(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5917524
(24)【登録日】2016年4月15日
(45)【発行日】2016年5月18日
(54)【発明の名称】単位用量物品を収容している可撓性バッグ
(51)【国際特許分類】
B65D 30/16 20060101AFI20160428BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20160428BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20160428BHJP
B65D 75/42 20060101ALI20160428BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20160428BHJP
【FI】
B65D30/16 A
C11D17/04
C11D17/08
B65D75/42
B65D77/04 F
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-529405(P2013-529405)
(86)(22)【出願日】2011年9月20日
(65)【公表番号】特表2013-542135(P2013-542135A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】US2011052263
(87)【国際公開番号】WO2012040145
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2013年3月14日
(31)【優先権主張番号】12/885,825
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】グスタボ、ホセ、カマルゴ‐パロディ
(72)【発明者】
【氏名】ブレット、テイラー、リード
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、ロバート、コプロス
【審査官】
神山 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第01321377(EP,A1)
【文献】
特開2008−013212(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0199644(US,A1)
【文献】
特開平11−115950(JP,A)
【文献】
特開2008−018994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 17/04
C11D 17/08
B65D 30/00−33/38
B65D 67/00−79/02
B65D 81/18−81/30
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要寸法を有する少なくとも1つの少なくとも部分的に水溶性の単位用量物品を収容する、可撓性封着バッグであって、
当該バッグは、
前側パネル及び閉じたバッグを形成するために対立関係にあるべき少なくとも2つの対向された縁部に沿って前記前側パネルにへりで接合されている後側パネルであって、最上部に前記前側パネル及び前記後側パネルの接合部としての脆弱シールを有する、前側パネル及び後側パネルと、
前記前側パネル及び前記後側パネルの介在部であって、前記前側パネル及び前記後側パネルの各々に接合されている、底面パネルと、
を備え、
当該バッグの開口部での前記前側パネルと前記後側パネルとの最大寸法は、前記少なくとも1つの単位用量物品の前記主要寸法の、少なくとも2倍である、可撓性封着バッグ。
【請求項2】
当該バッグの開口部での前記前側パネルと前記後側パネルとの最大寸法は、少なくとも100mmである、請求項1に記載の可撓性封着バッグ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの単位用量物品は、50mm以下の主要寸法を有している、請求項1又は2に記載の可撓性封着バッグ。
【請求項4】
当該バッグは、300mm未満の高さを有している、請求項1〜3のいずれかに記載の可撓性封着バッグ。
【請求項5】
当該バッグは、1:1〜1.3:1のアスペクト比を有している、請求項1〜4のいずれかに記載の可撓性封着バッグ。
【請求項6】
当該バッグは、少なくとも20°の先端角度を有している、請求項1〜5のいずれかに記載の可撓性封着バッグ。
【請求項7】
少なくとも1つの窓を更に備えた、請求項1〜6のいずれかに記載の可撓性封着バッグ。
【請求項8】
放物線状シール及び三角形状シールから成る群から選択される底面シールを備えた、請求項1〜7のいずれかに記載の可撓性封着バッグ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の可撓性封着バッグから成る一連の可撓性封着バッグであって、
当該バッグの各々は、300mm未満の高さを有しており、
当該バッグの各々は、20〜30mmだけ高さにおいて異なっている、一連の可撓性封着バッグ。
【請求項10】
