(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態であるコンロ1について、図面に基づいて説明する。なお、
図1に示すコンロ1はテーブルコンロであるが、ビルトインコンロ等であってもよい。また、
図1において、下方、上方、右方、左方を、夫々、コンロ1の前方、後方、右方、左方とする。
【0024】
図1,
図2を参照し、コンロ1の物理的構成について説明する。
図1に示すように、コンロ1の天面にはトッププレート2が設けられている。トッププレート2の左側には開口部3が形成されている。右側には開口部4が形成されている。開口部3,4は平面視円形状である。開口部3の内側には強火力バーナ5が設けられている。開口部4の内側には標準バーナ6が設けられている。開口部3,4の各上部には五徳11,12が各々設けられている。五徳11,12の各上部には調理鍋(図示略)等が各々載置される。強火力バーナ5の中心にはセンサ部15が設けられている。標準バーナ6の中心にはセンサ部16が設けられている。なお、強火力バーナ5及び標準バーナ6の各位置は逆であってもよい。
【0025】
センサ部15,16は上下方向に出退可能である。センサ部15,16は五徳11,12に調理鍋が載置された際に下方向へ押し下げられる。センサ部15は、サーミスタ7(
図5参照)、鍋載置センサ52(
図4参照)等を備える。センサ部16は、サーミスタ8(
図5参照)、鍋載置センサ53(
図4参照)等を備える。サーミスタ7,8は、五徳11,12上に載置された調理鍋の鍋底に当接することにより鍋底温度を検出する。調理鍋内の被調理物の温度は直接検出できない。それ故、コンロ1は鍋底温度を検出することにより調理鍋内の被調理物の温度を推定する。
【0026】
鍋載置センサ52,53は、マイクロスイッチ(図示略)等を備える。マイクロスイッチは鍋底によって押し下げられることによりONする。なおマイクロスイッチの他に、例えば磁場によってON/OFFが切り替わるリードスイッチ等を利用してもよい。このような性質を利用することにより、コンロ1は、五徳11,12上に調理鍋が載置されているか否かを識別可能である。
【0027】
トッププレート2の後方には、グリル排気口(図示略)が設けられている。グリル排気口はグリル庫内の排気を行う為の開口である。グリル庫はコンロ1の中央内部に設けられている。グリル排気口には排気口カバー13,14が設けられている。排気口カバー13,14は複数の排気孔13A,14Aを備える。
【0028】
図2に示すように、コンロ1の前面には、グリル扉17、点火スイッチ21〜23、点火確認ランプ91〜93、火力調節レバー25〜27、解除スイッチ81、操作パネル30、電池ボックス29等が各々設けられている。グリル扉17はコンロ1前面の幅方向略中央に設けられている。グリル扉17はグリル庫内の焼き網、受け皿等を出し入れ可能とする。点火スイッチ21はグリル扉17の左隣りに設けられ、強火力バーナ5の点火操作を行う。点火スイッチ22はグリル扉17の右隣りに設けられ、標準バーナ6の点火操作を行う。点火スイッチ23はコンロ1前面の右端側に設けられ、グリル庫内のグリルバーナ(図示略)の点火操作を行う。
【0029】
点火確認ランプ91〜93は、点火スイッチ21〜23の各上部に各々設けられている。例えば、点火スイッチ21が押下され、強火力バーナ5が正常に点火されると、点火確認ランプ91が点灯する。点火スイッチ22が押下され、標準バーナ6が正常に点火されると、点火確認ランプ92が点灯する。点火スイッチ23が押下され、グリルバーナが正常に点火されると、点火確認ランプ93が点灯する。
【0030】
火力調節レバー25は、点火スイッチ21の上側に設けられ、強火力バーナ5の火力調整を手動で行う。火力調節レバー26は、点火スイッチ22の上側に設けられ、標準バーナ6の火力調整を手動で行う。火力調節レバー27は、点火スイッチ23の上側に設けられ、グリルバーナの火力調整を手動で行う。解除スイッチ81は、火力調節レバー25の直上に設けられている。解除スイッチ81は、強火力バーナ5の使用中に、後述する「高温調理モード」を設定する為に押下される。
【0031】
操作パネル30は、コンロ1前面の左端上部に設けられている。操作パネル30は、表示画面31、スピーカ56(
