特許第5916854号(P5916854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5916854
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】振動計用の改良された電気構成
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20160422BHJP
【FI】
   G01F1/84
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-518529(P2014-518529)
(86)(22)【出願日】2011年7月7日
(65)【公表番号】特表2014-521064(P2014-521064A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】US2011043156
(87)【国際公開番号】WO2013006177
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2014年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルバッハ, クリストファー エー.
(72)【発明者】
【氏名】サムソン, アラン エル.
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−337383(JP,A)
【文献】 特表平10−505154(JP,A)
【文献】 特開平9−250940(JP,A)
【文献】 特表昭63−501034(JP,A)
【文献】 特開平2−150724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の導管(103A,103B)と、
前記1つ以上の導管(103A,103B)に結合される、ドライバ(104)と、第一ピックオフセンサ(105)と、第二ピックオフセンサ(105’)との1つ以上を含む1つ以上のセンサ部品と、
本体(202)と、前記本体(202)から延在し前記1つ以上のセンサ部品の一のセンサ部品(104,105,105’)に結合される1つ以上のフラットなセンサ部品フレクシャ(210−212’)と、前記少なくとも1つのセンサ部品フレクシャに結合された余剰フレクシャ(350)とを含むフレキシブル回路(201)と、を備え、
前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、一次電気トレース(512A,512’A)および余剰電気トレース(512B,512’B)を有し、
前記電気トレース(512A,512’A,512B,512’B)は、少なくとも2つのフレキシブル基板の間に配置されている、振動計(50)用のセンサアセンブリ(200)。
【請求項2】
前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、少なくともセンサ部品ピン(312,312’)の一部を受け入れるよう適応された少なくとも1つの結合孔(330,330’)を含む、請求項1に記載のセンサアセンブリ(200)。
【請求項3】
前記センサ部品フレクシャに結合された歪リリーフ(440)を更に備え、これにより、前記歪リリーフに結合された前記フレクシャの一部および前記結合孔(330,330’)が互いに関して実質的に静止したままになるようにした、請求項2に記載のセンサアセンブリ(200)。
【請求項4】
前記歪リリーフ(440)は、前記センサ部品(104,105,105’)に結合される、請求項3に記載のセンサアセンブリ(200)。
【請求項5】
前記歪リリーフ(440)は、前記センサ部品(104,105,105’)の導管ブラケット(405A)に結合されたプレートを備え、前記センサ部品フレクシャの少なくとも一部が前記プレートと前記導管ブラケット(405A)との間に位置決めされている、請求項4に記載のセンサアセンブリ(200)。
【請求項6】
前記センサ部品フレクシャの前記結合孔(330,330’)のそれぞれに受け入れられる管状リベット(331,331’)を更に備えた、請求項2に記載のセンサアセンブリ(200)。
【請求項7】
前記結合孔(330,330’)で受け入れられる前記管状リベット(331,331’)は、前記センサ部品ピン(312,312’)に更に結合される、請求項6に記載のセンサアセンブリ(200)。
【請求項8】
ケース内に1つ以上の導管を位置決めする工程と、
ドライバと、第一ピックオフセンサと、第二ピックオフセンサとを1つ以上含む、1つ以上のセンサ部品を前記1つ以上の導管に結合する工程と、
前記ケース内にフレキシブル回路を位置決めする工程と、
前記フレキシブル回路の本体から延在する1つ以上のセンサ部品フレクシャを、前記1つ以上のセンサ部品の一のセンサ部品に結合する工程と、を備え、
前記フレキシブル回路は、前記少なくとも1つのセンサ部品フレクシャに結合された余剰フレクシャを更に有し、
前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、一次電気トレースおよび余剰電気トレースを有し、
前記電気トレースは、少なくとも2つのフレキシブル基板の間に配置されている、センサアセンブリの組立方法。
【請求項9】
