特許第5917404号(P5917404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917404
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月11日
(54)【発明の名称】ゴルフショット追跡システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20160422BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   A63B71/06 F
   A63B69/36 541L
   A63B69/36 541Z
【請求項の数】18
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2012-538061(P2012-538061)
(86)(22)【出願日】2010年11月8日
(65)【公表番号】特表2013-509968(P2013-509968A)
(43)【公表日】2013年3月21日
(86)【国際出願番号】US2010055837
(87)【国際公開番号】WO2011057194
(87)【国際公開日】20110512
【審査請求日】2013年10月1日
(31)【優先権主張番号】61/258,967
(32)【優先日】2009年11月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511148592
【氏名又は名称】スカイホーク・テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】メドウズ、ジェームズ・ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ルート、リチャード・エル.
(72)【発明者】
【氏名】エドモンソン、リチャード・シー.
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0209358(US,A1)
【文献】 特開2003−339929(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/117100(WO,A2)
【文献】 特開2007−206748(JP,A)
【文献】 特開2009−223744(JP,A)
【文献】 特開2006−338336(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0029916(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0085778(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0282650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
A63B 71/06
A63B 53/00 − 57/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブに連結されたタグであって、
前記ゴルフクラブの検出された運動に基づいて信号を出力するように構成されているセンサユニットと、ここで、前記センサユニットは複数のセンサを含む、
ボール打撃事象を判定するために、前記複数のセンサの一組の出力を記憶された基準センサ出力値のプロファイルと比較するように構成されているマイクロコントローラと、ここで、前記基準センサ出力値の前記プロファイルは、前記タグから離れた機器によって構成され、前記タグから離れた前記機器から受信され、前記記憶された基準センサ出力値の前記プロファイルはセンサ閾、パラメータ、および、重み係数を有する、
前記マイクロコントローラによって実行された比較が、ボール打撃事象が判定されていると判定しているとき、前記一組のセンサ出力に対応するデータを前記タグから離れた前記機器へ送信するように構成されているトランシーバと、を備え、
前記一組のセンサ出力に対応する前記データは、前記基準センサ出力値の前記プロファイルを更新するために前記センサ閾と前記パラメータと前記重み係数を最適化するために使用されるタグ。
【請求項2】
前記センサユニットが前記ゴルフクラブの加速度を検出するように構成された加速度計を含む、請求項1に記載のタグ。
【請求項3】
前記センサユニットが前記ゴルフクラブに加えられた衝撃を検出するように構成された衝撃センサを含む、請求項1に記載のタグ。
【請求項4】
前記センサユニットが前記ゴルフクラブの位置を検出するように構成された位置センサを含む、請求項1に記載のタグ。
【請求項5】
前記センサユニットが前記ゴルフクラブの姿勢を検出するように構成されたジャイロセンサを含む、請求項1に記載のタグ。
【請求項6】
前記センサユニットは、前記ゴルフクラブの加速度を検出するように構成された加速度計と、前記ゴルフクラブに加えられた衝撃を検出するように構成された衝撃センサと、前記ゴルフクラブの位置を検出するように構成された位置センサと、前記ゴルフクラブの姿勢を検出するように構成されたジャイロセンサとを含む、請求項1に記載のタグ。
【請求項7】
前記ゴルフクラブの検出された傾きに基づいて信号を出力するように構成された傾きセンサをさらに備える、請求項1に記載のタグ。
【請求項8】
前記マイクロコントローラは、前記傾きセンサの出力に基づく前記ゴルフクラブが直立しているとの判定に基づいて、前記ゴルフクラブが動作中状態にあるかどうかを判定するように構成されている、請求項に記載のタグ。
【請求項9】
前記マイクロコントローラは、前記ゴルフクラブが動作中であるとの判定に基づいて、信号を前記タグから離れた前記機器へ送信するために前記トランシーバを制御するように構成されている、請求項に記載のタグ。
【請求項10】
検出された光のレベルに基づいて信号を出力するように構成された光センサをさらに備える、請求項1に記載のタグ。
【請求項11】
前記マイクロコントローラは、前記光センサの出力に基づく前記タグが暗状態から明状態へ変化したとの判定に基づいて、前記ゴルフクラブが動作中であるかどうかを判定するように構成されている、請求項10に記載のタグ。
【請求項12】
前記マイクロコントローラは、前記ゴルフクラブが動作中であるとの判定に基づいて、信号を前記タグから離れた前記機器へ送信するために前記トランシーバを制御するように構成されている、請求項11に記載のタグ。
【請求項13】
ゴルフクラブに連結されたタグを備える自動ゴルフショット追跡システムであって、
前記タグは、
前記ゴルフクラブの検出された運動に基づいて信号を出力するように構成されているセンサユニットと、ここで、前記センサユニットは複数のセンサを含む、
ボール打撃事象を判定するために、前記複数のセンサの一組の出力を記憶された基準センサ出力値のプロファイルと比較するように構成されているマイクロコントローラと、ここで、前記記憶された基準センサ出力値の前記プロファイルは、センサ閾、パラメータ、および、重み係数を有する、
前記マイクロコントローラによって実行された比較が、前記ボール打撃事象が判定されていると判定しているとき、前記一組のセンサ出力に対応するデータを前記タグから離れたロケーションアウェア機器へ送信するように構成されているトランシーバと、を含み、
前記ロケーションアウェア機器は、
前記ロケーションアウェア機器の現在の位置を判定するように構成された位置判定ユニットと、
前記タグから前記一組のセンサ出力に対応する前記データを受信するように構成されたトランシーバと、
前記ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するために前記タグから受信された前記一組のセンサ出力に対応する前記データを処理するように構成されたマイクロコントローラと、
前記ボール打撃事象と前記位置判定ユニットによって判定された前記ロケーションアウェア機器の現在の位置との間の関連性を記憶するように構成されたメモリと、を含み、
前記一組のセンサ出力に対応するデータは、前記基準センサ出力値の前記プロファイルを更新するため、センサ閾と前記パラメータと前記重み係数とを最適化するために使用される、自動ゴルフショット追跡システム。
【請求項14】
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記タグから受信された前記一組のセンサ出力に対応する前記データに基づいてボール打撃確率値を計算するように構成されている、請求項13に記載の自動ゴルフショット追跡システム。
【請求項15】
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記ボール打撃事象と前記位置判定ユニットによって判定された前記ロケーションアウェア機器の現在の位置との間の関連性を記憶するために前記メモリを制御すべきかどうかを判定するために、前記計算されたボール打撃確率値を記憶された閾値と比較するように構成されている、請求項14に記載の自動ゴルフショット追跡システム。
【請求項16】
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記タグから受信された前記一組のセンサ出力に対応する複数の前記データに重みを付けることにより前記ボール打撃確率値を計算するように構成されている、請求項14に記載の自動ゴルフショット追跡システム。
【請求項17】
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記ボール打撃事象と前記ロケーションアウェア機器の現在の位置との間の関連性が記憶されたとの指標を出力するためディスプレイを制御するように構成されている、請求項13に記載の自動ゴルフショット追跡システム。
【請求項18】
前記ロケーションアウェア機器は、ボール打撃事象と前記ロケーションアウェア機器の位置との間の複数の記憶された関連性を情報処理機器に送信するように構成されたインターフェイスをさらに備える、請求項13に記載の自動ゴルフショット追跡システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2009年11月6日付けで出願され、内容全体が参照によってここに組み込まれる米国仮出願第61/258,967号の優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、複数のセンサの出力を処理し、センサ出力または検出されたゴルフショットの指標を携帯型ポジションアウェア機器に報告することによりゴルフショットを検出し、携帯型ポジションアウェア機器がその後に位置情報と関連してゴルフショットのロケーションを記録する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフの競技では、プレーヤがショットを打つ前にゴルフホールに対応する正確な距離測定値を把握することは、不可欠である。たとえば、プレーヤは、自分のロケーションから、ハザードの前方部分および後方部分と、フェアウェイの端と、グリーンの前方部分、中間部分および後方部分などまでの距離を知りたいと思うことがある。これまでは、プレーヤはコース上のマーキング、および/または、コース上の様々なポイントの間の距離を示すヤーデージブックを使用することによりこれらの距離を推定することが必要であった。
