(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、電力情報生成手段により生成された電力情報を参照して、自己の電気機器が設置された空間から退出した後においても電力を消費している乗客に対する警告情報を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項2に記載の電力情報表示システム。
各個人の電気機器が設置された空間からの当該個人の退出を検出し、その退出が検出された日時情報及び当該個人の個人識別情報を含む退出情報が蓄積される退出情報記憶手段を有し、
前記表示制御装置は、前記個人識別情報取得手段により取得された個人識別情報に対応する退出情報を少なくとも取得する退出情報取得手段を有し、
前記表示制御手段は、退出情報及び電力情報を含む警告情報を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3に記載の電力情報表示システム。
エレベータが設置された建造物における消費電力量を電力消費実績情報として蓄積する電力消費実績情報記憶手段から電力消費実績情報を取得する電力消費実績情報取得手段と、
前記電力消費実績情報取得手段により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を、前記建造物の階毎に生成する電力情報生成手段と、
乗客が前記かごに乗り込んだ階又は乗客により指定された行き先階に関するログ情報に基づいて日常の業務が行われる居室のない非居室階を特定する特定手段と、
前記電力情報生成手段により生成された電力情報のうち、前記非居室階を除く、乗客が前記エレベータのかごに乗り込んだ階又は当該乗客の行き先階の少なくとも一方の階の電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として前記かご内に設置された表示装置に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする電力情報表示制御装置。
エレベータのかごの乗客の個人識別情報を取得する個人識別情報取得手段により取得された個人識別情報に対応する電力消費実績情報を、各個人における消費電力量及び当該個人の個人識別情報を含む電力消費実績情報を蓄積する電力消費実績情報記憶手段から少なくとも取得する電力消費実績情報取得手段と、
前記電力消費実績情報取得手段により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を前記かごの乗客毎に生成する電力情報生成手段と、
前記電力情報生成手段により生成された電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として前記かご内に設置された表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記個人識別情報取得手段により取得された乗客の個人識別情報と当該乗客の行き先階とを対応付ける対応付け手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、現時点における前記かごの停止階から次に停止すべき行き先階との間は、次に停止すべき行き先階で前記かごから降りる予定の乗客の電力情報を前記表示装置に表示させることを特徴とする電力情報表示制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、建造物全体における電力消費に関する情報をエレベータのかごの乗客に関連する情報に加工してから乗客に提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力情報表示システムは、エレベータのかご内に設置された表示装置と、前記表示装置の表示制御を行う表示制御装置と、前記エレベータが設置された建造物における消費電力量を電力消費実績情報として蓄積する電力消費実績情報記憶手段と、を有し、前記表示制御装置は、前記電力消費実績情報記憶手段に蓄積された電力消費実績情報を取得する電力消費実績情報取得手段と、前記電力消費実績情報取得手段により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を、前記建造物
の階毎に生成する電力情報生成手段と、
乗客が前記かごに乗り込んだ階又は乗客により指定された行き先階に関するログ情報に基づいて日常の業務が行われる居室のない非居室階を特定する特定手段と、前記電力情報生成手段により生成された電力情報のうち、
前記非居室階を除く、乗客が前記かごに乗り込んだ階又は当該乗客の行き先階の少なくとも一方
の階の電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として前記表示装置に表示させる表示制御手段と、を有するものである。
【0008】
本発明に係る電力情報表示システムは、エレベータのかご内に設置された表示装置と、前記表示装置の表示制御を行う表示制御装置と、前記エレベータが設置された建造物内において各個人が使用する電気機器の消費電力量を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された各個人における消費電力量及び当該個人の個人識別情報を含む電力消費実績情報を蓄積する電力消費実績情報記憶手段と、前記かごの乗客の個人識別情報を取得する個人識別情報取得手段と、を有し、前記表示制御装置は、前記