前記フレキシブル回路を計測計電子機器に結合して前記計測計電子機器と前記1つ以上のセンサ部品との間に電気通信を提供する工程を更に備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサ部品フレクシャを結合する工程は、前記センサ部品から延在するセンサ部品ピンを前記センサ部品フレクシャに形成された結合孔内に挿入する工程を備えた、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記センサ部品フレクシャを歪リリーフに結合する工程を更に備え、これにより、前記1つ以上の導管が振動している間、前記歪リリーフに結合された前記センサ部品フレクシャの一部および前記結合孔が互いに関して実質的に静止したままになるようにする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記歪リリーフは前記センサ部品に結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記歪リリーフはプレートを備え、前記センサ部品フレクシャを前記歪リリーフに結合する工程は、前記センサ部品フレクシャの一部を前記プレートと前記センサ部品の導管ブラケットとの間に位置決めする工程を備えた、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
管状リベットを前記センサ部品フレクシャに形成された前記結合孔のそれぞれの中に挿入する工程を更に備えた、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記管状リベットを前記センサ部品ピンに結合する工程を更に備えた、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記の実施形態は振動計に関し、特に振動計用の改良された電気構成に関する。
【背景技術】
【0002】
振動計は、例えば振動濃度計およびコリオリ流量計等が一般的に知られており、質量流量および導管内の材料のその他の情報を計測するのに用いられる。この計測計はセンサアセンブリおよび電子部を備える。センサアセンブリ内の材料は流動していても静止していてもよい。各タイプのセンサは、最適性能を達成するために計測計が備えるべき、独自の特徴を有していてよい。
【0003】
コレオリ流量計の例は、全てJ.E.Smith等に付与された米国特許第4109524号、米国特許第4491025号、および米国再発行特許第31450号に開示されている。これらの流量計は、直線状もしくは湾曲状の構成の導管を1つ以上備える。コレオリ質量流量計における各導管構成は、単純な曲げ、ねじり型、もしくは結合型とすることができ、一組の固有振動モードを有する。各導管は、好ましいモードで振動するように駆動することができる。
【0004】
図1は、従来のセンサアセンブリ10を示す。センサアセンブリ10は、一般的に、計測計電子機器20と電気通信し、振動計5を形成する。センサアセンブリ10はコレオリ流量計の一部を備えることを下記に説明するが、センサアセンブリ10が別の型の振動計同様に容易に利用できることも認識されたい。センサアセンブリ10は流動流体を受け入れるが、振動計のセンサアセンブリは必ずしも被検流体が流動する構造に限定されない。したがって、センサアセンブリ10は、流体が流動しない振動濃度計の振動部、超音波流量計の感知部、磁気式体積流量計等を備えていてよい。
【0005】
この計測計電子機器は、センサアセンブリ10に接続することができ、例えば濃度、質量流量、体積流量率、合計質量流量、温度、および他の情報といった、流動する材料の特性を1つ以上計測する。
【0006】
図1において、センサアセンブリのケース15の前半分は、内部部品を見せるために取り外されている。センサアセンブリ10は、一組のマニホールド102,102’、および導管103A,103Bを含む。マニホールド102,102’は、導管103A,103Bの対向端に取り付けられる。導管103A,103Bは、マニホールドから、実質的に平行に外に向かって延在する。センサアセンブリ10が、流動する材料を搬送するパイプラインシステム(図示せず)の中に挿入される際、材料は、入口マニホールド102を介してセンサアセンブリ10に入り、そこで材料の全量が導管103A,103Bに入るよう導かれ、導管103A,103Bを通って流動し、出口マニホールド102’に戻り、そこからセンサアセンブリ10を出る。
【0007】
センサアセンブリ10は、ドライバ104を含むことができる。ドライバ104は、例えば、ドライバ104が導管103A,103Bをドライブモードで振動させることができる位置で、導管103A,103Bに取り付けられるように図示されている。ドライバ104は、導管103Aに装着されるコイルおよび導管103Bに装着される対向磁石のような、多くの周知の配置の1つを備えてもよい。交流の形のドライブ信号は、例えば第一および第二のリード線110,110’などを介したような計測計電子機器20によって提供され、またコイルを通り、両導管103A,103Bが曲げ軸W−WおよびW’−W’のまわりで振動することが可能である。リード線110および110’は、ドライバ104および第一プリント回路板(PCB)106に結合される。概して、リード線は第一PCB106およびドライバ104に半田付けで結合される。第二組のリード線120および120’は、第一PCBを第二PCB107に結合する。第二PCB107は、リード130を介して計測計電子機器と電気通信する。図示される従来技術によるドライバ104の電気構成は、4本のリード線および2つのPCB106および107を要するので、センサアセンブリのケース15から出る前に8つの半田接合部を要する。
【0008】