【0004】
しかしながら、近年、携帯型ロケーションアウェア電子機器の使用がプレーヤの現在位置からコース上の様々な地形までの距離を確認するためにゴルフの競技において普及してきた。これらのロケーションアウェア機器は、典型的に、ゴルフホールの外形とロケーションアウェア機器からゴルフホール上の様々な地形までの距離を表示できることがあるハンドヘルド型コンピューティング機器の形をしている。これらの機器は、プレーヤがゴルフのラウンドに関連した様々な統計値を手動で入力し、追跡することを可能にさせるようにも構成されている。たとえば、プレーヤは、1ホールずつのスコアをロケーションアウェア機器に手動で入力すること、ショットのロケーションを手動で記録すること、そして、特定のショットのために使用されたクラブを手動で記録することなどがある。
【0005】
しかしながら、これらの機器を使用して統計値を追跡する欠点は、ユーザがこれらの統計値を手動で入力しなければならないことである。よって、たとえば、1ショット単位でラウンドを追跡するために、プレーヤは、ショットが打たれるたびにデータを機器に手動で入力しなければならない。このようなプロセスは、時間がかかり、注意散漫を招き、プレーヤのゴルフのラウンドの楽しみを奪う。
【発明の概要】
【0006】
携帯型ロケーションアウェア機器において統計値を手動で追跡する上記欠点に鑑みて、本発明者は、統計値がロケーションアウェア機器へ自動的に入力されることを可能にさせるシステムを導き出した。
【0007】
より詳しくは、本発明は、ユーザ介入なしに、ゴルフショットが自動的に検出され、ロケーションアウェア機器に記憶されるコンフィギュレーションを対象にする。
【0008】
1つの例示的な実施形態では、コンフィギュレーションは、ゴルフクラブに連結され、各々がゴルフクラブの検出された運動に基づいて信号を出力するように構成されている複数のセンサを含んでいるタグと、複数のセンサ出力のうちの各々を記憶された基準センサ出力値と比較するように構成されているマイクロコントローラと、マイクロコントローラによって実行された比較に基づいてセンサ出力に対応するデータをロケーションアウェア機器へ送信するように構成されているトランシーバとを含む。ロケーションアウェア機器は、その後、ショットが登録されるべきかどうかを判定するためにタグから受信された情報を処理する。
【0009】
図面は、限定としてではなく、単なる一例として、本発明による1つ以上の実施を表す。図面中、同様の符号は、同一のまたは同様の要素を参照する。説明は、添付図面と併せて読まれたときにより良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ロケーションアウェア機器の例示的ハードウェアコンフィギュレーションを示すブロック図である。
図2図2は、タグの例示的ハードウェアコンフィギュレーションを示すブロック図である。
図3図3は、タグを使用してクラブの運動力学を検出し処理する例示的プロセスの概要を説明するフローチャートである。
図4A図4Aは、タグに位置している様々なセンサを使用してボール打撃事象を検出する例示的フローを示すフローチャートである。
図4B図4Bは、タグに位置している様々なセンサを使用してボール打撃事象を検出する例示的フローを示すフローチャートである。
図4C図4Cは、タグに位置している様々なセンサを使用してボール打撃事象を検出する例示的フローを示すフローチャートである。
図5図5は、傾きセンサデータを獲得し解析する例示的プロセスを表すフローチャートである。
図6図6は、光センサデータを獲得し解析する例示的プロセスを表すフローチャートである。
図7図7は、加速度計データを獲得し記憶する例示的プロセスを表すフローチャートである。
図8図8は、ジャイロセンサからの出力を獲得し記憶する例示的プロセスを表すフローチャートである。
図9図9は、圧電センサデータを獲得し記憶する例示的プロセスを表すフローチャートである。
図10図10は、例示的センサ出力を示す図である。
図11図11は、例示的センサ出力を示す図である。
図12図12は、例示的センサ出力を示す図である。
図13図13は、タグからのデータの受信時にロケーションアウェア機器によって実行される例示的プロセスを示すフローチャートである。
図14A図14Aは、ロケーションアウェア機器によってタグから情報を能動的に取り出す例示的プロセスを示すフローチャートである。
図14B図14Bは、ロケーションアウェア機器によってタグから情報を能動的に取り出す例示的プロセスを示すフローチャートである。
図15A図15Aは、加速度計だけを実施するタグを使用してボール打撃事象を検出するプロセスの例示的な実施形態を示すフローチャートである。
図15B図15Bは、加速度計だけを実施するタグを使用してボール打撃事象を検出するプロセスの例示的な実施形態を示すフローチャートである。
図15C図15Cは、加速度計だけを実施するタグを使用してボール打撃事象を検出するプロセスの例示的な実施形態を示すフローチャートである。
図16図16は、タグに付随する例示的適応プロセスを示すフローチャートである。
図17図17は、ロケーションアウェア機器に付随する例示的適応プロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の例示的な実施形態は、図面を参照して以下に説明される。
【0012】
図1は、ゴルフコース関連情報を取得するためにプレーヤによって使用されるロケーションアウェア携帯型機器100の例示的コンフィギュレーションを示すブロック図である。ロケーションアウェア機器100は、たとえば、フラッシュメモリ115またはランダム・アクセス・メモリ110に記憶されたソフトウェアを動かすマイクロコントローラ105によって管理される複数のコンポーネントを含むハンドヘルド型機器でもよい。マイクロコントローラ105は、ロケーションアウェア機器の中の複数のハードウェアシステムおよび機器アプリケーションシステムのためのインターフェイスおよびコントローラとしての機能を果たす。例示的な実施形態では、携帯型ロケーションアウェア機器100の主目的は、グリーン上の様々なポイント、ゴルフコース上の様々なターゲットおよびハザードまでの距離情報をゴルファに提供することである。
【0013】
距離情報は、たとえば、フラッシュメモリ110に記憶され、オンボードGPSレシーバ120によって獲得されたリアルタイム全地球測位システム(GPS)位置データにマップされたデータを参照することによりユーザに提供される。マイクロコントローラ105は、GPSデータを処理し、コース上のマップされたポイントおよび様々なエリアに向けた計算を導出する。この情報は、その後、たとえば、発光ダイオード(LED)バックライト130を有している太陽光下でも読み取り可能なカラー薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイ(LCD)型ディスプレイ125を含むグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介してプレーヤに表示される。LEDバックライト130は、周囲光を測定し、これに応じてバックライトの輝度を調節するフォトセンサ135によって制御される。LCD125は、半透過型であるため、バックライト輝度は、ユニットが太陽光であるときに低減され、ユニットが微光条件にあるときに増大される。
【0014】
マイクロコントローラ105は、キーパッドおよび/またはジョイスティック140によってプレーヤから入力をさらに受信する。ユーザ入力は、グラフィカル・ユーザ・インターフェイス上でカーソルを移動させるためにコマンド、データを入力するコマンド、表示のための特定のコースを選択するコマンドなどに対応することがある。ロケーションアウェア機器は、情報を入力するために、および/または、そうでなければ、ロケーションアウェア機器200を制御するために、プレーヤによって使用されることになるタッチスクリーン143をさらに含むことがある。
【0015】
前述のように、マップされたコースデータは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート140、マイクロ・セキュア・デジタル(マイクロ−SD)カード145、WiFi無線170、または、他のワイヤレス通信機器175の接続を介して書き換えることができるオンボード・フラッシュメモリ115に記憶されることがある。マイクロコントローラ105のオペレーティングシステムとマイクロコントローラ105によって実行される様々なアプリケーションとは、一時データの記憶のためオンボードRAM110をさらに利用することがある。
【0016】
オンボード加速度計150は、ユニットの姿勢を判定し、ベクトルに沿った加速度を測定する。1つの例示的な実施形態では、軸姿勢および加速度情報は、たとえば、特定のホール上でプレーヤの姿勢と並べるため、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介して表示されるコースデータを回転させるためにマイクロコントローラ105によって使用される。
【0017】
ロケーションアウェア機器は、電力をロケーションアウェア機器の様々なコンポーネントに供給するための充電回路および電力管理回路160によって管理されたバッテリ115によって給電される。
【0018】
ロケーションアウェア機器は、タグが運転状態にある場合に、クラブタグIDと、タグバッテリ状態と、他のセンサデータとを送信することがあり、以下に詳述された、タグ200から送信された信号を受信する無線周波数(RF)トランシーバ165をさらに含む。タグの様々な状態と、タグから送信されたデータとに関するより具体的な詳細は、以下で詳細に検討される。
【0019】
タグから送信されたデータは、ロケーションアウェア機器100のRFIDトランシーバ165によって受信され、使用中のクラブのID、ロケーションアウェア機器の現在位置、クラブ・スイング・データ、および/または、タグが装着されているゴルフクラブを用いたボール打撃の指標があるかどうかを記録するためにマイクロコントローラ105によって処理される。このデータは、メモリ(たとえば、フラッシュメモリ115および/またはRAMメモリ110)に記憶され、スコアリングプロセスを自動化し、クラブが置き忘れられているかどうかをゴルファに気付かせ、ラウンドおよびショットデータを機器に図形的に表示し、1ラウンドの過程のプレーヤのゴルフショットのラウンド後解析およびグラフィカル追跡のためのコンピュータおよび/またはウェブサイトへデータをアップロードするため利用できるようにするためにマイクロコントローラ105によって使用される。
【0020】
図2は、ゴルフクラブに装着され、クラブに加えられた様々な力を感知するために使用されるRFIDタグ200のハードウェアの例示的コンフィギュレーションを示すブロック図である。タグ200は、ショットがクラブを用いて打たれたことを検出すること、または、その後に、受信されたデータに基づいて、ショットがクラブを用いて打たれたことを判定するロケーションアウェア機器100に未加工データを中継することのいずれかのために、タグ200の様々なセンサからの出力を処理するためにメモリ210に記憶されたアプリケーションを実行するマイクロコントローラ205を含む。
