(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓋は、前記開口の下部に設けたピン孔に嵌め込まれる支持ピンと、前記開口の上部に設けられたネジ穴に対応する固定用ボルトとを有するとともに、外側に取手を設けたことを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
前記蓋は、前記開口の下部に設けた一対のヒンジにより支持し、一方のヒンジ側の開孔を水平方向に長孔状に形成し、他方のヒンジ側のピンを前記開孔に移動可能な状態に嵌め込むとともに、前記開口の上部に前記蓋を押え付けるための締結具を設け、前記蓋の外側に取手を設けたことを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
前記保持用フランジにアームを取り付け、前記アームの先端部に支持ピン用の開孔を設け、前記開孔を前記仕切板の下方位置に設けた支持ピンに取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の集塵機。
前記ノズルは、配管部に回転自在なカプラを取り付け、前記ノズルの先端部および配管部を前記開口の延長領域外に位置するよう回動可能に構成させた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の集塵機。
前記筒型フィルタの長手方向における前記仕切板寄りの上方に位置し、前記筒型フィルタに向けて圧力気体を噴出させるノズルを設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の集塵機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特許文献2、3のように病院や生物・化学研究施設内やグローブボックス、またはクリーンルームのような限られた空間内の気体から粉塵を除去して空気を浄化する換気目的というよりも、搬送気体から粉塵を分離し収集するためのものであり、特許文献1と同様の粉塵を収集するための集塵機に関するものである。なお、特許文献1と特許文献2、3の違いは、フィルタでろ過して収集する粉塵の処理量に大きな差があることで、その使われ方に違いが出てくる。すなわち、特許文献2、3では排気中から収集される粉塵は比較的微量で、かつ粉塵は殆どがフィルタ面で補足されていると考えられることから、フィルタを交換することによってフィルタと共に概ねその全量の粉塵をも機外に排出させることができる。他方、特許文献1の集塵機では、殆どの粉塵はフィルタでろ過されるものの、払落し操作を受けてフィルタ面に付着した粉塵の大半は下方に設けられたダストチャンバなど貯蔵容器内に集められるため、フィルタ面に付着したままの粉塵は多くなることはない。
【0008】
しかし、払落された後もフィルタ面には粉塵が付着しており、特許文献1の集塵機では、使用済フィルタを取り外して新規フィルタを取り換える際に、使用済フィルタに付着した粉塵が清浄室側に漏れ出たり、除塵室と清浄室との仕切壁の一部に付着したりすることで、粉塵が清浄室または大気中に放出される結果となる。特に、粉塵が放射性物質や薬物等を扱う環境下で発生するものでは人体に危害を及ぼす有害物質や健康上好ましくない物質である場合が多く、これら粉塵が飛散して環境汚染を起こすことのないよう、その対応と改善が求められている。
【0009】
また、払落し操作を行ってもフィルタ面の目詰まり発生が進むと、比較的早目のフィルタ交換が必要になる。その際には、フィルタ交換が簡便に行えることも求められる要素となる。こうした点に鑑み、本発明は、集塵機のフィルタの交換時において、使用済フィルタを取り外す際に、除塵室側に排出されるべき粉塵が清浄室側に漏れることがなく、また新規フィルタの取り付けも簡単かつ確実に行うことができるフィルタ交換機構を備えた集塵機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の特徴構成は、含塵気体の流入口を有し、カートリッジ式の筒型フィルタが設置される除塵室と、前記筒型フィルタを通過した気体を排出させる排気口と前記筒型フィルタ内に向けて圧力気体を噴出させるノズルとを設けた清浄室と、前記除塵室の下部に設けられた粉塵の貯留部と、前記除塵室と前記清浄室を区画する仕切板
と、を有する集塵機であって、前記仕切板
