(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
予め決められた物理量の測定値を取得する測定値取得処理、および前記物理量を測定した測定位置を取得する測定位置取得処理を測定装置に実行させる測定用プログラムであって、
補正操作において指定された補正値が予め決められた規定値以下のときに当該補正操作に従って前記測定位置を補正する補正処理と、前記補正操作において指定された補正値および補正後の前記測定位置の少なくとも一方を補正前の前記測定位置および前記測定値と共に記憶部に記憶させる記憶処理とを前記測定装置に実行させる測定用プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、発明者が既に開発している上記の測定装置には、改善すべき以下の課題が存在する。すなわち、上記の測定装置では、GPS機能を用いて取得した携帯型端末の位置(測定位置)を測定器によって測定された測定値と共に記録している。しかしながら、一般的な携帯型端末に搭載されているGPS機能を用いて特定した位置は、数m〜10m程度の誤差を含んでいることがある。このため、この測定装置では、例えば、取得した測定位置と測定値とを用いて解析や表示を行う際に、取得した測定位置が実際の測定位置と異なることに起因して、解析や表示を正確に行うことが困難なことがあり、この点の改善が望まれている。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、測定位置および測定値を用いた解析や表示を正確に行い得る測定装置および測定用プログラムを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定装置は、予め決められた物理量の測定値を取得する測定値取得処理、および前記物理量を測定した測定位置を取得する測定位置取得処理を実行する測定装置であって、前記測定位置を補正するための補正操作が可能な操作部と、前記補正操作に従って前記測定位置を補正する補正処理を実行する補正処理部と、前記補正操作において指定された補正値および補正後の前記測定位置の少なくとも一方を補正前の前記測定位置および前記測定値と共に記憶部に記憶させる記憶処理を実行する記憶処理部とを備え
、前記補正処理部は、前記補正操作において指定された補正値が予め決められた規定値以下のときに前記補正処理を実行する。
【0008】
また、請求項
2記載の測定装置は、請求項
1記載の測定装置において、前記補正処理後の測定位置および前記測定値を地図上に示した画像を表示部に表示させる表示処理を実行可能に構成されている。
【0009】
また、請求項
3記載の測定装置は、請求項1
または2記載の測定装置において、前記物理量を測定する測定器と、前記操作部、前記補正処理部、前記記憶処理部および前記記憶部を有して前記測定器とは別体に構成された携帯型端末とを備え、前記測定器および前記携帯型端末は、互いに通信可能に構成されている。
【0010】
また、請求項
4記載の測定用プログラムは、予め決められた物理量の測定値を取得する測定値取得処理、および前記物理量を測定した測定位置を取得する測定位置取得処理を測定装置に実行させる測定用プログラムであって、
補正操作において指定された補正値が予め決められた規定値以下のときに当該補正操作に従って前記測定位置を補正する補正処理と、前記補正操作において指定された補正値および補正後の前記測定位置の少なくとも一方を補正前の前記測定位置および前記測定値と共に記憶部に記憶させる記憶処理とを前記測定装置に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の測定装置、および請求項
