(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記細長形シャフトの前記近位端に操作可能に接続されるハンドルを更に備え、前記ハンドルが、前記第2アームの前記軸方向移動を制御するトリガー、及び前記細長形ピンの前記軸方向移動を制御するアクチュエータを備える、請求項1に記載の外科用装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、器具(20)は、組織壁(6)の切開(8)を通過する、細長形シャフト(22)を備える。ローダー(10)は、組織壁(2)の切開(4)を通過する、細長形シャフト(12)を備える。外科用エンドエフェクタ(30)は、器具(20)の遠位端(23)に配置される取り付け機構(40)への、選択的な、生体内での取り付け及び生体内での取り外しが可能である。この実施例では、エンドエフェクタは、顎状の組織把持器であるが、様々な他のエンドエフェクタもまた、使用することが可能である。エンドエフェクタ(30)は、生体外で、シャフト(12)の遠位端(13)内に装着して、次いで、切開(4)を通じて手術野内に導入することができる。ローダー(10)は、生体内での器具(20)への取り付け、及び生体内での器具(20)からの取り外しの間、エンドエフェクタ(30)を保持する。ローダー(10)及び器具(20)は、それぞれ、シャフト(12、22)の近位端に取り付けられる生体外ハンドル(11、21)を含み、この生体外ハンドル(11、21)により、外科医は、それらの装置を使用することが可能になる。
【0011】
組織壁(2、6)の解剖学的構造は、外科手術に基づいて様々であるが、一部の非限定的な例としては、腹部、胸部、又は骨盤内への、経皮的切開が挙げられる。切開(4、8)は、切開器具又は穿孔器具を使用して作り出すことができ、典型的には、互いに離隔している。組織壁(2、6)は、同じ解剖学的構造又は異なる解剖学的構造とすることができる。例えば、組織壁(2、6)は双方とも腹壁とすることができる。別の実施例では、組織壁(2)は、自然開口部を通じてアクセスされる器官(例えば、胃、結腸、食道など)とすることができ、一方で、組織壁(6)内の切開(8)は、経皮的とすることができる。更に別の実施例では、切開(4)は、腹部へのアクセスを提供することができ、一方で、切開(8)は、骨盤へのアクセスを提供することができる。気腹が所望される場合には、切開は、トロカール内に一般的に見出されるものなどの、器具シールを含み得る。この実施例では、器具シール(5)は、切開(4)内で、ローダー(10)をシール(5)に通過させる状態で、概略的に示され、一方で、シャフト(22)は、シール装置の補助なしで、組織の弾性によって、組織壁(6)を直接封止する。
【0012】
この実施形態でのローダーシャフト(12)は、剛性かつ直線状であるが、シャフト(12)は、湾曲状又は可撓性とすることが可能であり、このことは、遠位端(13)の、手術野への自然開口部経管腔導入に関して有益である。ローダー(10)は、ノブ(14)によって制御される、関節動作遠位端(13)を含み得る。遠位端(13)は、典型的には、シャフト(12)と一直線状に、切開(4)を通じて導入され、かつ取り出されるものであり、更には、エンドエフェクタ(30)とシャフト(22)との位置合わせを容易にするために、生体内で関節動作する。アーム(15)が、ハンドル(11)に堅固に接続され、ハンドルの把持、及びシャフト(12)の軸を中心とする関節動作遠位端(13)の回転配向を容易にする。この実施形態では、ローダー(10)の遠位端(13)は、遠位先端部(17)で開口する、チューブを備える。このチューブは、エンドエフェクタ(32)を受容するように寸法決めされる。チューブ(30)は、エンドエフェクタ(32)を保持するための係合機構(16)を含む。係合機構(16)は、様々なものにすることができるが、この実施形態では、複数個の板ばねが、エンドエフェクタ(30)との締まり嵌めをもたらし、摩擦によって、チューブ内にエンドエフェクタを保持する。この実施形態では、エンドエフェクタ(30)がチューブ内に装填される場合、その遠位端(32)は、チューブ内に位置決めされ、近位端(31)は、チューブ開口部(17)から延出する。この配置構成によって、エンドエフェクタの顎部材が開放することが防止される。器具(20)の遠位端(23)を、エンドエフェクタ(30)の近位端(31)に取り付けた後、エンドエフェクタ(3)を、ローダー(10)の遠位端(13)から引き抜くことができる。
