(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5916907
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】チケットの二次販売システム、販売サーバ、店舗端末、店舗システムおよびチケットの二次販売方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20160422BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20160422BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/06 130
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-13929(P2015-13929)
(22)【出願日】2015年1月28日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】511266829
【氏名又は名称】株式会社ファミマ・ドット・コム
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(74)【代理人】
【識別番号】100112520
【弁理士】
【氏名又は名称】林 茂則
(72)【発明者】
【氏名】石黒 玲
(72)【発明者】
【氏名】山川 祐吾
【審査官】
岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−192101(JP,A)
【文献】
特開2008−197717(JP,A)
【文献】
特開2014−126959(JP,A)
【文献】
特開2001−351039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売サーバ、ユーザ端末および店舗端末がネットワークを介して接続されたチケットの二次販売システムであって、
前記ユーザ端末が、出品側のユーザ端末として機能する場合、出品者の操作に応答して前記チケットの出品要求を前記販売サーバに送信し、購入側のユーザ端末として機能する場合、購入者の操作に応答して前記チケットの購入要求を前記販売サーバに送信するものであり、
前記店舗端末が、前記出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取る識別情報読み取り部と、
前記識別情報読み取り部で読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信する識別情報送信部と、
前記購入要求に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信する情報送信要求送信部と、
前記情報送信要求に応答して前記販売サーバが送信したチケット情報を受信するチケット情報受信部と、
受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券するチケット発券部と、を有し、
前記販売サーバが、
前記出品要求、前記識別情報、前記購入要求および前記情報送信要求を受信するデータ受信部と、
前記出品要求の受信を契機として前記チケットの出品を仮登録し、前記識別情報の受信を契機として前記識別情報に対応する前記仮登録を本登録に変更し、前記購入要求の受信を契機として取引に係る前記チケットの購入を登録する出品・購入登録部と、
前記情報送信要求の受信を契機として取引に係る前記チケットのチケット情報を送信するデータ送信部と、を有する
チケットの二次販売システム。
【請求項2】
ユーザ端末および店舗端末にネットワークを介して接続されたチケットの二次販売のための販売サーバであって、
出品側の前記ユーザ端末からの前記チケットの出品要求、出品側の前記店舗端末からの前記出品要求に係る前記チケットの識別情報、購入側の前記ユーザ端末からの前記チケットの購入要求、および、購入側の前記店舗端末からの前記購入要求に係る前記チケットの情報送信要求、を受信するデータ受信部と、
前記出品要求の受信を契機として前記チケットの出品を仮登録し、前記識別情報の受信を契機として前記識別情報に対応する前記仮登録を本登録に変更し、前記購入要求の受信を契機として取引に係る前記チケットの購入を登録する出品・購入登録部と、
前記情報送信要求の受信を契機として取引に係る前記チケットのチケット情報を送信するデータ送信部と、
を有する販売サーバ。
【請求項3】
チケットの二次販売のための販売サーバにネットワークを介して接続された店舗端末であって、
出品側のユーザ端末から前記販売サーバに送信された出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取る識別情報読み取り部と、
前記識別情報読み取り部で読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信する識別情報送信部と、
