特許第5916909号(P5916909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5916909基板処理装置、ガス整流部、半導体装置の製造方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5916909
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】基板処理装置、ガス整流部、半導体装置の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20160422BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20160422BHJP
   H01L 21/302 20060101ALI20160422BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   C23C16/455
   H01L21/31 C
   H01L21/302 201A
   H01L21/02 Z
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-22170(P2015-22170)
(22)【出願日】2015年2月6日
【審査請求日】2015年9月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】松井 俊
(72)【発明者】
【氏名】盛満 和広
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一行
【審査官】 安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−224775(JP,A)
【文献】 特開平11−040505(JP,A)
【文献】 特開2004−063523(JP,A)
【文献】 特開2006−097080(JP,A)
【文献】 特開平04−202091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/02
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ、前記基板が載置される基板載置台と、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記処理室に面し、前記基板に処理ガスを供給するガス整流部と、
前記ガス整流部と当該ガス整流部にガスを導入するガス導入口の接続部との間に設けられたシール部と、
前記シール部を冷却する冷却部と、
前記ガス整流部の前記処理室に面する上流側表面と前記シール部との間に設けられた真空排気可能な断熱部と、
前記断熱部に接続され、前記断熱部内の圧力を調整する第1圧力調整部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記断熱部内を所定の圧力に維持するように前記第1圧力調整部を制御するよう構成された制御部と、
を有する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記冷却部は、冷媒が供給されることで前記シール部を冷却する冷却流路を有し、
前記制御部は、
前記上流側表面を所定温度に維持するように前記第1圧力調整部と前記冷却部を制御するように構成される請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ガス整流部は、前記基板の外周側に向かって徐々に径が広がるように構成され、前記ガスが通過するガスチャネルを有し、
前記上流側表面は、前記ガスチャネルの上流側に設けられる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記断熱部は、前記ガスチャネルの上流側を囲む様に設けられる
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ガス整流部の外周に前記処理室内の雰囲気を排気する排気部が設けられ、
前記排気部の外周に真空排気可能な第2断熱部を有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2断熱部に、当該第2断熱部内の圧力を調整する第2圧力調整部が接続され、
前記第2断熱部内を所定の圧力に維持するように前記第2圧力調整部を制御するよう構成された制御部と、
を有する請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第2断熱部と前記排気部の間に第2加熱部が設けられ、
前記制御部は、前記第2断熱部所定の温度に維持するように第2加熱部と前記第2圧力調整部を制御するよう構成される
請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ガス整流部にガスを供給するガス供給部が設けられ、
前記制御部は、
前記ガス供給部が前記基板に処理ガスと反応ガスを順に供給させる様に前記ガス供給部を制御するよう構成される
請求項2,3,7,8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板が載置され、加熱部を有する基板載置台上に形成される処理室に対してガスを供給するために用いられるガス整流部であって、
前記ガス整流部と当該ガス整流部にガスを導入するガス導入口の接続部との間に設けられたシール部と、
前記シール部を冷却する冷却部と、
前記ガス整流部の前記処理室に面する上流側表面と前記シール部との間に設けられ、真空排気可能な断熱部と、
前記断熱部に接続され、前記断熱部内の圧力を調整する第1圧力調整部と、を有するガス整流部。
【請求項11】
前記断熱部内を所定の圧力に維持するように前記第 1 圧力調整部を制御するよう
構成された制御部と、を有する請求項10に記載のガス整流部。
【請求項12】
前記冷却部は、冷媒が供給されることで前記シール部を冷却する冷却流路を有し、
前記制御部は、
前記上流側表面を所定温度に維持するように前記第1圧力調整部と前記冷却部を制御するよう構成される
請求項11に記載のガス整流部。
【請求項13】
前記基板の外周側に向かって徐々に径が広がるように構成され、前記ガスが通過するガスチャネルを有し、
前記上流側表面は、前記ガスチャネルの上流側に設けられるように構成される請求項10乃至12のいずれか一項に記載のガス整流部。
【請求項14】
前記断熱部は、前記ガスチャネルの上流側を囲む様に設けられる
請求項13に記載のガス整流部。
【請求項15】
基板を処理室内の基板載置台に載置する工程と、
前記基板載置台に載置された前記基板を加熱する工程と、
前記基板に、前記処理室に面するガス整流部を介してガスを供給する工程と、
前記ガス整流部と当該ガス整流部にガスを導入するガス導入口の接続部との間に設けられたシール部を冷却部により冷却する工程と、
前記ガス整流部の前記処理室に面する上流側表面と前記シール部との間に設けられた真空排気可能な断熱部内を第1の圧力調整部により所定の圧力に調整する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項16】
基板を処理室内の基板載置台に載置させる手順と、
前記基板載置台に載置された前記基板を加熱させる手順と、
前記基板に、前記処理室に面するガス整流部を介してガスを供給させる手順と、
前記ガス整流部と当該ガス整流部にガスを導入するガス導入口の接続部との間に設けられたシール部を冷却部により冷却させる手順と、
