特許第5917022号(P5917022)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917022
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】自己発電型VAV空調設備
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/053 20060101AFI20160422BHJP
   F24F 13/14 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   F24F11/053 Z
   F24F13/14
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-127851(P2011-127851)
(22)【出願日】2011年6月8日
(65)【公開番号】特開2012-255574(P2012-255574A)
(43)【公開日】2012年12月27日
【審査請求日】2014年4月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(72)【発明者】
【氏名】漆谷 昌己
(72)【発明者】
【氏名】竹内 祥貴
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3153015(JP,U)
【文献】 特開2001−317800(JP,A)
【文献】 実開昭52−008949(JP,U)
【文献】 特開平08−068559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/053
F24F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機で作られた給気をダクトを通じて室内に供給する空調設備であって、
前記ダクト内にVAVダンパを配置するとともに、前記VAVダンパの下流側に、前記ダクト内を送風される給気によって駆動される羽車を配置し、
前記羽車の回転によって発電する発電機と、前記発電機で得た電力で駆動され、前記室内の温度に基づいて前記VAVダンパの開度を調節する駆動装置を備え、
前記羽車の回転中心軸は、前記VAVダンパの開口部の中央を貫通するように配置され、前記開口部の面積は前記ダクトの断面積よりも小さいことを特徴とする、自己発電型VAV空調設備。
【請求項2】
空調機で作られた給気をダクトを通じて室内に供給する空調設備であって、
前記ダクト内にVAVダンパを配置するとともに、前記VAVダンパの下流側に、前記ダクト内を送風される給気によって駆動される羽車を配置し、
前記羽車の回転によって発電する発電機と、前記発電機で得た電力で駆動され、前記室内の温度に基づいて前記VAVダンパの開度を調節する駆動装置を備え、
前記VAVダンパの開口部を通過した直後の流速の速くなった状態の給気が羽車に吹き付けられることを特徴とする、自己発電型VAV空調設備。
【請求項3】
前記VAVダンパは、前記ダクト内の中央に開口部を形成させ、前記開口部の周囲を包み込むように配置された複数の羽部材を有し、
前記駆動装置は、前記複数の羽部材の傾斜角度を調節することにより、前記開口部の面積を変更させ、
前記羽車は、前記開口部の下流側において前記ダクト内の中央に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の自己発電型VAV空調設備。
【請求項4】
前記発電機で得た電力を蓄電する蓄電器を備え、
前記駆動装置は、前記蓄電器に蓄電された電力で駆動され、
前記駆動装置による前記VAVダンパの開度の調節は、間欠的に行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の自己発電型VAV空調設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変風量(VAV)方式の空調に用いられて、室内の冷暖房負荷に応じて送風量を調節するVAV空調設備に関する。
【背景技術】
【0002】
空調方式の一例として、空調機の送風温度を一定とし、室内の冷暖房負荷に応じてVAVで給気量を加減して、室内温度を所望の範囲に制御するVAV方式が知られている。従来、かかる空調方式を行うVAV空調設備では、給気ダクトや外気ダクトなどにVAVダンパ(可変風量制御機器)を取り付け、室内温度センサーによりVAVダンパに制御信号を出し、給気量を変化させて室内空調などを行っている。
【0003】
