(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したようなラベル被嵌装置80では、ラベル形成基材Mから切り離したラベルLをローラ84で下方側に送出するために、ラベル形成基材MからラベルLを切り離す前に、ラベル形成基材Mの下端部をローラ84とマンドレル81との間に挟み込んでおく必要がある。
【0007】
しかしながら、上述したように、ローラ84はラベル形成基材Mをマンドレル81との間に挟み込む際に、ラベル形成基材Mの端部を周方向に回転させるので、ラベル形成基材MからラベルLを切り離すまでの間は、ラベル形成基材Mがよじれてしまい、損傷を受けるおそれがある。
【0008】
また、上述したように、薄肉フィルムによって形成されたラベルLをボトル容器Bの胴部に確実に被嵌するためには、ラベルLがボトル容器Bに被嵌され始める段階、即ち、ラベルLの送出初期段階でラベルLが略円筒状に広がっている必要があるので、ラベルLをボトル容器Bに被嵌するためにローラ84が回転駆動を開始した後、できるだけ短時間で最終の被嵌速度に対応する回転速度まで増速させなければならないが、ラベルLを周方向に回転させながら送出する場合に、ラベルLを周方向に回転させずに送出する場合と同等の送出速度を確保しようとすると、その回転速度を、例えば、ローラ84の傾斜角度が60度の場合は2倍程度まで速くしなければならないので、加速に要する時間が長くなり、ラベルLを周方向に回転させながら送出することによる効果を十分に享受し得ないといった問題がある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、筒状フィルムを周方向に回転させながら送出するタイプのフィルム被嵌装置において、筒状フィルムが損傷を受けにくく、しかも、筒状フィルムを被嵌体に確実に被嵌することができるフィルム被嵌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
筒状の長尺フィルムを順次切断することによって形成された所定長の筒状フィルムをマンドレルに被嵌することによって開口しながら、下方側に順次送出することで、前記マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌するようにしたフィルム被嵌装置において、
前記マンドレルは、上端側のフィルム開口部と、このフィルム開口部の下部に連設された断面円形状のフィルム整形部とを備え、前記マンドレルの上方側に配設され、前記マンドレルのフィルム開口部に被嵌された長尺フィルムを所定長の筒状フィルムに切断するフィルム切断手段と、前記フィルム切断手段の下方側に配設され、所定長に切断された状態で前記マンドレル
のフィルム開口部に被嵌された筒状フィルムを
前記マンドレルのフィルム整形部に移送するフィルム移送手段と、前記フィルム移送手段によって移送されてきた筒状フィルムを前記マンドレル
のフィルム整形部との間に挟み込むことによって受け取り、周方向に回転させながら下方側に送出する、回転軸が前記マンドレルの軸芯に対して傾いた状態で配設されたショットローラとを備え、
前記フィルム移送手段から前記ショットローラまでの間隔は、前記フィルム切断手段により長尺フィルムを切断して形成される筒状フィルムの所定長より大きく設定されており、前記ショットローラを、独立したサーボモータまたはステッピングモータによって回転駆動させるようにしたことを特徴とするフィルム被嵌装置を提供するものである。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のフィルム被嵌装置において、
前記フィルム移送手段が前記マンドレルを挟んで対向配設されたフィードベルトユニットにより構成されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明のフィルム被嵌装置において、一対の前記ショットローラが、被嵌体の搬送経路を挟んで両側に配置されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、請求項1、2または3に係る発明のフィルム被嵌装置において、前記
フィルム移送手段が前記ショットローラに筒状フィルムを引き渡す時点における筒状フィルムの移送速度と、前記ショットローラが筒状フィルムを受け取った時点における筒状フィルムの下方側への移動速度とが略同一速度に設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、請求項1に係る発明のフィルム被嵌装置は、
マンドレルの上方側に配設されたフィルム切断手段によって所定長に切断された状態でマンドレル
における上端側のフィルム開口部に被嵌された筒状フィルムを
フィルム開口部の下部に連設されたフィルム整形部に移送するフィルム移送手段を設け、このフィルム移送手段を介して、所定長の筒状フィルムをショットローラに引き渡すようにしたので、所定長に切断する前の長尺帯状の筒状フィルムを