前記ガス整流部の前記処理室に面する上流側表面と前記シール部との間に設けられた真空排気可能な断熱部内を第1の圧力調整部により所定の圧力に調整させる手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、ガス整流部、半導体装置の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程として、基板に対して処理ガスと反応ガスを供給し、基板に膜を形成する処理工程が行われることが有る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、基板の温度分布が不均一になり、処理均一性が低下することがある。
【0004】
本発明の目的は、基板の処理均一性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、
基板を処理する処理室と、処理室内に設けられ、基板が載置される基板載置台と、基板を加熱する加熱部と、基板に処理ガスを供給するガス整流部と、ガス整流部に設けられたシール部と、シール部とガス整流部の上流側表面との間に設けられた断熱部と、断熱部に接続された第1圧力調整部と、を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る基板処理装置、ガス整流部、半導体装置の製造方法およびプログラムによれば、少なくとも基板の処理均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る基板処理装置の概略構成図である。
図2】一実施形態に係る、ガス供給系の概略構成図である。
図3】一実施形態に係る、ガス整流部のガス導入口の横断面図である。
図4】他の実施形態に係るシール部の横断面図である。
図5】一実施形態に係る、基板処理装置のコントローラの概略構成図である。
図6】一実施形態に係る、基板処理工程のフロー図である。
図7】一実施形態に係る、第1断熱部内の圧力制御シーケンス図である。
図8】一実施形態に係る、基板処理工程のガス供給・ランプON/OFFシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本開示の実施の形態について説明する。
【0009】
<第一の実施形態>
以下、第一の実施形態を図面に即して説明する。
【0010】
(1)基板処理装置の構成
まず、第一の実施形態に係る基板処理装置について説明する。
【0011】
本実施形態に係る処理装置100について説明する。基板処理装置100は、絶縁膜又は金属膜などを形成する装置であり、図1に示されているように、枚葉式基板処理装置として構成されている。
【0012】
図1に示す様に、基板処理装置100は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料または、石英などにより構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ200を処理する処理空間(処理室)201、搬送空間203が形成されている。処理容器202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板204が設けられる。上部容器202aと下部容器202bの間には、処理室201や搬送空間203内の圧力を維持するための第2シール部としての処理容器シール部260が設けられている。また、上部容器202aと下部容器202bとが直接接触ことを抑制することや、処理容器シール部260の潰れを抑制するための緩衝部261を設けても良い。処理容器シール部260と緩衝部261は、上部容器202aや下部容器202bを構成する材料よりも耐熱性が劣る材料が用いられる。例えば、フッ素樹脂としてのポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylen:PTFE)や、炭素元素とフッ素元素を主成分とするフッ素ゴム、炭素とフッ素と酸素などを主成分とするフッ素ゴムなどの材料が用いられる。また、銅(Cu)、ステンレス(SUS)、アルミニウム(Al)等の金属元素のいずれかを含む金属材料で構成されたシール部材を設けても良い。また、処理容器シール部260は、Oリングやガスケットとも呼ばれることもある。上部容器202aに囲まれた空間であって、仕切り板204よりも上方の空間を処理室201又は反応ゾーン201呼び、下部容器202bに囲まれた空間であって、仕切り板よりも下方の空間を搬送空間203と呼ぶ。
【0013】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ205に隣接した基板搬入出口206が設けられており、ウエハ200は基板搬入出口206を介して図示しない搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。更に、下部容器202bはアース電位になっている。
【0014】
処理容器202内には、ウエハ200を支持する基板支持部210が設けられている。基板支持部210は、ウエハ200を載置する載置面211と、載置面211を表面に持つ基板載置台212、基板載置台212に内包された加熱部としてのヒータ213を主に有する。基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられている。
【0015】
また、基板載置台212の側壁212aには、基板載置台212の径方向に向かって突出した突出部212bを有する。この突出部212bは、基板載置台212の底面側に設けられる。なお、突出部212bは、仕切板204と接近または接触させ、処理室201内の雰囲気が搬送空間203内へ移動することや、搬送空間203内の雰囲気が処理室201内へ移動することを抑制させる。
【0016】
基板載置台212はシャフト217によって支持される。シャフト217は、処理容器202の底部を貫通しており、更には処理容器202の外部で昇降機構218に接続されている。昇降機構218を作動させてシャフト217及び基板載置台212を昇降させることにより、載置面211上に載置されるウエハ200を昇降させることが可能となっている。なお、シャフト217下端部の周囲はベローズ219により覆われており、処理空間201内は気密に保持されている。
【0017】
基板載置台212は、ウエハ200の搬送時には、載置面211が基板搬入出口206の位置(ウエハ搬送位置)となるよう基板支持台まで下降し、ウエハ200の処理時には図1で示されるように、ウエハ200が処理空間201内の処理位置(ウエハ処理位置)まで上昇する。
【0018】
具体的には、基板載置台212をウエハ搬送位置まで下降させた時には、リフトピン207の上端部が載置面211の上面から突出して、リフトピン207がウエハ200を下方から支持するようになっている。また、基板載置台212をウエハ処理位置まで上昇させたときには、リフトピン207は載置面211の上面から埋没して、載置面211がウエハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン207は、ウエハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。
【0019】
(排気部)
処理空間201(上部容器202a)の外周には、処理空間201の雰囲気を排気する排気部としての排気路225が設けられている。排気路225には、排気口221が設けられている。排気口221には排気管222が接続されており、排気管222には、処理空間201内を所定の圧力に制御するAPC(Auto Pressure Controller)等の圧力調整器223、真空ポンプ224が順に直列に接続されている。主に、排気路225、排気口221、排気管222、圧力調整器223、により排気部(排気ライン)220が構成される。また、排気路225は、処理室201を囲む様に設け、ウエハ200の全周からガスを排気可能に構成しても良い。また、排気部の構成に、真空ポンプ224を加える様にしても良い。
【0020】
(ガス導入口)
