特許第5917113号(P5917113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917113
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】フィルム被嵌装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 3/14 20060101AFI20160422BHJP
   B65C 9/26 20060101ALI20160422BHJP
   B65B 53/00 20060101ALN20160422BHJP
【FI】
   B65C3/14
   B65C9/26
   !B65B53/00 E
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-265552(P2011-265552)
(22)【出願日】2011年12月5日
(65)【公開番号】特開2013-116758(P2013-116758A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100104640
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】有馬 浩司
(72)【発明者】
【氏名】澤村 卓治
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−516567(JP,A)
【文献】 特表2011−521856(JP,A)
【文献】 特開昭59−098818(JP,A)
【文献】 特開昭63−191726(JP,A)
【文献】 特開2002−037226(JP,A)
【文献】 実開平06−027515(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 3/14
B65C 9/26
B65B 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの幅方向の両側部を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を接合することによって筒状に形成された、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部の先端側に非接合部を有する筒状フィルムをマンドレルに被嵌することによって開口しながら、下方側に順次送出することで、前記マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌するようにしたフィルム被嵌装置において、
前記マンドレルは、上端側のフィルム開口部と、このフィルム開口部の下部に連設された、外周面に複数の縦溝が形成された断面円形状のフィルム整形部とを有し、
筒状フィルムを前記マンドレルのフィルム整形部との間に挟み込んで、周方向に回転させながら下方側に送出する、回転軸が前記マンドレルの軸芯に対して傾斜した状態で配設されたショットローラを備え、
前記ショットローラは、筒状フィルムにおける重ね合わせ部分の外側に位置している他方の側縁の先端方向に筒状フィルムを回転させ、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部の先端側にある非接合部がマンドレルのフィルム整形部の縦溝に引っかからない状態になる非接合部の張出方向とは反対方向に筒状フィルムを回転させるように構成されていることを特徴とするフィルム被嵌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャップシールやラベル等の筒状フィルムをボトル容器等の被嵌体に被嵌するフィルム被嵌装置、特に、薄肉の筒状フィルム等に適したフィルム被嵌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄肉フィルムによって形成された筒状ラベルLをボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置としては、例えば、図8に示すようなものが開示されている。このフィルム被嵌装置80は、同図に示すように、筒状のラベルLが連続的に繋がった、シート状に折り畳まれた状態の長尺帯状のラベル形成基材Mを、円柱状のマンドレル81に被嵌することで所定状態に開口しながら、送給ローラ82によってマンドレル81の下部まで送給し、マンドレル81の中間部を取り囲むように、切断位置に設置されたカットユニット83によって所定長に順次切断することで個別のラベルLを形成した後、この開口された個別のラベルLをローラ84によって所定のラベル被嵌位置に順次送出することで、ラベル被嵌位置に順次搬送されてくる容器Bの胴部にラベルLを被嵌するようになっている。
【0003】
前記ローラ84は、同図に示すように、ラベルLの送出方向に対して傾いた状態で配設されており、ラベルLをマンドレル81との間に挟み込んだ状態で、回転させることによって、ラベルLを周方向に回転させながら、下方側に送出するようになっている。
【0004】
