(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(A)において、一般式(1)中、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜3.50:0.89〜3.00:0.76〜3.00:0.63〜1.52である請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
成分(A)において、一般式(1)中、n=0の成分を9.9質量%以上12質量%未満含み、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.53〜1.87:1.59〜2.25:1.33〜2.16:1.14〜1.52となるか、又は、n=0の成分を12質量%以上17質量%以下含み、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜1.34:0.89〜1.40:0.76〜1.23:0.63〜0.99となる請求項1〜7のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
(メタ)アクリル酸をモノマーとして構成成分に有するポリマーが、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体である請求項1〜8のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明で用いる成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、一般式(1)で表されるものである。
式中、R
1は炭素数4〜22のアルキル基であり、炭素数6〜20のアルキル基、更に炭素数8〜18のアルキル基が好ましく、炭素数8〜16、更には炭素数10〜16のアルキル基がより好ましい。また、R
1のアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良いが、起泡性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。また、R
1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、好ましくは10.8〜12.5であり、より好ましくは12.1〜12.4である。この範囲内であれば、起泡性及び泡質、さらに低温安定性の点で優れるので好ましい。
また、R
1は2種以上のアルキル基を含むことが好ましく、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であるのが好ましく、60〜95質量%がより好ましく、さらに70〜95質量%であるのが、泡量及び泡質に優れるので好ましい。
【0014】
また、式中、nは0〜20の数を示し、0〜12がより好ましい。なお、nは、エチレンオシキシドの付加モル数を示すが、成分(A)の組成中の平均付加モル数(nの平均値)は、泡立ちが良好である点から、1.5〜10が好ましく、2.5〜6.4がより好ましく、2.5〜3.7がさらに好ましく、2.5〜3.4がさらに好ましく、2.8〜3.4がさらに好ましく、2.8〜3.1がさらに好ましい。
成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、一般式(1)において、n=0の成分を9.6質量%を超え27質量%以下、好ましくは9.8〜27質量%、より好ましくは9.9〜27質量%、更に好ましくは9.9〜16質量%、より好ましくは9.9〜15質量%含むものである。この範囲内とすることにより、泡量、泡質に優れる。
さらに、n=1の成分とn=2の成分を合計で21〜40質量%未満、好ましくは27〜37質量%、より好ましくは27〜36.5質量%、さらに好ましくは35〜36.1質量%含むのが、泡質、泡量の観点から好ましい。
【0015】
また、式中、Mとしては、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウムなどが挙げられる。これらの中で、起泡性、低温安定性、経時での着色のなさの点から、アルカリ金属が好ましい。
【0016】
成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、一般式(1)中、n=0、1、2、3、4の成分の質量割合が、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜3.50:0.89〜3.00:0.76〜3.00:0.63〜1.52であることが、起泡性、洗浄性、すすぎ時のきしみ感の両立性の点から、好ましい。
【0017】
また、一般式(1)中、n=0の成分を9.9質量%以上12質量%未満含み、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.53〜1.87:1.59〜2.25:1.33〜2.16:1.14〜1.52となるか、又は、n=0の成分を12質量%以上17質量%以下含み、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜1.34:0.89〜1.40:0.76〜1.23:0.63〜0.99となるのが、泡質、泡量の観点から好ましい。
【0018】
さらに、一般式(1)中、n=0の成分を9.9〜11.5質量%含み、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.58〜1.84:1.72〜2.17:1.49〜2.00:1.14〜1.52となるか、又は、一般式(1)中、n=0の成分を13〜15質量%含み、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.00〜1.31:0.93〜1.34:0.79〜1.18:0.63〜0.99となるのが、泡質、泡量の点から好ましい。
【0019】
成分(A)において、一般式(1)中、R
1は炭素数4〜22のアルキル基であり、R
1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの付加モル数の平均値は、1.5〜10、さらには2.5〜6.4であり、n=0の成分を9.8〜27質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜37質量%含有することが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、起泡を早めることができる。
【0020】
成分(A)において、一般式(1)中、R
1は炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、R