購入側のユーザ端末から前記販売サーバに送信された購入要求に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信する情報送信要求送信部と、
前記情報送信要求に応答して前記販売サーバが送信したチケット情報を受信するチケット情報受信部と、
受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券するチケット発券部と、を有し、
前記識別情報が、前記販売サーバにおいて、前記出品要求により予め登録された前記チケットの出品の仮登録を、当該識別情報の受信を契機として本登録に変更するものである
店舗端末。
【請求項4】
前記識別情報が、前記チケットの券面に印刷された一次元または二次元のバーコード情報であり、
前記識別情報読み取り部がバーコードリーダを含む
請求項3に記載の店舗端末。
【請求項5】
前記購入要求に応答して前記販売サーバから前記購入側のユーザ端末に送信された取引識別情報を入力する取引識別情報入力部をさらに有し、
前記情報送信要求送信部が、前記取引識別情報を含めて前記情報送信要求を送信する
請求項3または請求項4に記載の店舗端末。
【請求項6】
前記取引識別情報が、印刷された一次元または二次元のバーコード情報であり、
前記取引識別情報入力部がバーコードリーダを含む
請求項5に記載の店舗端末。
【請求項7】
チケットの二次販売のための販売サーバにネットワークを介して接続された店舗システムであって、
前記店舗システムが、店舗端末および店舗内ユーザ端末を含み、
前記店舗内ユーザ端末が、
購入者の操作に応答して前記チケットの購入要求を前記販売サーバに送信する購入要求送信部と、
前記購入要求に応答して前記販売サーバから送信された取引識別情報を受信する取引識別情報受信部と、
受信した前記取引識別情報を出力する取引識別情報出力部と、を有し、
前記店舗端末が、
出品側のユーザ端末から前記販売サーバに送信された出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取る識別情報読み取り部と、
前記識別情報読み取り部で読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信する識別情報送信部と、
前記店舗内ユーザ端末が受信した前記取引識別情報を入力する取引識別情報入力部と、
入力された前記取引識別情報に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信する情報送信要求送信部と、
前記情報送信要求に応答して前記販売サーバが送信したチケット情報を受信するチケット情報受信部と、
受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券するチケット発券部と、を有し、
前記識別情報が、前記販売サーバにおいて、前記出品要求により予め登録された前記チケットの出品の仮登録を、当該識別情報の受信を契機として本登録に変更するものである
店舗システム。
【請求項8】
前記識別情報が前記チケットの券面に印刷された一次元または二次元のバーコード情報であり、
前記識別情報読み取り部が、バーコードリーダを含む
請求項7に記載の店舗システム。
【請求項9】
前記取引識別情報出力部がプリンタを含み、
前記取引識別情報入力部がバーコードリーダを含み、
前記取引識別情報が前記プリンタにより印刷された一次元または二次元のバーコード情報である
請求項7または請求項8に記載の店舗システム。
【請求項10】
販売サーバと、ユーザ端末および店舗端末とがネットワークを介して接続されたシステムを用いたチケットの二次販売方法であって、
出品側の前記ユーザ端末が、出品者の操作に応答して、前記チケットの出品を要求する出品要求を前記販売サーバに送信するステップと、
前記販売サーバが、前記出品要求の受信を契機として、前記チケットの出品を仮登録するステップと、
出品側の前記店舗端末が、前記出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取り、読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信するステップと、
前記販売サーバが、前記識別情報の受信を契機として、前記識別情報に対応する前記仮登録を本登録に変更するステップと、
購入側の前記ユーザ端末が、購入者の操作に応答して、前記チケットの購入を要求する購入要求を前記販売サーバに送信するステップと、
前記販売サーバが、前記購入要求の受信を契機として、取引に係る前記チケットの購入を登録するステップと、
購入側の前記店舗端末が、前記購入要求に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信するステップと、
前記販売サーバが、前記情報送信要求の受信を契機として、取引に係る前記チケットのチケット情報を送信するステップと、
