(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917485
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】高柔軟性吸収性シート材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20160428BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20160428BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20160428BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
A41B13/02 S
A41B13/02 D
B32B5/26
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-501628(P2013-501628)
(86)(22)【出願日】2011年3月27日
(65)【公表番号】特表2013-528408(P2013-528408A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】DE2011000339
(87)【国際公開番号】WO2011120504
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】501073862
【氏名又は名称】エボニック デグサ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(72)【発明者】
【氏名】フェンスケ,ヴィルフリート
【審査官】
新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0156418(US,A1)
【文献】
特表2005−508705(JP,A)
【文献】
特開平06−311999(JP,A)
【文献】
特開平06−296638(JP,A)
【文献】
特開2010−057930(JP,A)
【文献】
特開2001−145648(JP,A)
【文献】
特開2009−203586(JP,A)
【文献】
特開2003−012490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00,13/15 − 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予張力を受けた2つの弾性中間層と超吸収性顆粒の区画を含ませた第1外側層と第2外側層の2つの外側層から成る曲げ可能に軟性の吸収性シート材料の製造方法であって、前記2つの外側層の一方が水蒸気透過性であり、第1外側層を縦長コアの上に折り畳んでチューブを形成し、前記チューブを、前記コアの案内ストラットの横断面の先細りによって寸法を小さくし、前記チューブの間の材料を案内レールまたはワイヤによって、前記案内ストラットの間に配置された蓄積ストラットによって形成される空隙内に案内し、かつ張力なしの弾性糸若しくは帯材の群により、チューブ補強の形体で反転の方法で包み、弾性要素の上記群に感圧性接着剤を塗布し、該コア上の拡開によって張力下に前記弾性要素群を第1外側層の該チューブと接触させ、該コア上の該チューブの前送り運動のさらなる過程において、前記弾性中間層と前記第1外側層とを扁平形状にし、そして超吸収体の個別トラックを間欠的または連続的に供給することによって、第2外側層の各シート材料と接合し、そして縦方向に切断して横方向に弾性を有する個別の長形とすることによって製造する、シート材料の製造方法。
【請求項2】