1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.5〜3.7であり、n=0の成分を9.8〜27質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜37質量%含有することが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、起泡性を早めることができる。
【0021】
成分(A)において、一般式(1)中、R
1は炭素数8〜18のアルキル基であり、R
1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.5〜3.4であり、n=0の成分を9.9〜27質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜36.5質量%含有することが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、すすぎ時のストップフィーリング性を強めることができる。
【0022】
成分(A)において、一般式(1)中、R
1は炭素数8〜16のアルキル基であり、R
1の平均炭素数は10.8〜12.5であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が60〜95質量%であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.8〜3.4であり、n=0の成分を9.9〜16質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜36.5質量%含むものが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、泡量、泡質を向上させることができる。
【0023】
成分(A)において、一般式(1)中、R
1は炭素数10〜16のアルキル基であり、R
1の平均炭素数は12.1〜12.4であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が70〜95質量%であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.8〜3.1であり、n=0の成分を9.9〜15質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で35〜36.1質量%含むものが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、泡量、泡質、を向上させることができる。
【0024】
なお、本発明の成分(A)において、R
1のアルキル鎖長の分布、R
1の平均アルキル鎖長、n=0の成分量、nの平均付加モル数、n=0、1、2、3、4の成分の質量割合は、一般式(1)で表されるアルキルエーテルカルボン酸をガスクロマトグラフィーによる分析を行い、以下のようにして求める。
【0025】
〔R
1のアルキル鎖長の分布〕
ガスクロマトグラフィーより得られるピーク面積のうち、n=0モルに相当する各アルキル鎖長のピーク面積を求め、それらの総和を100とし、各アルキル鎖長分布の百分率を求めた。n=1〜3モルにおいても同様に計算し、n=0〜3モルの各アルキル鎖長分布の百分率の値を平均し、R
1のアルキル鎖長の分布を求めた(これより、R
1の組成のうち最も多く含有するアルキル基成分を特定できる)。
【0026】
〔R
1の平均アルキル鎖長〕
上記のようにして求めたR
1のアルキル鎖長の分布より、各成分の割合を求め、得られた割合に対応するアルキル鎖長分の炭素数を各々掛け、これらの総和を得た。これを平均アルキル鎖長とした。
【0027】
〔n=0の成分量、n=1の成分とn=2の成分の合計量〕
R
1の組成のうち、最も多く含有するアルキル鎖長を特定し、その成分のn=0〜10に相当するガスクロマトグラフィーの面積を合計した。その合計量を100%として、n=0の成分量、n=1の成分とn=2の成分の合計量を算出した。
【0028】
〔nの平均付加モル数〕
R
1の組成のうち最も多く含有するアルキル鎖長を特定し、その成分のn=0〜10に相当するガスクロマトグラフィーの面積を合計した(nが11以上のものは微量であり、計算から除いた)。その合計量を1として、n=0〜10の各々の割合を求めた。この割合に、各々の付加モル数を掛け、これらの合計をnの平均付加モル数とした。
【0029】
〔n=0、n=1、n=2、n=3、n=4の成分の質量割合〕
EO付加モル数の異なる各成分の質量割合に関しては、ガスクロマトグラフィーにより得られるピーク面積から、上記に示した方法でR
1のアルキル鎖長の分布を求め、R
1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分を特定し、その最大成分のn=0、n=1、n=2、n=3、n=4の面積比から特定した。
【0030】
成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、前記のような組成を有するもので、すすぎ性の点から、アルキルエーテルカルボン酸として、全組成中に1〜20質量%含有するのが好ましく、2〜15質量%がより好ましく、更に、3〜10質量%含有されるのが好ましい。
【0031】
本発明で用いる成分(B)は、(メタ)アクリル酸をモノマーとして構成成分に有するポリマーである。
具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体(INCI:ACRYLATES/STEARETH-20 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテル共重合体(INCI:ACRYLATES/LAURETH-25 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(25)ベヘニルエーテル共重合体(INCI:ACRYLATES/BEHENETH-25 METHACRYLATE COPOLYMER)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(INCI:ACRYLATES/C10-30 ALKYL ACRYLATE CROSSPOLYMER)、アクリル酸・ネオデカン酸ビニル共重合体(INCI:ACRYLATES/VINYL NEODECANOATE CROSSPOLYMER)、(アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド)コポリマー(INCI:ACRYLATES/OCTYLACRYLAMIDE COPOLYMER)、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー(INCI:ACRYLATES/STEARETH-20 ITACONATE COPOLYMER)、(アクリレーツ/イタコン酸セテス−20)コポリマー(INCI:ACRYLATES/CETETH-20 ITACONATE COPOLYMER)、(アクリレーツ/アミノアクリレート/C10−30アクリルPEG−20イタコン酸)コポリマー(INCI:ACRYLATES/AMINOACRYLATES/C10-30ALKYL PEG-20 ITACONATE COPOLYMER)等が挙げられる。