当該バッグの各々は、異なる量の単位用量物品を収容している、請求項9に記載の一連の可撓性封着バッグ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の可撓性封着バッグの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、単位用量物品、特に、洗濯用組成物を備えた、単位用量物品のためのパッケージングである。洗濯用組成物には、とりわけ、洗浄及び/又はすすぎサイクルにおいて使用するための添加剤、洗剤、繊維柔軟剤、及び香料が含まれてもよいが、これらに限定されない。これらの単位用量物品は、固体、ペースト、ゲル、液体、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、いずれの好適な形態での組成物を備えてもよい。非固体洗濯用組成物は、最も一般的には、水中で少なくとも部分的に可溶性であるフィルム材中に、カプセル封入されるであろう。
【背景技術】
【0002】
生活は、かつてないほどに慌しくなっている。我々は、今では、ボタンに触れて大域的な情報にアクセスし、いずれの事態のためにも我々の携帯電話を手近に置き、また消費者として、我々は、今すぐ入手という生活スタイルに慣れてきている。洗剤のような家庭用組成物は、この傾向による影響を受けてきている。例えば、過去10年半で、メーカーは、伝統的な大型ボックス洗濯用洗剤及び自動食器洗い用洗剤から、コンパクト洗剤、及びより最近では、単位用量洗剤に移行してきている。単位用量は、典型的には、計量の煩わしさ又は面倒なしに、洗濯機中に直接に添加することができるタブレット又は水溶性のパウチである。単位用量は、洗浄サイクル中に、水中に溶解するように設計される。
【0003】
水溶性単位用量物品は、偶発的な又は意図的でない、水分との接触の影響を受けやすい。結果として、移送及び貯蔵中を含む、そのライフ・サイクルの種々の段階の中で、物品を水分から保護することは重要である。パッケージングは、そのような保護を提供する方法である。パッケージングはまた、製品の必須部分を形成し、消費者の、ブランドとの第1接触点であり得る。故に、単位用量物品を損傷から保護する以外に、パッケージは、審美的に心地よく、消費者に対してブランド確立及び使用法情報のためのスペースを提供しなければならない。要約すれば、理想的なパッケージは、機能的で、情報価値があり、かつ誘因的である。
【0004】
これらの必要性を満たすための1つの試みは、単位用量物品を可撓性バッグ中にパッケージすることであった。浪費を防止し、かつ満たされた外見のバッグを提供するために、バッグは、典型的には、その中に収容される単位用量物品の容量に従ったサイズにされる。バッグの高さは、しばしば、良好な棚中の存在感を提供するように操作される。バッグの幅は、しばしば、棚上でのバッグ設置面積を最小化するように操作される。しばしば、これらの考慮事項は、小さい設置面積、及び結果として高い重心を有している、丈長のバッグにつながる。これらのバッグは、商品棚上で倒れる傾向があり得る。
【0005】
幾つかのバッグは、窓を有し、それを通して消費者は、購買前に製品を見てもよい。窓のサイズ及び配置は、バッグが製品で満たされているように見えるようなものである。満たされた外見のバッグは、消費者に、彼らが元をとっているということを伝達するための必要不可欠な要素として見なされている。
【0006】
これらの考慮事項、並びに単位用量物品が多様な数で販売されるということを所与として、メーカーは、単一の最終製品のために一連の非常に多くのバッグを製造することを要求され得る。これは、それが製造コストを追加するため、不利である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
故に、単位用量物品を水分から保護する、消費者にブランド及び使用法情報を提供する、かつ多様な物品数をパッケージするために利用することができる一方で、依然として、消費者に、彼らが彼らの金銭に見合った価値を得ていることを示唆する、誘因的バッグに対する必要性が依然として存在する。そのようなバッグはまた、これらの必要性を総じて満たす一方で、良好なプロセス信頼性を提供する、バッグ寸法の組み合わせを備えなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の単位用量物品を収容している可撓性封着バッグを目的とする。可撓性封着バッグは、主要寸法を有している、少なくとも1つの、少なくとも部分的に水溶性の単位用量物品を収容している。可撓性バッグは、パネル及び閉じたバッグを形成するために対立関係にあるべき少なくとも2つの対向された縁部に沿って前側パネルにへりで接合されている後側パネルを備える。前側パネル及び後側パネルは、脆弱シールによって最上部で接合されている。底面パネルは、前側パネル及び後側パネルの介在部であって、前側パネル及び後側パネルの各々に接合されている。バッグ
の奥行きは、少なくとも1つの単位用量物品の主要寸法の
奥行きの、少なくとも約2倍
である。
【0009】
本発明はまた、各々、約300mm未満の高さを有しており、各々は、約20〜約30mm分だけ高さにおいて異なっている、これらの一連のバッグを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する、特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の添付図面と併せた、以下の好ましい実施形態の説明から更なる理解が得られると考えられる。
