(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
4−[4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−クロロ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ブタンニトリル、
3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−4−[4−(2,3,5−トリフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ブタンニトリル、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−メチルベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−エチル−5−フルオロベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−シクロプロピル−5−フルオロベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−イソプロピルベンズアミド、
N−(2−シアノエチル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミド、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
N−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミド、
N−(tert−ブチル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2、3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ベンズアミド、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピペリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−{[シクロプロピル(メチル)アミノ]メチル}−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−(アゼチジン−1−イルメチル)−5−フルオロフェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(シクロブチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピロリジン−1−イルメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピペリジン−1−イルメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(モルホリン−4−イルメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[(2−メトキシエチル)アミノ]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル、および
4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
から選択される、請求項1に記載の化合物、または前述のもののいずれかの薬学的塩。
4−[4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、および
4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
から選択される、請求項1に記載の化合物、または前述のもののいずれかの薬学的塩。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、とりわけ、式I:
【化2】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、
式中:
Xは、CHまたはNであり、
Yは、H、シアノ、ハロ、C
1−3アルキル、またはC
1−3ハロアルキルであり、
Zは、CR
4またはNであり、
Lは、OまたはSであり、
R
1、R
2、R
3、およびR
4は各々独立して、H、ヒドロキシ、ハロ、C
1−3アルキル、またはC
1−3ハロアルキルであり、
各R
5は独立して、ヒドロキシ、C
1−4アルコキシ、フッ素、C
1−4アルキル、ヒドロキシ−C
1−4−アルキル、C
1−4アルコキシ−C
1−4−アルキル、またはC
1−4フルオロアルキルであり、
Aは、C
1−6アルキル、C
3−10シクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
6−10アリール、またはC
1−10ヘテロアリールであり、各々が任意に、p個の独立して選択されたR
7置換基で置換され、ここでpは、1、2、3、4、または5であり、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
6−10アリール、C
6−10アリール−C
1−4−アルキル、C
1−10ヘテロアリール、C
1−10ヘテロアリール−C
1−4−アルキル、−OR
a、−SR
a、−S(=O)R
b、−S(=O)
2R
b、−S(=O)
2NR
eR
f、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
a、−C(=O)NR
eR
f、−OC(=O)R
b、−OC(=O)NR
eR
f、−NR
eR
f、−NR
cC(=O)R
d、−NR
cC(=O)OR
d、−NR
cC(=O)NR
d、−NR
cS(=O)
2R
d、および−NR
cS(=O)
2NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
6−10アリール、C
6−10アリール−C
1−4−アルキル、C
1−10ヘテロアリール、およびC
1−10ヘテロアリール−C
1−4−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
a、R
c、R
d、R
e、およびR
fは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
6−10アリール、C
6−10アリール−C
1−4−アルキル、C
1−10ヘテロアリール、およびC
1−10ヘテロアリール−C
1−4−アルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
6−10アリール、C
6−10アリール−C
1−4−アルキル、C
1−10ヘテロアリール、およびC
1−10ヘテロアリール−C
1−4−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
6−10アリール、C
6−10アリール−C
1−4−アルキル、C
1−10ヘテロアリール、およびC
1−10ヘテロアリール−C
1−4−アルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