図4参照)、各種設定スイッチ等を備える。表示画面31は各種画面を表示してユーザに各種報知を行う。スピーカ56は音声等による各種報知を行う。電池ボックス29は操作パネル30の下方に設けられている。電池ボックス29は2つの乾電池を格納可能である。
【0032】
さらに、強火力バーナ5、標準バーナ6及びグリルバーナには、イグナイタ35〜37(
図4参照)が各々設けられている。イグナイタ35〜37は点火スイッチ21〜23の点火操作に夫々連動して火花を放電させて各種バーナに点火する機器である。コンロ1は、第1ガス供給管10(
図3参照)、第2ガス供給管(図示略)及び第3ガス供給管(図示略)を備える。第1ガス供給管10は強火力バーナ5にガスを供給する為の管である。第2ガス供給管は標準バーナ6にガスを供給する為の管である。第3ガス供給管はグリルバーナにガスを供給する為の管である。
【0033】
図3に示すように、第1ガス供給管10は分岐配管20を備える。分岐配管20のガスが流れる上流側の一端部は、第1ガス供給管10の分岐部33に接続され、分岐配管20の他端部は、第1ガス供給管10の合流部34に接続されている。安全弁38は、第1ガス供給管10の分岐部33の手前に設けられている。電磁弁61は分岐部33と合流部34の間に設けられている。電磁弁61はガス流量調整用キープソレノイドバルブである。電磁弁62は合流部34と強火力バーナ5の間に設けられている。電磁弁62はガス遮断用キープソレノイドバルブである。なお第1ガス供給管10の上流側にはコックスイッチ(図示略)が設けられている。このような強火力バーナ5では、電磁弁61を開閉することによって、強火力バーナ5に流れるガス流量を2段階で調節できる。これにより、本実施形態では、強火力バーナ5について、火力調節レバー25(
図2参照)を最大に調節したときの火力を、強火力と弱火力の2段階で制御できる。
【0034】
なお、
図3では、第1ガス供給管10は1本の分岐配管20を備えるが、分岐配管を増やして、電磁弁の数を増やすことによって、火力をさらに多段階で調節できるようにしてもよい。また、本実施形態では、電磁弁61,62は流路を開閉するキープソレノイドバルブであるが、例えば流路面積を連続的に増減可能なバルブであってもよい。
【0035】
また、標準バーナ6用の第2ガス供給管においても、第1ガス供給管10と同様に、分岐配管(図示略)、安全弁39(
図4参照)、電磁弁63,64(
図4参照)が各々設けられている。従って、標準バーナ6でも、電磁弁63を開閉することによって、標準バーナ6に流れるガス流量を2段階で調節できる。グリルバーナ用の第3ガス供給管には安全弁40が設けられている。
【0036】
次に、コンロ1の調理モードについて説明する。コンロ1では、少なくとも、通常調理モード、高温調理モードの2種類の調理モードが設定可能である。各モードは、設定方法、基準カット温度、加熱調理中の火力調整等が夫々異なる。
【0037】
通常調理モードは、調理鍋を五徳11上に載置して食材を加熱調理する為に使用される。通常調理モードの点火条件は、点火スイッチ21を押下(点火操作)したこと、さらに鍋載置センサ52によって五徳11上に調理鍋が検出されていること、である。基準カット温度は例えば270℃に設定される。基準カット温度とは、サーミスタ7によって検出される温度であって、強火力バーナ5の燃焼を強制停止させる温度である。加熱調理中の火力は、五徳11上に調理鍋が有りか無しかで自動調節され、調理鍋が有る場合は強火力、調理鍋が無い場合は弱火力に自動調節される。弱火力に自動調節された場合は所定時間経過後に消火される。
【0038】
高温調理モードは、フライパン等の調理鍋を用いて、高温で野菜等の炒めもの調理をする場合に使用される。高温調理モードは初期状態からでは設定できず、強火力バーナ5を使用中に、解除スイッチ81を3秒以上長押しすることによって設定される。基準カット温度は、通常調理モードよりも高い温度に設定され、例えば310℃に設定される。高温調理モードでは、通常の加熱調理よりも比較的高温で調理することが多いので、基準カット温度を高く設定することで、高温での炒めもの調理を可能にする。加熱調理中の火力は、調理鍋が有る場合は強火力、調理鍋が無い場合は弱火力に自動調節される。そして、高温調理モードで加熱調理中に、解除スイッチ81が再押下された場合は、通常調理モードに設定変更される。なお、高温調理モードにおける強火力バーナ5の火力制御は、火力調節レバー25が最大に調節された上で、強火力又は弱火力に制御されるものとする。