このように、ラベルLを周方向に回転させながら下方側に送出すると、筒状のラベルLが径方向外側に広がって、マンドレル81から突出したラベルLの下端部側が先すぼみしにくくなるので、薄肉フィルムによって形成されたラベルLであっても、ボトル容器Bの胴部に確実に被嵌することができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−516567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような筒状のラベルLは、長尺帯状のラベル形成基材を送出しながら、幅方向の両側部を内側に折り返すことによって両側縁を重ね合わせ、その重ね合わせ部分に塗布した接着剤によって両側縁を接合した後、所定長に切断することによって形成されるが、ラベル形成基材の両側縁の重ね合わせ部分に接着剤を塗布する際は、ラベル形成基材における重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁から接着剤がはみ出さないように、一方の側縁の先端から1〜4mm程度内側に接着剤を塗布することになる。
【0007】
従って、図9(a)、(b)に示すように、出来上がったラベルLには、通常、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部Jの先端側に、1〜5mm幅程度の非接合部NJが形成されることになり、マンドレルに被嵌したラベルLを周方向に回転させる際に、この非接合部NJが引っかかって抵抗になるという問題がある。特に、図10に示すように、ラベルLとの接触面積を小さくするためにマンドレルMの周面に多数の縦溝gを形成した場合に、その問題は顕著に現れることになる。
【0008】
また、胴部外周面に部分的にタックラベルが貼着された円筒状の容器に筒状のラベルLを被嵌する場合、ラベルLを周方向に回転させながら容器の胴部に被嵌しようとすると、ラベルLの非接合部NJがタックラベルの縁に引っかかって装着不良が生じるという問題もある。
【0009】
その他、胴部外周面に小突起等が形成された円筒状の容器、断面が六角形や八角形の容器に筒状のラベルLを被嵌する場合も、同様に、ラベルLの非接合部NJが容器の胴部外周面に形成された小突起等や胴部外周面の角部に引っかかって装着不良が生じるという問題もある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部の先端側に非接合部が形成された筒状フィルムであっても、抵抗になることなく、円滑に回転させることができるフィルム被嵌装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、フィルムの幅方向の両側部を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を接合することによって筒状に形成された、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部の先端側に非接合部を有する筒状フィルムをマンドレルに被嵌することによって開口しながら、下方側に順次送出することで、前記マンドレルの直下を通過する被嵌体に筒状フィルムを被嵌するようにしたフィルム被嵌装置において、前記マンドレルは、上端側のフィルム開口部と、このフィルム開口部の下部に連設された、外周面に複数の縦溝が形成された断面円形状のフィルム整形部とを有し、筒状フィルムを前記マンドレルのフィルム整形部との間に挟み込んで、周方向に回転させながら下方側に送出する、回転軸が前記マンドレルの軸芯に対して傾斜した状態で配設されたショットローラを備え、前記ショットローラは、筒状フィルムにおける重ね合わせ部分の外側に位置している他方の側縁の先端方向に筒状フィルムを回転させ、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部の先端側にある非接合部がマンドレルのフィルム整形部の縦溝に引っかからない状態になる非接合部の張出方向とは反対方向に筒状フィルムを回転させるように構成されていることを特徴とするフィルム被嵌装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、請求項1に係る発明のフィルム被嵌装置は、筒状フィルムにおける重ね合わせ部分の外側に位置している他方の側縁の先端方向に筒状フィルムを回転させ、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部の先端側にある非接合部がマンドレルのフィルム整形部の縦溝に引っかからない状態になる非接合部の張出方向とは反対方向に筒状フィルムを回転させるように構成されているので、筒状フィルムにおける重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁の先端に形成された非接合部がマンドレルのフィルム整形部の縦溝に引っかかって抵抗になることがなく、筒状フィルムを円滑に回転させることができる。
【0013】
また、被嵌体が、胴部外周面に部分的にタックラベルが貼着された円筒状の容器、胴部外周面に小突起等が形成された円筒状の容器や断面が六角形や八角形の容器であっても、回転しながら被嵌される筒状フィルムの非接合部がタックラベルの縁や胴部外周面に形成された小突起等や角部に引っかかって装着不良が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明に係るフィルム被嵌装置の一実施形態であるラベル被嵌装置を示す正面図である。
図2】同上のラベル被嵌装置を示す側面図である。