、前記除塵室のケーシング壁面および前記清浄室のケーシング壁面には
、前記筒型フィルタが貫通可能な開口を設け、前記
除塵室のケーシング壁面の前記開口を開閉する蓋と前記蓋を内包し筒型フィルタ用収容袋を保持する短管状の取出管
とを、前記除塵室のケーシング壁面の外側に設ける一方、前記清浄室のケーシング壁面の前記開口を開閉する蓋と前記蓋を内包し筒型フィルタ用収容袋を保持する短管状の挿入管
とを、前記清浄室のケーシング壁面の外側
に設けたことにある。
【0011】
これらの構成によって、新規の筒型フィルタの挿入口と使用済の筒型フィルタの取出口とを別々に分けることで、清浄室側および新規の筒型フィルタの挿入口側に粉塵が漏れることがなくなる。また、新規の筒型フィルタの挿入口から使用済の筒型フィルタの取出口への通路を直線状にすることができるため、新規の筒型フィルタの挿入と使用済の筒型フィルタの取り外しを合わせて行うことができ、かつ使用済の筒型フィルタの取り出しを極めて円滑に行なえるようになった。
【0012】
本発明の第二の特徴構成は、前記蓋は、前記開口の下部に設けたピン孔に対応する支持ピンと、前記開口の上部に設けられたネジ穴に対応する固定用ボルトとを有し、外側に取手を設けたことにある。
前記蓋は、ピン孔にピンを嵌め込むことにより、前記蓋の位置決めが素早く行え、固定用ボルトでの締め付けも確実に行える。また、前記取手により蓋の開閉が要領よく行なえるようになった。
【0013】
本発明の第三の特徴構成は、前記蓋は、前記開口の下部に設けた一対のヒンジにより支持し、一方のヒンジ側の開孔を水平方向に長孔状に形成し、他方のヒンジ側のピンを前記開孔に移動可能な状態に嵌め込むとともに、前記開口の上部に前記蓋を押え付けるための締結具を設け、前記蓋の外側に取手を設けたことにある。
前記蓋は、前記ヒンジにより前記開口の手前側に倒せるとともに、前記開口を閉じる際には前記ヒンジ側の開孔とピンおよび締結具とにより、前記開口面に対して前記蓋を平行に合わせることができ、前記開口を確実に密封させることができる。また、前記取手により蓋の開閉が要領よく行なえるようになった。
【0014】
本発明の第四の特徴構成は、前記仕切板の
前記開口に前記筒型フィルタの内径と同程度の開口を有する筒型フィルタの保持用フランジを
前記清浄室側に取り付けたことにある。
前記筒型フィルタの保持用フランジと前記除塵室側の蓋とで前記筒型フィルタの両端面を挟み込むことにより、筒型フィルタの支持と気密保持を確実に行うことができる。
【0015】
本発明の第五の特徴構成は、前記筒型フィルタの保持用フランジにアームを取り付け、前記アーム先端部に支持ピン用の開孔を設け、前記開孔を前記仕切板の下方位置に設けた支持ピンに取り付けたことにある。
前記保持用フランジおよびアームを、アーム先端部に設けた開孔に取り付けた支持ピンを支点として自在に回動させることができ、前記筒型フィルタの取り付け時には前記保持用フランジを仕切板の開口位置から一時的にずらすことができるので、仕切板の開口への筒型フィルタの挿入および取り付けを容易に行なうことができる。
【0016】
本発明の第六の特徴構成は、前記ノズルは、配管部に回転自在なカプラを取り付け、前記ノズルの先端部および配管部を前記開口の延長領域外に位置するよう回動可能に構成させたことにある。
前記ノズルを前記開口の延長領域から外れた位置にずらすことで、筒型フィルタの取り付けと前記保持用フランジの取り付けを支障なく円滑に行なうことができる。
【0017】
本発明の第七の特徴構成は、前記除塵室の前記筒型フィルタの下側に近接し前記筒型フィルタの長手方向に沿ってガイド部材を設けたことにある。
前記除塵室の筒型フィルタの下側に近接し前記筒型フィルタの長手方向に沿ってロッド状のガイド部材を設置することによって、筒型フィルタの取り付けと取り外しの際の筒型フィルタをガイドする機能を有するとともに、筒型フィルタの落下を防止することができる。ここで、ガイド部材を2本のロッドを適度な間隔で平行に配置する構成とすることで、筒型フィルタの保持を効果的に行うことができ、かつ前記ロッドを細めのものにすることで筒型フィルタから払い落とされた粉塵が当該ロッドの上面に堆積しないようにすることができる。
【0018】
本発明の第八の特徴構成は、前記短管状の
前記取出管および
前記挿入管の外周囲には連続した少なくとも二つのリング状の凹溝または二つのリング状の突起が設けられていることにある。
