特許第5917204号(P5917204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917204
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20160422BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20160422BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20160422BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20160422BHJP
   C11D 1/06 20060101ALI20160422BHJP
   C11D 3/37 20060101ALN20160422BHJP
【FI】
   A61K8/39
   A61K8/36
   A61K8/81
   A61Q19/10
   C11D1/06
   !C11D3/37
【請求項の数】13
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2012-49098(P2012-49098)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-184896(P2013-184896A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】生垣 信一
(72)【発明者】
【氏名】舛井 喬
【審査官】 手島 理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−140485(JP,A)
【文献】 特開2002−346362(JP,A)
【文献】 特開平05−186318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8
A61Q
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
【化1】
(式中、R1は炭素数4〜22のアルキル基を示し、nは0〜20の数を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)で表されるアルキルエーテルカルボン酸又はその塩であって、R1の平均炭素数が10.8〜12.8であり、n=0の成分を9.6質量%を超え27質量%以下、n=1の成分とn=2の成分を合計で21質量%以上40質量%未満含むアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、
(B)平均粒径50〜500μmの水不溶性粒子
を含有し、成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:10〜10:1である皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
成分(A)において、一般式(1)中、nの平均値が1.5〜10である請求項1記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
成分(A)において、一般式(1)中、R1が炭素数6〜20のアルキル基であり、nの平均値が2.5〜3.7であり、n=0の成分を9.9〜27質量%含む請求項1又は2記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項4】
成分(A)において、一般式(1)中、R1が炭素数8〜18のアルキル基であり、nの平均値が2.5〜3.4である請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項5】
成分(A)において、一般式(1)中、R1が炭素数8〜16のアルキル基であり、平均アルキルが10.8から12.5であり、nの平均値が2.8〜3.4であり、n=0の成分を9.9〜16質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜36.5質量%含む請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項6】
成分(A)において、一般式(1)中、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜3.50:0.89〜3.00:0.76〜3.00:0.63〜1.52となる請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項7】
成分(A)において、一般式(1)中、R1が2種以上のアルキル基を含み、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満である請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項8】
成分(A)において、一般式(1)中、n=0の成分を9.9質量%以上12質量%未満含み、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.53〜1.87:1.59〜2.25:1.33〜2.16:1.14〜1.52となるか、又は、n=0の成分を12質量%以上17質量%以下含み、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜1.34:0.89〜1.40:0.76〜1.23:0.63〜1となる請求項1〜7のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項9】
成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:5〜5:1である請求項1〜のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項10】
成分(A)及び(B)の質量割合が、(A):(B)=1:2〜2:1である請求項1〜のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項11】
さらに、(C)成分(A)以外のアニオン界面活性剤を含有する請求項1〜10のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項12】
成分(A)及び(C)の質量割合が、(A):(C)=5:1〜1:7である請求項1〜11のいずれか1項記載の皮膚洗浄剤組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項の皮膚洗浄剤組成物を皮膚部に適用して洗浄した後、すすぐ皮膚洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚洗浄剤においては、その洗浄効果や洗浄時の洗浄実感を高めるため、洗浄剤に粒子を配合したスクラブ洗浄剤が知られている。スクラブ洗浄剤を使用した場合、粒子が毛穴や皮溝などの皮膚の細かい凹凸の中に入り込み、毛穴や皮溝にある皮脂や汚れを除去すると同時に、使用者にその粒子の粒の感触を感じさせる。従って、洗浄剤の粒子は汚れが落ちたという満足感を使用者に与えることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定の組成の脂肪酸及びその塩と水不溶性粒子を組み合わせることにより、泡立ちとすすぎ性に優れた洗浄組成物が得られることが記載されている。