購入側の前記店舗端末が、前記販売サーバから前記チケット情報を受信し、受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券するステップと、
を有するチケットの二次販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チケットの二次販売システム、店舗端末、ユーザ端末およびチケットの二次販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、会員間で再販仲介される座席権利に関する各種情報をデータベース化し、各情報を最新状態に保ち共有することで、該権利の売買の利便を図り、併せて会場運営の効率を向上させるチケット再販システムおよびその方法が開示されている。当該チケット再販システムでは、再販仲介に関する情報の受け付け等をする受付端末AM、全情報を管理する管理端末CMおよびデータベースサーバDBSの間で特定回線Lを介して相互に各種情報を交換するコンピュータネットワークと、該端末CMの各管理システムCM2〜6と、該端末AMの各情報入出力システムAM5およびAM6と、該サーバDBSに設けられる各管理データベースDB2〜6とから構成される各機構20、30、40、50および60の間で、各情報MD、PD、TD、PBDおよびSDを活用することで、会員Mの座席権利の売買に関する利便を図り、併せて会場の運営を効率的に向上させ得るよう構成されている。
【0003】
また、特許文献2には、契約者が使用しないときの契約シートを有効活用することを目的に、シート二次販売システムが開示されている。当該シート二次販売システムは、端末10、30、40からの要求に応じて、契約シートが販売対象である旨が設定されている契約シート情報をデータベース50から読み出して要求元の端末10、30、40に送信する。そして、シート購入要求を端末10、30、40から受信すると、それに基づいて、購入者が契約シートの使用料金を契約シート販売元に支払うための決済処理を行い、契約シートの座席券を購入者が得るための情報を端末10、30、40に送信し、シート購入要求が示す契約シート情報に、契約シートが販売済みである旨をデータベース50において設定する。また、シート管理システム60は、データベース50において、シート購入要求が示す契約シート情報に関連付けられている契約者情報を特定し、ポイント値にポイントを加算する、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−308446号公報
【特許文献2】特開2006−59060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術において説明した通り、各種のチケット二次販売システムが提案されている。しかし、これら従来におけるチケット二次販売システムは、購入されたチケットが無駄にならないよう再販するシステムを提供する目的に止まり、システムを利用してチケットを売買しようとするユーザの利便性が考慮されていると言えるものではなかった。
【0006】
すなわち、一般的にチケットは紙媒体に印刷されたものであり、再販システムを利用してチケットを販売した売主は、チケットを買主に送付しなければならず、買主は売買の成立後、チケットの到着を待たなければならない。チケットの対象であるコンサート等興行の開催期日まで時間が短い場合、購入を躊躇したり、チケットの到着が期日に間に合わなかったりする場合が生じ、売主、買主の両者にとって、利便性が高いものとは言えなかった。
【0007】
本発明の目的は、売主がチケットを送付する手間を省き、買主が売主からのチケットの送付を待つ必要がなく、興行期日までの期間が短いチケットであっても安心して取引できるチケットの二次販売システムおよびその方法と当該システムで利用される端末等に関する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、販売サーバと、ユーザ端末および店舗端末とがネットワークを介して接続されたチケットの二次販売システムであって、出品側の前記ユーザ端末が、出品者の操作に応答して、前記チケットの出品を要求する出品要求を前記販売サーバに送信し、購入側の前記ユーザ端末が、購入者の操作に応答して、前記チケットの購入を要求する購入要求を前記販売サーバに送信し、出品側の前記店舗端末が、前記出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取り、読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信し、購入側の前記店舗端末が、前記購入要求に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信し、前記情報送信要求に応答して前記販売サーバが送信したチケット情報を受信し、受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券し、前記販売サーバが、前記出品要求の受信を契機として、前記チケットの出品を仮登録し、前記識別情報の受信を契機として、前記識別情報に対応する前記仮登録を本登録に変更し、前記購入要求の受信を契機として、取引に係る前記チケットの購入を登録し、前記情報送信要求の受信を契機として、取引に係る前記チケットのチケット情報を送信するチケットの二次販売システムを提供する。