この二つのリング状の凹溝または二つのリング状の突起に封止機能を持った使用済の筒型フィルタの回収袋または新規の筒型フィルタの収納袋を取り付けることができ、所定の手順に沿って筒型フィルタを手際よく円滑に取り換えることができる。
【0019】
本発明の第九の特徴構成は、前記筒型フィルタの長手方向における前記仕切板寄りの上方に位置し、前記筒型フィルタに向けて圧力気体を噴出させるノズルを設けたことにある。
前記筒型フィルタの前記仕切板寄りの上方位置に圧力気体を噴出させるノズルを設けることによって前記ノズルからの圧力気体によって前記筒型フィルタの上面に堆積した粉塵を払い落すことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、集塵機のフィルタの交換時において、使用済の筒型フィルタを取り外す際に挿入する新規の筒型フィルタによって使用済の筒型フィルタを押し出すことで、使用済の筒型フィルタを取出管から簡単に取り外すことができる。また、筒型フィルタを清浄室側から除塵室側に一方方向に移動させて排出することで、除塵室側に排出されるべき粉塵が清浄室側に漏れ出るおそれがなく、新規の筒型フィルタの取り付けも簡単かつ確実に行うことができ、フィルタ交換の際の作業者に対する安全衛生面および環境面での問題も合わせて解決することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を
図1ないし
図5をもって以下に説明する。
集塵機1は、ケーシング2とそれを支える架台19、およびケーシング2下部に設けられ、下方に向けて縮小された貯留部20と、その下部にバタフライ弁21を介してダストボックス22が取り付けられている。また、架台19に取り付けられている操作盤23は気体洗浄機構8により筒型フィルタ10の内部に圧力気体を噴射させて前記筒型フィルタ10の表面に付着した粉塵を払い落すための圧力気体の噴射を制御するためのものである。気体洗浄機構8は、後述する圧力気体を噴出させるノズル8aと配管8c、ダイヤフラム弁8d、電磁弁8e、および圧力チャンバ8fとによって構成されている。
【0023】
ケーシング2内は、仕切板4によって筒型フィルタ10が取り付けられる除塵室2bと前記筒型フィルタ10によってろ過されたガスが流通する清浄室2aとに区画されており、除塵室2bには含塵ガスの流入口17が、清浄室2aにはろ過されたガスの排気口18が設けられている。除塵室2bの下部には貯留部20が設けられる。また、除塵室2bには使用済の筒型フィルタ10bの取出口3bが、清浄室2aには新規の筒型フィルタ10aの挿入口3aが互いに対称方向に開口されており、仕切板4に設けた開口4aとも通じて新規の筒型フィルタ10aを直線上に挿入して取出しできるように構成されている。ここで、清浄室2aの奥行き幅は筒型フィルタ10の全長よりも狭くしており、新規の筒型フィルタ10aを挿入する際に新規の筒型フィルタ10aが清浄室2aの中に落下してしまわないようにしている。
また、仕切板4の開口4aを挟む清浄室2aの挿入口3aから除塵室2bの取出口3bに至る通路は水平にするか、あるいは挿入口3aを取出口3bよりも高くするよう傾斜させてもよい。こうすることで、使用済の筒型フィルタ10bおよび除塵室2bからの粉塵が清浄室2a内に漏れ込むことをさらに防止できる。
【0024】
清浄室2aの開口3aと除塵室2bの開口3bには、ケーシング2の外側から開閉可能な蓋6、7が設けられる。蓋6の上部には締結ネジ15によりケーシング2に密着されるようになっており、蓋6とケーシング2とは挿入口3a回りに設けられた環状のガスケット12により気密性が保たれるようにされている。締結ネジ15は、
図4では蓋6、7に対して1つだけにしており、
図5ではフランジ5に対して各4個を使用している。但し、締結ネジ15の数はこれに限るものではなく、蓋6、7の大きさ等より適宜決められるものである。
【0025】
蓋6には、中央部にハンドル6aが取り付けられており、下部には長孔6cを有するブラケット6bが取り付けられ、長孔6cには支持ピン6dが差し込まれ、この支持ピン6dを支点として蓋6は図中の矢印のように上方から下方に開くようになっている。また、蓋6にはブラケット6bよりも上方位置に支持棒6eが取り付けられている。この支持棒6eは蓋6が図中の破線で示した位置まで開放した際の脚台になるもので、後述する短管状の挿入管9aから新規の筒型フィルタ10aを挿入する際に蓋6aの上面を受け台として利用することができる。このブラケット6bによる構成については、蓋7にも適用可能である。
