特許第5917383号(P5917383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917383
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/00 20060101AFI20160422BHJP
   F01P 5/06 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   F01P11/00 C
   F01P5/06
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-270117(P2012-270117)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-114763(P2014-114763A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2014年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】手原 怜
【審査官】 寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−190046(JP,A)
【文献】 実開昭62−129322(JP,U)
【文献】 特開2000−045330(JP,A)
【文献】 特表2003−524095(JP,A)
【文献】 実開昭53−101947(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 1/00 − 11/20
E02F 9/00 − 9/18
9/24 − 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、この上部旋回体に一端側を取り付けた作業装置とを備え、前記上部旋回体に、エンジンと、このエンジンを冷却する冷却水と熱交換するラジエータと、このラジエータに冷却風を送風する冷却ファンと、前記ラジエータに補給する冷却水を貯蔵するリザーブタンクとを有する建設機械において、
前記冷却ファンの外周部を覆い、前記エンジンと前記ラジエータとを区画するシュラウドを設け、このシュラウドの上部角部に前記リザーブタンクを保持するリザーブタンク室を形成し、このリザーブタンク室は前記エンジンが配置される機械室部分熱的に仕切られており、さらに前記リザーブタンク室は前記ラジエータと前記冷却ファンとの間に開口する開口部を有し、
前記リザーブタンク室には、前記冷却ファンが吸気する外部空気の一部をこのリザーブタンク室内に導くための吸気口を形成し、
前記吸気口に連接するダクトを設け、このダクトに前記吸気口に連通する開口と、前記ラジエータ室に開口する開口とを設けた
ことを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械に係り、特に建設機械のラジエータに補給する冷却水を貯えるリザーブタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械が備えるラジエータに給水するためのリザーブタンクの例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の油圧ショベルにおいては、ラジエータの冷却効率を阻害せず、かつメンテナンス性に優れたラジエータ用リザーブタンクとするために、上部旋回体の内部にエンジンと、エンジンに接続された冷却用ファンと、冷却用ファンの前方に配置されたラジエータを収納し、ラジエータのリザーブタンクを冷却用ファンのシュラウドの直上に配置している。そして、リザーブタンクの注水口とラジエータの注水口とをほぼ同じ高さに配置し、この両注水口をホースで連結している。また、ラジエータの注水口を、ラジエータ本体の上面から突出させている。
【0003】
建設機械が備えるラジエータに給水するためのリザーブタンクの他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載リザーブタンクは、振動による弊害をなくしメンテナンスが容易で、且つ省スペースとなるように、建設機械のカウンタウエイトの一部を切り欠き、この切り欠き部分にラジエータ用のリザーブタンクを取り付けている。これにより、リザーブタンクのメンテナンスを地面に立ったまま実行できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−190046号公報
【特許文献2】特開2004−360498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の油圧ショベルにおいては、ラジエータ側とエンジン側とを仕切板で仕切り、エンジン側に配置したシュラウドの直上にラジエータ用のリザーブタンクを配置している。そのため、冷却ファンからラジエータへの送風を阻害せず、シュラウドよりも高い位置にあるので冷却水のメンテナンスも可能になっている。しかしながらこの公報に記載の油圧ショベルでは、リザーブタンクがエンジン室の高温下にさらされて、リザーブタンク内の冷却水が温度上昇する恐れがある。しかもラジエータの温度上昇を防止するために、エンジンとラジエータ間に仕切板を設けているので、エンジン室内ではエンジンで発生した熱が周囲空気を加熱し、仕切板付近では特に滞留しやすくなることについては考慮されていない。