個人識別情報取得手段により取得された個人識別情報に対応する電力消費実績情報を前記電力消費実績情報記憶手段から少なくとも取得する電力消費実績情報取得手段と、前記電力消費実績情報取得手段により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を前記かごの乗客毎に生成する電力情報生成手段と、前記電力情報生成手段により生成された電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として前記表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記個人識別情報取得手段により取得された乗客の個人識別情報と当該乗客の行き先階とを対応付ける対応付け手段と、を有
し、前記表示制御手段は、現時点における前記かごの停止階から次に停止すべき行き先階との間は、次に停止すべき行き先階で前記かごから降りる予定の乗客の電力情報を前記表示装置に表示させるものである。
【0009】
また、前記表示制御手段は、電力情報生成手段により生成された電力情報を参照して、自己の電気機器が設置された空間から退出した後においても電力を消費している乗客に対する警告情報を前記表示装置に表示させるものである。
【0010】
また、各個人の電気機器が設置された空間からの当該個人の退出を検出し、その退出が検出された日時情報及び当該個人の個人識別情報を含む退出情報が蓄積される退出情報記憶手段を有し、前記表示制御装置は、前記
個人識別情報取得手段により取得された個人識別情報に対応する退出情報を少なくとも取得する退出情報取得手段を有し、前記表示制御手段は、退出情報及び電力情報を含む警告情報を前記表示装置に表示させるものである。
【0012】
本発明に係る電力情報表示制御装置は、エレベータが設置された建造物における消費電力量を電力消費実績情報として蓄積する電力消費実績情報記憶手段から電力消費実績情報を取得する電力消費実績情報取得手段と、前記電力消費実績情報取得手段により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を、前記建造物
の階毎に生成する電力情報生成手段と、
乗客が前記かごに乗り込んだ階又は乗客により指定された行き先階に関するログ情報に基づいて日常の業務が行われる居室のない非居室階を特定する特定手段と、前記電力情報生成手段により生成された電力情報のうち、
前記非居室階を除く、乗客が前記エレベータのかごに乗り込んだ階又は当該乗客の行き先階の少なくとも一方
の階の電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として前記かご内に設置された表示装置に表示させる表示制御手段と、を有するものである。
【0013】
本発明に係る電力情報表示制御装置は、エレベータのかごの乗客の個人識別情報を取得する個人識別情報取得手段により取得された個人識別情報に対応する電力消費実績情報を、各個人における消費電力量及び当該個人の個人識別情報を含む電力消費実績情報を蓄積する電力消費実績情報記憶手段から少なくとも取得する電力消費実績情報取得手段と、前記電力消費実績情報取得手段により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を前記かごの乗客毎に生成する電力情報生成手段と、前記電力情報生成手段により生成された電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として前記かご内に設置された表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記個人識別情報取得手段により取得された乗客の個人識別情報と当該乗客の行き先階とを対応付ける対応付け手段と、を有
し、前記表示制御手段は、現時点における前記かごの停止階から次に停止すべき行き先階との間は、次に停止すべき行き先階で前記かごから降りる予定の乗客の電力情報を前記表示装置に表示させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、建造物全体における電力消費に関する情報を、エレベータのかごの乗客に関連する情報として、乗客がかごに乗り込んだ階又は当該乗客の行き先階の少なくとも一方に対応付けられる空間の電力情報に加工してからかご内に設置の表示装置に表示させることができる。
【0015】
また、消費電力量に関する電力情報を乗客毎に生成することで、かごの各乗客の消費電力量に関する情報を表示装置に表示させることができる。
【0016】
また、自己の電気機器が設置された空間から退出した後においても電力を消費している乗客に対する警告情報を表示装置に表示させることができる。
【0017】
また、乗客が降りる予定の階までの間に、当該乗客に特化した電力情報を表示装置に表示させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る電力情報表示システムの実施の形態1を示した全体構成図である。
図1には、オフィスビル等の建造物内に設置されたエレベータのかご10、建造物のいずれかの階に設けられている部屋20、電力消費実績情報データベース(DB)31、エレベータ制御装置32、かご運転ログデータベース(DB)33及び電力情報表示制御装置40が示されている。かご10には、電力情報等を表示する表示装置11と乗客が行き先階を指定するための行き先階ボタンが配設された操作盤12とが設置されている。なお、かご10の構成は同じでよいので、
