(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、菌の繁殖による種々の問題を防止するための抗菌性素材や殺菌剤の使用が拡大している。特に、新型インフルエンザの流行等によって、殺菌性を有する皮膚外用剤を使用することによって病気の拡大を防ぐことや、防臭・消臭効果を得ることが望まれており、優れた性能を有する殺菌性・抗菌性の皮膚外用剤の開発が望まれている。このような殺菌性・抗菌性の皮膚外用剤は、特に黄色ブドウ球菌に対して有効な効力を有するものであることが特に望まれている。黄色ブドウ球菌は、病原性が高く、悪臭の原因物質を作ったり、アトピー性皮膚炎の原因になったりするためである。
【0003】
現在広く使用されている殺菌性を有する皮膚外用剤としては、エタノール等のアルコール系の化合物を含有するものを挙げることができる。エタノールは安価で、安全性の高い化合物であることから、殺菌剤として広く使用され、また、化粧料においても広く使用されている。またペンチレングリコール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコール等のアルカンジオールやパラオキシ安息香酸エチルや塩化ベンザルコニウムなどの塩素系の化合物も用いられている。
【0004】
しかし、消費者の天然志向、健康志向の高まりとともに、天然物由来の殺菌剤が求められてきた。天然物由来の殺菌剤としてはヒノキチオール等があるが、充分な殺菌作用と安全性を両立することは難しかった(特許文献1、2、及び非特許文献1参照)。特に、皮膚上には皮膚常在菌として、表皮ブドウ球菌等が存在する。表皮ブドウ球菌は他の病原菌から表皮を守るバリヤーや表皮を健康に保つ役割を果たしている。よって、殺菌剤、抗菌剤としてはこのような表皮ブドウ球菌に対しては効果を示さず、黄色ブドウ球菌に対しては効果を有するものが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、化粧品、食品、家庭用品等に使用でき、黄色ブドウ球菌に対しては有効であるが、表皮ブドウ球菌に対しては効果を示さない天然物由来の殺菌剤・抗菌剤を提供することを目的とする。また、この殺菌・抗菌剤を配合した、安全性の高いアトピー性皮膚炎の治療・予防剤を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明者らは、マメ目マメ科ハバルディア属ハバルディア・メキシカーナ(以下、ハバルディア・メキシカーナと記す)樹皮の抽出物について、ラジカル消去能及び殺菌性の実験を行い、これによってハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物が高いラジカル消去能及び殺菌性能を有することを明らかにすることによって本発明を完成したものである。特に、抗菌・殺菌剤としての機能においては、黄色ブドウ球菌に対する殺菌性能や増殖抑制作用に優れることから、アトピー性皮膚炎など皮膚トラブルの治療・予防剤として使用することができる。また、善玉菌である表皮ブドウ球菌に対しては抗菌性・殺菌性を示さないため、表皮ブドウ球菌が低減することによる皮膚の機能低下を生じることもない。
【0012】
更に、殺菌・消臭を目的とした殺菌剤組成物に配合する殺菌成分としても使用することができる。近年、家庭においてカーテン,ぬいぐるみ,寝具,カーペット等に対して消臭を目的として抗菌・殺菌性の組成物を噴霧することがしばしば行われている。このような用途に使用する抗菌・殺菌性の組成物は、水溶性であること、噴霧後に変色や素材の変質等を生じないことが望まれる。ハバルディア・メキシカーナは、このような用途の抗菌・殺菌剤組成物における有効成分として使用することもできる。
このような抗菌・殺菌剤は、洗浄剤、化粧料、アトピー性皮膚炎、ニキビの予防・治療剤等の皮膚外用剤、各種食品等に配合することができる。
【0013】
本発明の抗菌・殺菌剤は、化粧料や食品等に配合してその腐敗を防止する防腐剤として使用する方法;皮膚上に常在する黄色ブドウ球菌を殺菌することによって、アトピー性皮膚炎の予防・治療を行う皮膚外用剤に有効成分として配合して使用する方法;皮膚上に常在するアクネ菌を殺菌することによってニキビの予防・治療を行う皮膚外用剤に有効成分として配合して使用する方法;手指等の殺菌を行うための皮膚外用剤として使用する方法等において使用することができる。
更に、本発明の抗菌・殺菌剤は、化粧料等の皮膚外用剤だけではなく、医薬品、健康食品、家庭用や業務用の抗菌剤、殺菌剤等において使用することができる。
【0014】
上記ハバルディア・メキシカーナは、メキシコ原産の樹木であり、本発明においてはその樹皮を使用する。抗菌・殺菌剤として使用することができるハバルディア・メキシカーナの樹皮の抽出物の抽出方法は特に限定されないが、例えば、ハバルディア・メキシカーナの樹皮を水又は水溶性溶媒の抽出溶媒を使用して抽出することができる。また、抽出溶媒を使用して抽出した後に、加水分解を行うこともできる。また、酵素を用いて分解した後に抽出溶媒を使用して抽出することもできる。
【0015】
抽出溶媒としては、水、生理食塩水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等を挙げることができる。なかでも、水を使用することが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記抽出を行った後は、濾過、遠心分離又はデカンテーション等により固形物を除去し、目的とする抽出物を得ることができる。
【0017】