図3】(a)は同上のラベル被嵌装置を構成しているマンドレルを示す正面図、(b)は同上のマンドレルを示す側面図である。
図4】同上のラベル被嵌装置に搭載されたボトル検出センサを示す斜視図である。
図5】同上のラベル被嵌装置の制御系を示す機能ブロック図である。
図6】同上のラベル被嵌装置におけるフィードベルト及びショットローラの動作を示すタイミングチャートである。
図7】(a)、(b)はラベルLの回転方向を説明するための説明図である。
図8】従来のラベル被嵌装置を示す概略構成図である。
図9】(a)はラベルを示す斜視図、(b)は同上のラベルにおけるラベル形成基材の重ね合わせ部分を示す拡大図である。
図10】従来の問題点を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなる厚さ15〜40μmのシュリンクフィルムに印刷等を施して形成された筒状のラベルLをボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置1を示している。このラベル被嵌装置1は、同図に示すように、筒状のラベルLが連続的に繋がった、シート状に折り畳まれた状態のラベル形成基材LMから個別のラベルLを切り離しながら、このラベルLをラベル被嵌位置αに順次送出することで、ボトル搬送装置2によって所定の搬送ピッチでラベル被嵌位置αに順次搬送されてくるボトル容器Bの胴部に被嵌するようになっており、筒状ラベル供給装置に装着されたラベルロール(図示せず)から繰り出されたラベル形成基材LMを切断位置に断続的に送出する駆動ローラ11及び従動ローラ12からなる基材送出ユニット10と、この基材送出ユニット10によって送出されてきたラベル形成基材LMを被嵌することによって所定状態に開口するマンドレル20と、基材送出ユニット10とマンドレル20との間に配設された、ラベル形成基材LMを所定のカットピッチで順次切断することで、個別のラベルLを形成する固定刃31及び可動刃32からなるギロチン方式の基材切断ユニット30と、マンドレル20に被嵌した状態で切り離されたラベルLをマンドレル20の下方側に断続的に移送するラベル移送手段40と、このラベル移送手段40によって移送されてきたラベルLを受け取ってラベル被嵌位置αに送出する一対のショットローラ50とを備えている。
【0016】
前記マンドレル20は、図1図3に示すように、上端側が先細楔状のラベル開口部21と、このラベル開口部21の下部に連設された断面円形状のラベル整形部25とを備えており、ラベル開口部21の上端部に被嵌されたラベル形成基材LMがラベル開口部21の下方側に移送されることによって徐々に開口されていき、個別のラベルLに切り離された後、ラベル整形部25に被嵌されることで円筒状に整形されるようになっている。
【0017】
前記ラベル開口部21の下半部には、ボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側の側面に、周面が僅かに突出した状態で、一対の上位ローラ22、一対の中位ローラ23及び一対の下位ローラ24がそれぞれ回転可能に取り付けられており、ラベル開口部21の両側面には、各中位ローラ23の周面下部を露出させる窪み部21aが形成されている。
【0018】
前記ラベル整形部25の外周面には、ラベルLとの接触面積を少なくするために、多数の縦溝25aが形成されており、ラベル整形部25の下端部には、ボトル容器Bの搬送方向に直交する位置に、一対のショットローラ50との間にラベルLを挟み込む一対のローラ26が、その周面が僅かに突出した状態で、回転可能に取り付けられている。
【0019】
また、ボトル容器Bの搬送方向の上流側には、反射型の光電センサからなるラベル検出センサ60が配設されていると共に、マンドレル20のラベル整形部25の下端部には、ラベル検出センサ60から射出された光を反射する反射鏡61が取り付けられており、ラベル移送手段40によってマンドレル20の下端位置まで移送されてきたラベルLを検出するようになっている。
【0020】
また、図4に示すように、ラベル被嵌位置α付近におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側には、ボトル容器Bの搬送経路を挟んでその両側に、反射型の光電センサからなるボトル検出センサ62と、このボトル検出センサ62から射出された光を反射する反射鏡63とが配設されており、ボトル搬送装置2によって搬送されてくるボトル容器Bを、ラベル被嵌位置αの直前位置で検出するようになっている。
【0021】
前記ラベル移送手段40は、図1及び図2に示すように、マンドレル20のラベル開口部21に被嵌した状態で、基材切断ユニット30によってラベル形成基材LMから切り離されたラベルLを、ラベル開口部21との間に挟み込んでラベル整形部25に移送する、マンドレル20におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配設されたフィードベルトユニット40A、40Bから構成されており、フィードベルトユニット40A、40Bは、それぞれ駆動プーリ41と4個の従動プーリ42、43、44、45と、これらに掛け渡されるフィードベルト46とから構成されている。
【0022】
前記駆動プーリ41及び従動プーリ44、45は、マンドレル20におけるラベル開口部21の下位ローラ24及び上位ローラ22、中位ローラ23に対応する位置にそれぞれ配設されており、下位ローラ24及び上位ローラ22、中位ローラ23との間にフィードベルト46を介して、ラベルLを挟み込むようになっている。