【0032】
これらのポリマーとしては、アキュリン88、アキュリン22、アキュリン28、アキュリン38(以上、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、カーボポール980、カーボポール981、カーボポールETD2020、カーボポールUltrez 21、カーボポールUltrez 20、カーボポールUltrez 10、カーボポールAqua SF-1、PEMULEN TR-1、PEMULEN TR-2(以上、Lubrizol社製)、STRUCTURE 2001、STRUCTURE 3001、STRUCTURE PLUS、DERMACRYL 79(以上、日本エヌエスシー社製)等の市販品を使用することができる。
【0033】
成分(B)としては、ポリ(メタ)アクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(INCI:ACRYLATES/C10-30 ALKYL ACRYLATE CROSSPOLYMER)が好ましい。
【0034】
これらの(メタ)アクリル酸をモノマーとして構成成分に有するポリマーは塩として存在し、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、炭素数1〜22のアルキル又はアルケニルアンモニウム塩、炭素数1〜22のアルキル又はアルケニル置換ピリジニウム塩、炭素数1〜22のアルカノールアンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩等の塩が挙げられる。これらのうち、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0035】
成分(B)は、1種以上を用いることができ、洗浄剤の粘度を適度に高める点から、全組成中に0.1〜2質量%含有するのが好ましく、0.2〜1.5質量%がより好ましく、更に、0.3〜1質量%がより好ましい。
【0036】
成分(A)のみを洗浄剤組成物に配合した場合、すすぎ時に少しぬるつきを感じるため、残留感が高い。また、粘度が低いため、好ましい洗浄剤組成物を得ることができない。一方、成分(B)と従来知られているアニオン性の界面活性剤との組み合わせでは、すすぎ時のぬるつきが生じる。また、十分な泡量や泡質の点で課題があり、洗浄後の肌が乾き難い。
本発明においては、これら成分(A)と成分(B)を組み合わせて用いることにより、適度な粘度を有し、泡量及び泡質に優れ、残留感が抑制され、特に、すすぎ時にぬるつきが感じにくくすすぎ性が良好で、且つ、洗浄後の肌がすぐに乾く感じがするのにつっぱらない皮膚洗浄剤組成物を得ることができる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、成分(A)及び(B)の質量割合は、すすぎ性の良さ、肌がすぐに乾く感じを得る点から、(A):(B)=1:2〜200:1が好ましく、1:1.5〜100:1がより好ましく、更に1:1〜50: 1が好ましい。
【0037】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに、(C)アルキルエーテルカルボン酸及びその塩以外のアニオン界面活性剤を含有することができ、泡量、泡質およびすすぎ時の残留感のなさを、さらに向上させることができる。
【0038】
成分(C)のアニオン界面活性剤としては、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであれば良く、例えば、脂肪酸塩、アルキル(エーテル)硫酸塩、アリル(エーテル)硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、グリセリンエーテルスルホン酸塩、αメチルエステルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪アルコールエーテル硫酸塩、グリセリンエーテル硫酸塩、ヒドロキシ混合エーテル硫酸塩、モノグリセリド(エーテル)硫酸塩、脂肪酸アミド(エーテル)硫酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホスクシンアミド酸塩、ジアルキルスルホスクシンアミド酸塩、スルホトリグリセライド、アミドエーテルカルボン酸塩及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウライド;アシルラクチレート、アシル酒石酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシルアスパラギン酸塩等のN−アシルアミノ酸塩;アルキルオリゴグルコシド硫酸塩、プロテイン脂肪酸縮合物(小麦ベースの植物産物)、アルキル(エーテル)リン酸塩等が挙げられる。
【0039】
これらのうち、脂肪酸塩、アルキル(エーテル)硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩が好ましい。
脂肪酸塩としては、一般式(2)
【0041】
(式中、R
2は炭素数9〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Yはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン由来のアンモニウム又は塩基性アミノ酸を示す)
で表されるものが好ましい。
より具体的には、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の塩が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。
【0042】
また、アルキル(エーテル)硫酸塩としては、一般式(3)
【0044】
(式中、R
3は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、pは平均付加モル数を示し、0〜20の数を示し、Zは水素原子、又は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示す)
で表されるものが好ましい。
【0045】
アルキル(エーテル)硫酸塩は、(アルコキシル)アルコールの硫酸モノエステル塩であり、アルコールを硫酸化した後、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等の塩基で中和することにより得られる。
本発明において、一般式(3)中、R