センサアセンブリ10はまた、導管103A,103Bに取り付けられる一対のピックオフセンサ105,105’を含む。一実施形態によれば、ピックオフセンサ105,105’は、例えば導管103A,103Bの速度および位置を表すセンサ信号を生成するピックオフ磁石およびピックオフコイルといった電磁検出器でよい。例えば、ピックオフセンサ105,105’は経路111,111’および112,112’を介してピックオフ信号を計測計電子機器20に供給してもよく、それによってピックオフセンサ105,105’および第一PCB106との間に電気通信経路が設けられる。第二組のリード線121,121’および122,122’は、ピックオフセンサ105,105’に、第一PCB106および第二PCB107間の電気通信を提供する。したがって、この電気構成は8本のリード線を要し、センサアセンブリ15のケースを出る前にピックオフセンサ105,105’への合計16の半田接合部を要する。ドライバ104およびピックオフセンサ105,105’への/からの電力は、抵抗器115を用いて調整される。図において、抵抗115は第一PCB106に結合している。
【0009】
また、第二PCB107に結合される側音抵抗体(RTD)(図示せず)のような温度検出装置用のリード線113,113’が図示されている。ある従来技術のセンサアセンブリにおいて、このリード線はテープ114もしくは他の固着手段によってケース15に保持され、センサアセンブリの配置に関係なくリードの動きを規制する。
【0010】
当業者であれば、導管103A,103Bの動きが、流動する材料の、例えば導管103A,103B内を流動する材料の質量流量および濃度といった、特定の特徴に比例することを理解するであろう。
【0011】
一実施形態によれば、計測計電子機器はピックオフセンサ105,105’からピックオフ信号を受け取る。経路26は、1つ以上の計測計電子機器20がオペレーターとインターフェイスを取るのを可能にする入力および出力手段を提供することができる。計測計電子機器20は、例えば、位相差、周波数、時間遅延(周波数で割られた位相差)、濃度、質量流量、体積流量、合計質量流量、温度、計測計検査、および当該分野で一般的に知られるその他の情報のような、試験流体の1つ以上の特徴を計測することができる。
【0012】
例えば、材料がセンサアセンブリ10の入口側に結合されたパイプラインからセンサアセンブリ10へ流入する際、導管103A,103Bを通って導かれ、そしてセンサの出口側を通ってセンサアセンブリ10を出る。振動材料充填システムの固有振動モードは、導管の結合した質量および導管内を流動する材料によって部分的に定義される。
【0013】
センサアセンブリに流れがない場合、ドライバ104によって導管103A,103Bに付された駆動力は、導管103A,103Bに沿った全ての点を同一相もしくは0流量で計測される時間遅延である、小さな“ゼロオフセット”で振動させる。材料がセンサアセンブリを通って流動し始めると、コリオリ力が導管に沿った各点に異なる位相を持たせる。例えば、センサの入口端の位相が集中型ドライバ位置の位相を遅らせる一方、出口の位相は集中型ドライバ位置の位相を進める。導管103A,103B上のピックオフセンサ105,105’は、導管103A,103Bの動きを表す正弦波信号を生成する。ピックオフセンサ105,105’から出力される信号は処理され、ピックオフセンサ105,105’間の位相差を決定する。2つ以上のピックオフセンサ105,105’間の位相差は、導管103A,103Bを通って流れる材料の質量流量に比例する。
【0014】
材料の質量流量は、位相差に流量校正係数(FCF)を掛けることによって決定できる。流量計のセンサアセンブリ10をパイプラインに取り付ける前に、FCFは校正プロセスによって決定される。校正プロセスでは、流体は既知の流量で導管103A,103Bを通過し、位相差と流量の関係が計算される(すなわちFCF)。流量計5のセンサアセンブリ10は、FCFにピックオフセンサ105,105’の位相差を掛けることによって実質的に流量を決定する。加えて、流量を決定するのにその他の校正係数を考慮することができる。
【0015】
部分的には振動計の、特にコレオリ流量計の高い精度のために、振動計は様々な産業において成功してきた。しかしながら、上記のように、ドライバ104およびピックオフセンサ105,105’と通信するためのセンサアセンブリの電気構成は、余分なリード線および半田接合部を要する。半田接合部は概して、センサアセンブリが扱うことのできる温度の範囲を制限する。さらに、各リード線は概して個別に手作業で切断され、そして半田付けされるので、センサアセンブリによって広くばらつきが生じる。従来技術の電気構成の別の問題は、第一PCB106からドライバ104およびピックオフセンサ105,105’へのリード線に過剰な負担がかかり、しばしば早期損傷を引き起こすことである。もし一本のリード線が切れたら、センサアセンブリ10は全体的に概して操作不能になる。
【0016】
下記に述べる実施形態は、これらの問題およびその他の問題を克服し、当該分野の進歩が遂げられる。下記に述べる実施形態は、より安価で効率がよく信頼できるセンサアセンブリをもたらす、センサアセンブリの改良された電気構成を提供する。改良されたセンサアセンブリは、様々なリード線を用いた剛性のPCBよりも、フレキシブルな回路を利用する。加えて、ある実施形態において、フレキシブルな回路は、センサ部品に半田付けされた従来技術のリード線よりも高い温度に耐えることができる。
【発明の概要】
【0017】
振動計用のセンサアセンブリは、一実施形態によって提供される。このセンサアセンブリは、1つ以上の導管およびこの1つ以上の導管に結合される、ドライバ、第一ピックオフセンサ、および第二ピックオフセンサを1つ以上含む1つ以上のセンサ部品を備える。一実施形態によれば、このセンサアセンブリは、フレキシブル回路を更に含む。このフレキシブル回路は、本体および本体から延在して1つ以上のセンサ部品の一センサ部品に結合される1つ以上のセンサ部品フレクシャを含む。
【0018】
