【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的を達成するために、請求項1に記載された平歯車の歯集合体のうちの歯を形成するための制御データを発生する方
法、クレーム1
3記載の平歯車の集合体の歯を形成するための制御データを発生するための装置、請求項1
4に記載の、平歯車の歯集合体を有する加工品を製造するための制御データを発生する装置、請求項
15に記載の少なくとも5本の軸を有する数値制御式工作機械、および請求項
16に記載のコンピュータプログラム製品が提案される。従属請求項には好ましい実施形態の特徴事項が記載されている。
【0012】
本発明の第1の様相によれば、発生された制御データに基づき、特にラインごとに、複数の機械加工経路に沿って工作機械のフライスカッターを連続的に移動させることによって、少なくとも5本の軸を有する数値制御式工作機械で、特に汎用工作機械、例えばフライス盤、汎用フライス盤、またはマシニングセンターで、加工品をフライス加工することにより、所望する幅方向のクラウニングを有する平歯車の歯集合体のうちの歯を形成するための制御データを発生する方法が提案される。
【0013】
この方法は、平歯車の歯集合体のうちの歯の少なくとも1つの歯のフランクの幾何学的形状を提供するステップと、前記歯の前記所望する幅方向のクラウニングに従って、前記提供された歯のフランクの幾何学的形状の変更を決定するためのパラメータを決定するステップと、前記決定されたパラメータに基づき変更された歯のフランクの幾何学的形状に基づき、制御データを発生するためのステップとを備えることができ、前記変更された歯の幾何学的形状は、前記所望する幅方向のクラウニングを有する前記歯のフランクの幾何学的形状に対応する。
【0014】
上記様相によれば、歯のフランクの幾何学的形状、例えば数学的に正確な、または理論的な歯のフランクの幾何学的形状が提供される。この歯のフランクの幾何学的形状は、歯のフランクの幾何学的形状を示すか、歯のフランクの幾何学的形状を定める情報またはデータ、または歯のタイプ(例えば直線状の歯集合体、ヘリカルな歯集合体、円形の歯集合体、スパイラルな歯集合体等)、加工品の形状および/または幾何学的形状、歯集合体の形状、またはプロフィル形状(例えばインボリュートプロフィル形状、サイクロイドプロフィル形状、円形プロフィル形状等)を示すデータの提供された情報に対応する。かかる情報またはデータに基づき、例えばCADプログラム(コンピュータ支援設計のためのCAD)により、数学的に正確な、または理論的な歯のフランクの幾何学的形状を数値計算することができる。
【0015】
しかしながら、本発明の実施形態によれば、(ドイツ特許出願第DE10 2009 00814号のケースのように)制御データは、提供される歯のフランクの幾何学的形状または提供される歯のフランクの幾何学的形状のモデルに基づき発生されるのではなく、本発明の実施形態は、歯の所望する幅方向のクラウニングに従って提供される歯のフランクの幾何学的形状の変更を特定するパラメータを決定するステップも更に含む。
【0016】
次に、提供される歯のフランクの幾何学的形状に応じ、提供される歯のフランクの幾何学的形状の変更を特定するための決定されたパラメータに基づいて修正または変更された歯のフランクの幾何学的形状が計算される。ここで、制御データは本発明の実施形態によれば、変更された歯のフランクの幾何学的形状に基づき発生される。
【0017】
これによって、製造された加工品は、歯のフランクを形成するための機械加工後に変更された歯のフランクの幾何学的形状に従った実際の歯のフランクの形状を有する歯のフランク(単数または複数)を有するように、変更された歯のフランクの幾何学的形状に対応して制御データに基づき、工作機械における加工品の機械加工が実行されるという利点が得られる。従って、製造される加工品は、機械加工直後に1つまたは2つの修正された歯のフランクを有する1つ以上の歯を有するので、製造された加工品は、工作機械における機械加工の後で、所望する幅方向のクラウニングを有する1つ以上の歯を予め含む。例えば、所望する幅方向のクラウニング形状を形成するための、歯のフランク(単数または複数)の時間のかかる不便な追加後処理が不要となる。これと対照的に、制御データに基づき、歯を直接処理できるので、必要な後処理を行うことなく、歯の所望する幅方向のクラウニングを達成できる。平歯車の歯集合体のうちの歯の「幅方向のクラウニング」なる用語は、平歯車の歯の外側側面の一方または双方に向かって、歯の厚さ(ピッチ方向)が薄くなることを意味する。