【0023】
フィードベルトユニット40A、40Bの駆動プーリ41及び従動プーリ44、45は、それぞれ同一の支持部材に回転可能に支持されており、従動プーリ45が、マンドレル20におけるラベル開口部21に形成された窪み部21aに入り込むことで、中位ローラ23を介して、マンドレル20を支持するようになっている。
【0024】
一対の前記ショットローラ50は、図1及び図2に示すように、一方がボトル容器Bの搬送方向の下流側に向かって下がり傾斜に、他方がボトル容器Bの搬送方向の上流側に向かって下がり傾斜になるように、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して30度傾いた状態、即ち、マンドレル20の軸芯に対してショットローラ50が60度傾いた状態で、ボトル容器Bの搬送経路を挟んで両側に配設されており、図3(a)に示すように、マンドレル20におけるラベル整形部25の各ローラ26も、対応するショットローラ50と同方向に傾斜するように、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して30度傾いた状態でラベル整形部25に取り付けられている。
【0025】
各ショットローラ50は、サーボモータからなるショットローラモータ51の回転軸にそれぞれ直結されており、各ショットローラモータ51を、それぞれの回転軸がマンドレル20の軸芯に対して逆方向に30度傾斜させた状態で支持することにより、各ショットローラ50を、それぞれ逆方向に傾斜させた状態で、それぞれの外周面をラベル整形部25の対応するローラ26の外周面に略接触させるようになっている。
【0026】
従って、マンドレル20に被嵌されたラベルLを、ショットローラ50とマンドレル20との間に挟み込んでショットローラ50を回転させると、ラベルLが周方向に回転しながら下方側に送出されることになる。
【0027】
ラベルLは、ラベル形成基材LMの幅方向の両側部を重ね合わせ、その重ね合わせ部分を接着剤によって接合することで筒状に形成されており、図9(a)、(b)に示すように、重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁における接合部Jの先端側に1〜5mm幅程度の非接合部NJが形成されている。
【0028】
前記ショットローラ50は、図7(a)、(b)に矢印で示すように、ラベルLにおける重ね合わせ部分の外側に位置している他方の側縁の先端方向、即ち、非接合部NJの張出方向とは反対方向にラベルLを回転させるように、その回転方向が設定されている。
【0029】
図5は、このラベル被嵌装置1及びボトル搬送装置2から構成されるラベル装着システムの電気的構成を示すブロック図である。このラベル装着システムは、容器搬送制御装置2A及びラベル制御装置1Aを備えており、容器搬送制御装置2Aには、ラベル制御装置1Aが接続され、容器搬送制御装置2A及びラベル制御装置1Aの間では、ラベル装着動作に関するデータ及び制御信号等が互いに入出力されるようになっている。
【0030】
前記容器搬送制御装置2Aには、ボトル搬送装置2のコンベア2aを動作させるためのコンベアモータ2bを駆動するインバータ71が接続されており、コンベア2aを動作させるための制御信号をインバータ71に出力すると、インバータ71からコンベアモータ2bに対して駆動信号が出力され、これにより、コンベアモータ2bが回転駆動され、コンベア2aがラベル被嵌装置1に向けてボトル容器Bを搬送する。
【0031】
また、容器搬送制御装置2Aには、ボトル搬送装置2に搭載されたスクリュー等の容器ピッチ切り装置2cを動作させるための容器ピッチ切りモータ2dを駆動するインバータ72が接続されており、容器ピッチ切り装置2cを動作させるための制御信号をインバータ72に出力すると、インバータ72から容器ピッチ切りモータ2dに対して駆動信号が出力され、これにより、容器ピッチ切りモータ2dが回転駆動され、容器ピッチ切り装置2cがボトル容器Bを所定の搬送ピッチで搬送する。
【0032】
また、容器搬送制御装置2Aは、コンベアモータ2b及び容器ピッチ切りモータ2dの回転速度を変化させることが可能とされ、これらの回転速度が変化されることにより、ボトル容器Bの搬送速度を変化させることができる。
【0033】
前記ラベル制御装置1Aは、図示しないマイクロコンピュータを備えており、容器搬送制御装置2Aからの指令及び予め記憶された動作プログラムに基づいて、基材送出ユニット10の駆動ローラ11、基材切断ユニット30の可動刃32、ラベル移送手段40のフィードベルト46及びショットローラ50の各動作を制御するものである。ラベル制御装置1Aには、各種のデータを記憶するための図示しないメモリが備えられている。
【0034】
また、ラベル制御装置1Aには、操作表示装置73が接続されており、センサアンプ78、79を介して、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62が接続されている。
【0035】