マンドレルで開口してショットローラに引き渡している従来のフィルム被嵌装置のように、長尺帯状の筒状フィルムがよじれて損傷することがない。
【0015】
また、このフィルム被嵌装置は、所定長
に切断する前の長尺帯状の筒状フィルムを
マンドレルで開口してショットローラに引き渡した後に
、筒状フィルムを
所定長に切り離している従来のフィルム被嵌装置とは異なり、フィルム移送手段からショットローラへの筒状フィルムの引き渡しを短時間で行うことができるので、切断後の筒状フィルムをショットローラに引き渡す際に発生するよじれについても最小限に抑えることができる。
【0016】
また、このフィルム被嵌装置は、ショットローラを独立したサーボモータまたはステッピングモータによって回転駆動させるようにしたので、筒状フィルムを被嵌体に被嵌するためにショットローラが回転駆動を開始した後、極めて短時間で最終の被嵌速度に対応する回転速度まで増速させることができ、これによって、筒状フィルムを周方向に回転させながら送出することによる効果、即ち、例えば、厚さ20μm程度の薄肉の筒状フィルムであっても、被嵌体に確実に被嵌することができるという効果を十分に享受することができる。
【0017】
特に、
このフィルム被嵌装置は、
フィルム移送手段からショットローラまでの間隔が、フィルム切断手段により長尺フィルムを切断して形成される筒状フィルムの所定長より大きく設定されており、ショットローラがマンドレルとの間に筒状フィルムを挟み込んでいるときは、その筒状フィルムがフィルム移送手段から離反した状態になっているので、筒状フィルムによじれが発生することがなく、筒状フィルムが損傷を受けることがない。
【0018】
また、ショットローラを被嵌体の搬送経路上に配置すると、搬送されてくる被嵌体と干渉しないように、ショットローラを駆動しているサーボモータまたはステッピングモータを上方側に張り出すように配設しなければならず、そうすると、フィルム長の短い筒状フィルムの場合、サーボモータまたはステッピングモータが上方に配設されているフィルム移送手段と干渉するおそれがあるが、請求項3に係る発明のフィルム被嵌装置は、一対のショットローラが、被嵌体の搬送経路を挟んで両側に配置されているので、ショットローラを駆動しているサーボモータまたはステッピングモータを下方側に張り出すように配設しても、搬送されてくる被嵌体と干渉することがなく、フィルム長の短い筒状フィルムの場合についても部材間の干渉の問題が発生することがない。
【0019】
また、請求項4に係る発明のフィルム被嵌装置は、フィルム移送手段がショットローラに筒状フィルムを引き渡す時点における筒状フィルムの移送速度と、ショットローラが筒状フィルムを受け取った時点における筒状フィルムの下方側への移動速度とが略同一速度に設定されているので、受け渡しの際に筒状フィルムが上下方向に引っ張られたりすることがなく、筒状フィルムが損傷を受けにくいという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1及び
図2は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなる厚さ15〜40μmのシュリンクフィルムに印刷等を施して形成された筒状のラベルLをボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置1を示している。このラベル被嵌装置1は、同図に示すように、筒状のラベルLが連続的に繋がった、シート状に折り畳まれた状態のラベル形成基材LMから個別のラベルLを切り離しながら、このラベルLをラベル被嵌位置αに順次送出することで、ボトル搬送装置2によって所定の搬送ピッチでラベル被嵌位置αに順次搬送されてくるボトル容器Bの胴部に被嵌するようになっており、筒状ラベル供給装置に装着されたラベルロール(図示せず)から繰り出されたラベル形成基材LMを切断位置に断続的に送出する駆動ローラ11及び従動ローラ12からなる基材送出ユニット10と、この基材送出ユニット10によって送出されてきたラベル形成基材LMを被嵌することによって所定状態に開口するマンドレル20と、基材送出ユニット10とマンドレル20との間に配設された、ラベル形成基材LMを所定のカットピッチで順次切断することで、個別のラベルLを形成する固定刃31及び可動刃32からなるギロチン方式の基材切断ユニット30と、マンドレル20に被嵌した状態で切り離されたラベルLをマンドレル20の下方側に断続的に移送するラベル移送手段40と、このラベル移送手段40によって移送されてきたラベルLを受け取ってラベル被嵌位置αに送出する一対のショットローラ50とを備えている。
【0022】
前記マンドレル20は、
図1〜