【0021】
タグ200は、ロケーションアウェア機器165のRFトランシーバ165と通信するRFトランシーバ215を含む。1つの例示的な実施形態では、ロケーションアウェア機器100内のRFトランシーバ165とタグ200内のRFトランシーバ215とは、2.4GHzトランシーバである。しかし、ここに記載されないが、様々な他の短距離ワイヤレストランシーバ配置構成が本発明の範囲から逸脱することなく実施されることがある。タグ上のトランシーバを用いて可能にされる別の機能は、アドホックネットワークとしてタグが互いに通信し、他のタグを介して状態および情報を中継することを許可する。
【0022】
タグ200は、ボールがゴルフクラブによって打撃されたかどうかを検出するプロセスで使用される複数の半導体または微小電気機械(MEM)センサをさらに含む。これらのセンサの実施例は、以下でより詳しく説明される。
【0023】
1つの例示的な実施形態では、タグは、クラブスイングに付随するベクトル運動を感知する加速度計220を含む。タグは、たとえば、クラブの垂直または水平姿勢を検出する傾きセンサの形式であることがある位置センサ225をさらに含むことがある。圧電センサ230がタグ200にさらに設けられ、ゴルフボールと接触するゴルフクラブのような急速振動事象を検出する。付加的に、タグ200は、タグ200が装着されているゴルフクラブの回転速度および/または方向を検出するジャイロセンサ235を含むことがある。タグ200は、タグに入射する光量を検出する光センサ243をさらに含むことがある。以下でより詳しく検討されるように、この光センサは、クラブがプレーヤのゴルフバッグから取り出されたか、または、ゴルフバッグに戻されたかを判定するために使用されることがある。
【0024】
ある一定の電子コンポーネントは、1つのチップおよびセンサパッケージに結合され、複数の目的を果たすことがある機能を有することが可能である。たとえば、加速度計220は、ある程度の傾きデータを加速度データに加えてさらに提供するためにソフトウェアによって構成されることがある。この同じ電子コンポーネントは、その結果、ジャイロセンサ、および、回路基板上で必要とされるコンポーネントの個数を効率的に削減する「タップ」センサをさらに取り込むために構成されることがある。場合によっては、センサコンポーネントは、個別のコンポーネントのセンサ機能のすべてを統合するカスタム電子チップに設計することが可能である。このカスタム電子チップは、タグ上の回路を簡略化する利点をもち、タグ上でのより良好な電力管理およびバッテリ寿命を提供することがある。
【0025】
オンボードマイクロコントローラ205は、出力がクラブスイングおよびボール打撃を示すデータのパターンと一致するかどうかを判定するためにセンサからのアナログ波形またはデジタル信号プロファイル出力を処理し解析する。以下でさらに詳述されるように、1つずつのセンサからの出力は、ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するためにメモリ210に記憶されたある一定の信号「シグネチャ」および/または閾と比較されることがある。これらのシグネチャ、またはパターンデータは、どのデータがボール打撃を指示するか、および、どのデータがボール打撃を指示しないかをシステムが学習するのにつれて、更新されることがある。このようにして、タグ200は、ボール打撃事象が発生したときを検出する精度を高めるために、長期間に亘って自己学習することがある。閾およびパラメータは、タグトランシーバを介した入力によってタグのメモリ内で更新されることになる。データは、タグセンサ処理パラメータを最適化するためにロケーションアウェア機器によって構成され、送出されることになる。
【0026】
さらに、付加的なセンサデータは、クラブ位置および/または状態を指示するために、および/または、ボール打撃を検証するために、および/または、ボール打撃を指示する信号パターンの精緻化を支援するためにマイクロコントローラ205への入力と併合されることがある。この他のセンサデータは、圧電センサの使用なしに衝撃事象(ボール打撃)の指標を出力する半導体加速度計および/または衝撃センサ、および/または、クラブの姿勢を指示する半導体または位置センサのような付加的なセンサから供給されることがある。この付加的なセンサデータは、プロファイル・データ・パターンに組み込まれることもあり得る。
【0027】
タグのコンポーネントは、電力管理回路250によって制御されたバッテリ245によって給電される。電力管理回路250は、バッテリ250からタグ200のコンポーネントへの電力出力を管理し、バッテリ内に残存する電力の状態をマイクロコントローラ205へ通知する能力がある。
【0028】
圧電振動緩衝器は、機械的運動および振動を電気エネルギーに変換するためにシステムに組み込まれることができる。この圧電振動緩衝器がグリップおよび/またはクラブシャフトの内部に搭載された場合、ボールの打撃からの振動を緩衝する効果をもたらすであろう。電気エネルギーは、コンデンサおよび/またはバッテリに蓄積されることになる。典型的に、圧電機器は、圧電特性を有する材料で構成され、可撓性ポリマー基板に組み込まれることになる。この圧電機器の設計は、グリップを備えるおよび/またはクラブシャフトの内部断面を備えるクラブの断面に適合するであろう。電気的に、圧電機器は、クラブシャフトの機械的運動および振動運動から得られた電気エネルギーを獲得し蓄積することになる回路に接続されるであろう。
【0029】
タグは、理想的には、クラブグリップの端に、または、クラブシャフトの上部の内部に防水性かつ耐久性を兼ねて搭載された小型縮小化回路であるであろう。
【0030】
図3は、タグ200を使用してクラブの運動力学を検出し処理するプロセス全体を概説するフローチャートである。
【0031】
このプロセスは、加速度計220、位置センサ225、圧電センサ230、ジャイロセンサ235、光センサ243、および、タグ200に含まれる他のセンサ240のうちの1つ以上からクラブ動的運動を収集することによりS300で開始する。センサの動作を初期化するプロセスは、以下でより詳細に説明される。
【0032】
S305およびS310で、タグ200のマイクロコントローラ205は、複数のセンサによって受信されたデータを受信し処理する。1つの例示的な実施形態では、マイクロコントローラ205は、ボール打撃事象の誤った指標の原因になる無関係な雑音および他の事象を取り除くためにフィルタおよびアルゴリズムを使用することがある。これは、誤った検出を除去するためにセンサデータを予備的閾値の組と比較することにより行われることがある。このプロセスは、図4Aから4Cを参照してより詳細に検討される。
【0033】
以下でより詳細に検討されるように、マイクロコントローラ205は、複数のセンサから受信されたデータを処理し、処理されたデータをトランシーバ215へ出力し、このトランシーバは、その後、ボール打撃事象が検出されたことを指示する信号をロケーションアウェア機器のトランシーバ165へ送出する(S320)。別の例示的な実施形態では、マイクロコントローラ205は、センサからロケーションアウェア機器100へ出力された運動力学データを出力するトランシーバ215を制御するように構成されている。ロケーションアウェア機器100におけるマイクロコントローラ105は、その後、ボール打撃事象が発生したかどうかを検出するために受信されたデータを処理する。この運動力学データは、タグ200のセンサによって出力された未加工データでもよく、または、ロケーションアウェア機器100へ出力される前にマイクロコントローラ205によって処理された処理済みの形式のセンサデータでもよい。ロケーションアウェア機器100のトランシーバ165がタグ200からデータを受信すると、このデータは、さらなる処理のためロケーションアウェア機器100のマイクロコントローラ105へ出力される(S325)。タグ200によって出力されたデータの性質とは無関係に、マイクロコントローラ205は、付加的なデータをタグに付加するようにさらに構成されることがある。
【0034】
マイクロコントローラ205によって付加されたこの付加的なデータは、タグに対応する固有の識別表示でもよい。この固有の識別データは、このデータをタグ上のメモリロケーションへ送信することによりロケーションアウェア機器によってクラブ(たとえば、5番アイアン、ドライバ、クラブ製造者、シャフト長、重量など)を具体的に識別することがあり、または、製造業者においてタグ上のメモリロケーションに挿入されることがあり、または、その後にロケーションアウェア機器で具体的なクラブと関連付けられるタグ200に固有のデータでもよい。識別データが具体的なクラブを識別しない場合、ユーザは、個々のタグがデータをタグ識別データと1つずつのタグが装着されたクラブとの間の対応関係を識別するロケーションアウェア機器へ入力することにより使用される前に、個々のタグを同期させることがある。タグ200からロケーションアウェア機器100へ送信されたデータに含まれる情報は、タグのバッテリ245の状態を指示する情報をさらに含むことがある。
【0035】
タグ200からのデータの受信時に、ロケーションアウェア機器100のマイクロコントローラ105は、受信されたデータを処理する(S330)、この処理は、これに限定されないが、ロケーションアウェア機器100の現在のロケーションでボールを打つために使用されたクラブの識別表示を記録するためにボール打撃識別表示をGPS位置データと関連付けることを含むことがある。このデータの関連付けは、その後に、打撃がロケーションアウェア機器の現在のロケーションで具体的なクラブを用いて行われたことを指示するために、ロケーションアウェア機器100のグラフィカル・ユーザ・インターフェイスに出力されることがある。このようなコンフィギュレーションは、ショットがユーザ介入なしにロケーションアウェア機器100に自動的に記憶されることを可能にさせ、よって、ロケーションアウェア機器100のスコアおよびゴルフのラウンドに関連した他の統計値を追跡するプロセスを簡単化する。前述の通り、他のデータは、クラブIDおよび/または運動力学および/または付加的なセンサデータのようなタグ200からロケーションアウェア機器100への送信と関連付けられることがある。データは、プレーヤのラウンドを追跡するためにロケーションアウェア機器100の中に維持され、解析のためにウェブサイトまたは他のデータリポジトリへアップロードされることがある。
【0036】
1つの例示的な実施形態では、タグ200は、未加工センサデータをそのままロケーションアウェア機器100へ送信する。ロケーションアウェア機器100のマイクロコントローラ105は、その後、センサデータを処理し、さらに処理または表示されることが望まれるであろうボール打撃および/または他のクラブ力学を指示することになるメモリ(たとえば、フラッシュメモリ115またはRAMメモリ110)に記憶されたデータパターンとそれを比較することになる。
【0037】