上記ハバルディア・メキシカーナの抽出物は、必要に応じてpHを調整し、ゲル濾過又は限外濾過にて高分子を除去しても活性は失われることはない。また、上記酵素分解物又はその分画成分は、減圧濃縮、限外濾過又は凍結濃縮等の方法により濃縮してもよく、凍結乾燥、噴霧乾燥又は平板乾燥等の方法により乾燥粉末化することもできる。
【0018】
本発明の殺菌剤は、黄色ブドウ球菌、アクネ菌、大腸菌、緑膿菌、MRSA、カンジダ、白癬菌、黒皮黴、ウィルス等への効果が期待されるものであり、特に黄色ブドウ球菌の抗菌・殺菌作用に優れるものである。また、表皮ブドウ球菌に対しては抗菌・殺菌作用を示さないものでもある。
【0019】
上述したようなラジカル消去剤、殺菌剤としての機能を有するハバルディア・メキシカーナは、皮膚外用剤の配合成分として好適に使用することができる。皮膚外用剤に配合する場合は、皮膚上に存在し、健康上・美容上の悪影響を与える菌に対する優れた殺菌作用を有し、アトピー性皮膚炎やニキビの治療・改善剤として使用することができる。また、ハバルディア・メキシカーナは、皮膚外用剤組成物の腐敗を防止する目的で添加することもできる。
【0020】
ハバルディア・メキシカーナを配合した皮膚外用剤としては特に限定されず、例えば、皮膚化粧料類、皮膚貼付用シート、化粧用シート等を挙げることができる。上記皮膚外用剤は、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を含むものであり、その剤形も目的に応じて任意に選択することができる。
【0021】
化粧料としては、具体的には、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ジェル、ローション、オイル、パック、ミスト、顔面用又は身体用化粧シート等の皮膚化粧料、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ等のメークアップ化粧料、ボディーソープ、ハンドソープ、石鹸等の洗浄用組成物、シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪用化粧料等を挙げることができる。
【0022】
上記皮膚外用剤には、上述した成分の他にも、必要とする効能、効果に応じて以下の物質から適宜選択して配合することができる。例えば、一般に用いられている油脂類、界面活性剤、保湿剤、美白剤、pH調整剤、粘結剤及び増粘剤、多価アルコール類、精油及び香料類、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、植物粉砕物及び生薬類、無機塩類及び無機酸類、洗浄剤、乳化剤等の各種化粧料成分が挙げられる。
【0023】
上記油脂類としては、一般に化粧料で汎用されている、例えば、大豆油、アーモンド油、パラフィン、セタノール、アボガド油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、ヌカ油、卵黄油、ひまし油、スクワラン、ラノリン、流動パラフィン、白色ワセリン等の植物性油脂;牛脂、豚脂、馬脂、タートル油、ミンク油、パーセリン油、スクワラン等の動物性油脂;メチルポリシロキサン、ベヘニルアルコール、トリカプリン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、流動パラフィン、DHA、EPA等の合成油脂等が挙げられる。
【0024】
上記界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ジエタノールアミド等の陰イオン性界面活性剤;ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン性界面活性剤;グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖エステル、脂肪酸アミド等の非イオン性界面活性剤、高分子界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリペプチド誘導体、天然系界面活性剤等が挙げられる。
【0025】
上記保湿剤としては、ピロリドンカルボン酸ソーダ、パンテテイン−Sスルホン酸塩等の合成保湿剤;ヒアルロン酸、エラスチン、ケラチン、デルマタン硫酸、コラーゲン、胎盤抽出液、ローヤルゼリー及びこれらの加水分解物、微生物発酵液、例えばキチン、キトサン、ペクチン、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン等や、その他の植物や動物由来の抽出液、植物油及びそのエステル化物、誘導体等の天然保湿剤等が挙げられる。
【0026】
上記美白剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩や誘導体、アルブチンやこれらの誘導体、胎盤抽出液、その他の植物や動物由来の抽出液等が挙げられる。
【0027】
上記pH調整剤としては、例えばクエン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、リンゴ酸、安息香酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等の有機酸、無機酸及びその塩類等が挙げられる。
【0028】
上記粘結剤及び増粘剤としては、一般に化粧料で汎用されている、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カゼイン、ぺクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ローカストビーンガム、寒天、カーボポール、キサンタンガム、ベントナイト等が挙げられる。
