特許第5916708号(P5916708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916708
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】車両用トランスミッションシステム
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/091 20060101AFI20160422BHJP
   F16H 3/44 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   F16H3/091
   F16H3/44 B
【請求項の数】19
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-506100(P2013-506100)
(86)(22)【出願日】2011年4月20日
(65)【公表番号】特表2013-525702(P2013-525702A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】NL2011050272
(87)【国際公開番号】WO2011133033
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2014年4月17日
(31)【優先権主張番号】2006067
(32)【優先日】2011年1月25日
(33)【優先権主張国】NL
(31)【優先権主張番号】2004581
(32)【優先日】2010年4月20日
(33)【優先権主張国】NL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507130624
【氏名又は名称】ディーティーアイ グループ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドルーテン,ロエル,マリー
(72)【発明者】
【氏名】セラーレンス,アレクサンデル,フランシスカス,アニータ
(72)【発明者】
【氏名】フルーメン,バス,ヘラルド
【審査官】 中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−011048(JP,U)
【文献】 実開平05−045299(JP,U)
【文献】 特開昭62−242165(JP,A)
【文献】 実開昭62−073145(JP,U)
【文献】 特表2006−525178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/091
F16H 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源に接続され得る入力と、負荷に接続され得る出力とを有する車両用トランスミッションシステムであって:
第1入力軸と、前記出力に接続される出力軸とを有するトランスミッションハウジングを有するトランスミッションであり、第1の切替可能な速度変換ギアが、前記第1入力軸と前記出力軸との間にあるところのトランスミッション、
前記入力に接続される第1クラッチセクションと、前記トランスミッションの前記第1入力軸に接続される第2クラッチセクションとを有するクラッチ、及び
少なくとも3つの回転部材を有するプラネタリギアセットであり、前記クラッチが切られている場合には、そのうちの第1回転部材が前記出力に結合されることなく前記入力に直接接続され、第2回転部材が前記出力に結合され、第3回転部材がブレーキに接続されるところのプラネタリギアセット、を有し、
前記トランスミッションは、第2入力軸をさらに含み、
第2の切替可能な速度変換ギアが、前記第2入力軸と前記出力軸との間にあり、
前記プラネタリギアセットの前記第2回転部材が、前記第2入力軸に接続される、
トランスミッションシステム。
【請求項2】
前記第1回転部材及び前記第2回転部材は、別の速度変換ギアを用いることなく、前記クラッチと該クラッチに直列で接続される別のクラッチとを用いて互いに直接的に結合され得る、
請求項1に記載のトランスミッションシステム。
【請求項3】
駆動源に接続され得る入力と、負荷に接続され得る出力とを有する車両用トランスミッションシステムであって:
第1入力軸と、前記出力に接続される出力軸とを有するトランスミッションハウジングを有するトランスミッションであり、第1の切替可能な速度変換ギアが、前記第1入力軸と前記出力軸との間にあるところのトランスミッション、
前記入力に接続される第1クラッチセクションと、前記トランスミッションの前記第1入力軸に接続される第2クラッチセクションとを有するクラッチ、及び
少なくとも3つの回転部材を有するプラネタリギアセットであり、そのうちの第1回転部材が前記入力に接続され、第2回転部材が前記出力に結合され、第3回転部材がブレーキに接続されるところのプラネタリギアセット、を有し、
前記トランスミッションは、第2入力軸をさらに含み、
第2の切替可能な速度変換ギアが、前記第2入力軸と前記出力軸との間にあり、
前記プラネタリギアセットの前記第2回転部材が、前記第2入力軸に接続され、