特許文献2には、脂肪酸塩と特定の非イオン界面活性剤にメントールを配合することによって洗浄後の爽快感を付与し、洗浄実感を高める技術について記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、高級脂肪酸塩と特定のアミノ酸系界面活性剤、及び水不溶性固体粉体を組み合わせることにより、高級脂肪酸塩によるすすぎ中のきしみ感の低減や、使用後のつっぱり感や乾燥感を抑えることのできる洗浄剤組成物が記載されている。
【0005】
特許文献4には、特定の粒度分布を有する炭酸水素ナトリウム粒子と、脂肪酸塩を含有することで、また、特許文献5には、高級脂肪酸又はその塩とポリオキシエーテルカルボン酸又はその塩、そして、特定のIOB値である両親媒性物質と水不溶性粒子を組み合わせることにより、泡質をコントロールし、洗浄時の粒子の適度な粒感を持続的に感じさせることとで、スクラブによる洗浄効果を高め、洗浄実感も高めることができる皮膚洗浄剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−160673号公報
【特許文献2】特開2006−188435号公報
【特許文献3】特開平8−3030号公報
【特許文献4】特開2000−72654号公報
【特許文献5】特開2011−140485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1では、すすぎ時に特有のきしみ感が強く、『肌の脂を取りきってしまった感じ』、『何かが残っている感じ』など、肌への悪影響を連想させ、洗浄後は、肌が乾燥しザラザラする、皮脂が過剰に出てすぐにベタついてしまう感じがするなど、洗浄後少時間経過後の洗浄実感に課題があった。
特許文献2では、冷感剤による洗浄実感を高めることができるが、使用者によっては冷涼感を好まない場合もあり、技術の応用範囲が限定されることや、洗浄後少時間経過後においては、冷涼感は失われているため、経時での洗浄実感の持続についての課題は解決されない。
特許文献3、4及び5では、若干の改善は見られるものの、洗浄後少時間経過後における洗浄実感の持続性についての課題は解決されていない。
【0008】
本発明は、泡立ちとすすぎ性に優れるとともに、洗浄後少時間経過後においてもなめらかな肌感触が持続し、高い洗浄実感が得られる皮膚洗浄剤組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、特定の分布を有するアルキルエーテルカルボン酸又はその塩と、水不溶性粒子を組み合わせて用いれば、上記課題を解決した皮膚洗浄剤組成物が得られることを見出した。
【0010】
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)一般式(1)
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、R1は炭素数4〜22のアルキル基を示し、nは0〜20の数を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示す)
で表されるアルキルエーテルカルボン酸又はその塩であって、R1の平均炭素数が10.8〜12.8であり、n=0の成分を9.6質量%を超え27質量%以下、n=1の成分とn=2の成分を合計で21質量%以上40質量%未満含むアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、
(B)平均粒径50〜500μmの水不溶性粒子
を含有する皮膚洗浄剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗浄剤としての基本性能である泡立ちと肌への優しさを有し、すすぎ性に優れるとともに、毛穴周辺および皮溝等の肌の凸凹部分の汚れをしっかりと落とすことができる。また、洗浄後少時間経過後においても、洗浄直後に感じるなめらかな肌感触が続き、高い洗浄実感を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明で用いる成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、一般式(1)で表されるものである。
式中、R1は炭素数4〜22のアルキル基であり、炭素数6〜20のアルキル基、更に炭素数8〜18のアルキル基が好ましく、炭素数8〜16、更には炭素数10〜16のアルキル基がより好ましい。また、R1のアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖のいずれでも良いが、起泡性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。また、R1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、好ましくは10.8〜12.5であり、より好ましくは12.1〜12.4である。この範囲内であれば、起泡性及び泡質、さらに低温安定性の点で優れるので好ましい。
また、R1は2種以上のアルキル基を含むことが好ましく、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であるのが好ましく、60〜95質量%がより好ましく、さらに70〜95質量%であるのが、泡量及び泡質に優れるので好ましい。
【0015】
また、式中、nは0〜20の数を示し、0〜12がより好ましい。なお、nは、エチレンオシキシドの付加モル数を示すが、成分(A)の組成中の平均付加モル数(nの平均値)は、泡立ちが良好である点から、1.5〜10が好ましく、2.5〜6.4がより好ましく、2.5〜3.7がさらに好ましく、2.5〜3.4がさらに好ましく、2.8〜3.4がさらに好ましく、2.8〜3.1がさらに好ましい。
成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、一般式(1)において、n=0の成分を9.6質量%を超え27質量%以下、好ましくは9.8〜27質量%、より好ましくは9.9〜27質量%、更に好ましくは9.9〜16質量%、より好ましくは9.9〜15質量%含むものである。この範囲内とすることにより、泡量、泡質に優れる。
さらに、n=1の成分とn=2の成分を合計で21〜40質量%未満、好ましくは27〜37質量%、より好ましくは27〜36.5質量%、さらに好ましくは35〜36.1質量%含むのが、泡質、泡量の観点から好ましい。
【0016】
また、式中、Mとしては、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウムなどが挙げられる。これらの中で、起泡性、低温安定性、経時での着色のなさの点から、アルカリ金属が好ましい。
【0017】
成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、一般式(1)中、n=0、1、2、3、4の成分の質量割合が、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜3.50:0.89〜3.00:0.76〜3.00:0.63〜1.52であることが、起泡性、洗浄性、すすぎ時のきしみ感の両立性の点から、好ましい。
【0018】