処理空間201の上部に設けられる後述のガス整流部234の上面(天井壁)には、処理空間201内に各種ガスを供給するためのガス導入口241が設けられている。
【0021】
(ガス整流部)
ガス導入口241と処理空間201との間には、ガス整流部234が設けられている。ガス整流部234は、ガスが通り抜けるガス分散チャネル234dを有する。ガス整流部234は、蓋231に取り付けられている。ガス導入口241から導入されるガスはガス整流部234を介してウエハ200に供給される。ガス整流部234は、チャンバリッドアセンブリの側壁となるように構成しても良い。また、ガス導入口241は、ガス分散チャネルとしても機能し、供給されるガスが、基板の全周へ分散されるように構成しても良い。
また、ガス整流部234には、第1シール部としてのリッドシール部262が設けられ、処理室201内の圧力を維持可能に構成される。リッドシール部262は、処理容器シール部260と同様の材質で構成される。
【0022】
(処理ガス供給部)
ガス整流部234に接続されたガス導入口241には、共通ガス供給管242が接続されている。図2に示す様に、共通ガス供給管242には、第一ガス供給管243a、第二ガス供給管244a、第三ガス供給管245a、クリーニングガス供給管248aが接続されている。
【0023】
第一ガス供給管243aを含む第一ガス供給部243からは第一元素含有ガス(第一処理ガス)が主に供給され、第二ガス供給管244aを含む第二ガス供給部244からは主に第二元素含有ガス(第二処理ガス)が供給される。第三ガス供給管245aを含む第三ガス供給部245からは、主にパージガスが供給され、クリーニングガス供給管248aを含むクリーニングガス供給部248からはクリーニングガスが供給される。処理ガスを供給する処理ガス供給部は、第1処理ガス供給部と第2処理ガス供給部のいずれか若しくは両方で構成され、処理ガスは、第1処理ガスと第2処理ガスのいずれか若しくは両方で構成される。
【0024】
(第一ガス供給部)
第一ガス供給管243aには、上流方向から順に、第一ガス供給源243b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)243c、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。
【0025】
第一ガス供給源243bから、第一元素を含有するガス(第一処理ガス)が供給され、マスフローコントローラ243c、バルブ243d、第一ガス供給管243a、共通ガス供給管242を介してガス整流部234に供給される。
【0026】
第一処理ガスは、原料ガス、すなわち、処理ガスの一つである。
ここで、第一元素は、例えばシリコン(Si)である。すなわち、第一処理ガスは、例えばシリコン含有ガスである。シリコン含有ガスとしては、例えばジクロロシラン(Dichlorosilane(SiHCl):DCS)ガスを用いることができる。なお、第一処理ガスの原料は、常温常圧で固体、液体、及び気体のいずれであっても良い。第一処理ガスの原料が常温常圧で液体の場合は、第一ガス供給源243bとマスフローコントローラ243cとの間に、図示しない気化器を設ければよい。ここでは原料は気体として説明する。
【0027】
第一ガス供給管243aのバルブ243dよりも下流側には、第一不活性ガス供給管246aの下流端が接続されている。第一不活性ガス供給管246aには、上流方向から順に、不活性ガス供給源246b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)246c、及び開閉弁であるバルブ246dが設けられている。
【0028】
ここで、不活性ガスは、例えば、窒素(N)ガスである。なお、不活性ガスとして、Nガスのほか、例えばヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガスを用いることができる。
【0029】
主に、第一ガス供給管243a、マスフローコントローラ243c、バルブ243dにより、第一元素含有ガス供給部243(シリコン含有ガス供給部ともいう)が構成される。
【0030】
また、主に、第一不活性ガス供給管246a、マスフローコントローラ246c及びバルブ246dにより第一不活性ガス供給部が構成される。なお、不活性ガス供給源246b、第一ガス供給管243aを、第一不活性ガス供給部に含めて考えてもよい。
【0031】
更には、第一ガス供給源243b、第一不活性ガス供給部を、第一元素含有ガス供給部に含めて考えてもよい。
【0032】
(第二ガス供給部)
第二ガス供給管244aの上流には、上流方向から順に、第二ガス供給源244b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)244c、及び開閉弁であるバルブ244dが設けられている。
【0033】
第二ガス供給源244bから、第二元素を含有するガス(以下、「第2の処理ガス」)が供給され、マスフローコントローラ244c、バルブ244d、第二ガス供給管244a、共通ガス供給管242を介して、ガス整流部234に供給される。
【0034】
第2の処理ガスは、処理ガスの一つである。なお、第2の処理ガスは、反応ガスまたは改質ガスとして考えてもよい。
【0035】
ここで、第2の処理ガスは、第一元素と異なる第二元素を含有する。第二元素としては、例えば、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、水素(H)の内、一つ以上を含んでいる。本実施形態では、第2の処理ガスは、例えば窒素含有ガスであるとする。具体的には、窒素含有ガスとしては、アンモニア(NH)ガスが用いられる。
【0036】
主に、第二ガス供給管244a、マスフローコントローラ244c、バルブ244dにより、第2の処理ガス供給部244が構成される。
【0037】
これに加えて、活性化部としてのリモートプラズマユニット(RPU)244eを設けて、第二処理ガスを活性化可能に構成しても良い。
【0038】
また、第二ガス供給管244aのバルブ244dよりも下流側には、第二不活性ガス供給管247aの下流端が接続されている。第二不活性ガス供給管247aには、上流方向から順に、不活性ガス供給源247b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)247c、及び開閉弁であるバルブ247dが設けられている。
【0039】
第二不活性ガス供給管247aからは、不活性ガスが、マスフローコントローラ247c、バルブ247d、第二ガス供給管247aを介して、ガス整流部234に供給される。不活性ガスは、薄膜形成工程(後述するS203〜S207)ではキャリアガス或いは希釈ガスとして作用する。
【0040】
主に、第二不活性ガス供給管247a、マスフローコントローラ247c及びバルブ247dにより第二不活性ガス供給部が構成される。なお、不活性ガス供給源247b、第二ガス供給管244aを第二不活性ガス供給部に含めて考えてもよい。
【0041】
更には、第二ガス供給源244b、第二不活性ガス供給部を、第二元素含有ガス供給部244に含めて考えてもよい。
【0042】
(第三ガス供給部)
第三ガス供給管245aには、上流方向から順に、第三ガス供給源245b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)245c、及び開閉弁であるバルブ245dが設けられている。
【0043】
第三ガス供給源245bから、パージガスとしての不活性ガスが供給され、マスフローコントローラ245c、バルブ245d、第三ガス供給管245a、共通ガス供給管242を介してガス整流部234に供給される。
【0044】
ここで、不活性ガスは、例えば、窒素(N)ガスである。なお、不活性ガスとして、Nガスのほか、例えばヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガスを用いることができる。