かかる従来のVAV空調設備では、空調機1台あたり10数台(100〜150m/台)のVAVダンパが設けられ、各VAVダンパ毎に電源や信号線が必要となる。また、例えば建物の1階に数十台設置されたVAVダンパは、個々に番号管理と運転状況(測定風量と目標風量)を中央監視にて管理されるが、このVAVダンパの配線および運転調整に、多くの施工人工と調整用の人工が必要となる。
【0004】
ここで、特許文献1に示すように、室内を例えばインテリアゾーンとペリメーターンに分けてゾーニング空調を行う方法が知られている。かかるゾーニング空調を行うVAV空調設備では、それらVAVダンパの電源工事、制御配線工事およびそれらの確認・調整に多くの人工が必要であり、将来的な台数の増減も困難である。更に、VAVダンパの制御用に配線や電源、室内センサーの計装工事も必要である。なお、エネルギー管理は空調機で使用される冷水・温水の流量×水往復温度差=使用熱量を計測して行われる。また、ゾーニング空調のエネルギー監視は各VAVダンパのゾーニング空調を集計したものとなる。
【0005】
かかる不具合を解消すべく、特許文献2には、空調機内に配置された各種センサーと駆動用アクチュエーターとの間で無線通信を行う方法が開示されている。また、この特許文献2には、空調機内の空気流で発電する発電機や蓄電池をセンサーの電源とすることも開示されている。更に、特許文献3には、個別のゾーン空調を行うダンパーユニットをリモコンで制御する方法が開示されている。また、特許文献4には、トイレの衛生洗浄装置をリモートコントローラで無線で制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第2541764号公報
【特許文献2】特開平11−237099号公報
【特許文献3】特開平5−322287号公報
【特許文献4】特開2006−9280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、空気流で得た電力をセンサーの電源とすることは知られているが、従来のVAV空調設備では、各VAVダンパ毎に電源や信号線が設けられていることに変わりはなく、そのため、VAVダンパの配線工事が必要であり、また、施工後の運転調整などに、多くの作業人工が必要であった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、VAVダンパの配線工事や運転調整にかかる作業人工を軽減可能な自己発電型VAV空調設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明によれば、空調機で作られた給気をダクトを通じて室内に供給する空調設備であって、前記ダクト内にVAVダンパを配置するとともに、前記VAVダンパの下流側に、前記ダクト内を送風される給気によって駆動される羽車を配置し、前記羽車の回転によって発電する発電機と、前記発電機で得た電力で駆動され、前記室内の温度に基づいて前記VAVダンパの開度を調節する駆動装置を備え、前記羽車の回転中心軸は、前記VAVダンパの開口部の中央を貫通するように配置され、前記開口部の面積は前記ダクトの断面積よりも小さいことを特徴とする、自己発電型VAV空調設備が提供される。また本発明によれば、空調機で作られた給気をダクトを通じて室内に供給する空調設備であって、前記ダクト内にVAVダンパを配置するとともに、前記VAVダンパの下流側に、前記ダクト内を送風される給気によって駆動される羽車を配置し、前記羽車の回転によって発電する発電機と、前記発電機で得た電力で駆動され、前記室内の温度に基づいて前記VAVダンパの開度を調節する駆動装置を備え、 前記VAVダンパの開口部を通過した直後の流速の速くなった状態の給気が羽車に吹き付けられることを特徴とする、自己発電型VAV空調設備が提供される。
【0010】
この自己発電型VAV空調設備において、前記VAVダンパは、前記ダクト内の中央に開口部を形成させ、前記開口部の周囲を包み込むように配置された複数の羽部材を有し、前記駆動装置は、前記複数の羽部材の傾斜角度を調節することにより、前記開口部の面積を変更させ、前記羽車は、前記開口部の下流側において前記ダクト内の中央に配置されていても良い。また、前記発電機で得た電力を蓄電する蓄電器を備え、前記駆動装置は、前記蓄電器に蓄電された電力で駆動され、前記駆動装置による前記VAVダンパの開度の調節は、間欠的に行われても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ダクト内を送風される給気から得た電力でVAVダンパの開度を調節することができるので、VAVダンパに対する電源工事が軽減でき、作業人工も少なくできる。また、設置工事が容易なため、将来的な台数の増減も簡単にできるようになる。しかも、本発明によれば、VAVダンパの下流側に配置された羽車で得た動力を利用して発電を行うので、給気流量が少ない場合であっても、流速の高いVAVダンパの下流側において羽車が回転させられ、動力回収を効率良く行うことができ、その結果、発電効率が向上する。
