(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透明基板上に成膜した、少なくとも遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ、透光部又は半透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は0度以上90度以下であり、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスク。
前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B/2、かつA≦C/2を満たすことを特徴とする、請求項2記載の表示装置製造用フォトマスク。
透明基板上に成膜した半透光膜と遮光膜とをパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部と、半透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ半透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は90度以下であり、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスク。
前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B、かつA≦Cを満たすことを特徴とする、請求項4記載の表示装置製造用フォトマスク。
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±2次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射しないように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか記載の表示装置製造用フォトマスク。
前記ピッチPは、前記露光機の解像限界がB(μm)であるとき、0.7B≦P≦1.3Bであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか記載の表示装置製造用フォトマスク。
前記遮光部は、光学濃度ODが3以上の実質的遮光性、又は、露光光の透過率が20%以下の一部透過性を有し、かつ、前記一部透過性を有する場合には、露光光に対する位相シフト量が90度以下であることを特徴とする、請求項1〜8に記載の表示装置製造用フォトマスク。
透明基板上に成膜した、少なくとも遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ、透光部又は半透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は0度以上90度以下であり、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とし、前記転写用パターンを被転写体上に等倍露光するとき、前記主パターンの透過光が、被転写体上に形成する光強度分布を示す光強度分布曲線において、主ピークと、前記主ピークに最も近い、第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をQ(μm)とし、前記主ピークから2番目に近い第2サブピークと前記第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をR(μm)とするとき、
Q ≦ P ≦ R ・・・ (1)
であることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスク。
前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B/2、かつA≦C/2を満たすことを特徴とする、請求項15記載の表示装置製造用フォトマスク。
透明基板上に成膜した、半透光膜と遮光膜とをパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部と、半透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ半透光部からなる補助パターンとを有することを特徴とする、請求項14に記載の表示装置製造用フォトマスク。
前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B、かつA≦Cを満たすことを特徴とする、請求項17記載の表示装置製造用フォトマスク。
前記遮光部は、光学濃度ODが3以上の実質的遮光性、又は、露光光の透過率が20%以下の一部透過性を有し、かつ、前記一部透過性を有する場合には、露光光に対する位相シフト量が90度以下である、請求項14〜22のいずれか1項に記載の表示装置製造用フォトマスク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載の発明が属する、半導体装置製造用フォトマスクの分野では、解像性を得るために、高NA(例えば0.2以上)の光学系とともに、位相シフト作用を利用した位相シフトマスクを開発してきた経緯がある。位相シフトマスクは、単一波長であって、かつ比較的、波長の短い光源(KrFやArFのエキシマレーザーなど)とともに用いられている。これによって、高集積化及びそれに伴うパターンの微細化に対応してきたのである。
【0006】
その一方、表示装置製造用のリソグラフィ分野では、解像性向上や焦点深度拡大のために、上記のような手法が適用されることは、一般的ではなかった。この理由としては、表示装置における、パターンの集積度や、微細さが半導体製造分野ほどではなかったことが挙げられる。
【0007】
実際、表示装置製造用の露光機(一般にはLCD露光装置、或いは液晶露光装置などとして知られる)に搭載される光学系や光源も、半導体装置製造用のものとは大幅に異なり、解像性や焦点深度より、生産効率(例えば、光源の波長域を広げて光量を大きくし、生産タクトを短縮するなど)が重視されてきた。
【0008】
ところで、液晶、有機EL等を用いた表示装置の製造の際には、必要なパターニングが施された、複数の導電膜や絶縁膜を積層することによってトランジスタなどの素子を形成している。これらの積層構造において、成膜及びパターニングを適宜繰り返し、積層される膜の個々に対して、フォトマスクを用い、フォトリソグラフィ工程を適用してパターニングする工程を利用することが多い。
【0009】
例えば、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、「TFT」と略記する)でいえば、TFTを構成する複数のパターンのうち、パッシベーション層(絶縁層)に形成されたコンタクトホールが、絶縁層を貫き、その下層側にある接続部に導通する構成を有するものがある。この際、上層側と下層側のパターンが正確に位置決めされ、かつ、コンタクトホールの形状が確実に形成されていなければ、表示装置の正しい動作が保証されない。
【0010】