センサアセンブリの組立方法は、一実施形態によって提供される。この方法は、ケース内に1つ以上の導管を位置決めする工程および1つ以上のセンサ部品を1つ以上の導管に結合する工程を備え、センサ部品は、ドライバ、第一ピックオフセンサ、および第二ピックオフセンサを1つ以上含む。一実施形態によれば、この方法はケース内にフレキシブル回路を位置決めする工程を更に備える。一実施形態によれば、この方法は、フレキシブル回路の本体から延在する1つ以上のセンサ部品フレクシャを1つ以上のセンサ部品の一センサ部品に結合する工程を更に備える。
【0019】
[態様]
一態様によれば、振動計用のセンサアセンブリは、
1つ以上の導管と、
前記1つ以上の導管に結合される、ドライバと、第一ピックオフセンサと、第二ピックオフセンサとを1つ以上含む1つ以上のセンサ部品と、
本体と、前記本体から延在し前記1つ以上のセンサ部品の一のセンサ部品に結合される1つ以上のセンサ部品フレクシャとを含むフレキシブル回路と、を備える。
【0020】
好ましくは、前記フレキシブル回路は、計測計電子機器と前記1つ以上のセンサ部品との間に電気通信を提供する。
【0021】
好ましくは、前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、センサ部品ピンの少なくとも一部を受け入れるよう適応された少なくとも1つの結合孔を含む。
【0022】
好ましくは、前記センサアセンブリは、センサ部品フレクシャに結合された歪リリーフを更に備え、これにより、前記歪リリーフに結合された前記フレクシャの一部および前記結合孔が互いに関して実質的に静止したままになるようにする。
【0023】
好ましくは、前記歪リリーフは、センサ部品に結合される。
【0024】
好ましくは、前記歪リリーフは、センサ部品の導管ブラケットに結合されたプレートを備え、前記センサ部品フレクシャの少なくとも一部が前記プレートと前記導管ブラケットとの間に位置決めされている。
【0025】
好ましくは、前記センサアセンブリは、前記センサ部品フレクシャの前記結合孔にそれぞれ受け入れられる管状リベットを更に備える。
【0026】
好ましくは、前記結合孔で受け入れられる前記管状リベットは、前記センサ部品ピンに更に結合される。
【0027】
好ましくは、前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、1つ以上の電気トレースを備える。
【0028】
好ましくは、前記センサアセンブリは、前記少なくとも1つのセンサ部品フレクシャに結合された余剰フレクシャを更に備える。
【0029】
好ましくは、前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、一次電気トレースおよび余剰電気トレースを備える。
【0030】
別の態様によれば、センサアセンブリの組立方法は、
ケース内に1つ以上の導管を位置決めする工程と、
ドライバと、第一ピックオフセンサと、第二ピックオフセンサを1つ以上含む1つ以上のセンサ部品を前記1つ以上の導管に結合する工程と、
前記ケース内にフレキシブル回路を位置決めする工程と、
前記フレキシブル回路の本体から延在する1つ以上のセンサ部品フレクシャを、前記1つ以上のセンサ部品の一のセンサ部品に結合する工程と、を備える。
【0031】
好ましくは、前記方法は、前記フレキシブル回路を計測計電子機器に結合して前記計測計電子機器と前記1つ以上のセンサ部品との間に電気通信を提供する工程を更に備える。
【0032】
好ましくは、前記1つ以上のセンサ部品フレクシャを結合する工程は、センサ部品から延在するセンサ部品ピンを前記センサ部品フレクシャに形成された結合孔内に挿入する工程を備える。
【0033】
好ましくは、前記方法はセンサ部品フレクシャを歪リリーフに結合する工程を更に備え、これにより、前記1つ以上の導管が振動している間、前記歪リリーフに結合されたセンサ部品フレクシャの一部および前記結合孔が互いに関して実質的に静止したままになるようにする。
【0034】
好ましくは、前記歪リリーフはセンサ部品に結合される。
【0035】
好ましくは、前記歪リリーフはプレートを備え、前記センサ部品フレクシャを前記歪リリーフに結合する工程は、前記センサ部品フレクシャの一部を前記プレートと前記センサ部品の導管ブラケットとの間に位置決めする工程を備える。
【0036】
好ましくは、前記方法は、管状リベットを前記センサ部品フレクシャに形成された前記結合孔のそれぞれの中に挿入する工程を更に備える。
【0037】
好ましくは、前記方法は、前記管状リベットを前記センサ部品ピンに結合する工程を更に備える。
【0038】
好ましくは、前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、1つ以上の電気トレースを備える。
【0039】
好ましくは、前記フレキシブル回路は、前記少なくとも1つのセンサ部品フレクシャに結合された余剰フレクシャを更に備える。
【0040】
好ましくは、前記センサ部品フレクシャはそれぞれ、一次電気トレースおよび余剰電気トレースを備える。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】従来技術のセンサアセンブリ。
図2】一実施形態による振動計のためのセンサアセンブリ。
図3】一実施形態によるセンサアセンブリのセンサ部品に結合されたフレキシブル回路。
図4】別の実施形態によるセンサ部品に結合されたフレキシブル回路。
図5】一実施形態によるフレキシブル回路のセンサ部品フレクシャ。
図6】別の実施形態によるフレキシブル回路のセンサ部品フレクシャ。
図7】一実施形態による管状リベットを用いたコイルピンに結合されたフレクシャの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図2−7および下記の記述は具体例を示し、当業者に、センサアセンブリの実施形態の最良の形態を作成し、使用する方法を教示する。発明の原理を教示するために、いくつかの従来の態様が簡略化または省略されている。当業者であれば、これらの例からの本明細書の範囲におさまる変形を理解するであろう。当業者であれば、下記に説明する特徴は、様々な方法で組み合わされ、センサアセンブリの多種の変形を形成することを理解するであろう。結果として、下記に説明される実施形態は、下記に説明される具体例に限定されず、請求項および同等のもののみによって限定される。