【0026】
除塵室2b側の蓋7についても、中央部にハンドル7aが取り付けられており、ハンドル7aの下部には鉤状のフック用ピン7bが取出口3bの縁に掛けられ、この部分を支点として蓋7は上方から下方に開閉できるようになっている。なお、蓋7が下方に下げられたところで、蓋7の下部を持ち上げると、フック用ピン7bが取出口3bの縁から外れるので、蓋7自体を取出口3bから取り外すこともできる。また、蓋7の上部には締結ネジ15によりケーシング2に密着されるようになっており、蓋7とケーシング2とは取出口3b回りに設けられた環状のガスケット12により気密性が保たれるようにされている。ここで、締結ネジ15は緩めた際にも蓋6、7から外れることがないよう、ネジ部の一部を細くしてリングやワッシャなどで蓋6、7のネジ孔に保持されるようにしている。また、締結ネジ15について、
図4、5では蝶ボルトの形状で表わしているが、様々な形状のグリップを持ったネジが使用可能である。これらは後述するフランジ5の締結ネジ15の場合にも同様である。
【0027】
挿入口3aおよび取出口3bを設けたケーシング2の外側には、蓋6および蓋7を囲むように短管状の挿入管9aおよび取出管9bが取り付けられている。この挿入管9aおよび取出管9bの外周にはリング状の二つの突起9cが設けられている。この突起9cは新規の筒型フィルタ10aと使用済の筒型フィルタ10bおよび古い収納袋の切れ端などを収納する収納袋を保持するためのものである。
【0028】
仕切板4の開口4aは挿入口3aおよび取出口3bと同様に筒型フィルタ10が十分に通過できる程度の大きさを有し、挿入口3aからこの開口4aを経て取出口3bへと筒型フィルタ10を貫通させるように構成されている。仕切板4の開口4aの清浄室2a側には筒型フィルタ10の端面を押して取出口3bに押し当てるためのフランジ5が設けられている。筒型フィルタ10にはその両端面に環状のガスケット11が貼り付けられ、蓋7とフランジ5との間で気密保持される。
【0029】
また、ガスケット11とは別に筒型フィルタ10の両端面には、ガスケット11の外側で筒型フィルタ10の外周側に突出する環状のベローズ13が貼り付けられている。このベローズ13は、ケーシング2の開口3bおよび仕切板4の開口4aと筒型フィルタ10との隙間を塞ぐ目的で設けられ、運転時および筒型フィルタ10の交換時に粉塵が除塵室2bから清浄室2aに混入するのを防止するためのものである。ベローズ13は薄手のゴム等の可撓性の材料で構成されており、筒型フィルタ10の挿入時および取り出し時に筒型フィルタ10と開口4aおよび開口3bとの微小な隙間を通過させる場合でも、ベローズ13自体が折れ曲がって同隙間を抜けることができるため、筒型フィルタ10の交換の際にも問題とはならない。
【0030】
フランジ5は開口5aよりも十分に大きな外径を有し、開口5aは筒型フィルタ10の内筒径と略同等の大きさである。開口5aの下部側にはアーム5bが取り付けられ、その先端は支持ピン5cによって保持され、支持ピン5cにはバネ5dが嵌め込まれ、フランジ5を仕切板4面に押え付ける機能を持たせている。そして、フランジ5の中間部に当たる開口5aの下部位置にはグリップ5eが取り付けられ、グリップ5eを操作することで、支持ピン5cを支点としてフランジ5全体を仕切板4の開口4aから移動させて完全にずらせるように回動可能にされている。また、このフランジ5を移動の前後において設定された位置に安定して保持するため、留め具として止めピン5fを各々所定の位置に取り付けている。フランジ5の上部には締結ネジ15が取り付けられ、フランジ5を仕切板4面に押し付けて固定するようにしており、フランジ5と仕切板4とは開口4a回りに設けられた環状のガスケット12により気密性が保たれるようにされている。締結ネジ15は前記蓋6、7の場合と同様で、フランジ5のネジ孔に対して取り付けられる。
【0031】
蓋6、7の開閉における別の実施形態として、
図6のような構造にすることも可能である。これは、蓋6、7の開閉時の簡便性と開口部における気密性とを合わせ持つ機構である。ここでは、使用済の筒型フィルタ10bの取出管9b側の蓋7について表わしているが、蓋6についても同様である。以下に、構成を述べる。