4記載の測定用プログラムでは、補正操作に従って測定位置を補正する補正処理と、補正操作において指定された補正値および補正後の測定位置の少なくとも一方を補正前の測定位置および測定値と共に記憶部に記憶させる記憶処理とを実行する。このため、この測定装置および測定用プログラムでは、例えば、GPS機能によって特定した測定位置を取得した場合において、その測定位置に誤差が含まれていたとしても、その測定位置を補正して記憶させることができるため、例えば、測定位置毎の測定値の変化等の解析をしたり、測定値を測定位置と共に地図上に表示したりする際に、補正後の測定位置を用いることで、その解析や表示を十分正確に行うことができる。また、補正前の測定位置を記憶部に記憶させるため、補正操作において指定された補正値を記憶させない場合においても、補正後の測定位置および補正前の測定位置から(これらの測定位置間の距離から)補正値を特定することができる。このため、この測定装置および測定用プログラムによれば、指定された補正値が適正であるか否かの検証を補正処理後において行うことができる。
【0012】
また、
この測定装置
および測定用プログラムによれば、補正操作において指定された補正値が予め決められた規定値以下のときにのみ補正処理を実行することにより、補正操作のミスによって測定位置が実際の測定位置とは大きく異なる位置に誤って補正される事態を確実に防止することができる。また、取得した測定位置を実際の測定位置とは異なる位置に故意に大きく補正(改ざん)するような不正行為を確実に防止することができる。
【0013】
また、請求項
2記載の測定装置では、補正処理後の測定位置を測定値と共に地図上に示した測定結果画像を表示部に表示させる表示処理を実行する。このため、この測定装置によれば、補正後の正確な測定位置と測定値とを地図上で確認することができるため、例えば、複数の測定位置で測定を行う際の測定作業の進捗状況を正確に把握したり、測定位置毎の測定値を一目で把握したりすることができる。
【0014】
また、請求項
3記載の測定装置によれば、物理量を測定する測定器と、測定器とは別体に構成された携帯型端末とを備え、測定器および携帯型端末を通信可能に構成したことにより、物理量を測定する作業と、補正操作などの各種操作とを別々の測定者が分担して行うことができるため、作業効率を十分に向上させることができる。また、携帯型端末に搭載されているGPS機能、表示機能、タッチ操作機能および記憶機能などを利用することができるため、操作性や利便性を十分に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、測定装置および測定用プログラムの実施の形態について、添付図面を参照して、説明する。
【0017】
最初に、
図1に示す測定装置1の構成について、図面を参照して説明する。測定装置1は、測定装置の一例であって、測定対象体の一例としての接地電極と電源設備のコールド側端子との間の接地抵抗(予め決められた物理量の一例)を測定可能に構成されている。具体的には、測定装置1は、同図に示すように、携帯型端末2および測定器3を備えて構成されている。
【0018】
携帯型端末2は、一例としてスマートフォンであって、
図1に示すように、操作部11、GPS(Global Positioning System )受信部12、送受信部13、記憶部14、音声入出力部15、表示部16および処理部17を備えて構成され、電話機として機能すると共に、各種の処理を実行する端末として機能する。
【0019】
操作部11は、各種の操作ボタン(図示せず)を備えて構成され、これらのボタンが操作されたときに操作信号を出力する。また、操作部11は、表示部16の表面側に配設された図外のタッチパネルを備えており、タッチパネルに対する操作(タッチ操作)が行われたときにも操作信号を出力する。この場合、この携帯型端末2では、操作ボタンやタッチパネルを用いることにより、通話の操作や、後述する測定位置Pdを補正するための補正操作を行うことが可能となっている。
【0020】
GPS受信部12は、処理部17の制御に従って位置特定処理を実行し、測定装置1の位置(携帯型端末2の位置)を測位すると共に、測位した位置を示す位置データDpを出力する。送受信部13は、処理部17の制御に従い、測定器3の送受信部23との間で、各種の指示信号Siの送信(出力)や測定データDdの受信(入力)を行う。つまり、携帯型端末2および測定器3は、有線回線または無線回線を介して互いに通信可能に構成されている。
【0021】