また、一般式(1)中、n=0の成分を9.9質量%以上12質量%未満含み、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.53〜1.87:1.59〜2.25:1.33〜2.16:1.14〜1.52となるか、又は、n=0の成分を12質量%以上17質量%以下含み、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:0.99〜1.34:0.89〜1.40:0.76〜1.23:0.63〜0.99となるのが、泡質、泡量の観点から好ましい。
【0019】
さらに、一般式(1)中、n=0の成分を9.9〜11.5質量%含み、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.58〜1.84:1.72〜2.17:1.49〜2.00:1.14〜1.52となるか、又は、一般式(1)中、n=0の成分を13〜15質量%含み、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分において、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.00〜1.31:0.93〜1.34:0.79〜1.18:0.63〜0.99となるのが、泡質、泡量の点から好ましい。
【0020】
成分(A)において、一般式(1)中、R1は炭素数4〜22のアルキル基であり、R1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの付加モル数の平均値は、1.5〜10、さらには2.5〜6.4であり、n=0の成分を9.8〜27質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜37質量%含有することが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、起泡を早めることができる。
【0021】
成分(A)において、一般式(1)中、R1は炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、R1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.5〜3.7であり、n=0の成分を9.8〜27質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜37質量%含有することが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、起泡性を早めることができる。
【0022】
成分(A)において、一般式(1)中、R1は炭素数8〜18のアルキル基であり、R1の平均炭素数は10.8〜12.8であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が55質量%以上97質量%未満であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.5〜3.4であり、n=0の成分を9.9〜27質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜36.5質量%含有することが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、すすぎ時のストップフィーリング性を強めることができる。
【0023】
成分(A)において、一般式(1)中、R1は炭素数8〜16のアルキル基であり、R1の平均炭素数は10.8〜12.5であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が60〜95質量%であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.8〜3.4であり、n=0の成分を9.9〜16質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で27〜36.5質量%含むものが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、泡量、泡質を向上させることができる。
【0024】
成分(A)において、一般式(1)中、R1は炭素数10〜16のアルキル基であり、R1の平均炭素数は12.1〜12.4であり、また、一番含有量の多いアルキル鎖長を有する成分が70〜95質量%であり、更に、nは0〜20の数を示し、nの平均値は、2.8〜3.1であり、n=0の成分を9.9〜15質量%、n=1の成分とn=2の成分を合計で35〜36.1質量%含むものが好ましい。また、式中、Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。このようにすることで、泡量、泡質、を向上させることができる。
【0025】
なお、本発明の成分(A)において、R1のアルキル鎖長の分布、R1の平均アルキル鎖長、n=0の成分量、nの平均付加モル数、n=0、1、2、3、4の成分の質量割合は、一般式(1)で表されるアルキルエーテルカルボン酸をガスクロマトグラフィーによる分析を行い、以下のようにして求める。
【0026】
〔R1のアルキル鎖長の分布〕
ガスクロマトグラフィーより得られるピーク面積のうち、n=0モルに相当する各アルキル鎖長のピーク面積を求め、それらの総和を100とし、各アルキル鎖長分布の百分率を求めた。n=1〜3モルにおいても同様に計算し、n=0〜3モルの各アルキル鎖長分布の百分率の値を平均し、R1のアルキル鎖長の分布を求めた(これより、R1の組成のうち最も多く含有するアルキル基成分を特定できる)。
【0027】
〔R1の平均アルキル鎖長〕
上記のようにして求めたR1のアルキル鎖長の分布より、各成分の割合を求め、得られた割合に対応するアルキル鎖長分の炭素数を各々掛け、これらの総和を得た。これを平均アルキル鎖長とした。
【0028】
〔n=0の成分量、n=1の成分とn=2の成分の合計量〕
1の組成のうち、最も多く含有するアルキル鎖長を特定し、その成分のn=0〜10に相当するガスクロマトグラフィーの面積を合計した。その合計量を100%として、n=0の成分量、n=1の成分とn=2の成分の合計量を算出した。
【0029】
〔nの平均付加モル数〕
1の組成のうち最も多く含有するアルキル鎖長を特定し、その成分のn=0〜10に相当するガスクロマトグラフィーの面積を合計した(nが11以上のものは微量であり、計算から除いた)。その合計量を1として、n=0〜10の各々の割合を求めた。この割合に、各々の付加モル数を掛け、これらの合計をnの平均付加モル数とした。
【0030】
〔n=0、n=1、n=2、n=3、n=4の成分の質量割合〕
EO付加モル数の異なる各成分の質量割合に関しては、ガスクロマトグラフィーにより得られるピーク面積から、上記に示した方法でR1のアルキル鎖長の分布を求め、R1の組成のうち最大含有量のアルキル鎖長成分を特定し、その最大成分のn=0、n=1、n=2、n=3、n=4の面積比から特定した。
【0031】
成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩は、前記のような組成を有するもので、すすぎの点から、全組成中に0.5〜30質量%含有するのが好ましく、1〜25質量%がより好ましく、更に、2〜20質量%含有されるのが好ましい。
【0032】
本発明で用いる成分(B)の水不溶性粒子は、平均粒径が50〜500μmのものである。