【0013】
図3Aは、トルクキー(60)が提供されたエンドエフェクタの実施例を示す。このトルクキーは、一表現では、エンドエフェクタ(30)の近位端(31)に、固定して取り付けられる。トルクキー(60)には、トルクアーム(61A、61B)が提供される。トルクアーム(61)には、内側角度付きの屈曲部を提供することができる。エンドエフェクタ(30)にはまた、トルクアーム(61)が外側に偏向して、エンドエフェクタ(30)の可変内径を作り出すことを可能にする、トルクアーム陥凹部(62A、62B)も提供することができる。
図3Bは、エンドエフェクタ(30)内に部分的に挿入された器具シャフト(22)を示す。この描写では、トルクアーム(61)は、シャフトアーム(47)上の平坦面と位置合わせされ、シャフトアーム(47)間の開口部(48)内へと、内側に突出する。シャフト(22)が、エンドエフェクタ(30)内に挿入され、トルクアーム(61)が開口部(48)と位置合わせされていない場合には、シャフト(22)を回転させて、トルクアーム(61)(torque arms(62))と開口部(48)とが位置合わせされるまで、トルクアーム(61)は、陥凹部(62)内で内側に偏向したまま維持される。開口部(48)と位置合わせされると、トルクアーム(61)は、シャフトからエンドエフェクタへの、回転力の伝達を可能にする。
【0014】
図3C及び
図3Dは、エンドエフェクタ(30)の別の表現を示す。エンドエフェクタ(30)の近位端には、エンドエフェクタ(30)の外側面から形成される、可撓性のトルクアーム(63)が提供される。シャフト(22)が、エンドエフェクタ(30)内に挿入されると、トルクアーム(63)は、開口部(48)がトルクアーム(63)と位置合わせされていない場合には、外側に偏向し得る。シャフト(22)との係合を容易にするために、トルクアーム(63)には、面取りされた表面を提供することができる。シャフト(22)を回転させると、トルクアームが、開口部(48)と位置合わせされる。開口部(48)と位置合わせされると、トルクアーム(63)は、シャフト(22)からエンドエフェクタ(30)への、回転力の伝達を可能にする。
【0015】
図3Eは、エンドエフェクタ(30)内に挿入されたシャフト(22)の、断面図を示す。この表現では、エンドエフェクタ(30)には、2つのトルクアーム(63A、63B)が提供される。トルクアーム(63)は、シャフトアーム(47)によって画定される開口部(48)に位置合わせされ、締まり嵌めを作り出す。
【0016】
この外科器具の別の表現では、トルクアーム(63)に、シャフトの外側面上の突出部と嵌合する、凹状の内側部分を提供することができる(図示せず)。このシャフトの突出部は、エンドエフェクタ内へのシャフトの進入を容易にするために、可撓性にすることができる。更に別の表現では、シャフトの外側面上の突出部と嵌合する、エンドエフェクタの内側面上に配置される陥凹部(図示せず)を、エンドエフェクタに提供することができる。
【0017】
図4は、ローダー(13)から引き出されているエンドエフェクタ(32)に取り付けられた器具(20)を示す。
図4Aは、ローダー(10)の代替的実施形態を示し、遠位端(13)は、シャフト(12)への選択的な取り付け及び取り外しが可能である。この実施例に示すように、この機構は、バヨネット接続(18)を使用して可能になるが、スナップ接続、ネジ接続などを含めた、他の接続もまた想到される。この代替的実施形態の1つの有利点は、単一サイズのチューブによっては収納することができないエンドエフェクタを、種々の遠位端(13)の構成を使用して保持することができる点である。
【0018】
図5及び