【0012】
加えて、本発明によれば、複数の羽部材によってダクト内の中央に開口部を形成させるVAVダンパを用い、このVAVダンパの開口部の下流側においてダクト内の中央に羽車を配置することにより、常にダクト内の中央に給気を送風させた状態で、羽車に給気を吹き付けて回転させることができる。また、発電機で得た電力を蓄電器に蓄電して駆動装置によるVAVダンパの開度の調節を間欠的に行うことにより、VAVダンパの開度調節を必要なときにだけ行うことができ、電力不足の解消を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態にかかる自己発電型VAV空調設備の概略を示す説明図である。
図2】自己発電型VAV空調設備の要部の説明図である。
図3】VAVダンパの説明図である。
図4図3中のX−X断面図である。
図5】室内温度とVAVダンパの開度の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる自己発電型VAV空調設備1(以下、「空調設備1」という)は、空調機10で作られた給気SAをダクト(給気ダクト)11、12、13を通じて室内14に供給し、室内14から排出された還気RAが、天井裏空間15からダクト(排気ダクト)16を通じて空調機10に戻されるようになっている。室内14には、人が定常的に存在するインテリアゾーン17と、窓18の近傍に位置するペリメータゾーン19があり、この空調設備1では、これらインテリアゾーン17とペリメーターン19を個別に制御する、いわゆるゾーニング空調が行われる。
【0016】
空調機10には、ファン20、熱交換される熱媒の温度、流量を測る計器21、熱交換器22、図示しないフィルタや熱交換器22への熱媒の流量を制御する弁などが内蔵されている。熱交換器21には、配管23を通じて、冷温水が循環供給させられており、空調機10で所望の温度にされた清浄な空気(給気SA)が、ダクト12、13、13を通じて室内14に供給され、室内14の空調が行われる。
【0017】
この実施の形態では、室内14に隣接して設けられた機械室25に空調機10が設置されている。また、空調機10の内部には、空調設備1全体を司る制御盤26が設けられている。制御盤26には、機械室25の外部にある電源27から給電が行われて、空調機10内の制御弁や電装部品を計器21からの信号を受けて制御し、また、監視し、必要に応じ警報を発する。また、後述する送受信機49からの信号をワイヤレス等で受信しても良い。
【0018】
室内14の天井面30には、給気SAの吹き出し口(アネモ)31と、還気RAの吸い込み口32が、複数個所に設けられている。これら吹き出し口31と吸い込み口32は、室内14の天井面30の全体に分布して配置されており、インテリアゾーン17とペリメーターン19のそれぞれの上方において、天井面30に吹き出し口31と吸い込み口32が複数、規則的に分布して開口させられている。
【0019】
インテリアゾーン17の上方に位置する吹き出し口31には、ダクト11から分岐した一方のダクト12が接続されている。また、ペリメーターン19の上方に位置する吹き出し口31には、ダクト11から分岐した他方のダクト13が接続されている。ダクト11から分岐したこれら一方のダクト12の内部と他方のダクト13の内部には、給気SAの流量を調節するVAVダンパ35が配置されている。より具体的には、VAVダンパ35は設計されたゾーンごとの複数の空調空気の吹き出し口31への給気を受け持っている。
【0020】
図2〜4に示すように、VAVダンパ35は、ダクト12、13の内面に支持された複数枚の羽部材36を有している。この実施の形態では、ダクト12、13は円形断面を有しており、扇形状の羽部材36が、ダクト12、13の内面に沿って複数枚の羽部材36がリング状に配置されている。ここでは、フランジ付きの短管内(ダクト12、13内)に羽部材36や後述する発電機47、駆動源としての羽車45を内蔵し、駆動装置40等を外付けしてユニット化している。ダクト12、13の内部中央には、これら複数枚の羽部材36の先端によって周囲を包み込むことにより形成された円形状の開口部37が存在している(図4)。
【0021】
羽部材36の基端は、ヒンジ38を介して、ダクト12、13の内面に対して揺動自在に支持されている。なお、図2に示すように、ダクト12、13の内面にブラケット39を取り付け、このブラケット39に、ヒンジ38を介して羽部材36の基端を接続しても良い。あるいは、図3に示すように、羽部材36の基端を、ヒンジ38を介してダクト12、13の内面に接続しても良い。
【0022】