取出管9b内のケーシング2の開口3b周辺の対称位置に鉤部25を有するホルダ24を二つ取り付ける。具体的にはホルダ24はアングル材を互いに対称向きにし、先端部に平板を付けて鉤部25としたものである。クランプバー26を回転させつつ鉤部25に嵌め込むことで、クランプバー26の両端は鉤部25によってホルダ24に取り付けられる。クランプバー26の中央にはネジ孔27が設けられ、このネジ孔27には大きめのグリップを持つ締め付けネジ28が取り付けられる。ホルダ24の鉤部25はクランプバー26に対してストッパの機能を持ち、クランプバー26から突出した締め付けネジ28の先端は蓋7の中心部を押し、取出管9b内の開口3bに対して蓋7を平行移動させて閉じることができる。この場合、締め付けネジ28の先端が当たる蓋7の中心部には窪み部29を設ける。そのため蓋7の中心部は他の箇所よりも肉厚にするか、窪み部29を持つ突出した部材を別に設けるのが好ましい。
【0032】
この開閉機構はフランジ5にも適用できるが、フランジ5については開口5aが存在するため、これを適用するには、ホルダ24を仕切り板4の開口4aの外側に取り付けた上で、開口5aを橋渡しするブリッジ材(図示せず)を別に設けるか、あるいはフランジ5の開口5aを避けたリング部分に対応させたクランプバー26の位置にネジ孔を二つ設け、これらに締め付けネジ28を付けることで、適応させることができる。但し、いずれの場合もフランジ5の開口5aおよび仕切板4の開口4a、すなわち筒型フィルタ10を通過した気体の流路の一部を遮る部材となるため、これらを設ける際には当該部材については極力幅の狭いものにするなどの注意が必要となる。
【0033】
清浄室2aには筒型フィルタ10を洗浄するための気体洗浄機構8の一部を構成するノズル8aおよびその噴出口8bが筒型フィルタ10の内筒部内に向けて圧力気体を噴出させる位置に配置されている。ノズル8aは配管8cに接続され、圧力チャンバ8fに貯留され、電磁弁8eおよびダイヤフラム弁8dを介して送られてきた圧力気体を受けて噴出口8bから筒型フィルタ10内に噴射させるもので、通常逆洗と称される洗浄作用によって筒型フィルタ10の表面に付着した粉塵を払い落とすものである。払い落とされた粉塵はケーシング2の下部の貯留部20に一旦貯留され、その後、バタフライ弁21を開いてダストボックス22内に投入させて回収する。
【0034】
ここで、ノズル8aは配管8cの途中に設けた回転可能なカップリング(図示省略)によって、挿入口3aおよび開口4aの及ぶ領域、言い換えれば筒型フィルタ10が移動する通路域の外に移動させる。具体的には、図中の矢印の先の破線で示した清浄室2aの上方側の位置まで跳ね上げるように構成されている。こうすることで、挿入口3aから挿入された新規の筒型フィルタ10aはノズル8aに当たることなく、仕切板4の開口4aに挿入でき、筒型フィルタ10の交換を支障なく行うことができる。
【0035】
また、除塵室2bに保持された筒型フィルタ10の下側に近接して筒型フィルタ10の長手方向に沿ったガイド部材16が設けられている。このガイド部材16は仕切板4の開口4aから挿入させた筒型フィルタ10を取出口3bおよび蓋7に嵌め込む際のガイドとして機能するとともに、筒型フィルタ10が取り付けられた後の筒型フィルタ10の落下防止の機能をも有するものである。このガイド部材16は、2本のロッド16aが筒型フィルタ10を保持するのに十分な適度の間隔で平行に配置され、これにブラケット16bを取り付けて構成されており、ブラケット16bの先端にはネジが設けられ、ケーシング2および仕切板4にネジ止めされている。なお、新規の筒型フィルタ10aの挿入時のガイドとしては、清浄室2aにもこのガイド部材16と同様なものを設けてもよい。
【0036】
次に、本発明における別の実施形態について
図7により説明する。なお、先の実施形態と重複する部分の構成等については省略するものの、前述の説明の中で同様の部材または同様な領域に対して同様のものを設けてもよいとの記載を具象化したものについては説明する。これに該当するものは、蓋7に対する開閉用ヒンジとしてのブラケット6bと開放後の蓋7を支える支持棒6eで、蓋7はブラケット6bに設けた長孔6cに差し込まれたピン6dを支軸として開閉可能になっており、蓋7の上面は使用済の筒型フィルタ10bを引き出す際の使用済の筒型フィルタ10bの受け台となる。もうひとつは、清浄室2aの下方部に設けたガイド部材31で、挿入側の開口3aから新規の筒型フィルタ10aを挿入する際に当該筒型フィルタ10aを支えて仕切板4の開口4aに誘導させるもので、開口3aの下端部に筒型フィルタ10aの挿入位置に合わせて配置している。このガイド部材31は除塵室2bの下部に設けたガイド部材16と同様の機能を有するもので、筒型フィルタ10aの挿入方向に沿って長手に配置したロッド31aとこれを支えるブラケット31bとで構成され、ブラケット31bはケーシング2に対して取り付け保持されている。