記憶部14は、後述する測定値取得処理、測定位置取得処理、補正処理および記憶処理を処理部17に実行させる測定用プログラムを記憶する。また、記憶部14は、電話帳データ、測定器3から送信される測定データDd、およびGPS受信部12から出力される位置データDpを記憶する。また、記憶部14は、後述する表示処理において用いる地図データDm、および処理部17によって生成される後述する記録データDrを記憶する。
【0022】
音声入出力部15は、携帯型端末2を電話として機能させる際に音声を入力するマイクロフォンおよび音声を出力するスピーカ(いずれも図示せず)を備えて構成されている。
【0023】
表示部16は、処理部17の制御に従って各種の画像を表示する。具体的には、表示部16は、通話用の画像(電話帳画像)や各種の設定用画像を表示する。また、表示部16は、測定装置1を用いて測定した接地抵抗の測定値Rdと、測定値Rdを測定した時点においてGPS受信部12によって測位された位置(この位置を「測定位置Pd」ともいう)を地図上に示した測定結果画像Gd(
図4参照)を表示する。また、表示部16は、後述する補正処理が実行されたときには、補正後の測定位置Pdを地図上に示した測定結果画像Gd(
図7参照)を表示する。
【0024】
処理部17は、記憶部14に記憶されている測定用プログラムに従って携帯型端末2を構成する各部を制御する。また、処理部17は、測定器3から送信された測定データDdに基づいて接地抵抗の測定値Rdを取得する測定値取得処理を実行する。また、処理部17は、GPS受信部12から出力された位置データDpに基づいて測定位置Pdを取得する測定位置取得処理を実行する。さらに、処理部17は、補正処理部として機能して、位置データDpに基づいて取得した測定位置Pdを補正操作に従って補正する補正処理を実行する。この場合、処理部17は、補正操作において指定された補正値Vpが予め決められた規定値Vh以下のときに補正処理を実行する。
【0025】
また、処理部17は、記憶処理部として機能し、
図3に示すように、接地抵抗が測定された時刻(測定データDdが生成された時刻:以下「測定時刻Td」ともいう)、測定位置Pd(測定位置Pdを示す緯度・経度)、および測定値Rdを関連づけたデータ(以下、「記録データDr」ともいう)を生成して、記憶部14に記憶させる記憶処理を実行する。この場合、処理部17は、補正処理を実行したときには、この記憶処理において、補正後の測定位置Pdを、測定時刻Td、補正前の測定位置Pdおよび測定値Rdに関連づけた記録データDrを生成して記憶部14に記憶させる。さらに、処理部17は、表示処理を実行して、上記した測定結果画像Gdを表示部16に表示させる。
【0026】
測定器3は、
図1に示すように、操作部21、測定部22、送受信部23、記憶部24および制御部25を備えて構成されている。
【0027】
操作部21は、各種の操作ボタン(図示せず)を備えて構成され、これらの操作ボタンが操作されたときに操作信号を出力する。
【0028】
測定部22は、制御部25の制御に従って測定処理を実行し、物理量の一例としての接地抵抗を測定して、測定値Rdおよび測定時刻Tdを示す測定データDdを出力する。送受信部23は、制御部25の制御に従い、携帯型端末2の送受信部13との間で、指示信号Siの受信(入力)や測定データDdの送信(出力)を行う。記憶部24は、制御部25の制御に従って測定部22から出力された測定データDdを記憶する。
【0029】
制御部25は、操作部21から出力される操作信号、および送受信部23によって受信される指示信号Si(携帯型端末2から送信された指示信号Si)に従い、測定部22および送受信部23を制御する。
【0030】
次に、測定装置1の使用方法、および測定装置1の動作について、図面を参照して説明する。一例として、
図2に示すように、工場敷地300内における複数の測定地点(例えば、同図に示す測定地点A1〜A6:区別しないときには「測定地点A」ともいう)において電源設備の接地抵抗を測定して、その測定時刻Td、測定位置Pdおよび測定値Rdを記録する例について説明する。
【0031】