【0045】
主に、第三ガス供給管245a、マスフローコントローラ245c、バルブ245dにより、第三ガス供給部245(パージガス供給部ともいう)が構成される。
【0046】
(クリーニングガス供給部)
クリーニングガス供給管243aには、上流方向から順に、クリーニングガス源248b、マスフローコントローラ(MFC)248c、バルブ248d、リモートプラズマユニット(RPU)250が設けられている。
【0047】
クリーニングガス源248bから、クリーニングガスが供給され、MFC248c、バルブ248d、RPU250、クリーニングガス供給管248a、共通ガス供給管242を介してガス整流部234に供給される。
【0048】
クリーニングガス供給管248aのバルブ248dよりも下流側には、第四の不活性ガス供給管249aの下流端が接続されている。第四の不活性ガス供給管249aには、上流方向から順に、第四の不活性ガス供給源249b、MFC249c、バルブ249dが設けられている。
【0049】
また、主に、クリーニングガス供給管248a、MFC248c及びバルブ248dによりクリーニングガス供給部が構成される。なお、クリーニングガス源248b、第四不活性ガス供給管249a、RPU250を、クリーニングガス供給部に含めて考えてもよい。
【0050】
なお、第四の不活性ガス供給源249bから供給される不活性ガスを、クリーニングガスのキャリアガス或いは希釈ガスとして作用するように供給しても良い。
【0051】
クリーニングガス供給源248bから供給されるクリーニングガスは、クリーニング工程ではガス整流部234や処理室201に付着した副生成物等を除去するクリーニングガスとして作用する。
【0052】
ここで、クリーニングガスは、例えば三フッ化窒素(NF)ガスである。なお、クリーニングガスとして、例えば、フッ化水素(HF)ガス、三フッ化塩素ガス(ClF)ガス、フッ素(F)ガス等を用いても良く、またこれらを組合せて用いても良い。
【0053】
また好ましくは、上述の各ガス供給部に設けられた、流量制御部としては、ニードルバルブやオリフィスなどの、ガスフローの応答性が高いガスが良い。例えば、ガスのパルス幅がミリ秒オーダーになった場合は、MFCでは応答できないことが有るが、ニードルバルブやオリフィスの場合は、高速なON/OFFバルブと組み合わせることで、ミリ秒以下のガスパルスに対応することが可能となる。
【0054】
(制御部)
図1に示すように基板処理装置100は、基板処理装置100の各部の動作を制御するコントローラ121を有している。
【0055】
図5に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122や、外部記憶装置283が接続可能に構成されている。
【0056】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプログラムレシピ等が読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプログラムレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プログラムレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0057】
I/Oポート121dは、ゲートバルブ205、昇降機構218、圧力調整器223、真空ポンプ224、リモートプラズマユニット244e,250、MFC243c,244c,245c,246c,247c,248c,249c,402a、バルブ243d,244d,245d,246d,247d,248d,249d,401a、ヒータ213等に接続されている。
【0058】
CPU121aは、記憶装置121cからの制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。そして、CPU121aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、ゲートバルブ205の開閉動作、昇降機構218の昇降動作、圧力調整器223の圧力調整動作、真空ポンプ224のオンオフ制御、リモートプラズマユニット250のガス励起動作、MFC243c、244c,245c,246c,247c,248c,249c,402aの流量調整動作、バルブ243d、244d,245d,246d,247d,248d,249d,401aのガスのオンオフ制御、ヒータ213の温度制御等を制御するように構成されている。
【0059】
なお、コントローラ121は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていても良い。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)283を用意し、係る外部記憶装置283を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ121を構成することができる。なお、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置283を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置283を介さずにプログラムを供給するようにしても良い。なお、記憶装置121cや外部記憶装置283は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置283単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合が有る。
【0060】
ここで、発明者等は、ウエハ200に処理ガスを供給して処理する処理装置で、処理温度が高温になった場合に、以下の課題のいずれか又は複数の課題を生じることを見出した。ここで、高温とは、例えば400℃以上の温度とする。
【0061】
<課題1>
例えば、処理温度が高温になった場合に、処理室201の処理容器シール部260,262を冷却する必要が有る。処理容器シール部260,262は、高温になることで、材質が変化することが有る。また、処理室201内外に存在するガスと反応することによって、材質が変化する。例えば、大気中の酸素と反応し、シール性が悪化することが有る。この様なシール部の特性の変化を抑制する必要が有る。シール部の特性変化を抑制するためには、例えば、冷却流路263を設けて冷却する方法が有る。しかしながら、シール部262を冷却すると、ガス整流部234の表面が冷却されてしまうことが有る。特に、ガス整流部234の上流側が冷却され、ガス整流部234の上流側表面234aの温度と下流側表面234bの温度に差が生じることが有る。ガス整流部234の表面温度によって、表面付近を流れるガスの粘度(粘性)が変化する。ガス粘度が変化した場合、ガスの流れ易さが変化することにより、ガス整流部234の周囲又は、ウエハ200の面上でのガス濃度またはガス密度に差が発生する。ガス濃度の差によって、処理均一性が悪化する課題が生じることが有る。ガス濃度の差は、例えば、ウエハ200の中心側と外周側で異なるよう形成される。ここで、上流側表面234aは、ウエハ200と対向する方向のガス流れと平行な面のことである。下流側表面234bは、ウエハ200の径方向のガス流れと平行な面のことである。ガスの流れは、ウエハ200の径方向に向かって流される場合と、上流側表面234aから下流側表面234bに向かって、螺旋方向に流されることが有る。螺旋方向に流される場合は、ガスの流路(経路)が実際のよりも長く構成されるため、ガス整流部234の表面の温度を強く受け、更に、ガスの粘性が変化することが有る。


【0062】
<課題2>