図3に示すように、上端側が先細楔状のラベル開口部21と、このラベル開口部21の下部に連設された断面円形状のラベル整形部25とを備えており、ラベル開口部21の上端部に被嵌されたラベル形成基材LMがラベル開口部21の下方側に移送されることによって徐々に開口されていき、個別のラベルLに切り離された後、ラベル整形部25に被嵌されることで円筒状に整形されるようになっている。
【0023】
前記ラベル開口部21の下半部には、ボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側の側面に、周面が僅かに突出した状態で、一対の上位ローラ22、一対の中位ローラ23及び一対の下位ローラ24がそれぞれ回転可能に取り付けられており、ラベル開口部21の両側面には、各中位ローラ23の周面下部を露出させる窪み部21aが形成されている。
【0024】
前記ラベル整形部25の外周面には、ラベルLとの接触面積を少なくするために、多数の縦溝25aが形成されており、ラベル整形部25の下端部には、ボトル容器Bの搬送方向に直交する位置に、一対のショットローラ50との間にラベルLを挟み込む一対のローラ26が、その周面が僅かに突出した状態で、回転可能に取り付けられている。
【0025】
また、ボトル容器Bの搬送方向の上流側には、反射型の光電センサからなるラベル検出センサ60が配設されていると共に、マンドレル20のラベル整形部25の下端部には、ラベル検出センサ60から射出された光を反射する反射鏡61が取り付けられており、ラベル移送手段40によってマンドレル20の下端位置まで移送されてきたラベルLを検出するようになっている。
【0026】
また、
図4に示すように、ラベル被嵌位置α付近におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側には、ボトル容器Bの搬送経路を挟んでその両側に、反射型の光電センサからなるボトル検出センサ62と、このボトル検出センサ62から射出された光を反射する反射鏡63とが配設されており、ボトル搬送装置2によって搬送されてくるボトル容器Bを、ラベル被嵌位置αの直前位置で検出するようになっている。
【0027】
前記ラベル移送手段40は、
図1及び
図2に示すように、マンドレル20のラベル開口部21に被嵌した状態で、基材切断ユニット30によってラベル形成基材LMから切り離されたラベルLを、ラベル開口部21との間に挟み込んでラベル整形部25に移送する、マンドレル20におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配設されたフィードベルトユニット40A、40Bから構成されており、フィードベルトユニット40A、40Bは、それぞれ駆動プーリ41と4個の従動プーリ42、43、44、45と、これらに掛け渡されるフィードベルト46とから構成されている。
【0028】
前記駆動プーリ41及び従動プーリ44、45は、マンドレル20におけるラベル開口部21の下位ローラ24及び上位ローラ22、中位ローラ23に対応する位置にそれぞれ配設されており、下位ローラ24及び上位ローラ22、中位ローラ23との間にフィードベルト46を介して、ラベルLを挟み込むようになっている。
【0029】
フィードベルトユニット40A、40Bの駆動プーリ41及び従動プーリ44、45は、それぞれ同一の支持部材に回転可能に支持されており、従動プーリ45が、マンドレル20におけるラベル開口部21に形成された窪み部21aに入り込むことで、中位ローラ23を介して、マンドレル20を支持するようになっている。
【0030】
一対の前記ショットローラ50は、
図1及び
図2に示すように、一方がボトル容器Bの搬送方向の下流側に向かって下がり傾斜に、他方がボトル容器Bの搬送方向の上流側に向かって下がり傾斜になるように、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して30度傾いた状態、即ち、マンドレル20の軸芯に対してショットローラ50が60度傾いた状態で、ボトル容器Bの搬送経路を挟んで両側に配設されており、
図3(a)に示すように、マンドレル20におけるラベル整形部25の各ローラ26も、対応するショットローラ50と同方向に傾斜するように、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して30度傾いた状態でラベル整形部25に取り付けられている。
【0031】
各ショットローラ50は、サーボモータからなるショットローラモータ51の回転軸にそれぞれ直結されており、各ショットローラモータ51を、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して逆方向に30度傾斜させた状態で支持することにより、各ショットローラ50を、それぞれ逆方向に傾斜させた状態で、それぞれの外周面をラベル整形部25の対応するローラ26の外周面に略接触させるようになっている。