こうした表示装置の最近の動向としては、明るく、精細な画像を、十分な動作速度をもって表示し、かつ、消費電力を低減させるニーズが高まっている。こうした要求を満たすため、表示装置の構成部品や素子は、益々微細化し、高集積化することが求められる。これに伴い、これらの製造に用いられるフォトマスクが備える転写用パターンのデザインも微細化している。
【0011】
フォトマスクの転写用パターンが微細化すると、これを正確に被転写体(エッチング加工しようとする薄膜等)に転写する工程は困難になる。転写の工程に現実に使用されている露光機の解像限界は3μm程度とされているが、表示デバイスに必要な転写用パターンの中には、CD(線幅)が、既にこれに近づくか、或いはこれを下回る寸法のものが必要となっている。
【0012】
例えば、コンタクトホールなどに適用される、ホールパターンをもつフォトマスクを使用し、これを被転写体上に転写することを考える。径が3μmを超えるホールパターンであれば、従来より、それほど困難なく転写することが可能であった。しかしながら、3μm以下のホールパターンを転写しようとすると、被転写体上で面内均一に、確実にホールを形成できるような、精度の高い転写は容易ではなかった。まして、2.5μm以下の径をもつホールの形成には、大きな困難があった。
【0013】
この主な理由は、転写に用いる露光機の性能上の制約である。上記のとおり、現行の多くのLCD露光機は、i線、h線、g線を含む波長域(以下、ブロード波長とも言う)を用いており、上述のとおり解像限界としては、3μm程度である。この状況下で、例えば、フォトマスクの転写用パターンにおいて、径が2.5μm以下、更には、径が2.0μm以下のホールパターンを形成するには、当然困難がある。しかし、近い将来、これを下回る1.5μm以下の径をもつパターンの転写も望まれると考えられる。
【0014】
ところで、これまで半導体装置製造の目的で開発されてきた、解像性向上のための手法を、表示デバイス製造にそのまま適用することには、いくつかの問題があり、少なくとも近い将来にこれを行う現実性はあまり大きくない。例えば、半導体製造用のような高NA(開口数)をもつ露光機への転換には、大きな投資が必要になり、表示装置の価格との整合性に齟齬が生じる。或いは、露光波長の変更(ArFエキシマレーザーのような短波長を、単一波長で用いる)については、比較的大面積をもつ表示装置への適用が困難であったり、製造タクトが延長しやすい問題の他、やはり相当の投資を必要とする点で不都合である。
【0015】
そこで、本発明者は、露光機の性能のみに依存するのではなく、フォトマスクの転写用パターンに工夫を加えることにより、3μm未満のパターンであっても、精度高く、確実に転写できる方法を検討した。
【0016】
発明者らの検討によると、微細径のパターンが、確実に転写できないことの要因のひとつとして、以下の点が考えられる。
【0017】
フォトマスク基板の転写用パターン面が、理想的な平面でなく、また、被転写体も理想的な平面ではない。更に、露光機の光学系のフォーカスエラー成分があるため、必ずしもジャストフォーカス状態で転写が行われる訳ではない。表示装置製造用のフォトマスクの面積は様々であるが、一般的に半導体用より大きく(例えば一辺が300mm以上の方形)、更に、被転写体(表示パネル生産用ガラスなど)は更に大面積(例えば一辺が1000mm以上の方形)であるから、これら表面の凹凸がたとえあっても、デフォーカスによる転写性への影響が小さいことが肝要である。すなわち、露光時のフォーカスマージン(フォーカスずれに対する裕度)が大きくなるようなフォトマスクが求められる。
【0018】
本発明はこのような課題を解決するべくなされた。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。本発明は、下記の構成1〜15であることを特徴とする表示装置製造用フォトマスク、及び下記の構成16であることを特徴とするパターン転写方法である。
【0020】
(構成1)
本発明の構成1は、透明基板上に成膜した、少なくとも遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ、透光部又は半透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は0度以上90度以下であり、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクである。
【0021】
(構成2)
本発明の構成2は、透明基板上に成膜した遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、露光により解像しない幅をもつ透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光には、互いに実質的に位相差がなく、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクである。
【0022】
(構成3)
本発明の構成3は、前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B/2、かつA≦C/2を満たすことを特徴とする、構成2の表示装置製造用フォトマスクである。
【0023】
(構成4)
本発明の構成4は、透明基板上に成膜した半透光膜と遮光膜とをパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部と、半透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ半透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は90度以下であり、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクである。
【0024】
(構成5)
本発明の構成5は、前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B、かつA≦Cを満たすことを特徴とする、構成4の表示装置製造用フォトマスクである。
【0025】
(構成6)
本発明の構成6は、前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±2次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射しないように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、構成1〜5のいずれかの表示装置製造用フォトマスクである。
【0026】
(構成7)
本発明の構成7は、前記補助パターンは、前記主パターンを囲んで形成されていることを特徴とする、構成1〜6のいずれかの表示装置製造用フォトマスクである。
【0027】
(構成8)
本発明の構成8は、前記ピッチPは、前記露光機の解像限界がB(μm)であるとき、0.7B≦P≦1.3Bであることを特徴とする、構成1〜7のいずれかの表示装置製造用フォトマスクである。
【0028】
(構成9)