【
図1】本発明による、物品を収容しているバッグの斜視図。
【
図4】本発明の単位用量物品が落下する通り道である、落し口の断面図。
【
図5】落し口の下にある、本発明によるバッグの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による可撓性バッグ10の一実施形態は、
図1に図示される通りである。可撓性バッグ10は、前側パネル30、後側パネル50、及び底面パネル(図示されず)を備える。この実施形態における前側パネル30は、長方形の形状にされており、かつ離間された側縁35a、35bを備える。前側パネルは、対立関係にあるべき少なくとも2つの対向された縁部に沿って、後側パネル50にへりで接合されている。
図1は、へりで一緒に接合されている2つの対向した縁、すなわち、それぞれ35a、55aである、前側パネル及び後側パネルの対向した縁部を示す。底面パネル(図示されず)は、前側パネル30及び後側パネル50の介在部であって、前側パネル30及び後側パネル50の各々に接合されている。前側パネル30及び後側パネル50は、バッグが単位用量物品で満たされた後、脆弱シール20によって最上部で接合されている。
【0012】
多様な材料を使用して、本発明のバッグ、シール(複数可)、及び他の要素のパネルを形成することができる。水分保護及び製品との適合性のような技術的要件、並びに製造のコスト及び簡便性は、これらの材料を選択するときの主要な要因である。
【0013】
1つ以上の材料を使用して、バッグ10の1つ以上のパネル30、50を形成してもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のパネル30、50は、材料の層を備える。幾つかの実施形態では、層は、一緒に積層される。使用材料には、フィルム形成プラスチックが含まれるが、これらに限定されない。フィルム形成プラスチックは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ナイロン(商標)、Barex(商標)、Evoh(商標)、及びそれらの組み合わせの群から選択されてもよい。幾つかの実施形態では、パネル30、50は、一緒に積層された層を備えてもよい。
【0014】
バッグ10のパネル30、50は、水分障壁としての機能を果たすシールを提供するであろういずれの好適な方法を使用して、縁35a、35bに沿って接合されてもよい。非限定的な例としては、ヒートシール、超音波溶接、自己接着、圧力シール、接着剤シール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0015】
前側及び後側パネルを一緒に接合する脆弱シールを作成する、いずれの好適な手段も有用である。非限定的な例としては、切り取り点線入れ、脆弱線の適用、可剥性シール、再封可能な閉鎖、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
図1に示されるように、前側パネル30は、少なくとも1つの不透明部分31及び少なくとも1つの透明窓32を備えてもよい。単位用量物品100は、その中でバッグ10の底面から高さ110まで分配され、透明窓32が物品100及び空のスペース33を区切るように、単位用量物品100の高さ110より上で、空のスペース33を提供する。
図1に示される可撓性バッグ10は、脆弱シール20が破られた後に、バッグ10を閉じた状態で固定するための、任意の追加的な閉鎖25を備える。
【0017】
図2を参照すると、可撓性バッグ10は、バッグ10が満たされておらず、前側パネルを上にして平坦な表面上に配置されるとき、その高さ11及び幅12によって画定されてもよい。バッグ10の高さ11及び幅12は、それらの最大値で測定される。
【0018】
図3は、本発明の例示の単位用量物品100を示す。単位用量物品100は、好ましくは、洗濯用、食器、又は硬質面洗浄組成物を含むが、これらに限定されない、家庭用ケア組成物の利用用量である。そのような物品100が、多様な形態、形状、及び組成を有し得る一方で、そのような添加剤の一般的な特徴は、長期の及び/又は高いレベルの水分に曝露されるとき、退化し、不活性化され、不安定にされ、又は溶解しやすい、それらの感受性である。例として、温水及び冷水の両方の条件下で迅速に溶解するように設計される、高分子フィルム中にカプセル封入される洗濯用添加剤は、大気中の水分への長期の曝露から保護されない場合、粘着性、不安定となり、かつ更に時期尚早に溶解される場合がある。そのような物品は、米国特許公開第2010/0192986A1号及び米国特許第6995126号に記載され、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
図3に示されるように、単位用量物品100は、主要寸法101を有する針刺し形を有してもよい。本明細書で使用されるとき、「主要寸法」は、バッグ中の最大の単位用量物品100の最大の直線寸法を画定する。単位用量物品100が実質的に円形である場合、「主要寸法」は、その直径を画定する。バッグ10が異なる形状及びサイズを有している複数の単位用量物品100を収容している場合の実施形態では、主要寸法101は、物品100の最大の単位用量の主要寸法に相当する。
【0020】
好ましい実施形態では、単位用量物品は、約50mm以下の主要寸法である針刺し形を有している。