測定に先立ち、測定装置1における携帯型端末2の送受信部13と測定器3の送受信部23とを接続する。この場合、一例として、送受信部13と送受信部23とを通信用ケーブルで接続する。次いで、最初の測定地点A1において接地抵抗を測定する。具体的には、測定者が測定装置1(携帯型端末2および測定器3)を携帯して測定地点A1に移動し、続いて、測定地点A1において、測定器3の操作部21を操作して、測定処理の実行を指示する。この際に、操作部21が操作信号を出力し、これに応じて、測定器3の制御部25が、測定部22を制御して測定処理を実行させる。
【0032】
この測定処理では、測定部22は、測定対象体間(例えば、接地電極と電源設備のコールド側端子との間)に測定用電流を供給し、その測定用電流の供給に伴って生じる電圧の電圧値と、測定用電流の電流値とに基づいて測定対象体間の抵抗(接地抵抗)を測定し、その測定値Rdを示す測定データDdを出力する。次いで、制御部25は、測定データDdを記憶部24に記憶させる。
【0033】
続いて、携帯型端末2の操作部11を操作して、測定値取得処理および測定位置取得処理の実行を指示する。この際に、操作部11が操作信号を出力し、これに応じて、携帯型端末2の処理部17が、送受信部13を制御して、測定データDdの送信を指示する指示信号Siを測定器3に送信(出力)させる。
【0034】
また、処理部17は、GPS受信部12を制御して位置特定処理を実行させる。この位置特定処理では、GPS受信部12は、複数のGPS衛星から受信した時刻データと、内部時計から出力される時刻データとに基づいて、測定装置1と各GPS衛星との間の距離を算出し、算出した各距離から測定装置1の位置(携帯型端末2の位置)を測位する。次いで、GPS受信部12は、測位した位置を示す位置データDpを出力する。
【0035】
一方、測定器3では、送受信部23が、携帯型端末2の送受信部13から送信された指示信号Siを受信(入力)して制御部25に転送する。続いて、制御部25は、指示信号Siに従い、記憶部24から測定データDdを読み出すと共に、送受信部23を制御して、測定データDdを携帯型端末2に送信(出力)させる。
【0036】
次いで、携帯型端末2の送受信部13が、送受信部23から送信された測定データDdを受信(入力)して処理部17に転送する。続いて、処理部17は、測定値取得処理を実行して、送受信部13から転送された(測定器3から送信された)測定データDdに基づいて測定時刻Tdおよび測定値Rdを取得する。また、処理部17は、測定位置取得処理を実行して、GPS受信部12から出力された位置データDpに基づいて測定位置Pd(測定時刻Tdにおける測定位置Pd)を取得する。次いで、処理部17は、取得した測定時刻Td、測定値Rdおよび測定位置Pdを関連付けた記録データDr(
図3参照)を生成して記憶部14に記憶させる。これにより、測定地点A1における測定が終了する。
【0037】
続いて、測定者が測定装置1を携帯して次の測定地点A2(
図2参照)に移動し、上記した手順で接地抵抗の測定を行う。この際には、測定器3が測定地点A2における接地抵抗を測定し、携帯型端末2がその測定時刻Td、測定値Rdおよび測定位置Pdを関連づけた記録データDr記憶する。以下、同様にして、各測定地点A3〜A6において接地抵抗の測定を行う。
【0038】
この場合、各測定地点Aにおける測定が終了した時点では、携帯型端末2の記憶部14に記憶されている記録データDrには、
図3に示すように、互いに関連づけられた測定地点A毎の測定時刻Td、測定位置Pdおよび測定値Rdが含まれている。
【0039】
ここで、この測定装置1(携帯型端末2)は、測定位置Pdおよび測定値Rdを地図上に示した測定結果画像Gdを表示する機能を有している。この機能を利用して測定結果画像Gdを表示させるときには、携帯型端末2における操作部11を操作して、表示処理の実行を指示する。この際に、操作部11から出力された操作信号に従い、処理部17が記憶部14から地図データDmおよび記録データDrを読み出す。
【0040】
次いで、処理部17は、
図4に示すように、測定位置Pd(各測定地点A1〜A6の位置)を表すマーク(例えば、同図に黒丸で示すマーク:以下「位置マーク」ともいう)と、測定値Rdを表す数字とを、工場敷地300(
図2参照)の地図上に示した測定結果画像Gdを表示するための画像データを、地図データDmおよび記録データDrに基づいて生成する。続いて、処理部17は、画像データを表示部16に出力する。これにより、同図に示すように、表示部16に測定結果画像Gdが表示される。なお、同図および後述する