本発明の構成9は、透明基板上に成膜した、少なくとも遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ、透光部又は半透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は0度以上90度以下であり、
前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とし、前記主パターンの透過光が、被転写体上に形成する光強度分布を示す光強度分布曲線において、主ピークと、前記主ピークに最も近い、第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をQ(μm)とし、前記主ピークから2番目に近い第2サブピークと前記第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をR(μm)とするとき、
Q ≦ P ≦ R ・・・ (1)
であることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクである。
【0029】
(構成10)
本発明の構成10は、透明基板上に成膜した、遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さく、かつ、露光により解像しない幅をもつ透光部からなる補助パターンとを有し、
前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光には、互いに実質的に位相差がないことを特徴とする、
構成9の表示装置製造用フォトマスクである。
【0030】
(構成11)
本発明の構成11は、前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B/2、かつA≦C/2を満たすことを特徴とする、構成10の表示装置製造用フォトマスクである。
【0031】
(構成12)
本発明の構成12は、透明基板上に成膜した、半透光膜と遮光膜とをパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部と、半透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、
前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、
前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ半透光部からなる補助パターンとを有することを特徴とする、
構成9の表示装置製造用フォトマスクである。
【0032】
(構成13)
本発明の構成13は、前記補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B、かつA≦Cを満たすことを特徴とする、構成12の表示装置製造用フォトマスクである。
【0033】
(構成14)
本発明の構成14は、前記補助パターンの幅をA(μm)とするとき、
Q ≦ P±(A/2) ≦ R ・・・ (2)
であることを特徴とする、構成9〜13のいずれかの表示装置製造用フォトマスクである。
【0034】
(構成15)
本発明の構成15は、前記補助パターンは、前記主パターンを囲んで形成されていることを特徴とする、構成9〜14のいずれかの表示装置製造用フォトマスクである。
【0035】
(構成16)
本発明の構成16は、パターン転写方法であって、
構成1〜15のいずれかの表示装置製造用フォトマスクを用い、表示装置用露光機によって被転写体上にパターン転写することを特徴とする、パターン転写方法である。
【発明の効果】
【0036】
本発明のフォトマスクによれば、表示装置を製造するために、フォトマスクのもつ転写用パターンを転写する際、フォーカスマージン(フォーカスずれに対する裕度)を拡大した条件で転写が行える。従って、フォトマスクや被転写体の平坦度や露光光学系のフォーカシング状態の影響を受けにくく、安定して、所望寸法のパターンが転写できる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明のフォトマスクは、表示装置製造用のフォトマスクとして、既存の露光機を使用しつつ、従来不可能であった微細なパターンを転写可能なフォトマスクであり、具体的には、露光時のフォーカスずれに対する裕度(マージン)が大きい。
【0039】
本発明によるフォトマスクは、透明基板上に成膜した、少なくとも遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ、透光部又は半透光部からなる補助パターンとを有し、前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は0度以上90度以下であり、前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されている。
【0040】
本発明による第1のフォトマスクは、補助パターンが透光部からなることができる。すなわち、本発明による第1のフォトマスクは、透明基板上に成膜した遮光膜をパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、前記主パターンの周辺に配置された、露光により解像しない幅をもつ透光部からなる補助パターンとを有し、前記主パターンを透過した露光光と、前記補助パターンを透過した露光光には、互いに実質的に位相差がなく、前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによって生じる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする。
【0041】
本発明による第1のフォトマスクでは、主パターン及び補助パターンが、いずれも透光部からなる。従って、主パターン及び補助パターンのいずれも、透明基板表面が露出したものとすることができ、両者相互に位相差が実質的に存在しない。
【0042】
但し、主パターン及び補助パターンのいずれかに、何らかの機能を有する膜を設けた場合にあっても、両者の位相差が実質的にない。実質的に位相差がないとは、位相差が30度以下であることをいう。本明細書で「位相差」とは、両者の位相の差の絶対値をいう。すなわち、「位相差が30度以下」とは、両者の位相の差が±30度の範囲である。
【0043】
この第1のフォトマスクは、例えば
図1に例示するような構成とすることができる。
【0044】
本発明は、径が4μm以下のホールパターンを、被転写体上に形成するためのフォトマスクとして有用なものである。特に、径が、使用される露光機の解像限界以下、具体的には3μm以下の主パターンを被転写体上に形成することに有利である。更には、2.5μm以下、或いは、2.0μm以下の主パターンを形成する場合に、特に発明の効果が顕著である。被転写体上の主パターンの径は1μm以上であることが好ましい。
【0045】
このため、フォトマスクの有する転写用パターンも、上記のような微細径の主パターンを有する。つまり、転写用パターンの主パターンの径は、4μm以下であり、好ましくは、3μm以下、更には2.5μm以下、更に好ましくは2.0μm以下である。転写用パターンの主パターンの径は、1μm以上であることが好ましい。
【0046】