【0021】
本発明のバッグは、当該技術分野におけるいずれの好適な方法を使用して、高速ラインに沿って、所定の量の単位用量物品で満たされる。非限定的な方法には、垂直型充填シール、水平型充填シール、及び水平充填シールが含まれる。
【0022】
これらのプロセスのうちのいずれか1つ以上において、単位用量物品は、バッグの開口部を通じて単位用量を誘導する落し口を通じて分与されてもよい。幾つかの実施形態では、開口部は、バッグの最上部にあり、他の実施形態では、開口部は、バッグの側面にある。一旦、バッグが満たされると、開口部は、封着されてもよい。充填及び封着プロセスは、典型的には、1分間当たり60個のバッグと同程度に高いライン速度で生じる。結果として、プロセス信頼性は、ライン上のダウン時間を低減する1つの鍵である。
【0023】
プロセス信頼性は、落し口形状及びバッグ形状のような複数の要因によって影響を受ける場合がある。考慮すべき1つの要因は、単位用量物品が落し口からバッグ中に分与されるとき、それらがバッグの内側で小山を形成する傾向があるということである。小山の高さが大きすぎる場合、それは、その後のバッグの封着を妨害する可能性があり、それが今度は、物品の破損及びラインの汚損につながる可能性がある。
【0024】
考慮すべき別の要因は、単位用量物品が落し口を通じて落下するとき、それらが一団になるか、又は「穴埋めする」可能性があり、その結果、それらが落し口を塞ぎ、更なる単位用量物品がバッグ中に分与されるのを妨げるということである。しばしば、この問題は、それらが封着されるときの、バッグ内に収容される単位用量物品の量における一貫性のなさにつながる。
【0025】
これらの及び他の理由で、落し口の寸法は、穴埋めを最小化するように選択される。落し口の副次寸法は、バッグ中にパッケージされる対象となる最大の単位用量物品の主要寸法のそれの少なくとも約2倍であるべく選択される。
図4は、例示の落し口700の断面図を示す。落し口の副次寸法710は、落し口の高さに沿った最狭点で、落し口の断面内に内接する理論上の円711の直径である。幾つかの実施形態では、落し口の断面は、特にその開口部で、バッグの断面と一致してもよい。他の実施形態では、落し口開口部は、バッグの充填側面の断面よりも小さくてもよい。
【0026】
バッグの寸法は、プロセス信頼性並びに棚中の存在感に影響を及ぼし得る。結果として、バッグ寸法の組み合わせは、棚中の存在感を最大化する一方で、生産ラインの妨害を最小化するように選択される。これらの寸法は、下で更に詳細に考察される。
【0027】
バッグ
奥行き:
単位用量物品が落し口からバッグ中に落下するとき、バッグの開口部で穴埋めが生じる可能性がある。結果として、充填中の、その開口部でのバッグの前側パネルから後側パネルまでの寸法
すなわち「
奥行き」は、穴埋めを最小化するように選択される。
図5を参照すると、その開口部15でのバッグ10の
奥行き13は、バッグが落し口700からの単位用量物品で満たされることになるときの、前側パネル30と後側パネル50との間の最大距離として定義される。
【0028】
最大の単位用量物品の主要寸法の少なくとも2倍であるというバッグ開口部
奥行きを有しているバッグが、良好なプロセス信頼性を提供することが見出されている。上述のように、本発明による好ましい単位用量物品は、約50mm以下である主要寸法を有してもよい。故に、好ましいバッグの
奥行きは、その少なくとも2倍、又は少なくとも約100mmである。
【0029】
バッグ高さ
バッグ高さは、典型的には、商品棚上で良好な存在感を提供するように選択される。バッグ高さは、異なる量の単位用量物品を収容しているバッグ間での、消費者による容易な差別化を可能にし得ることが見出されている。最大のバッグ高さは、しばしば、商品棚の高さの関数である。棚の高さ(すなわち、棚の上面と、その真上の棚の底面との間の垂直の距離)は、しばしば、約300mmである。故に、異なる量の単位用量物品が販売対象となる場合、各々300mm未満の、異なる高さを有している一連のバッグが利用される。
【0030】
高さにおける差異が消費者にとって容易に明らかとなるためには、バッグ間の最小ステップ高は、少なくとも約20mmであることが見出されている。故に、本発明によるバッグは、200mmから開始し、20mmのステップ単位で300mmまで上方に進行する、バッグの「メニュー」から選択されてもよい。
【0031】
アスペクト比
可撓性バッグの「アスペクト比」は、バッグ高さと幅との間の比率として定義される。バッグのアスペクト比は、バッグの棚中の存在感及び棚上での安定性に影響を及ぼし得る。棚中の安定性は、バッグの先端角度によって定量化される。「先端角度」は、本明細書で、パッケージの垂直軸が、バッグが倒れる前の仮想の垂直線と共になす最大角度として定義される。角度は、パッケージを、それが倒れるまで進行的に傾けることによって測定される。パッケージは、側方へ、前方から後方へ、又は所望のいずれの他の方向へ傾けられる可能性がある。本願では、前方から後方の傾斜角度がバッグの最も安定性の低い方向を表すため、我々はこの傾斜角度を測定する。
【0032】
所与の
奥行きに対して、高いアスペクト比を有しているバッグは、高い重心を有しているであろう。高い重心は、今度は、低減された先端角度をもたらす場合がある。同じ