図6は、シャフト(22)の遠位端(23)に配置される、取り付け機構(40)の一実施形態の詳細図を示す。取り付け機構(40)は、シャフト(22)上の嵌合機構を含み、その嵌合機構は、この実施形態では、シャフトアーム(47A、47B)の外側面上に位置決めされる円周方向の溝(45)である。シャフトアーム(47A、47B)は、開口部(48)内へ弾性的に可撓性とすることができる。取り付け機構(40)はまた、シャフト(22)の遠位端(44)から遠位方向に突出する第2アーム(42A、42B)も含む。この第2アームは、シャフト(22)に対して、軸方向に摺動可能とすることができ、間隙(46)内へと、内側に、弾性的に偏向可能である。第2アームは、それぞれが嵌合機構を備え、その嵌合機構は、この実施形態では、段状の外側切り欠き部(43A、43B)を含む。細長形ピン(41)は、第2アーム(42)及びシャフトアーム(47)に対して内側に位置決めされ、アーム(42及び47)の内側偏向を防ぐロック位置(その実施例を
図5に示す)と、アームの内側偏向を可能にするロック解除位置(その実施例を
図6に示す)との間で、第2アーム(42)及びシャフトアーム(47)に対して軸方向に摺動可能である。ピン(41)及び第2アーム(42)は、それぞれ、シャフト(22)及びシャフトアーム(47)に対して、独立して摺動することができる。
図6は、ピン(41)がシャフト(22)の内側に完全に引き込まれ、シャフトアーム(47)の内側偏向が可能であることを示す。
【0019】
図5の実施形態に示すように、細長形ピン(41)は、尖鋭な閉塞先端部を含み得る。この構成では、遠位端(23)を使用して、組織壁(6)を貫通して穿孔することができる。第2アーム(42)の遠位端、及びシャフトアーム(47A、47B)の遠位端(44)は、テーパー状の表面を含み、切開(8)を通過することを容易にする。
【0020】
図7は、エンドエフェクタ(30)に取り付けられた、取り付け機構(40)を示す。シャフトアーム(47)の溝(45)が、エンドエフェクタ(30)のリブ(32)と嵌合して、相対的な軸方向の動きを防ぐ。第2アーム(42)の外側溝(43A、43B)が、エンドエフェクタ(30)のリング(33)と嵌合して、相対的な軸方向の動きを防ぐ。リブ(32)は、エンドエフェクタ(30)の外部ハウジング(37)に堅固に接続され、リング(33)は、連結部材(35)を介して、顎部材アクチュエータ(34)に堅固に接続される。細長形ピン(41)が完全に前進すると、第2アーム(42)及びシャフトアーム(47)の、内側偏向が阻止される(
図7Aを参照)。したがって、シャフト(22)に対するアーム(42)の軸方向移動が、ハウジング(37)に対する顎部材アクチュエータ(34)の軸方向移動を引き起こすことにより、顎部材を開閉させる。
【0021】
図9は、器具(20)に関するハンドル(21)の実施例を示す。ハンドル(21)は、基部(50)を含む。ノブ(51)が、シャフト(22)の軸を中心として、取り付け機構(40)を回転させ、このことがまた、取り付けられたエンドエフェクタ(30)も回転させる。トリガー(54)は、基部(50)に対して旋回して、シャフト(22)に対する、第2アーム(42)及びピン(41)の軸方向移動を引き起こす。トリガー(54)の動作が、取り付けられたエンドエフェクタ(30)上の顎部材を動作させる。ラッチ(55)は、トリガー(54)の動作を防ぐためのロック位置(図に示すような)と、基部(50)内に引き込まれるロック解除位置との間で、基部(50)に対して旋回する。エンドエフェクタ(30)との嵌め合わせの間、ラッチ(55)をロックして、嵌合機構(33、32)と、対応する嵌合機構(43、45)との、相対的な軸方向の間隔を同一に維持して、単一の「スナップ」のフィードバックをもたらすことができる。トリガーロック(56)は、トリガーの、その押し込み位置でのロック/押し込み位置からのロック解除を可能にする。アクチュエータ(53)は、この実施形態ではスライダーであり、ピン(41)の、第2アーム(42)に対する軸方向移動を制御する。アクチュエータ(53)の、基部に対して最も遠位の位置(図に示すような)では、ピン(41)は、そのロック位置に定置され、最も近位の位置では、ピン(41)は、そのロック解除位置に定置される。ピンロック(52)は、ピン(52A)を含み、このピン(52A)は、穴(53A)に挿入されると、ピン(41)及び第2アーム(42)を、
図5に示すような、延出したロック位置に維持する。
【0022】