図1には1台のかご10のみを図示している。エレベータ制御装置32は、行き先階ボタンや呼び登録ボタンに対するエレベータ利用者による指示等に基づいてかご10の運行制御などエレベータ装置の制御全体を行う。かご運転ログデータベース33には、かご10が行き来する階に関する情報がかご運転ログとして蓄積される。具体的には、乗客の行き先階ボタンに対する操作により指定された行き先階及びその操作日時を含む操作ログがかご運転ログとして蓄積される。また、行き先階に到着したことに応じてあるいはエレベータ乗り場の呼び登録ボタンに対する操作に応じてかご10が停止した階及びその停止日時を含む乗降ログがかご運転ログとして蓄積される。エレベータ制御装置32は、行き先階ボタンに対する操作を検出する度に操作ログを、またかご10がいずれかの階に停止する度に乗降ログを、それぞれ生成してかご運転ログデータベース33に登録する。
【0021】
部屋20は、オフィスビルの利用者が日常的に利用している居室であり、階によって1又は複数設けられている。各部屋20には、当該部屋20で業務を日常的に行っている従業員が使用するパーソナルコンピュータ(PC)21、部屋20に設置された空調機22及び照明器具23が設置される。また、電力計測器24は、当該部屋20において使用される電力量を計測する。なお、電力計測器24と部屋20との対応関係を明確にするために、
図1では、電力計測器24を部屋20の中に図示したが、必ずしも部屋20の中に設置する必要はない。また、空調機22及び照明器具23が部屋20において共有される電気機器であるのに対し、PC21は、部屋20の日常利用者が個人的に使用する電気機器を代表させて示している。部屋20に設置される電気機器の構成は、各部屋20とも同様でよいので、
図1には、1つの部屋20のみを図示した。
【0022】
電力消費実績情報データベース31は、電力消費実績情報記憶手段として設けられ、建造物における消費電力量を電力消費実績情報として蓄積する。具体的には、電力計測器24により計測された所定期間毎の消費電力量が蓄積される。後述するように、本実施の形態では、階毎の電力情報を表示するので、部屋20のある階を特定する情報を消費電力量に対応付けて蓄積されてもよい。電力消費実績情報データベース31は、図示しないビル監視システム又は電力監視システムにより管理される記憶手段を利用してもよい。
【0023】
電力情報表示制御装置40は、本実施の形態において特徴的な表示制御装置であり、表示装置11の表示制御を行うコンピュータにより実現される。
【0024】
図2は、本実施の形態における電力情報表示制御装置40を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において電力情報表示制御装置40を形成するサーバコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、
図2に示したようにCPU51、ROM52、RAM53、ハードディスクドライブ(HDD)54を接続したHDDコントローラ55、通信手段として設けられたネットワークコントローラ56を内部バス57に接続して構成される。また、本実施の形態では、特に用いないが、メンテナンスやデータ更新等のために入力手段としてマウスやキーボード、表示手段としてディスプレイをそれぞれ接続する入出力コントローラを設けて内部バス57を接続するよう構成してもよい。
【0025】
図3は、本実施の形態における電力情報表示制御装置40を示したブロック構成図である。本実施の形態における電力情報表示制御装置40は、電力消費実績情報取得部41、かご運転情報取得部42、非居室フロア特定部43、電力情報生成部44、表示制御部45及び処理制御部46を有している。電力消費実績情報取得部41は、電力消費実績情報取得手段として設けられ、電力消費実績情報データベース31に蓄積された電力消費実績情報を取得する。かご運転情報取得部42は、かご運転ログデータベース33に蓄積されたかご運転ログを取得する。非居室フロア特定部43は、かご運転ログを解析することによってオフィスビルにおける非居室フロアを特定する。「非居室フロア」というのは、オフィスビルにおいて日常の業務が行われる部屋(居室)20のない階(フロア)のことを示す。電力情報生成部44は、電力情報生成手段として設けられ、電力消費実績情報取得部41により取得された電力消費実績情報に基づいて、消費電力量に関する電力情報を、オフィスビルを複数に分割して形成される空間毎に生成する。本実施の形態では、空間として建造物の階を想定しているので、電力情報を階毎に生成する。表示制御部45は、表示制御手段として設けられ、電力情報生成部44により生成された電力情報のうち、乗客がかご10に乗り込んだ階又は当該乗客の行き先階の少なくとも一方に対応付けられる空間の電力情報を、当該乗客に関連する消費電力情報として表示装置11に表示させる。本実施の形態では、乗客がかご10に乗り込んだ階及び当該乗客の行き先階(降りる階)の双方の階の電力情報を表示装置11に表示させる。処理制御部46は、電力情報表示制御装置40において実行される各処理機能全体の実行制御を行う。
【0026】
電力情報表示制御装置40における各構成要素41〜46は、電力情報表示制御装置40を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU51で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0027】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0028】