3は炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、更に、炭素数12〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
一般式(3)中、pは平均付加モル数を示し、0.5〜12が好ましく、0.5〜5、更に0.5〜3がより好ましい。
【0046】
N−アシルアミノ酸塩としては、一般式(4)
【0048】
(式中、R
4は直鎖又は分岐鎖の炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、R
5は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、R
6は水素原子又は-(CH
2)
qR
7(R
7は水素原子、ヒドロキシル基又は−COOMを示し、qは1〜4を示す)を示し、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカノールアミンを示す)
で表されるものが好ましい。
【0049】
式(4)中、R
4としては、炭素数6〜18のアルキル基が好ましく、更に炭素数10〜14のアルキル基が好ましい。R
5としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、更に水素原子、メチル基が好ましい。R
6としては、水素原子、-(CH
2)
qR
6が好ましい。Mとしては、カリウム、トリエタノールアミンが好ましい。
【0050】
式(4)で表されるN−アシルアミノ酸塩のうち、好ましいものとしては、N−ココイルグリシン、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ラウロイル−N−メチルグリシン、N−ラウロイル−β−アラニン、N−ミリストイル−β−アラニン、N−ラウロイルアスパラギン酸、N−ラウロイルセリン等;またこれらのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。なお、一般式(4)で表わされる化合物には、L体、D体、ラセミ体があるが、本発明においては、これらのいずれをも使用することができる。
【0051】
成分(C)は、1種以上を用いることができ、すすぎ性の点から、全組成中に1〜20質量%含有するのが好ましく、1.5〜15質量%がより好ましく、更に、2〜10質量%がより好ましい。
【0052】
また、本発明において、成分(A)及び(C)の質量割合は、泡質及びすすぎ時のぬるつきのなさの点から、(A):(C)=1:5〜5:1が好ましく、1:3〜3:1がより好ましく、更に1:2〜2:1がより好ましい。
【0053】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、(D)両性界面活性剤を含有することができ、泡量、泡質および粘度を、さらに向上させることができる。
【0054】
成分(D)の両性界面活性剤としては、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであれば良く、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等があげられる。
【0055】
成分(D)は、1種以上を用いることができ、泡量、泡質及び粘度の点から、全組成中に0.1〜20質量%含有するのが好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、更に1〜5質量%が好ましい。
【0056】
本発明において、成分(A)及び(D)の質量割合は、泡量、泡質及び粘度の点から、(A):(D)=5:1〜1:5が好ましく、更に3:1〜1:3であるのが好ましい。
【0057】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、(E)ポリオールを含有することができ、泡質や粘度、洗浄後の保湿感を、さらに向上させることができる。
【0058】
成分(E)のポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等が挙げられる。
【0059】
成分(E)のポリオールは、1種以上を用いることができ、泡質および保湿感向上の観点から、全組成中に、3〜70質量%含有するのが好ましく、5〜60質量%がより好ましく、更に10〜50質量%が好ましい。
【0060】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、(F)非イオン界面活性剤を含有することができ、泡立ちや粘度を、さらに向上させることができる。
【0061】
成分(F)の非イオン界面活性剤としては、ポリエチレングリコール(12)モノラウリン酸エステル等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(20)オクチルドデシルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(20)ノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール(50)ヒマシ油等のポリエチレングリコールヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール(60)硬化ヒマシ油モノイソラウレート等のポリエチレングリコール硬化ヒマシ油誘導体、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル等のポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤;モノイソステアリン酸ジグリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル;2−エチルへキシルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル;ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
【0062】
また、上記のうち、(ジ)グリセリンモノ脂肪酸エステル、(ジ)グリセリンモノアルキルエーテルが好ましい。より具体的には、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ジグリセリル、モノミリスチン酸ジグリセリル、グリセリンモノオクチルエーテル、グリセリンモノデシルエーテル、グリセリンモノラウリルエーテル、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル、グリセリンモノイソデシルエーテル等が挙げられる。さらに、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノラウリン酸ジグリセリル、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテルが好ましく、グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテルがより好ましい。