【0037】
また、開口3a、3b部における蓋6、7とケーシング2との気密を保持するための先の実施形態におけるガスケット12に換えて蓋6、7の外周端面に嵌め込み可能な窪み状の溝を全周囲にわたって設けた断面が円または楕円、あるいは方形状で、蓋6、7の外周端を被覆する環状のガスケット12aを取り付けている。このガスケット12aを採用することで、開口3a、3b部における当該ガスケットの交換が接着剤を使用することなく簡便に行うことができる。
【0038】
さらに、先の実施態様では仕切板4の開口4aにおける筒型フィルタ10とフランジ5との気密を保持するためのガスケット11と、フランジ5と仕切板4との気密を保持するためのガスケット12をそれぞれ別個のものとしていたが、これらをひとつにすることで製作費の低減および取り付け交換を簡易に行うことができる。すなわち、筒型フィルタ10側のガスケット11を先のフランジ5側のガスケット12の位置まで延長することである。ここで、延長されるガスケット11aは、気密性に加え十分な柔軟性と弾力性および可撓性を備えたゴムや樹脂等の材料で構成される。こうして、使用済の筒型フィルタ10bが取り出される際には、ガスケット11aは仕切板4の開口4aおよび取出口3bの壁面に沿って柔軟に撓むことができるため、開口4aや取出口3bを容易に通過させることができる。
【0039】
次に、筒型フィルタ10を保持する仕切板4の開口4aの上方位置にノズル33を取り付けている。このノズル33は、筒型フィルタ10の上面の仕切板4寄りの領域を対象として当該筒型フィルタ10の上面に向けて圧力気体を噴出させるものである。ノズル33はノズル8aの気体洗浄機構8に連結し、筒型フィルタ10内に噴出するノズル8aと連動させて圧力気体の噴出を行わせてもよいし、ノズル8aとは別に圧力気体の噴出の時期や噴出時間を任意に設定するほか、気体洗浄機構8とも切り離した別の配管を設けて別個に操作するようにしてもよい。
【0040】
通常、筒型フィルタ10の洗浄は、ノズル8aから筒型フィルタ10内に向けて圧力気体を噴出させることにより行わせる。筒型フィルタ10内に噴出された圧力気体は、噴出後は膨張し拡散しつつ波動的な流れで筒型フィルタ10内を進行し、底部(底板32)に到達した後は跳ね返って反対向きの流れとなり、その間にはフィルタ面に対して振動あるいは衝撃等を付与してフィルタ表面に付着している粉塵を払い落とすことができる。ここで、
図7では筒型フィルタ10は底板32を有する構造のものになっているが、
図4に示す筒型フィルタ10のように底板32のないものであっても、蓋7が底板32に代わる底部となるので、同様の作用効果が得られる。また、除塵室2bにおける筒型フィルタ10の上面に、フィルタ面から一旦払い落とされた粉塵の一部が舞い上がって再び筒型フィルタ10の上面に落下して付着したとしても、次の圧力気体の噴射によって払い落とされるので、粉塵がそのまま堆積するようなことはない。
【0041】
しかし、筒型フィルタ10の入口付近については、ノズル8aから噴出された圧力気体が最初に通過する際には気体流が未だ十分な拡散状態になっていない段階であるため、筒型フィルタ10の入口付近のフィルタ面には圧力気体の吹き付けが十分行われず、また跳ね返りの気体流が到達する段階では圧力気体自体の勢いも弱まり、かつ気体量も少なくなってくることからフィルタ面に付着した粉塵を十分に払い落とすことは難しくなる。
その結果、一旦フィルタ面に着いた粉塵は簡単には払い落とされず、この場所(領域)において粉塵の堆積が進んで粉塵堆積物Pへと成長することになる。しかし、ノズル33を設け、ノズル33から筒型フィルタ10の上面に付着し粉塵堆積物Pに成長する粉塵の付着領域に向けて圧力気体を噴出させることで、付着粉塵を逐次除去するとともに当該粉塵堆積物Pに成長するのを防止することができる。こうして、筒型フィルタ10による粉塵の除去を安定的に長時間連続して行わせることができるようになる。
【0042】