【0032】
従って、マンドレル20に被嵌されたラベルLを、ショットローラ50とマンドレル20との間に挟み込んでショットローラ50を回転させると、ラベルLが周方向に回転しながら下方側に送出されることになる。
【0033】
図5は、このラベル被嵌装置1及びボトル搬送装置2から構成されるラベル装着システムの電気的構成を示すブロック図である。このラベル装着システムは、容器搬送制御装置2A及びラベル制御装置1Aを備えており、容器搬送制御装置2Aには、ラベル制御装置1Aが接続され、容器搬送制御装置2A及びラベル制御装置1Aの間では、ラベル装着動作に関するデータ及び制御信号等が互いに入出力されるようになっている。
【0034】
前記容器搬送制御装置2Aには、ボトル搬送装置2のコンベア2aを動作させるためのコンベアモータ2bを駆動するインバータ71が接続されており、コンベア2aを動作させるための制御信号をインバータ71に出力すると、インバータ71からコンベアモータ2bに対して駆動信号が出力され、これにより、コンベアモータ2bが回転駆動され、コンベア2aがラベル被嵌装置1に向けてボトル容器Bを搬送する。
【0035】
また、容器搬送制御装置2Aには、ボトル搬送装置2に搭載されたスクリュー等の容器ピッチ切り装置2cを動作させるための容器ピッチ切りモータ2dを駆動するインバータ72が接続されており、容器ピッチ切り装置2cを動作させるための制御信号をインバータ72に出力すると、インバータ72から容器ピッチ切りモータ2dに対して駆動信号が出力され、これにより、容器ピッチ切りモータ2dが回転駆動され、容器ピッチ切り装置2cがボトル容器Bを所定の搬送ピッチで搬送する。
【0036】
また、容器搬送制御装置2Aは、コンベアモータ2b及び容器ピッチ切りモータ2dの回転速度を変化させることが可能とされ、これらの回転速度が変化されることにより、ボトル容器Bの搬送速度を変化させることができる。
【0037】
前記ラベル制御装置1Aは、図示しないマイクロコンピュータを備えており、容器搬送制御装置2Aからの指令及び予め記憶された動作プログラムに基づいて、基材送出ユニット10の駆動ローラ11、基材切断ユニット30の可動刃32、ラベル移送手段40のフィードベルト46及びショットローラ50の各動作を制御するものである。ラベル制御装置1Aには、各種のデータを記憶するための図示しないメモリが備えられている。
【0038】
また、ラベル制御装置1Aには、操作表示装置73が接続されており、センサアンプ78、79を介して、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62が接続されている。
【0039】
前記ラベル制御装置1Aには、基材送出ユニット10の駆動ローラ11を回転駆動するためのサーボモータからなるピッチ送りモータ10aを制御するサーボアンプ74が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、駆動ローラ11を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ74に出力すると、サーボアンプ74からピッチ送りモータ10aに対して駆動信号が出力され、これにより、ピッチ送りモータ10aが駆動して、駆動ローラ11が回転する。
【0040】
前記ラベル制御装置1Aには、可動刃32を駆動するためのサーボモータからなる可動刃モータ30aを制御するサーボアンプ75が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、可動刃32を進退動作させるための制御信号をサーボアンプ75に出力すると、サーボアンプ75から可動刃モータ30aに対して駆動信号が出力され、これにより、可動刃モータ30aが駆動して、可動刃32が固定刃31に対して進退する。
【0041】
前記ラベル制御装置1Aには、フィードベルト46が掛け渡された駆動プーリ41を回転駆動するためのサーボモータからなるフィードベルトモータ40aを制御するサーボアンプ76が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、駆動プーリ41を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ76に出力すると、サーボアンプ76からフィードベルトモータ40aに対して駆動信号が出力され、これにより、フィードベルトモータ40aが回転駆動され、駆動プーリ41が回転してフィードベルト46が循環移動する。
【0042】
前記ラベル制御装置1Aには、ショットローラ50を回転駆動するためのショットローラモータ51を制御するサーボアンプ77が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、ショットローラ50を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ77に出力すると、サーボアンプ77からショットローラモータ51に対して駆動信号が出力され、これにより、ショットローラモータ51が回転駆動され、ショットローラ50が回転する。