【0063】
成分(F)の非イオン界面活性剤は、1種以上を用いることができ、泡立ちおよび粘度向上の点から、全組成中に、0.1〜10質量%含有するのが好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、更に0.3〜3質量%が好ましい。
【0064】
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、成分(A)、(C)、(D)及び(F)の合計含有量は、全組成中に1〜40質量%であるのが好ましく、より好ましくは3〜30質量%、更に好ましくは5〜25質量%である。
【0065】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に溶媒として水を含有することができる。水は、全組成中に、好ましくは10〜94.5質量%、より好ましくは15〜90質量%含有することができ、洗浄剤組成物を構成する前記成分及びその他成分の残部となる。
【0066】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、通常の洗浄剤に用いられる成分、例えば、成分(A)、(C)、(D)及び(F)以外の界面活性剤、保湿剤、油性成分、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、増粘剤、塩類、パール化剤、スクラブ剤、香料、冷感剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物エキス等を含有することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、通常の方法により、配合成分を混合することにより製造され、液状の水性製剤とするのが好ましい。
【0067】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、pH3〜12、更に5〜10.5であるのが好ましい。なお、pHの測定は、25℃において、各洗浄剤組成物をイオン交換水で20倍に希釈して行った値である。
また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、30℃において、B8F型粘度計(東機産業社製、ローター T-B、5rpm、60s)で測定したときの粘度が、50〜1500dPa・s、好ましくは100〜1000dPa・sである。
【0068】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、例えば、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープ等として好適であり、特にボディーソープが好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物を用いて皮膚を洗浄する方法は、例えば、以下のとおりである。すなわち、本発明の皮膚洗浄剤組成物を身体、つまり顔、手足、胴体などの身体皮膚部に適量を適用し、泡立てて洗浄した後、シャワー等の温水を利用してすすぐ方法である。また、タオル、スポンジ、ブラシ等の洗浄補助具に適量を適用し、泡立てて洗浄することもできる。
【0069】
〈測定方法〉
本発明において、アルキルエーテルカルボン酸のアルキル組成、EO付加モル分布及び各成分の比率は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下の分析方法で測定した。
【0070】
(GC分析条件)
GC機器;アジレントテクノロジー社製、7890A
カラム;アジレントテクノロジー社製、DB−5
(30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
検出器;FID
キャリア;ヘリウムガス、1mL/min
昇温条件;100℃から325℃まで5℃/minで昇温。その後、35分間325℃を保持。
【0071】
(サンプルの前処理方法)
アルキルエーテルカルボン酸塩150mgをメタノール50mLで溶解した。また、洗浄剤組成物については、アルキルエーテルカルボン酸塩として150mgとなるよう採取し、メタノール50mLで溶解した。なお、洗浄剤組成物がポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの強アニオン性の界面活性剤を含む場合、それらが250mg以下となるように採取した。この溶液1mLを採取して、あらかじめメタノール4mLでコンディショニングを行った固相カートリッジ(Biotage製、Isolute SAX、1g、3mL、500-0100-B)に適用し、10mL丸底試験管に通過液を捕集した。その後、ギ酸4.6gに100mLのメタノールを加えた溶液6mLで溶出し、溶出液についても同じ試験管に捕集した。捕集した溶液は、50℃に加温したブロックヒーターに設置し、窒素ガスを吹き込み、1mL程度まで濃縮した後、さらに室温下で窒素ガスを吹き込み乾燥させた。そこに、ジアゾメタン−エーテル溶液2mLを加え、攪拌しながら室温下で10分間放置し誘導体化を行った。その後、室温下で窒素ガスを吹き込み、500μL以下になるまで濃縮した後、クロロホルムを加えて500μLとし、GC分析に供した。
なお、ジアゾメタン−エーテル溶液は、ジアゾメタン生成装置(宮本理研工業製、GM−50)を用い、以下の手順で調製した。第1と第2の受け器、第2と第3の受け器をシリコンゴム栓およびテフロンチューブで連結する。第2の受け器に、N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン0.8gを採取し、2.5mLのイオン交換水を加えた。第3の受け器に、t−ブチルメチルエーテル10mLを採取した。第1、第2、第3の受け器を氷冷した。続いて第2の受け器に、プラスチックシリンジを備え付け、このシリンジ中に水酸化ナトリウム20gをイオン交換水100mLに溶解させた溶液3mLを入れた。この水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下してジアゾメタンガスを生成させ、第1の受け器側から静かに窒素ガスを吹き込み、第3の受け器のt−ブチルメチルエーテルに溶解させて、ジアゾメタン−エーテル溶液を得た。
上記サンプルの前処理における試薬は、以下のものを使用した。
メタノール(関東化学製、高速液体クロマトグラフィー用、25183-1B)
ギ酸(和光純薬工業製、試薬特級、066-00461)
クロロホルム(関東化学製、鹿1級、07278-01)
N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(関東化学製、鹿1級、25596-51)
t−ブチルメチルエーテル(関東化学製、鹿特級、04418-00)