前記外側層の少なくとも1つは水不透過性であり、2つの前記外側層を接合しながら機械的圧力または穿孔によって点状に透過性にされることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記外側層の少なくとも1つは水不透過性であり、2つの前記外側層を接合しながら機械的圧力または穿孔によって点状に透過性にされ、運搬能力が表皮から離れた側でも保証されることを特徴とする、請求項1または請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記第1外側層を、前記第2外側層と接合する前に、被着された前記弾性中間層の予張力を利用してその横方向に弛緩しそして短縮し、こうして生成したシート材料は、前記第2外側層と組合わさって、前記第1外側層によって形成されたシート側に高いヒダ付けを有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第2外側層の前記超吸収体に向き合う側に、前記超吸収体を平らに固定するために乾燥状態で塗布された付加的感圧性接着剤を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
少なくとも1つの座標方向に膨張可能であり、かつ少なくとも被吸収液体の吸収による容積増加のために空間を創成する吸収性織物材料は、乳児用おむつ、失禁用品、女性用衛生用品等の使い捨て商品に関連してそしてまた包装技術や食品技術の吸収性商品の分野において特に求められている。この機能は従来、パルプ、超吸収性顆粒または超吸収性繊維と、合成不織布、パルプまたは綿から成る液体分配層とから成る好適な組合せ製品によって果たされてきた。
【背景技術】
【0002】
地球の天然資源の持続可能性とそれらの使用の帰結への意識的な取り組みに対する責任を認め、原料や包装材料の消費量と、また製造販売のための輸送エネルギーも、極力僅かなものに抑えることは産業界の責任である。このことは衛生用品の製造に関してまずなによりも一次エネルギー消費量、パルプ、輸送容積、包装用フィルム、包装用ボール箱及びゴミ容積の低減を意味する。
【0003】
乳児用おむつの分野において、セルロース/パルプの吸収性を吸水性ポリマー顆粒(超吸収体)によって部分的にまたは完全に代用を試み、成功している多様な計画が文献からも工業デザインからも知られている。例えば最近の乳児用おむつまたは成人用失禁用品をパルプレス吸収パッドに完全に切り替え、こうして使い捨て商品の使用が気候変動に及ぼす影響を極力小さく抑えることが技術的、経済的、生態学的に望ましい。
【0004】
乳児用おむつ、失禁用品、女性用衛生用品からパルプを減らしもしくは取り除くためには2つの基本的に異なる方策が知られている。
【0005】
1.超吸収体の顆粒間の結合剤としての伸長性または膨潤性熱可塑性プラスチックの使用によってパルプを代用する。これらのプラスチックは超吸収体の膨化時に付着性を保持し、膨潤運動を一緒に行い、湿った状態でも基材の一体性を保証する。
【0006】
2.別個の区画内で2つ以上のキャリヤ層の間に超吸収体をキルトの要領で組み込む。超吸収体が液体を吸収して膨潤することによる容積増大は、二者択一的に、1つまたはそれ以上のキャリヤ層の弾力性によって、超吸収体を積層体内に介装する間に1つまたはそれ以上のキャリヤ層のヒダ付けまたは伸長によって、または個々のキャリヤ層相互の好適な接合によって行われ、この接合が目標とする破裂圧力に基づく局所破裂は、超吸収体の膨潤によって可能となる。
【0007】
特許文献1は積層体の製造を記載し、積層体は2つの外側層から成り、そのうち少なくとも一方の層は親水性であり、両層は感水性感圧性接着剤によって互いに接着されているので、分離された未接着区画内は超吸収体を点状に包含することができ、この超吸収体は膨潤状態のとき特に接着をこじ開け、膨潤容積のために必要な容積増大を達成する。膨潤状態時の積層体では限られた一体性しか達成できないと見なさなければならない。
【0008】
包含された超吸収体区画と弾性特性とを有する吸収性積層体を製造する方法が特許文献2に提案されている。超吸収体の区画が、真空システムを用いて、一方の外側層に長手方向に異形ローラによってヒダ付けされる2つの外側層の間に、生産方向を横切って位置決めされ、長手方向で伸長可能な積層体が得られ、弾性フィルムまたは不織布を使用することによって柔軟性とヒダ付けを達成することができる。
【0009】
特許文献3は超吸収体の個別シート(sheeting)を有する積層体の縦方向に連続する製造方法を開示する。該超吸収体の個別シートは、ホットメルト接着剤によって、超吸収体を覆う領域と超吸収体のない領域とのストリップがそれぞれ生産方向を横切って形成されるように、2つの外側層の間に介装されている。