具合的には、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、塩化ナトリウム、シリカ、雲母チタン等の無機粉体や、シリコーンパウダー、シルクパウダー、麻繊維パウダー、セルロース又はその誘導体等の糖類や、ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリエチレン、エチレンアクリル酸コポリマー、ポリスチレン、ナイロン、アクリル樹脂等の合成高分子である有機粉体が挙げられる。
【0033】
また、上記の水不溶性粒子を一次粒子とし、結合剤(バインダー)を用いて複数の粉体を結合させた造粒粉体を用いることもできる。結合剤としては、例えばポリビニルアルコール及び/又はその誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸アルカリ塩、(メタ)アクリル酸エステル共重合物のアルカリ塩、アクリル酸/マレイン酸共重合物のアルカリ塩、ポリビニルピロリドン等の合成品;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、澱粉誘導体等の半合成品;澱粉、海草類、植物粘質物、タンパク質などの天然高分子が用いられる。
【0034】
これら水不溶性粒子の中で、水不溶性の造粒粉体が好ましい。
その中でも、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を結合剤として用いると、すすぎ時にすすぎ水によって造粒粉体が容易に崩壊し、すすぎ性が高くなるため、より好ましいと考えられる。更に好ましい造粒粉体としては、平均粒径1〜70μmであるセルロースの一次粒子を、マレイン酸変性ポリビニルアルコールを結合剤として造粒し、平均粒径50〜500μmとした造粒粉体が挙げられる。この粒子は、洗浄過程及びすすぎ過程において、すすぎ水や涙によって容易に粒子が崩壊するため、皮膚の損傷やかゆみの発生が少なく、また、洗い流し性が極めて良好であり、より好ましい。
【0035】
成分(B)の水不溶粒子は、平均粒径(レーザ回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場製)にて測定、平均粒径はメジアン径を用いた)が50〜500μmのものである。このようにすることで、泡立てて使用したときに粒子を感じやすくでき、毛穴や皮溝に対する洗浄力を向上させることができる。適度な粒感と洗浄効果、洗浄実感との両立のためには、平均粒径が60〜400μmであるのが好ましい。
また、大きな粒子(平均粒径240〜500μm、好ましくは平均粒径250〜350μm)と小さな粒子(平均粒径50〜130μm、好ましくは平均粒径80〜120μm)を組み合わせて使用するのが好ましい。なお、この場合は、粒子径200μm未満の粒子の平均径と、粒子径200μm以上の粒子の平均径と分けて考える。更に、大きな粒子と小さな粒子の質量割合が、(平均粒径240〜500μm、好ましくは平均粒径250〜350μm)/(平均粒径50〜130μm、好ましくは平均粒径80〜120μm)=1/2〜1/12、更には、1/3〜1/10であるのが、より洗浄効果が高くなるので好ましい。
【0036】
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、使用者に皮膚洗浄剤として提供する際に、剤を手に取ったときに適度な粒感が得られる、という点から、全組成中に1〜25質量%含有するのが好ましく、更に、2〜15質量%含有されるのが好ましい。
【0037】
石鹸のみを洗浄基剤とした洗浄剤は、高アルカリ性で、肌に対し高浸透性であり、皮膚を膨潤させやすい。このため、粒子を含む洗浄剤は、洗浄効果は高いが、場合によっては必要以上に古くなった角層を取り除くことになる。この結果、洗浄後は、なめらかな肌感触を得ることができるが、小時間(洗浄後、2時間くらい)経過後、肌がかさついたり、多量の皮脂の分泌を促すことになり、洗浄直後に得られるなめらかな肌感触が持続しない。これに対し、本発明の構成では、適度な泡立ち性と泡質から、粒子の肌の当たりがやさしくなることを見出した。この結果、適度な角層除去となり、必要以上に肌の脱脂を起こさず、皮脂の分泌が抑制され、なめらかな肌感触が持続すると考えられる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物において、使用時における泡立ちと適度な粒感、洗浄効果、洗浄実感の両立の点から、成分(A)及び(B)の質量割合は、(A):(B)=1:10〜10:1が好ましく、1:5〜5:1が好ましい。
【0038】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、さらに、(C)成分(A)以外のアニオン界面活性剤を含有することができ、泡立ち性を早め、且つ洗浄効果を高め、すすぎ中の肌感触をコントロールすることができる。
【0039】
成分(C)のアニオン界面活性剤としては、通常の皮膚洗浄剤に用いられるものであれば良く、例えば、脂肪酸塩、アルキル(エーテル)硫酸塩、アリル(エーテル)硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、グリセリンエーテルスルホン酸塩、αメチルエステルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、脂肪アルコールエーテル硫酸塩、グリセリンエーテル硫酸塩、ヒドロキシ混合エーテル硫酸塩、モノグリセリド(エーテル)硫酸塩、脂肪酸アミド(エーテル)硫酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホスクシンアミド酸塩、ジアルキルスルホスクシンアミド酸塩、スルホトリグリセライド、アミドエーテルカルボン酸塩及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウライド;アシルラクチレート、アシル酒石酸塩、アシルグルタミン酸塩、アシルアスパラギン酸塩等のN−アシルアミノ酸塩;アルキルオリゴグルコシド硫酸塩、プロテイン脂肪酸縮合物(小麦ベースの植物産物)、アルキ
【0040】
これらのうち、脂肪酸塩、アルキル(エーテル)硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩が好ましい。
脂肪酸塩としては、一般式(2)
【0041】
【化2】
【0042】
(式中、R2は炭素数9〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Yはアルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミン由来のアンモニウム又は塩基性アミノ酸を示す)
で表されるものが好ましい。
より具体的には、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の塩が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。
【0043】
また、アルキル(エーテル)硫酸塩としては、一般式(3)
【0044】
【化3】
【0045】
(式中、R3は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、pは0〜20の数を示し、Zは水素原子、又は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルクアンモニウムから選ばれるカチオンを示す)