【0018】
従って、本発明により、例えば所望する幅方向のクラウニングに従って、制御データを簡単かつ効率的な態様で発生する前に、数学的に正確または理論的な歯のフランクの幾何学的形状に対応する平歯車の歯集合体のうちの1つの歯のフランクの幾何学的形状を修正または変更することが可能となる。
【0019】
従って、本発明によれば、複数の機械加工経路に沿って工作機械のフライスカッターを連続的に移動させることにより、特にフライスカッター、例えばエンドミル切削工具により、歯のフランクに沿って延びる機械加工経路のうちのほぼ平行なラインに沿って、ラインごとに移動させることにより、少なくとも5本の軸を有する数値制御式工作機械にて歯集合体を有する加工品を製造するための新規に開発された方法の汎用性および用途の可能性を大幅に改善し、拡張することが可能となる。
【0020】
専用ギア切削製造機械、例えば単一目的機械、例えばギアホッビングマシンまたはギア研削マシンのような専用ギア切削製造マシンにおける、一般に知られた製造プロセスと比較して、特に平歯車の製造を大幅に改善し、簡略化できる。その理由は、所望する幅方向のクラウニングを予め有する修正された歯のフランクの幾何学的形状の形成を、発生された制御データに基づき直接実行できるからである。専用ギア切削マシン、例えば単一目的マシン、単一ギアホッビングマシンまたはギア研削マシンで実行される上記一般的な製造プロセスでは、ホッビング工具または研削工具のプロフィル形状によって歯のプロフィル形状がほぼ予め決定され、歯のフランクを形成するために、工具は一般に1つの機械加工経路に沿って(恐らくは何回も)移動するだけであるので、幅方向のクラウニングを有する歯をモデル化できる可能性が大幅に限られ、よって歯のフランクの時間のかかる不便な後処理が必要となる。
【0021】
制御データを発生するための前記ステップは、前記提供された歯のフランクの幾何学的形状および前記決定されたパラメータに基づき、前記変更された歯の幾何学的形状のモデルを計算すること、特に前記提供された歯の幾何学的形状および前記決定されたパラメータに基づき、前記平歯車の歯集合体の歯のモデルを計算することを含むことが好ましい。
【0022】
これによって、提供される歯のフランクの幾何学的形状の変更を指定するための決定されたパラメータに従い、数学的に正確または理論的な歯のフランクの幾何学的形状とは異なる、修正または変更された歯のフランクの幾何学的形状に従ったモデルを提供/計算できるという利点が得られる。ここで、可能な場合にはNCプログラムまたはNCプログラムの少なくとも一部を含む制御データを、変更された歯のフランクの幾何学的形状に基づき、簡単に、かつ可能な場合には自動化された態様で発生できる。
【0023】
前記変更された歯のフランクの幾何学的形状を有する歯が、所望する幅方向のクラウニングを呈するよう、前記歯のフランクの幾何学的形状を変更するための前記パラメータを決定することが好ましい。
【0024】
前記提供された歯のフランクの幾何学的形状の変更を特定するためのパラメータを決定する前記ステップは、前記提供された歯のフランクの幾何学的形状のうちの少なくとも1つの歯のフランクの1つ以上のシフト位置の各々に対する1つのシフトパラメータを決定することを含むことが好ましい。
【0025】
これによって、簡単な態様で、所望する幅方向のクラウニングを有する歯のフランクを形成するための制御データを発生するには、1つ以上の定められたシフト位置の各々に対し、ユーザーがそれぞれのシフトパラメータを入力するか、決定するか、または定め、所望する幅方向のクラウニングを予め示す制御データを発生するよう、所望する幅方向のクラウニングを定めるだけでよいという利点が得られる。
【0026】
前記少なくとも1つの歯のフランクのフランク曲線上で前記1つ以上のシフト位置が定められ、前記歯のフランク曲線は、前記歯の交差表面と前記提供された歯のフランクの幾何学的形状のうちの前記少なくとも1つの歯のフランクとの交点のラインに対応することが好ましい。
【0027】
これによって、歯のフランク曲線に沿った、特に少なくとも1つの歯のフランクに沿って幅方向に延びる歯のフランク曲線に沿った位置に対し、1つ以上のシフトパラメータを入力するだけで、所望する幅方向のクラウニングを定めるか、または入力できるように、歯のフランク曲線に沿った少なくとも1つのフランク上に1つ以上のシフト位置が定められるか、または配置されるという利点が得られる。
【0028】