【0010】
点状に包含された超吸収体区画を有する2つの外側層を含む積層体の製造は、特許文献4と特許文献5に述べられている。模様付き真空ローラによって第1外側層に窪みが形成され、これらの窪みに超吸収体および繊維物質が充填され、第1外側層が第2外側層と接合される。類似する製品は以前から支持材として手術分野や患者の介護において使用されてもいる。
【0011】
超吸収体は、液体吸収中に重量が2500〜5000%増加する。それに伴う容積増加は、周囲のキャリヤ材料の部分の好適な柔軟性によって収容されなければならない。このことは従来のパルプ/超吸収体パッドの場合、3次元すべてにおいてパルプの膨張が可能であるので、基本的に問題ではなかった。超吸収体‐顆粒または超吸収体/繊維混合物が感圧性接着剤で固定され、または不織布、フィルム、ティシュ等の2つ以上の層の間で熱的に固定される、いわゆる超吸収体の積層体の場合、この機能は、ストレッチングによるにせよ幾何学的柔軟性によるにせよ、積層体の外側層により可能にしなければならない。それに対して超吸収体の閉じ込めは、外側層の一方の破損または積層の引裂きを生じることなく常時保証されていなければならない。さらに、この積層体がその製造平面に垂直な方向だけでなくこの平面自体でも弾性的に伸長可能であり、こうして液体吸収による超吸収体の容積増大が容易となるとともに、上記衛生用品の別の成分と組合せて、衛生用品の柔軟性と特定の身体輪郭への適合能力が損なわれないようにするのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第724 418号明細書
【特許文献2】米国特許第20020102392号明細書
【特許文献3】米国特許第20020115969号明細書
【特許文献4】国際公開第2004071539号明細書
【特許文献5】国際公開第2004071363号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで本発明の課題は、高い生産能力を有する吸収性織物シート(textile sheeting)材料の連続製造を可能にし、結果的にコスト効率がよく、最終製品が平面弾性(area-elastic)特性だけでなく大量の液体を収容する容積弾性特性をも有する製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、本発明によれば、超吸収体と1つまたはそれ以上の弾性中間層、該弾性中間層はこのように製造された積層体の2つの外側層の間の、個別糸、個別ストランドまたは帯材からなる、の包含のおかげで、該弾性中間層が超吸収体の個々の区画(セクション)をキルティングのブランケットの要領で含み、液体吸収時に該積層体の膨張のために、生産平面に垂直に且つ生産平面内で空間を創成する限りにおいては、この積層体が製造方向を本質的に横切る方向に伸長可能で、かつ弛緩状態時にヒダ付けされて形成されるという事実によって解決される。最近の超薄型弾性衛生用品の中での使用のためには、このように製造された積層体が完全に弾性で伸長可能であり、そして乾燥状態でも湿った状態でも身体輪郭に完全に適合することは重要である。
【0015】
結果的に、該積層体の表皮側表面上、更に詳しくは被吸収液体が該積層体に接触するようになる側の、このように実現されたヒダ付け及び模様において、そして、適当な親水性かつ運搬性外側層と有利に合わせて、乾燥状態でも湿った状態でも優れた液体伝導が保証される。さらに、こうして製造された積層体は、膨潤状態でも弾性層の接着領域において、超吸収体の膨潤によって妨げられることなく、その生産平面に垂直にいつでも透過性であるので、運搬能力は、表皮から離れた側でも表面の模様と適当な外側層の選択とによって保証されており、表皮側外側層は逆湿潤(back-wetting)/皮膚水分に関して最適化することができる。
【0016】
本発明によれば、まず第1外側層の前端が長い棒状または管状のコア5の端部に被着され、該コアの周りで、前進運動を与えて折り畳んで、チューブ状閉鎖形状とされる。
【0017】