また、ガス整流部234が冷却されることにより、ガス整流部234とウエハ200,基板載置台212との間に温度勾配が生じる。この温度勾配により、ウエハ200や基板載置台212からガス整流部234への熱移動が発生し、ウエハ200や基板載置台212が冷却されてしまう。また、ガス整流部234は上述の様に上流側表面234aと下流側表面234bとで温度差を生じていることから、ウエハ200や基板載置台212も温度分布を生じることになる。ウエハ200や基板載置台212の温度分布は、例えば中心側と外周側で温度が異なる様に形成される。この温度分布により、ウエハ200面内の処理均一性が悪化する課題を生じることが有る。
【0063】
<課題3>
また、ガス整流部234が過度に冷却された場合、ガス整流部234の表面にガスが吸着する。特に冷却流路263に近い、上流側表面234aが過度に冷却され、上流側表面234aにガスが吸着することが有る。例えば、ウエハ200に処理ガスと反応ガスを順に供給して処理する基板処理装置では、上流側表面234aに反応ガスが吸着する。反応ガスが吸着した状態で処理ガスを流すことにより、上流側表面234aに吸着した反応ガスと反応し、上流側表面234a近傍で想定外の反応を発生させてしまうことが有る。例えば、上流側表面234a上への成膜が有る。また、副生成物が生成され、副生成物がウエハ200に供給され、ウエハ200に意図しない成膜を施してしまうことが有る。また、上流側表面234a上に形成された膜が剥がれることによって発生するパーティクルや、副生成物によるウエハ200への処理の阻害することも有る。
【0064】
<課題4>
処理容器202が、扁平に構成された場合に、上流側表面234a,処理空間201,基板載置台212,リッドシール部262それぞれの構成の距離が短くなる。この場合、それぞれの構成から発せられる熱が相互に影響するため、それぞれの構成の温度を所定温度に維持することが困難となる。ここで扁平な構成とは、例えば、基板載置台212とリッドシール部262との距離が、基板載置台212の直径よりも短くなる構成のことである。
【0065】
発明者等は、上記の課題の何れか若しくは複数の課題を解決するため、鋭意研究した結果、以下のA)〜I)の構成のいずれかを設けることにより、課題を解決できることを見出した。また、以下の構成を複数組み合わせることにより、効果を高めることができることを見出した。
【0066】
A) リッドシール部262と、ガス整流部234の処理室202と接する表面との間に、第1断熱部270を設ける。この第1断熱部270は、図1図3に示す様に、ガス整流部234の上流側に溝形状構成される。溝の深さは、少なくともガス流路234dの上流側表面234aを囲む様な深さで構成される。また、第1断熱部270は、上流側表面234a,処理空間201,基板載置台212,リッドシール部262,等のそれぞれの構成から発せられる熱の相互影響を抑制するための熱移動量(熱伝導具合)を調整する機構としても機能する。
【0067】
また、第1断熱部270には、熱伝導率が低い部材を挿入しても良い。例えば、石英やセラミックス、エアロゲルなどの物質でも良い。
【0068】
B) 第1断熱部270に、圧力調整部としての第1圧力調整部(第2排気部)を接続し、第1断熱部270内を真空排気可能に構成する。この場合、第1断熱部270に封止部273を設け、第1断熱部270内の圧力を維持可能に構成する。第1圧力調整部は、排気管271とバルブ272で構成される。排気管271は、排気ポンプ(不図示)と接続される。バルブ272は、好ましくは、開度を調整可能なバルブで構成する。バルブ272の開度を制御することによって、第1断熱部270内の圧力を調整し、第1断熱部270の熱伝導率を調整することが可能になる。
【0069】
C) シール部を冷却する冷却流路263に 冷却部を接続し、冷却流路263への冷媒の供給量を制御することが好ましい。冷却部は、供給管264とバルブ265で構成される。冷媒の供給量を制御することにより、リッドシール部262の過冷却を抑制することが可能になる。
【0070】
D) ガス整流部の表面に、第1ガス加熱部280を設けて、ガス整流部234を加熱可能に構成しても良い。ガス整流部234を加熱することによって、ガス整流部234の温度分布の発生や、ガス吸着を抑制することができる。
【0071】
第1ガス加熱部280は、すくなとも、ガス流路234の上流側表面234aに対応する様に設けられる。第1ガス加熱部280の温度は、第1ガス加熱部280に接続された第1温度調整器281により制御される。
【0072】
E) 上側容器202aと下側容器202bの間に設けられた処理容器シール部260と排気路225との間に、第2断熱部274を設けても良い。第2断熱部274を設けることによって、ガス整流部234のウエハ200の径方向への熱移動を抑制し、ガス整流部234の温度分布を抑制することができる。また、処理容器シール部260または緩衝部261の特性変化を抑制することができる。
【0073】
第2断熱部274の構成は、第1断熱部270と同様に構成される。例えば、図4に示す様に、溝形状で構成される。
【0074】
F) 第2断熱部274に、圧力調整部としての第2圧力調整部(第3排気部)を接続し、第2断熱部274を真空排気可能に構成する。この場合、第2断熱部274に封止部275を設け、第2断熱部274内の圧力を維持可能に構成する。第2圧力調整部は、排気管276とバルブ277で構成される。好ましくは、バルブ277は、開度を調整可能なバルブで構成する。バルブ272の開度を制御することによって、第2断熱部274内の圧力を調整し、第2断熱部274の熱伝導率を調整することが可能になる。また、第2断熱部274に第1圧力調整部を接続して排気するように構成しても良い。この様に構成することで、排気系を簡素化できる。第1圧力調整部と第2圧力調整部を設けることで、第1断熱部270と圧力と第2断熱部274の圧力をそれぞれ異なるように制御することができる。
【0075】
G) 処理容器シール部260を冷却する冷却流路261を設けて処理容器シール部260を加熱するように構成しても良い。
【0076】
また、冷却流路261に冷却部を接続し、冷却流路261への冷媒供給量を調整可能に構成しても良い。冷却流路261に接続される冷却部は供給管268とバルブ267で構成される。
【0077】
H) また、排気路225の上側容器202aと接する面であって、処理容器シール部260が設けられる面に第2ガス加熱部282を設けても良い。
【0078】
第2ガス加熱部282の温度は、第2ガス加熱部282に接続された第2温度調整器283により制御される。
【0079】
I) 上記B,C,D,F,G,Hの構成のいずれかまたは複数を組み合わせた場合に、第1シール部と第2シール部のいずれかまたは両方の温度を、各シール部の特性が劣化しない温度に保ちつつ、上流側表面234aにガスが吸着しない温度に保つ様に温度制御する。
【0080】
上述の各構成は、コントローラ121のI/Oポート121dに接続され、コントローラ121は、それぞれの構成を制御可能に構成される。
【0081】
(2)基板処理工程
次に、基板処理工程の例について、半導体デバイスの製造工程の一つである、DCSガス及びNH(アンモニア)ガスを用いてシリコン窒化(SixNy)膜を形成する例で説明する。
【0082】
図6に基板としてのウエハ200上にシリコン窒化(SixNy)膜を形成する場合の基板処理工程のフローを示している。
【0083】
(基板搬入工程S201)
成膜処理に際しては、先ず、ウエハ200を処理室201に搬入させる。具体的には、基板支持部210を昇降機構218によって、下降させ、リフトピン207が、貫通孔214から基板支持部210の上面側に突出させた状態にする。また、処理室201内を所定の圧力に調圧した後、ゲートバルブ205を開放し、ゲートバルブ205からリフトピン207上にウエハ200を載置させる。ウエハ200をリフトピン207上に載置させた後、昇降機構218によって基板支持部210を所定の位置まで上昇させることによって、ウエハ200が、リフトピン207から基板支持部210へ載置されるようになる。この際、第三ガス供給部245から不活性ガスを供給しながら、所定の位置まで上昇させても良い。また、基板載置台212の突出部212bと仕切板204とは接触する(突き当たる)様な位置に上昇させても良い。