本発明により、被転写体上のフォトレジスト膜に対し、フォトマスクの有する転写用パターンがもつ主パターンの径とは異なる径の主パターンを形成しても良い。例えば、フォトマスクの有する転写用パターンの主パターン径よりも、小さな径をもつ主パターンを、被転写体上のフォトレジスト膜に形成することができる。
【0047】
尚、
図1に示すフォトマスクでは、主パターンが正方形である。但し、主パターンの形状はこれに限定されず、円や多角形、例えば正2n角形(nは2以上の整数)であることができる(
図3参照)。ここで、主パターンの径とは、主パターンが
円形のときはその直径、正方形のときはその一辺の長さ、その他の多角形のときは、内接円の直径とする。
【0048】
転写用パターンの補助パターンは、主パターンの周辺に配置される。好ましくは、主パターンの周囲を囲んで形成される。補助パターンの好ましい形状については後述する。
【0049】
一方、転写用パターンの補助パターンの幅は、主パターンの径よりも小さく、かつ、露光機によって解像されない幅である。従って、補助パターンの幅は、3μm以下であることが好ましい。また、補助パターンの幅は、0.5μm以上であることが好ましい。補助パターンの幅の決定は、例えば以下のように行える。
【0050】
まず、転写用パターンの補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B/2、かつA≦C/2を満たすことが好ましい。
【0051】
具体的には、転写用パターンの主パターンの径C(μm)が露光機の解像限界B(μm)以上の寸法である場合には、転写用パターンの補助パターンの幅A(μm)は、露光機の解像限界B(μm)の1/2以下であることが好ましい。補助パターンの幅A(μm)は、より好ましくは露光機の解像限界B(μm)の1/3以下であり、更に好ましくはB/5≦A≦B/3である。
【0052】
他方、転写用パターンの主パターンの径C(μm)が露光機の解像限界B(μm)未満の寸法である場合には、補助パターンの幅A(μm)は、主パターン径C(μm)の1/2以下であることが好ましい。補助パターンの幅A(μm)は、より好ましくは主パターン径C(μm)の1/3以下であり、更に好ましくはC/5≦A≦C/3である。
【0053】
補助パターンの幅が大きすぎると、補助パターンが解像し、被転写体上に転写されてしまうリスクがあり、後述するレジストロスの原因となりやすい。また、補助パターンの幅が小さすぎると、後述する効果が不十分になると共に、寸法精度が得にくい。
【0054】
補助パターンの幅A(μm)は、0.5μm以上であることが好ましい。これは、0.5μm以下の線幅(CD)をもつパターンは、フォトマスク製造時の描画やフォトレジストの現像(以下、フォトレジストを、単にレジストともいう)、及びエッチングプロセスにおいて、均一に形成することが容易でないからである。
【0055】
具体的なパラメータの例としては、径が2〜4μmの孤立したホールを、被転写体上に形成しようとする場合、転写用パターンの主パターンの径C(μm)を2〜4μmとし、補助パターン幅は0.5〜1.5μm、ピッチPを3〜5μmの範囲とすることができる。このとき使用する露光機は、LCD用の露光機である。従って、補助パターンの幅は、露光機の解像限界以下の寸法となる。
【0056】
本発明のフォトマスクを用いて、転写用パターンを転写する際に用いる露光機としては以下のものが挙げられる。すなわち、表示装置製造用(LCD用或いはFPD用など)として使用される等倍露光用の露光機であり、その構成は、光学系の開口数(NA)が0.08〜0.10、コヒーレンスファクター(σ)が0.7〜0.9、i線、h線、g線を露光光に含む光源(ブロード波長光源ともいう)をもつものである。特に光学系の開口数NAが0.08〜0.09、又は0.08〜0.095であるときに、発明の効果が顕著である。
【0057】
また、本発明のフォトマスクは、補助パターンによって生じる回折光を効果的に利用するため、コヒーレンスファクターが比較的大きい(例えば、0.85〜0.9)場合に、特に効果が顕著である。
【0058】
但し、本発明のフォトマスクの露光には、i線、h線、g線のいずれかの単一波長を用いてもよい。尚、本発明はブロード波長光源を用いても、微細径のホールパターンが確実に転写可能である点において意義が大きい。これにより、被転写体の面積が大きく(例えば、一辺が300mm以上の方形など)なっても、生産効率を下げずに露光が行える。
【0059】
適用する露光機の光源形状に特に制約はない。例えば、光源から出射される照明光のうち、フォトマスクに対する垂直成分をカットする目的の変形照明(輪帯照明を含む斜入射照明)を適用することにより、良好な転写性が得られる。但し、本発明は、特定の出射光成分を制限しない一般的な形状(非変形)の照明(水銀ランプなど)でも、本発明の効果が得られ、この点で本発明の意義が大きい。
【0060】
露光機の解像限界とは、露光機が有する光学系の仕様、及び用いる所定の光源を含む露光条件のもとで、該露光機が解像できる最小の幅をいう。露光機の解像限界は、個々の露光機の製品の仕様とひとつとして、公表されている場合が多い。例えば、一般に、表示装置製造用(LCD用或いはFPD用など)としての露光機において、i線、h線、g線を含む露光光源を用いたときの解像限界は、3μm程度である。
【0061】
図1に示す第1のフォトマスクは、透明基板上に形成した遮光膜を、フォトリソグラフィ工程によってパターニングし、形成したものである。中央に、主パターンとして正方形のホールパターンが配置されている。主パターンの部分は、透明基板が露出した透光部として形成されている。また、この主パターンの周辺に、細幅の補助パターンが設けられ、この補助パターンが主パターンを取り囲んで配置されている。補助パターンも、透明基板が露出した透光部として形成されている。従って、主パターン及び補助パターンを透過する露光光は、互いに位相差がない。
【0062】
主パターンの中心と、補助パターンの幅の中心との距離を、ピッチP(μm)とする。このピッチPは、以下のように設計される。すなわち、このフォトマスクを上記露光機にセットし、露光したとき、主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによって生じる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されている。
【0063】
±1次の回折光が入射するとは、+1次と−1の両方が入射することを意味する。±1次より次数の大きい回折光(例えば±2次回折光)が、露光機の光学系に入射するようなピッチPの設定でも構わない。但し±1次の回折光は、後述するフォーカスマージンを拡大する効果が最も高いため、実質的に±2次又はそれより次数の大きな回折光が入射しない条件でピッチPを設計することが好ましい。すなわち±1次回折光が、露光機の光学系に入射し、かつ、この±1次光の回折角が十分に大きく、その干渉効果が大きく活かせるようなピッチPの設計が好ましい。±2次回折光が入射する場合、主パターンと補助パターンとが離れすぎて、干渉の力が弱まる傾向がある。
【0064】