以下では、シャフト(22)にエンドエフェクタ(30)を取り付けるための一方法を説明する。ピン(41)がロック解除位置にある状態で、遠位端(23)を、エンドエフェクタ(30)の近位端(31)内に導入する。シャフト(22)は、トルクアームが開口部(48)と位置合わせされていない場合、トルクアーム(61)を、陥凹部(62)内へと、外側に偏向させる。別の表現では、トルクアーム(63)が、エンドエフェクタ(30)内へのシャフト(22)の挿入時に、外側に偏向する。トルクアーム(61、63)が、開口部(48)と位置合わせされると、それらのトルクアーム(61、63)は、偏向することなく、シャフトアーム(47)の外側面上の開口部(48)に隣接して安置され、エンドエフェクタの回転を可能にする。アーム(42)が、エンドエフェクタ(30)内へ、軸方向に前進する際、リング(33)の面取りされた誘導面(36)は、リング(33)が外側切り欠き部(43)内に嵌め合わされるまで、アーム(42)を内側に偏向させる。同時に、シャフトアーム(47)が、エンドエフェクタ(30)内へ、軸方向に前進し、テーパー状末端部(44)が、リブ(32)を、溝(45)内に位置合わせして嵌め合わせる。双方の場合とも、外科医は、適切な係合を示す、触覚的な「クリック」を感知することができる。エンドエフェクタ(30)内に完全に嵌め合わせた時点で、ピン(41)を、ロック位置へと摺動させることにより、エンドエフェクタ(30)を、器具(20)に取り付けることができる。取り付けた時点で、外科医は、そのエンドエフェクタをローダー(10)から引き抜くことができ、次いで、手術野から、ローダー(10)を取り出すことができる。エンドエフェクタ(30)がシャフトに取り付けられ、トルクアーム(61、63)が、開口部(48)と位置合わせされていない場合、外科医は、組織又は別の器具を把持して、トルクアーム(61)が開口部(48)内に嵌め合わせられるまで、ノブ(51)を回転させることができる。次いで、外科医は、外科手術の必要に応じて、エンドエフェクタ(30)を使用して、組織を処置することができる。
【0023】
図10〜13は、器具(20)の遠位端(23)に取り付けることができる、代替的なエンドエフェクタの、一部の非限定的な実施例(30A〜D)を示す。ローダー(10)及び器具(20)に加えて、エンドエフェクタ(30、30A、30B、30C、30D)の全て又は一部分を、キットの一部として、セットで提供することができるため、外科医は、取り付けられたエンドエフェクタを、外科手術の必要に応じて交換することができる。この図に示す全てのエンドエフェクタの実施例は、協働する顎部材を有するが、しかしながら、フックナイフ、スネアなどの、非顎状のエンドエフェクタもまた、採用することができる。エネルギーが必要とされるエンドエフェクタの場合には、当該技術分野において既知の、適切なエネルギー伝送機構を、ハンドル(21)及びシャフト(22)に追加するべきである。例えば、バイポーラ鉗子エンドエフェクタ(30A)に関しては、適切な電気的接続を追加することができる。同様に、超音波凝固切開エンドエフェクタ(30D)に関しては、超音波トランスデューサー及び導波管を追加することができる。
【0024】
以下では、腹腔鏡外科手術の間に、この装置を使用するための一方法を説明する。器具(20)を取得して、切開(8)に通過させる。切開(8)は、
図5に示す構成の、ピン(41)上の閉塞部を使用して形成される穿孔によって、少なくとも部分的に形成される、経皮的切開とすることができる。ピンロック(52)及びラッチ(55)を、それぞれ、スライダー(53)及びトリガー(54)に固定することができる。穿孔の後、ピンロック(52)を取り外すことができる。
【0025】
ローダー(10)及びエンドエフェクタ(30)を取得する。エンドエフェクタ(30)は、キット内に提供される複数個のエンドエフェクタから、選択することができる。エンドエフェクタ(30)を、生体外で、ローダー(10)の遠位端(13)内に装填する。エンドエフェクタ(30)が装填された、ローダー(10)の遠位端(13)を、切開(4)に通過させる。第2の切開(4)もまた、第1の切開(8)から離隔する、経皮的切開とすることができ、エンドエフェクタ(30)が装填された遠位端(13)を、トロカールに通過させることを含み得る。遠位端(13)を関節動作させて、エンドエフェクタ(30)の近位端(31)と、取り付け機構(40)との間の配向を、容易にすることができる。アクチュエータ(53)を近位方向に摺動させて、ピン(41)を、そのロック解除位置に移動させる。器具(20)及びエンドエフェクタ(30)の、対応する嵌合機構が係合するまで、器具(20)の遠位端(23)を、エンドエフェクタ(30)の近位端(31)内へ前進させる。次いで、アクチュエータ(53)を遠位方向に摺動させることにより、ピン(41)を、そのロック位置に前進させる。この時点で、エンドエフェクタ(30)は、生体内で器具(20)に取り付けられる。次いで、ローダー(10)から、エンドエフェクタ(30)を引き抜き、トリガー(54)から、ラッチ(55)を解除することができる。次いで、ハンドル(21)のトリガー(54)を作動させ、エンドエフェクタ(30)の顎部材を動作させることによって、組織を処置する。