タグ200のトランシーバ215は、要求に応じてタグからのバッテリ状態のような情報を「ポール」および/または要求するために、ロケーションアウェア機器100からの信号をさらに受信することがある。これは、クラブ在庫システムが、レシーバがタグ200の状態を追跡し、クラブの動的状態を処理することができるロケーションアウェア機器100によって実施されることを可能にすることになる。このプロセスは、図14Aから14Bを参照して以下でより詳細に検討される。
【0038】
図4Aから4Cは、タグ200に位置する様々なセンサを使用してボール打撃事象を検出するより詳細なフローを示すフローチャートである。
【0039】
プロセスは、S400で開始する。タグ200のマイクロコントローラ205が、クラブがプレーヤのバッグから取り出されたかどうかを判定するために、タグ200の1つ以上のセンサの状態を監視することがある。データは、クラブが停止状態にあるとき、タグ200から不必要に(たとえば、連続的に)送信されることがないので、タグが「停止」しているときと、タグが「動作中」状態にあるときとを知ることが重要である。このような判定は、クラブが使用されていないとき、マイクロコントローラ205がバッテリ245からタグ200の様々なコンポーネントへ供給される電力を低減または除去するために電力管理回路250を制御することによりタグバッテリ245の電力を保存することをさらに可能にする。
【0040】
「停止」および「動作中」判定は、メモリに記憶された、マイクロコントローラ205から受信されたセンサデータを読むタグ200のマイクロコントローラ205によって行われる。これらのセンサ出力は、ゴルフバッグからのゴルフクラブの取り出しを反映するので、クラブがショットのためにまさに使用されようとしていることを指示する。
【0041】
ボール打撃を検出するプロセスを開始するためのマイクロコントローラ205を始動させるために使用されるセンサデータの一実施例は、クラブ傾きデータである。マイクロコントローラ205は、メモリ210に記憶されたクラブ傾きデータを読み取り(S405)、クラブが逆立ち状態から直立状態に変化したかどうかを判定する。様々なセンサ出力は、個別または組み合わせのいずれでも、クラブが「動作中」であることを判定するためにマイクロコントローラによって処理されることがある。これらのセンサ出力の実施例は、位置センサ225、加速度計220、および/または、ジャイロセンサ235の出力を含むことがある。
【0042】
傾きセンサデータを獲得し解析する例示的プロセスフローが図5に示されたフローチャートに記載される。前述の通り、位置センサ225、加速度計220および/またはジャイロセンサ235からのいずれか1つまたは複数のデータは、クラブが動作中状態にあるかどうかを判定するためにマイクロコントローラS205によって監視されることがある(S500)。マイクロプロセッサは、傾きデータ(たとえば、傾きを検出するために使用される1つ以上のセンサの出力)を読み取り(S505)、出力がメモリ210に記憶された初期閾値を超えるかどうかを判定する(S510)。出力が閾値を超えないとき(たとえば、クラブが十分に傾いていない)、マイクロプロセッサは、傾きデータを監視することを継続する(S500)。傾きデータが閾値を超えると判定されたとき、マイクロプロセッサ205は、その後、傾きデータの最大値に対する傾きデータのパーセンテージ値を計算し(S515)、このパーセンテージが閾値より大きいかどうかを判定する(S520)。パーセンテージが閾パーセンテージを超えないとき(たとえば、クラブが十分に傾いていない)、マイクロプロセッサは、傾きデータを監視することを継続する(S500)。計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定されたとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリに書き込む(S525)。
【0043】
図4Aを参照すると、マイクロプロセッサ205は、メモリに記憶された傾きデータを監視することによりクラブが「動作中」、すなわち、バッグの外にあるかどうかを判定する。前述の通り、マイクロプロセッサ205が、計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定したとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリ210に書き込む。同様に、プロセッサは、クラブが動作中状態であった後にバッグに戻されたかどうかを判定するために使用されることがある。クラブが動作中であり、バッグに戻された場合、タグは、クラブがバッグに戻されたという指標をロケーションアウェア機器へ送出することがある(S417)。このプロセスが、クラブがバッグから取り出されたという判定(S415)としての役目を果たす場合、このプロセスは、タグを目覚めさせるトリガーとして、または、タグの他のセンサからの出力を積極的に処理し始めるために役立つ。動作中状態への変化の検出は、クラブが動作中状態にあるか、または、バッグから取り出されたという指標をロケーションアウェア機器へ送出するために(S420)、タグのトランシーバ215を制御するためのタグのマイクロコントローラ205に帰着することもある。この送信された情報は、クラブが今度は動作中状態にあるということも指示し、タグに対応する固有IDを含む。前述の通り、この固有IDは、クラブを具体的に識別してもよく、または、タグに固有であり、ロケーションアウェア機器においてタグが装着されたクラブの識別表示と予め相互に関連付けられた他のタイプのIDでもよい。ロケーションアウェア機器は、その後、具体的なクラブがショットのために選択されたという指標をユーザに表示することがある。
【0044】
クラブの「停止」または「動作中」状態を検出する別の選択肢は、タグ200に含まれている光センサからデータを検出することである。マイクロコントローラ205は、メモリ210に記憶された光データを読み取り(S410)、タグ200に含まれている光センサによって検出された光のレベルが所定の閾を超えるとき、クラブが暗状態(たとえば、ゴルフバッグの中)から明状態(たとえば、ゴルフバッグの外)へ変化したことを判定する。
【0045】
光センサデータを獲得し解析する例示的プロセスフローは、図6に示されたフローチャートに記載される。マイクロプロセッサは、光データ(たとえば、タグ200に含まれるか、または、装着された光センサ243の出力)を読み取り(S605)、光センサの出力がメモリ210に記憶された初期閾値を超えるかどうかを判定し(S610)、出力が閾値を超えないとき(たとえば、クラブが依然として暗状態にある)、マイクロプロセッサは、光データを監視することを継続する(S600)。光データが閾値を超えると判定されたとき、マイクロプロセッサ205は、光データの最大値に対する光データのパーセンテージ値を計算し(S615)、このパーセンテージが閾パーセンテージより大きいかどうかを判定する(S520)。パーセンテージが閾パーセンテージを超えないとき(光のレベルが、クラブがバッグから取り出されたことを指示するために十分ではない)、マイクロプロセッサは、光データを監視することを継続する(S600)。計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定されたとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリに書き込む(S625)。
【0046】
図4Aを再び参照すると、マイクロプロセッサ205は、メモリに記憶された光データを監視することによりクラブが「動作中」、すなわち、バッグの外にあるかどうかを判定する。前述の通り、マイクロプロセッサ205が、計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定したとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリ210に書き込む。このプロセスは、クラブがバッグから取り出されたという判定(S415)としての役目を果たし、タグを目覚めさせるトリガーとして、または、タグの他のセンサからの出力を積極的に処理し始めるために役立つ。動作中状態への変化の検出は、クラブが動作中状態にあるか、または、バッグから取り出されたという指標をロケーションアウェア機器へ送出するために(S420)、タグのトランシーバ215を制御するためのタグのマイクロコントローラ205に帰着することもある。この送信された情報は、クラブが今度は動作中状態にあるということを共に指示し、タグに対応する固有IDを含む。前述の通り、この固有IDは、クラブを具体的に識別してもよく、または、タグに固有であり、ロケーションアウェア機器においてタグが装着されたクラブの識別表示と予め相互に関連付けられた他のタイプのIDでもよい。ロケーションアウェア機器は、その後、具体的なクラブがショットのために選択されたという指標をユーザに表示することがある。
【0047】
クラブが「停止」および「動作中」状態にあるかどうかを判定する前述のプロセスは、一緒にまたは別々に使用されることがある。たとえば、タグは、クラブの検出された光値または検出された傾きだけを監視することにより「停止」状態から「動作中」状態に変化するように構成されることがある。これに反して、タグのマイクロプロセッサ205は、両方の属性を監視し、感知された傾きデータおよび光データが共に閾値を超えた後に限りタグを動作中モードに変化させることに決定することがある。
【0048】
さらに、1つ1つの個別の実施例で前述されている通り、動作中状態への変化の検出は、クラブが動作中状態であるか、または、バッグから取り出されたという指標をロケーションアウェア機器へ送出するために(S420)、タグのトランシーバ215を制御するためのタグのマイクロコントローラ205に帰着することもある。この送信された情報は、クラブが今度は動作中状態にあるということを共に指示し、タグに対応する固有IDを含む。前述の通り、この固有IDは、クラブを具体的に識別してもよく、または、タグに固有であり、ロケーションアウェア機器においてタグが装着されたクラブの識別表示と予め相互に関連付けられた他のタイプのIDでもよい。ロケーションアウェア機器は、その後、具体的なクラブがショットのために選択されたという指標をユーザに表示することがある。
【0049】
タグが動作中状態に変換したと判定された場合、タグのマイクロコントローラ205は、ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するためにメモリから加速度計データを読み取る(S425)。
【0050】
加速度計データを獲得し解析する例示的プロセスフローは、図7に示されたフローチャートに記載される。マイクロプロセッサ205は、加速度計220から出力されたX軸データを読み取り(S705)、Y軸データを読み取り(S710)、そして、Z軸データを読み取る(S715)。マイクロプロセッサ205は、その後、加速度計から出力されたデータを解析し、データがクラブスイング、または、クラブスイングとボール打撃とを指示することになる閾値を超えたかどうかを判定する(S720)。出力が閾値を超えないとき(たとえば、データが、スイングが行われたことを指示するために不十分である)、マイクロプロセッサは、加速度計データを監視することを継続する(S700)。加速度計データが閾値を超えると判定されたとき、マイクロプロセッサ205は、加速度計データの最大値に対する加速度計データのパーセンテージ値を計算し(S725)、このパーセンテージが閾パーセンテージより大きいかどうかを判定する(S730)。パーセンテージが閾パーセンテージを超えないとき、マイクロプロセッサ205は、加速度計データを監視することを継続する(S700)。計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定されたとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリに書き込む(S735)。