【0084】
このとき、基板載置台212をヒータ213により予め加熱していても良い。予め加熱しておくことで、ウエハ200の加熱時間を短縮することができる。また、ウエハ200をリフトピン207から載置面211に載置した時に、ウエハ200が跳ねあがる場合や、ウエハ200に反りが発生する場合等には、ウエハ200を予備加熱しても良い。予備加熱は、基板処理装置100内で行っても良いし、基板処理装置100外で行っても良い。例えば、基板処理装置100内で行う場合には、ウエハ200をリフトピン207で支持した状態で、基板載置台212と基板との距離を、所定の第1距離として、所定時間待機させて加熱する。
ここで第1距離は、ウエハ200が、ゲートバルブ205から搬送される時の搬送位置としても良い。また、搬送位置の距離よりも短い距離としても良い。基板処理装置100内で予備加熱する際の昇温時間は、ウエハ200と基板載置台212との距離によって変化し、距離がより短い方が昇温時間を短縮させることができる。
具体的には、基板載置台を予め加熱しておき、ウエハ200又はサセプタの温度変化が無くなってから一定時間保持する。
【0085】
このときにヒータ213の温度は、ウエハ200への原料ガス供給時と同様に、300〜850℃、好ましくは300〜800℃、より好ましくは300〜750℃の範囲内の一定の温度となるように設定する。ヒータ213によるウエハ200の加熱または基板載置台212の加熱は、例えば、繰り返し工程S207まで継続する。
【0086】
また、第1断熱部270内の排気は、ウエハ200が処理室に201内に搬入される前から行い、所定の圧力となるように調整しても良い。この場合、上流側表面234aからリッドシール部262へ伝わる熱量と、加熱された基板載置台212から上流側表面234aに伝わる熱量とがバランスし、上流側表面234aの温度が所定の温度となるような圧力(第1圧力)とする。
【0087】
図7に示すように、ウエハ200が基板載置台212上に載置された際には、第1断熱部270内の圧力を第1圧力よりも低い第2圧力としても良い。基板載置台212から上流側表面234aに伝わる熱は、ウエハ200により一時的に遮断される。このとき、第1圧力を維持した場合、上流側表面234aが所定の温度よりも低くなることが有るが、第1断熱部内の圧力を第2圧力とすることで、上流側表面234aからリッドシール部262に伝わる熱量を減少させ、上流側表面234aの温度を所定温度から変化することを抑制することができる。
【0088】
なお、第2断熱部274内の圧力は、少なくとも、S203,S204,S205,S206,S207の工程で真空状態とし、S201から真空状態としても良い。S201から真空状態とすることで、基板載置台212から排気路225方向への熱移動を抑制し、基板載置台212の温度調整時間を短縮することができる。
【0089】
(減圧・昇温工程S202)
続いて、処理室201内が所定の圧力(真空度)となるように、排気管222を介して処理室201内を排気する。この際、圧力センサが測定した圧力値に基づき、圧力調整器223としてのAPCバルブの弁の開度をフィードバック制御する。また、温度センサ(不図示)が検出した温度値に基づき、処理室201内が所定の温度となるように、ヒータ213への通電量をフィードバック制御する。ウエハ200の温度が一定になるまでの間、処理室201内に残留している水分あるいは部材からの脱ガス等を真空排気やNガスの供給によるパージによって除去する工程を設けても良い。これで成膜プロセス前の準備が完了することになる。なお、処理室201内を所定の圧力に排気する際に、一度、到達可能な真空度まで真空排気しても良い。
【0090】
また、この際、図7に示すように、第1断熱部270内の圧力を第2の圧力よりも低い第3の圧力にしても良い。基板載置台212や加熱されたウエハ200から上流側表面234aへの熱移動は、処理室201内の雰囲気を介した熱伝導と、基板載置台212やウエハ200からの熱輻射とが有る。処理室201内が減圧された場合、処理室201の雰囲気を介した熱伝導が減少するため、第2圧力を維持した場合、上流側表面234aが所定の温度よりも低くなることが有る。第3の圧力にすることで、上流側表面234aの温度を所定温度に維持することができる。
【0091】
(第1の処理ガス供給工程S203)
続いて、図6に示すように、第1の処理ガス供給部から処理室201内に第1の処理ガス(原料ガス)としてのDCSガスを供給する。また、排気部による処理室201内の排気を継続し処理室201内の圧力を所定の圧力(第1圧力)となるように制御する。具体的には、第1ガス供給管243aのバルブ243d、第1不活性ガス供給管246aのバルブ246dを開き、第1ガス供給管243aにDCSガス、第1不活性ガス供給管246aにNガスを流す。DCSガスは、第1ガス供給管243aから流れ、MFC243cにより所定の流量に調整される。Nガスは、第1不活性ガス供給管246aから流れ、MFC246cにより所定の流量に調整される。流量調整されたDCSガスは、流量調整されたNガスと第1ガス供給管243a内で混合されて、ガス整流部234から、処理室201内に供給され、排気管222から排気される。このとき、ウエハ200に対してDCSガスが供給されることとなる(原料ガス(DCS)供給工程)。DCSガスは、所定の圧力範囲(第1圧力:例えば100Pa以上10000Pa以下)で処理室201内に供給する。このようにして、ウエハ200にDCSを供給する。DCSが供給されることにより、ウエハ200上に、シリコン含有層が形成される。シリコン含有層とは、シリコン(Si)または、シリコンと塩素(Cl)を含む層である。
【0092】
(残留ガス除去工程S204)
ウエハ200上にシリコン含有層が形成された後、第1ガス供給管243aのバルブ243dを閉じ、DCSガスの供給を停止する。このとき、排気管222のAPCバルブ223は開いたままとし、真空ポンプ224により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留したDCSガス,未反応のDCSガスまたは、シリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを処理室201内から排除する。また、バルブ246dは開いたままとして、不活性ガスとしてのNガスの処理室201内への供給を維持しても良い。バルブ246aから供給され続けるNガスは、パージガスとして作用し、これにより、第1ガス供給管243a、共通ガス供給管242、処理室201内に残留する未反応もしくはシリコン含有層形成に寄与した後のDCSガスを排除する効果を更に高めることができる。
【0093】
なお、このとき、処理室201内や、ガス整流部234内に残留するガスを完全に排除(処理室201内を完全にパージ)しなくてもよい。処理室201内に残留するガスが微量であれば、その後に行われる工程において悪影響が生じることはない。このとき処理室201内に供給するNガスの流量も大流量とする必要は無く、例えば、処理室201の容積と同程度の量を供給することで、次の工程において悪影響が生じない程度のパージを行うことができる。このように、処理室201内を完全にパージしないことで、パージ時間を短縮し、スループットを向上させることができる。また、Nガスの消費も必要最小限に抑えることが可能となる。
【0094】
このときのヒータ213の温度は、ウエハ200への原料ガス供給時と同様に設定する。各不活性ガス供給部から供給するパージガスとしてのNガスの供給流量は、それぞれ例えば100〜20000sccmの範囲内の流量とする。パージガスとしては、Nガスの他、Ar,He,Ne,Xe等の希ガスを用いても良い。