【0009】
本発明の第2の態様においては、チケットの二次販売のための販売サーバにネットワークを介して接続された店舗端末であって、ユーザ端末から前記販売サーバに送信された前記チケットの出品を要求する出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取る識別情報読み取り部と、前記識別情報読み取り部で読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信する識別情報送信部と、を有する店舗端末を提供する。前記識別情報が、前記チケットの券面に印刷された一次元または二次元のバーコード情報であり、前記識別情報読み取り部が、バーコードリーダを含んでもよい。
【0010】
本発明の第3の態様においては、チケットの二次販売のための販売サーバにネットワークを介して接続された店舗端末であって、ユーザ端末から前記販売サーバに送信された前記チケットの購入を要求する購入要求に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信する情報送信要求送信部と、前記情報送信要求に応答して前記販売サーバが送信したチケット情報を受信するチケット情報受信部と、受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券するチケット発券部と、を有する店舗端末を提供する。前記購入要求に応答して前記販売サーバから前記ユーザ端末に送信された取引識別情報を入力する取引識別情報入力部をさらに有し、前記情報送信要求送信部が、前記取引識別情報を含めて前記情報送信要求を送信してもよい。前記取引識別情報が、印刷された一次元または二次元のバーコード情報であり、前記取引識別情報入力部が、バーコードリーダを含んでもよい。
【0011】
本発明の第4の態様においては、チケットの二次販売のための販売サーバにネットワークを介して接続されたユーザ端末であって、購入者の操作に応答して、前記チケットの購入を要求する購入要求を前記販売サーバに送信する購入要求送信部と、前記購入要求に応答して前記販売サーバから送信された取引識別情報を受信する取引識別情報受信部と、受信した前記取引識別情報を出力する取引識別情報出力部と、を有するユーザ端末を提供する。前記取引識別情報出力部がプリンタを含み、前記取引識別情報が、前記プリンタで印刷された一次元または二次元のバーコードであってもよい。
【0012】
本発明の第5の態様においては、チケットの二次販売のために、出品要求の受信を契機として前記チケットの出品を仮登録し、識別情報の受信を契機として前記識別情報に対応する前記仮登録を本登録に変更し、購入要求の受信を契機として取引に係る前記チケットの購入を登録し、完了要求の受信を契機として前記出品の仮登録、前記仮登録の本登録への変更または前記購入の登録を削除し、前記登録、前記変更または前記削除の何れかのイベントが発生した場合に、前記チケットのステータスを各イベントの内容に応じたステータスに変更する販売サーバにネットワークを介して接続されたユーザ端末であって、前記チケットの識別情報を入力する識別情報入力部と、前記識別情報を前記販売サーバに送信して前記チケットの前記ステータスを照会するステータス照会部と、を有するユーザ端末を提供する。前記識別情報が、前記チケットの券面に印刷された一次元または二次元のバーコード情報であり、識別情報入力部が、バーコードリーダを含んでもよい。
【0013】
本発明の第6の態様においては、販売サーバと、ユーザ端末および店舗端末とがネットワークを介して接続されたシステムを用いたチケットの二次販売方法であって、出品側の前記ユーザ端末が、出品者の操作に応答して、前記チケットの出品を要求する出品要求を前記販売サーバに送信するステップと、前記販売サーバが、前記出品要求の受信を契機として、前記チケットの出品を仮登録するステップと、出品側の前記店舗端末が、前記出品要求に係る前記チケットの識別情報を読み取り、読み取った前記識別情報を前記販売サーバに送信するステップと、前記販売サーバが、前記識別情報の受信を契機として、前記識別情報に対応する前記仮登録を本登録に変更するステップと、購入側の前記ユーザ端末が、購入者の操作に応答して、前記チケットの購入を要求する購入要求を前記販売サーバに送信するステップと、前記販売サーバが、前記購入要求の受信を契機として、取引に係る前記チケットの購入を登録するステップと、購入側の前記店舗端末が、前記購入要求に係る前記チケットの情報送信要求を前記販売サーバに送信するステップと、前記販売サーバが、前記情報送信要求の受信を契機として、取引に係る前記チケットのチケット情報を送信するステップと、購入側の前記店舗端末が、前記販売サーバから前記チケット情報を受信し、受信した前記チケット情報に基づいて前記チケットを発券するステップと、を有するチケットの二次販売方法を提供する。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の二次販売システム100の全体を示す概念図である。