【0051】
図4Bを再び参照すると、加速度計データがマイクロプロセッサ205によって読み取られると、ジャイロセンサデータが読み取られる(S430)。ジャイロセンサ235から出力されたデータを獲得し記憶するプロセスは、図8を参照して説明される。
【0052】
マイクロプロセッサ205は、ジャイロセンサ235から出力されたX軸データを読み取り(S805)、Y軸データを読み取り(S810)、そして、Z軸データを読み取る(S815)。マイクロプロセッサ205は、その後、ジャイロセンサから出力されたデータを解析し、データがクラブスイング、または、クラブスイングとボール打撃とを指示することになる閾値を超えたかどうかを判定する(S720)。出力が閾値を超えないとき(たとえば、データが、スイングが行われたことを指示するために不十分である)、マイクロプロセッサは、ジャイロセンサデータを監視することを継続する(S800)。ジャイロセンサから出力されたデータが閾値を超えると判定されたとき、マイクロプロセッサ205は、ジャイロセンサデータの最大値に対するジャイロセンサデータのパーセンテージ値を計算し(S825)、このパーセンテージが閾パーセンテージより大きいかどうかを判定する(S830)。パーセンテージが閾パーセンテージを超えないとき、マイクロプロセッサ205は、ジャイロセンサデータを監視することを継続する(S800)。計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定されたとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリに書き込む(S835)。
【0053】
前述の通り、図7および8に記載されたプロセスは、マイクロコントローラ205がゴルフスイングに関連して加速度計およびジャイロセンサの各々の出力のパーセンテージを計算し、このデータをメモリ210に記憶する方法を指定する。図4Bを再び参照すると、このデータが記憶されると、マイクロプロセッサ205は、ゴルフクラブが振られているかどうかを判定するために、メモリからデータを読み取る(S425およびS430)。クラブがバッグから取り出されたかどうかを判定するために傾きデータおよび光データが使用される方法と同様に、加速度計データおよびジャイロセンサデータは、その後、クラブがプレーヤによって振られているかどうかを判定する(S435)ために使用される。加速度計およびジャイロの一方または両方に対応するパーセンテージデータは記憶されていないので、マイクロプロセッサ205がクラブは振られていないと判定した場合(S435)、プロセスは、先頭S400に戻り、マイクロプロセッサは、クラブが動作中状態であるか、または、停止状態であるかを判定することを継続する。加速度計出力およびジャイロセンサの両方に対応するパーセンテージデータがメモリに記憶された場合、マイクロコントローラは、記憶されたデータが閾値を超えるかどうかを判定する(S440)。記憶されたデータが閾値を超えない場合、このプロセスは、先頭S400へ戻り、マイクロプロセッサは、クラブが動作中状態であるか、または、リセット状態であるかを判定することを継続する。記憶された加速度計パーセンテージおよびジャイロパーセンテージが共に所定の閾値を超える場合、マイクロコントローラ205は、その後、圧電センサ230の出力に対応する記憶されたパーセンテージを読み取る。
【0054】
ショットを検出するフロー全体では、圧電データは、タグが装着されたクラブのフェース上でのボールの衝突を検出するために使用される。このようにして、前述のセンサ出力に基づいて、このフローは、クラブの傾きを指示するデータおよび/または光データを監視することによりクラブが動作中状態であるか、または、停止状態であるかを最初に判定する。このプロセスは、次に、クラブが実際に振られているかどうかを判定するために加速度計データおよびジャイロセンサデータに依拠する。クラブが動作中であり、かつ、振られた場合、マイクロコントローラ205は、次に、動作中かつスイング中のクラブがボールと接触したかどうかを判定するために、圧電センサの出力に依拠する。もしそうである場合、クラブは、ボールを打つために使用された可能性が高い。
【0055】
圧電センサデータを獲得し記憶する例示的プロセスフローは、図9に示されたフローチャートに記載される。マイクロプロセッサ205は、圧電センサから出力された振動または衝撃データを読み取る(S905)。マイクロプロセッサ205は、その後、圧電センサから出力されたデータを解析し、データがボール打撃を指示することになる閾値を超えたかどうかを判定する(S910)。出力が閾値を超えないとき(たとえば、データが、クラブがボールに衝突したことを指示するために不十分である)、マイクロプロセッサは、圧電センサデータを監視することを継続する(S900)。加速度計データが閾値を超えると判定されたとき、マイクロプロセッサ205は、最大パーセンテージに対する圧電データの値を計算し(S915)、このパーセンテージが閾パーセンテージより大きいかどうかを判定する(S920)。パーセンテージが閾パーセンテージを超えないとき、マイクロプロセッサ205は、圧電センサデータを監視することを継続する(S900)。計算されたパーセンテージが閾パーセンテージを超えると判定されたとき、マイクロプロセッサは、このパーセンテージをメモリに書き込む(S925)。
【0056】
図4Bを再び参照すると、マイクロプロセッサ205は、その後、圧電センサデータに対応する記憶されたパーセンテージが閾値より大きいかどうかを判定する(S450)。この値が閾値を超えないとき、このプロセスは、クラブが再び動作中状態に変化したかどうかを判定するために傾きデータおよび/または光データを監視することを継続する(S400)。
【0057】
記憶された圧電センサデータ・パーセンテージが閾を超えると判定されたとき、マイクロコントローラ205は、その後、圧電センサデータ、ジャイロセンサデータおよび加速度計に関連した記憶されたパーセンテージをトランシーバ215へ送出し(S455)、トランシーバは、その後、このデータをロケーションアウェア機器へ送信する(S460)。送信されたデータは、前述の通り、タグまたはクラブに対応する識別情報のような他のデータが付随することもある。データがタグからロケーションアウェア機器へ送信されると(S465)、このプロセスは、S400へ戻り、マイクロコントローラは、クラブが動作中状態に入ったという判定を再び待機し始める。
【0058】
図10から12は、例示的センサ出力と、これらの出力とショットの検出との間の関係とを記載する。
【0059】
図10は、静的加速度(すなわち、運動中でないときの重力に対する関係)に基づいて加速度計X軸姿勢によって判定されるようなクラブ位置を示す。直立クラブ位置は、約1Gによって、水平方向は、0Gによって、逆立ちは、約−1Gによって判定される。これらの倍率は、調整可能であり、さらなるキャリブレーションを用いて再定義できる。さらに示されるのは、X軸動的加速度によって指示される3回の素振りと、その後に続く、圧電センサからの電圧指標が伴うx軸動的加速度を示す3回のスイングである。圧電センサは、加速度計から独立してボール打撃を判定し、センサ活性が圧電センサの感知閾より低い場合に0電圧を出力し、圧電センサが感知する振動に比例した僅かな電圧を出力する。マイクロコントローラは、センサおよび回路に依存してアナログでもデジタルでもよい圧電センサから出力された電圧を読み取り、電圧閾に依存して論理0または論理1を出力する。加速度計データおよび圧電センサデータは、タグのマイクロコントローラ205によって決定された所定の閾を超えたときにロケーションアウェア機器へ送信される。後述の通り、ロケーションアウェア機器は、ボール打撃指標が、クラブ加速が行われた同じ時間フレーム中に送出されたかどうかを判定し、このようにして、ボール打撃指標を有効とする。前述の通り、タグのマイクロコントローラ205が、タグに記憶された予備的な閾データを超える加速度計から出力されたデータが存在するが、圧電データがこの閾を超えないと判定した場合、コンフィギュレーションパラメータに依存して、センサデータがロケーションアウェア機器へ送信されないか、または、さらなる事象に対するデータの処理を精緻化するために、データが適応的フィードバックをシステムに提供する意図で送信される。センサデータがタグにおける初期閾値を満たすと、前述の通り、ボール打撃事象が登録されるべきかどうかに関してより精緻化された検出を可能にさせるためにデータがロケーションアウェア機器へ送信される。
【0060】
図11は、ボール打撃に対するクラブ傾き角度の関係を示す。同図に示されるように、クラブ位置データは、位置データまたはジャイロデータによって指示される通り、ある特定の時点でのボール打撃の明瞭な表示を提供する。同図に示されるように、クラブが素早く逆立ちにされ、水平にあり、その後、直立し、このシーケンスの直立部分の間に圧電出力を伴うとき、ボール打撃の高い尤度が存在する。
【0061】
さらに、図11は、クラブがバッグから取り出されたときを判定するためにタグが傾き情報を処理できる方法も示す。競技中に、プレーヤのバッグに格納されたクラブは、典型的に逆立ちで格納され(たとえば、直立したゴルフバッグ内に格納され)、または、水平状態である(たとえば、横に置かれたバッグ内に格納される)。しかし、クラブが直立で保持されるとき、または、クラブが短時間のうちに直立、水平および逆立ちの間で変化するとき、このクラブが現在動作中であり、ショットのため使用されようとしている高い尤度が存在する。
【0062】
図12は、ボール打撃指標に対するクラブ加速度の関係を示す。ボールを打撃するクラブに起因した短時間ドメインのクラブ減速度を獲得することが可能である。クラブ加速度プロファイルおよび減速度プロファイルは、データパターンを形成するために数値的に処理されることになる。データパターンは、ボール打撃に対する他のデータ入力を指示および/または検証および/または補強するために使用されることになる。これによる付加的な利点は、さらなる解析のためアップロードすべきゴルファのスイングパターンをゴルファ自身のクラブを用いてプロファイル化することである。
【0063】
図13は、タグからのデータ受信時のロケーションアウェア機器の例示的プロセスフローを示す。このプロセスは、タグから識別情報およびセンサデータを受信S1300するロケーションアウェア機器のトランシーバ165で始まる。タグからの送信を受信し次第、ロケーションアウェア機器のマイクロコントローラ105は、受信されたタグデータを処理する(S1305)。このプロセスは、タグから受信されたパケットデータを復調し、スクランブル解除し、および/または、暗号解読する(S1310)ことを含む。