該コア上での前進運動のさらなる過程において、該コアの断面を狭めることによってチューブの周面が短縮され、余剰材料は該チューブの外側にある案内レールまたは案内棒8によって、該コア5の好適な切欠き部に案内される。引き続き、該コアを環状に取り囲む、2つ以上の対で逆方向に駆動される供給装置11、14は、円周方向に離間した個別ガイド17から弾性糸またはストランド50、53の群を緩く引き出し、そしてそれらを、予張力なしにまたは摩擦に起因した低い予張力で第1外側シート材料の周りに前進中に、該コア上に載置する。第1外側シート材料のチューブを十字対称に取り囲む弾性糸またはストランドの平面模様(areal pattern)32に感圧性接着剤29が糸状に被着され、この接着剤は本質的に露出した弾性糸を湿らせて包む。送り供給運動の引き続く運動において、該コアの横断面は拡大して、第1外側シート材料のチューブはピンと張り、こうして弾性糸と接触し、最後に扁平形状とされる。この扁平チューブの両側で、一対の前進または接触ローラ38によって、第2外側材料層32の2つの個別シートは、第1外側シート材料20の自由表面と感圧性接着剤29を備えた弾性糸17とに接合される。この接合の間、第1外側シート材料のチューブの両側でこのシート材料と供給された第2外側シート材料との間に、超吸収体47の個別のトラックが導入される。最後に、こうして生成されたチューブは縦に切断されて個々のシートとされ、個別シートは横移動して個別のロールに巻かれ、または箱内に蓄えられる。
【0018】
第1材料シートのチューブの折込みと、弾性糸模様32の伸張による第1外側シート材料の拡開によるチューブの円周方向弾性の生成の結果として、予張力を受けた糸または帯材を基とする弾性チューブの同等の巻取法(例えば、国際公開第03041627号または独国特許発明第102004026070号参照)に対して、経験的に、生産速度は環状供給装置の制限速度によって制限を受けるので、糸の個別ガイドの駆動部の削除による複雑さの著しい低減と、そして積層体の横伸長性に比例する生産量の増加につながる。さらに、感圧性接着剤29用の塗布システムの幅は同じ程度に縮小される。
【0019】
弾性糸または帯材を第1外側シート材料のチューブに被着後に、これらの弾性糸または帯材は点状に接触するだけで、その他では露出しているので、螺線状または蛇行状に被着される感圧性接着剤は、該弾性糸の平面模様を通して被着され、好ましくは第1外側シート材料のチューブの拡開後に、該弾性糸を巻き付かせそして実質的に糸の周りに配向させ、
結果として、平面模様32(
図4)に一致した該感圧性接着剤の接着剤像が生成され、該接着剤像は、該コア上での前進運動のさらなる進展において、該弾性糸の巻付きにより、該弾性糸を第1外側シート材料だけでなく第2外側シート材料にも接着接合する。
【0020】
図2aに従って、材料シート20を案内する案内ストラット(struts)35と、その間に配置され(
図2a)、該コアが先細る間に、当該案内レール8を通って材料シート20のチューブの過剰材料が中に押し込まれる(
図2b)蓄積ストラット38と、からコア5を形成することは有利であることが証明されている。
【0021】
第1外側材料層は、一旦蓄積ストラットに押し込まれると、該コアの案内ストラットと蓄積ストラットとに密着した位置で、負圧、圧縮空気の導入、または静電帯電によって容易に保持することができ、該コアを介して低摩擦で引き寄せることができる。
【0022】
対で対向する案内ストラットが、該コアのさらなる進展において、その伸張方向に該形コアの縦軸を横切る方向に逐次拡張され、他の対の案内ストラットが同じ程度にその幅を低減され、従って、第1外側層のチューブが該蓄積ストラットから連続的に引張り出され、そして該案内ストラットの先端に緊張状態で引き寄せられ、こうして感圧的に接着された弾性積重ね体(パイル)とシート状に接触し(
図2c)、最後に前進運動のさらなる進展において、本質的に同じ周長を維持しながら、案内ストラットの他の同期した対の拡張もしくは幅低減によって、扁平状態にされることによって(
図2d)、弾性中間層および感圧性接着剤の塗布後のコアの拡開が有利に達成される。
【0023】
有利には、前進ローラ56がコア5の下端に位置するように、このプロセスのためのコア5はその縦方向を垂直にして配置される(