次に、本実施の形態における動作について説明する。
【0029】
エレベータのかご10は、オフィスビルのエレベータ乗り場に設置された呼び登録ボタン及びかご10の中の操作盤12上の行き先階ボタンが操作されることで各階を行き来することになる。エレベータ制御装置32は、呼び登録ボタンの操作に応じて行き先階ボタンの操作が検出されると、乗客の行き先階ボタンに対する操作により指定された行き先階及びその操作日時を含む操作ログをかご運転ログとしてかご運転ログデータベース33に登録する。また、エレベータ制御装置32は、指定された行き先階で、あるいは呼び登録ボタンに対する操作に応じてかご10を停止させると、その停止した階及びその停止した日時を含む乗降ログをかご運転ログとしてかご運転ログデータベース33に登録する。
【0030】
電力情報表示制御装置40におけるかご運転情報取得部42は、所定時間内にかご運転ログデータベース33に蓄積されたかご運転ログを取得する。非居室フロア特定部43は、取得されたかご運転ログを解析し、最も選択された行き先階を非居室フロアとして特定する。例えば、オフィスビルの1階が最も選択回数の多い階であった場合、1階を非居室フロアと特定する。例えば、非居室フロアとして1階が特定された場合、1階にこのオフィスビルの出入口があることが推定できる。
【0031】
なお、本実施の形態では、非居室フロア特定部43を設けて、かご運転ログを解析することによって、換言するとエレベータの利用状況から非居室フロアを自動的に特定するようにしたが、非居室フロアは、一般に固定されているので、基本的には、非居室フロア特定部43を1度だけ使用すればよい。なお、管理者等によって非居室フロアを入力指定させるようにしてもよい。また、オフィスビルによっては、食堂等の共有施設専用の階が設けられている場合もあり得るので、非居室フロアとして複数の階を選出するようにしてもよい。
【0032】
本実施の形態では、電力計測器24を用いて、対応する部屋20における所定期間内における消費電力量を常時計測する。電力計測器24は、計測した消費電力量を当該部屋20を特定する識別情報を付加して電力消費実績情報データベース31に書き込む。ここでいう「所定期間」というのは、例えば、5分毎や30分毎など予め決められた時間長である。
【0033】
電力情報表示制御装置40における電力消費実績情報取得部41は、電力消費実績情報データベース31に蓄積された所定期間における電力消費実績情報を取得する。本実施の形態では、消費電力量に関する電力情報を表示装置11に表示するが、ここでいう「所定期間」というのは、その表示対象とする時間長のことをいう。例えば、現時点から直近30分としたり、直近1時間から数時間の間における消費電力量を表示対象としてもよい。あるいは、前日(直前営業日)における消費電力量を表示対象としてもよい。電力情報生成部44は、電力消費実績情報取得部41により取得された所定期間における電力消費実績情報を、各階にある部屋20の消費電力量を集計することによって電力情報を階毎に生成する。
【0034】
なお、本実施の形態では、電力情報生成部44によって電力情報を階毎に生成するようにしたが、階毎に集計した状態にて電力消費実績情報を電力消費実績情報データベース31に蓄積するようにしてもよい。
【0035】
以下、本実施の形態における電力情報の表示処理について
図4に示したフローチャートを用いて説明する。
【0036】
本実施の形態における表示処理は、いずれかの階に停止する度に実行が開始される。すなわち、いずれかの階に停止し、かご10に乗ったエレベータの利用者(すなわち、「乗客」)が行き先階ボタンを操作することで行き先階を指定する。例えば、15階より上の階に停止していたかご10が、15階、12階、8階において呼び登録ボタンが押下され、各階から利用者がそれぞれかご10に乗り込み、また、いずれかの乗客により行き先階として3階及び1階が指定されたとする。なお、以上のボタン操作は、かご運転ログとしてかご運転ログデータベース33に登録され、また、表示制御部45は、かご運転情報取得部42により取得されたかご運転ログから、停止階及び指定された行き先階は認識している。すなわち、この例では、操作ログから1,3階が、乗降ログから8,12,15階が、それぞれ現在の下降方向のかご運転において表示対象として有効な階と認識している。
【0037】
ところで、乗客が乗り込んできた階又は行き先階として指定された階(乗客が降りる階)のいずれかの階に、当該乗客が日常的に利用している部屋20(以下、「居室」)がある可能性が高いと考えられる。つまり、エレベータは、乗り込んだ階に居室があって移動に利用される場合、あるいは、移動先から自分の居室のある階に戻る際に利用されるケースが多いと考えられる。従って、乗降ログ及び操作ログに基づき乗客が乗り降りする階を特定すれば、その特定した階が当該乗客に関連する階、すなわち居室のある階である可能性が高いと考えられる。
【0038】
そこで、表示制御部45は、取得されたかご運転ログから現在乗降階として指定されている階を特定すると(ステップ101)、それらの乗降階を表示対象候補の階として電力情報生成部44により生成された電力情報を取得する(ステップ102)。そして、表示制御部45は、取得した電力情報をかご10の中に設置された表示装置11に表示させる(ステップ103)。但し、表示対象とする階に、非居室フロア特定部43により特定された非居室フロアが含まれている場合、その非居室フロアについての電力情報は表示対象から除く。このようにして表示装置11に表示された電力情報の表示例を