【0039】
図4を参照し、コンロ1の電気的構成について説明する。コンロ1は制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、第1タイマ85、第2タイマ86、グリルタイマ87等を備える。CPU71はコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72はコンロ1のメインプログラムに加え、調理モード設定報知プログラム等の各種制御プログラムを記憶する。調理モード設定報知プログラムは、後述する調理モード設定報知処理(
図5参照)を実行する為のものである。RAM73は、CPU71が実行する各種制御処理の各種情報を一時的に記憶する。各種タイマ85〜87はプログラムで作動する。第1タイマ85は、後述する第1圧電ブザー54の出力間隔時間(例えば1秒)を計測する。第2タイマ86は、解除スイッチ81の長押しを確定する為の時間(例えば3秒)を計測する。グリルタイマ87は、グリルの調理時間を設定し、自動消火・音声報知を行う為のものである。グリルタイマ87の設定時間、残り時間等は、表示画面31に表示される。
【0040】
制御回路70には、電源回路41、スイッチ入力回路42、サーミスタ入力回路43、操作パネル入力回路44、イグナイタ回路45、安全弁回路46、電磁弁回路47、センサ入力回路48、第1ブザー回路49、第2ブザー回路50、音声合成回路51、ランプ駆動回路58等が各々接続されている。電源回路41は電池ボックス29(
図2参照)に搭載される2つの乾電池によって各種回路に電源を供給する。電源回路41はトランジスタスイッチ(図示略)を備える。スイッチ入力回路42は、点火スイッチ21〜23、及び解除スイッチ81の押下を各々検出する。操作パネル入力回路44は操作パネル30における各種操作の入力を行う。イグナイタ回路45は各種バーナのイグナイタ35〜37を各々駆動する。安全弁回路46は各安全弁38〜40の開閉を行う。電磁弁回路47は各電磁弁61〜64の開閉を行う。センサ入力回路48には、鍋載置センサ52,53が各々接続されている。センサ入力回路48は鍋載置センサ52,53の各検出信号の入力を行う。
【0041】
また、第1ブザー回路49には第1圧電ブザー54が接続されている。第1ブザー回路49は第1圧電ブザー54を駆動する。第1圧電ブザー54は、解除スイッチ81の長押しが受け付け中であることを報知する。第2ブザー回路50には第2圧電ブザー55が接続されている。第2ブザー回路50は第2圧電ブザー55を駆動する。第2圧電ブザー55は、解除スイッチ81の長押しが確定したことを報知する。各圧電ブザー54,55は、圧電素子と金属板を貼り合わせた振動板のたわみ振動を発音源とした周知のものである。第1圧電ブザー54が出力する第1ブザー音は、低音域の音である。第2圧電ブザー55が出力する第2ブザー音は、第1ブザー音よりも高音域の音である。例えば、第1ブザー音の周波数を2kHzとし、第2ブザー音の周波数を2.25kHzとすることによって、2音階程度の差をつけてもよい。音声合成回路51はスピーカ56から出力させる音声ガイドの音声を合成する。ランプ駆動回路58には、点火確認ランプ91〜93、及び長押し確定ランプ95が各々接続されている。ランプ駆動回路58は、CPU71による制御に基づき、点火確認ランプ91〜93、及び長押し確定ランプ95を各々点灯させる。
【0042】
なお、点火スイッチ21〜23、及び解除スイッチ81は、スイッチ入力回路42及び電池ボックス29に格納された乾電池のプラス側に対して、並列に夫々接続されている。乾電池のマイナス側は電源回路41に接続され、スイッチ入力回路42も電源回路41に接続されている。ユーザによって、点火スイッチ21〜23、及び解除スイッチ81のうち何れかが押下されると、乾電池の電源がスイッチ入力回路42を介して電源回路41に供給され、電源回路41のトランジスタスイッチがONされる。これにより、電源回路41から各種回路に電流が流れ、コンロ1の電源がONされる。スイッチ入力回路42は、点火スイッチ21〜23、及び解除スイッチ81のうち何れが押下されたかを検出し、その検出信号を制御回路70に入力する。従って、CPU71は、どのスイッチ21〜23が押下されたのか判断できる。