図1)。
【0024】
超吸収体47の供給は、有利には容積測定式または重量調量式の個々の連続的ラインまたはトラックにおいて行われ、該超吸収体は、脈動圧縮空気またはピストンによって間欠的に平面模様32の無接着剤領域に導入されるか、または平面模様に間欠的に追従して第1外側シート材料のチューブの円周方向を横切る方向にそらされる。単純な用途には、これらの個別トラックを連続的に走り込ませれば(trickle down)十分であることがあり、その場合、望ましくは平面模様の区枠(カセット)毎に2つの個別トラックを供給するのが有利である。
【0025】
第1外側シート材料20のチューブを、前進ローラ56に供給される前に、案内ストラットの幅低減によって横方向に弛緩させ、それにより第1外側シート材料は第2外側シート材料44の供給時に僅かな波形を有し、結果として該波形の小さなポケットが平面模様26の無接着剤帯域の領域に形成され、これが超吸収体33の堆積を容易にすることは、有益で有利である可能性がある。
【0026】
本発明のさらなる発展型において、第1外側シート材料の幅と第2外側シート材料の幅との相互比を制御して、このように生成された積層体が第1外側層の側が第2外側層の側と比べて高い波形を有する限りにおいては適切に監視することができる。これにより、個々の区枠の膨潤容積を同じに保持しながら、外側層20、44の特に高価な材料を最少にすることが可能となる。
【0027】
以下の記載において、本発明をさらに詳細に、本発明の方法が吸収性平面弾性積層体シート材料の製造においてどのように実施されるかを概略的に図示する図面と関連付けて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明による方法を実行するために使用し得る装置の概略側面図である。
【
図2a】案内ストラットと蓄積ストラットとを含むコアの構造を示す。
【
図2b】先細り領域における、案内ストラットと蓄積ストラットと案内レールを含むコアの構造を示す。
【
図2c】コアの拡開領域における該コアの構造を示す。
【
図3】未緊張または僅かに緊張した糸またはストランドの群を被着するために
図1、
図2の装置内に設けられる供給手段の一つ内の個別ガイドの配置を示す。
【
図4】2つの逆向きに駆動される
図3の供給装置を使用して得られる、本発明の方法により製造されたシート材料内の弾性糸若しくはストランドと、被着された感圧性接着剤との平面模様を示す。
【
図5a】2つの逆向きに駆動される
図3の供給装置を使用して得られる、本発明の方法により製造されたシート材料内の弾性糸若しくはストランドと、点状に供給される粉末状充填材料との平面模様を示す。
【
図5b】2つの逆向きに駆動される
図3の供給装置を使用して得られる、本発明の方法により製造されたシート材料内の弾性糸若しくはストランドと、別個の個別ラインで連続的に供給される粉末状充填材料との平面模様を示す。
【
図5c】2つの逆向きに駆動される
図3の供給装置を使用して得られる、本発明の方法により製造されたシート材料内の、生産方向を横切って間欠的にそらされた、弾性糸若しくはストランドと別個の個別ラインで連続的に供給される粉末状充填材料との平面模様を示す。
【
図6】超吸収体を導入して第2外側層と接合する前の、第1シート材料のチューブの重量を減らして本発明により製造された積層体、及びその生産方向を横切る混入された弾性中間層の略図である。
【
図7a】各2つの案内ストラットの間で2つの蓄積ストラットを使用し、案内レールの位置決めによって第1外側層の区画毎の取り入れをコントロールするときのコアの横断面部分の詳細の略図である。
【
図7b】
図7aにより製造された弾性シート材料の弾性糸の平面模様を平面弛緩状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に単純化しそして高度に略して示され、本発明に係る方法を実行するための装置2は、この場合は正方形横断面の縦長コア5から成る。このコアは縦方向に相互に離間した2つの供給装置11、14によって取り囲まれている。これらの供給装置は矢印a、bで示した逆方向に回転駆動される。
これらの個別装置を介して該弾性要素はその巻取り部(package)へ引き出され、コア5の方向に案内される。