図5に示す。
【0039】
図5では、昨日の電力消費実績情報に基づいて生成、表示された3,8,12,15階それぞれの電力情報を表示した例を示している。
図5の例のように、表示対象としている電力情報は、乗客に関連する階、すなわち、非居室フロア(この例では1階)を除き、乗客が乗り込んだ階及び乗客により指定された行き先階(降りる階)における電力情報である。そして、
図5では、消費電力量の高い順に並び替えて表示している。もちろん、表示する順番は、この例に限らず、消費電力量の小さい順でもよいし、階の順番でもよい。また、表示形式も
図5に例示したグラフ形式に限定する必要はない。
【0040】
本実施の形態によれば、オフィスビルにおける消費電力量に関する情報を、乗客に関連する情報として加工し、乗客に関連する階、換言すると乗客の乗降階の電力情報のみを表示することによって乗客に対して訴求力のある形態にて電力情報を表示するようにしたので、乗客は、自己に関わる情報として消費電力に関する電力情報に興味を抱きやすくなる。これにより、表示装置11に表示された電力情報を見る確率を向上でき、また自分の居室のある階の消費電力量が相対的に高いようであれば、節電を心掛けようと考えることになるかもしれない。本実施の形態によれば、このようにして乗客に対して省エネ意識を啓発することが可能になる。
【0041】
なお、本実施の形態では、乗客に関連する階の電力情報のみを表示するようにしたが、オフィスビル全体の各階の電力情報の全てを表示することを否定するものではない。人によっては、他の階との比較により、自己の階の消費電力量が相対的に大きいことを認識することによって省エネ意識が芽生える場合があるからである。従って、電力情報の表示形態としては、
図5の例に限定するものではなく、乗客に関連しない階や非居室フロアにおける電力情報を参考までに表示するようにしてもよい。また、例えば、全ての階の電力情報を所定時間表示した後に、
図5に例示した乗客に関連する電力情報のみを表示するようにしてもよい。また、消費電力量の平均値、管理者が省エネのために期待する消費電力量、あるいは消費電力量の増減に直接又は間接的に影響を与えるような気温、室温、天気等の情報も合わせて表示するようにしてもよい。
【0042】
また、本実施の形態では、建造物を分割してなる空間として階を例にし、階毎に消費電力量を集計して、電力情報を表示するようにしたが、空間として、例えば、部屋20毎など異なる空間単位にて電力情報を生成してもよい。また、個人情報等を参照して部署単位に電力情報を生成してもよい。
【0043】
また、本実施の形態では、電力情報生成部44は、電力消費実績情報に基づいて電力情報を階毎に生成し、表示制御部45がその中から表示対象とする電力情報を抽出、表示するようにしたが、電力情報生成部44に、表示対象となっていない階の電力情報、具体的には、非居室フロア、更に乗降階でない階に対応する電力情報を生成させないようにしてもよい。
【0044】
以上説明した変形例に関しては、可能な範囲で後述する実施の形態においても適用するようにしてもよい。
【0045】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、オフィスビルの利用者に、当該利用者に関連する電力情報として当該利用者の居室のある空間(階)の電力情報をかご10の表示装置11に表示して、省エネ意識を啓発できるようにした。本実施の形態では、電力情報を個人毎に生成して、省エネ意識をより一層啓発できるようにした。
【0046】
図6は、本実施の形態における電力情報表示システムを示した全体構成図である。
図1と同じ構成要素には、同じ符号を付け、説明を適宜省略する。本実施の形態における電力情報表示システムは、実施の形態1に、各部屋20に設置されるスマートタップ25及びかご10に設置される個人識別情報読取装置13を追加した構成を有している。スマートタップ25は、測定手段として設けられ、エレベータが設置された建造物内において各個人が使用する電気機器の消費電力量を測定する。具体的には、PC21や卓上机(図示せず)など各個人が個人的に使用する電気機器における消費電力量が測定される。この測定された各個人の消費電力量は、当該個人の識別情報が付加されて電力計測器24を介して電力消費実績情報データベース31に蓄積される。
【0047】
個人識別情報読取装置13は、個人識別情報取得手段として設けられ、かご10の乗客の個人識別情報を取得する。個人識別情報(以下、「個人ID」)というのは、各個人を識別しうる情報であり、例えば、指紋等の生体情報や各個人が携帯する社員証(IDカード)に記録されているユーザIDなどである。個人IDとして指紋を利用する場合、個人識別情報読取装置13は、指紋読取装置で実現され、個人IDとしてIDカードに記録されたユーザIDを利用する場合、個人識別情報読取装置13は、カードリーダで実現される。なお、本実施の形態では、かご10の乗客を識別するために個人識別情報読取装置13をかご10に設けるようにしたが、エレベータの乗り場側に設けてもよい。
【0048】
図7は、本実施の形態における電力情報表示制御装置40を示したブロック構成図である。