【0043】
以下、このラベル被嵌装置1の動作について、
図6に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。まず、
図1及び
図2に示す待機状態において、上述したボトル検出センサによってボトル容器Bが検出されると(T0)、ショットローラ50が回転を開始し、ラベル整形部25に被嵌されているラベルL(L1)を周方向に回転させながら下方側に送出することで、ラベル被嵌位置αを通過するボトル容器Bにタイミングを合わせて、その胴部に被嵌する。このとき、ショットローラ50は、被嵌速度に対応する最終周速Vcまで急速に加速した後、最終周速Vcで所定時間回転する。そして、ラベルLがショットローラ50から離れた後に回転を停止する(T1)。
【0044】
また、ボトル検出センサによってボトル容器Bが検出されると(T0)、ラベル移送手段40も駆動を開始し、マンドレル20のラベル開口部21との間に把持している次のラベルL(L2)をマンドレル20のラベル整形部25に移送し始め、ラベルL(L2)の下端部がショットローラ50に把持される直前位置まできたときに、ラベルLの移送動作を一旦停止する(T2)。このとき、ラベルL(L2)の上端部は、ラベル移送手段40のフィードベルト46とラベル開口部21との間に把持された状態となっている。
【0045】
また、ラベル移送手段40が駆動を開始した後、ラベルLの移送動作を一旦停止するまでの間(T0〜T2)に、基材送出ユニット10がラベル形成基材LMを下方側に送出することで、ラベル形成基材LMがマンドレル20のラベル開口部21に被嵌され、ラベル移送手段40によって、その下端部がラベル開口部21の下半部当りまで移送されており、切断位置からラベル形成基材LMの下端までの距離がラベル長に一致している。そして、ラベル移送手段40が駆動を停止している間に、基材切断ユニット30がラベル形成基材LMを切断することで、ラベル移送手段40のフィードベルト46とラベル開口部21との間に把持された状態で、ラベルLが切り離される。
【0046】
ラベル移送手段40が駆動を停止した後、所定時間が経過した時点(T3)において、ラベル移送手段40及びショットローラ50が共に駆動を再開し、マンドレル20に被嵌されている上位及び下位の2枚のラベルLが僅かに下方側に移送され、下位のラベルL(L2)がラベル移送手段40からショットローラ50に引き渡される。このとき、ラベル移送手段40のフィードベルト46の移動速度Vb1と、ショットローラ50の周速Vc1の1/2が略等しくなるように設定されている。
【0047】
なお、上述したように、マンドレル20の軸芯に対してθ=60度傾いた状態で配設されているショットローラ50を回転させると、マンドレル20とショットローラ50との間に挟み込まれたラベルLは、ショットローラ50の周速Vc1×cosθ=Vc1/2で下方側に送出されるのでラベル移送手段40とショットローラ50との間のラベルLの受渡速度が、ラベル移送手段40とショットローラ50とで一致することになる。
【0048】
ただし、このラベル被嵌装置1では、ラベルLをラベル移送手段40のフィードベルト46からショットローラ50に引き渡す際、フィードベルト46とショットローラ50とがラベルLを同時に把持することはなく、ラベルLがフィードベルト46から離れた後に、ショットローラ50がラベルLを受け取ることができるように、ラベル移送手段40とショットローラ50との間隔が設定されている。
【0049】
また、ラベル移送手段40は、ラベルLがフィードベルト46から離れると同時に停止動作(減速−停止)を実行するが、ショットローラ50は、ラベル検出センサ60によってラベルLの下端部が検出されるまで定速回転を継続し、ラベル検出センサ60によってラベルLが検出された時点(T4)において、ショットローラ50の停止信号が出力され、停止動作(減速−停止)を実行する。
【0050】
このようにして、
図1及び
図2に示す待機状態となり、以下、同様の動作を繰り返すことになる。
【0051】
以上のように、このラベル被嵌装置1は、所定長に切断された状態でマンドレル20に被嵌されたラベルLを下方側に移送するラベル移送手段40を設け、このラベル移送手段40を介して、所定長のラベルLをショットローラ50に引き渡すようにしたので、所定長に切断する前の長尺帯状の筒状フィルムを
マンドレルで開口してショットローラに引き渡している従来のフィルム被嵌装置のように、長尺帯状のラベル形成基材LMがよじれて損傷することがない。
【0052】