水酸化ナトリウム(和光純薬工業製、特級、196-13761)
【0072】
〈製造例〉
本発明の皮膚洗浄剤組成物に用いる成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸塩は、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、断りのない限り「%」は質量%を示す。
製造例1
攪拌および温度調節機能を備えたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール[商品名:カルコール2098、花王製]1144g(6.14モル)、ミリスチルアルコール[商品名:カルコール4098、花王製]60.2g(0.281モル)、水酸化カリウム2.68g(0.0478モル)を仕込み、減圧脱水を行った。次いで、エチレンオキサイド(EO)996g(22.6モル)を155℃にて導入し、反応温度155℃、反応圧力0.4MPaで2時間反応を行った。反応終了後、80℃、6kPaの減圧条件で30分間攪拌し、未反応のエチレンオキサイドを除去した後、窒素を導入し常圧にし、4.82g(0.0482モル)の90%乳酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌し、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレート(以下、「生成AE」ともいう)を得た。
攪拌機能、温度調節機能及び酸素ガス導入管を取り付けたガラス製反応容器に、上記生成物90g(0.2モル)と、48%水酸化ナトリウム水溶液16.7g(水酸化ナトリウムとして0.2モル)、パラジウム−白金−ビスマス系触媒(活性炭にパラジウム4%、白金1%及びビスマス5%を担持、含水率50%)0.9g、水494.4gをそれぞれ仕込んだ。攪拌条件下、液温を70℃まで昇温し、酸素を27モル%(対生成AE/時間)の割合で吹き込みながら、反応温度70℃で3.5時間接触酸化反応をさせた。反応率は89%であった。
反応終了後、反応液から触媒を濾別し、アルキルエーテルカルボン酸Na塩の水溶液を得た。続いて、35%塩酸を加え、分液操作を実施し、アルキルエーテルカルボン酸を得た。これをEC1とする。
【0073】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、EC1は、一般式(1)において、M=H、R
1はラウリル基/ミリスチル基=95/5、平均炭素数は12.1、nの平均値は2.8、n=0の成分を14.7質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は36.1質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R
1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.22:1.23:1.06:0.83であった。
【0074】
製造例2
製造例1に倣い、デシルアルコール[商品名:カルコール1098、花王製]、ラウリルアルコール[商品名:カルコール2098、花王製]、ミリスチルアルコール[商品名:カルコール4098、花王製]、セチルアルコール[商品名:カルコール6098、花王製]を質量比10/70/15/5に混合した原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
【0075】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はデシル基/ラウリル基/ミリスチル基/パルミチル基=10/70/15/5、平均炭素数は12.3、nの平均値は3.3、n=0の成分を15.2質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は31.4質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R
1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.07:1.00:0.85:0.67であった。
【0076】
製造例3
攪拌、温度調節機能を取り付けたガラス製反応容器に、ラウリルアルコール372g(2.00モル)を仕込み、攪拌条件下、液温を70℃まで昇温させ、モノクロロ酢酸ナトリウム256g(2.20モル)及び水酸化ナトリウム88g(2.20モル)を分割して加えながら、5時間反応を行った。反応終了後、析出物を濾別し、続いて35%塩酸を加え、酸型化し、アルキルエーテルカルボン酸を得た(一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基、n=0)。
【0077】
製造例4
製造例1に倣い、デシルアルコールを原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はデシル基、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0078】
製造例5
製造例1に倣い、ラウリルアルコールを原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はラウリル基、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0079】
製造例6
製造例1に倣い、ミリスチルアルコールを原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はミリスチル基、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0080】
製造例7
製造例1に倣い、ラウリルアルコール、セチルアルコールを質量比20/80に混合した原料にEO付加し、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はラウリル基/パルミチル基=20/80、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0081】
製造例8
製造例1に倣い、ラウリルアルコールを原料にEO反応させ、EO付加モル数4.05モルのアルキルエトキシレートを得た。これを製造例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
【0082】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はラウリル基、nの平均値は3.5、n=0の成分を11.4質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は30.6質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R
