流速差に比べて、本発明のボリュート形状の巻き始めと巻き終わりとの流速差の方が大きくなることから、段落0018記載の部分流量域の流速差を小さくしたことによる半径方向スラストの低減とは逆に、該流速差の大きくなる正規流量および過大流量域では、半径方向スラストが大きくなり振動の低減には全く効果がないという下記表1の結果となった。
<表1.本発明のボリュート形状による振動の低減効果およびポンプ揚程の維持効果>
【0020】
そして、前記表1の結果から正規流量および過大流量域の半径方向スラストを低減しようとして、従来設計手法のボリュート形状よりもボリュート巻き始めの断面積を狭くした場合には、前述とは逆に部分流量域において半径方向スラストが増加してしまうだけではなく、羽根部外径とボリュート巻き始めとの距離が近づくことにより圧力脈動が大きくなると共に、異物がボリュート巻き始めの始端部に詰まり易くなるという不具合を生ずる結果となったことから、ボリュートの断面積を変更して揚水流路内の周方向の流速差を調整する手法のみでは、相反する部分流量域と過大流量域の両方の半径方向スラストを低減することはできないことが検証できた。
【0021】
そこで、本願発明者らはボリュートの揚水流路内の周方向の流速差による不均衡圧力の発生部位が部分流量域や過大流量域によって相違することに対して、先ずボリュートの揚水流路内の圧力の高い部位から低い部位へ逃がす調圧路を設けることで、該揚水流路内の不均衡圧力差を緩和することを想到したが、前記不均衡圧力の発生部位の位置はポンプ運転状況の揚程と揚水量に応じて、該不均衡圧力の発生部位の位置が刻々と変位するため、該不均衡圧力の発生部位の位置を単純に特定して調圧路を設けるこができないことから、一度は該調圧路を設けることを断念しようとしたが、逆に発生部位の位置が特定できないのであれば、ボリュートの全周(360°)方向を対象にポンプ揚水特性が容認される範囲を、下記の如く試行錯誤を繰り返しながら検証を行なった。
【0022】
先ず、
図1に示すように調整確認が容易な羽根車下部の吸込口側は、側板の外側壁とそれに対向するポンプケーシング側壁で構成される側板環状隙間G3と側板の吸込口側端面とそれに対向するポンプケーシング端面との吸込口軸方向隙間G4を通って圧力の高い揚水流路から圧力の低い吸込口に向かって循環流れRが発生することで、側板環状隙間G3を広げ過ぎると回転部と静止部の隙間への異物の詰りや揚水流路内の圧漏れによる容認できないポンプ揚程の低下を引き起こすことが判明したことにより、羽根車下部の吸込口側の側板環状隙間G3と吸込口軸方向隙間G4の調整による、前記ボリュートの揚水流路内の圧力の高い部位から低い部位へ逃がす調圧路を設ける構成を断念した。
【0023】
次に、
図1に示すように羽根車上部の該羽根車の主板の外側壁とそれに対向する伏鉢状部の内側壁間の環状隙間G1を前記不均衡圧力が伝播する入口とし、該主板上端面と対向する伏鉢状部の上端面間の軸方向隙間G2で構成される空間8を調圧路とすることで、前記羽根車下部の吸込口側の調圧路の場合とは異なり、吸込口に向かう循環流れの圧漏れによる容認できないポンプ揚程の低下が発生することがないので、ボリュートの全周(360°)方向を対象にポンプ揚程の維持効果が確保できる構成を想到することができたことに加えて、該主板上端面と対向する伏鉢状部の上端面間の軸方向隙間G2で構成される空間8を広める点に着眼することで、調圧タンクのように圧力を調整する役割を発揮する相乗の調圧作用を狙って、従来にない新たな構成を想到するに至った。
【0024】
そして、前記相乗の調圧作用を狙った構成の実現に向かって、