前記第1回転部材及び前記第2回転部材は、別の速度変換ギアを用いることなく、前記クラッチと該クラッチに直列で接続される別のクラッチとを用いて互いに直接的に結合され得、
前記別のクラッチは、前記トランスミッション内で、前記第1入力軸と前記第2入力軸との間に配置される、
トランスミッションシステム。
【請求項4】
前記別のクラッチは、別の速度変換ギアを用いることなく、前記トランスミッションにおける前記第1入力軸と前記第2入力軸とを互いに直接的に結合し得る、
請求項2又は3に記載のトランスミッションシステム。
【請求項5】
第1ギアクラッチは、前記トランスミッションにおける前記第1入力軸と前記出力軸との間に配置される、
請求項4に記載のトランスミッションシステム。
【請求項6】
前記第1ギアクラッチは、前記第1速度変換ギアと前記出力軸との間に配置される、
請求項5に記載のトランスミッションシステム。
【請求項7】
第2ギアクラッチは、前記トランスミッションにおける前記第2入力軸と前記出力軸との間に配置される、
請求項5又は6に記載のトランスミッションシステム。
【請求項8】
前記第2ギアクラッチは、前記第2入力軸と前記第2速度変換ギアとの間に配置される、
請求項7に記載のトランスミッションシステム。
【請求項9】
第3速度変換ギア及び第3ギアクラッチは、前記トランスミッションにおける前記第1入力軸と前記出力軸との間に配置される、
請求項7又は8に記載のトランスミッションシステム。
【請求項10】
前記第3ギアクラッチは、前記第3速度変換ギアと前記出力軸との間に配置される、
請求項9に記載のトランスミッションシステム。
【請求項11】
前記第2速度変換ギアは、前記プラネタリギアセットの前記第3回転部材がブレーキをかけられ、且つ、前記第2ギアクラッチが閉じられた場合に、第3ギアを構成する、
請求項9又は10に記載のトランスミッションシステム。
【請求項12】
前記第1速度変換ギアは、前記プラネタリギアセットの前記第3回転部材がブレーキをかけられ、且つ、前記別のクラッチ及び前記第1ギアクラッチが閉じられた場合に、第1ギアを構成する、
請求項9、10、又は11に記載のトランスミッションシステム。
【請求項13】
前記第1速度変換ギアは、前記クラッチ及び前記第1ギアクラッチが閉じられた場合に、第2ギアを構成する、
請求項9乃至12の何れか一項に記載のトランスミッションシステム。
【請求項14】
前記第3速度変換ギアは、前記プラネタリギアセットの前記第3回転部材がブレーキをかけられ、且つ、前記別のクラッチ及び前記第3ギアクラッチが閉じられた場合に、第4ギアを構成する、
請求項9乃至13の何れか一項に記載のトランスミッションシステム。
【請求項15】
前記第3速度変換ギアは、前記クラッチ及び前記第3ギアクラッチが閉じられた場合に、第4ギアを構成する、
請求項9乃至13の何れか一項に記載のトランスミッションシステム。
【請求項16】
前記第3速度変換ギアは、前記クラッチ及び前記第3ギアクラッチが閉じられた場合に、第5ギアを構成する、
請求項9乃至14の何れか一項に記載のトランスミッションシステム。
【請求項17】
前記プラネタリギアセットは、前記トランスミッションハウジングと、前記トランスミッションハウジングの外側に取り付けられる隔壁との間にある空間にはない、
請求項1乃至16の何れか一項に記載のトランスミッションシステム。
【請求項18】
前記プラネタリギアセットの伝達比及び前記トランスミッションの伝達比は、当該トランスミッションシステムにおける最も低い前進ギアが前記ブレーキを閉じることによって実現されるように、選択される、
請求項1乃至17の何れかに記載のトランスミッションシステム。
【請求項19】
後進ギアは、前記トランスミッションにおける前記第1入力軸及び前記第2入力軸のうちの1つと前記出力軸との間にあり、前記トランスミッションにおけるその入力軸と前記出力軸との間で、回転方向を逆転させない、
請求項1乃至18の何れか一項に記載のトランスミッションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源に接続可能な入力と負荷に接続可能な出力とを有する車両用トランスミッションシステムに関し、車両用トランスミッションシステムは、
・第1入力軸と、出力に接続される出力軸とを有するトランスミッションハウジングを含むトランスミッションであり、第1の切替可能な速度変換ギアが第1入力軸と出力軸との間に存在するところのトランスミッションと、
・入力に接続される第1クラッチセクションと、トランスミッションの第1入力軸に接続される第2クラッチセクションと、を有するクラッチと、
・少なくとも3つの回転部材を含み、そのうちの第1回転部材が入力に接続され、第2回転部材が出力に結合され、第3回転部材がブレーキに接続されるところのプラネタリギアセットと、を含む。
【背景技術】
【0002】