【0006】
リザーブタンクを設置した周囲の温度が高温になると、リザーブタンク内の冷却水が蒸発する恐れもあり、リザーブタンクの温度管理が重要になってくる。なお、リザーブタンクの高さ(または水面)位置が、ラジエータのアッパータンクよりも所定高さだけ高くないと、リザーブタンクとして十分には機能しないので、リザーブタンクの高さ管理も重要である。
【0007】
上記特許文献2に記載の建設機械では、建設機械の側面付近のカウンタウエイトの一部を切り欠いて、その切り欠いた部分にリザーブタンクを固定しているので、振動によりリザーブタンク内の冷却水がこぼれ出ることを防止できる。それとともに、開閉扉をあけるだけでリザーブタンク内の冷却液量を目視で確認できるという利点を有している。
【0008】
しかしながらこの公報に記載の建設機械では、リザーブタンクとラジエータとを離して配置せざるを得ず、冷却水の取り回しや、リザーブタンクがラジエータのアッパータンクよりも高い位置に設定するための仕組みが複雑になる恐れがある。
【0009】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、ラジエータのアッパータンクよりも高い設置位置という基準を満足しながら、リザーブタンクがエンジンで発生する熱の影響をできるだけ回避することにある。また、リザーブタンクをラジエータの近傍に配置することにより、リザーブタンクとラジエータ間の接続を容易にすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の特徴は、下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、この上部旋回体に一端側を取り付けた作業装置とを備え、上部旋回体に、エンジンと、このエンジンを冷却する冷却水と熱交換するラジエータと、このラジエータに冷却風を送風する冷却ファンと、ラジエータに補給する冷却水を貯蔵するリザーブタンクとを有する建設機械において、冷却ファンの外周部を覆い、エンジンとラジエータとを区画するシュラウドを設け、このシュラウドの上部角部にリザーブタンクを保持するリザーブタンク室を形成し、このリザーブタンク室はエンジンが配置される機械室部分と熱的に仕切っており、さらにリザーブタンク室はラジエータが配置されるラジエータ室側に開口部を有することにある。
【0011】
そしてこの特徴において、リザーブタンク室に、前記冷却ファンが吸気する外部空気の一部をこのリザーブタンク室内に導くための吸気口を形成するのがよく、吸気口に連接するダクトを設け、このダクトに吸気口に連通する開口と、ラジエータ室に開口する開口とを設けるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リザーブタンクをシュラウドの上部に区画して形成したリザーブタンク室に配置したので、ラジエータのアッパータンクよりも高い設置位置という基準を満足しながら、リザーブタンクがエンジンで発生する熱の影響を回避できる。また、ラジエータの近傍に配置したので、リザーブタンクとラジエータ間の接続が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る建設機械の一実施例の側面図である。
図2図1に示した建設機械の上部旋回体の平面図であってカバーを取り除いた図である。
図3図2に示した上部旋回体に配置されたエンジン周りの斜視図である。
図4】本発明に係るリザーブタンク周りの平面断面図である。
図5図4の正面断面図である。
図6図4に示したリザーブタンクの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るリザーブタンクを有する建設機械の一実施例を、図面を用いて説明する。図1は、建設機械1の側面図であり、図2はその上面図である。本実施例では、建設機械1として、クローラ式の油圧ショベルを例にとり説明するが、建設機械1はクローラ式の油圧ショベルに限るものではなく、ホイール式の油圧ショベルや、油圧クレーン、ホイールローダ、トラクタ等の他の建設機械にも広く適用できる。
【0015】
建設機械1としてのクローラ式の油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、上部旋回体4の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置5とにより大略構成されている。下部走行体2では、走行モータ2Aが外周部に取り付けた履体を駆動する。旋回装置3は、図2に示す旋回モータ3Aを回転駆動することにより、下部走行体2に対し上部旋回体4を旋回させる。
【0016】
作業装置5は、上部旋回体4に俯仰動可能に取付けられたブーム5Aと、ブーム5Aの先端部に俯仰動可能に取付けられたアーム5Bと、アーム5Bの先端部に回動可能に取付けられたバケット5Cとを有している。ブーム5Aはブームシリンダ5Dにより俯仰動され、アーム5Bはアームシリンダ5Eにより回動される。バケット5Cは、バケットシリンダ5Fにより回動される。下部走行体2の走行モータ2Aと旋回装置3の旋回モータ3Aと作業装置5の各油圧シリンダ5D、5E、5Fを、上部旋回体4に設けた制御弁が制御している。
【0017】