【0043】
図5を参照し、CPU71が実行する調理モード設定報知処理について説明する。ユーザによって点火スイッチ21が押下されると、CPU71は、他の燃焼制御プログラムに基づき、通常調理モードを設定し、強火力バーナ5の火力制御を開始する。さらに、CPU71は、ROM72から調理モード設定報知プログラムを読み出し、本処理を実行する。ユーザは、炒め物料理を行う為に、解除スイッチ81を3秒間長押しする。CPU71は、解除スイッチ81が3秒以上長押しされたことを契機に、通常調理モードから高温調理モードへの設定変更を行う。
【0044】
先ず、CPU71は、解除スイッチ81がONされたか否か判断する(S1)。解除スイッチ81がONされるまでは(S1:NO)、S1に戻って、待機状態となる。解除スイッチ81がONされた場合(S1:YES)、長押し確定ランプ32の点滅を開始し(S2)、第2タイマ86による計測を開始する(S3)。第2タイマ86は長押し時間(例えば3秒)を計測する。さらに、CPU71は第1圧電ブザー54を駆動し、第1ブザー音を「ピッ」と出力してから(S4)、第1タイマ85による計測を開始する(S5)。第1タイマ85は、第1ブザー音の出力間隔時間(例えば1秒)を計測する。
【0045】
次いで、CPU71は、第2タイマ86による計測が終了したか否か判断する(S6)。解除スイッチ81の長押しが3秒に達していない場合(S6:NO)、続いて、第1タイマ85による計測が終了したか否か判断する(S7)。S4で第1ブザー音を「ピッ」と出力してからまだ1秒に達していない場合(S7:NO)、CPU71は、解除スイッチ81がONか否か判断する(S10)。ユーザが解除スイッチ81の長押しを3秒経過する前に止めてしまった場合、解除スイッチ81はOFFであるので(S10:NO)、それまで点滅していた長押し確定ランプ32を消灯し(S11)、S1に戻り、解除スイッチ81の押下を再び監視する。
【0046】
これとは反対に、ユーザが解除スイッチ81の長押しを継続している場合、解除スイッチ81は引き続きONされているので(S10:YES)、CPU71は、S6に戻り、処理を繰り返す。そして、第1タイマ85による計測が終了した場合(S7:YES)、S4で第1ブザー音を「ピッ」と出力してから1秒が経過したので、第1圧電ブザー54を駆動し、第1ブザー音を「ピッ」と出力し(S8)、第1タイマ85による計測を再度開始する(S5)。これにより、ユーザが解除スイッチ81を長押ししている間は、長押し確定ランプ32が点滅すると共に、第2ブザー音が1秒毎に「ピッ、ピッ」と鳴り続ける。このような光と音の相乗効果によって、ユーザは、解除スイッチ81の長押しが受け付け中であることを容易に認識できる。
【0047】
そして、第2タイマ86による計測が終了した場合(S6:YES)、解除スイッチ81が3秒以上長押しされたので、第2圧電ブザー55を駆動し、第2ブザー音を「ピー」と出力する(S12)。第2ブザー音は、第1ブザー音よりも高音且つ長めに出力される。これにより、ユーザは、それまで受け付け中であった解除スイッチ81の長押しが確定し、通常調理モードから高温調理モードに設定変更されたことを容易に認識できる。さらに、CPU71は、長押し確定ランプ32を点滅から点灯に切り替えるので(S13)、光と音の相乗効果により、解除スイッチ81の長押しが確定したことをさらに容易に認識できる。そして、ユーザは、高温調理モードに設定変更されたことを確認した上で、強火力バーナ5において炒めもの調理を行うことができる。
【0048】
次いで、CPU71は、解除スイッチ81からユーザの手が一旦離れたことを確認する為に、解除スイッチ81がOFFされたか否か判断する(S14)。解除スイッチ81が押されている間は(S14:NO)、S14に戻って、待機状態となる。CPU