図3と同じ構成要素には、同じ符号を付け、説明を適宜省略する。なお、電力情報表示制御装置40のハードウェア構成は、実施の形態1と同じでよい。本実施の形態における電力情報表示制御装置40は、実施の形態1において用意した非居室フロア特定部43を有していない一方、個人ID取得部47を有している。個人ID取得部47は、個人識別情報取得手段として設けられ、個人識別情報読取装置13と連携動作することによってかご10の乗客の個人IDを取得する。個人ID取得部47は、個人識別情報読取装置13と、コンピュータに搭載されたCPU51で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0049】
次に、本実施の形態における動作について説明する。本実施の形態におけるかご運転ログの蓄積については、実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。ただ、本実施の形態においては、かご運転ログを表示対象とする電力情報の選定の際に用いないので、電力情報表示制御装置40にかご運転情報取得部42を設けなくてもよい。
【0050】
電力消費実績情報の蓄積に関しても基本的には実施の形態1と同じである。但し、本実施の形態における電力消費実績情報取得部41は、電力消費実績情報データベース31に蓄積された所定期間における電力消費実績情報のうち、PC21等部屋20での個人使用される電気機器における電力消費実績情報のみを取得する。電力情報生成部44は、電力消費実績情報取得部41により取得された所定期間における電力消費実績情報に基づいて電力情報を個人毎に生成する。
【0051】
以下、本実施の形態における電力情報の表示処理について
図8に示したフローチャートを用いて説明する。
【0052】
停止したかご10に乗り込むと、その乗客は、個人IDを個人識別情報読取装置13に読み取らせる。個人IDが読み取られると、電力情報表示制御装置40における個人ID取得部47は、その個人IDを取得する(ステップ201)。個人IDが取得されると、表示制御部45は、個人ID取得部47から取得した個人IDに対応する電力情報を電力情報生成部44から取得する(ステップ202)。そして、表示制御部45は、取得した当該乗客個人の電力情報をかご10の中に設置された表示装置11に表示させる(ステップ203)。このようにして表示装置11に表示された電力情報の表示例を
図9に示す。
【0053】
図9では、昨日の電力消費実績情報に基づいて生成、表示された乗客(Aさん,Dさん,Eさん,Tさん,Wさん)の電力情報を表示した例を示している。
図9の例のように、表示対象としている電力情報は、各乗客が個人使用している電気機器における消費電力量である。そして、
図9では、消費電力量の高い順に並び替えて表示している。もちろん、表示する順番は、この例に限らず、消費電力量の小さい順でもよいし、階の順番でもよい。また、表示形式も
図9に例示したグラフ形式に限定する必要はない。
【0054】
本実施の形態によれば、オフィスビルにおける消費電力量に関する情報を、乗客が個人的に使用している電気機器における消費電力情報に加工し、各乗客の電力情報として表示するようにしたので、乗客は、自己に直接的に関わる情報として電力情報を見ることになる。これにより、乗客に対して省エネ意識を啓発することが可能になる。特に、消費電力量が相対的に高い乗客に対する今後の省エネ行動が期待できる。
【0055】
なお、乗客の電力情報は、当該乗客がかご10に乗って個人IDを読み取らせたタイミングで表示が開始されることになる。一方、表示の終了タイミングとしては、例えば一定時間後に表示対象から外すようにしてもよい。また、全ての乗客の電力情報を常に表示させておかなくてもよい。例えば、乗客が多い場合には、消費電力量の高い上位所定人数分を表示対象としてもよい。
【0056】
実施の形態3.
上記実施の形態2では、乗客の個人毎に生成した電力情報を表示装置11に表示して、省エネ意識をより一層啓発できるようにした。本実施の形態では、更に節電行動を取っていない乗客に対して、警告情報を発することで注意を喚起できるようにした。
【0057】
図10は、本実施の形態における電力情報表示システムを示した全体構成図である。
図6と同じ構成要素には、同じ符号を付け、説明を適宜省略する。本実施の形態における電力情報表示システムは、実施の形態2に、部屋20の出入口に設置される個人識別情報読取装置26と、入退室管理装置34と、入退室ログデータベース(DB)35と、を追加した構成を有している。個人識別情報読取装置26は、部屋20に対する入退室者の個人識別情報を取得する。個人識別情報(個人ID)というのは、個人識別情報読取装置13と同様、指紋等の生体情報や各個人が携帯する社員証(IDカード)に記録されているユーザIDである。入退室管理装置34は、部屋20からの人の入退室を管理するコンピュータである。入退室ログデータベース35は、退出情報記憶手段として設けられ、各個人の電気機器が設置された空間からの当該個人の退出を検出し、その退出が個人識別情報読取装置26により検出された日時情報及び当該個人の個人識別情報を含む退出情報(退室ログ)が蓄積される。ここでいう「各個人の電気機器が設置された空間」というのは、当該個人の居室のことを意味する。更に、部屋20への入室の場合も退室の場合と同様、入室が検出された日時情報及び当該個人の個人IDを含む入室ログが蓄積される。
【0058】