図1に示すように羽根車上部の最適な前記環状隙間G1および軸方向隙間G2の寸法を求めるために、本発明のボリュート形状を用いて多くの検証実験を行い、前記不均衡圧力が伝播する入口の環状隙間G1が狭過ぎると羽根車の回転に伴って主板外側壁に同伴する旋回流が阻害要因となり、該軸方向隙間G2で構成される空間8への圧力の伝播が不十分となって、該空間8の圧力調整機能が働かないために振動の低減効果が発揮されず、逆に広過ぎると揚水流路と該空間8を循環する流量が多くなることで、該空間8内の流れが激しく乱されて圧力脈動が生じるために、該空間8の圧力調整機能が阻害されて振動の低減効果が小さくなると共に、特にポンプ揚程の高い部分流量域においてボリュート内圧力の漏れが多くなるため、ポンプ揚程が低下することが判明したことで、前記不均衡圧力が伝播する入口の最適環状隙間G1の寸法および前記空間8の容積を求めるために、前記本発明のボリュート形状を用いて環状隙間G1の変化による振動低減およびポンプ揚程維持の効果を、先ず軸方向隙間G2を8mmに設定した状態で、下記表2に示すように環状隙間G1を1mmから12mmまで順に1mm間隔毎に広げながら振動の低減効果とポンプ揚程維持の効果を確認し、環状隙間G1が2mm以下では環状隙間G1が狭過ぎて、空間8への圧力の伝播が不十分となって、該空間8の圧力調整機能が十分に働かないために振動の低減効果が発揮されず、また逆に環状隙間G1が11mm以上に広げれば、揚水流路と該空間8を循環する流量が多くなることで、該空間8内の流れが激しく乱されて圧力脈動が生じるために、該空間8の圧力調整機能が阻害されて振動の低減効果が小さくなると共に、特にポンプ揚程の高い部分流量域においてはボリュート内圧力の漏れが多くなるため、ポンプ揚程が顕著に低下したことで、下記表2の結果となった。
<表2.環状隙間G1の変化による振動の低減効果およびポンプ揚程の維持効果>
【0025】
次に、軸方向隙間G2の変化による振動低減およびポンプ揚程の維持効果を先ず環状隙間G1を7mmに設定した状態で、下記表3に示すように軸方向隙間G2を4mmから17mmまで順に1mm間隔毎に広げながら振動の低減効果とポンプ揚程の維持効果を確認し、軸方向隙間G2が5mm以下では空間8の容積が少な過ぎて、空間8の調圧タンクのような圧力調整機能が十分に発揮されずに、期待の振動の低減効果を得ることは出来なかったが、軸方向隙間G2が6mm以上では期待の振動の低減効果が得られたことで、下記表3の結果となった。
<表3.軸方向隙間G2の変化による振動の低減効果およびポンプ揚程の維持効果>
【0026】
そして、前記良好な効果が確認された表2と表3の太枠で示す、環状隙間G1を3mmから10mmと軸方向隙間G2を6mmから17mmの夫々1mm間隔毎に各隙間状態を組み合わせて、振動の低減効果とポンプ揚程の維持効果を検証した結果は、前記表2と3の太枠で示した効果と略同一の効果が得られることを確認すると共に、前記課題の異物通過性や磨耗性に対しても別途行った異物通過試験や磨耗試験において、環状隙間G1および軸方向隙間G2は狭小では無いと共に、揚水流路と前記空間を循環する流量が適切に制御されているので、当初懸念されていた揚液に混入する異物が環状隙間G1および軸方向隙間G2へ詰ることも前記空間へ滞留することもほとんど無く、また、磨耗粒子による過度の磨耗が無いことを確認した。
【0027】
以上のように、試行錯誤の末に辿り着いた構成に基づいた、具体的手段は以下の通りです。
【0028】
本発明の請求項1に係る発明では、水中モータの下端に装着されたポンプケーシングに内装され、該水中モータ軸の導下先端部に異物の通過性を重視した
羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の羽根車を装着した遠心式の水中モータポンプにおいて、該羽根車の主板が収まるような伏鉢状部が設けられたポンプケーシングの軸方向中央部は、該羽根車から吐出された揚液を集めて吐出し口へ導くため、半径方向に膨らんでボリュート形状の揚水流路に形成され、該ボリュート形状は
ボリュート巻き始めの始端部から水中モータ軸中心までの距離を羽根部外径の0.59ないし0.67倍とすることで、ボリュート巻き始め側の断面積を広くして円形形状に近付けたことにより、部分流量域におけるボリュート巻き始めと巻き終わりの断面積の差が小さくなることで揚水流路内の流速差を小さくし、該揚水流路と伏鉢状部を連通する、該主板の外側壁とそれに対向する伏鉢状部の内側壁との間には3mmないし10mmの環状隙間を設けると共に、該伏鉢状部の上端面とそれに対向する該主板上端面または上端部に装着された蓋上端面との間には6mm以上の軸方向隙間を設けることで、該軸方向隙間と環状隙間の連通機能により、過大流量域においても全揚水流路内の流速差による不均衡圧力差を緩和するように構成されていることを最も主要な特徴とする。