このタイプのトランスミッションシステムは、欧州特許出願公開第1625037号明細書で知られている。車両に適用されると、トランスミッションの速度変換ギアは、この文献で知られるトランスミッションシステムにより、駆動源から車輪へのトルク伝達がブレーキの作動によって中断されることなく、変更され得る。この既知のトランスミッションシステムのモジュール形成部は、既存のトランスミッションへの適用に極めて適している。クラッチの僅かな改良により、そのモジュールは、クラッチとトランスミッションとの間に設置され、そして、トランスミッションに並列に配置され、或いは、トランスミッション及びクラッチに並列に配置され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1625037号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、既知のトランスミッションシステムよりも費用効率が高く、且つ、駆動源から車輪へのトルク伝達の中断無しに2以上の速度変換ギアの間で切り替えが行われ得る、冒頭で定めるタイプのトランスミッションシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のために、本発明によるトランスミッションシステムは、トランスミッションが第2入力軸をさらに含む点で特徴付けられる。そこでは、第2の切替可能な速度変換ギアが、第2入力軸と出力軸との間に存在し、また、プラネタリギアセットの第2回転部材が第2入力軸に接続される。本発明によるトランスミッションシステムは、トランスミッション及びクラッチの代わりに、且つ、既知のトランスミッションシステムよりも単純で費用効率が高い方法で、車両で使用され得る。なぜなら、そのトランスミッションは、より少ない速度変換ギアを含むことしか必要としなくとも、同様の方法で異なる伝達比を実現できるためである。
【0006】
プラネタリギアセットは、トランスミッションハウジングとそのトランスミッションハウジングの外側に取り付けられる隔壁(partition)との間にある空間に存在し得る。
【0007】
しかしながら、望ましくは、プラネタリギアセットは、トランスミッションハウジングとそのトランスミッションハウジングの外側に取り付けられる隔壁との間にある空間には存在しない。プラネタリギアセットは、望ましくは、トランスミッションハウジングの内側に配置され、そこでは、プラネタリギアセットは、隔壁が存在するならば、隔壁によってトランスミッションから隔てられる部分空間に配置され得る。また、プラネタリギアセットは、独立したウェットな或いはドライな空間におけるトランスミッションハウジングの外側に配置されてもよい。
【0008】
本発明によるトランスミッションシステムに係る後述の別の実施例は何れも、そのシステムの簡潔さ及び重量が大きな役割を果たすところで、できるだけ単純で費用効率が高い態様でトランスミッションシステムの最適化を助長する。
【0009】
プラネタリギアセットの伝達比及びトランスミッションの伝達比は、望ましくは、トランスミッションシステムにおける最も低い前進ギアが、ブレーキを閉じることによって実現されるように選択される。
【0010】
そのトランスミッションシステムの有利的な実施例は、第1回転部材及び第2回転部材が、クラッチとそのクラッチに直列に接続される別のクラッチとを用いることによって、別の速度変換ギアを用いることなく、互いに直接的に結合され得る点で特徴付けられる。
【0011】
そして、望ましくは、その別のクラッチは、トランスミッション内において、第1入力軸と第2入力軸との間に配置される。
【0012】
そして、その別のクラッチは、別の速度変換ギアを用いることなく、第1入力軸及び第2入力軸を互いに直接的に結合し得る。
【0013】
さらに別の実施例では、第1ギアクラッチが、トランスミッションにおける第1入力軸と出力軸との間に配置される。この第1ギアクラッチは、望ましくは、第1速度変換ギアと出力軸との間に配置される。
【0014】
さらに別の実施例では、第2ギアクラッチが、トランスミッションにおける第2入力軸と出力軸との間に配置される。この第2ギアクラッチは、望ましくは、第2入力軸と第2速度変換ギアとの間に配置される。
【0015】
さらに別の実施例では、第3速度変換ギア及び第3ギアクラッチが、トランスミッションにおける第1入力軸と出力軸との間に配置される。この第3ギアクラッチは、望ましくは、第3速度変換ギアと出力軸との間に配置される。
【0016】
トランスミッションシステムの別の有利的な実施例は、プラネタリギアセットの第3回転部材がブレーキをかけられ、且つ、第2ギアクラッチが閉じられた場合に、第2速度変換ギアが第3ギアを構成する点で特徴付けられる。
【0017】
トランスミッションシステムのさらに別の有利的な実施例は、プラネタリギアセットの第3回転部材がブレーキをかけられ、且つ、その別のクラッチ及び第1ギアクラッチが閉じられた場合に、第1速度変換ギアが第1ギアを構成する点で特徴付けられる。
【0018】
別の実施例では、第1速度変換ギアは、クラッチ及び第1ギアクラッチが閉じられた場合に、第2ギアを構成する。
【0019】
さらに別の実施例では、第3速度変換ギアは、プラネタリギアセットの第3回転部材がブレーキをかけられ、且つ、その別のクラッチ及び第3ギアクラッチが閉じられた場合に、第4ギアを構成する。
【0020】
別の実施例では、第3速度変換ギアは、クラッチ及び第3ギアクラッチが閉じられた場合に、第4ギアを構成する。
【0021】
さらに別の実施例では、第3速度変換ギアは、クラッチ及び第3ギアクラッチが閉じられた場合に、第5ギアを構成する。
【0022】