次に、本実施態様において使用するノズル33について、その形状と構造を
図8に示す。
図8(a)は、筒型フィルタ10のフィルタ上面に向けて3箇所の噴出口33bを設けたもので、中心から左右に湾曲したノズル管33aの両先端部と中心にそれぞれ噴出口33bを設け、曲面状フィルタ面に沿わせて圧力気体が噴出するように構成したものである。
図8(b)は同じノズル33を側面から視たものであり、
図8(c)は同じノズル33を下方から視たものである。なお、各噴出口33bの孔径および噴出される圧力気体の流量や流量割合は任意に設定される。
【0043】
図8(d)は、
図8(a)のノズル管33aの先端部を内側に向くまで折り曲げて先端の両噴出口33bおよび中心の噴出口33bから噴出する圧力気体が筒型フィルタ10のフィルタ上面における一点に集中するようにしている。そのため、強固な粉塵の堆積物に対しても払い落とし効果が有効に発揮されると考えられる。また、
図8(e)は、外観的には
図8(a)のノズル管33aと同様であるが、3箇所の噴出口33bに代えて中央部に幅広で細めのスリット状の噴出口33cを一つ設けている。
図8(f)は、同じノズル33を下方から視たものである。なお、このノズル33についても、
図8(a)のノズル33のように、ノズル管33aの両先端部に噴出口33bを、追加して設けることも可能である。
【0044】
図8(g)は、
図8(e)のノズル管33aと同様のスリット状の噴出口33cをノズル管33aの略全長にわたって設けるとともに、噴出口33cの開口をノズル管33aの下方から正面寄り(水平方向)に近づけた位置に設け、噴出口33cの開口向きを幾分水平方向寄りに傾斜するよう配置させている。
図8(h)は、
図8(g)のノズル33のB−B断面矢視図であり、ノズル管33aの開口位置はノズル管33aの中心を通る垂直線Y−Yに対して水平方向寄りに約45度傾斜させた位置に配置させている。噴出口33cの開口位置は、筒型フィルタ10とノズル管33aとの間隔や両部材間の位置関係によって最適な位置に設定される。具体的には、垂直線Y−Yから90度以下の角度範囲で設定されるもので、好ましくは30〜75度の範囲で設定される。
【0045】
また、噴出口33cの開口向きは、ノズル管33aからの圧力気体がノズル管33aの中心方向に向けて噴出され、かつ筒型フィルタ10に対して長手方向斜め向きに噴出させるよう設定される。ここで、噴出口33cの開口向きを筒型フィルタ10の表面に対して比較的浅い角度で交差するように配置するほか、筒型フィルタ10の軸心に対して交差する方向に噴出するように配置してもよい。こうすることで、筒型フィルタ10に対し仕切板4側から取出口3b方向に向けて噴出口33cからの圧力気体を、筒型フィルタ10の上半面に対して長手方向斜め向きに噴出させることができ、上記上半面に堆積した粉体堆積物を効果的に払い落とすことができる。
【0046】
また、
図8(a)のノズル33は、筒型フィルタ10に対して上方に幾分間隔を持たせて配置されるが、
図8(d)、(e)、(g)については、ノズル33が筒型フィルタ10の上面部を跨ぐ形で配置され、特に
図8(g)では、筒型フィルタ10の円筒の略上半分を被うように取り付けられる。
【0047】
本発明の集塵機1において、導入される含塵ガスは粉塵を搬送する気体(搬送ガス)であり、大気(空気)のほか、反応排ガスや焼却排ガス、還元性ガス,酸化性ガス、酸性ガス、塩基性ガスなどである。そこで、搬送ガスと接触するケーシング2や仕切板4、フランジ5、蓋6、7、その他ケーシング2内に設けられる各部材についても状況に応じて耐食性にすぐれた材料を使用するほか、搬送ガスと接触する部分には耐食性の材料を塗布あるいはコーティングするなど、一般的に行われる腐食対策を施すことができる。また、筒型フィルタ10を洗浄する圧力気体には、一般的な空気(大気)や湿分を避けるために除湿した空気を使用するほか、搬送ガスおよび捕集粉塵との反応を避ける目的から窒素ガスやヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが使用される。
【実施例】
【0048】
本発明における筒型フィルタの交換手順について
図9ないし