【0030】
回転可能に支承されそして駆動される材料ローラ26から第1織物層20は、この例(
図2a)では、シート張力の制御下で移送され、そして成形肩部6を介して折り畳んで長方形横断面のチューブとされ、複数のストラット35、38によって形成されるコア5の前端に載置される。チューブの形成時に第1織物層20の重なり部を、感圧性接着剤の塗布、溶接または機械的拘束によってここで固定するのが有利である。
【0031】
こうして形成されたこのチューブは引き続き、その横断面を先細りにされたコアを介して案内されるので、このチューブは単に、幅が短くなる案内ストラット35の末端で該コアを案内し、該チューブの間の材料は案内レールまたはワイヤ8によって、該案内ストラットの間に配置された蓄積ストラット38によって形成される空隙内に案内される(
図2b)。
【0032】
こうしてその周囲を短縮されたこのチューブが引き続き2つの逆向きに回転する供給装置11、14によって案内される。該供給装置において、静止パッケージまたはローラのそれぞれ円周方向に離間した個別ガイド17によって個々の弾性糸、帯材またはストランド50、53がそれぞれ引き出され、そして第1外側材料層20のチューブに載置される。2つの供給装置11、14の回転運動を第1材料層20の前進と重ねることによって弾性要素50、53の逆方向の斜め模様が得られ、この模様はコア5の案内レール35の先端でのみ第1材料層と接触し、その他では露出している、
図3。
【0033】
コア上での前進のさらなる過程において、弾性糸50、53に感圧性接着剤が好ましくは螺線糸または蛇行糸のカーテンとして塗布され、このカーテンは、弾性糸50、53の露出した逆向き斜め模様に衝突すると、該弾性糸によって方向転換され、該弾性糸を、詳しくは該糸50、53の交点を、優先的に湿らせそして包む、
図4。
【0034】
コア5上での前進のさらなる過程において、該コアはその横断面を拡開されるので、それぞれ2つの対向する案内ストラットがその幅を拡張され、そして相補的対の案内ストラットはその幅を狭められて、コア5の蓄積ストラット38内に残存する第1層20の材料がまず連続的に引き離され、第1材料層20のチューブが案内レール35の末端でピンと緊張される(
図2c)。これにより第1シート材料20のチューブは、弾性要素17、及びこれに被着された感圧性接着剤との模様と、シート状に接触する。案内ストラット35の対の拡張とそれに付随する相補的案内ストラットの縮小とのプロセスは、コア5を介した第1シート材料20のチューブの引き続く前進の過程において継続され、最終的には第1シート材料20のチューブはコア5の2つの案内ストラット35の末端を介してのみ案内され、こうして事実上平らとなる。
【0035】
前進の過程のさらなる方法ステップにおいて、こうして扁平形状に形成されたこのチューブは2つの駆動される逆方向の前進要素、ここでは2つのロールまたはローラ56からなる装置に導入される。該前進要素は、材料ローラ26の第1外側層20を引張り出すための前進と、該コア上での全材料の輸送とを最後に提供する。
【0036】
前進ローラ56は、シート材料20の両側で、相互に離間した、2つの材料ロール41からなる回転駆動装置の第2外側層44の各シート材料を、好ましくはシート張力の制御下で、取り出しそして供給し、そして感圧性接着剤29を介して第1材料層20および弾性平面模様32にシート状に接合する。
【0037】
第1シート材料20の扁平にされたチューブが第2シート材料44の供給された平らなシートと、前進ユニット56によって一緒にされると、該チューブの両側に垂直に超吸収体47が導入されるので、平面模様32に従って、第1シート材料20のチューブの前進速度に容積測定式またはグラムメートル式(grammetrisch)に適合された個々のラインまたはトラックが連続的に漏れ出て、これにより
図5bの製品模様が生じる。或いは代替的に、これらのトラックは間欠的または振動式に、平面模様32に相応して、流れ方向を横切って機械式または空圧式に偏向する(
図5cの製品模様)、またはこれらのトラックを、脈動若しくは間欠的圧縮空気、機械的ピストンまたは移送装置の機械的偏向によって、第1シート材料20のチューブの流れ方向を横切って、このチューブの、平面模様32によって形成されそして感圧性接着剤が無い領域の中心にそらす(