【0029】
上記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン(26E.O)等が挙げられる。
【0030】
上記精油及び香料類としては、ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョウ油、スギ油、ヒバ油、ラズベリー油、ヒノキ油、バラ油、ユーカリ油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲラニオール、ミカン油、トウヒ油、シトロネロール、テルペン類、コーヒー油、茶油、椿油、ラズベリーケトン等の天然及び合成香料等が挙げられる。
【0031】
上記防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エタノール、デヒドロ酢酸等が挙げられる。
【0032】
上記酸化防止剤としては、例えば、EDTA4Na、EDTA2Na、ブチルオキシトルエン、ヒドロキシブチルトルエン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びこれらの誘導体等が挙げられる。
【0033】
上記紫外線吸収剤としては、紫外線を選択的に吸収する性質を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、オキシベンゾン、オキシベンゾンスルホン酸、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジイソプロピルケイ皮酸メチル、メトキシケイ皮酸オクチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸オクチル等が挙げられる。
【0034】
上記顔料としては、例えば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、タルク、カーボン、薬用炭等が挙げられる。
【0035】
上記植物粉砕物及び生薬類としては、レモンの皮、海藻、ヒノキ、ヒバ、フッカス、米ヌカ、ショウブ、ショウキョウ、カンゾウ、チンピ、ユズ、トウキ、ニンジン、ハッカ、ケイヒ、ウバイ、ヨモギ、ドクダミ、モモノハ、カミツレ、アロエ、ジャスミン、ローズヒップ、ラベンダー、グァバ、オウゴン、クコ、レイシ、ニワトコ、アシタバ、ウコギ、ゴボウ、黒ゴマ、黒米、藤三七人参、高麗人参、田七人参、セッコツ草、センキュウ等の粉砕物及びその乾燥物並びにその抽出液等が挙げられる。
【0036】
上記無機塩類及び無機酸類としては、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ほう砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、硫黄、セスキ炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、無水ケイ酸、メタケイ酸、ホウ酸、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、二水素化マグネシウム、海水乾燥物等が挙げられる。
【0037】
上記洗浄剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルエーテルカルボン酸塩等のアニオン界面活性剤、脂肪族等が挙げられる。
【0038】
上記乳化剤は、化粧品原料として公知の物質を用いることができる。特に好ましいものとして、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリントリステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンジステアリン酸エステル、デカグリセリントリステアリン酸エステル、デカグリセリンペンタステアリン酸エステル、デカグリセリンモノイソステアリン酸エステル、デカグリセリンジイソステアリン酸エステル、デカグリセリンペンタイソステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリントリオレイン酸エステル、デカグリセリンペンタオレイン酸エステル等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン等のソルビタン分岐脂肪酸エステル;大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、更にこれらのレシチン類を酵素処理によりモノアシル体としたリゾレシチン及び/又は水素添加リゾレシチン、ヒドロキシル化したヒドロキシレシチン等のレシチン類;モノイソステアリン酸グリセリル、セスキイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン分岐脂肪酸エステル:等を挙げることができ、1種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
更に、上記皮膚外用剤は、上記のもの以外にも、必要に応じてその他の成分として、乳糖、牛乳、練乳等の乳由来成分;チタン、タルク等の無機顔料;イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジン等の殺菌剤;ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンP、CoQ10、CoQ9、CoQ8、チオクト酸等のビタミン類及び補酵素、無水珪酸、合成珪酸アルミニウム等の流動化剤;医薬品、医薬部外品並びに化粧品用タール系色素等を適宜配合できる。