【0095】
(第2の処理ガス供給工程S205)
処理室201内のDCS残留ガスを除去した後、パージガスの供給を停止し、反応ガスとしてのNHガスを供給する。具体的には、第2ガス供給管244aのバルブ244dを開き、第2ガス供給管244a内にNHガスを流す。第2ガス供給管244a内を流れるNHガスは、MFC244cにより流量調整される。流量調整されたNHガスは共通ガス供給管242・ガス整流部234を介して、ウエハ200に供給される。ウエハ200上に供給されたNHガスは、ウエハ200上に形成されたシリコン含有層と反応し、シリコンを窒化させると共に、水素、塩素、塩化水素などの不純物が排出される。
【0096】
このときのヒータ213の温度は、ウエハ200への原料ガス供給時と同様とする。
【0097】
(残留ガス除去工程S206)
第2の処理ガス供給工程の後、反応ガスの供給を止めて、残留ガス除去工程S204と同様な処理を行う。残留ガス除去工程を行うことによって、第2ガス供給管244a,共通ガス供給管242,処理室201内などに残留する未反応もしくはシリコンの窒化に寄与した後のNHガスを排除させることができる。残留ガスを除去することによって、残留ガスによる予期せぬ膜形成を抑制することができる。
【0098】
(繰返し工程S207)
以上の第1の処理ガス供給工程S203、残留ガス除去工程S204、第2の処理ガス供給工程S205、残留ガス除去工程S206それぞれを1工程ずつ行うことにより、ウエハ200上に所定の厚さのシリコン窒化(SixNy)層が堆積される。これらの工程を繰返すことにより、ウエハ200上のシリコン窒化膜の膜厚を制御することができる。所定膜厚となるまで、所定回数繰返すように制御される。
【0099】
また、図7に示すように、S203,S204,S205,S206の各工程では、第1断熱部270内の圧力は、第3の圧力よりも低い第4の圧力とする。S203,S204,S205,S206の各工程において、上流側表面234aは、供給されるガスによって冷却されることがある。上流側表面234aが冷却された場合、上流側表面234aの近傍を流れるガスの粘性が低下する。ガスの粘性が低下すると、上流側表面234aにガスが吸着し、上流側表面234aに成膜され、パーティクル発生の原因となることが有る。第4の圧力とすることで、上流側表面234aからリッドシール部262への熱移動を抑制し、上流側表面234aの温度低下を抑制することができる。
【0100】
また、S203,S204,S205,S206の各工程をnサイクル繰り返した後や、複数枚のウエハ200を処理した後では、上流側表面234a上に膜が堆積していることが有る。この場合、上流側表面234aは、堆積した膜による凹凸が形成されていることがあり、基板載置台212やウエハ200から輻射される熱を吸収しやすくなっている。この様な場合には、第1断熱部270内の圧力を第4の圧力よりも高い第5の圧力とすることによって、上流側表面234aの温度を所定の温度とすることができる。
【0101】
(基板搬出工程S208)
繰返し工程S207で所定回数実施された後、基板搬出工程S208が行われ、ウエハ200が処理室201から搬出される。具体的には、処理室201内に不活性ガスを供給し、搬送可能な圧力に調圧される。調圧後、基板支持部210が昇降機構218により降下され、リフトピン207が、貫通孔214から突き出し、ウエハ200がリフトピン207上に載置される。ウエハ200が、リフトピン207上に載置された後、ゲートバルブ205が開き、ウエハ200が処理室201から搬出される。なお、搬出前に、搬出可能温度まで降温させるようにしても良い。
【0102】
(3)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下a)〜h)示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0103】
(a) 第1断熱部270を設けることにより、冷却流路263と上流側表面234aとの間の熱伝導を抑制し、第1シール部262と上流側表面234aの表面の温度を所定の温度に維持することができ、シール特性の劣化を抑制することができる。また、上流側表面234a付近を流れるガスの粘性変化を抑制することができ、上流側表面234a付近を流れるガス粘性と、下流側表面234b付近を流れるガス粘性との差を少なくすることができ、基板の処理均一性を向上させることができる。また、上流側表面234aへのガス吸着を抑制することができる。
(b) 圧力と熱伝導率は比例関係にあることから、第1断熱部270内の圧力(真空度)を調整可能に構成することで、第1断熱部270の熱伝導率を可変できる。例えば、第1断熱部270内の圧力を低くすることで熱伝導率を下げることができ、第1断熱部270内の圧力を高くすることで熱伝導率を高くすることができる。第1断熱部270内を所定の圧力に調整することにより、上流側表面234aが吸収する、基板載置台212から放射される熱の吸収量と、冷却流路263による冷却量をバランスさせることができ、上流側表面234の温度を所定の温度に保つことができる。また、第1シール部262の温度をシール特性が悪化しない温度に維持することができる。
(c) また、上流側表面234aに膜が堆積した時や、ゴミが付着した時に、基板載置台212から放射される熱の吸収量や反射量が低下しても、第1断熱部270内の真空度を調整することにより、上流側表面234aの温度を所定温度に維持し、上流側表面234aへのガス吸着を抑制することができる。また、上流側表面234a付近を流れるガス粘度を所定の粘度に維持することができる。
(d) 冷却部を設けて、冷却流路263に供給する冷媒流量を調整可能に構成することで、過度な冷却による、上流側表面234aの温度低下を抑制することができる。
(e) 第1ガス加熱部280を設けて上流側表面234aを加熱可能に構成することで、上流側表面234aの温度を所定の温度に維持することや、ガス流路234dを流れるガスの温度低下によるガス粘度の変化を抑制することができる。
(f) 第2断熱部274を設けることにより、ガス整流部234のウエハ200の径方向への熱移動を抑制し、ガス整流部234の温度分布を抑制することができる。また、処理容器シール部260または緩衝部261の特性変化を抑制することができる。また、排気路225の壁が冷却されることによる、排気路225の壁への副生成物の吸着を抑制することができる。
(g) 第2断熱部274内の真空度を調整可能に構成することで、第2断熱部274の熱伝導率を調整することができる。
(h) 冷却流路261に供給する冷媒の流量を調整可能に構成することで、過度な冷却による、排気路225の温度低下を抑制し、排気路225内への膜付着,パーティクルの堆積を抑制することができる。また、排気路225内のパーティクル数を低減できるため、排気路225から処理室201へのパーティクルの侵入を抑制することができる。
【0104】
<他の実施形態>
以上、第一の実施形態を具体的に説明したが、本開示に記載の発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0105】
以上、本開示の他の形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0106】
例えば、ガス整流部234を透明な材質で構成し、第1ガス加熱部280をランプヒータで構成し、第1ガス供給時と第2ガス供給時のいずれかもしくは両方で、ランプヒータをONとして、上流側表面234aを流れるガスの粘性を調整しても良い。また、上流側表面234aへのガス吸着を抑制するように温度調整しても良い。例として、図8に第1ガス供給時に、上流側表面234aを加熱する際のガス供給とランプON/OFFのシーケンスを示す。
【0107】