【0026】
外科手術の完了後、エンドエフェクタ(30)は、シャフト(22)から取り外すことができる。予め取り外されている場合には、切開(4)を通じて、ローダー(10)を手術野内に再導入することができる。エンドエフェクタ(30)の遠位端(32)を、ローダー(10)の遠位端(13)内に嵌め合わせ、ピン(41)を、そのロック解除位置に移動させる。次いで、第2アーム(42)は、第2アーム(42)の面取り部分がリング(33)の内側面を越えて摺動する際、内側に偏向して、リング(33)から近位方向に引き出される。したがって、装置は、
図8に示す構成となる。アーム(42)を遠位方向に前進させることにより、シャフトアーム(47)は、シャフトアーム(47)の面取り部分がリブ(32)の内側面を越えて摺動する際、開口部(48)内へと内側に偏向し、このことが同時に、第2アーム(42)を、間隙(46)内へと内側に偏向させて、シャフト(22)からのエンドエフェクタ(30)の分離を容易にする。シャフト(22)の遠位方向の前進は、リブ(32)が溝(45)から脱離するまで継続する。この脱離は、ローダーの遠位端(13)のチューブによって、エンドエフェクタ(30)の顎部材を閉鎖位置に保持することによって、容易にすることができる、次いで、遠位端(23)を、エンドエフェクタ(30)から引き出すことにより、器具(20)からエンドエフェクタ(30)を取り外すことができる。このエンドエフェクタは、係合機構(16)によって、ローダー(10)内に保持される。手術野からローダー(10)を取り出すことによって、エンドエフェクタ(30)が取り出される。次いで、異なるエンドエフェクタを、器具(20)に取り付けることができ、又は器具(20)を、手術野から引き出すことができる。
【0027】
限定するものではないが、以下では、上記の装置及び方法の、先行技術に勝る利益並びに有利点の一部を説明する。エンドエフェクタ(30)は、シャフト(22)よりも遙かに大きい直径を有する場合があり、したがって、切開(8)は、従来の腹腔鏡器具と比較して、より小さくすることが可能であり、より少ない疼痛及び瘢痕、並びにより迅速な回復をもたらす。このことはまた、シャフト(22)の小径化(3mmよりも更に小さい)も容易にすることにより、切開(8)内のトロカールが排除される可能性がある。取り付け機構(40)は、器具(20)との、迅速なエンドエフェクタ(30)の交換を提供することにより、手術時間が低減する。ローダー(10)もまた、迅速なエンドエフェクタ(30)の交換を容易にする。複数のエンドエフェクタのキットは、全ての器具に関して、単一のシャフト(22)及びハンドル(21)に統合することによって、器具のコストを低減させることができる。当業者には、他の多くの利益が明らかであろう。
【0028】
本発明の様々な実施形態及び実施例が、図示並びに説明されているが、本明細書で説明される方法及び装置の更なる適応は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のうちの幾つかが述べられているが、当業者には、他の修正も明らかであろう。例えば、具体的な材料、寸法、及び図面の縮尺は、非限定的な実施例であることが理解されるであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきであり、本明細書及び図面で図示並びに説明される、構造、材料、又は作用の詳細に限定されるものではないことが理解されよう。
【0029】
〔実施の態様〕
(1) 外科用装置であって、
a)遠位端及び近位端を含み、長手方向軸を規定する細長形シャフトと、
b)嵌合機構を備え、内側に偏向可能である、前記細長形シャフト上の第1アームと、