図11により説明する。なお、符号は上記構成の説明におけるものと出来るだけ整合させるべく同一のものを用いた。また、本図は交換手順を示すことを前提とした模式図であり、簡略化する目的で各構成部材の形状などについては、上記構成の記述とは必ずしも同一ではなく、ある場合は異なる形状のもので表してある。例えば、フランジ5については単に開口4aを被うだけの通常のフランジとして表わし、蓋6、7についてはケーシング2への取り付けをヒンジ式やブラケット式ではなく、締結ネジ15で行なうものとして表わしている。
【0049】
図9(1)は、本発明の集塵機の運転時の状態を示す。除塵室2bに流入した含塵ガスは筒型フィルタ10の外側から内側に抜けて清浄室2a内を通過し、排気口17(図示省略)から機外に排出される。清浄室2aおよび除塵室2bの外側に付設された挿入管9aおよび取出管9bに付いているのは、新規の筒型フィルタ10aおよび使用済の筒型フィルタ10bを交換した後の収納袋14の切れ端14c、14dであり、その先端には結束バンドが付いている。
【0050】
図9(2)は、集塵機の運転を停止した後、清浄室2a側の挿入管9aに新規の筒型フィルタ10aを入れた収納袋14aを取り付けるとともに、除塵室2b側の取出管9bに空の収納袋14bを取り付ける状態を示している。挿入管9aおよび取出管9bへの収納袋14a、14bの取り付けに当たっては、挿入管9aおよび取出管9bの外周部に具備された二つのリング状の突起9c間に取り付けるようにする。ここで、収納袋14a、14bには外側から内部に手を入れて収納袋14a、14b内のものを掴むことのできる手袋が具備されたものを使用してもよい。
【0051】
図9(3)は、挿入管9aおよび取出管9bに収納袋14a、14bを取り付けた後に、収納袋14a内に覆われた挿入管9aに取り付けられていた古い収納袋14aの切れ端14cを取り外す状態を表わしている。
図9(4)は、切れ端14cが収納袋14aに収納された後、挿入管9aの内部にある蓋6を取り外す状態を表わしている。
【0052】
図9(5)は、蓋6を収納袋14aに収納した後、挿入口2aより仕切板4のフランジ5を取り外す状態と、取出管9bに取り付けられていた古い収納袋14bの切れ端14dを取り外して収納袋14bに収納する状態を表わしている。
図10(6)は、仕切板4のフランジ5を取り外した状態と、取出管9b内部にある蓋7を取り外す状態を表している。ここでは、取り外されたフランジ5は清浄室2aの下方に落ちてしまわないように図示省略の紐などで保持されるものである。
【0053】
図10(7)は、挿入管9aおよび取出管9bから古い収納袋14a、14bの切れ端14c、14dを取り外した後に、挿入口3aから新規の筒型フィルタ10aを挿入する状態を表わしている。
図10(8)は、挿入された新規の筒型フィルタ10aによって除塵室2bの使用済の筒型フィルタ10bが除塵室2bから押し出され収納袋14b内に入れられる状態を表わしている。ここで、使用済の筒型フィルタ10bは除塵室2bに設けられたガイド部材16(図示省略)によって下側から保持されており、仕切板4の開口4aから離れた後に使用済の筒型フィルタ10bが除塵室2bの下方に落下することはない。
【0054】
図10(9)は、使用済の筒型フィルタ10bが新規の筒型フィルタ10aに交換され、新規の筒型フィルタ10aが除塵室2bに設置され、取出口3bには蓋7を取り付ける状態を表わしている。また、
図10(10)は、仕切板4の開口4aに対してフランジ5を取り付ける状態を表わしており、蓋7とフランジ5とにより、新規の筒型フィルタ10aを両端面から押え付けて気密保持させるようにしている。
【0055】
図11(11)は、挿入口3aに蓋6を取り付ける状態を表わしており、
図11(12)は、新規の筒型フィルタ10aが取り付けられ、挿入口3aおよび取出口3bを塞いで清浄室2aおよび除塵室2bが気密にされ、新規の筒型フィルタ10aの取り付けが完了した状態を表わしている。
【0056】
図11(13)は、収納袋14a、14bを挿入管9aおよび取出管9bに近い部分で、それぞれ少し間を開けた二つの結束バンド30で結束し、その後、それぞれの中間部で収納袋14a、収納袋14bを切断する状態を表わしている。
図11(14)では、切断された収納袋14aに古い収納袋14aの切れ端14cが収納されており、収納袋14bには古い収納袋14bの切れ端14dと使用済の筒型フィルタ10bとが収納されている。そして、挿入管9aと取出管9bは残った収納袋14c、14dで気密維持される。
図11(15)は、新規の筒型フィルタ10aへの交換が完了した状態を表わしている。