で表されるものが好ましい。
【0046】
アルキル(エーテル)硫酸塩は、(アルコキシル)アルコールの硫酸モノエステル塩であり、アルコールを硫酸化した後、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等の塩基で中和することにより得られる。
本発明において、一般式(3)中、R3は炭素数12〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、更に、炭素数12〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
一般式(3)中、pは0.5〜12が好ましく、0.5〜5、更に0.5〜3がより好ましい。
【0047】
N−アシルアミノ酸塩としては、一般式(4)
【0048】
【化4】
【0049】
(式中、R4は直鎖又は分岐鎖の炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、R5は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアルケニル基を示し、R6は水素原子又は-(CH2)q7(R7は水素原子、ヒドロキシル基又は−COOMを示し、qは0〜
3を示す)を示し、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカノールアミンを示す)
で表されるものが好ましい。
【0050】
式(4)中、R4としては、炭素数6〜18のアルキル基が好ましく、更に炭素数10〜14のアルキル基が好ましい。R5としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、更に水素原子、メチル基が好ましい。R6としては、水素原子、-(CH2)q6が好ましい。Mとしては、カリウム、トリエタノールアミンが好ましい。
【0051】
式(4)で表されるN−アシルアミノ酸塩のうち、好ましいものとしては、N−ココイルグリシン、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ラウロイル−N−メチルグリシン、N−ラウロイル−β−アラニン、N−ミリストイル−β−アラニン、N−ラウロイルアスパラギン酸、N−ラウロイルセリン等;またこれらのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。なお、一般式(4)で表わされる化合物には、L体、D体、ラセミ体があるが、本発明においては、これらのいずれをも使用することができる。
【0052】
成分(C)は、1種以上を用いることができ、泡性能及び洗浄効果を高め、すすぎ中の肌感触をコントロールする点から、全組成中に0.5〜30質量%含有するのが好ましく、1〜25質量%がより好ましく、更に、2〜20質量%がより好ましい。
【0053】
また、本発明において、成分(A)及び(C)の質量割合は、すすぎ中における肌感触がなめらかで、すすぎ中において、汚れが落ちたという洗浄実感を高める点から、(A):(C)=5:1〜1:7が好ましく、3:1〜1:5がより好ましく、更に2:1〜1:4がより好ましい。
【0054】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、(D)ポリオールを含有することができ、洗い上がりの肌にしっとり感を付与し、肌のなめらかさを向上させることができる。
【0055】
成分(D)のポリオールとしては、例えば、ソルビトール、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、マンニトール、キシリトール等が挙げられる。
これらのうち、ソルビトール、グリセリン、キシリトールが好ましい。
【0056】
成分(D)のポリオールは、1種以上を用いることができ、洗浄直後の肌のつっぱりを抑え、洗い上がりの肌表面に適度なしっとり感を与え、肌のなめらかさを向上させる点から、全組成中に、3〜70質量%含有するのが好ましく、5〜60質量%がより好ましく、更に10〜50質量%が好ましい。
【0057】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、(E)高分子増粘剤を含有することができ、粒子の分散安定性や使用時の使い勝手を向上させることができる。
具体的には、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましく、例えば、カーボポールETD2020、カーボポール1342、カーボポール1382、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2(以上、Lubrizol社製)等の市販品を用いることができる。
【0058】
成分(E)の高分子増粘剤は、1種以上を用いることができ、容器から手に取り易く、使用時に水と混合した際に非常に溶けやすくて伸ばしやすくなる点から、全組成中に0.05〜3質量%含有するのが好ましく、0.1〜2質量%、更に0.2〜1質量%含有するのがより好ましい。
【0059】
さらに、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどの両性界面活性剤(F)や、(ジ)グリセリンモノ脂肪酸エステルや(ジ)グリセリンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン界面活性剤(G)を組み合わせて用いることにより、さらに低温保存後の成分(B)の安定性(浮遊や沈降を防ぐ)を確保することができる。
【0060】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に溶媒として水を含有することができる。水は、全組成中に、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%含有することができ、洗浄剤組成物を構成する前記成分及びその他成分の残部となる。
【0061】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、更に、通常の洗浄剤に用いられる成分、例えば、成分(A)、(C)、(F)及び(G)以外の界面活性剤、成分(D)以外の保湿剤、油性成分、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、無機塩類、パール化剤、香料、冷感剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、植物エキス等を含有することができる。
【0062】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、70℃以上に加熱した精製水に、成分(A)を添加して溶解する。必要に応じて成分(C)、(F)を加え、溶解し均一にする。また、必要に応じて、一部の精製水に成分(E)を分散させ、上記の溶液に添加する。その後、塩基(例えば水酸化カリウムなど)によってこの溶液を中和する。次に、室温まで冷却して成分(B)、必要に応じて更に成分(D)、(G)を添加し、均一(成分(B)に関しては均一分散)になるまで攪拌し、皮膚洗浄剤組成物を得ることができる。