71は、解除スイッチ81がOFFされた場合(S14:YES)、続いて、解除スイッチ81がONされたか否か判断する(S15)。ユーザは、高温調理モードから再び通常調理モードに設定変更したい場合、解除スイッチ81を押下する。解除スイッチ81がONされなければ(S15:NO)、S15に戻って、解除スイッチ81の押下が監視される。
【0049】
そして、解除スイッチ81がONされた場合(S15:YES)、CPU71は、高温調理モードの設定時と同様に、第2ブザー音を「ピー」と出力し(S16)、長押し確定ランプ32を消灯する(S17)。これにより、ユーザは、高温調理モードから通常調理モードに設定変更されたことを容易に認識できる。そして、CPU71はS1に戻り、処理を繰り返す。
【0050】
このように、本実施形態では、通常調理モードから高温調理モードに設定変更された場合、及び高温調理モードから通常調理モードに設定変更された場合の何れの場合においても、第2ブザー音が出力される。つまり、どの調理モードに設定変更された時にも、第2ブザー音が出力されるので、第2ブザー音は、調理モードが確実に設定変更されたことを印象付けることができる。従って、解除スイッチ81の長押しによって、第1ブザー音が1秒間隔で出力された後に、第2ブザー音が出力された場合には、ユーザは、解除スイッチ81の長押しが確定し、高温調理モードに設定変更されたことを正しく認識できる。
【0051】
なお、上記説明において、第1ブザー音が本発明の「第1報知音」に相当し、第2ブザー音が本発明の「第2報知音」に相当し、サーミスタ7が本発明の「温度検出手段」に相当し、解除スイッチ81が本発明の「スイッチ」に相当し、長押し確定ランプ32が本発明の「発光手段」に相当する。さらに、
図5のS1の処理を実行するCPU71が本発明の「検知手段」に相当し、S4、S8の処理を実行するCPU71が本発明の「第一報知出力手段」に相当し、に相当し、S12の処理を実行するCPU71が本発明の「第二報知出力手段」に相当する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のコンロ1では、強火力バーナ5の使用中、通常調理モードから高温調理モードに設定変更する為に、ユーザは解除スイッチ81を3秒以上長押しする。CPU71は、解除スイッチ81の押下を検知した場合、第1ブザー音を出力する。次いでCPU71は、解除スイッチ81の長押しが3秒間継続した場合、第1ブザー音とは異なる第2ブザー音を出力し、ユーザに対し、高温調理モードに設定変更されたことを知らせる。これにより、ユーザは、第1ブザー音によって解除スイッチ81の押し操作が受け付けられたことを認識でき、さらに第2ブザー音によって長押し操作が確定されたことを認識できる。従って、解除スイッチ81を押し続けている間、解除スイッチ81の押し操作がどの段階にあるか、即ち、受け付け中であるか確定されたかを明確に認識できる。
【0053】
また上記実施形態では特に、解除スイッチ81の押し操作が検知されてから、押し操作が確定する3秒間は、第1ブザー音を出力する。これにより、ユーザは、解除スイッチ81が押下されてからの3秒間においては、押し操作が有効であることを明確に認識できる。
【0054】
また上記実施形態では特に、CPU71は、解除スイッチ81が押下されてからの3秒間、第1ブザー音を断続的(本実施形態では1秒間隔)に出力する。これにより、ユーザは解除スイッチ81の押し操作が受け付け中であることを、さらに明確に認識できる。
【0055】
また上記実施形態では特に、長押し確定ランプ32を備える。解除スイッチ81が押下されてから3秒経過するまでに、CPU71は、第1ブザー音を1秒間隔で出力すると共に、長押し確定ランプ32を点滅させる。これにより、光と音の相乗効果によって、ユーザは解除スイッチ81の押し操作が受け付け中であることをより明確に認識できる。さらに、解除スイッチ81が押下されてから3秒経過した場合は、第2ブザー音を出力すると共に、長押し確定ランプ32を点滅から点灯に切り替える。これにより、光と音の相乗効果によって、ユーザは、解除スイッチ81の押し操作が確定したことをより明確に認識できる。
【0056】