トランスミッションシステムのさらに別の有利的な実施例は、後進ギアが、複数の入力軸のうちの1つとトランスミッションの出力軸との間に存在する点で特徴付けられる。その後進ギアは、この入力軸とトランスミッションの出力軸との間で回転方向を逆転させることはない。
【0023】
図示される本発明によるトランスミッションシステムの実施例に基づいて本発明を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明によるトランスミッションシステムの実施例の概略図を示す。
図2図1に示すトランスミッションシステムの具体的なレイアウトを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1及び図2はそれぞれ、図表的且つ具体的な態様で、本発明によるトランスミッションシステムの実施例を示す。トランスミッションシステム1は、駆動源Eに接続される入力3と、差動ギアDを介して負荷Lに接続される出力5とを含む。その負荷は、車両の車輪によって構成される。トランスミッションシステム1は、第1入力軸9と、第2入力軸11と、出力5に接続される出力軸13とを有するトランスミッションハウジング8を有するトランスミッション7をさらに含む。差動ギアDを有する駆動端(end drive)は、図1の概略図では、図の外側に示されているが、駆動端は、図2で具体的に示すように、トランスミッションハウジング8内に配置される。
【0026】
トランスミッションシステム1は、クラッチC及びプラネタリギアセット17を有するクラッチモジュール15をさらに含む。クラッチCは、入力3に接続される第1クラッチセクションc1と、トランスミッションの第1入力軸9に接続される第2クラッチセクションc2とを有する。プラネタリギアセット17は、3つの回転部材を有し、そのうち、リングギアで構成される第1回転部材r1は入力3に接続され、プラネットキャリアで構成される第2回転部材r2はトランスミッション7を介して出力5に結合され、サンギアで構成される第3回転部材r3はブレーキBに接続される。第1回転部材r1と第2回転部材r2との間の伝達比は、値1と値2との間にあり、第3回転部材r3がブレーキをかけられた場合に、出力に向かって遅らせる。また、プラネタリギアセット17の伝達比及びトランスミッション7の伝達比は、トランスミッションシステム1における最も低い前進ギアが、ブレーキBを閉じることによって実現されるように選択される。
【0027】
プラネタリギアセット17は、トランスミッションハウジング8に接するウェットな空間に配置されることはないが、この実施例では、グリースで潤滑されたギアセットである。クラッチCは、スプリング力によるノーマルクローズの湿式又は乾式プレートの摩擦クラッチであり、ブレーキBは、ノーマルオープンの湿式又は乾式プレートの摩擦ブレーキである。
【0028】
サブトランスミッション21及び23は、トランスミッション7における入力軸9及び11のそれぞれと出力軸13との間に存在する。第1サブトランスミッション21は、第1速度変換ギアi1及び第1ギアクラッチs1を有する。第1ギアクラッチs1は、第1速度変換ギアi1と出力軸13との間に存在する。また、第1サブトランスミッション21は、第3速度変換ギアi3及び第3ギアクラッチs3を有する。第3ギアクラッチs3は、第3速度変換ギアi3と出力軸13との間に存在する。第2サブトランスミッション23は、第2速度変換ギアi2及び第2ギアクラッチs2を有する。第2ギアクラッチs2は、第2速度変換ギアi2と第2入力軸11との間に存在する。
【0029】
2つの入力軸9及び11の間には、それら2つの軸を互いに直接的に結合可能な別のクラッチsが配置される。別のクラッチsと、ギアクラッチs1、s2、及びs3とは、同期型爪クラッチとして配置される。
【0030】
複数の速度変換ギアは、プラネタリギアセット17の第3回転部材r3がブレーキをかけられ、且つ、別のクラッチs及び第1速度変換ギアs1が閉じられた場合に第1速度変換ギアi1が第1ギアを構成するように、また、プラネタリギアセット17の第3回転部材r3がブレーキをかけられ、且つ、第2ギアクラッチs2が閉じられた場合に第2速度変換ギアi2が第3ギアを構成するように選択され得る。さらに、クラッチC及び第1ギアクラッチs1が閉じられた場合に、第1速度変換ギアi1は第2ギアを構成する。
【0031】
第3速度変換ギアi3は、プラネタリギアセット17の回転部材r3がブレーキをかけられ、且つ、別のクラッチs及び第3速度変換ギアs3が閉じられた場合に、或いは、クラッチC及び第三ギアクラッチs3が閉じられた場合に、第4ギアを構成し得る。また、第3速度変換ギアi3は、クラッチC及び第3ギアクラッチs3が閉じられた場合に、第5ギアを構成し得る。
【0032】
さらに、(図2のみで示される)後進ギアi4は、複数の入力軸のうちの1つ、この例では第1入力軸9と、出力軸13との間に存在し得る。後進ギアi4は、この入力軸とトランスミッションの出力軸との間で、回転方向を逆転させることはない。
【0033】
以上において本発明は図に基づいて説明されたが、本発明は、如何なる方法或いは手段によっても、図に示す実施例に限定されることはない。また、本発明は、請求項によって定められる精神及び範囲内であれば、図に示す実施例から外れる全ての実施例に及ぶ。
図1
図2