図5,7に示す「A1」〜「A6」の文字は、実際の測定結果画像Gdには表示されない。
【0041】
一方、携帯型端末2を含むこの種の携帯型端末に搭載されているGPS機能を用いて特定した位置(上記した測定位置Pd)は、数m〜10m程度の誤差を含んでいることがある。このため、記録データDr内の測定位置Pd(記録データDrに含まれている測定位置Pd)、つまり、測定位置取得処理を実行して位置データDpに基づいて取得した測定位置Pdが、実際の測定位置Pdとは異なることがある。この測定装置1(携帯型端末2)は、このように記録データDr内の測定位置Pd(取得した測定位置Pd)と実際の測定位置Pdとが異なっているときに、記録データDr内の測定位置Pdを補正する機能を有している。
【0042】
この機能を用いて補正を行うときには、携帯型端末2における操作部11を操作して、補正の開始を指示する。この際に、操作部11から出力された操作信号に従い、処理部17が補正処理を実行する。この補正処理では、処理部17は、
図5に示すように、地図上に位置マークを示した補正用の画像(以下、「補正用画像Gr」ともいう)を表示部16に表示させ、この状態において操作部11に対して行われる補正操作に従って記録データDr内の測定位置Pdを補正する。具体的には、タッチパネル上において位置マーク(位置マークに対向する位置)にタッチ操作した状態でドラッグ操作を行い、タッチ位置を任意の位置に移動させ(同図参照)、その位置でタッチ状態を解除する。この際に、処理部17は、操作部11から出力される操作信号に基づいてタッチ位置の移動量を特定する。
【0043】
次いで、処理部17は、特定した移動量から補正値Vpを算出する。続いて、処理部17は、算出した補正値Vp(補正操作において指定された補正値Vp)が予め決められた規定値Vh(例えば、1000m)以下であるか否かを判別する。この場合、補正値Vpが規定値Vh以下のときには、処理部17は、算出した補正値Vp分だけ測定位置Pdを補正する(測定位置Pdを示す緯度および経度を補正値Vp分だけ増減する)。
【0044】
次いで、処理部17は、記憶処理を実行し、
図6に示すように、補正後の測定位置Pdを、上記した測定時刻Td、補正前の測定位置Pdおよび測定値Rdに関連づけた記録データDrを生成して記憶部14に記憶させる。続いて、処理部17は、補正後の測定位置Pdおよび測定値Rdを地図上に示した補正後の測定結果画像Gdを表示させる画像データを生成して表示部16に出力する。これにより、
図7に示すように、表示部16に補正後の測定結果画像Gdが表示される。
【0045】
上記したように、この測定装置1では、取得した測定位置Pdを補正して補正後の測定位置Pdを含んだ記録データDrを記憶させることができるため、例えば、測定位置Pd毎の測定値Rdの変化などの解析や、測定値Rを測定位置Pdと共に地図上に表示したりする際に、その解析や表示を正確に行うことが可能となっている。なお、上記した補正操作においてタッチ位置を移動させる際に、その移動に連動して位置マークが地図上で移動するような測定結果画像Gdを表示させてもよい。
【0046】
一方、算出した補正値Vp(補正操作において指定された補正値Vp)が予め決められた規定値Vhを超えるときには、処理部17は、補正処理を実行することなく、補正値Vpが規定値Vhを超えている旨を表示部16に表示させる。このように、補正値Vpが規定値Vh以下のときにのみ処理部17が補正処理を実行することにより、補正操作のミスによって測定位置Pdが誤った位置に補正される事態が確実に防止される。また、取得した測定位置Pdを実際の測定位置Pdとは異なる位置に故意に大きく補正(改ざん)するような不正行為を確実に防止することが可能となっている。
【0047】