【0029】
本発明の請求項1の水中モータポンプにおいて、本発明の請求項2に係る発明は、前記羽根車が一枚羽根のノンクロッグポンプ用または一つの流路を持つブレードレスポンプ用の羽根車が用いられている。
【発明の効果】
【0030】
請求項1の発明に係る水中モータポンプによれば、
図1と
図2に示すように水中モータの下端に装着されたポンプケーシングに内装され、該水中モータ軸の導下先端部に異物の通過性を重視した
羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の羽根車を装着した遠心式の水中モータポンプにおいて、該羽根車の主板が収まるような伏鉢状部が設けられたポンプケーシングの軸方向中央部は、該羽根車から吐出された揚液を集めて吐出し口へ導くため、半径方向に膨らんでボリュート形状の揚水流路に形成され、該ボリュート形状は
ボリュート巻き始めの始端部から水中モータ軸中心までの距離を羽根部外径の0.59ないし0.67倍とすることで、ボリュート巻き始め側の断面積を広くして円形形状に近付けたことにより、部分流量域におけるボリュート巻き始めと巻き終わりの断面積の差が小さくなることで揚水流路内の流速差を小さくしたことで、前記表1に示すようにポンプ揚程の高い部分流量域において、半径方向スラストの低減による振動の低減効果と、ボリュート内圧力の漏れが低減されることによりポンプ揚程が下がることなく維持される、即ちポンプ効率が維持される効果を奏すると共に、該揚水流路と伏鉢状部を連通する、該主板の外側壁とそれに対向する伏鉢状部の内側壁との間には3mmないし10mmの環状隙間を設けると共に、該伏鉢状部の上端面とそれに対向する該主板上端面または上端部に装着された蓋上端面との間には6mm以上の軸方向隙間を設けることで、該軸方向隙間と環状隙間の連通機能により、過大流量域においても全揚水流路内の流速差による不均衡圧力差が緩和されることで、環状隙間内の羽根車の回転に伴って主板外側壁に同伴する旋回流の阻害要因の抑制と、該軸方向隙間で構成される空間8への適正な圧力の伝播の確保による空間の有効な圧力調整機能と、空間内の適正な循環流量による該空間内の流れが激しく乱されることがないことから圧力脈動等を抑制する作用効果によって、前記文献Aの第68頁上段の
図5.11の「(a)低流量の部分流量域」と「(b)正規流量の設計吐出し量」および「(c)過大流量の過大流量域」に示される、夫々異なった半径方向スラストの作用特性の各流量域に対して、従来対応が不可能とされていた全ての該流量域において、前記表2および表3に示すように振動の低減とポンプ揚程の維持の効果を有することに加えて、前記従来品の二重渦巻ケーシングのように揚水流路内に余計な突起や狭隘部はないので、汚水に混入した異物等による詰りや絡みによるトラブルが発生し難いという利点も有している。
【0031】
本発明の請求項1に基づいた請求項2の発明に係る水中モータポンプによれば、
図1と
図2に示すように前記羽根車が一枚羽根のノンクロッグポンプ用または一つの流路を持つブレードレスポンプ用の羽根車が用いられることで、羽根車自体の異物の絡みや詰りを防止しつつ異物通過径を大きくすることが出来るので、前記効果の異物等による詰りや絡みによるトラブル発生の効果をより一層向上し得るという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の実施例1の水中モータポンプの構成を示した縦断側面図である。
【
図2】
図1のS1−S1線における、ポンプケーシングのボリュート形状を示した断面矢視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の水中モータの下端に装着されたポンプケーシングに内装され、該水中モータ軸の導下先端部に異物の通過性を重視した
羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の羽根車を装着した遠心式の水中モータポンプにおいて、該羽根車の主板が収まるような伏鉢状部が設けられたポンプケーシングの軸方向中央部は、該羽根車から吐出された揚液を集めて吐出し口へ導くため、半径方向に膨らんでボリュート形状の揚水流路に形成され、該ボリュート形状は
ボリュート巻き始めの始端部から水中モータ軸中心までの距離を羽根部外径の0.59ないし0.67倍とすることで、ボリュート巻き始め側の断面積を広くして円形形状に近付けたことにより、部分流量域におけるボリュート巻き始めと巻き終わりの断面積の差が小さくなることで揚水流路内の流速差を小さくし、該揚水流路と伏鉢状部を連通する、該主板の外側壁とそれに対向する伏鉢状部の内側壁との間には3mmないし10mmの環状隙間を設けると共に、該伏鉢状部の上端面とそれに対向する該主板上端面または上端部に装着された蓋上端面との間には6mm以上の軸方向隙間を設けることで、該軸方向隙間と環状隙間の連通機能により過大流量域においても全揚水流路内の流速差による不均衡圧力差を緩和するように構成される実施形態として、以下の如く本願発明の実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施例の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0034】
図1と
図2において、1は水中モータポンプのモータであり、2は該水中モータ1からから導下されメカニカルシールMを装着しながらオイル室3を貫通して水中モータポンプのポンプケーシング7内に導出された水中モータ軸であり、該モータ軸2の導出端に
異物の通過性を重視した羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の羽根車4を装着し、該羽根車4の下端面は吸込口軸方向隙間G4を介してマウスリング13の上端面と対向し、該マウスリング13の内周側には吸水用の水中モータポンプの吸込口9が開設され、該吸込口9からの吸水は羽根車4内の通水路を経由して、該羽根車4を囲繞し主板4aおよび側板4fの外周面と環状隙間G1および側板環状隙間G3を介して対向するポンプケーシング7の上下内周壁の上下間に形成された、本発明のボリュート形状7hである揚水流路7a内に吐出され、該揚水流路7aを周回したのちポンプケーシング7の吐出し口7iより排水されるよう構成されており、
図2示すように本発明のボリュート形状7hはボリュート巻き始め7e位置の始端部を0°として、該羽根車4の回転方向に135°ないし225°回転した位置を超える範囲において、前記従来設計法によるボリュート形状7gであり、該従来設計法によるボリュート形状7gはボリュート基礎円D3に対して最高効率点における正規(設計)吐出し量でボリュート基礎円D3外側の渦巻ケーシングの揚水流路7a内の流速が周方向に一定となるようボリュートの断面積が決定される手法であり、したがって前記範囲においては流速の増減によって生じる損失を低減でき、ボリュート基礎円D3は一般的なポンプの設計では遠心(半径流)形ポンプにおいて、下記「ターボ機械―入門偏―」(以下、「文献C」という。)の第73頁の
図3.1に示された比速度n
S=100ないし300程度であるので、下記「うず巻ポンプの設計」(以下、「文献D」という。)の第76頁の
図4・2および式4・3に示されるように図の横軸である比速度n
Sが100であるときの係数K
D5は0.05であり、比速度n
Sが300であるときの係数K
D5は0.13となるので文献Dの式4・3よりボリュート基礎円D3は羽根部4hの外径D2の1.05ないし1.13倍程度の大きさとなり、前記流速が周方向に一定である前記範囲より上流側の範囲ではボリュート巻き始め7eの始端部に向かって揚水流路7a内の流速が漸次減速するように、