このように、羽部材36の基端がダクト12、13の内面に対して揺動自在に支持されることにより、ダクト12、13の内面に対する各羽部材36の角度θを変更して、開口部37の面積を変更することが可能である。即ち、図3、4中の一点鎖線36’で示すように、ダクト12、13の内面に対する各羽部材36の角度θを相対的に小さくして各羽部材36の先端をダクト12、13の内面に近づけた場合は、開口部37の面積は相対的に大きくなる。逆に、図3,4中の二点鎖線36”で示すように、ダクト12、13の内面に対する各羽部材36の角度θを相対的に大きくして各羽部材36の先端をダクト12、13の内面から離した場合は、開口部37の面積は相対的に小さくなる。
【0023】
図2に示すように、ダクト12、13の外側には、各羽部材36を揺動させることにより、VAVダンパ35の開度を調節する駆動装置40が設置されている。即ち、駆動装置40の作動アーム41が、ダクト12、13内に設置された各羽部材36の外面に接続されており、駆動装置40の稼動により、作動アーム41を介して、ダクト12、13の内面に対する各羽部材36の角度θが変更させられる。これにより、複数枚の羽部材36の先端によって形成されている開口部37の面積が変更されるようになっている。
【0024】
ダクト12、13の内部において、VAVダンパ35の下流側(図2、3において、VAVダンパ35の左側)には、ダクト12、13内を送風される給気SAによって駆動されるプロペラ型の羽車45が配置されている。VAVダンパ35の開口部37の中央には、ダクト12、13の中心軸と一致するように配置された回転中心軸46が設けられている。回転中心軸46は、VAVダンパ35の開口部37の中央を貫通するように配置されており、回転中心軸46の前端(図3において、回転中心軸46の右端)は、VAVダンパ35の開口部37よりも上流側(図2、3において、VAVダンパ35の右側)に突出している。そして、回転中心軸46の後端(図3において、回転中心軸46の左端)は、VAVダンパ35の開口部37よりも下流側(図2、3において、VAVダンパ35の左側)に突出している。
【0025】
回転中心軸46の後端(図3において、回転中心軸46の左端)には、羽車45が取り付けられている。回転中心軸46がダクト12、13の中心軸と一致していることにより、羽車45は、ダクト12、13の内部中央に位置している。このため、同じくダクト12、13の内部中央に配置されているVAVダンパ35の開口部37を通過した給気SAが、羽車45に確実に吹き付けられるようになっている。羽車45は、こうして給気SAが吹き付けられることにより回転させられ、その回転が回転中心軸46に伝達される。
【0026】
一方、回転中心軸46の前端(図3において、回転中心軸46の右端)は、VAVダンパ35の開口部37よりも上流側(図2、3において、VAVダンパ35の右側)に配置された、発電機47に接続されている。発電機47は、回転中心軸46の回転によって電力を発電させることができる。
【0027】
ダクト12、13の外側には、発電機47で得た電力を蓄電する蓄電器48が設けられている。また、この蓄電器48に隣接して、無線の送受信機49が設置されている。ダクト12、13内における給気SAの風速は、羽車45の回転数として発電機47を通じて検出され、送受信機49に入力されている。
【0028】
ダクト12、13の内部において、発電機47の上流側(図2において、発電機47の右側)と、羽車45の下流側(図2において、羽車45の左側)には、通気性を有する防護網50がそれぞれ設置してある。これら防護網50は、ダクト12、13内を送風される給気SAを抵抗なく通過させることができる。
【0029】
図2に示すように、ダクト12、13の内部には給気SAの温度を測定する測温センサー55が設置されている。この測温センサー55で測定された給気SAの温度は、送受信機49に入力されている。
【0030】
図1に示すように、天井裏空間15には、2つの測温センサー56、57が設置されている。一方の測温センサー56は、インテリアゾーン17の上方に位置する吸い込み口32の近傍に配置されており、インテリアゾーン17から天井裏空間15に排気された還気RAの温度が、この測温センサー56で測定される。この測温センサー56で測定された還気RAの温度は、送受信機49に入力されている。
【0031】
他方の測温センサー57は、ペリメータゾーン19の上方に位置する吸い込み口32の近傍に配置されており、ペリメータゾーン19から天井裏空間15に排気された還気RAの温度が、この測温センサー57で測定される。この測温センサー57で測定された還気RAの温度も、送受信機49に入力されている。
【0032】
さらに、室内14には、室温を測定する測温センサー58が設置されている。この測温センサー58で測定された室温も、送受信機49に入力されている。