【0063】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、例えば、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープ等として好適であり、特にボディーソープが好ましい。
本発明の皮膚洗浄剤組成物を用いて皮膚を洗浄する方法は、例えば、以下のとおりである。すなわち、本発明の皮膚洗浄剤組成物を身体、つまり顔、手足、胴体などの身体皮膚部に適量を適用し、泡立てて洗浄した後、シャワー等の温水を利用してすすぐ方法である。また、タオル、スポンジ、ブラシ等の洗浄補助具に適量を適用し、泡立てて洗浄することもできる。
【0064】
〈測定方法〉
本発明において、アルキルエーテルカルボン酸のアルキル組成、EO付加モル分布及び各成分の比率は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、以下の分析方法で測定した。
なお、断りのない限り「%」は質量%を示す。
【0065】
(GC分析条件)
GC機器;アジレントテクノロジー社製、7890A
カラム;アジレントテクノロジー社製、DB−5
(30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
検出器;FID
キャリア;ヘリウムガス、1mL/min
昇温条件;100℃から325℃まで5℃/minで昇温。その後、35分間325℃を保持。
【0066】
(サンプルの前処理方法)
アルキルエーテルカルボン酸150mgをメタノール50mLで溶解した。また、洗浄剤組成物については、アルキルエーテルカルボン酸として150mgとなるよう採取し、メタノール50mLで溶解した。なお、洗浄剤組成物がポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などの強アニオン性の界面活性剤を含む場合、それらが250mg以下となるように採取した。この溶液1mLを採取して、あらかじめメタノール4mLでコンディショニングを行った固相カートリッジ(Biotage製、Isolute SAX、1g、3mL、500-0100-B)に適用し、10mL丸底試験管に通過液を捕集した。その後、ギ酸4.6gに100mLのメタノールを加えた溶液6mLで溶出し、溶出液についても同じ試験管に捕集した。捕集した溶液は、50℃に加温したブロックヒーターに設置し、窒素ガスを吹き込み、1mL程度まで濃縮した後、さらに室温下で窒素ガスを吹き込み乾燥させた。そこに、ジアゾメタン−エーテル溶液2mLを加え、攪拌しながら室温下で10分間放置し誘導体化を行った。その後、室温下で窒素ガスを吹き込み、500μL以下になるまで濃縮した後、クロロホルムを加えて500μLとし、GC分析に供した。
なお、ジアゾメタン−エーテル溶液は、ジアゾメタン生成装置(宮本理研工業製、GM−50)を用い、以下の手順で調製した。第1と第2の受け器、第2と第3の受け器をシリコンゴム栓およびテフロン(登録商標)製チューブで連結する。第2の受け器に、N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン0.8gを採取し、2.5mLのイオン交換水を加えた。第3の受け器に、t−ブチルメチルエーテル10mLを採取した。第1、第2、第3の受け器を氷冷した。続いて第2の受け器に、プラスチックシリンジを備え付け、このシリンジ中に水酸化ナトリウム20gをイオン交換水100mLに溶解させた溶液3mLを入れた。この水酸化ナトリウム水溶液をゆっくりと滴下してジアゾメタンガスを生成させ、第1の受け器側から静かに窒素ガスを吹き込み、第3の受け器のt−ブチルメチルエーテルに溶解させて、ジアゾメタン−エーテル溶液を得た。
上記サンプルの前処理における試薬は、以下のものを使用した。
メタノール(関東化学製、高速液体クロマトグラフィー用、25183-1B)
ギ酸(和光純薬工業製、試薬特級、066-00461)
クロロホルム(関東化学製、鹿1級、07278-01)
N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(関東化学製、鹿1級、25596-51)
t−ブチルメチルエーテル(関東化学製、鹿特級、04418-00)
水酸化ナトリウム(和光純薬工業製、特級、196-13761)
【0067】
〈製造例〉
本発明の皮膚洗浄剤組成物に用いる成分(A)のアルキルエーテルカルボン酸塩は、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、断りのない限り「%」は質量%を示す。
製造例1
攪拌および温度調節機能を備えたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール[商品名:カルコール2098、花王製]1144g(6.14モル)、ミリスチルアルコール[商品名:カルコール4098、花王製]60.2g(0.281モル)、水酸化カリウム2.68g(0.0478モル)を仕込み、減圧脱水を行った。次いで、エチレンオキサイド(EO)996g(22.6モル)を155℃にて導入し、反応温度155℃、反応圧力0.4MPaで2時間反応を行った。反応終了後、80℃、6kPaの減圧条件で30分間攪拌し、未反応のエチレンオキサイドを除去した後、窒素を導入し常圧にし、4.82g(0.0482モル)の90%乳酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌し、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレート(以下、「生成AE」ともいう)を得た。
攪拌機能、温度調節機能及び酸素ガス導入管を取り付けたガラス製反応容器に、上記生成物90g(0.2モル)と、48%水酸化ナトリウム水溶液16.7g(水酸化ナトリウムとして0.2モル)、パラジウム−白金−ビスマス系触媒(活性炭にパラジウム4%、白金1%及びビスマス5%を担持、含水率50%)0.9g、水494.4gをそれぞれ仕込んだ。攪拌条件下、液温を70℃まで昇温し、酸素を27モル%(対生成AE/時間)の割合で吹き込みながら、反応温度70℃で3.5時間接触酸化反応をさせた。反応率は89%であった。
反応終了後、反応液から触媒を濾別し、アルキルエーテルカルボン酸Na塩の水溶液を得た。続いて、35%塩酸を加え、分液操作を実施し、アルキルエーテルカルボン酸を得た。これをEC1とする。
【0068】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、EC1は、一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基/ミリスチル基=95/5、平均炭素数は12.1、nの平均値は2.8、n=0の成分を14.7質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は36.1質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.22:1.23:1.06:0.83であった。
【0069】
製造例2
製造例1に倣い、デシルアルコール[商品名:カルコール1098、花王製]、ラウリルアルコール[商品名:カルコール2098、花王製]、ミリスチルアルコール[商品名:カルコール4098、花王製]、セチルアルコール[商品名:カルコール6098、花王製]を質量比10/70/15/5に混合した原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