前記ラベル制御装置1Aには、基材送出ユニット10の駆動ローラ11を回転駆動するためのサーボモータからなるピッチ送りモータ10aを制御するサーボアンプ74が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、駆動ローラ11を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ74に出力すると、サーボアンプ74からピッチ送りモータ10aに対して駆動信号が出力され、これにより、ピッチ送りモータ10aが駆動して、駆動ローラ11が回転する。
【0036】
前記ラベル制御装置1Aには、可動刃32を駆動するためのサーボモータからなる可動刃モータ30aを制御するサーボアンプ75が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、可動刃32を進退動作させるための制御信号をサーボアンプ75に出力すると、サーボアンプ75から可動刃モータ30aに対して駆動信号が出力され、これにより、可動刃モータ30aが駆動して、可動刃32が固定刃31に対して進退する。
【0037】
前記ラベル制御装置1Aには、フィードベルト46が掛け渡された駆動プーリ41を回転駆動するためのサーボモータからなるフィードベルトモータ40aを制御するサーボアンプ76が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、駆動プーリ41を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ76に出力すると、サーボアンプ76からフィードベルトモータ40aに対して駆動信号が出力され、これにより、フィードベルトモータ40aが回転駆動され、駆動プーリ41が回転してフィードベルト46が循環移動する。
【0038】
前記ラベル制御装置1Aには、ショットローラ50を回転駆動するためのショットローラモータ51を制御するサーボアンプ77が接続されており、ラベル検出センサ60及びボトル検出センサ62から出力されるラベル検出信号及びボトル検出信号に基づいて、ショットローラ50を回転動作させるための制御信号をサーボアンプ77に出力すると、サーボアンプ77からショットローラモータ51に対して駆動信号が出力され、これにより、ショットローラモータ51が回転駆動され、ショットローラ50が回転する。
【0039】
以下、このラベル被嵌装置1の動作について、図6に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。まず、図1及び図2に示す待機状態において、上述したボトル検出センサによってボトル容器Bが検出されると(T0)、ショットローラ50が回転を開始し、ラベル整形部25に被嵌されているラベルL(L1)を周方向に回転させながら下方側に送出することで、ラベル被嵌位置αを通過するボトル容器Bにタイミングを合わせて、その胴部に被嵌する。このとき、ショットローラ50は、被嵌速度に対応する最終周速Vcまで急速に加速した後、最終周速Vcで所定時間回転する。そして、ラベルLがショットローラ50から離れた後に回転を停止する(T1)。
【0040】
また、ボトル検出センサによってボトル容器Bが検出されると(T0)、ラベル移送手段40も駆動を開始し、マンドレル20のラベル開口部21との間に把持している次のラベルL(L2)をマンドレル20のラベル整形部25に移送し始め、ラベルL(L2)の下端部がショットローラ50に把持される直前位置まできたときに、ラベルLの移送動作を一旦停止する(T2)。このとき、ラベルL(L2)の上端部は、ラベル移送手段40のフィードベルト46とラベル開口部21との間に把持された状態となっている。
【0041】
また、ラベル移送手段40が駆動を開始した後、ラベルLの移送動作を一旦停止するまでの間(T0〜T2)に、基材送出ユニット10がラベル形成基材LMを下方側に送出することで、ラベル形成基材LMがマンドレル20のラベル開口部21に被嵌され、ラベル移送手段40によって、その下端部がラベル開口部21の下半部当りまで移送されており、切断位置からラベル形成基材LMの下端までの距離がラベル長に一致している。そして、ラベル移送手段40が駆動を停止している間に、基材切断ユニット30がラベル形成基材LMを切断することで、ラベル移送手段40のフィードベルト46とラベル開口部21との間に把持された状態で、ラベルLが切り離される。
【0042】
ラベル移送手段40が駆動を停止した後、所定時間が経過した時点(T3)において、ラベル移送手段40及びショットローラ50が共に駆動を再開し、マンドレル20に被嵌されている上位及び下位の2枚のラベルLが僅かに下方側に移送され、下位のラベルL(L2)がラベル移送手段40からショットローラ50に引き渡される。このとき、ラベル移送手段40のフィードベルト46の移動速度Vb1と、ショットローラ50の周速Vc1の1/2が略等しくなるように設定されている。
【0043】
なお、上述したように、マンドレル20の軸芯に対してθ=60度傾いた状態で配設されているショットローラ50を回転させると、マンドレル20とショットローラ50との間に挟み込まれたラベルLは、ショットローラ50の周速Vc1×cosθ=Vc1/2で下方側に送出されるのでラベル移送手段40とショットローラ50との間のラベルLの受渡速度が、ラベル移送手段40とショットローラ50とで一致することになる。
【0044】
ただし、このラベル被嵌装置1では、ラベルLをラベル移送手段40のフィードベルト46からショットローラ50に引き渡す際、フィードベルト46とショットローラ50とがラベルLを同時に把持することはなく、ラベルLがフィードベルト46から離れた後に、ショットローラ50がラベルLを受け取ることができるように、ラベル移送手段40とショットローラ50との間隔が設定されている。