前記歯の前記交差表面は、交差平面、特に水平交差平面であることが好ましい。前記交差平面は、前記平歯車の歯集合体のピッチ円に対して接線方向に配向され、特に前記交差平面は、前記交差平面の中心位置において前記平歯車の歯集合体の前記ピッチ円に対して接線方向に配向されることが好ましい。
【0029】
これによって、少なくとも1つの歯のフランク上で幅方向に延びる歯のフランク曲線に沿ってシフトパラメータを定め、よって幅方向に沿って歯元または歯先に対し、同じ距離(高さ)をおおむね維持し、幅方向に沿って歯元および歯先に対し、おおむね同じ距離に更に維持できるという利点が得られる。従って、シフトパラメータを歯のフランク上の中心位置にて、かつおおむね歯たけの半分の高さに定めることができ、すなわち特に平歯車の歯集合体のうちの歯のピッチ円の近く、またはピッチとおおむね同じ高さに定めることができる。
【0030】
好ましい有利な別の実施形態によれば、前記歯の前記交差表面は、円筒形表面に沿って延び、前記円筒形表面の軸は、前記平歯車の歯集合体の回転軸に対して同心状に配向されることが好ましい。前記歯の前記交差表面は、前記平歯車の歯集合体の前記ピッチ円に沿って延びることが好ましい。
【0031】
別の好ましい有利な実施形態によれば、平歯車の歯集合体のうちの歯のピッチ円と正確に同じ高さにシフトパラメータを定めるか、または決定することにより、歯のフランク上にある中心位置にあり、かつ正確に歯たけの半分の高さにシフトパラメータを有利に定めることができる。更に、維持された高さ、すなわち歯元または歯先に対する位置、特に歯元と歯先の間の高さの半分の高さにある、歯のフランク上のシフト位置を定める。
【0032】
前記1つ以上のシフト位置は、前記平歯車の歯集合体の前記ピッチ円とほぼ同じ高さに定めることが好ましい。
【0033】
本方法は、前記提供された歯のフランクの幾何学的形状上の1つ以上のシフト位置を決定するステップを更に含むことが好ましい。
【0034】
これによって、シフトパラメータを入力することにより、幅方向のクラウニングを形成するための歯のフランクの除去量またはシフト量を定めることが可能となるだけでなく、更に、提供された歯のフランクの幾何学的形状上のシフト位置の配置を定めることもできるという更なるフレキシビリティを得ることができるという利点が得られる。
【0035】
歯のフランク曲線上でシフト位置を定めるか、または選択的に配置する場合、シフト位置の各々に対するそれぞれの単一パラメータを定めるか、または決定することにより、例えば隣接するシフト位置または歯のフランクのエッジに対する対応するシフト位置の距離をそれぞれ記述するパラメータを決定することにより、提供される歯のフランクの幾何学的形状上の1つ以上のシフト位置を決定し、または定めることを都合よく実行できる。
【0036】
前記提供された歯のフランクの幾何学的形状と比較して、前記決定されたシフトパラメータに従った量だけ、前記1つ以上のシフト位置の各々において、前記変更された歯のフランクの幾何学的形状を後退させることが好ましい。これによって、所望する幅方向のクラウニングに従い、シフト位置の各々における歯のフランクまたは歯のフランクの幾何学的形状の後退量を定めることによって、幅方向のクラウニングを定めることができる。
【0037】
前記決定されたそれぞれのシフトパラメータに従って、前記平歯車の歯集合体の回転軸を中心として、前記歯のプロフィルを回転させることにより、前記1つ以上のシフト位置の各々において前記歯のフランクの前記歯のプロフィルをシフトするよう、前記提供された歯のフランクの幾何学的形状を変更することが好ましい。
【0038】
これによって、変更された歯のフランクの幾何学的形状を得るよう、特定のシフト位置においてプロフィルをシフトするよう、平歯車の歯の集合体の回転軸を中心として、決定されたシフトパラメータに対応する特定のシフト位置において、歯のプロフィルを回転する特定のシフト位置に対する1つのシフトパラメータだけを入力または決定することにより、歯プロフィル全体の変更または修正を特定のシフト位置において簡単かつ都合よく定めることができるという利点が得られる。
【0039】
従って、1つ以上のシフト位置におけるそれぞれの定められたシフトパラメータに従い、平歯車の歯集合体の回転軸を中心にそれぞれの歯のプロフィルを回転することによって、それぞれ得られるシフトされたプロフィルから変更された歯のフランクの幾何学的形状を得ることができ、ここで、各シフト位置において均一かつ連続的な移行点、好ましくは接線方向の移行点が得られるよう、隣接するシフト位置の間で歯のフランクの幾何学的形状を均一かつ連続的に補完することが好ましい。