尚、ゼロ次光が露光機の光学系に入射してもよい。但し、フォーカスマージンの拡大(焦点面の変動に対して、像の劣化が小さい)という効果に寄与するのは±1次光以上であるから、この回折光に対して、光学系に入射するゼロ次光が有る場合にはその強度は、±1次回折光に対して、相対的に小さいことが好ましい。
【0065】
更に、ピッチPの決定は、以下に従って行うことが好ましい。すなわち、主パターンの透過光が、被転写体上に形成する光強度分布を示す光強度分布曲線において、主ピークと、前記主ピークに最も近い、第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をQ(μm)とし、前記主ピークから2番目に近い第2サブピークと前記第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をR(μm)とするとき、Q≦P≦Rとすることが好ましい。
【0066】
図9は、主パターンを透過する露光光が被転写体上に形成する光強度分布の断面を示す、光強度分布曲線である。
図9の横軸は被転写体上の位置であり、縦軸は、光強度Iである。ここで、中央の最も高いピークを主ピーク、その両側に対称に生じているサブピークを、主ピークに近い側から、第1サブピーク、第2サブピーク、(以下同様)とする。
【0067】
主ピークと第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をQ(μm)とし、第2サブピークと第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をR(μm)とする。このとき、ピッチP(μm)は、
Q ≦ P ≦ R ・・・ (1)
を満たすことが好ましい。
【0068】
すなわち、(1)式を満たす場合、補助パターンの中心位置が、第1サブピークを形成する山型のカーブと重なるいずれかの位置にある。また、より好ましくは、補助パターンの幅全体が、第1サブピークを形成する山型のカーブの少なくとも一部と重なる位置にあることができる。すなわち、
Q ≦ P±(A/2) ≦ R ・・・ (2)
である。A(μm)は、補助パターンの幅である。
【0069】
更に、ピッチPは、前記露光機の解像限界がB(μm)であるとき、0.7B≦P≦1.3Bであることが好ましい。より好ましくは、ピッチPは、0.8B≦P≦1.2Bである。また、加工性の点から、主パターンと
補助パターンとの間には、0.5μm以上の遮光部があることが好ましい。
【0070】
図1に示す第1のフォトマスクは、石英などの透明基板上に、遮光膜を成膜し、パターニングし、遮光部と透光部とを含む転写用パターンを形成したものである。製造方法は、公知のバイナリマスクの製造方法を適用できる。
【0071】
ここで遮光膜は、露光光を実質的に遮光する(光学濃度ODが3以上)の膜である場合の他、露光光の透過率が20%以下の膜であってもよい。遮光膜として、好ましくはOD3程度以上の遮光性があるものを使用する。尚、遮光膜が露光光を一部透過する場合には、該遮光膜のもつ、露光光の位相シフト量は、90度以下とし、より好ましくは60度以下とする。
【0072】
遮光膜の素材は、Cr又はCr化合物(Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物又は酸化窒化炭化物など)の他、Ta、Mo、W又はそれらの化合物(上記金属シリサイドを含む)などを使用することができる。
【0073】
ここで、露光光とは、本発明のフォトマスクを使用してパターン転写を行う際に用いる露光機の露光光である。具体的には、i線、h線、g線を含む波長域を含むものであることが好ましい。これにより、被転写体の面積が大きく(例えば、一辺が300mm以上の方形など)なっても、生産効率を下げずに露光が行える。尚、既述のように、露光光としてi線、h線、g線のいずれかを単独で使用しても良い。
【0074】
遮光膜の露光光透過率とは、透明基板の透過率を100%とした場合の、遮光膜が形成された透明基板の透過率であって、露光に用いる光の代表波長に対するものであることができる。上記露光光の代表波長は、i線、h線、g線のいずれでも良いが、例えばg線とすることができる。
【0075】
遮光膜の位相シフト量とは、透明基板を透過する光と、上記遮光膜が形成された透明基板を透過する光との相互の位相差である。位相シフト量が「90度以下」とは、ラジアン表記すれば、上記位相差が「(2n−1/2)π〜(2n+1/2)π (ここでnは整数)」であることを意味する。上記と同様に、露光光に含まれる代表波長に対する位相シフト量として計算することができる。
【0076】
本発明の第1のフォトマスクは、遮光膜が成膜された透明基板からなるフォトマスクブランクを用いて製造することができる。すなわち、該第1のフォトマスクは、パターニングされた所定の遮光膜をもつ透明基板からなるフォトマスクとすることができる。従って、このフォトマスクのもつ転写用パターンにおいて、主パターン、及び、補助パターン以外の領域は、遮光部からなる。いわゆる位相反転効果のある、位相シフト膜(露光光に対する位相シフト量が実質的に180度であるもの)を不要としつつ、転写時のフォーカスマージンの増加を達成することができるものである。
【0077】
本発明のフォトマスクは、表示装置製造用として有用である。具体的には、LCD(液晶表示)装置、有機EL表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)などを製造するためのフォトマスクである。
【0078】
こうした用途の転写用パターンには、孤立したホールパターンが必要な場面が多い。本発明のフォトマスクにおける主パターンは、孤立したホールパターンであるときに本発明の効果が顕著である。孤立したパターンとは、同形状のパターンが規則的に配列し、互いの透過光が干渉しあう状態にある転写用パターン(密集パターンともいう)とは異なり、そのような同形状のパターンの配列を形成しないものをいう。
【0079】
図1に示す補助パターンの形状は、8角形帯であるが、本発明はこれに限定されない。補助パターンの形状は、主パターンであるホールパターンの周辺にあって、ホールパターンの周囲を囲むものであることが好ましい。具体的には、ホールパターンの中心に対して、3回対称以上の回転
対称の形状に一定の幅を与えたものであることが好ましい。好ましい主パターン及び補助パターンの形状を、
図3に例示する。主パターンのデザインと補助パターンのデザインとの組み合わせは、
図3(a)〜(f)の異なるものを互いに組み合わせても良い。
【0080】
例えば、補助パターンの外周が、正方形、正6角形、正8角形、正10角形等、正2n角形(nは2以上の整数)又は円形である場合は好ましい態様である。そして、補助パターンの外周と内周とが、ほぼ平行である形状、すなわち、ほぼ一定幅をもつ多角形又は円形の帯のような形状が好ましい。この形状を、多角形帯又は円形帯ともよぶ。
【0081】
又は、ホールパターンの周辺にあって、その周囲の大部分を囲むものであっても良い。例えば、補助パターンの形状は、上記多角形帯又は円形帯の一部が欠落した形状であっても良い。例えば、
図3(f)のように、四角形帯の角部が欠落した形状であっても良い。
【0082】
尚、発明者の検討によると、