また上記実施形態では特に、第1ブザー音と第2ブザー音とは音の波長が互いに異なっている。従って、ユーザは音の高低差によって、第1ブザー音と第2ブザー音との違いを確実に認識できる。例えば、第2ブザー音を、第1ブザー音よりも高音域の波長の音に設定することによって、解除スイッチ81の長押し操作の確定を境に、ブザー音が低音から高音に変化するので、解除スイッチ81の長押し操作が確定したことを、ユーザに対してより強く認識させることができる。
【0057】
また上記実施形態では特に、調理鍋の鍋底温度を検出するサーミスタ7を備え、サーミスタ7によって検出される温度であって、強火力バーナ5を強制的に消火させる基準カット温度が異なる通常調理モードと高温調理モードを夫々設定可能である。高温調理モードの設定を、解除スイッチ81の3秒以上の長押しによって可能とすることによって、コンロ1の安全性を向上できる。
【0058】
また上記実施形態では特に、CPU71は、通常調理モードが設定された場合にも第2ブザー音を出力するので、これにより、解除スイッチ81が3秒以上の長押しされたことによって、第2ブザー音が出力された場合、ユーザは、解除スイッチ81の長押しが確定し、高温調理モードに設定変更されたことを正しく認識できる。
【0059】
なお本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、強火力バーナ5の点火制御を一例として説明したが、標準バーナ6においても同様の制御を行えるようにしてもよい。
【0060】
また上記実施形態において、各モードの基準カット温度は一例であって、これ以外の数値で設定してもよく、ユーザによって適宜変更できるようにしてもよい。なお、通常調理モードの基準カット温度は、油発火温度よりも低く設定するのが好ましい。また、高温調理モードの基準カット温度は、油発火温度付近であっても、サーミスタ7が故障すると想定される温度以下に設定するのが好ましい。
【0061】
また上記実施形態において、加熱調理中に、調理モードが設定変更された場合に、スピーカ56からさらに音声で報知するようにしてもよい。その際、音声メッセージを出力するようにしてもよい。さらには、操作パネル30の表示画面31に現在の調理モードを表示するようにしてもよい。
【0062】
また上記実施形態では、通常調理モードと高温調理モードの2種類の調理モードを設定可能としたが、これらに加え、例えば、炙りモードを設定可能としてもよい。炙りモードは、調理鍋等を五徳11上に載置せずに、強火力バーナ5の上方で食材(例えば海苔等)を炙りながら加熱調理する為に使用される。炙りモードの点火条件は、解除スイッチ81を押下してから点火スイッチ21を押下したこと、さらに鍋載置センサ52によって五徳11上に調理鍋が検出されていないこと、である。
【0063】
さらに、基準カット温度は、通常調理モードよりも高い温度に設定され、例えば300℃に設定される。加熱調理中の火力は、調理鍋が五徳11上に載置されていなければ、原則所定火力に維持される。なお、加熱調理中に、調理鍋が五徳11上に載置された場合は、使用者が炙り調理を終了したものとみなし、通常調理モードに自動的に設定変更される。また、炙りモードで加熱調理中に解除スイッチ81が押下された場合は、通常調理モードに設定変更される。このような炙りモードが設定され、及び設定変更される時にも、第2ブザー音を出力してもよい。
【0064】
また上記実施形態において、調理モード設定報知処理(
図5参照)は、CPU71によって実行される例に限定されず、他の電子部品(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。また、調理モード設定報知処理は、複数の電子機器(つまり、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。
【0065】
また上記実施形態では、本発明の「スイッチ」の一例として、解除スイッチ81を説明したが、これ以外のスイッチにも適用可能である。例えば、コンロ1に、子供による誤操作を防止する為のチャイルドロック機能を設け、該機能を設定する為のスイッチに、本発明のスイッチを適用してもよい。チャイルドロック機能として、コンロ1の全操作無効、又は一部の操作無効とする機能が挙げられる。その他にも、バーナを一時的に所定発熱量を越える発熱量で燃焼させるように燃料ガス供給量を増大させるブースト機能を設け、該機能を設定する為のスイッチに、本発明のスイッチを適用してもよい。