【0033】
駆動装置40、送受信機49および各測温センサー55〜58は、いずれも蓄電器48から給電された電力で作動するようになっている。送受信機49は、空調機10の内部に設置された制御盤26と無線通信を行うようになっており、各測温センサー55〜58で測定された温度と、発電機47で検出されたダクト12、13内における給気SAの風速は、送受信機49を通じて、無線通信で制御盤26に入力されている。また、駆動装置40の稼動で調整されたVAVダンパ35の開口部37の開度も、送受信機49を通じて、無線通信で制御盤26に入力されている。
【0034】
また、制御盤26には、例えば室内14のパソコンなどから入力された所望の温度範囲が設定されており、制御盤26は、その設定温度範囲と、送受信機49から入力された各温度および給気SAの風速や現在のVAVダンパ35の開度に基づいて、VAVダンパ35の適切な開度を演算するようになっている。なお、演算に際し、VAVダンパ35の開口部37の開度と給気SAの風速から、給気SAの流量が求められる。そして、制御盤26は、演算したVAVダンパ35の適切な開度を、無線通信で送受信機49に送り、その開度情報が駆動装置40に送られて、駆動装置40の稼動が制御されるようになっている。
【0035】
以上のように構成された空調設備1にあっては、空調機10で作られた給気SAが、ダクト11、12を通じて室内14のインテリアゾーン17に供給され、ダクト11、13を通じて室内14のペリメータゾーン19に供給される。これにより、室内14のインテリアゾーン17およびペリメータゾーン19の空調が行われる。その際、ダクト12、13の内部では、給気SAの送風により羽車45が回転させられ、その回転によって発電機47で発電が行われる。そして、発電された電力が蓄電器48に蓄電される。
【0036】
また、空調運転中、インテリアゾーン17に供給される給気SAの温度は、一方のダクト12内に設置された測温センサー56で測定され、送受信機49を通じて制御盤26に入力される。同様に、ペリメータゾーン19に供給される給気SAの温度は、他方のダクト13内に設置された測温センサー57で測定され、送受信機49を通じて制御盤26に入力される。また、室温は測温センサー58で測定され、送受信機49を通じて制御盤26に入力される。更に、各ダクト12、13内における給気SAの風速は、羽車45の回転数として発電機47を通じて検出され、送受信機49を通じて制御盤26に入力される。そして、制御盤26では、インテリアゾーン17とペリメーターン19のそれぞれについて、給気SAの温度、還気RAの温度、室温に基づいて、各ダクト12、13内に設置されたVAVダンパ35の開口部37の適切な開度が演算され、その演算値にしたがって、各ダクト12、13内のVAVダンパ35の開口部37の開度が調整され、空調機10で作られた給気SAの供給量が調節される。これにより、インテリアゾーン17とペリメーターン19の室温が、それぞれ所望の温度範囲に保たれる。
【0037】
例えば、冷房運転中に、インテリアゾーン17の室温が、設定されている温度範囲を超えた場合は、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を開くように信号を出力する。これにより、送受信機49を通じて駆動装置40に開口部37の開度を開く信号が入力される。そして、駆動装置40は、図3、4中の一点鎖線36’で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を広げ、開口部37の面積を大きくさせる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が増え、インテリアゾーン17の室温が下げられる。
【0038】
逆に、冷房運転中に、インテリアゾーン17の室温が、設定されている温度範囲を下回った場合は、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を狭めるに信号を出力する。これにより、送受信機49を通じて駆動装置40に開口部37の開度を狭める信号が入力される。そして、駆動装置40は、図3、4中の二点鎖線36”で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を狭め、開口部37の面積を小さくさせる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が減り、インテリアゾーン17の室温が上昇させられる。
【0039】