1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.31:1.38:1.25:1.06であった。
【0083】
製造例9
攪拌および温度調節機能を備えたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール[商品名:カルコール2098、花王製]1144g(6.14モル)、ミリスチルアルコール[商品名:カルコール4098、花王製]60.2g(0.281モル)、水酸化カリウム2.6g(0.0478モル)を仕込み、減圧脱水を行った。次いで、エチレンオキサイド(EO)718g(16.3モル)を155℃にて導入し、反応温度155℃、反応圧力0.4MPaで2時間反応を行った。反応終了後、冷却し、80℃、6kPaの減圧条件で30分間攪拌し、未反応のエチレンオキサイドを除去した後、窒素を導入し常圧にし、4.82g(0.0482モル)の90%乳酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌し、EO付加モル数2.55モルのアルキルエトキシレートを得た。
攪拌、温度調節機能を取り付けたガラス製反応容器に、上記生成物600g(2.00モル)を仕込み、攪拌条件下、液温を70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウム256g(2.20モル)及び水酸化ナトリウム88g(2.20モル)を分割して加えながら、5時間反応を行った。反応終了後、35%塩酸をpHが2.8になるまで加え、酸型化し油層を分取し、アルキルエーテルカルボン酸を得た。これをEC6とする。
【0084】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R
1はラウリル基/ミリスチル基=94/6、平均炭素数は12.1、nの平均値は3.1、n=0の成分を9.9質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は35.4質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.65:1.92:1.74:1.32であった。
【0085】
実施例中、EC2に関しては、製造例5、製造例6、製造例7で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で78.75/15/6.25の比で混合し、EC2とした。
【0086】
実施例中、EC3に関しては、製造例2、製造例3で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で90/10の比で混合し、EC3とした。
【0087】
実施例中、EC4に関しては、製造例1で得られたEC1と製造例4で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で40/60の比で混合し、E4とした。
【0088】
実施例中、EC5に関しては、製造例2、製造例8で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で40/60の比で混合し、EC5とした。
【0089】
実施例中、EC7に関しては、製造例1で得られたEC1と市販のAKYPO RLM45(花王社製)を、各々質量割合で50/50の比で混合し、EC7とした。
【0090】
実施例中、EC8に関しては、製造例1で得られたEC1と市販のAKYPO RLM100NV(花王社製)を、各々質量割合で50/50の比で混合し、EC8とした。
【実施例】
【0091】
実施例1〜28、比較例
2〜10
表3〜7に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を製造し、粘度を測定するとともに、泡量、泡質、すすぎ性、洗浄後の乾きのはやさ、洗浄後のつっぱり感を評価した。結果を表3〜7に併せて示す。
なお、実施例で使用した成分(A)の構成は、表1及び表2に示すとおりである。 また、実施例、比較例で使用したアルキルエーテルカルボン酸(AKYPO RLM25(花王社製)、AKYPO RLM45(花王社製)、AKYPO RLM100NV(花王社製)、ビューライトLCA(三洋化成社製))の平均EO付加モル数は、各社販売元のカタログ値、ホームページで公開されている値を参考にした。不明なアルキル組成、n=0の成分量、n=1の成分とn=2の成分の合計量に関しては、上記方法で分析した。
【0092】
(製造方法)
表3〜7に示す成分を秤量してイオン交換水中に添加し、60℃で十分攪拌して、皮膚洗浄剤組成物を得た。水酸化カリウムは、成分中のアニオン界面活性剤に対して、1.0当量になるように、48%KOH水溶液を加えて調整した。
【0093】
(評価方法)
(1)粘度:
各洗浄剤組成物について、B8F型粘度計(東機産業社製、ローター T-B、5rpm、60s)を用い、30℃における粘度を測定した。
【0094】
(2)泡量:
専門パネラー5名により、各洗浄剤組成物1.0gを片手にとり、水道水を用いて5倍希釈し、泡立てたときの泡量を、下記基準で官能評価し、5名の合計点で示した。
泡量が多い ;4
泡量がやや多い ;3
泡量がやや少ない ;2
泡量が少ない ;1
【0095】
(3)泡質:
専門パネラー5名により、各洗浄剤組成物1.0gを片手にとり、水道水を用いて5倍希釈し、泡立てたときの泡質を、下記基準で官能評価し、5名の合計点で示した。
泡質が良い ;4
泡質がやや良い ;3
泡質がやや悪い ;2
泡質が悪い ;1
【0096】
(4)すすぎ性:
専門パネラー5名により、各洗浄剤組成物を泡立てた後、片腕を洗浄し、水道水(約30℃)ですすいだ。そのときのすすぎ性を下記基準で官能評価し、5名の合計点で示した。
ひっかかり無く、且つぬるつきのないすすぎ ;4
ややひっかかりや、ややぬるつきがあるすすぎ ;3
ひっかかりや、ぬるつきが気になるすすぎ ;2
ひっかかりや、ぬるつきが強いすすぎ ;1
【0097】
(5)洗浄後の乾きのはやさ:
専門パネラー5名により、各洗浄剤組成物1.0gを片手にとり、十分に泡立て、しっかりと洗顔し、タオルでふいた後の肌の乾くはやさを、下記基準で官能評価し、5名の合計点で示した。
肌の乾く早さがはやい ;4
肌の乾く早さがややはやい ;3
肌の乾く早さがやや遅い ;2
肌の乾く早さが遅い ;1
【0098】
(5)洗浄後のつっぱり感:
専門パネラー5名により、各洗浄剤組成物1.0gを片手にとり、十分に泡立て、しっかりと洗顔した後の肌のつっぱり感を、下記基準で官能評価し、5名の合計点で示した。
つっぱらない ;4
あまりつっぱらない ;3
つっぱる ;2
非常につっぱる ;1
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
実施例29〜34は、表3〜7と同様の方法にて製造した。
実施例29
(成分) (質量%)