【0064】
ロケーションアウェア機器は、その後、タグから受信されたID情報に基づいて、記憶されたタグIDおよびクラブID情報を参照する(S1315)。前述の通り、タグから受信されたID情報は、固有のクラブ識別データ(たとえば、5番アイアン、ドライバなど)としてもよく、または、特有のクラブに対応するとしてロケーションアウェア機器に予め登録されたタグに固有のID情報としてもよい。これは、タグが装着されたクラブが後に続く処理のためにロケーションアウェア機器によって識別されることを可能にする。
【0065】
ロケーションアウェア機器は、引き続き実行されるべきステップを受信されたデータに基づいて判定するために、記憶されたセンサパラメータおよび閾をさらに参照する(S1315)。
【0066】
前述の通り、タグからの1回の送信は、クラブが動作中状態ではないこと、および、クラブがプレーヤのゴルフバッグから取り出されたことを指定することがある。ロケーションアウェア機器は、タグから送信されたデータに基づいて、クラブがプレーヤのバッグから取り出されたと判定する(S1320)。前述の通り、傾きおよび/または光センサデータがクラブは動作中状態であると指示すると、タグは、「バッグの外」メッセージをロケーションアウェア機器へ送信する。このメッセージを受信し次第、ロケーションアウェア機器は、ロケーションアウェア機器の現在のロケーションと関連してクラブの識別表示を記憶し(S1325)、ロケーションアウェア機器のGUIを介して具体的な1本または複数本のクラブがプレーヤのバッグから取り出されたというメッセージをプレーヤへ出力することがある(S1330)。ロケーションアウェア機器は、その後、タグから受信されたセンサデータがボール打撃の存在を指示するかどうかを判定するために(S1335)、タグから受信されたデータを解析する。
【0067】
受信されたセンサデータを処理するいくつかの実施例は、以下でより詳細に説明される。ロケーションアウェア機器のマイクロコントローラは、ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するために受信されたセンサデータを解析する。以下は、ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するためにロケーションアウェア機器によってデータが処理される方法の具体的な実施例である。ロケーションアウェア機器が、ボール打撃事象が発生したと判定すると、ロケーションアウェア機器は、ボール打撃の現在のロケーションと、ボール打撃事象のため使用されたクラブの個体情報とを記憶する。この情報は、その後、打撃が行われたという指標としてロケーションアウェア機器のユーザに表示されることがある(S1345)。GUIは、さらに、打撃のロケーションを識別する情報を表示し、検出された打撃に基づいてゴルフのラウンドのユーザの現在のスコアを更新することがある。
【0068】
ロケーションアウェア機器は、タグからクラブがバッグに戻されたとの指標をさらに受信することがある。この信号は、光センサが明状態から暗状態へ変化したとの判定、または、クラブが動作中状態に入った後に所定の期間に亘って逆立ち位置で格納されたとの判定に基づいてタグから送信される可能性がある。明らかに、これらのセンサ出力の組み合わせは、クラブがバッグへ戻されたことを判定するためにタグによって使用される可能性がある。
【0069】
タグから受信された信号が、クラブがバッグに戻されたことを指示すると判定すると(S1350)、ロケーションアウェア機器は、クラブがバッグに戻されたことを表示する(S1355)。
【0070】
しかしながら、ロケーションアウェア機器は、クラブが動作中状態であるとの指標をトランスミッタから受信した後に、クラブがバッグに戻されていないと判定することにより、クラブがコース上で紛失したかどうかを判定する能力もある。たとえば、ロケーションアウェア機器は、動作中状態であった後にクラブがバッグに戻されたとの指標を受信することなく、機器が所定の距離を移動したと判定することがある。代替的に、ロケーションアウェア機器は、動作中状態であるとして指示されたクラブが、クラブが動作中であるとの指標を受信してから、所定の期間経過後にバッグに戻されていないと判定することがある。いずれかの判定時に、ロケーションアウェア機器は、紛失したクラブ指標を開始し、クラブが最後に動作中にされた最後の時点に対応するコースの位置を指示するメッセージをプレーヤへ表示することがある(S1360)。プレーヤは、その後、クラブを置き忘れた場所を識別し、クラブを取り戻すことができる。
【0071】
ボール打撃の確率を記述することができるいくつかの方法が存在する。理想的には、この方法は、一旦プロファイルが確立されると、ゴルファまたは使用されたゴルフクラブを一致させるために設定変更可能であろう。確率は、0から1までの範囲内の実数である。ボール打撃事象の確率が100%に接近すると、システムがボール打撃を検出する確率が高くなる。
【0072】
いくつかの実施例は、センサデータの融合に基づいてボール打撃事象を判定するために確率を組み込む方法に続く。1個または複数個のセンサが実施に含まれる可能性がある。典型的に、システムに設けられるデータが多いほど、確率がより正確になる。
【0073】
以下のデータは、ボール打撃%閾が75%である場合に、様々なアルゴリズムに基づくボール打撃の例示的閾指標を指示する。ボール打撃%閾は、設定変更可能であり、システムがボール打撃の力学およびセンサ指標を「学習」するのにつれて適応的になるであろう。この学習は、ゴルフスイングがボール打撃を生じたか、または、ボール打撃を生じなかったかを検証する能力をゴルファに与えることによって実施されることになる。このデータは、長期に亘ってセンサアルゴリズムを精緻化および最適化するのを助けるためにメモリに記録されることになる。このデータは、ゴルファによる任意的な入力となるであろう。
【0074】
用語:
P=確率
BSE=ボール打撃事象
C=クラブ位置センサデータ
A=加速度計センサデータ
P=圧電センサデータ
G=ジャイロセンサデータ
Wf=重み係数(0からn)
後述の第1の例は、ロケーションアウェア機器のマイクロコントローラが、ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するために、クラブ位置センサデータ、加速度計センサデータ、圧電センサデータ、および、ジャイロセンサデータを処理する実施形態を説明する。本例におけるボール打撃事象の確率P(BSE)は、(P)BSE=(C(%度上、下、水平)/閾)*(A/Aデータサンプル)+(P/Pデータサンプル)+(G/Gデータ/サンプル)/3として決定することができる。表1から4は、この関係に基づく例示的なP(BSE)計算値を示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0075】
後述の第2の例では、ボール打撃事象の確率P(BSE)は、(P)BSE=(C(%度上、下、水平)/閾)+[(A/Aデータサンプル)+(P/Pデータサンプル)+(G/Gデータサンプル)]/4として決定することができる。表5から8は、この関係に基づく例示的なP(BSE)計算値を示す。
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0076】
後述の第3の例では、ボール打撃事象の確率P(BSE)は、(P)BSE=(C(%度上、下、水平)/閾)*(A/Aデータサンプル)*(P/Pデータサンプル)*(G/Gデータサンプル)として決定することができる。表9から12は、この関係に基づく例示的なP(BSE)計算値を示す。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0077】
後述の第4の例では、確率は、重み係数をアルゴリズムに取り込むことによってさらに精緻化することができる。重み係数は、センサデータの個々の組に対して個別に記述することができる。ボール打撃事象の確率P(BSE)は、(P)BSE=(C(%度上、下、水平)/閾*CWf)*[(A/Aデータサンプル*AWf)+(P/Pデータサンプル*PWf)+(G/Gデータサンプル*GWf)]/3として決定することができる。表13から16は、この関係に基づく例示的なP(BSE)計算値を示す。
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【0078】
後述の第5の例では、確率は、重み係数を平均に取り込むことによってさらに精緻化することができる。ボール打撃事象の確率P(BSE)は、(P)BSE=(C(%度上、下、水平)/閾*CWf)*[(A/Aデータサンプル*AWf)+(P/Pデータサンプル*PWf)+(G/Gデータサンプル*GWf)]/平均*Wfとして決定することができる。表17から20は、この関係に基づく例示的なP(BSE)計算値を示す。
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【0079】
以下に記載されるのは、現実の競技環境におけるボール打撃および/またはスイング条件に対するP(BSE)計算値の具体的な例である。これらの計算値は、(P)BSE=(C(%度上、下、水平)/閾)*(A/Aデータサンプル)+(P/Pデータサンプル)+(G/Gデータ/サンプル)/3を使用してP(BSE)を計算する第1の例に基づいている。
【0080】
第1の例は、例示的な理想ボール打撃を示す。この例では、クラブは、プレーヤによって振られ、最初にボールと完全に接触する。理想的には、すべてのセンサ出力は、ボール衝撃付きのフルスイングを指示する最大センサデータに一致すべきである。
【表21】
【0081】
第2の例は、例示的な良好なボール打撃を示す。本実施例では、ボール打撃事象が発生しているが、プレーヤがクラブを用いてフルスイングを行っていなかった(すなわち、クラブが完全に垂直にならなかった)、または、プレーヤがクラブのフェースでボールを叩く前に地面を叩いた可能性がある。
【表22】
【0082】
第3の例は、素振りを指示するデータを示す。この状況では、クラブのフェースは、ボールと接触しないので、クラブ位置、加速度計、およびジャイロセンサは、クラブスイング事象を指示することがあるが、圧電データは、クラブがボールと決して接触しなかったことを指示する0%にある。このような事象は、タグによって検出される可能性があり、圧電データがタグに記憶されることを妨げ、その結果、タグが何らかのデータをロケーションアウェア機器へ送信することを妨げることになる。換言すると、圧電データは、0%にあるので、圧電データの出力は、タグによって設定された閾パーセンテージを超えることがなく、それによって、タグからロケーションアウェア機器へのデータの出力を生じないことになる。
【表23】
【0083】
第4の例は、部分素振りの場合のセンサデータである。この状況は、圧電データが0%にある完全素振りの実施例に類似している。しかし、本実施例では、加速度データおよびジャイロセンサはまた、より低くなる。
【表24】
【0084】