【0043】
図2は、一実施形態による計測計電子機器20およびセンサアセンブリ200を含む振動計50を示す。従来技術のセンサアセンブリ10の部品も備えるセンサアセンブリ200の部品には共通の符号が使われる。図2に示される実施形態は、内部部品を図示するために、ケース15の前半部が除去されている。図示されるように、センサアセンブリ200は、リード線とともに第一および第二PCB106,107を両方とも取り除いている。代わりに、センサ部品は、フレキシブル回路201に結合され、当該分野では時折“フレックス回路”と呼ばれる。一実施形態によれば、センサ部品はフレキシブル回路201を介して計測計電子機器20と電気通信する。センサ部品は例えば、1つ以上のドライバ104、ピックオフセンサ105,105’、およびRTD(図示せず)を含んでもよい。一実施形態によれば、フレキシブル回路201は単一構成部品として形成されることができる。フレキシブル回路201は、本体202および本体202から延在する1つ以上のセンサ部品フレクシャ210−212’を含むことができる。フレキシブル回路201は、リード130とセンサ部品との間を通信することができる。したがって、いくつかの実施形態において、フレキシブル回路201は、複数のリード130と連結することができる。リード130は、例えば、フレキシブル回路201と計測計電子機器20との間に電子通信経路を供給することができる。あるいは、リード130は取り去られてもよく、フレキシブル回路201はケース15の外に延在し、計測計電子機器20まで延在してもよい。したがって、フレキシブル回路201は、センサ部品と例えば、計測計電子機器20のようなセンサアセンブリ200の外にある装置との間に電気通信を供給する。その結果、フレキシブル回路201は、従来技術のセンサアセンブリ10の2つのPCB106,107とともに、リード線110−122’を置き換えた。
【0044】
一実施形態によれば、フレキシブル回路201は、フレキシブルフラットケーブルやリボンケーブル等を含むことができる。フレキシブル回路201は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、他のいくらかのプラスチック、もしくは当業界で周知の絶縁材のような、1つ以上の細く柔軟な絶縁基板を備えることができる。フレキシブル回路201は、複数の電気トレースを備えることができる(図5、6参照)。電気トレースは、2つの絶縁フレキシブル基板内に含まれてもよい。すなわち、フレキシブル基板の2つの層の間に挟まれてもよい。フレキシブル回路の一般例としては、フラットおよびフレキシブルプラスチック基板へのバウンド、ラミネート、エッチング等がされた金属トレースが知られている。金属トレースは、電力、信号、および/もしくはグラウンドを流す電気トレースとして使用することができる銅膜、フォトエッチングまたはめっきされた銅膜、もしくは当該分野で一般的に知られる他のいくらかの材料を備えてもよい。フレキシブル回路201の特定の構成は、必要な電気トレースの数および特定の構成によって変わる。したがって、図2に示される具体的な構成は、本実施形態の範囲を全く限定しない。
【0045】
剛性のPCBと違って、フレキシブル回路201は、弾力性があり、変形するか、もしくは様々な構成を収容するよう適応することができる。したがって、フレキシブル回路201は、従来技術の電気構成に見られる相当量の応力を緩和することができる。
【0046】
一実施形態によれば、センサアセンブリ200は取付ブロック203を更に含むことができる。一実施形態によれば、少なくともフレキシブル回路201の一部を取付ブロック203上に取り付けることができる。より具体的には、フレキシブル回路201の本体202の一部を取付ブロック203上に取り付けることができる。フレキシブル回路201は、取付プレート204もしくは同様の機器を用いて取付ブロック203上に留めることができる。一実施形態によれば、本体202の一部は、例えばケース15についてフレキシブル回路201を略中央に配置するために、取付ブロック203上に取り付けることができる。例えば、取付ブロック203は、フレキシブル回路201の一部を2つの導管103A,103Bの間の中央に配置するために設けることができる。
【0047】
一実施形態によれば、フレキシブル回路201は、複数のセンサ部品フレクシャを用いてセンサ部品104、105,105’に結合することができる。図示される実施形態では、フレキシブル回路201は、第一および第二ドライバフレクシャ210,210’を用いてドライバ104に結合される。同様に、フレキシブル回路201は、ピックオフフレクシャ211,211’、および212,212’を用いて、ピックオフセンサ105,105’にそれぞれ結合される。フレクシャは、フレキシブル回路201の本体202と同様の構成を備えてもよい。しかし、本体202は必要な電気トレースを実質的に全て含むことができるが、フレクシャは特定のセンサ部品が結合されるための電気トレースを含む構成に限定してもよい。一実施形態によれば、フレクシャは、フレキシブル回路201の本体202に一体部品を備えることができる。図示されるように、フレクシャは本体202から延在することができる。したがって、フレクシャは、従来技術のセンサアセンブリ10のリード線とPCBとの間に必要な別個の半田接合部を必要としない。その代わりに、フレクシャは関連センサ部品に結合されていればよい。フレクシャは、物理的および電気的な結合をフレキシブル回路201とセンサ部品との間にもたらすことができる。認識されるように、リード線がセンサ部品およびPCBに半田付けされるために長さの違いが生じやすい従来技術のリード線と違い、フレクシャは、フレキシブル回路201の一体部品を備えることができる。フレキシブル回路201はフレクシャを含み、フレクシャ回路同士の大きさと長さが略均一になるよう、再現可能な方法で形成することができる。