上部旋回体4の下部を構成する旋回フレーム6の左前側には、キャブ7が設けられている。キャブ7には、この油圧ショベル1を操作するオペレータが搭乗可能なように、図示しない運転席、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー等が配設されている。旋回フレーム6の後端部には、カウンタウエイト8が取り付けられている。このカウンタウエイト8は、作業装置5との重量バランスのために設けられており、後面側が湾曲するように突出している。
【0018】
図2に示すように、旋回フレーム6の後ろ側であってカウンタウエイト8の前側には、油圧ショベル1の駆動源となるエンジン9を収容する機械室25が形成されている。エンジン9は、旋回フレーム6上に左、右方向に延在する横置き状態で搭載されている。エンジン9の出力軸側には、外気により熱交換器33を冷却するために冷却ファン10が取り付けられている。
【0019】
エンジン9への冷却ファン10取付け側と反対側、すなわち油圧ショベル1の右後ろ側には、複数台の油圧ポンプからなる油圧ポンプユニット22が配置されている。油圧ポンプユニットの前側22には、作動油タンク21および燃料タンク20が並んで配置されている。作動油タンク21には、下部走行体2および作業装置5等を駆動するための作動油が貯えられている。作動油タンク21は、油圧ポンプユニット22に接続されている。
【0020】
エンジン9の前側の上部には、吸気の流量を増大させるターボチャージャ等の過給機9Aが、排気管23に介在して設けられている。なお、エンジン9は、旋回フレーム6上に防振マウントを介して防振状態で支持されている。
【0021】
エンジン9の左側には、エンジン冷却水を冷却するラジエータ30、作動油を冷却するオイルクーラ32、エンジン9が吸込む空気を冷却するインタークーラ31からなる熱交換装置33が配置されている。これらの各クーラ30〜32は、冷却ファン10に対面して設けられている。エンジン9や熱交換器装置33、油圧ポンプユニット22等は、建屋カバー17で覆われている。建屋カバー17は、上部旋回体4の後側にエンジン9、熱交換装置33、油圧ポンプユニット22等を収容する機械室25を画成する。
【0022】
ここで、本発明に特徴的なリザーブタンク12が、冷却ファン10の外周部であって冷却ファン10の前側に配置されている。このリザーブタンク12の詳細を、図3ないし図6を用いて説明する。図3は、エンジン9周りを斜視図で示した図であり、エンジン9の左前方からの斜視図である。図4は、熱交換装置33周りの平面断面図であり、図5は同熱交換装置33周りの正面断面図、図6はリザーブタンク12の斜視図である。
【0023】
エンジン9の出力軸に減速手段9Bを介して、冷却ファン10が取り付けられている。冷却ファン10は、矩形状に構成された板金製のシュラウド11に収容されている。シュラウド11の中央部には円形の開口部11Bが形成されており、開口部11Bの周辺部はエンジン9側に突起している。シュラウド11からエンジン9の軸方向に所定距離だけ離して、熱交換装置33がシュラウド11面とほぼ平行になるように配置されている。
【0024】
上述したように、熱交換装置33はラジエータ30及びオイルクーラ32、インタークーラ31を有している。そして、中央にラジエータ30が、その両側にオイルクーラ32及びインタークーラ31が配置されている。したがって、冷却ファン10で吸気された外部空気がオイルクーラ32内を流れる作動油や、ラジエータ30内を流れる冷却水、インタークーラ31内を流れる空気と熱交換可能になっている。
【0025】
図4及び図5に示すように、油圧ショベル1の後ろ側となる図面の左側には、インタークーラ31が配置されている。インタークーラ31の流入口31Cは、シュラウド11の上方に配置されており、流出口31Dはシュラウド11の下方に設置されている。同様に、中央に配置されるラジエータ30の冷却水流入口30Cがシュラウドの上方であって、インタークーラ31の流入口31Cに並んで配置されており、冷却水流出口30Dがシュラウド11の下方に流出口31Dと並んで設置されている。ここで、ラジエータ30の上部にはアッパータンク30Uが形成されており、冷却水入口30Cはアッパータンク30Uに連通している。オイルクーラ32の側部であって上部および下部にはエルボ32A、32Bが接続されており、上部のエルボ32Aは流入口32Cを、下部のエルボ32Bは流出口32Dを形成している。熱交換装置33の上部は、エンジンカバー18で覆われている(図5参照)。なおエンジンカバー18はエンジン9側へも延在している。
【0026】
シュラウド11の前後両端部は、建屋カバー17にボルト等で接続されている。ここで、建屋カバー17とシュラウド11がほぼ垂直な位置となるように、シュラウド11は配置されている。これにより、ラジエータ30を含む熱交換装置33を、エンジン9が配置された部分から区画できる。この区画された部分をラジエータ室35と呼ぶ。ラジエータ室35を区画形成することにより、エンジン9で発生した熱が直接ラジエータ30等の熱交換装置33に伝達することを防止する。
【0027】
前側の建屋カバー17の周縁部は、剛性の向上と取り付け性のため折れ曲がっている。上端部の折り曲げ部には、インタークーラのエルボ32Aのために、切り欠き17Cが形成されている。エルボ32Aの下方であって、前側の建屋カバー17に沿って、断面矩形状のダクト14が設けられている。ダクト14は、油圧ショベル1の左右方向に延びており、建屋カバー17に溶接により固定されている。図4に示すようにダクト14の左右方向の両端は閉じられており、端部近傍には開口14A、14Bが形成されている。