また同様に、例えば、冷房運転中に、ペリメータゾーン19の室温が、設定されている温度範囲を超えた場合は、制御盤26は、他方のダクト13に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を開くように信号を出力する。これにより、送受信機49を通じて駆動装置40に開口部37の開度を開く信号が入力される。そして、駆動装置40は、図3、4中の一点鎖線36’で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を広げ、開口部37の面積を大きくさせる。これにより、ペリメータゾーン19に対する給気SAの給気量が増え、ペリメータゾーン19の室温が下げられる。
【0040】
逆に、冷房運転中に、ペリメータゾーン19の室温が、設定されている温度範囲を下回った場合は、制御盤26は、他方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を狭めるに信号を出力する。これにより、送受信機49を通じて駆動装置40に開口部37の開度を狭める信号が入力される。そして、駆動装置40は、図3、4中の二点鎖線36”で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を狭め、開口部37の面積を小さくさせる。これにより、ペリメータゾーン19に対する給気SAの給気量が減り、ペリメータゾーン19の室温が上昇させられる。
【0041】
こうしてVAVダンパ35が制御されながらインテリアゾーン17とペリメーターン19の空調運転が行われるに際し、駆動装置40、送受信機49および各測温センサー55〜58は、いずれも発電機47で発電された電力で作動させられる。このように、ダクト12、13内を送風される給気SAで得た電力でVAVダンパ35の開度が調節されて空調運転が行われるので、駆動用の電源を省略でき、工事負担や作業人工も軽減できる。また、空調設備1の設置工事が容易となり、例えばVAVダンパ35などの将来的な台数の増減も簡単にできるようになる。
【0042】
しかも、給気SAによって駆動される羽車45は、VAVダンパ35の下流側に配置されている。このため、例えば給気SAの流量が少ないような場合であっても、狭められた開口部37を通過した直後の流速の速くなった状態の給気SAが羽車45に吹き付けられる。このため、羽車45を確実に回転させて、動力回収を効率良く行うことができ、その結果、発電効率が向上する。この場合、VAVダンパ35の開口部37と羽車45の中心がいずれもダクト12、13の中心軸と一致するように配置されているので、VAVダンパ35を通過する際には、常にダクト12、13内の中央に給気SAが送風させられ、ダクト12、13内の中央に配置された羽車45を効率よく回転させることができる。
【0043】
なお、VAVダンパ35の開度の調節は、次に説明するように、間欠的に行われても良い。例えば、図5に示すように、冷房運転中のインテリアゾーン17の室温について、制御盤26では、上限温度TUと下限温度TLの温度範囲が設定される。そして、適当な時間間隔をおいて、時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6・・・に測温センサー58による間欠的な室温測定が行われ、その測定値が制御盤26に入力される。
【0044】
例えば、時刻t1における室温T1が上限温度TUを超えていると、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を「大」にさせる信号を出力する。これにより、駆動装置40は、図3、4中の一点鎖線36’で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を広げ、開口部37の面積が「大」となる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が増え、冷房能力が高められて、インテリアゾーン17の室温が下げられる。
【0045】
次に、時刻t2における室温T2が下限温度TLを下回っていると、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を「小」にさせる信号を出力する。これにより、駆動装置40は、図3、4中の二点鎖線36”で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を狭め、開口部37の面積が「小」となる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が減り、冷房能力が弱められて、インテリアゾーン17の室温が上昇させられる。
【0046】