【0048】
図2には示されていないが、いくつかの実施形態において、フレキシブル回路201は、センサ部品に送られる電力を調整するために、図1の抵抗器115と同様の複数の電気抵抗器を含んでもよいことを認識されたい
図3は、フレキシブル回路201およびセンサ部品間の結合を表すより詳細な図である。図3に示される実施形態では、センサ部品は第二ピックオフセンサ105’を備える。しかし、ドライバ104、第一ピックオフセンサ105、およびRTDといったその他のセンサ部品に同様の結合を為すことができることを認識されたい。
【0049】
図示される実施形態によれば、ピックオフセンサ105’は、第一流体導管103Aに結合されるピックオフコイル305Aおよび第二流体導管103Bに結合されるピックオフ磁石305Bを有するコイル/磁石の構成を備える。しかし、光学や圧電タイプなどの他のタイプのドライバおよびピックオフセンサを用いてもよいことを認識されたい。したがって、説明した実施形態は電磁センサ部品に限定されるべきではなく、むしろコイル/磁石の構成が、本明細書において一貫性を維持するために参照される。
【0050】
図示されるように、第一および第二ピックオフフレクシャ212,212’は、第一および第二センサ部品ピン312,312’に結合される。したがって、第一および第二ピックオフフレクシャ212,212’の結合は、図1の従来技術のセンサアセンブリ10に見られるコイルの第一および第二ピン312,312’へのリード線112,112’の結合に取って代わっている。一実施形態によれば、第一および第二ピックオフフレクシャ212,212’と第一および第二ピン312,312’との結合は、フレクシャ212,212’の第一および第二ピン312,312’への半田付けをともなうことができる。より具体的には、フレクシャ212,212’は、少なくともコイル305Aの第一および第二ピン312,312’の一部を受け入れるような大きさおよび形状の結合孔330,330’を含むことができる。結合孔330,330’は、第一および第二フレクシャ212,212’のトレース(図5、6参照)とコイル305Aの第一および第二ピン312,312’との間を適切に電気通信させる伝導部を備えることができる。しかし、当業者であれば、容易に代替構成を理解できるであろう。フレクシャ212,212’とピン312,312’との結合は、電気的および物理的な結合をフレキシブル回路201とピックオフセンサ105’との間に供給する。
【0051】
上述したように、半田付けはある状況において十分な結合を提供する一方、高温を適用する場合には、半田材料が溶けうるので、半田結合部は劣化しうる。したがって、ある状況においては、コイルピン312,312’をフレクシャ212,212’に直接半田付けすると、センサアセンブリ200の温度範囲が限定されるかもしれない。したがって、一実施形態によれば、フレクシャ212,212’は、管状リベット331,331’を備えることができる。管状リベット331,331’は、図3で結合孔330,330’を囲むように図示され、図7の断面図に、より詳しく図示される。
【0052】
一実施形態によれば、第一および第二フレクシャ212,212’はまた、余剰フレクシャ350を介して互いに結合される。余剰フレクシャ350は、下記により詳細に説明されるように、余剰回路を作り出す。余剰フレクシャ350は、フレクシャ212,212’の一方が壊れた場合においても、完全な電気回路を提供する。
【0053】
図3に示される構成は、従来技術の状況と比べて、半田接合部にかかる応力を低減する。フレクシャ212,212’は、従来技術のリード線よりも振動で生じる負荷をより効率的に分配することができるため、流体導管103A,103Bが振動する際に作られる応力を軽減するので、従来技術のリード線よりも信頼できる。また、フレクシャ212,212’は、フレキシブル回路201の一体形成部を備えることで、図1の独立したリード線が可能であったよりも、フレクシャ212,212’はより均一で再現性のある長さになる。このことによって、従来技術のリード線と比べて応力を低減することができる。もし従来技術のリード線が短すぎると、半径範囲が狭くなり、半田付け接合部は、振動中、さらに応力が増えるためである。フレキシブル回路201のフレクシャ212,212’はまた、従来技術のリード線に見られる、しばしばリード線の応力集中につながるもつれのリスクを低減する。しかし、図3のフレクシャ212,212’は半田接合部への物理的な応力を低減する一方、導管103A,103Bが振動する際、第一および第二接続部312,312’を結合孔330,330’内に保持するために、半田接合部はなおいくらかの歪みを受けてもよい。
【0054】
図4は、別の実施形態によるセンサ部品に結合されるフレクシャ212,212’を示す。図4に示される実施形態において、フレクシャ212,212’は、歪リリーフ440に結合される。一実施形態によると、歪リリーフ440はコイル305Aの一部を備えることができる。より具体的には、歪リリーフ440は、コイル305Aの導管ブラケット405A上に形成することができる。別の実施形態によれば、歪リリーフ440は、コイル305Aの一部に結合することができる。図示される実施形態において、歪リリーフ440は、フレクシャ212,212’を接合する余剰フレクシャ350に結合される。余剰フレクシャ350は、図4の実施形態において、歪リリーフ440を収容するために、図3に示される実施形態よりも少し大きく図示される。しかし、歪リリーフ440は、余剰フレクシャ350に結合される必要はなく、第一および第二フレクシャ212,212’に結合されてもよい。図4に示されるような歪リリーフは、リード線と接触すると短絡を引き起こす可能性があったため、従来技術においては実現不可能であった。しかし、フレキシブル回路201は、短絡のリスクを防ぐか実質的に低減することができる絶縁基板を備える。したがって、歪リリーフ440を使用することができる。