【
図2】販売サーバ110の概要を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末130の概要を示すブロック図である。
【
図4】店舗端末170の概要を示すブロック図である。
【
図5】二次販売システム100の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本実施形態の二次販売システム100の全体を示す概念図である。二次販売システム100は、販売サーバ110、ユーザ端末130、ゲートサーバ140、インターネット150、店舗サーバ160、店舗端末170、店舗内ユーザ端末180および店舗ネットワーク190を有する。
【0018】
販売サーバ110、ユーザ端末130およびゲートサーバ140は、インターネット150を介して相互に接続される。ここで、ネットワークの一例としてインターネット150を例示するが、専用回線等を通じたプライベートネットワークで接続されても良い。
【0019】
ゲートサーバ140および店舗サーバ160は、店舗ネットワーク190を介して相互に接続される。店舗端末170および店舗内ユーザ端末180は店舗サーバ160を介して店舗ネットワーク190に接続され、さらにゲートサーバ140を介してインターネット150に接続される。店舗内ユーザ端末180は、インターネット150に直接接続されるものであっても良い。
【0020】
店舗ネットワーク190は、インターネット等公衆ネットワークから独立したプライベートネットワークであり、たとえばコンビニエンスストアの店舗網として既に構築されている既存のネットワークである。店舗ネットワーク190として既存のネットワークを用いることで、二次販売システム100のセキュリティを高め、また、構築コストを抑制することができる。
【0021】
図2は、販売サーバ110の概要を示すブロック図である。販売サーバ110は、制御部111、チケットデータベース112、出品・購入登録部113、ステータス変更制御部114、データ送信部116、データ受信部117を有する。制御部111は、後に説明する販売サーバ110の機能を実現するよう、販売サーバ110を制御する。出品・購入登録部113は、チケットの出品登録、出品されたチケットの購入登録を行う。ステータス変更制御部114は、チケットのステータス変更を制御する。データ送信部116は、販売サーバ110から出力されるデータを送信し、データ受信部117は、販売サーバ110に送られたデータを受信する。
【0022】
チケットデータベース112は、チケットに関するチケットデータを蓄積する。チケットデータとして、チケットの識別情報、チケット対象の興行についての情報、チケットの購入者情報、チケットステータス等が挙げられる。チケットの識別情報は、たとえばID番号、IDコード等が例示できる。チケット対象の興行についての情報は、たとえばコンサート等興行の名称、出演者、会場、開催日、座席番号等が例示できる。チケットステータスは、販売済み、出品仮登録、出品登録、購入登録、二次(再)販売済み等が例示できる。
【0023】
図3は、ユーザ端末130の概要を示すブロック図である。ユーザ端末130は、制御部131、入力部132、表示部133、データ送信部136、データ受信部137を有する。制御部131は、後に説明するユーザ端末130の機能を実現するよう、ユーザ端末130を制御する。入力部132は、ユーザ端末130にデータを入力し、表示部133は、ユーザ端末130のデータを表示する。データ送信部136は、ユーザ端末130から出力されるデータを送信し、データ受信部137は、ユーザ端末130に送られたデータを受信する。
【0024】
ユーザ端末130として、一般的なパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話等を例示することができる。入力部132は、キーボード、タッチ画面、音声入力装置等であってもよい。表示部133は、モニタ画面、タッチ画面、プリンタ等であってもよい。
【0025】
図4は、店舗端末170の概要を示すブロック図である。店舗端末170は、制御部171、入力部172、表示部173、スキャナ174、プリンタ175、データ送信部176、データ受信部177を有する。制御部171は、後に説明する店舗端末170の機能を実現するよう、店舗端末170を制御する。入力部172は、店舗端末170にデータを入力し、表示部173は、店舗端末170のデータを表示する。スキャナ174は、一次元または二次元のバーコードをスキャンする入力装置である、プリンタ175は、チケットを発券する際の印刷に用いる。データ送信部176は、店舗端末170から出力されるデータを送信し、データ受信部177は、店舗端末170に送られたデータを受信する。