図3に例示される形状において、パターン形成精度(CD等)が有利な点で、(b)、(f)が好ましく、このうち、フォーカスマージン向上効果としては(b)が有利であった。
【0083】
次に、本発明による第2のフォトマスクについて説明する。本発明による第2のフォトマスクは、以下のような特徴を有する。
【0084】
すなわち、本発明による第2のフォトマスクは、透明基板上に成膜した半透光膜と遮光膜とをパターニングすることによって形成された、遮光部と、透光部と、半透光部とを含む転写用パターンを有する表示装置製造用フォトマスクにおいて、前記転写用パターンは、透光部からなる、径が4μm以下の主パターンと、前記主パターンの周辺に配置された、主パターンの径より小さな幅をもつ半透光部からなる補助パターンとを有し、前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光との位相差は90度以下であり、前記主パターンの中心と、前記補助パターンの幅の中心との間の距離をピッチP(μm)とするとき、前記主パターンを透過する露光光と、前記補助パターンを透過する露光光とによって生じる光の干渉によって生じる、±1次の回折光が、前記露光に用いる露光機の光学系に入射するように、前記ピッチPが設定されていることを特徴とする、表示装置製造用フォトマスクである。
【0085】
この第2のフォトマスクは、例えば
図2に示すような構成とすることができる。
【0086】
第2のフォトマスクは、第1のフォトマスクに対して、以下の点で相違する。すなわち、第1のフォトマスクにおいては補助パターンが、透明基板が露出した透光部として形成されていたのに対して、第2のフォトマスクでは、露光光を一部透過する半透光部として形成されている点である。この半透光部は、透明基板上に半透光膜が形成されてなる。
【0087】
ここで、半透光部からなる補助パターンの露光光透過率は、透光部からなるものに比べて、それを取り囲む遮光部の露光光透過率と近いため、被転写体上に解像されにくい。従って、第2のフォトマスクの場合、第1のフォトマスクよりも、補助パターンの幅の設計自由度が広い。つまり、第1のフォトマスクにおけるより、補助パターンの幅が大きくすることができる点に相違がある。これは、微細な補助パターンを、CD精度高く形成する際のパターニング難度を考慮すると、大きな意義がある。すなわち、第2のフォトマスクにおける補助パターンの幅は、必ずしもいわゆる露光機の解像限界として公表されている数値以下である必要はない。
【0088】
第2のフォトマスクの補助パターンの幅は、以下のように決定することができる。
【0089】
まず、補助パターンの幅A(μm)は、前記露光に用いる露光機の解像限界がB(μm)、前記主パターンの径がC(μm)であるとき、A≦B、かつA≦Cを満たすことが好ましい。
【0090】
具体的には、第2のフォトマスクにおいて、主パターンの径C(μm)が露光機の解像限界B(μm)以上の寸法である場合には、補助パターンの幅A(μm)は、露光機の解像限界B(μm)以下であることが好ましい。補助パターンの幅A(μm)は、より好ましくは露光機の解像限界B(μm)の1/2以下であり、更に好ましくはB/5≦A≦B/2である。
【0091】
他方、第2のフォトマスクにおいて、主パターンの径が露光機の解像限界B(μm)未満の寸法である場合には、補助パターンの幅A(μm)は、該主パターン径C(μm)以下であることが好ましい。補助パターンの幅A(μm)は、より好ましくは主パターン径C(μm)の1/2以下であり、更に好ましくはC/5≦A≦C/2である。この補助パターン幅A(μm)は0.5μm以上であることが好ましい。
【0092】
第2のフォトマスクは、透光部、遮光部の他に半透光部が存在することから、その製法が第1のフォトマスクより少し複雑になる。この様子を
図4に示す。
【0093】
すなわち、透明基板上に半透光膜、及び遮光膜が形成され、更にレジスト膜が形成されたフォトマスクブランクを用意し(
図4(a))、このレジスト膜(第1レジスト)に第1の描画を施す。これを現像し、形成された第1レジストパターンをマスクとして、遮光膜をエッチングすることにより、遮光部が画定される(
図4(b))。
【0094】
第1レジスト膜を剥離(
図4(c))した後、再度レジスト膜(第2レジスト膜)を表面に塗布形成し(
図4(d))、第2描画を行う。これは、半透光膜をエッチングし、透光部を形成するための描画データを用いて行う。このとき、上記描画データは、主パターンの周囲において、第2レジストパターンのエッジを若干後退させ、遮光膜のエッジが露出するように加工しておく。そして、現像後、形成された第2レジストパターンと遮光部のエッジをマスクとして、半透光膜をエッチング(
図4(e))し、透光部を形成する。これにより、形成される透光部は、先に画定された遮光部の位置に対して、正しい位置にセルフアライメントされる。以下、
図4の方法のように、透明基板上に直接半透光膜を形成する方法を、先付法ともいう。
【0095】
第2レジストパターンを剥離すると、本発明の第2のフォトマスクが完成する(
図4(f))。
【0096】
このように、本発明の第2のフォトマスクは、好ましくは、転写用パターンにおいて、主パターン及び補助パターンを除いた領域は遮光部からなる。
【0097】
尚、上記製法以外の製法として、透明基板上に遮光膜を形成してこれをパターニングし、次いで全面に半透光膜を形成してパターニングする方法も適用可能である(これを後付法ともいう)。但し、2回の描画のアライメントずれを防止する観点から、先付法を適用することが好ましい。
【0098】
第2のフォトマスクに用いる遮光膜の素材は、第1のフォトマスクと同様に、Cr又はCr化合物(Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物など)の他、Ta、Mo、W又はそれらの化合物(上記金属シリサイドを含む)などを使用することができる。
【0099】
また、第2のフォトマスクに用いる半透光膜の素材は、Cr化合物(Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物又は酸化窒化炭化物など)、Si化合物(SiO
2、SOG)、金属シリサイド化合物(TaSi、MoSi、WSi又はそれらの窒化物、酸化窒化物など)の他、TiONなどのTi化合物を使用することができる。
【0100】
但し、先付法を適用することを考慮すれば、半透光膜と遮光膜とは、相互にエッチング選択性のある素材を選択することが好ましい。つまり、半透光膜のエッチャントに対して遮光膜が耐性を有し、遮光膜のエッチャントに対して半透光膜が耐性を有することが望まれる。
【0101】
この観点からは、遮光膜の素材に、Cr又はCr化合物(Crの酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物など)を選択した場合には、半透光膜の素材としては、Si化合物(SiO
2、SOG)、金属シリサイド化合物(TaSi、MoSi、WSi又はそれらの窒化物、酸化窒化物など)を使用することが好適である。またこの逆でも良い。
【0102】