入退室管理装置34は、部屋20に対する入退室が個人識別情報読取装置26により検出されると、入室ログ又は退室ログを生成して入退室ログデータベース35に逐次登録する。なお、本実施の形態では、入退室ログデータベース35を別途設けたが、入退室管理装置34が保有する入退室に関するログ情報記憶手段を入退出情報記憶手段として利用してもよい。
【0059】
図11は、本実施の形態における電力情報表示制御装置40を示したブロック構成図である。
図7と同じ構成要素には、同じ符号を付け、説明を適宜省略する。なお、電力情報表示制御装置40のハードウェア構成は、実施の形態1,2と同じでよい。本実施の形態における電力情報表示制御装置40は、実施の形態2に示した構成に、退室情報取得部48を追加した構成を有している。退室情報取得部48は、退出情報取得手段として設けられ、個人識別情報読取装置26により取得された個人IDに対応する退室ログを少なくとも入退室ログデータベース35から取得する。退室情報取得部48は、コンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU51で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0060】
次に、本実施の形態における動作について説明する。本実施の形態におけるかご運転ログの蓄積については、実施の形態1と同じでよいので説明を省略する。ただ、本実施の形態においては、かご運転ログを表示対象とする電力情報の選定の際に用いないので、電力情報表示制御装置40にかご運転情報取得部42を設けなくてもよい。
【0061】
電力消費実績情報の蓄積に関しては、実施の形態2と同じでよい。ただ、本実施の形態では、現時点における各個人の使用電力量を用いるので、電力消費実績情報データベース31には、スマートタップ25により測定された各個人の使用電力量が特定できるように記憶される。本実施の形態における電力情報生成部44は、取得された電力実績情報に含まれる現時点における各個人の使用電力量を電力情報として生成する。
【0062】
本実施の形態では、更に居室内で業務を行う従業員が部屋20の入退室を行う際、個人IDを個人識別情報読取装置26に読み取らせる。これにより、前述したように、各従業員の入退室に伴う入退室ログが入退室管理装置34により生成され、入退室ログデータベース35に蓄積される。
【0063】
以下、本実施の形態における電力情報の表示処理について
図12に示したフローチャートを用いて説明する。
【0064】
停止したかご10に乗り込むと、その乗客は、個人IDを個人識別情報読取装置13に読み取らせる。個人IDが読み取られると、電力情報表示制御装置40における個人ID取得部47は、その個人IDを取得する(ステップ301)。個人IDが取得されると、表示制御部45は、個人ID取得部47から取得した個人IDに対応する電力情報を電力情報生成部44から取得する(ステップ302)。なお、上記説明では、電力情報生成部44は、各個人の現時点の使用電力量を含む電力情報をすでに生成しているが、個人識別情報読取装置13に個人IDが読み取られてからその個人IDに対応する乗客の電力情報のみを生成するようにしてもよい。
【0065】
続いて、表示制御部45は、電力情報生成部44から取得した当該乗客の電力情報を参照して、その乗客が個人的に使用している電気機器が今なお電力を消費していることを検出した場合(ステップ303でY)、退室情報取得部48は、当該乗客の居室からの退室情報を入退室ログデータベース35から取得する(ステップ304)。なお、退出情報が居室からのであるかどうかは、例えばスマートタップ25の設置箇所から特定できる。あるいは、入退室管理装置34が管理している居室を特定する情報を含む個人情報を参照して、当該乗客の居室が特定できるようにしてもよい。そして、表示制御部45は、退室情報取得部48により取得された当該乗客の退室情報及び電力情報生成部44から取得した当該乗客の電力情報を含む警告情報を生成して、表示装置11に表示させる(ステップ305)。このようにして表示装置11に表示された警告情報の表示例を
図13に示す。
【0066】
図13には、Aさんに対する警告情報の例が示されている。この例のように、警告情報には、15分という退室してからの経過時間や、200Wという現時点における使用電力量を含めることで、無駄と考えられる消費電力量を乗客に提示している。更に、その電力消費を抑えるための対策も合わせて表示している。なお、
図13では、警告情報のみを表示する例を示したが、実施の形態2に例示した消費電力量を示す電力情報と共に、あるいは切り替えながら表示するようにしてもよい。
【0067】
一方、乗客が個人的に使用している電気機器によって電力が消費されていない場合(ステップ303でN)、実施の形態1,2で説明したように通常の電力情報の表示を行う(ステップ306)。
【0068】
本実施の形態によれば、単に省エネ意識を啓発するだけに留まらず、警告情報を表示することによって節電行動を取っていない乗客に対して注意を喚起し、省エネ行動を促すことができる。
【0069】
なお、上記説明では、かご10に乗り込んだ時点において、その乗客が個人的に使用している電気機器が電力を使用している場合に警告情報を表示するようにした。警告情報を表示するための条件としては、電力を消費していることに限定せずに、例えば、待機時消費電力の閾値を設定して、その閾値以上に電力が消費されていること、あるいは居室から退室してからの経過時間などを警告情報表示の条件として設定してもよい。
【0070】
実施の形態4.