【0055】
フレクシャ212,212’に結合された歪リリーフ440を用いると、結合孔330,330’と第一および第二コイルピン312,312’の半田接合部は、実質的に歪みが低減する。これは、流体導管103A,103Bが振動する際、歪リリーフ440と接点312,312’との相対位置が静止したままであるためである。言い換えれば、導管103A,103Bが振動している間でも、歪リリーフ440に結合されたフレクシャ212,212’の一部と第一および第二接点312,312’の相対位置は、略一定のままである。したがって、振動中は、結合孔330,330’と第一および第二ピン312,312’との結合は、引っ張りや他のいかなるタイプの変形にも動じない。その代わりに、引っ張りおよび変形は歪リリーフと取付プレート204との間に生じる。認識できるように、フレクシャ212,212’は、フレキシブル回路の一部を備えるため、変形可能であり、振動および過剰な動きも容易に吸収できる。
【0056】
図示される実施形態によると、歪リリーフ440は、フレクシャ212,212’、より具体的にはプレート441と導管ブラケット405Aとに挟まれた余剰フレクシャ350を有するセンサ部品305Aの導管ブラケット405Aに結合できるプレート441を備える。単一のプレート441が図示されるが、他の実施形態においては、フレクシャ212,212’は、余剰フレクシャ350に接合されなくてもよく、したがって、多数のプレートを備えることができることを認識されたい。さらに、先に説明した実施形態の歪リリーフ440はプレート441を利用するが、他の構成がフレクシャ212,212’の一部を導管ブラケット405Aに結合するのに用いられてもよいことを認識されたい。例えば、余剰フレクシャ350は、接着剤、チップ、突起および対応する孔等を用いて導管ブラケット405Aに結合されてもよい。有利なことに、歪リリーフ440は、センサアセンブリ200の寿命、特にフレキシブル回路201と様々なセンサ部品との結合の寿命を延ばすことができる。
【0057】
上記で簡潔に述べたように、本実施形態のフレキシブル回路201は、余剰回路を含むことができる。余剰回路によって、センサ部品へのフレクシャの一つが壊れたとしても、電力、信号、および/またはグラウンドを計測計電子機器20およびセンサ部品の間に送ることができる。
【0058】
図5は、一実施形態によるフレクシャ212,212’の断面図を示す。図5に示されるように、フレキシブル回路201は、2つの電気トレース512および512’を含む。電気トレース512および512’は、例えば、ピックオフセンサ105’のようなセンサ部品と計測計電子機器20との間に電気通信を提供することができる。いくつかの実施形態において、電気トレース512,512’は、例えば、センサ部品とリード130のような別の中間電子部品との間に電気通信を提供してもよい。したがって、2つの電気トレース512,512’のみが図示されるが、当業者であれば、フレキシブル回路201に結合された各センサ部品に2つ以上のトレースを備えることができることを容易に理解できるであろう。
【0059】
図示される実施形態によれば、電気トレースの一方は、グラウンドのような基準電圧を備えることができ、他方の電気トレースは、+および−記号で示されるように基準電圧から幾分異なることができる。図示されるように、電気トレース512,512’は共に、各フレクシャ212,212’および余剰フレクシャ350を介して延在する。第一電気トレース512は、フレクシャ212を介して延在する一次トレース512Aと、フレクシャ212’を介して延在する余剰トレース512Bと、第一結合孔330に電気通信を提供する余剰フレクシャ350とに分かれる。同様に、第二電気トレース512’は、フレクシャ212’を介して延在する一次トレース512’Aと、フレクシャ212を介して延在する余剰トレース512’Bと、第二結合孔330’に電気通信を提供する余剰フレクシャ350とに分かれる。当業者であれば、電力および/または信号が、一次第一電気トレース512Aおよび余剰第一電気トレース512Bのどちらか一方または両方から、第一結合孔330に送信されることは理解できるであろう。コイル305Aの電気接点312が第一結合孔330に結合されると、電力はコイル305Aを介して第二結合孔330’に向けて流動することができる。一次第二電気トレース512’Aおよび/または余剰第二電気トレース512’Bにより、回路を完成することができる。
【0060】
図6は、別の実施形態によるフレキシブル回路201の一部を示す。図6に示す実施形態では、第一フレクシャ212は壊れている。フレクシャ212が壊れる理由は多数あり得る。認識できるように、もし従来技術のセンサアセンブリ10のリード線112がフレクシャ212と同じように壊れると、ピックオフセンサ105’に電力や信号が一切通信されない。しかしながら、トレース512,512’は、フレクシャ212,212’のどちらか一方だけではなく両フレクシャ212,212’を介して延在するため、フレクシャ212が壊れても、他方のフレクシャが電気通信経路を提供することができるので、電力および/または信号がピックオフセンサ105’に通信されるのを妨げられない。第一フレクシャ212が壊れると、電力および/または信号は、余剰第一電気トレース512Bおよび一次第二電気トレース512’Aを介して通信されることができる。したがって、余剰フレクシャ350を含む図示された実施形態は、フレクシャの一方が壊れた後も継続使用を可能にする余剰回路を作り出す。したがって、センサ部品は、単一のフレクシャ212もしくは212’および余剰フレクシャ350を有する計測計電子機器20と通信することができる。