【0028】
ダクト14が取り付けられた建屋カバー17のダクト14取付面とは反対側の面であって、シュラウド11の斜め上方角部には、ラジエータ30に補給する冷却水を貯蔵するリザーブタンク室13が形成されている。リザーブタンク室13は、シュラウド11面を中間位置とし、エンジン9側及びラジエータ室35側にそれぞれ突き出た直方体状の空間である。
【0029】
すなわち図6に詳細を示すように、リザーブタンク室13は、シュラウド11の前側の上角部に形成されており、冷却ファン10の可動範囲となる開口部11Bから所定距離だけ離れて形成されている。リザーブタンク室13を建屋カバー17に取り付けるため、リザーブタンク室13の前側側面45には、上下方向の中間部に取り付け用の複数のボルト穴37が形成されている。また、リザーブタンク室13の他の側面43、44、42および底面41と前側側面45は、板金を折り曲げて箱型に一体に形成されてケース13を形成している。リザーブタンク室13の上面44は蓋部材であり、蝶番13Aにより前側側面45に開閉可能に取り付けられており、リザーブタンク室13内に保持するリザーブタンク12の交換や冷却水の補充・点検作業を容易にしている。
【0030】
後ろ側の側面42には、ラジエータ室35に開口する開口部13Bが形成されている。一方、前側の側面45の下部には、左右方向に細長い開口45Aが形成されている。この開口45Aの両側には、リザーブタンク室13に上述したダクト14を取り付けるための取付孔36が形成されている。
【0031】
図4図5に戻って、ダクト14を取付孔36を利用してラジエータ室35に取り付けた状態では、ダクト14の開口14Aとリザーブタンク室13の開口45Aとが重なる位置となっている。したがって、冷却ファン10が吸気する外部空気の一部は、ラジエータ室35に開口する開口14Bからダクト14へ導かれ、ダクト14に形成した開口14Bからリザーブタンク室13の前側側面45に形成した開口部45Aを経てリザーブタンク室13に流入する。そして、リザーブタンク室13内を冷却した後、リザーブタンク室13に形成した開口である排出口13Bから冷却ファン10内に流入する。
【0032】
リザーブタンク室13内には、リザーブタンク12が保管されているので、リザーブタンク13内の補充用冷却水は、冷却ファン10が吸気する外部空気でエンジン9が稼働中は常時冷却される。これにより、エンジン9で発生した熱が伝達して補充用冷却水を異常に高める恐れはなく、また、補充用冷却水の意図しない蒸発による冷却水量の減少を防止できる。
【0033】
リザーブタンク室13内に配置したリザーブタンク12に一端部を浸けたホース16は、その中間部を保持部材16Aで保持された後、ラジエータ30の天井部に設けた給水口に取り付けた給水キャップ30Aのホース接続部30Bに接続されている(図3参照)。
これにより、ラジエータ30の冷却水が不足した場合に、ホースを16介して冷却された補充用冷却水がラジエータ30に供給可能になっている。
【0034】
以上のように構成した本実施例では、リザーブタンク室13を、冷却ファン10が配置された結果デッドスペースとなるシュラウド11の角部に配置し、しかも上部角部に配置したので、リザーブタンク12の高さ方向位置ラジエータ30のアッパータンク30Uよりも所定距離だけ高い位置にすることがでる。これにより、ラジエータ30からリザーブタンク12への冷却水の逆流防止できる。また、シュラウド11を挟んで反エンジン側に位置するラジエータ室35から、リザーブタンク室13に冷却風を導いているので、リザーブタンク室13内がエンジン9からの熱により異常に温度上昇するのを防止できる。さらに、リザーブタンク12内の冷却水の温度上昇と冷却水量の低下とを共に防止できる。
【0035】
また、スペースが許せば、リザーブタンク室内にECUまたはウインドウォッシャタンクを配置してもよい。これらもエンジンの排熱から区画することにより、蒸発による容量の低下を防止できる。さらに、シュラウドの後ろ側上部角部に、上記リザーブタンク室13とほぼ対称な第2のリザーブタンク室を形成して、上記ECUまたはウインドウォッシャタンクを配置できるようにしてもよい。この場合でもダクトやラジエータ室への開口を設けると、第2のリザーブタンク室内の溶液温度の上昇を防止する効果が増し、溶液の蒸発による減少の防止効果も増大する。
【符号の説明】
【0036】
1…油圧ショベル(建設機械)、2…下部走行体、2A…走行モータ、3…旋回装置、3A…旋回モータ、4…上部旋回体、5…作業装置、6…旋回フレーム、7…キャブ、8…カウンタウエイト、9…エンジン、9A…過給機、9B…減速手段、10…冷却ファン、11…シュラウド、11B…開口部、12…リザーブタンク、13…リザーブタンク室(ケース)、13A…蝶番、13B…開口(排出口)、14…ダクト、14A…開口(吸気口)、14B…開口(ラジエータ室吸気口)、15…カバー、16…ホース、16a…係止手段、17…建屋カバー、18…エンジンカバー、20…燃料タンク、21…作動油タンク、22…油圧ポンプユニット、23…排気管、25…機械室、30…ラジエータ、30A…吸水口(吸水キャップ)、30B…接続部、30C…流入口、30D…流出口、30U…アッパータンク、31…インタークーラ、31C…流入口、31D…流出口、32…オイルクーラ、32A、32B…エルボ、32C…流入口、32D…流出口、33…熱交換装置、35…ラジエータ室。
図1
図2
図3
図4
図5
図6