【0040】
上記皮膚外用剤には、上述した成分の他にも、美容、美顔及び皮膚の治療等を目的とする薬効成分等の各種化粧料成分を適宜配合することができる。
上記薬効成分としては、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、コンフリーエキス、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズナエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、トマトエキス、納豆エキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノ蜂蜜、トウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモ葉エキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等が挙げられる。
【0041】
また、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミンC、ビタミンD、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンE及びビタミンE誘導体等の血行促進剤、β−カロチン及びカロチノイド誘導体等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、γ−オリザノール、タンパク質分解酵素等の創傷治癒剤、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、アセチルパントテニルエチルエーテル、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、メントールのピロリドンカルボン酸塩、モノニトログアヤコール、尿素、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン及び女性ホルモン様物質、カンタリスチンキ、シクロスポリン、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等も任意に配合することができる。
【0042】
上記皮膚外用剤の製造方法としては特に限定されず、従来の製造方法を用いることができ、皮膚外用剤組成物の調製の任意の工程において、適宜、ハバルディア・メキシカーナの抽出物を添加する方法を挙げることができる。
【0043】
上記皮膚外用剤において、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物の配合量は、固形分基準で0.001〜10質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1質量%であることが更に好ましい。
【0044】
上記ハバルディア・メキシカーナは、飲食品に配合することもできる。上記ハバルディア・メキシカーナを含有することにより、スーパーオキサイドアニオン消去能を有する健康食品を得ることができる。更に、飲食物の腐敗を防止しつつ、安全性の高い飲食品を得ることができる。
【0045】
上記飲食品の形態としては特に限定されず、例えば、液体、クリーム状、ジェル状、ペースト状等を挙げることができる。また、本発明の飲食品の種類としても特に限定されず、例えば、菓子類(チューインガム、キャンディ、グミ、タブレット、チョコレート、ゼリー等)、氷菓(アイスキャンディー、アイスクリーム、シャーベット等)、冷菓(ゼリー、プリン、水ようかん等)、麺類をはじめとする澱粉系食品、飲料(スープ、コーヒー、茶類、ジュース、炭酸飲料、ココア、アルコール飲料、ゼリー状ドリンク等)、油脂食品(マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド等)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳酸菌飲料、バター、クリーム、チーズ等)等を挙げることができる。
【0046】
上記飲食品は、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で下記の成分を適宜選択して配合できる。例えば、糖質甘味料(果糖、ブドウ糖、タガトース、アラビノース等の単糖類、乳糖、オリゴ糖、麦芽糖、トレハロース等の少糖類、粉末水あめ、デキストリン、糖アルコール等)、高甘味度甘味料(スクラロース、アセスルファムK、ステビア等)、でん粉等の多糖類、油脂類、乳製品、安定剤、乳化剤、香料(バニリン、リナロール、天然香料等)、色素、着色料、酸味料、風味原料(卵、コーヒー、茶類、ココア、果汁果肉、ヨーグルト、酒類等)、香味料(ラズベリーフレーバー、アップルフレーバー、コーヒーフレーバー等)、湿化防止剤、電解質、保存料、湿潤剤、蛋白質、アミノ酸、ペプチド、食物繊維、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等)、ビタミン類(L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン、イノシトール等)金、銀、白金、ミネラル(亜鉛、鉄、カルシウム、マグネシウム、クロム、セレン、カリウム、ナトリウム等)、海洋性コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸、発酵酵母エキス、グルコサミン、酵母、卵殻膜、リコピン、アスタキサンチン、その他カロテノイド、シルク、コンドロイチン、セラミド、プラセンタエキス、フカヒレエキス、深海鮫エキス、スクワレン、γ−アミノ酪酸、カゼインドデカペプチド、生栗皮抽出物、栗の葉抽出物、栗のいが抽出物、栗果肉抽出物、栗樹皮抽出物、キャベツ発酵エキス、バラの花びら抽出物、ブドウ葉抽出物、ブドウ種子抽出物、りんごポリフェノール、カミツレエキス、ライチ種子エキス、ゴツコラエキス、月桃葉エキス、ハス胚芽エキス、スターフルーツ葉エキス、桑葉抽出物、グァバ茶抽出物、赤ワイン、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、ココア、チョコレート、黒ゴマ、豆類、豆乳、ナッツ類、きのこ類、緑黄食野菜類、ヨード卵等の卵由来原料、カテキン類、その他ポリフェノール類、ラズベリーケトン、低分子アルギン酸、サイリウム種皮、イチョウ葉抽出物、松樹皮抽出物、ナットウキナーゼ、植物ステロール、ジアシルグリセロール、キトサン、ヒアルロン酸、メチルスルフォニルメタン、コウジ酸、エラグ酸、アルブチン、ルシノール、マグノリグナン、リン酸L−アスコルビン酸マグネシウム、CoQ10、α−リポ酸等が挙げられる。
【0047】
上記飲食品において、ハバルディア・メキシカーナの配合量は、固形分基準で0.001〜10質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1質量%であることが更に好ましい。
【実施例】
【0048】
(ハバルディア・メキシカーナ抽出物の調製方法)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮粉末500gに対し、15L純水を加えて、低温(4℃)、5日間抽出したのち、遠心分離(5000rpm×30分間)によって沈殿を除去し、上澄みを凍結乾燥し、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の水抽出物(81g)を得た。
【0049】
(殺菌力試験1)
微量液体希釈法により、ハバルディア・メキシカーナ抽出物の黄色ブドウ球菌に対する最小発育阻止濃度を測定した。黄色ブドウ球菌をソイビーンカゼインダイジェスト培地に接種し32℃×24時間培養後、菌数を5.0×10
5cfu/mLに調整して試験菌液とした。
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物は最高濃度を0.2質量%として調整し2倍希釈系列を作成した。
32℃、24時間培養後、培養液をソイビーンカセインダイジェスト寒天培地に移植し、更に32℃、24時間培養して、菌の発育を観察し最小発育阻止濃度を判定した。
【0050】
試験結果
黄色ブドウ球菌に対して、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物の最小発育阻止濃度が500ppmであった。上記結果から、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物は、優れた殺菌効果を有するものであることが明らかになった。
【0051】
(殺菌力試験2)
常法に準じて純水で0.5%、1%ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物の水溶液を調製し、0.45μLのフィルターにてろ過し、被験物として試験に供する。試験操作としては、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)またはStyphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)の菌液100μLを塗沫したMSA寒天培地上にペーパーディスク(ADVANTEC THICK 8mm)を置き、被験物50μLを浸み込ませ、37℃48時間培養する。培養してからノギスを用いて被験物の阻止円の大きさを測定する。
【0052】
試験結果:
(i)Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)
被験物添加なし:阻止円の大きさ:0mm
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物0.5%水溶液:4.27±0.85mm
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物1.0%水溶液:12.36±1.20mm
【0053】
(ii)Styphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)
被験物添加なし:阻止円の大きさ:0mm
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物0.5%水溶液:0mm
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物1.0%水溶液:4.46±1.75mm
【0054】
表皮ブドウ球菌の増殖に対してハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物は影響を与えなかったが、黄色ブドウ球菌の増殖に対しては抑制効果を発現した。
以上の結果より、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物が黄色ブドウ球菌の増殖を選択的に抑制することが明らかである。