【0070】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はデシル基/ラウリル基/ミリスチル基/パルミチル基=10/70/15/5、平均炭素数は12.3、nの平均値は3.3、n=0の成分を15.2質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は31.4質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.07:1.00:0.85:0.67であった。
【0071】
製造例3
攪拌、温度調節機能を取り付けたガラス製反応容器に、ラウリルアルコール372g(2.00モル)を仕込み、攪拌条件下、液温を70℃まで昇温させ、モノクロロ酢酸ナトリウム256g(2.20モル)及び水酸化ナトリウム88g(2.20モル)を分割して加えながら、5時間反応を行った。反応終了後、析出物を濾別し、続いて35%塩酸を加え、酸型化し、アルキルエーテルカルボン酸を得た(一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基、n=0)。
【0072】
製造例4
製造例1に倣い、デシルアルコールを原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はデシル基、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0073】
製造例5
製造例1に倣い、ラウリルアルコールを原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.19:1.13:0.94:1であった。
【0074】
製造例6
製造例1に倣い、ミリスチルアルコールを原料にEOを反応させ、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はミリスチル基、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0075】
製造例7
製造例1に倣い、ラウリルアルコール、セチルアルコールを質量比20/80に混合した原料にEO付加し、EO付加モル数3.55モルのアルキルエトキシレートを得た。これを実施例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基/パルミチル基=20/80、nの平均値は3.1、n=0の成分を16質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は37質量%であった。
【0076】
製造例8
製造例1に倣い、ラウリルアルコールを原料にEO反応させ、EO付加モル数4.05モルのアルキルエトキシレートを得た。これを製造例1同様、酸化反応を行い、得られたアルキルエーテルカルボン酸塩を塩酸処理することにより、アルキルエーテルカルボン酸を得た。
【0077】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基、nの平均値は3.5、n=0の成分を11.4質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は30.6質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.31:1.38:1.25:1.06であった。
【0078】
製造例9
攪拌および温度調節機能を備えたステンレス製オートクレーブに、ラウリルアルコール[商品名:カルコール2098、花王製]1144g(6.14モル)、ミリスチルアルコール[商品名:カルコール4098、花王製]60.2g(0.281モル)、水酸化カリウム2.6g(0.0478モル)を仕込み、減圧脱水を行った。次いで、エチレンオキサイド(EO)718g(16.3モル)を155℃にて導入し、反応温度155℃、反応圧力0.4MPaで2時間反応を行った。反応終了後、冷却し、80℃、6kPaの減圧条件で30分間攪拌し、未反応のエチレンオキサイドを除去した後、窒素を導入し常圧にし、4.82g(0.0482モル)の90%乳酸をオートクレーブ内に加え、80℃で30分間攪拌し、EO付加モル数2.55モルのアルキルエトキシレートを得た。
攪拌、温度調節機能を取り付けたガラス製反応容器に、上記生成物600g(2.00モル)を仕込み、攪拌条件下、液温を70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウム256g(2.20モル)及び水酸化ナトリウム88g(2.20モル)を分割して加えながら、5時間反応を行った。反応終了後、35%塩酸をpHが2.8になるまで加え、酸型化し油層を分取し、アルキルエーテルカルボン酸を得た。これをEC6とする。
【0079】
ガスクロマトグラフィーの分析の結果、一般式(1)において、M=H、R1はラウリル基/ミリスチル基=94/6、平均炭素数は12.1、nの平均値は3.1、n=0の成分を9.9質量%含み、n=1の成分とn=2の成分の合計量は35.4質量%であった。
また、EO付加モル数の異なる各成分の比率に関しても、R1の組成のうち最大成分の測定値から算出した結果、(n=0成分の質量):(n=1成分の質量):(n=2成分の質量):(n=3成分の質量):(n=4成分の質量)=1:1.65:1.92:1.74:1.32であった。
【0080】
実施例中、EC2に関しては、製造例5、製造例6、製造例7で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で78.75/15/6.25の比で混合し、EC2とした。
【0081】
実施例中、EC3に関しては、製造例2、製造例3で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で90/10の比で混合し、EC3とした。
【0082】
実施例中、EC4に関しては、製造例1で得られたEC1と製造例4で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で40/60の比で混合し、E4とした。
【0083】
実施例中、EC5に関しては、製造例2、製造例8で得られたアルキルエーテルカルボン酸を、各々質量割合で40/60の比で混合し、EC5とした。
【実施例】
【0084】
実施例1〜27、比較例1〜6
表3〜9に示す組成の皮膚洗浄剤組成物を製造し、泡立ち、すすぎ性、洗浄効果、肌のなめらかさ(タオルドライ直後、2時間後)、すすぎ時の肌感触、しっとり感、室温安定性、低温保存後の室温安定性を評価した。結果を表3〜9に併せて示す。
なお、実施例で使用した成分(A)の構成は、表1及び表2に示すとおりである。
また、実施例及び比較例で使用した市販のアルキルエーテルカルボン酸(AKYPO RLM25(花王社製)、AKYPO RLM45(花王社製)、AKYPO RLM100NV(花王社製))の平均EO付加モル数は、販売元のカタログ値、ホームページで公開されている値を参考にした。不明なアルキル組成、n=0の成分量、n=1の成分とn=2の成分の合計量に関しては上記方法で分析した。
【0085】
(製造方法)