【0040】
本方法は、前記変更された歯のフランクの幾何学的形状のモデルをディスプレイするステップを更に含むことが好ましい。
【0041】
これによって、所望する幅方向のクラウニングを有する変更された歯のフランクの幾何学的形状に基づいて制御データを発生するに先立ち、モデルが、変更された所望する歯のフランクの幾何学的形状に従った歯のフランクの幾何学的形状、すなわち所望する幅方向のクラウニングを呈する変更された歯のフランクの幾何学的形状を有するまで、計算されたモデルに基づき、制御データを発生する前に、決定されたシフト位置および/またはシフトパラメータを更に調節および/または補正できるように、変更された歯のフランクの幾何学的形状をユーザーが視覚により検討できるという利点が得られる。
【0042】
前記歯のフランクの幾何学的形状を提供する前記ステップは、前記歯集合体の情報データを提供することと、前記提供された歯集合体の情報データに基づき、提供される歯のフランクの幾何学的形状を計算することを含むことが好ましい。
【0043】
前記歯集合体の情報データは、前記加工品のサイズおよび形状を示すデータと、歯集合体の形状、特に直線状歯集合体形状、螺旋歯集合体ギア形状、およびスパイラル歯集合体形状を含む前記歯集合体形状のうちの1つの歯集合体の形状を示すデータ、前記歯のフランクのプロフィル形状、特にインボリュートプロフィル形状、サイクロイドプロフィル形状および円形プロフィル形状を含むプロフィル形状のうちの1つのプロフィル形状を示すデータ、前記ギア歯集合体の歯の幾何学的形状のサイズおよび形状を示すデータ、および/または前記ギア歯集合体の歯数を示すデータを含むことが好ましい。
【0044】
これによって、歯集合体の情報データを提供することにより、提供された歯のフランクの幾何学的形状を簡単な態様で提供できるという利点が得られる。ここで、完全な歯のフランクの幾何学的形状を提供するよう、または少なくとも数学的に正確な、または理論的な、歯のフランクの幾何学的形状のモデルを少なくとも計算できるようにするには、実際に、わずかな歯集合体の情報データだけを提供し、決定し、または入力するだけでよい。例えば歯集合体の情報データは加工品のサイズおよび形状を示すデータを含むことができ、更に所望する歯集合体の形状(歯集合体のタイプ)を示す、例えば直線状の歯集合体の形状、ヘリカル状歯集合体のギア形状およびスパイラル状の歯集合体の形状のいずれを形成すべきであるかを示すデータを含む、歯集合体の情報データを提供できる。更に、歯のフランクの所望する可能な数学的に正確なプロフィル形状、例えばインボリュートプロフィル形状、サイクロイドプロフィル形状および円形プロフィル形状を含むプロフィル形状のうちの1つを示すデータを含む歯集合体の情報データを提供できる。更に、ギアの歯集合体の歯の幾何学的形状のサイズおよび形状を示すデータ、および/またはギアの歯集合体の歯数を示すデータも含む歯集合体の情報データを提供できる。
【0045】
特に歯集合体データは、提供された歯のフランクの幾何学的形状のモデルを計算するか、または提供すべき所望する歯のフランクの幾何学的形状(例えば好ましくはクラウニングのない状態で提供される幾何学的形状)を有する1つ以上の平歯車の歯を含む平歯車の歯集合体を有する、製造された加工品全体のモデルを計算することにより、数学的に正確な、または理論的な歯のフランクの幾何学的形状の計算を可能にするデータを含むことが好ましい。
【0046】
本発明の第2の様相によれば、ギアの歯集合体を有する加工品を製造するための制御データを発生する方法であって、
歯集合体の情報データを提供するステップと、
前記提供された歯集合体の情報データに基づき、提供された歯のフランクの幾何学的形状を計算することを含む、前記提供された歯集合体の情報データに基づき前記加工品のモデルを計算するステップと、
第1の様相または上記好ましい様相のうちの1つの方法に従って、前記加工品上で平歯車の歯集合体のうちの歯を形成するための制御データを発生することを含む、前記加工品を製造するための制御データを発生するステップとを備える、制御データを発生する方法が提案される。
【0047】