図5aの製品模様)。
【0038】
感圧性接着剤の硬化が、有利には前進ロール56の接触圧によって行われた後に、そして両方の外側層20、44をそれら自身の間で、それらの間に取り込まれた超吸収体を含めて、包含された弾性要素50、53と接合した後に、こうして形成されたこの多層チューブは、さらなる前進運動の進展において、縦方向に分割されて個々のシートとされる。当該シートは選択的に、横方向にロールに巻き取るか、または箱内に積むか、又はコイル状に巻くことができる。
【0039】
ここに記載される発明に係る方法のさらなる発展型において、第1織物層20と弾性要素32の平面模様を含む扁平チューブの幅は、
図2dのように扁平状態に拡開された後に、案内レール35の幅を狭めることによって弛緩されそしてヒダ付けされ、こうして、そうでなければ実質的扁平な外側層44との接合により吸収性弾性シート材料を生じてもよい。当該シート材料は、第1織物層によって形成される外面上に、第2外側層によって形成される側よりも高いヒダ付けを有する。
【0040】
発明に係る方法のさらなる発展型において、このような方法で製造された平面状シート材料が、その製造方向を横切って、外側層に種々のヒダ付けの区画、ひいては種々の膨潤容積の区画、を装備し、シート材料の製造方向を横切る方向に超吸収体の分布を制御することによって、吸収能力の有利な横方向分布をもたらすことは、望ましくそして有利である可能性がある。
図7aは、例として、案内ストラット対38当り2つの蓄積ストラット38のこの場合に、どのように該案内ストラット対が、コア5の成形されたそれぞれの貯蔵区画内の案内レール8を、コア5の先細りによって過剰となった第1外側シート材料20の種々のシート幅の前進方向を横切る方向に適切に配置することによって、挿入されるかを図解する。前進運動とコア5の拡開の引き続く過程において、まず蓄積ストラット38の拡張によって、その先端でシート材料20は弾性層50、53の感圧性接着剤29と接触し、次にコア5の拡開が
図2b〜
図2dに示すように継続され、超吸収体および第2外側層44との組合せが完了する場合、弛緩した平らな状態の縦方向に分割されたシート材料は、外側層のヒダ付けを横切る方向に縞状の変化を有し、従って、結局は吸収能力の変化を有する、
図7b。
【0041】
第1織物層を、案内レール8の代わりに蓄積ストラットの空隙内に押し込む機能は、案内コアからの負圧によって、該コアのストラット35、38に対する第1シート材料20の静電帯電によって、または第1材料層20のチューブの外面への圧縮空気の付加によって達成すると望ましいことがある。
【0042】
さらに、特に第1外側層20のシート幅が大きい場合、または貯蔵需要が高い場合、コア5を先細りにして材料の良好な伝導を達成するために、
図2a、
図2bの各4つの案内ストラットおよび蓄積ストラットの機能を、ストラットの数を相応に増やすことによって達成することは、賢明で有利であることがある。
【0043】
超吸収体の個々の区画を、2つの外側層20、44と包含された弾性層50、53とを含む、そうでなければ相互に接着されたシート材料の無接着剤領域で分離することが、意図する用途において、液体吸収時に超吸収体47の膨潤作用および容積増大にとって望ましいとしても、第2外側層44を、第1外側層20と組合せる前に、平らにまたは縦帯状に感圧性接着剤の付加的な僅かな層を用いて湿らせて、該超吸収体を極力平らに固定し、これにより、液体吸収の開始前にこの材料の起こりえる塊状化を予防し、こうして製造されたシート材料の触感を改善することは、有意義なことがある。
【符号の説明】
【0044】
2:装置全体
5:コア
6:第1織物層の成形肩部
8:第1織物層のガイド
11:第1供給装置
14:第2供給装置
17:弾性糸の個別ガイド
20:第1織物層
23:成形肩部
26:第1織物層の材料ロール
29:感圧性接着剤
32:弾性糸の平面模様
35:コアの案内ストラット
38:コアの蓄積ストラット
41:第2織物層の材料ロール
44:第2織物層
47:超吸収体
50:第1中間層の個別糸
53:第2中間層の個別糸
56:前進ローラ