また、上述では、第1のガス(原料ガス)と第2のガス(反応ガス)を交互に供給して成膜する方法について記したが、他の方法にも適用可能である。例えば、原料ガスと反応ガスの供給タイミングが重なるように供給しても良い。
【0108】
また、原料ガスと反応ガスを供給してCVD成膜となるようにしても良い。
【0109】
また、上述では、成膜処理について記したが、他の処理にも適用可能である。例えば、原料ガスと反応ガスのいずれか若しくは両方を用いた、拡散処理、酸化処理、窒化処理、酸窒化処理、還元処理、酸化還元処理、エッチング処理、加熱処理などが有る。例えば、反応ガスのみを用いて、基板表面や基板に形成された膜をプラズマ酸化処理や、プラズマ窒化処理する際にも本開示を適用することができる。また、反応ガスのみを用いたプラズマアニール処理にも適用することができる。
【0110】
また、上述では、半導体装置の製造工程について記したが、実施形態に係る開示は、半導体装置の製造工程以外にも適用可能である。例えば、液晶デバイスの製造工程や、セラミック基板への処理などが有る。
【0111】
また、上述では、窒化シリコン膜を形成する例を示したが、他のガスを用いた成膜にも適用可能である。例えば、酸素含有膜、窒素含有膜、炭素含有膜、ホウ素含有膜、金属含有膜とこれらの元素が複数含有した膜等が有る。なお、これらの膜としては、例えば、SiO膜、TiN膜、AlO膜、ZrO膜、HfO膜、HfAlO膜、ZrAlO膜、SiC膜、SiCN膜、SiBN膜、TiAlN膜、TiC膜、TiAlC膜などが有る。また、ここに示した金属元素を他の遷移金属や、他の金属元素に置き換えた膜でも良い。
【0112】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0113】
<付記1>
一態様によれば、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内に設けられ、前記基板が載置される基板載置台と、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記基板に処理ガスを供給するガス整流部と、
前記ガス整流部に設けられたシール部と、
前記シール部と前記ガス整流部の上流側表面との間に設けられた断熱部と、
前記断熱部に接続された第1圧力調整部と、
を有する基板処理装置、または、半導体装置の製造装置が提供される。
【0114】
<付記2>
付記1に記載の装置であって、好ましくは、
前記断熱部内を所定の圧力に維持するように前記第1圧力調整部を制御するよう構成された制御部と、
を有する。
【0115】
<付記3>
付記2に記載の装置であって、好ましくは、
前記シール部を冷却する冷却流路と、
前記冷却流路に冷媒を供給する冷却部と、
有し、
前記制御部は、
前記上流側表面を所定温度に維持するように前記第1圧力調整部と前記冷却部を制御するように構成される。
【0116】
<付記4>
付記1乃至付記3のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記ガス整流部は、前記基板の外周側に向かって徐々に径が広がるように構成され、前記ガスが通過するガスチャネルを有し、
前記上流側表面は、前記ガスチャネルの上流側に設けられる。
【0117】
<付記5>
付記4に記載の装置であって、好ましくは、
前記断熱部は、前記ガスチャネルの上流側を囲む様に設けられる。
【0118】
<付記6>
付記1に記載の装置であって、好ましくは、
前記ガス整流部の外周に前記処理室内の雰囲気を排気する排気部が設けられ、前記排気部の外周に第2断熱部を有する。
【0119】
<付記7>
付記6に記載の装置であって、好ましくは、
前記第2断熱部に、第2圧力調整部が接続され、
前記制御部は、前記第2断熱部内を所定の圧力に維持するように前記第2圧力調整部を制御するよう構成される。
【0120】
<付記8>
付記6に記載の装置であって、好ましくは、
前記第2断熱部と前記排気部の間に第2加熱部が設けられ、
前記制御部は、前記第2断熱部が所定の温度に維持するように第2加熱部と前記第2圧力調整部を制御するよう構成される。
【0121】
<付記9>
付記1乃至付記8のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記ガス整流部にガスを供給するガス供給部が設けられ、
前記制御部は、
前記ガス供給部が前記基板に処理ガスと反応ガスを順に供給させる様に前記ガス供給部を制御するよう構成される。
【0122】
<付記10>
他の態様によれば、
基板載置台に載置された基板にガスを供給するガス整流部であって、
前記基板を加熱する加熱部と、
前記ガス整流部に設けられたシール部と、
前記シール部と前記ガス整流部の上流側表面との間に設けられた断熱部と、
前記断熱部に接続された第1圧力調整部と、
を有するガス整流部が提供される。
【0123】
<付記11>
付記10に記載のガス整流部であって、好ましくは、
前記断熱部内を所定の圧力に維持するように前記第1圧力調整部を制御するよう構成された制御部と、
を有する。
【0124】
<付記12>
付記11に記載のガス整流部であって、好ましくは、
前記シール部を冷却する冷却流路と、
前記冷却流路に冷媒を供給する冷却部と、
を有し、
前記制御部は、
前記上流側表面を所定温度に維持するように前記第1圧力調整部と前記冷却部を制御するよう構成される。
【0125】
<付記13>
付記10乃至付記12のいずれかに記載のガス整流部であって、好ましくは、
前記基板の外周側に向かって徐々に径が広がるように構成され、前記ガスが通過するガスチャネルを有し、
前記上流側表面は、前記ガスチャネルの上流側に設けられるように構成される。
【0126】
<付記14>
付記13に記載のガス整流部であって、好ましくは、
前記断熱部は、前記ガスチャネルの上流側を囲む様に設けられる。
【0127】
<付記15>
更に他の態様によれば、
基板載置台に載置された基板を加熱する工程と、
前記基板にガス整流部を介してガスを供給する工程と、
前記ガス整流部に設けられたシール部と当該ガス整流部の上流側表面との間に設けられた断熱部内の圧力を所定圧力に維持する工程と、
を有する半導体装置の製造方法または、基板処理方法が提供される。
【0128】
<付記16>
付記15に記載の方法であって、好ましくは、
前記シール部を冷却する冷却流路を有し、
前記シール部を所定の温度に冷却する工程と、
を有する。
【0129】
<付記17>
更に他の態様によれば、
基板載置台に載置された基板を加熱させる手順と、
前記基板にガス整流部を介してガスを供給させる手順と、
前記ガス整流部に設けられたシール部と当該ガス整流部の上流側表面との間に設けられた断熱部内の圧力を所定圧力に維持させる手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム、または、該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【符号の説明】
【0130】
200 ウエハ(基板)
201 処理室
202 処理容器
204 仕切板
212 基板載置台
213 ヒータ
221 排気口(第1排気部)
234 ガス整流部
234a 上流側表面
234b 下流側表面
231 蓋
250 リモートプラズマユニット(励起部)
【要約】
【課題】基板の温度分布が不均一になり、処理均一性が低下することを抑制する。
【解決手段】
基板を処理する処理室と、処理室内に設けられ、基板が載置される基板載置台と、基板を加熱する加熱部と、基板に処理ガスを供給するガス整流部と、ガス整流部に設けられたシール部と、シール部とガス整流部の上流側表面との間に設けられた断熱部と、断熱部に接続された第1圧力調整部と、を有する。

【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8