(1)実施例1〜21、比較例1〜6については、70℃以上に加熱した精製水約60質量%に、成分(A)、成分(C)を添加して完全に溶解させた。次に成分(A)及び(C)を中和する量の水酸化カリウムを添加し、均一になるまで攪拌した。この後、これを室温まで冷却した。この溶液に、残部の水に成分(B)を分散させた液を添加し、成分(B)が均一に分散するまで攪拌し、目的とする皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0086】
(2)実施例22〜24については、70℃以上に加熱した精製水約30〜60質量%に、成分(A)、成分(C)を添加して完全に溶解させた。次に成分(A)及び(C)を中和する量の水酸化カリウムを添加し、均一になるまで攪拌した。この後、これを室温まで冷却した。この溶液に、残部の水と成分(D)の混合液に成分(B)を分散させた液を添加し、成分(B)が均一に分散するまで攪拌し、目的とする皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0087】
(3)実施例25〜26については、70℃以上に加熱した精製水約20質量%に、成分(A)、成分(C)を添加して完全に溶解させた。次に、成分(E)を約25質量%の精製水に分散させ、上記の溶液に添加した。成分(A)、(C)及び(E)を中和する量の水酸化カリウムを添加し、均一になるまで攪拌した。この後、これを室温まで冷却した。この溶液に、残部の水と成分(D)の混合液に成分(B)を分散させた液を添加し、成分(B)が均一に分散するまで攪拌し、目的とする皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0088】
(4)実施例27については、70℃以上に加熱した精製水約20質量%に、成分(A)、成分(C)を添加して完全に溶解させた。次に、成分(E)を約25質量%の精製水に分散させ、上記の溶液に添加した。更に、成分(F)であるラウリルヒドロキシスルタインを添加した後、成分(A)、(C)及び(E)を中和する量の水酸化カリウムを添加し、均一になるまで攪拌した。この後、これを室温まで冷却した。この溶液に、残部の精製水と成分(D)の混合液に成分(B)を分散させた液を添加し、成分(B)が均一に分散するまで攪拌させた後、成分(G)であるグリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテルを添加、均一に分散するまで攪拌させ、目的とする皮膚洗浄剤組成物を得た。
【0089】
(評価方法)
(1)泡立ち:
専門パネリスト5名により、各皮膚洗浄剤組成物1gを手に取り、少量の水を加え手で泡立てたときの泡立ちを、以下に示す5段階評価基準で官能評価し、それぞれの評点の平均値を求めた。
5;泡立ちが非常に良い。
4;泡立ちが良い。
3;泡立ちがやや良い。
2;どちらともいえない。
1;泡立ちが悪い。
【0090】
(2)すすぎ性:
専門パネリスト5名により、各皮膚洗浄剤組成物1gを手に取り、少量の水を加えて泡立てて洗顔した後に水道水ですすいだ。そのときのすすぎ性について、以下に示す5段階評価基準で官能評価し、それぞれの評点の平均値を求めた。
5;非常にすすぎやすい。
4;すすぎやすい。
3;ややすすぎやすい。
2;どちらともいえない。
1;すすぎにくい。
【0091】
(3)洗浄効果:
人前腕内側部7cm2の円を描き、色彩色差計(ミノルタ社製、CR−200)を用いて測色する(基準色)。20μLのカーボンブラックで黒色に着色したモデルコメド皮脂(表10)を上記円内に塗布し、30分間放置した後、ステンレス製スパーテルを用いて、表面の余分なモデルコメド皮脂を取り除く。このとき、色差(ΔE1)を測定し、その値が20〜25の範囲であることを確認する。(この範囲を超えていた場合は、再びスパーテルを用い、ΔE1値が20〜25となるまで余分なモデルコメド皮脂を取り除く。)各皮膚洗浄剤組成物1gを少量(約2g)の水道水を加えて手のひらで30往復させて泡立てた泡を0.5g用い、20回マッサージして洗浄した後、水道水で洗い流した。洗浄後に再び基準色との色差を測色し(ΔE2)、下記式により、洗浄効果を求める。各皮膚洗浄剤組成物について5回繰り返し、その平均値を求めた。
【0092】
【数1】
【0093】
(4)肌のなめらかさ:
専門パネリスト5名により、各皮膚洗浄剤組成物1gを手に取り、少量の水を加えて泡立てて洗顔した後に水道水ですすいだ。タオルドライした直後及び2時間後の肌のなめらかさについて、以下に示す5段階評価基準で官能評価し、それぞれの評点の平均値を求めた。
5;非常になめらかな感じがする。
4;なめらかな感じがする。
3;少しなめらかな感じがする。
2;どちらともいえない。
1;なめらかな感じがしない。
【0094】
(5)すすぎ時の肌感触:
専門パネリスト5名により、各皮膚洗浄剤組成物1gを手に取り、少量の水を加えて泡立てて洗顔した後に水道水ですすいだ。そのときの肌感触について、以下に示す5段階評価基準で官能評価し、それぞれの評点の平均値を求めた。
5;非常に良い。
4;良い。
3;やや良い。
2;あまり良くない。
1;良くない。
【0095】
(6)しっとり感:
専門パネリスト5名により、各皮膚洗浄剤組成物1gを手に取り、少量の水を加えて泡立てて洗顔した後に水道水ですすいだ。タオルドライ後、肌のしっとりする感じについて、以下に示す5段階評価基準で官能評価し、それぞれの評点の平均値を求めた。
5;非常にしっとりする。
4;しっとりする。
3;ややしっとりする。
2;どちらともいえない。
1;しっとりしない。
【0096】
(7)室温安定性:
各皮膚洗浄剤組成物を容量130mLのガラス瓶に100g入れ、室温で1日間放置した後、皮膚洗浄剤組成物中の水不溶性粒子の浮遊(もしくは沈降)状態について目視観察し、以下に示す3段階評価基準で評価した。
○;水不溶性粒子が均一に分散している。
△;水不溶性粒子が不均一であるが、容易に均一に再分散することができる。
×;水不溶性粒子が不均一であり、再分散することができない。
【0097】
(8)低温保存後の室温安定性:
各皮膚洗浄剤組成物を容量130mLのガラス瓶に100g入れ、−5℃の恒温保存庫で1週間放置した後、取り出し、室温に戻した後、皮膚洗浄剤組成物中の水不溶性粒子の浮遊(もしくは沈降)状態について目視観察し、以下に示す3段階評価基準で評価した。
○;水不溶性粒子が均一に分散している。
△;水不溶性粒子が不均一であるが、容易に均一に再分散することができる。
×;水不溶性粒子が不均一であり、再分散することができない。
【0098】
実施例において用いた粉体の平均粒径の測定方法には、レーザ回析/散乱式粒度分布測定装置LA−910(堀場社製)を用い、粉体を水、又は、食塩水に適度に分散させた後、測定した。平均粒径はメジアン径を用いた。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
【表9】
【0108】
【表10】
【0109】
実施例28
以下に示す組成の洗顔料を、実施例27と同様にして製造した。
【0110】
【表11】
【0111】
実施例29
以下に示す組成の洗顔料を、実施例27と同様にして製造した。
【0112】
【表12】
【0113】
実施例30
以下に示す組成の全身洗浄料を、実施例27と同様にして製造した。
【0114】
【表13】
【0115】
実施例31
以下に示す組成の全身洗浄料を、実施例27と同様にして製造した。
【0116】
【表14】
【0117】
実施例28〜31で得られた皮膚洗浄剤組成物はいずれも、泡立ち、すすぎ性及び洗浄効果に優れ、しっとり感が得られ、タオルドライ直後及び2時間後においても肌がなめらかで、安定性も良好であった。