上記実施の形態2では、
図9に例示したように複数の乗客それぞれの電力情報をまとめて表示装置11に表示するようにした。本実施の形態では、乗客の行き先階に応じて表示内容を切り替えることができるようにした。
【0071】
本実施の形態における電力情報表示システムの全体構成、電力情報表示制御装置40のハードウェア構成及び機能ブロック構成は、実施の形態2と同じでよい。ただ、本実施の形態における電力情報表示制御装置40の表示制御部45は、個人識別情報読取装置13により取得された乗客の個人IDと当該乗客の行き先階とを対応付ける対応付け手段としても機能する。
【0072】
例えば、現在、かご10が停止している1階で、4階に行こうとするユーザAと、9階に行こうとするユーザBとが乗り込んだとする。この際、ユーザAは、個人IDを個人識別情報読取装置13に読み取らせると共に行き先階ボタンを操作して行き先階として4階を指定する。続いて、ユーザBは、個人IDを個人識別情報読取装置13に読み取らせると共に行き先階ボタンを操作して行き先階として9階を指定する。このユーザ操作に従って、表示制御部45は、各ユーザの個人IDと行き先階とを対応付ける。
【0073】
ここで、かご10の移動速度は決まっているので、現在停止している階と各行き先階までの移動に要する時間は、事前に計算できる。仮に、1階から次に停止する予定の4階までの移動時間が4秒で1階からその次に停止する予定の9階までの移動時間が9秒だったとする。なお、ここでは、説明の便宜上、4階での停止時間を無視すると共に、途中の階から乗り込もうとする者がいないものとする。この場合、表示制御部45は、4階に到着するまでの間は、ユーザAに関連する電力情報を電力情報生成部44から取得して、表示装置11に表示させる。本実施の形態において表示装置11に表示された電力情報の表示例を
図14に示す。
【0074】
図14には、ユーザBより先に4階で降りる予定のユーザAに関連する電力情報が表示された例が示されている。この表示例によると、ユーザAのスマートタップ25により測定された過去1週間分の消費電力量の履歴が表示されている。また、ユーザAに対する消費電力量の目標値を合わせて表示することによって省エネ行動を促している。なお、目標値の設定に関しては、本発明の要旨ではないので説明を省略する。
【0075】
このように、本実施の形態では、次の行き先階に到着するまでの間は、次の行き先階で降りる乗客(ユーザA)に関連する電力情報のみを表示対象とする。一方、4階に到着した後、次の行き先階である9階に移動するまでの間は、その階で降りる予定の乗客(ユーザB)に関連する電力情報のみを表示対象とする。
【0076】
本実施の形態によれば、各乗客の行き先階に応じて表示装置11に表示すべき電力情報を異ならせることによって、つまり、次の行き先階で降りる予定の乗客に特化した電力情報を表示することによって当該乗客の省エネ意識を啓発することができる。
【0077】
なお、本実施の形態では、次の行き先階で降りる予定の乗客に特化した電力情報を表示するものとして説明したが、例えば、1階から4階に移動する時間において、乗客に関連する電力情報として、実施の形態1に示したように階毎の電力情報(ここでは、4階と9階)及び/又は実施の形態2に示したように個人毎の電力情報(ここでは、ユーザAとユーザB)と切り替え表示するようにしてもよい。
【0078】
ところで、本実施の形態では、説明の便宜上、かご10の乗客を2人とし、個人IDを先に読み取らせた乗客と行き先階を先に指定した乗客とが同一人物であると仮定して対応付けた。ただ、実際にはこの順序で操作されるとは限らず、また、3人以上乗り込んだ場合、あるいは同じ行き先階を指定する人が乗り込んできた場合などを考慮すると、乗客の個人IDと当該乗客の行き先階との対応付けは、簡単ではないと推測できる。この場合、表示制御部45によりされた対応付けを、入退室管理装置34が管理している個人情報等を参照することによって検証するようにしてもよい。つまり、個人情報を参照することで乗客の居室を特定し、指定された行き先階のうち当該乗客の居室のある階を当該乗客の行き先階と推定して、前述したような表示を行うようにしてもよい。
【0079】
以上説明したように、かご10に乗り込んだ乗客に関連した情報に消費電力量に関連する情報を加工してかご10内の表示装置11に表示するようにしたので、乗客に消費電力に関する情報に興味を持たせることができ、これによりオフィスビルのエレベータの利用者の省エネ意識を啓発することができる。なお、各実施の形態においては、それぞれ異なる形態の内容で表示装置11に情報を表示するようにしたが、各実施の形態において説明した表示形態を適宜組み合わせて実施するようにしてもよい。