第2のフォトマスクに使用する半透光膜は、露光光に対する透過率が20〜80%であることが好ましい。この透過率は、透明基板の透過光に対して、半透光膜を形成した透明基板の透過率であり、第1のフォトマスクにおいて説明したと同様、露光光の代表波長に対するものとすることができる。第2のフォトマスクに使用する半透光膜は、より好ましくは露光光に対する透過率が30〜60%である。
【0103】
尚、補助パターンは、微細線幅なので、パターンを形成した状態でこの部分の透過率を測定することが難しい(光の回折の影響を受けるため、線幅によって、周囲パターンからの影響を受け、実際に透過する光量が大きく変動する)。従って、補助パターンの透過率としては、この補助パターンの幅を十分大きくした場合を仮定し、周囲パターンの影響を受けない状態を想定した場合の透過率をいうものとし、透明基板の透過率を100%とした場合の相対値である。半透光膜の透過率という場合も同義である。
【0104】
また、第2のフォトマスクに使用する半透光膜の、露光光に対する位相シフト量は、90度以下であり、好ましくは60度以下である。位相シフト量についての定義は、第1のフォトマスクにおいて行った説明と同様である。
【0105】
本発明の第2のフォトマスクは、パターンの境界において、反転する位相(位相差180度)の光による干渉(相殺)作用を用いた、いわゆる位相シフトマスクとは異なり、反転位相の光を実質的に用いることを必要としない。尚、本発明において、補助パターン部分の半透光膜に位相シフト量180度のものを用いると、±1次回折光の回折角が狭くなる。従って、±1次回折光の回折角を十分に大きくし、その上で、露光機の光学系に入射させ、被転写面の所定位置に照射することによって得られる本発明の効果が、位相シフト量180度の位相シフトマスクにおいては十分に得られない傾向がある。
【0106】
尚、反転位相の光による干渉作用を用いることを必要としない点については、本発明の第1のフォトマスクも同様である。
【0107】
第2のフォトマスクのその他の特徴については、第1のフォトマスクと共通するため、重複説明を省略する。例えば、露光に使用する好ましい露光機の光学特性(NA、σを含む)、露光光の波長、補助パターンのピッチの決定に関する好ましい条件((1)式、(2)式を含む)、主パターン、補助パターンの好ましい形状等については、第1及び第2のフォトマスクのいずれにも適合する。
【0108】
尚、本発明は、第1のフォトマスク、又は第2のフォトマスクを用い、表示装置製造用露光機によって、被転写体上に転写用パターンを転写する方法をも含む。
【0109】
本発明の第1及び第2のフォトマスクは、上述のように、主パターンと補助パターンとの協働により形成される±1次回折光を、露光機の光学系に入射させ、被転写面の所定位置に照射する特徴をもつ。±1次光は、被転写面の所定位置において(たとえ被転写体のXY面上に凹凸があり、被転写面がZ方向に位置変位していたとしても)、常に位相が等しく、干渉面が良好なフォーカス裕度をもつ。このため、この2光束を有効に利用してレジストを感光させる。
【0110】
また、本発明の第1及び第2のフォトマスクには、フォーカスマージンを拡大する効果の他、露光機に生じやすい、露光量の変動に対するマージンを拡大し、また、必要な照射光量を低減させる効果もあることが、発明者の検討により明らかになった。
【0111】
補助パターンの透過率が高い第1のフォトマスクでは、フォーカスマージンが高くなる利点が特に顕著であり、補助パターンの透過率が相対的に低い第2のフォトマスクでは、被転写体上に形成されるレジストのロスが生じにくいメリットの他、精緻な加工が容易である点において意義が大きい。
【0112】
また、本発明の第1及び第2のフォトマスクにおいて、位相反転効果のある位相シフト膜を不要としつつ、上記フォーカスマージン増加の効果を得ることができる。
【0113】
一方、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の、本発明の第1及び第2のフォトマスクの構成に対し、付加的な光学膜や機能性膜が存在しても良い。また、遮光膜の表面に、反射防止機能を有する反射防止層を備えるなど、所望の層構成をもつ膜を用いても良い。
【実施例】
【0114】
(実施例1及び比較例1)
実施例1として、
図1に示す転写用パターンをもつフォトマスク(本発明の第1のフォトマスク)を用い、露光を行った際の転写性につき、光学シミュレーションを行い、評価した。
【0115】
シミュレーションにおいて適用した条件は、以下のとおりである。
露光機の光学系: 開口数(NA):0.085
コヒーレンスファクター(σ):0.9
露光光の波長(各波長の相対強度) g:h:i=1:0.8:0.95
主パターン(透光部): 正方形のホールパターン。一辺の長さ(径C)=2μm
補助パターン(透光部):主パターンを取り囲む、8角形帯。幅(A)=1μm
遮光部は、OD3以上の遮光性をもつ遮光膜によって形成。
ピッチPは、3.0〜5.0μm(
図5(d))。
【0116】
比較例1のフォトマスク(
図5(f))における転写用パターンは、補助パターンがないことを除いて、実施例1のフォトマスクと同じである。また参考例1のフォトマスク(
図5(e))における転写用パターンは、比較例1のフォトマスクの主パターンの径を2.5μmにしたものである。
【0117】
<1−1 フォーカスマージン>
焦点深度(DOF)等、リソグラフィのパフォーマンスを評価する手法として、プロセスウィンドウを用いることが知られている。ここでは、横軸を焦点位置(μm)、縦軸を露光量(mJ/cm
2など)とし、露光及びプロセスを行った結果、許容する線幅変動(目標線幅の±10%以内)となる領域をプロセス許容範囲とする。また、プロセス許容範囲内にて、基準焦点位置(0μm)において目標線幅どおりに転写されるための露光量をEop(基準露光量)とする。プロセス許容範囲内にて基準焦点位置かつ基準露光量を中心として、面積が最大となる長方形で焦点誤差許容量(フォーカスマージン)、及び露光量誤差許容量(露光量マージン)を表すことができる。このとき、長方形の幅はフォーカスマージン、高さは許容される露光量マージンとなる。
【0118】
そこで、あるピッチPに対する、フォーカスマージンの値を、ピッチPの値ごとにプロットしたものが
図5(a)である。尚、後述する
図6(a)も同様の図である。
【0119】
図5(a)に示されるとおり、本発明の第1のフォトマスクによると、ピッチPが3〜5μmのいずれの場合にも、比較例1に示す補助パターンのないフォトマスクよりも、フォーカスマージンが大きいことがわかる。特にピッチPが3〜4μmのときに、フォーカスマージンが20μmを超え、非常に有利であることがわかる。また、ピッチPが3〜4μmの領域では、主パターンの径が大きい参考例1と比較しても、フォーカスマージンが有利であることがわかる。
【0120】
<1−2 露光量マージン>
上記同様、プロセスウィンドウを用い、あるピッチPに対する、露光量マージンの(ELマージン)値を、ピッチPの値ごとにプロットしたものが
図5(b)である。尚、後述する
図6(b)も同様の図である。
【0121】