【0045】
また、ラベル移送手段40は、ラベルLがフィードベルト46から離れると同時に停止動作(減速−停止)を実行するが、ショットローラ50は、ラベル検出センサ60によってラベルLの下端部が検出されるまで定速回転を継続し、ラベル検出センサ60によってラベルLが検出された時点(T4)において、ショットローラ50の停止信号が出力され、停止動作(減速−停止)を実行する。
【0046】
このようにして、図1及び図2に示す待機状態となり、以下、同様の動作を繰り返すことになる。
【0047】
以上のように、このフィルム被嵌装置1は、ラベルLにおける重ね合わせ部分の外側に位置している他方の側縁の先端方向に、ラベルLを回転させるようになっているので、図7(a)、(b)に示すように、ラベルLにおける重ね合わせ部分の内側に位置している一方の側縁の先端に形成された非接合部NJが、マンドレル20のラベル整形部25の外周面に形成された縦溝25aに引っかかって抵抗になることがなく、ラベルLを円滑に回転させることができる。
【0048】
また、ショットローラ50との間にラベルLを挟み込むローラ26が、マンドレル20のラベル整形部25の外周面から僅かに突出しているが、上述した方向にラベルLを回転させることによって、ラベルLの非接合部NJがローラ26に引っかかることもない。
【0049】
なお、上述した各実施形態では、ショットローラ50の駆動手段であるショットローラモータ51としてサーボモータを使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、ステッピングモータ等、ショットローラ50の回転駆動を開始した後、極めて短時間で最終の被嵌速度に対応する回転速度まで増速させることができる種々の駆動手段を採用することができる。特に、高速回転時における速度変化の制御精度がよいサーボモータを使用することが望ましい。
【0050】
また、上述した各実施形態では、ラベル移送手段40が、フィードベルトユニット40A、40Bから構成されているが、これに限定されるものではなく、マンドレル20との間にラベル形成基材LMやラベルLを挟み込む複数のローラだけを備えた単なるローラユニットによって構成することも可能である。
【0051】
また、上述した各実施形態では、マンドレル20の上方にギロチン方式の基材切断ユニット30を配設しているが、これに限定されるものではなく、ギロチン方式に代えて、回転刃によってシート状に折り畳まれたラベル形成基材LMを幅方向に切断してもよく、さらに、マンドレル20を取り囲むようにサークルカッタを配設することも可能である。特に、サークルカッタを使用する場合は、マンドレルの全長を長くして、サークルカッタの下流側にラベル移送手段やショットローラを配設する必要がある。
【0052】
また、上述した実施形態では、ラベルLとの接触面積を少なくし、ラベルLを径方向に広がりやすくするために、マンドレル20のラベル整形部25に多数の縦溝25aを形成したが、これに限定されるものではなく、傾斜した溝や格子状の溝でもよく、溝自体を省略することも可能である。
【0053】
また、上述した実施形態では、長尺のラベル形成基材LMからラベルLを切り離して、ボトル容器Bの胴部に被嵌するラベル被嵌装置1について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のフィルム被嵌装置は、例えば、容器の口部に筒状のキャップシールを被嵌するキャップシール被嵌装置等、シート状に折り畳まれた筒状フィルムを開口しながら、容器等の被嵌体に被嵌する種々の装置に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
シュリンクラベルやキャップシール等の筒状フィルムを容器等の被嵌体に被嵌する装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ラベル被嵌装置(フィルム被嵌装置)
1A ラベル制御装置
2 ボトル搬送装置
2A 容器搬送制御装置
2a コンベア
2b コンベアモータ
2c 容器ピッチ切り装置
2d 容器ピッチ切りモータ
10 基材送出ユニット
10a ピッチ送りモータ
11 駆動ローラ
12 従動ローラ
20 マンドレル
21 ラベル開口部
21a 窪み部
22 上位ローラ
23 中位ローラ
24 下位ローラ
25 ラベル整形部
26 ローラ
27 ボール
30 基材切断ユニット
30a 可動刃モータ
31 固定刃
32 可動刃
40 ラベル移送手段
40a フィードベルトモータ
40A、40B フィードベルトユニット
41 駆動プーリ
42、43、44、45 従動プーリ
46 フィードベルト
50 ショットローラ
51 ショットローラモータ
52 支持プレート
53、54 長孔
55、56 スライドピン
57 固定レバー
60 ラベル検出センサ
61 反射鏡
62 ボトル検出センサ
63 反射鏡
71、72 インバータ
73 操作表示装置
74、75、76、77 サーボアンプ
78、79 センサーアンプ
B ボトル容器(被嵌体)
L ラベル(筒状フィルム)
J 接合部
NJ 非接合部
LM ラベル形成基材
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10