【0026】
ユーザ端末130が出品側のユーザ端末として用いられる場合、ユーザ端末130は、出品者の操作に応答して、チケットの出品を要求する出品要求を販売サーバ110に送信する。ユーザ端末130が購入側のユーザ端末として用いられる場合、ユーザ端末130は、購入者の操作に応答して、チケットの購入を要求する購入要求を販売サーバ110に送信する。
【0027】
ユーザ端末130は、店舗内ユーザ端末180として機能してもよい。この場合、店舗内ユーザ端末180は、購入者の操作に応答して、チケットの購入を要求する購入要求を販売サーバ110に送信する購入要求送信部と、購入要求に応答して販売サーバ110から送信された取引識別情報を受信する取引識別情報受信部と、受信した取引識別情報を出力する取引識別情報出力部と、を有する。取引識別情報出力部がプリンタであってもよく、取引識別情報が、当該プリンタで印刷された一次元または二次元のバーコードであってもよい。
【0028】
店舗端末170が出品側の店舗端末として用いられる場合、店舗端末170は、出品要求に係るチケットの識別情報を読み取り、読み取った識別情報を販売サーバ110に送信する。この場合、スキャナ174は、ユーザ端末130から販売サーバ110に送信されたチケットの出品を要求する出品要求に係るチケットの識別情報を読み取る識別情報読み取り部の一例である。データ送信部176は、識別情報読み取り部で読み取った識別情報を販売サーバ110に送信する識別情報送信部の一例である。
【0029】
店舗端末170が購入側の店舗端末として用いられる場合、店舗端末170は、購入要求に係るチケットの情報送信要求を販売サーバ110に送信し、情報送信要求に応答して販売サーバ110が送信したチケット情報を受信し、受信したチケット情報に基づいてチケットを発券する。この場合、データ送信部176は、ユーザ端末130から販売サーバ110に送信されたチケットの購入を要求する購入要求に係るチケットの情報送信要求を販売サーバ110に送信する情報送信要求送信部の一例である。データ受信部177は、情報送信要求に応答して販売サーバ110が送信したチケット情報を受信するチケット情報受信部の一例である。プリンタ175は、受信したチケット情報に基づいてチケットを発券するチケット発券部の一例である。店舗端末170は、購入要求に応答して販売サーバ110からユーザ端末130に送信された取引識別情報を入力する取引識別情報入力部をさらに有してもよく、この場合、情報送信要求送信部が、取引識別情報を含めて情報送信要求を送信する。取引識別情報として、印刷された一次元または二次元のバーコード情報が例示できる。
【0030】
販売サーバ110は、出品要求の受信を契機として、チケットの出品を仮登録し、識別情報の受信を契機として、識別情報に対応する仮登録を本登録に変更し、購入要求の受信を契機として、取引に係るチケットの購入を登録し、情報送信要求の受信を契機として、取引に係るチケットのチケット情報を送信する。
【0031】
図5は、二次販売システム100の動作を示すフロー図である。出品者は、出品側のユーザ端末130を用いて、販売サーバ110にログインする。その後、出品側のユーザ端末130は販売サーバ110に購入履歴データ要求を発し、販売サーバ110は購入履歴データを返送する。出品側のユーザ端末130は、受信した購入履歴データを表示する(S01)。
【0032】
出品者は、出品側のユーザ端末130を操作して、出品するチケットを特定し、出品要求を販売サーバ110に送信する(S02)。販売サーバ110は、出品要求の受信を契機として、チケットの出品を仮登録する(S03)。
【0033】
出品者は、出品したチケット202を店舗に持ち込み、出品側の店舗端末170は、出品要求に係るチケットの識別情報を読み取り、読み取った識別情報を販売サーバ110に送信する(S04)。持ち込まれたチケットには、たとえば「VOID」印204を押印し、無効であることを表示する。
【0034】
販売サーバ110は、識別情報の受信を契機として、チケットの識別情報を照合し(S05)、照合が適正である場合には、識別情報に対応する仮登録を本登録に変更する(S06)。なお、チケットの出品が本登録された場合には、チケットのステータスを出品中である旨に変更する。その後、チケットの出品登録を公開する(S07)。
【0035】
購入者は、購入側のユーザ端末130を用いて販売サーバ110にログインし、出品リストのデータを販売サーバ110に要求する。販売サーバ110は、これを受けて出品リストデータを返送し、購入側のユーザ端末130は出品リストを表示する(S08)。購入者は、購入側のユーザ端末130を操作して、購入するチケットを選択し、購入要求を販売サーバ110に送信する(S09)。なお、購入要求を送信する前に決済処理を行い、適正に決済できた場合にのみ購入要求を発しても良い。