次に、時刻t3における室温T3が上限温度TUと下限温度TLの範囲内になっていると、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を「中」にさせる信号を出力する。これにより、駆動装置40は、図3、4中の実線36で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を中間位置にさせ、開口部37の面積が「中」となる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が中程度となり、インテリアゾーン17の室温がそのまま維持される。
【0047】
次に、時刻t4における室温T4が上限温度TUを超えていると、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を「大」にさせる信号を出力する。これにより、駆動装置40は、図3、4中の一点鎖線36’で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を広げ、開口部37の面積が「大」となる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が増え、冷房能力が高められて、インテリアゾーン17の室温が下げられる。
【0048】
次に、時刻t5における室温T5が上限温度TUと下限温度TLの範囲内になっていると、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を「中」にさせる信号を出力する。これにより、駆動装置40は、図3、4中の実線36で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を中間位置にさせ、開口部37の面積が「中」となる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が中程度となり、インテリアゾーン17の室温がそのまま維持される。
【0049】
次に、時刻t6における室温T6が下限温度TLを下回っていると、制御盤26は、一方のダクト12に設置されたVAVダンパ35の開口部37の開度を「小」にさせる信号を出力する。これにより、駆動装置40は、図3、4中の二点鎖線36”で示すように、VAVダンパ35の各羽部材36を狭め、開口部37の面積が「小」となる。これにより、インテリアゾーン17に対する給気SAの給気量が減り、冷房能力が弱められて、インテリアゾーン17の室温が上昇させられる。
【0050】
こうして、適当な時間間隔をおいて、間欠的にVAVダンパ35の開度の調節が行われることにより、室内14のインテリアゾーン17の空調が行われ、インテリアゾーン17の室温が所望の温度範囲に保たれる。なお、ペリメーターゾーン19についても、同様の空調が行われ、ペリメーターゾーン19の室温が所望の温度範囲に保たれる。このように、各温度の測定や、駆動装置40によるVAVダンパ35の開度の調節などを間欠的に行うことにより、蓄電器48に蓄電されている電力の消費量を低減でき、給気SAを利用して発電した電力でVAVダンパ35の開度調節が十分にできるようになる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施の形態の一例を説明したが、本発明はここに示した形態に限定されない。例えば、図2、3では、円形断面のダクト12、13を例示したが、ダクト12、13は、角ダクトでも構わない。また、VAVダンパ35の羽部材36には、例えば植毛鋼板を使用し、騒音の低減を図ると良い。なお、実施の形態で説明したように、室内14のインテリアゾーン17とペリメーターン19を個別に制御するゾーニング空調を行うことにより、各ゾーンごとの消費エネルギーの「見える化」が可能となる。また、ダクト12、13内に設けられたVAVダンパ35や羽車45の前後に防護網50を設置することにより、VAVダンパ35や羽車45の保護を図ることができる。また、施工時に誤ってそれらの機器に手が触れてしまうことを防止でき、安全である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、各種建物の空調に有用である。
【符号の説明】
【0053】
SA 給気
RA 還気
1 自己発電型VAV空調設備
10 空調機
11、12、13、16 ダクト
14 室内
15 天井裏空間
17 インテリアゾーン
18 窓
19 ペリメータゾーン
20 ファン
21 熱交換器
22 フィルタ
23 配管
25 機械室
26 制御盤
27 電源
30 天井面
31 吹き出し口
32 吸い込み口
35 VAVダンパ
36 羽部材
37 開口部
38 ヒンジ
39 ブラケット
40 駆動装置
41 作動アーム
45 羽車
46 回転中心軸
47 発電機
48 蓄電器
49 送受信機
50 防護網
55、56、57、58 測温センサー
図1
図2
図3
図4
図5