図5(b)に示すとおり、実施例1の結果は、ピッチが4〜5μmの領域において、比較例1よりも有利であることがわかる。従って、この領域では、フォーカス変動に対する裕度が大きいのみでなく、露光機による照射光量の変動に対しても、殆ど影響を受けずに、所望のパターンが転写できることがわかる。
【0122】
<1−3 基準露光量(Eop)>
プロセスウィンドウにおいて、基準焦点位置(0μm)で目標線幅にパターンが転写されるための露光量をEopとし、あるピッチPに対する、Eopの値をピッチPの値ごとにプロットしたものが
図5(c)である。後述の
図6(c)もグラフの構成は同じである。
【0123】
図5(c)に示すとおり、実施例1のフォトマスクは、比較例1のフォトマスクに比較して、約10〜20%少ない照射光量で転写できることがわかる。この点も、本発明の優れた作用効果である。尚、LCD用露光機においては、フォトマスクの有する面積に一定の照射光量を与える露光を行う際に、全面一括照射ではなく、走査露光を採用することから、必要な照射光量の減少は、生産タクトの減少を意味し、生産性の上では大きな意義がある。
【0124】
<1−4 レジストパターン断面形状>
図7には、本発明の第1のフォトマスクを用いて、被転写体上のレジスト膜(ポジ型フォトレジスト)を露光したときに、得られるレジストパターンの断面形状を示す。これは、プロセスウィンドウにおける、基準焦点位置かつ基準露光量(Eop)でのレジストパターン断面形状をピッチPごとに示したものである。尚、後述の
図8も同じ指標でレジストパターン断面形状を示す。
【0125】
図7から明らかなとおり、主パターンに対応する位置に、所定どおりの(径2.0μm)のホールパターンが形成されている。尚、ホールパターンの外側に、補助パターンに起因する凹部(レジストロス)が生じており、ピッチPが微小になるに従ってこの凹部の位置も主パターンに近づく。但し、被転写体の加工(すなわち、このレジストパターンの下層側にある薄膜のエッチング加工)を行う際には、一般に利用されるウェットエッチングによって、必要なパターン形成が可能である。
【0126】
(実施例2)
図2に示す転写用パターンをもつフォトマスク(本発明の第2のフォトマスク)を用い、露光を行った際の転写性につき、光学シミュレーションを行い、評価した。
【0127】
シミュレーションにおいて適用した条件は、以下のとおりである。
露光機の光学系: 開口数(NA):0.085
コヒーレンスファクター(σ):0.9
露光光の波長(各波長の相対強度) g:h:i=1:0.8:0.95
主パターン(透光部): 正方形のホールパターン。一辺の長さ(径C)=2μm
補助パターン(半透光部):主パターンを取り囲む、8角形帯。幅(A)=1μm
遮光部は、OD3以上の遮光性をもつ遮光膜によって形成。
半透光部に用いた半透光膜の露光光透過率は50%。
ピッチPは、3.0〜5.0μm(
図6(d))。
【0128】
<2−1 フォーカスマージン>
図6(a)に示されるとおり、本発明の第2のフォトマスク(
図6(d))によると、ピッチPが3〜5μmのいずれの場合にも、比較例1に示す補助パターンのないフォトマスク(
図5(e))よりも、フォーカスマージンが大きいことがわかる。特にピッチPが3.5〜4.5μmのときに、フォーカスマージンが20μmを超え、非常に有利であることがわかる。
【0129】
<2−2 露光量マージン>
図6(b)に示すとおり、実施例2のフォトマスクの結果は、ピッチが4.0μm程度のとき、比較例1のフォトマスクよりも有利であることがわかる。
【0130】
<2−3 照射光量(Eop)>
被転写体上に目標径(2μm)のパターンを形成するために必要な、露光機の照射光量は、
図6(c)に示すとおり、実施例2のフォトマスクは、比較例1のフォトマスクに比較して10%以上少ない照射光量で転写できることがわかる。
【0131】
<2−4 レジストパターン断面形状>
図8には、本発明の第2のフォトマスクを用いて、被転写体上のレジスト膜(ポジ型フォトレジスト)を露光したときに、得られるレジストパターンの断面形状を示す。これによると、主パターンに対応する位置に、所定どおりの(径2.0μm)のホールパターンが形成されている。更に、補助パターンに起因する、主パターン周辺のレジストロスが実質的に生じていない。このため、被転写体の加工においては、極めて安定なエッチングが行える。
【0132】
(実験例1)
主パターンが被転写体上に形成する、露光光の光強度分布と、ピッチPの関係を調べるため、以下のシミュレーションを行った。尚、実験例1の目的は、主パターンの光強度分布に対する影響を明らかにすることなので、補助パターンを使用せずにシミュレーションを行った。
【0133】
図9に示す、光強度分布と、そのサブピークの位置を把握するにあたり、シミュレーションにおいて適用した条件は、以下のとおりである。
露光機の光学系: 開口数(NA):0.085
コヒーレンスファクター(σ):0.9
露光光の波長(各波長の相対強度) g:h:i=1:0.8:0.95
主パターン形状は、一辺の長さ(径C)2μmの正方形(上記比較例1と同じ)とした。尚、ここでは補助パターンは使用しなかった。
【0134】
図10に、実験例1の主パターン(ホールパターン)による、被転写体上の光強度分布曲線の詳細を示す。ここで、主ピークと、主ピークに最も近い、第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をQ(μm)とし、主ピークから2番目に近い第2サブピークと第1サブピークとの間の極小点の、主ピーク中心位置からの距離をR(μm)とするとき、Qは、3.1μm、Rは、5.5μmであった。また、第1サブピークの極大点の、主ピーク中心位置からの距離は、3.9μmであった。
【0135】
上記は、
図5に示すように、主パターンの中心と、補助パターンの幅の中心との間の距離であるピッチPを所定の距離とすることによって、優れた転写性が得られたという結果と良い一致性を示す。すなわち、ピッチPの寸法を、
Q ≦ P ≦ R ・・・ (1)
とすることで、転写に有利な優れた条件を得ることができることが明確になった。また、発明者の検討によると、補助パターンの幅全体が、第1サブピークの幅に重なるとき、すなわち、
Q ≦ P±(A/2) ≦ R ・・・ (2)
のとき、より優れたフォーカスマージンを得ることがわかった。従って、上記式(1)又は(2)を満たすように転写用パターンの設計をすることが好ましいことがわかった。
【0136】
(実験例2)
実験例1において、主パターンの形状を、一辺の長さ(径C)3.5μmの正方形としたものにつき、実験例1と同様の方法で、光強度分布曲線の詳細を得た(
図11)。この場合、実験例1に比べ、第1サブピークの位置が、主ピーク位置より若干遠い側に移動した。具体的には、Qが3.8μm、Rが6.2μm、第1サブピークの極大点は、4.4μmであった。
【0137】
しかし、この場合においても、上記式(1)又は(2)が充足する場合に、フォーカスマージンが高く得られることがわかった。また、露光量マージン、Eopにおいても、好ましい結果が得られた。
【0138】
また、ピッチPを、上記範囲とすることによる上述の優れた効果は、
図1に示すような第1のフォトマスクのみならず、
図2に示すような第2のフォトマスクにおいても得られた。