【0036】
販売サーバ110は、購入要求の受信を契機として、取引に係るチケットの購入を登録(購入予約)し(S10)、取引識別情報を購入側のユーザ端末130に発行する(S11)。購入側のユーザ端末130は、受信した取引識別情報を表示し、またはプリントする(S12)。
【0037】
購入者は、店舗に赴き、取引識別情報を提示し、購入側の店舗端末170から、購入要求に係るチケットの情報送信要求を販売サーバ110に送信する(S13)。なお、情報送信要求を送信する前に決済処理を行い、適正に決済できた場合にのみ情報送信要求を発しても良い。また、購入者は、店舗内に設置された店舗内ユーザ端末180を用いてS08、S09およびS12のユーザ端末操作を行っても良い。この場合、店舗内ユーザ端末180において決済処理を行い、適正に決済処理できた場合には、取引識別情報を含むジャーナルを発行し、当該ジャーナルを参照して店舗端末170から情報送信要求を発するようにしても良い。
【0038】
販売サーバ110は、情報送信要求の受信を契機として、取引に係るチケットのチケット情報を送信し、購入側の店舗端末170は、販売サーバ110から受信したチケット情報に基づいてチケット206を発券する(S14)。
【0039】
チケットの発券が適正に完了した場合、購入側の店舗端末170は完了通知を販売サーバ110に送信し(S15)、販売サーバ110は、出品登録および購入登録を削除する(S16)。また、販売サーバ110は、当該チケットのステータスを二次販売が完了している旨のステータスに変更する。
【0040】
以上説明したチケットの二次販売システムおよび方法によれば、出品者(売主)および購入者(買主)は、近くのコンビニエンスストア等の店舗に赴けばよく、出品者(売主)はチケットを送付する手間が省け、購入者(買主)はチケットの到着を待つ必要が無い。また、興行期日までの期間が短期間であっても、安心して取引することができる。これにより、取引期間を最大限確保でき、取引を安心してスムーズに進めることができる。
【0041】
なお、チケットの識別情報に、ステータス照会のための機能を付すことができる。すなわち、販売サーバ110に、出品要求の受信を契機としてチケットの出品を仮登録し、識別情報の受信を契機として識別情報に対応する仮登録を本登録に変更し、購入要求の受信を契機として取引に係るチケットの購入を登録し、完了要求の受信を契機として出品の仮登録、仮登録の本登録への変更または購入の登録を削除し、登録、変更または削除の何れかのイベントが発生した場合に、チケットのステータスを各イベントの内容に応じたステータスに変更する機能を持たせ、ユーザ端末130に、識別情報を販売サーバ110に送信してチケットのステータスを照会するステータス照会部を備えることができる。
【0042】
これによりユーザは、当該チケットのステータスを任意にチェックすることができ、ユーザのチェック機能により、不正を防止することができる。また、興行会場での入場時にチケットのステータスをチェックし、不正チケットの使用を未然に防止することができる。
【0043】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0044】
100…二次販売システム、110…販売サーバ、111…制御部、112…チケットデータベース、113…出品・購入登録部、114…ステータス変更制御部、116…データ送信部、117…データ受信部、130…ユーザ端末、131…制御部、132…入力部、133…表示部、136…データ送信部、137…データ受信部、140…ゲートサーバ、150…インターネット、160…店舗サーバ、170…店舗端末、171…制御部、172…入力部、173…表示部、174…スキャナ、175…プリンタ、176…データ送信部、177…データ受信部、180…店舗内ユーザ端末、190…店舗ネットワーク、202…チケット、204…VOID印付チケット、206…二次販売チケット。
【要約】 (修正有)
【課題】売主がチケットを送付する手間を省き、買主が売主からのチケットの送付を待つ必要がなく、興行期日までの期間が短いチケットであっても安心して取引できるチケットの二次販売システムを提供する。
【解決手段】出品側のユーザ端末130が出品要求を販売サーバ110に送信し、購入側のユーザ端末130が購入要求を販売サーバ110に送信し、出品側の店舗端末170がチケットの識別情報を販売サーバ110に送信し、購入側の店舗端末170がチケットの情報送信要求を販売サーバ110に送信し、販売サーバ110から受信したチケット情報に基づいてチケットを発券する。販売サーバ110は、出品要求に応答して出品を仮登録しS03、識別情報に応答して仮登録を本登録に変更しS06、購入要求に応答して購入を登録しS10、情報送信要求に応答してチケット情報を送信する。
【選択図】
図5