c)前記第1アームから長手方向に離隔し、嵌合機構を備え、前記細長形シャフトに対して軸方向に摺動可能であり、かつ内側に偏向可能である、第2アームと、
d)前記第2アームに対して内側に位置決めされ、前記第1アーム及び第2アームの内側偏向を防ぐロック位置と、前記第1アーム及び第2アームの内側偏向を可能にするロック解除位置との間で、前記第1アーム及び前記第2アームに対して軸方向に摺動可能である、細長形ピンと、
e)前記第2アームの前記嵌合機構への、選択的な、取り付け及び取り外しが可能な、外科用エンドエフェクタと、を備える、外科用装置。
(2) 前記第1アームの遠位端上の外側切り欠き部、及び前記外科用エンドエフェクタ上の嵌合機構を更に備える、実施態様1に記載の外科用装置。
(3) 前記嵌合機構が、前記第1アームの外側切り欠き部と嵌合するように寸法決めされるリングを含む、実施態様2に記載の外科用装置。
(4) 前記細長形ピンの周囲を囲む、2つ又は3つ以上の第2アームを備える、実施態様1に記載の外科用装置。
(5) 2つ又は3つ以上の第1アームを備える、実施態様1に記載の外科用装置。
【0030】
(6) 前記2つ又は3つ以上の第1アームによって、開口部が画定される、実施態様5に記載の外科用装置。
(7) 前記細長形ピンの遠位端が、閉塞先端部を含む、実施態様1に記載の外科用装置。
(8) 前記細長形シャフトの前記近位端に操作可能に接続されるハンドルを更に備え、前記ハンドルが、前記第2アームの前記軸方向移動を制御するトリガー、及び前記細長形ピンの前記軸方向移動を制御するアクチュエータを備える、実施態様1に記載の外科用装置。
(9) 前記アクチュエータが、ロック可能である、実施態様8に記載の外科用装置。
(10) 前記エンドエフェクタが、前記第2アームの軸方向の動きに応答して、開放位置と閉鎖位置との間で移動する、対向性部材を有する、実施態様8に記載の外科用装置。
【0031】
(11) 腹腔鏡外科用装置であって、
a)遠位端及び近位端を含み、長手方向軸を規定する細長形シャフトと、
b)それぞれが外側切り欠き部を備え、内側に偏向可能である、前記シャフトの前記遠位端上の複数個の第1アームと、
c)前記第1アームの内側に位置決めされ、前記細長形シャフトの前記遠位端から、遠位方向に突出して、前記第1アームから長手方向に離隔し、それぞれが外側切り欠き部を備え、前記細長形シャフトに対して軸方向に摺動可能であり、かつ内側に偏向可能である、複数個の第2アームと、
d)前記第2アームに対して内側に位置決めされ、前記アームの内側偏向を防ぐロック位置と、前記アームの内側偏向を可能にするロック解除位置との間で、前記アームに対して軸方向に摺動可能である、細長形ピンと、
e)前記第1アーム及び前記第2アームの嵌合機構への、選択的な、生体内での取り付け及び生体内での取り外しが可能な、外科用エンドエフェクタと、を備える、腹腔鏡外科用装置。
(12) 前記細長形ピンの遠位端上に、閉塞先端部を更に含む、実施態様11に記載の腹腔鏡外科用装置。
(13) 前記複数個の第1アームが、前記細長形シャフト内に開口部を画定する、実施態様11に記載の腹腔鏡外科用装置。
(14) 前記開口部が、前記シャフトの外側面から前記シャフトの内側面を通じて延在する、実施態様13に記載の腹腔鏡外科用装置。
(15) 前記細長形シャフトの前記近位端に操作可能に接続されるハンドルを更に備え、前記ハンドルが、前記第2アームの前記軸方向移動を制御するトリガー、及び前記細長形ピンの前記軸方向移動を制御するアクチュエータを備える、実施態様11に記載の外科用装置。
【0032】
(16) 腹腔鏡外科用装置であって、
a)遠位端及び近位端を含み、長手方向軸を規定する細長形シャフトと、
b)それぞれが外側切り欠き部を備え、内側に偏向可能であり、前記シャフト内の開口部を画定する、前記シャフトの前記遠位端上の複数個の第1アームと、
d)前記第1アームの内側に位置決めされ、前記細長形シャフトの前記遠位端から、遠位方向に突出して、前記第1アームから長手方向に離隔し、それぞれが外側切り欠き部を備え、前記細長形シャフトに対して軸方向に摺動可能であり、かつ内側に偏向可能である、複数個の第2アームと、
d)前記第2アームに対して内側に位置決めされ、前記アームの内側偏向を防ぐロック位置と、前記アームの内側偏向を可能にするロック解除位置との間で、前記アームに対して軸方向に摺動可能であり、閉塞先端部を有する、細長形ピンと、