また、このラベル被嵌装置1は、ショットローラ50をサーボモータからなる独立したショットローラモータ51によって回転駆動させるようにしたので、ラベルLをボトル容器Bに被嵌するためにショットローラ50が回転駆動を開始した後、極めて短時間で最終の被嵌速度(周速)Vcに対応する回転速度まで増速させることができ、これによって、ラベルLを周方向に回転させながら送出することによる効果、即ち、所定の遠心力を生じさせてラベルLを略円筒状に整形すると共にボトル容器Bへの被嵌時の保形性を向上させることによって、厚さが20μm程度の薄肉フィルムによって形成されたラベルLであっても、ボトル容器Bに確実に被嵌することができるという効果を十分に享受することができる。
【0053】
特に、このラベル被嵌装置1は、ショットローラ50がマンドレル20との間にラベルLを挟み込んでいるときは、そのラベルLがラベル移送手段40から離反した状態になっているので、ラベルLによじれが発生することがなく、ラベルLが損傷を受けることがない。
【0054】
また、ショットローラ50をボトル容器Bの搬送経路上に配置すると、搬送されてくるボトル容器Bと干渉しないように、ショットローラ50を駆動しているショットローラモータ51を上方側に張り出すように配設しなければならず、そうすると、ラベル長の短いラベルLの場合、ショットローラモータ51が上方に配設されているラベル移送手段40等と干渉するおそれがあるが、このラベル被嵌装置1は、一対のショットローラ50が、ボトル容器Bの搬送経路を挟んで両側に配置されているので、ショットローラ50を駆動しているショットローラモータ51を下方側に張り出すように配設しても、搬送されてくるボトル容器Bと干渉することがなく、ラベル長の短いラベルLの場合についても部材間の干渉の問題が発生することがない。
【0055】
なお、上述した実施形態では、ショットローラ50の傾斜角度を固定的に設定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、
図7に示すように、ショットローラ50の傾斜角度の調整機構を設けることも可能である。この調整機構は、同図に示すように、ショットローラモータ51を取り付ける支持プレート52における、ショットローラ50とマンドレル20との接触点を中心とした同心円上に形成された円弧状の2本の長孔53、54と、それぞれの長孔53、54に嵌合するショットローラモータ51に取り付けたスライドピン55、56と、長孔53に嵌合するスライドピン55に螺合され、締め付けることによって、長孔53の範囲内の任意の位置でスライドピン55を固定することができる固定レバー57とから構成されており、固定レバー57を緩めてスライドピン55、56を長孔53、54に沿ってスライドさせた後、再度、固定レバー57を締め付けることで、マンドレル20の軸芯に対するショットローラ50の傾斜角度を0〜60度の範囲内で任意に設定することができる。また、上述したように、マンドレル20の中心軸に対するショットローラ50の傾斜角度をθ、ショットローラ50の周速をVとすると、ショットローラ50によるラベルLの下方側への送出速度はV×cosθで、ラベルLの回転速度(周速)はV×sinθとなる。また、この調整機構では、ショットローラ50を傾斜させない通常の状態(傾斜角度0度)にセットすることも可能であり、ショットローラ50を傾斜させないものを兼用できる構成となっている。
【0056】
このように、ショットローラ50の傾斜角度の調整機構を設ける場合は、マンドレル20のラベル整形部25に取り付けたローラ26に代えて、
図8に示すように、ショットローラ50が接触するボール27を、自由に回転するような状態でラベル整形部25に取り付けておくことが望ましい。
【0057】
また、上述した各実施形態では、ショットローラ50の駆動手段であるショットローラモータ51としてサーボモータを使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータ等、ショットローラ50の回転駆動を開始した後、極めて短時間で最終の被嵌速度に対応する回転速度まで増速させることができる種々の駆動手段を採用することができる。特に、高速回転時における速度変化の制御精度がよいサーボモータを使用することが望ましい。
【0058】
また、上述した各実施形態では、ラベル移送手段40がショットローラ50にラベルLを引き渡す時点におけるラベルLの移送速度と、ショットローラ50がラベルLを受け取った時点におけるラベルLの下方側への移動速度とが略同一速度に設定されているが、これに限定されるものではなく、極端な速度差がなければ、ラベルLの受け渡し時におけるラベル移送手段40によるラベルLの移送速度に対する、ショットローラ50によるラベルLの下方側への移動速度が、例えば、3%程度異なっていてもよい。
【0059】