第5の例は、フルスイング事象中にクラブがボールと接触する前に地面と接触するときのセンサデータを反映する。明らかに、このシナリオでは、ボール打撃事象が登録されるべきである。クラブがボールを打撃する前に地面と接触するとき、センサ出力のすべてが理想的なショットのセンサ出力から低下するが、たとえば、すべてが80%を超えるので、ボール打撃事象が発生した高い確率をもたらす。
【表25】
【0085】
第6の例は、ボールと接触する前に砂に衝突するバンカーショット中のセンサ出力の実施例を示す。本実施例では、クラブ位置、加速度計およびジャイロセンサは、すべてがフルスイングを反映するが、圧電センサデータは、クラブがボールの前に砂に衝突するために低下する。この場合、ボール打撃事象が登録されるべきである。
【表26】
【0086】
第7の例は、チップショットを打つか、または、ボールに部分スイングを行うときのセンサデータを示す。明らかに、本シナリオでは、加速度計は、衝撃を受けるが、クラブ位置、ジャイロおよび圧電データは、加速度計出力の不足を補うことになる。本シナリオでは、ボール打撃事象が登録されるべきである。
【表27】
【0087】
前述の通り、タグおよびロケーションアウェア機器に取り込まれる閾は、ボール打撃事象をより良く検出するように構成されることができる。図16は、タグに関係がある適応プロセスを記載する。
【0088】
タグ1600およびハンドヘルド型システムの両方でメモリに設定変更可能なセンサ閾、パラメータおよび重み係数(S1605)を有することができる利点は、様々なクラブおよびスイングパラメータの特性へのセンサデータの精緻化を可能にすることである。たとえば、ドライバ上のタグは、アイアン、サンドウェッジ、または、パターといったゴルフクラブと比較して異なったセンサ処理プロファイルを有することができる。個々のプロファイルは、個々のクラブの力学および特性を収容するために別々に構成することができる。同様に、異なったスイングパターンは、パターと比較したドライバのスイングプロファイルの差異を収容するために収容することができる。さらに、タグおよびロケーションアウェア機器上のセンサ処理プロファイルは、ショットがボール打撃、または、クラブがバッグの中に存在するか、もしくは、存在しない条件を生じたか、あるいは、生じなかったことを指示するユーザからの能動的フィードバックを通じて適応的にすることができる。このフィードバックは、ハンドヘルド型機器上のトランシーバを介して(複数の)タグに選択的に送信されるであろう。付加的に、タグは、システム内のセンサ雑音を感知し、それに応じて、または、逆にセンサ雑音の閾を調整することができ、センサ入力が非常に強い場合、センサ入力をより適切なレベルまで下方へ調整できるという点で、自己適応型とすることが可能である。
【0089】
タグ上のセンサ閾およびパラメータは、第1に、センサ「雑音」がセンサデータに入り不利に作用することを最低限に抑えるためにフィルタとしての役目を果たす。タグセンサ閾およびパラメータは、第2に、それぞれのクラブに関するセンサの性能を最適化し、第3に、前述の通り適応的タグ・センサ・システム最適化を可能にさせるために、「チューニング」手段としての役目を果たす。これは、タグセンサが動作中状態にあるとき(S1600)、時間ドメイン内のリアルタイム・センサ・データを監視(S1615)するマイクロコントローラソフトウェアおよびロジック(S1610)によって達成される。データは、長期に亘るデータ頻度のレベルを確立するために(S1620)、高速フーリエ変換(FFT)または他の技術を使用することにより処理される。このデータは、次に、メモリ内のセンサ閾およびパラメータデータ(S1605)と比較され、データの頻度がメモリ内の閾データより高いかどうかを判定するために論理関数で処理される(S1625)。そうである場合、メモリの中のデータ閾およびパラメータ(S1605)を調整し(S1630)、更新する。比較後に、データの頻度が高くない場合、論理関数は、データの頻度がより低いかどうかを判定する(S1635)。データの頻度がより低い場合、閾データがメモリの中で修正され、更新される(S1630)。適応プロセスが、閾変化が必要ではないと判定した場合、システムは、タグセンサ1600が動作中状態にあるとき、センサデータ(S1605)を監視することを継続する。タグ・トランシーバ・プロセスは、メモリ内の適応的閾変化(S1605)をロケーションアウェア機器における監視のためロケーションアウェア機器のレシーバへ送信する(S1640)。トランシーバは、タグメモリS1605の中を更新するためハンドヘルドによってタグへ送出された閾およびパラメータデータ(S1605)をさらに受信することができる(S1640)。
【0090】
図17に記載されるように、ロケーションアウェア機器上で閾およびパラメータを監視するセンサは、ロケーションアウェア機器が着信タグ・センサ・データ(S1700)のパターンに基づいて、ある一定のパターンのデータがゴルフボールを打つゴルフクラブによって生成されたかどうかに関して判定を行うことを可能にさせる。タグ上と同様に、ロケーションアウェア機器に固有の閾およびパラメータは、たとえば、クラブの様々なゴルフクラブの型、シャフト、材料および製造者などによって起こされることがある一定のクラブ力学のためのデータを最適化するためにハンドヘルド型メモリ内で修正することができる(S1710)。これは、長期に亘ってセンサデータ頻度を監視し(S1715)、データ頻度プロファイルを確立し(S1720)、その後、データ頻度プロファイルをロケーションアウェア機器メモリ内のデータ閾およびパラメータプロファイル(S1710)と比較することにより達成される(S1725)。データは、このデータがクラブスイングおよびボール打撃を判定する閾およびパラメータがメモリ内で更新される(S1740)べきことを指示するかどうかを判定するために、論理関数(S1730およびS1735)を通じて処理される。ゴルファは、着信センサデータがボール打撃をもたらすゴルフショットであったか否かという能動的フィードバックをシステムに与えることができるので(S1750)、同様に適応的ということができる。さらに、メモリ内の閾およびパラメータデータ(S1710)を更新することは、PCまたはウェブ機能のいずれかを介してネットワーク更新(S1755)を受信することにより、適応することができる。長期に亘って、センサデータパターンを解析するプロセスは、着信データの中で何が「雑音」であるか、何が有効なデータであるかを判定し、必要に応じてメモリ内の閾およびパラメータ(S1710)を継続的に更新するのを助けることができる。
【0091】
タグおよびロケーションアウェア機器の両方で、メモリ内の閾およびパラメータが誤っているか、または、改竄されている場合に、システムを常にリセットさせることができるデフォルト閾およびパラメータの組が存在することになる。
【0092】
前述の通り、ロケーションアウェア機器200は、タグの状態を判定するためにタグを「ポーリング」する能力がある。このプロセスは、個々のタグのバッテリの状態を判定するために使用されることがあるか、または、タグ、より具体的には、タグに対応するクラブがロケーションアウェア機器の通信距離の範囲内に存在しないかどうかを判定するために使用されることがある。タグに連絡できない場合、クラブがコース上で置き忘れられたと判定する代替的な方法を提供することがある。
【0093】
図14Aから14Bは、ロケーションアウェア機器によってタグから情報を能動的に取り出す(たとえば、「ポーリング」する)プロセスの例示的な実施形態を示す。最初に、ロケーションアウェア機器は、ロケーションアウェア機器と関連付けられたタグを識別することにより(S1405)、タグからの情報をポールするために要求を開始する(S1400)。タグから情報をポーリングするプロセスは、ロケーションアウェア機器の動作中に所定の期間で開始されるか、または、クラブがバッグに戻されたとの指示を送出することにより、クラブが停止させられたこと(すなわち、プレーヤのバッグに戻されたこと)をタグが指示できないことによって始動させられることがある。これは、ロケーションアウェア機器は、ロケーションアウェア機器がもはやタグと通信できないと判定することによって、クラブがプレーヤによって置き忘れられたことを指示することがあるさらに別のコンフィギュレーションである。
【0094】
ロケーションアウェア機器がタグに対するポーリング要求を開始すると判定すると、マイクロコントローラは、「ウェイクアップ」信号をトランシーバへ送出し(S1410)、トランシーバは、この信号を複数のタグのうちの各々へ送信する(S1415)。ロケーションアウェア機器のマイクロコントローラは、その後、タグがウェイクアップ・メッセージに対する応答を送信したかどうかを判定するために(S1425)、監視する(S1420)。1つまたは複数のタグが応答していない場合、ロケーションアウェア機器は、その後、別のウェイクアップ・コマンドをタグへ送信する(S1415)。前述の通り、複数のタグのうちの1つ以上が応答していない場合、ロケーションアウェア機器は、ロケーションアウェア機器のGUIを介してメッセージをプレーヤに表示することができる。表示されたメッセージは、タグが応答しないことを指示することができ、このようにして、タグのバッテリが故障していること、または、クラブが紛失したか、もしくは、置き忘れられたことをユーザに通知する。
【0095】
タグからの応答を受信し次第、ロケーションアウェア機器は、タグがタグのIDおよび現在センサデータを送信することを要求するコマンドをタグへ送信する(S1430)。ロケーションアウェア機器は、初期要求後にタグが応答しないかどうかを判定するために、この後に続く情報の要求を監視する(S1435)。ウェイクアップ・コマンドに対する初期応答を受信し、タグIDおよびセンサデータの要求を送信すると、ロケーションアウェア機器は、応答を待機し(S1435)、タグが応答するかどうかを判定する(S1440)。タグが未だ応答していない場合、ロケーションアウェア機器は、タグがタグのIDおよび現在センサデータを送信する要求を再び送信する(S1430)。
【0096】
タグからのデータを受信し処理した後、ロケーションアウェア機器は、タグがスリープ状態に入るか、または、再突入するコマンドを開始し(S1445)、このコマンドをタグへ送信する(S1450)。場合によっては、タグは、「スリープ」状態へ自動的に戻ることができる。
【0097】
後述されるのは、本発明の例示的な実施形態の変形である。この変形では、タグに搭載された加速度計は、ボール打撃を検出するために必要なすべてのデータを送出する能力がある。
【0098】
図15Aから15Cは、加速度計だけを組み込むタグを使用してボール打撃事象を検出するプロセスの例示的な実施形態を開示する。
【0099】
プロセスは、たとえば、クラブが直立に回転させられたかどうかを判定することにより(S1510)、クラブがプレーヤのバッグから取り出されたかどうかを判定するためにタグ200のマイクロコントローラ205が加速度計220によって提供された傾きデータの状態を監視(S1505)することがあるS1500で始まる。クラブが直立ではない場合、タグは、クラブがバッグから取り出され、動作中状態に置かれるべきであるかどうかを判定するために傾きデータを監視することを継続する(S1500)。
【0100】