e)前記第1アーム及び前記第2アームの嵌合機構への、選択的な、生体内での取り付け及び生体内での取り外しが可能であり、組織を処置するための手段を備える、外科用エンドエフェクタであって、前記組織処置手段が、前記外科用エンドエフェクタに取り付けられる場合、前記第2アームの前記軸方向移動に応答して作動される、外科用エンドエフェクタと、
f)前記細長形シャフトの前記近位端に操作可能に接続され、前記第2アームの前記軸方向移動を制御するトリガー、及び前記細長形ピンの前記軸方向移動を制御するアクチュエータを備える、ハンドルと、を備える、腹腔鏡外科用装置。
(17) 外科用装置であって、
e)遠位端及び近位端を含み、長手方向軸を規定する細長形シャフトと、
f)嵌合機構を備え、内側に偏向可能であるアームと、
c)前記アームに対して内側に位置決めされ、前記アームの内側偏向を防ぐロック位置と、前記アームの内側偏向を可能にするロック解除位置との間で、前記アームに対して軸方向に摺動可能である、細長形ピンと、
e)前記アームの前記嵌合機構への、選択的な、取り付け及び取り外しが可能であり、前記細長形シャフトに係合するためのトルクアームを有する、外科用エンドエフェクタと、を備える、外科用装置。
(18) 前記細長形シャフトに、前記トルクアームを受容するように適合される開口部が提供される、実施態様17に記載の外科用装置。
(19) 前記開口部が、前記細長形シャフトの外側面から前記細長形シャフトの内側面を通じて延在する、実施態様18に記載の外科用装置。
(20) 前記トルクアームが、片持ち板ばねを含む、実施態様17に記載の外科用装置。
【0033】
(21) 2つ又は3つ以上のアームを備える、実施態様17に記載の外科用装置。
(22) 前記アームの遠位端上の外側切り欠き部、及び前記外科用エンドエフェクタ上の嵌合機構を更に備える、実施態様17に記載の外科用装置。
(23) 前記嵌合機構が、前記アームの外側切り欠き部と嵌合するように寸法決めされるリングを含む、実施態様22に記載の外科用装置。
(24) 外科用装置であって、
a)遠位端及び近位端を含み、前記遠位端上に隆起突出部を有する、長手方向軸を規定する細長形シャフトと、
b)嵌合機構を備え、内側に偏向可能であるアームと、
c)前記アームに対して内側に位置決めされ、前記アームの内側偏向を防ぐロック位置と、前記アームの内側偏向を可能にするロック解除位置との間で、前記アームに対して軸方向に摺動可能である、細長形ピンと、
e)前記アームの前記嵌合機構への、選択的な、取り付け及び取り外しが可能であり、前記細長形シャフトの隆起突出部に係合するための陥凹部を有する、外科用エンドエフェクタと、を備える、外科用装置。
(25) 前記隆起突出部が、板ばねである、実施態様24に記載の外科用装置。
【0034】
(26) 前記細長形シャフト上に、2つ又は3つ以上の隆起突出部を備える、実施態様24に記載の外科用装置。
(27) 前記陥凹部が、前記エンドエフェクタの内側面から前記エンドエフェクタの外側面を通じて延在する、実施態様26に記載の外科用装置。
(28) 前記エンドエフェクタに、トルクアームが提供され、前記陥凹部が、前記トルクアームの内側面上に配置される、実施態様24に記載の外科用装置。
(29) 前記トルクアームが、片持ち板ばねである、実施態様28に記載の外科用装置。
(30) 外科用装置であって、
a)遠位端及び近位端を含み、前記遠位端上に陥凹部を有する、長手方向軸を規定する細長形シャフトと、
b)嵌合機構を備え、内側に偏向可能であるアームと、
c)前記アームに対して内側に位置決めされ、前記アームの内側偏向を防ぐロック位置と、前記アームの内側偏向を可能にするロック解除位置との間で、前記アームに対して軸方向に摺動可能である、細長形ピンと、
e)前記アームの前記嵌合機構への、選択的な、取り付け及び取り外しが可能であり、前記細長形シャフトの陥凹部に係合するための板ばねトルクアームを有する、外科用エンドエフェクタと、を備える、外科用装置。
【0035】
(31) 前記板ばねトルクアームが、片持ち式である、実施態様30に記載の外科用装置。
(32) 前記板ばねトルクアームが、前記エンドエフェクタの外面に対して、内側に配置される、実施態様30に記載の外科用装置。
(33) 前記トルクアームに、内側偏向が提供される、実施態様32に記載の外科用装置。