このように、この測定装置1および測定用プログラムでは、補正操作に従って測定位置Pdを補正する補正処理と、補正後の測定位置Pdを補正前の測定位置Pdおよび測定値Rdと共に記憶部14に記憶させる記憶処理とを実行する。このため、この測定装置1および測定用プログラムでは、例えば、GPS機能によって特定した測定位置Pdを取得した場合において、その測定位置Pdに誤差が含まれていたとしても、その測定位置Pdを補正して記憶させることができるため、例えば、測定位置Pd毎の測定値Rdの変化等の解析をしたり、測定値Rを測定位置Pdと共に地図上に表示したりする際に、補正後の測定位置Pdを用いることで、その解析や表示を十分正確に行うことができる。また、補正前の測定位置Pdを記憶部14に記憶させるため、補正後の測定位置Pdおよび補正前の測定位置Pdから(これらの測定位置Pd間の距離から)補正操作において指定された補正値Vpを特定することができる。このため、この測定装置1および測定用プログラムによれば、指定された補正値Vpが適正であるか否かの検証を補正処理後において行うことができる。
【0048】
また、この測定装置1および測定用プログラムによれば、補正操作において指定された補正値Vpが予め決められた規定値Vh以下のときにのみ補正処理を実行することにより、補正操作のミスによって測定位置Pdが実際の測定位置Pdとは大きく異なる位置に誤って補正される事態を確実に防止することができる。また、取得した測定位置Pdを実際の測定位置Pdとは異なる位置に故意に大きく補正(改ざん)するような不正行為を確実に防止することができる。
【0049】
また、この測定装置1および測定用プログラムでは、補正処理後の測定位置Pdを測定値Rdと共に地図上に示した測定結果画像Gdを表示部16に表示させる表示処理を実行する。このため、この測定装置1および測定用プログラムによれば、補正後の正確な測定位置Pdと測定値Rdとを地図上で確認することができるため、例えば、複数の測定位置Pd(測定地点A)で測定を行う際の測定作業の進捗状況を正確に把握したり、測定位置Pd毎の測定値Rdを一目で把握したりすることができる。
【0050】
また、この測定装置1では、接地抵抗を測定する測定器3と、測定器3とは別体に構成された携帯型端末2とを備え、測定器3および携帯型端末2を通信可能に構成したことにより、物理量(接地抵抗)を測定する作業と、補正操作などの各種操作とを別々の測定者(作業者)が分担して行うことができるため、作業効率を十分に向上させることができる。また、携帯型端末2に搭載されているGPS機能、表示機能、タッチ操作機能および記憶機能などを利用することができるため、操作性や利便性を十分に高めることができる。
【0051】
なお、測定装置1および測定用プログラムは、上記の構成に限定されない。例えば、送受信部13と送受信部23とを通信用ケーブルで接続し、通信用ケーブルを介して指示信号Siや測定データDdの送受信(通信)を行う例について上記したが、送受信部13および送受信部23が無線で通信を行う構成を採用することもできる。
【0052】
また、補正後の測定位置Pdを、測定時刻Td、補正前の測定位置Pdおよび測定値Rdと共に記憶させる例について上記したが、補正後の測定位置Pdに代えて、補正値Vpを記憶させる構成を採用することもできるし、補正後の測定位置Pdおよび補正値Vpの双方を記憶させる構成を採用することもできる。これらの構成においても、上記した測定装置1および測定用プログラムと同様の効果を奏することができる。
【0053】
また、GPS受信部12を備えた携帯型端末2を用いる例について上記したが、測定器3にGPS機能を搭載して、測定器3のGPS機能を用いて測定位置Pdを取得する構成を採用することもできる。また、測定器3に表示部を設けて、測定器3の表示部に測定結果画像Gdを表示させる構成や、測定装置1以外の表示部に測定結果画像Gdを表示させる構成を採用することもできる。また、測定器3に記憶部を設けて、測定器3の記憶部に記録データDrを記憶させる構成や、測定装置1以外の記憶部に記録データDrを記憶させる構成を採用することもできる。
【0054】
また、別体に構成された携帯型端末2および測定器3で測定装置1を構成した例について上記したが、携帯型端末2および測定器3が有する各機能(携帯型端末2および測定器3に搭載されている各構成要素)を備えて単体の測定装置を採用することもできる。また、物理量の一例としての接地抵抗を測定する例について上記したが、接地抵抗以外の他の物理量(例えば、電流、電圧および電力など)の測定に適用することができるのは勿論である。