奥行きであるが、より低いアスペクト比を有しているバッグは、より低い重心及び増加された先端角度を有しているであろう。故に、より低いアスペクト比を有しているバッグは、棚上でより安定である。
【0033】
しかしながら、可撓性バッグの棚中の安定性は、望ましくは、良好な棚中の存在感とつりあいをとられる。洗濯用及び自動食器用製品カテゴリにおいて、可撓性バッグは、典型的には丈長で幅狭である。故に、丈の短い幅広のバッグは、この審美学に適合しない可能性がある。
【0034】
これらの考慮事項のつりあいをとって、可撓性バッグの最適なアスペクト比は、約1:1〜約1.3:1であることが見出されており、後者のアスペクト比が最も好ましい。
【0035】
バッグ幅
所与の高さ及び
奥行きに対して、内部容量が、信頼性のある製造動作において内容物を適合させるために十分であるよう保証する、最小バッグ幅が存在する。換言すれば、単位用量がバッグ封着動作によって破砕されて汚損及びライン停止を引き起こすことがないよう保証する、最小バッグ幅が存在する。最小幅は、高速ライン上の充填装置を模倣する、研究室の試験装置を使用して決定されてもよい。
【0036】
一旦、可撓性バッグの高さ及びアスペクト比が選択されると、バッグの幅は、以下のように算出されてもよい:
バッグ幅=バッグ高さ/アスペクト比
バッグヘッドスペース/充填レベル
可撓性バッグの充填レベル百分率及びヘッドスペース百分率は、充填高さ/バッグ高さ及びヘッドスペース高さ/バッグ高さとして算出され、式中、
充填高さ+ヘッドスペース高さ=バッグ高さである。
【0037】
要求されるヘッドスペースは、バッグ寸法、単位用量寸法、摩擦係数、隆起、及び充填装置設計を含むが、これらに限定されない多様な要因に依存する。本発明による可撓性バッグは、プロセス信頼性に必要とされるヘッドスペースを最小化するように設計される。
【0038】
本発明による可撓性パッケージの充填レベルは、バッグ高さの約28〜約45%パーセントの範囲内、又はバッグ高さの約32〜45%の範囲内である。最も一般的には、充填レベルは、バッグ高さの約35%である。
【0039】
底面シール
図6a、b、及びcを参照すると、3つの一般的なタイプのバッグ10底面シール900:放物線状シール(
図6a)、三角形状シール(
図6b)、ないし四角形状シール(
図6c)が存在する。上述のように、可撓性バッグの棚中の安定性は、その先端角度によって定量化されてもよい。故に、当業者は、最も高い先端角度及び結果として最良の棚中の安定性を提供する、底面シールを選択する可能性がある。
【0040】
カテゴリ単位用量洗濯用及び食器用製品内で、市販のボトル及びバッグは、約20°〜30°度の先端角度を有していることが見出されている。故に、本発明によるバッグは、望ましくは少なくとも約20°の先端角度を有している。少なくとも約100mmの
奥行きと組み合わせた四角形状シールは、この望ましい先端角度を有している、本発明による可撓性パッケージを提供する。
【0041】
本発明による可撓性バッグは、窓、再封着可能な閉鎖、及び香料を含むが、これらに限定されない、任意の構成要素を更に備えてもよい。
【0042】
再び
図1を参照すると、幾つかの実施形態では、可撓性バッグ10は、1つ以上の透明又は半透明窓32を更に備えてもよく、それを通して消費者は、購買時点でバッグ10が購買用に消費者に展示されるとき、単位用量物品100の充填ラインを見ることができる。有用な窓構成は、代理人整理番号11880を有し、2010年9月20日に出願された、同時係属中の米国特許出願に開示される。
【0043】
本発明による可撓性バッグは、1つを超えるシールを備えてもよい。例えば、バッグが脆弱シールで封着される場合、それは、使用後、消費者がバッグを封着可能に閉じてもよいように、再封着可能なシールを更に備えてもよい。
【0044】
可撓性バッグは、香料を更に備えてもよい。香料は、いずれの好適な手段を使用してバッグの内側に適用されてもよい。非限定的な例としては、香料を含む接着剤の帯の、バッグの内側への適用がある。有用な接着剤香料の帯は、米国特許第7304025号及び米国公開第2008/0081774A1号に見出される。
【0045】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法はそれぞれ、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0046】
相互参照されるか又は関連するすべての特許又は特許出願を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外又は限定することを明言しないかぎりにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、あるいは、こうした文献が、単独で、又は他のすべての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、ある用語の任意の意味又は定義の範囲が、援用文献中の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中でその用語に与えられる意味又は定義が優先するものとする。
【0047】
以上、本発明の特定の実施形態を例示、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのようなすべての変更及び改変を添付の特許請求の範囲において網羅するものとする。