図2の二点鎖線で示される該従来設計法によるボリュート形状7gに対してボリュートの断面積が広くなるよう決定され、望ましくは本発明のボリュート巻き始め7eの始端部から水中モータ軸2中心までの距離Cは羽根部外径D2の0.59ないし0.67倍程度とすれば、部分流量域におけるボリュート巻き始め7eと巻き終わり7fの揚水流路7a内の流速差が小さくなり、ボリュート巻き始め7eの始端部には揚水流路内の異物が絡まり難いように大きく丸取りがなされており、前記流速が周方向に一定である前記範囲の上流端より上流側の範囲の断面積は前記上流端の断面積以下とすることで、過大流量域におけるボリュート巻き始め7eと巻き終わり7fの揚水流路内の流速差の増加および効率の低下を極力抑え、羽根車4の主板4aには凹部4bが形成されて、該凹部4bの中心部分には水中モータ軸2を取付けるためのボス部4eが設けられ、該凹部4bの外周縁には該凹部4bを覆う蓋5を取付けるための環状溝4gが設けられ、該環状溝4gと蓋5で構成される隙間を封水するシール材11を備え、該蓋5の中心部分にボス部4e外縁よりも大きな孔5aを形成し、該孔5aはボス部4eの外縁よりも大きく形成されることで凹部4bに水を導入して空気を排出するための環状の隙間6を形成し、望ましくは該隙間6を水中モータ軸2の回転中心より偏心状に構成することで凹部4b内への水の導入と空気の排出を積極的に行うことができ、好ましくは該蓋上端面5cが主板上端面4dと略同一となるように環状溝4gの軸方向深さが形成されれば、該隙間6への水の流入と揚水流路7aへの空気の排出をよりスムーズに行え、該蓋5は環状溝4gと複数の蓋締結具12にて固定され、望ましくは該蓋締結具12になべこねじを採用すれば頭部が半球状なので蓋締結具12への長尺異物の絡みつきも抑制することができ、該蓋締結具12の羽根車回転方向に対する下流側には気中運転時に凹部4b内の水を排出するための水抜き孔5bが形成されており、該ポンプケーシング7には主板4aが収まるような伏鉢状部7bが設けられ、主板外側壁4cとそれに対向する伏鉢状部7bの内側壁7cとの間を3mmないし10mmの環状隙間G1に形成すれば、ポンプ効率の低下を抑えながら該本発明のボリュート形状7hでは低減できない過大流量域における揚水流路7a内の流速差によって発生する周方向の不均衡圧力Pの差を主板上端面4dとそれに対向する該伏鉢状部7bの上端面7dおよび蓋上端面5cで構成される空間8へ伝播させ、望ましくは該環状隙間G1を5mmないし9mmに形成すれば、前記周方向の不均衡圧力Pの差が半径方向スラストの低減に必要な分だけ空間8へ伝播させ、該伏鉢状部7bの上端面7dとそれに対向する主板上端面4dまたは蓋上端面5cとの間には6mmないし17mmである軸方向隙間G2を形成すれば、空間8へ伝播させた前記周方向の不均衡圧力Pの差が空間8の調圧機能により緩和され、好ましくは軸方向隙間G2を8mmないし17mmで形成すれば、前記周方向の不均衡圧力Pの差がより効果的に緩和されるように構成されている。
<文献C:「ターボ機械―入門偏―」の出典の抜粋>
<文献C:「ターボ機械―入門偏―」第73頁の抜粋>
<文献D:「うず巻ポンプの設計」の出典の抜粋>
<文献D:「うず巻ポンプの設計」第76頁の抜粋>
【実施例2】
【0035】
前記実施例1に基づいて、
図1と
図2を用いて説明すると、前記羽根車4が一枚羽根のノンクロッグポンプ用または一つの流路を持つブレードレスポンプ用の羽根車が用いられて構成されて
いるが、異物の通過性を重視した
羽根枚数が一枚或いは一つの流路形状の遠心式の羽根車に適用しても良く、また、オープン形の羽根車においても、本発明の技術思想による作用効果が損なわれることは無い。
【符号の説明】
【0036】
1 水中モータ
2 水中モータ軸
3 オイル室
4 羽根車
4a 主板
4b 凹部
4c 主板外側壁
4d 主板上端面
4e ボス部
4f 側板
4g 環状溝
4h 羽根部
5 蓋
5a 孔
5b 水抜き孔
5c 蓋上端面
6 隙間
7 ポンプケーシング
7a 揚水流路
7b 伏鉢状部
7c 内側壁
7d 上端面
7e ボリュート巻き始め
7f ボリュート巻き終わり
7g 従来設計法のボリュート形状
7h 本発明のボリュート形状
7i 吐出し口
8 空間
9 吸込口
11 シール材
12 蓋締結具
13 マウスリング
C 本発明のボリュート巻き始め始端部から水中モータ軸中心までの距離
D2 羽根部外径
D3 ボリュート基礎円
G1 環状隙間
G2 軸方向隙間
G3 側板環状隙間
G4 吸込口軸方向隙間
M メカニカルシール
P 不均衡圧力
R 循環流れ