EC2 6.18
ラウリン酸(ルナックL-98 花王社製) 1.95
ミリスチン酸(ルナックMY-98 花王社製) 5.54
パルミチン酸(ルナックP-95 花王社製) 0.43
ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王社製) 12
ソルビトール(ソルビトール花王 花王社製) 20
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル
(ペネトールGE-EH 花王社製) 0.4
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(カーボポールETD2020、Lubrizol社製) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペムレンTR-2、Lubrizol社製) 0.2
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 バランス
合計 100
(上記記載の数値は、有り姿として記載)
【0107】
実施例30
(成分) (質量%)
EC3 4.4
ミリスチン酸(ルナックMY-98 花王社製) 2.07
パルミチン酸(ルナックP-95 花王社製) 1.9
ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王社製) 12
ソルビトール(ソルビトール花王 花王社製) 50
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(ペネトールGE-EH 花王社製) 0.6
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(カーボポールETD2020、Lubrizol社製) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペムレンTR-2、Lubrizol社製) 0.1
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 バランス
合計 100
(上記記載の数値は、有り姿として記載)
【0108】
実施例31
(成分) (質量%)
EC4 6.55
ラウリル硫酸アンモニウム(エマール125A 花王社製) 16
ココイルグリシンカリウム(アミライトGCK-12K 味の素社製) 20
ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王社製) 10
ソルビトール(ソルビトール花王 花王社製) 30
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(ペネトールGE-EH 花王社製) 3
オクチルドデカノール(カルコール200GD 花王社製) 0.3
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(カーボポールETD2020、Lubrizol社製) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペムレンTR-2、Lubrizol社製) 0.2
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 バランス
合計 100
(上記記載の数値は、有り姿として記載)
【0109】
実施例32
(成分) (質量%)
EC5 4.35
ラウリル硫酸アンモニウム(エマール125A 花王社製) 10.67
ココイルグリシンカリウム(アミライトGCK-12K 味の素社製) 4.44
ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王社製) 10
ソルビトール(ソルビトール花王 花王社製) 45
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(ペネトールGE-EH 花王社製) 3
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(カーボポールETD2020、Lubrizol社製) 0.36
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペムレンTR-2、Lubrizol社製) 0.14
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 バランス
合計 100
(上記記載の数値は、有り姿として記載)
【0110】
実施例33
(成分) (質量%)
EC7 6.18
ラウリン酸(ルナックL-98 花王社製) 1.95
ミリスチン酸(ルナックMY-98 花王社製) 5.54
パルミチン酸(ルナックP-95 花王社製) 0.43
ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王社製) 12
ソルビトール(ソルビトール花王 花王社製) 20
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(ペネトールGE-EH 花王社製) 0.4
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(カーボポールETD2020、Lubrizol社製) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペムレンTR-2、Lubrizol社製) 0.2
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 バランス
合計 100
(上記記載の数値は、有り姿として記載)
【0111】
実施例34
(成分) (質量%)
EC8 4.4
ミリスチン酸(ルナックMY-98 花王社製) 2.07
パルミチン酸(ルナックP-95 花王社製) 1.9
ラウリルヒドロキシスルホベタイン(アンヒトール20HD 花王社製) 12
ソルビトール(ソルビトール花王 花王社製) 50
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(ペネトールGE-EH 花王社製) 0.6
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(カーボポールETD2020、Lubrizol社製) 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体
(ペムレンTR-2、Lubrizol社製) 0.1
水酸化ナトリウム 適量
イオン交換水 バランス
合計 100
(上記記載の数値は、有り姿として記載)
【0112】
実施例29〜34の皮膚洗浄剤はいずれも、泡量、泡質、すすぎ性が良好で、しかも、洗浄後の乾きの早さがはやく、肌のつっぱり感のなさに優れていた。