【0061】
図7は、一実施形態による結合孔330によって受け入れられるコイルピン312の断面図を示す。この断面図は単一のフレキシブル基板712のみを示すが、上記のように、電気トレース512は2つのフレキシブル基板の間に挟まれてもよいことを認識されたい。上述したように、いくつかの実施形態において、トレース512,512’をコイルピン312,312’に直接半田付けすると、半田が意図した動作温度以下で溶けるかもしれないので、センサアセンブリ200の温度範囲を限定する可能性がある。しかし、より高温の結合技術を電気トレース512,512’に直接用いると、トレース512,512’に恒久的な損傷をもたらすかもしれない。したがって、一実施形態によれば、センサアセンブリ200は、管状リベット331,331’を使用することができる。管状リベット331は図7に示されるが、同様の管状リベットがフレキシブル回路201の結合孔のそれぞれに備えられてもよいことを認識されたい。
【0062】
一実施形態によれば、少なくとも管状リベット331の一部を結合孔330内に挿入することができる。図7の右側は、バッキングされ(変形され)コイルピン312に溶接される前の管状リベット331を示す。図7の左側は、コイルピン312に挿入、バッキング、および溶接もしくは結合されて、フレクシャ212をコイルピン312に電気的および物理的に結合する管状リベット331を示す。一実施形態によれば、結合孔330(リベット尾部)で受け入れられるリベット331の一部は、挿入の際に部分的に変形するように、結合孔よりやや大きくすることができる。このことよって、リベット331と電気トレース512との十分な電気接点を確保し、電気アーチングのリスクを低減することができる。リベット331が結合孔330に挿入されると、リベットは、図7の左側に示される形状にバッキングされる。認識できるように、リベット331がバッキングされると、リベット331はフレクシャ212に半永久的に結合される。
【0063】
リベット331が適切な場所に定まると、少なくともコイルピン312の一部を管状リベット331に挿入することができる。認識できるように、リベット331を利用する実施形態では、結合孔330は、リベット331が占める面積を収容しなおコイルピン312を受け入れるために、わずかに大きくする必要がある。一実施形態によれば、リベット331は、電気トレース512ほど熱に敏感ではない。したがって、リベット331をコイルピン312に半田付けするよりも、2つの部品は、例えば溶接継手713に図示されるようなスポット溶接等のより高温の工程を用いて連結することができる。リベット331をコイルピン312にスポット溶接することで、例えば半田付けするよりもより高温の環境に耐えうるより高温の接合を生む。また、スポット溶接は、リベット331がコイルピン312に結合されるので、電気トレース512に加わる熱を制限することができる。さらに、リベット331が伝導性の材料から形成されさえすれば、リベット331は、電気トレース512とコイルピン312との間に電気エネルギーを伝達することができる。
【0064】
上述した実施形態は、センサアセンブリ200の改良された電気構成を提供する。従来技術のセンサアセンブリはリード線および多数のPCBに依存するが、上述した実施形態は、これらの部品の多くを削減する。上述したセンサアセンブリ200は、1つ以上のセンサ部品に結合できるフレキシブル回路201を利用する。フレキシブル回路201は、計測計電子機器20とセンサ部品との間に電気通信を提供することができる。有利なことに、フレキシブル回路201は、従来技術のセンサアセンブリ10に比べて、センサ部品に電気通信を提供するのに要する部品の数を減らすことができる。さらに、センサ部品フレクシャは、一体部品をフレキシブル回路201の本体202に備えることができるので、その電気構成は、従来技術のアプローチよりも均一で繰り返し可能である。
【0065】
また、上述したように、フレキシブル回路201は、1つのセンサ部品フレクシャが壊れても電気通信を提供し続けるために余剰回路を提供する。さらに、センサ部品フレクシャによって受け入れられるリベットを使うことで、センサアセンブリ200は、半田接合部を利用する従来技術のセンサアセンブリよりも、より高温の環境に耐えることができる。
【0066】
上記の実施形態のより詳細な説明は、発明者によって熟考された、本明細書の範囲内におさまるべき全ての実施形態を徹底して説明したものではない。実際は、当業者であれば、上述した実施形態の特定の要素が様々に組み合わされるか削除され、さらなる実施形態が作られてもよく、またそのようなさらなる実施形態は、本明細書の範囲および教示におさまることを理解できるであろう。また、当業者にとっては、上述した実施形態は、全体または一部が組み合わされ、本明細書の範囲および教示内で追加の実施形態を作り出してもよいことも明白である。
【0067】
したがって、センサアセンブリの具体的な実施形態および例は、例示的な目的でここに説明されるが、関連分野の当業者が認識できるような様々な同等の改良が、本明細書の範囲内において可能である。ここに提供される教示は、上述したおよび添付の図面に示した実施形態だけではなく、他のセンサアセンブリにも応用することができる。したがって、上述した実施形態の範囲は以下のクレームから決定すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7