また、上述した各実施形態では、ショットローラ50がマンドレル20との間にラベルLを挟み込んでいるときは、そのラベルLがラベル移送手段40から離反した状態になっているが、これに限定されるものではなく、ラベルLの受渡時間が短ければ、ラベル移送手段40とショットローラ50とが同時にラベルLを把持してもよい。
【0060】
ただし、ラベルLの受け渡し時に、ラベル移送手段40とショットローラ50とが同時にラベルLを把持する場合は、受け渡しの際にラベルLが上下方向に引っ張られて損傷を受けないように、ラベルLの受け渡し時におけるラベル移送手段40によるラベルLの移送速度と、ショットローラ50によるラベルLの下方側への移動速度とを略同一速度に設定しておくことが望ましい。
【0061】
また、上述した実施形態では、ショットローラ50が定速回転に移行した後に、ラベルLがショットローラ50から離れるようになっているが、これに限定されるものではなく、低速回転に至るまでの加速段階で、ラベルLがショットローラ50から離れるようにしてもよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、ショットローラ50によるラベルLの送出時は、ショットローラ50の周速が、加速領域、定速領域及び減速領域からなる台形状に変化しているが、これに限定されるものではなく、定速領域がほとんどない山形状に変化するものであってもよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、ショットローラ50がラベルLを送出した後は、ショットローラ50の駆動を一旦停止し、ラベルLの受渡段階でショットローラ50の駆動を再開させるようにしているが、これに限定されるものではなく、ラベルLの送出からラベルLの受け渡しまでの間、継続してショットローラ50を回転駆動させるようにしてもよい。
【0064】
ショットローラ50の傾斜角度は、5〜85度程度で設定することができるが、送出速度を得ながら、遠心力を得るためには、30〜70度が好ましく、45〜70度がより好ましい。
【0065】
また、上述した実施形態では、ショットローラモータ51が部材と干渉しないように、ボトル容器Bの搬送経路を挟んで両側に配設されているが、これに限定されるものではなく、ショットローラモータ51が部材と干渉しない場合は、搬送経路の上方に設けてもよく、また、ショットローラ50は一対が好ましいが、マンドレル20のラベル整形部25の周囲に3〜4個設けてもよい。
【0066】
また、上述した各実施形態では、マンドレル20のラベル整形部25には、ショットローラ50に対応する位置にローラ26やボール27が取り付けられているが、これに限定されるものではなく、ローラ26やボール27を省略することも可能である。ただし、ラベルLの損傷等を考慮すれば、ローラ26やボール27を設けておくことが望ましいことは言うまでもない。
【0067】
また、上述した各実施形態では、ラベル移送手段40が、フィードベルトユニット40A、40Bから構成されているが、これに限定されるものではなく、マンドレル20との間にラベル形成基材LMやラベルLを挟み込む複数のローラだけを備えた単なるローラユニットによって構成することも可能である。
【0068】
また、上述した各実施形態では、マンドレル20の上方にギロチン方式の基材切断ユニット30を配設しているが、これに限定されるものではなく、ギロチン方式に代えて、回転刃によってシート状に折り畳まれたラベル形成基材LMを幅方向に切断してもよく、さらに、マンドレル20を取り囲むようにサークルカッタを配設することも可能である。特に、サークルカッタを使用する場合は、マンドレルの全長を長くして、サークルカッタの下流側にラベル移送手段やショットローラを配設する必要がある。
【0069】
また、上述した各実施形態では、ショットローラ50がマンドレル20の下端位置に配設されているが、ショットローラ50の配設位置は、マンドレル20の下方位置であればよく、必ずしも、マンドレル20の下端位置に限定されるものではない。
【0070】
また、上述した実施形態では、ラベルLとの接触面積を少なくし、ラベルLを径方向に広がりやすくするために、マンドレル20のラベル整形部25に多数の縦溝を形成したが、これに限定されるものではなく、傾斜した溝や格子状の溝でもよい。なお、溝は設けなくてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、長尺のラベル形成基材LMからラベルLを切り離して、ボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置1について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のフィルム被嵌装置は、例えば、容器の口部に筒状のキャップシールを被嵌するキャップシール被嵌装置等、シート状に折り畳まれた筒状フィルムを開口しながら、容器等の被嵌体に被嵌する種々の装置に適用することができる。