本発明の第3の様相によれば、上記様相のうちの1つに記載の方法に従って、前記発生された制御データに基づき、複数の機械加工経路に沿って前記工作機械のフライス加工カッターを連続的に移動することにより、少なくとも5本の軸を有する数値制御式工作機械において、特に汎用工作機械において、加工品をフライス加工することによって所望する幅方向のクラウニングを有する平歯車の歯集合体のうちの歯を形成するための制御データを発生する装置であって、この装置は、前記平歯車の歯集合体のうちの少なくとも1つの歯のフランクの幾何学的形状を提供するための第1入力手段と、前記歯の所望する幅方向のクラウニングに従って提供されたフランクの幾何学的形状の変更を特定するためのパラメータを決定する第2手段と、前記決定されたパラメータに基づき変更された歯のフランクの幾何学的形状に基づき、制御データを発生するための制御データ発生手段とを備え、前記変更された歯のフランクの幾何学的形状は、意図する幅方向のクラウニングを有する、歯のフランクの幾何学的形状に対応する装置が提案される。
【0048】
本発明の第4の様相によれば、ギアの歯集合体を有する加工品を製造するための制御データを発生する装置であって、歯集合体の情報データを提供するための入力手段と、前記提供された歯集合体の情報データに基づき、提供された歯のフランクの幾何学的形状を計算することを含む、前記提供された歯集合体の情報データに基づき前記加工品のモデルを計算するためのモデル計算手段と、上記様相のうちの1つに記載の方法に従って、前記加工品上で平歯車の歯集合体のうちの歯を形成するための制御データを発生することを含む、前記加工品を製造するための制御データを発生するための制御データ発生手段とを備える、制御データを発生する装置が提案される。
【0049】
以下説明する好ましい実施形態は、上記第3の様相および第4の様相に係わる装置に関する。
【0050】
この装置は、提供される歯のフランクの幾何学的形状および決定されたパラメータに基づき、変更される歯のフランクの幾何学的形状のモデルを計算するためのモデル計算手段、特に提供される歯のフランクの幾何学的計算をするおよび決定されるパラメータに基づき、平歯車の歯集合体のうちの歯のモデルを計算するためのモデル計算手段を含むことが好ましい。
【0051】
この装置は、提供される歯のフランクの幾何学的形状の少なくとも1つの歯のフランクの1つ以上のシフト位置を決定するための第3入力手段を含むことが好ましい。
【0052】
この装置は、変更される歯のフランクの幾何学的形状のモデルをディスプレイするためのモデルディスプレイ手段を含むことが好ましい。このモデルディスプレイ手段は、提供される歯のフランクの幾何学的形状をディスプレイし、加工品の未加工部分の幾何学的形状をディスプレイし、平歯車の歯集合体を形成する前に加工品の幾何学的形状をディスプレイし、および/または平歯車の歯集合体を形成した後に加工品の仕上がった部分の幾何学的形状を更にディスプレイするようになっていることが好ましい。
【0053】
この装置は、歯集合体の情報データを入力し、決定し、または定めるための入力手段を含むことが好ましいか、または第1入力手段は、入力手段が歯集合体の情報データを入力し、決定し、または定めるための入力手段を含むことが好ましく、この入力、決定および定義するステップは、加工品のサイズおよび形状を示すデータを入力し、決定し、または定めるステップ、歯集合体の形状、特に直線状の歯集合体の形状、ヘリカル状歯集合体のギア形状およびスパイラル状の歯集合体の形状を含む歯集合体の形状のうちの1つの歯集合体形状を示すデータを入力し、決定し、または定めるステップは、歯のフランクのプロフィル形状、特にインボリュートプロフィル形状、サイクロイドプロフィル形状および円形プロフィル形状を含むプロフィル形状のうちの1つのプロフィル形状を示すデータを入力し、決定し、または定めるステップと、ギアの歯集合体のうちの歯の幾何学的形状のサイズおよび形状を示すデータを入力し、決定し、または定めるステップ、および/またはギアの歯集合体の歯数を示すデータを入力し、決定し、または定めるステップを含むことができる。
【0054】
本発明の第5の様相によれば、上記第3または第4の様相のうちの1つに記載の装置を含み、前記発生された制御データに基づき、複数の機械加工経路に沿って前記工作機械のフライスカッターを連続的に移動することにより、加工品をフライス加工するための、少なくとも5本の軸を有する数値制御式工作機械、特に汎用工作機械が提案される。
【0055】
本発明の第6の様相によれば、コンピュータで読み取り可能な記録媒体と、この記録媒体の上に記憶されたコンピュータプログラム手段とを備え、前記コンピュータプログラム手段は、上記様相のうちの1つに記載の方法をデータ処理装置のデータ処理手段に実行させるようになっている、コンピュータプログラム製品が提案される。