クラブが直立であり、動作中状態であると判定された場合、タグのマイクロコントローラ205は、クラブが動作中状態にあるか、または、バッグから取り出されたという指標をロケーションアウェア機器に送出するために(S1515)、タグのトランシーバ215を制御する。この送信された情報は、クラブが今まさに動作中状態にあることと、タグに対応する固有IDを含むこととを共に指示する。前述の通り、この固有IDは、クラブを具体的に識別してもよく、または、この固有IDは、タグに固有であり、この固有IDがロケーションアウェア機器の場所に装着されたクラブの識別表示と予め相互に関連付けられた他のタイプのIDでもよい。ロケーションアウェア機器は、その後、具体的なクラブがショットのために選択されたという指標をユーザに表示することがある。
【0101】
タグが動作中状態に変化したと判定されると、クラブのマイクロコントローラ205は、クラブが振られたかどうかを判定するために(S1525)、メモリから加速度計データを読み取る(S1520)。クラブが加速度計データに基づいて振られていない場合、タグは、クラブの状態を監視することを継続する(S1500)。クラブが振られている場合、マイクロプロセッサは、加速度データ出力が閾値を超えたかどうかを判定する(S1530)。データが閾値を超えていないと判定された場合、タグは、クラブの状態を関することを継続する(S1500)。加速度計の出力が閾値を超える場合、マイクロコントローラは、メモリに記憶された加速度計タップデータを読み取り(S1535)、このデータが所定の閾を超えるかどうかを判定する(S1540)。データが閾値を超えないと判定された場合、タグは、クラブの状態を監視することを継続する(S1500)。タップデータが所定の閾を超える場合、マイクロコントローラは、加速度計運動、傾きおよびタップデータをタグのトランシーバへ提供し(S1545)、トランシーバは、タグID情報と共にデータをロケーションアウェア機器へ送信する(S1550)。タグは、その後、データが送信されていないかどうかを判定する(S1555)。データが未だ送信されていない場合、プロセスは、S1550へ戻り、データを送信する。データが送信された場合、プロセスは、クラブの状態の監視を開始する(S1500)。
【0102】
ロケーションアウェア機器は、その後、ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するために、図13を参照して前述されたように、加速度計運動、傾斜およびタップデータを処理する。
【0103】
したがって、本発明は、ゴルフクラブに装着されたタグに取り込まれた1つまたは複数のセンサによって検出されたセンサデータに基づいて、ボール打撃事象が発生したことを自動的に検出するプロセスを対象にする。センサデータは、クラブがバッグから取り出されたことをセンサデータが指示するかどうかを判定するためにタグによって最初に処理される。この判定が行われると、センサデータは、次に、ボール打撃事象が発生したことをセンサデータの出力が指示するかどうかを判定するために、タグによって最初に処理される。センサの出力がこれらの予備的な閾値を超える場合、データは、その後、ゴルフショットが登録されるべきであるかを判定するためにさらなる処理のためロケーションアウェア機器に進められる。
【0104】
種々の他の利点がこのタグコンフィギュレーションによって実現される。たとえば、このコンフィギュレーションは、ロケーションアウェア機器が、クラブが紛失したことを検出するだけでなく、この失われたクラブのロケーションをユーザに表示することを可能にさせる。
【0105】
ロケーションアウェア機器と関連したタグシステムは、ロケーション情報をデータと関連付ける利点のため、本発明の好ましい実施であるが、「ロケーション認識」を有していない(すなわち、GPS、慣性システムまたは他のロケーション機能のない)ハンドヘルド型のゴルフカートまたはゴルフバッグ搭載型機器は、ゴルファがクラブをゴルフバッグに戻していないかどうかをゴルファに通知するクラブリマインダ機能と、自動スコアリングおよび統計機能と、クラブバッグ在庫のタグポーリング機能とのようなこのシステムのある種の特徴を依然として利用することができることにさらに注意を要する。たとえ、ショット緯度/経度またはジオロケーションデータを含むことがないとしても依然として役立つことになる多数の機能が存在する。ゴルファは、自動スコアリングの目的およびデータのロギングのため、使用されたクラブおよびショットデータを自動的に入力するためにこのシステムを依然として使用することができ、グラフィックGUI上で手動により、または、PCもしくはウェブベースのシステム上のデータ解析機能を用いて、ゴルファのショットロケーションおよび距離を近似する能力を依然として有することになる。
なお、以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[発明1]
ゴルフクラブに連結されたタグであって、
各々が前記ゴルフクラブの検出された運動に基づいて信号を出力するように構成されている複数のセンサと、
複数のセンサ出力のうちの各々を記憶された基準センサ出力値と比較するように構成されているマイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラによって実行された比較に基づいて前記センサ出力に対応するデータを前記タグから離れた機器へ送信するように構成されているトランシーバと、を備えるタグ。
[発明2]
前記複数のセンサのうちの1つが前記ゴルフクラブの加速度を検出するように構成された加速度計である、発明1に記載のタグ。
[発明3]
前記複数のセンサのうちの1つが前記ゴルフクラブに加えられた衝撃を検出するように構成された衝撃センサである、発明1に記載のタグ。
[発明4]
前記複数のセンサのうちの1つが前記ゴルフクラブの位置を検出するように構成された位置センサである、発明1に記載のタグ。
[発明5]
前記複数のセンサのうちの1つが前記ゴルフクラブの姿勢を検出するように構成されたジャイロセンサである、発明1に記載のタグ。
[発明6]
前記複数のセンサは、前記ゴルフクラブの加速度を検出するように構成された加速度計と、前記ゴルフクラブに加えられた衝撃を検出するように構成された衝撃センサと、前記ゴルフクラブの位置を検出するように構成された位置センサと、前記ゴルフクラブの姿勢を検出するように構成されたジャイロセンサとから選択される、発明1に記載のタグ。
[発明7]
前記マイクロコントローラは、前記センサ出力がボール打撃事象に対応するかどうかを判定するために、前記選択された加速度計、衝撃センサ、位置センサ、および/または、ジャイロセンサの出力をボール打撃に対応する記憶された基準センサ出力値と比較するように構成されている、発明6に記載のタグ。
[発明8]
前記トランシーバは、前記比較が、ボール打撃事象が判定されたと判定するとき、前記選択された加速度計、衝撃センサ、位置センサ、および/または、ジャイロセンサの前記出力に対応するデータを前記タグから離れた前記機器へ送信するように構成されている、発明7に記載のタグ。
[発明9]
前記クラブの検出された傾きに基づいて信号を出力するように構成された傾きセンサをさらに備える、発明1に記載のタグ。
[発明10]
前記マイクロコントローラは、前記傾きセンサの出力に基づく前記クラブが直立しているとの判定に基づいて、前記クラブが動作中状態にあるかどうかを判定するように構成されている、発明9に記載のタグ。
[発明11]
前記マイクロコントローラは、前記クラブが動作中であるとの判定に基づいて、信号を前記タグから離れた前記機器へ送信するために前記トランシーバを制御するように構成されている、発明10に記載のタグ。
[発明12]
検出された光のレベルに基づいて信号を出力するように構成された光センサをさらに備える、発明1に記載のタグ。
[発明13]
前記マイクロコントローラは、前記光センサの出力に基づく前記タグが暗状態から明状態へ変化したとの判定に基づいて、前記クラブが動作中であるかどうかを判定するように構成されている、発明9に記載のタグ。
[発明14]
前記マイクロコントローラは、前記クラブが動作中であるとの判定に基づいて、信号を前記タグから離れた前記機器へ送信するために前記トランシーバを制御するように構成されている、発明13に記載のタグ。
[発明15]
ゴルフクラブに連結されたタグを備える自動ゴルフショット追跡システムであって、
前記タグは、
各々が前記ゴルフクラブの検出された運動に基づいて信号を出力するように構成されている複数のセンサと、
複数のセンサ出力のうちの各々を記憶された基準センサ出力値と比較するように構成されているマイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラによって実行された比較に基づいて前記センサ出力に対応するデータを前記タグから離れたロケーションアウェア機器へ送信するように構成されているトランシーバと、を含み、
前記ロケーションアウェア機器は、
前記ロケーションアウェア機器の現在の位置を判定するように構成された位置判定ユニットと、
前記タグから前記センサ出力に対応する前記データを受信するように構成されたトランシーバと、
ボール打撃事象が発生したかどうかを判定するために前記タグから受信された前記センサ出力に対応する前記データを処理するように構成されたマイクロコントローラと、
前記ボール打撃事象と前記位置判定ユニットによって判定された前記ロケーションアウェア機器の現在の位置との間の関連性を記憶するように構成されたメモリと、を含む、自動ゴルフショット追跡システム。
[発明16]
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記タグから受信された前記センサ出力に基づいてボール打撃確率値を計算するように構成されている、発明15に記載の自動ゴルフ追跡システム。
[発明17]
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記ボール打撃事象と前記位置判定ユニットによって判定された前記ロケーションアウェア機器の現在の位置との間の関連性を記憶するために前記メモリを制御すべきかどうかを判定するために、前記計算されたボール打撃確率値を記憶された閾値と比較するように構成されている、発明16に記載の自動ゴルフ追跡システム。
[発明18]
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記タグから受信された前記センサ出力に対応する1つまたは複数の前記データに重みを付けることにより前記ボール打撃確率値を計算するように構成されている、発明16に記載の自動ゴルフ追跡システム。
[発明19]
前記ロケーションアウェア機器の前記マイクロコントローラは、前記ボール打撃事象と前記ロケーションアウェア機器の現在の位置との間の関連性が記憶されたとの指標を出力するためディスプレイを制御するように構成されている、発明15に記載の自動ゴルフ追跡システム。
[発明20]
前記ロケーションアウェア機器は、ボール打撃事象と前記ロケーションアウェア機器の位置との間の複数の記憶された関連性を情報処理機器に送信するように構成されたインターフェイスをさらに備える、発明15に記載の自動ゴルフ追跡システム。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17