6−10アリール、C
6−10アリール−C
1−4−アルキル、C
1−10ヘテロアリール、およびC
1−10ヘテロアリール−C
1−4−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルキル−C
1−3−アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル−C
1−3−アルキル、フェニル、フェニル−C
1−3−アルキル、C
1−7ヘテロアリール、C
1−7ヘテロアリール−C
1−3−アルキル、−OR
a1、−SR
a1、−S(=O)R
b1、−S(=O)
2R
b1、−S(=O)
2NR
e1R
f1、−C(=O)R
b1、−C(=O)OR
a1、−C(=O)NR
e1R
f1、−OC(=O)R
b1、−OC(=O)NR
e1R
f1、−NR
e1R
f1、−NR
c1C(=O)R
d1、−NR
c1C(=O)OR
d1、−NR
c1C(=O)NR
d1、−NR
c1S(=O)
2R
d1、および−NR
c1S(=O)
2NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルキル−C
1−3−アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル−C
1−3−アルキル、フェニル、フェニル−C
1−3−アルキル、C
1−7ヘテロアリール、およびC
1−7ヘテロアリール−C
1−3−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
a1、R
c1、R
d1、R
e1、およびR
f1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルキル−C
1−3−アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル−C
1−3−アルキル、フェニル、フェニル−C
1−3−アルキル、C
1−7ヘテロアリール、およびC
1−7ヘテロアリール−C
1−3−アルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルキル−C
1−3−アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル−C
1−3−アルキル、フェニル、フェニル−C
1−3−アルキル、C
1−7ヘテロアリール、およびC
1−7ヘテロアリール−C
1−3−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
b1は独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルキル−C
1−3−アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル−C
1−3−アルキル、フェニル、フェニル−C
1−3−アルキル、C
1−7ヘテロアリール、およびC
1−7ヘテロアリール−C
1−3−アルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
2−6アルケニル、C
2−6アルキニル、C
3−7シクロアルキル、C
3−7シクロアルキル−C
1−3−アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル−C
1−3−アルキル、フェニル、フェニル−C
1−3−アルキル、C
1−7ヘテロアリール、およびC
1−7ヘテロアリール−C
1−3−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
hは独立して、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C
1−4アルキル、C
1−4ハロアルキル、C
1−4アルコキシ、C
1−4ハロアルコキシ、アミノ、C
1−4アルキルアミノ、ジ−C
1−4−アルキルアミノ、チオ、C
1−6アルキルチオ、C
1−6アルキルスルフィニル、C
1−6アルキルスルホニル、カルバミル、C
1−6アルキルカルバミル、ジ(C
1−6アルキル)カルバミル、カルボキシ、C
1−6アルキルカルボニル、C
1−6アルコキシカルボニル、C
1−6アルキルカルボニルアミノ、C
1−6アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C
1−6アルキルアミノスルホニル、ジ(C
1−6アルキル)アミノスルホニル、アミノスルホニルアミノ、C
1−6アルキルアミノスルホニルアミノ、ジ(C
1−6アルキル)アミノスルホニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C
1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、およびジ(C
1−6アルキル)アミノカルボニルアミノから選択され、
mは、0、1、または2であり、
nは、0、1、2、3、または4であり、
rは、1、2、または3である。
【0022】
幾つかの実施形態では、R
5がヒドロキシまたはC
1−4アルコキシであり、かつnがゼロでない場合、R
5は、式Iにおける環の窒素環の隣の炭素に結合されない。
【0023】
幾つかの実施形態では、Xは、Nである。
【0024】
幾つかの実施形態では、Zは、Nである。
【0025】
幾つかの実施形態では、Lは、Oである。
【0026】
幾つかの実施形態では、Yは、シアノである。
【0027】
幾つかの実施形態では、R
1、R
2、R
3、およびR
4は各々、Hである。
【0028】
幾つかの実施形態では、各R
5は、フッ素である。
【0029】
幾つかの実施形態では、nは、0、1、または2である。
【0030】
幾つかの実施形態では、nは、0または1である。
【0031】
幾つかの実施形態では、nは、1である。
【0032】
幾つかの実施形態では、nは、0である。
【0033】
幾つかの実施形態では、mは、1である。
【0034】
幾つかの実施形態では、rは、1である。
【0035】
幾つかの実施形態では、Aは、C
3−10シクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
6−10アリール、またはC
1−10ヘテロアリールであり、それらの各々は任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0036】
幾つかの実施形態では、Aは、C
6−10アリールまたはC
1−10ヘテロアリールであり、それらの各々は任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0037】
幾つかの実施形態では、Aは、フェニル、5員のヘテロアリール環、または6員のヘテロアリール環であり、それらの各々は任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0038】
幾つかの実施形態では、Aは、C
3−10シクロアルキルであり、それは任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0039】
幾つかの実施形態では、Aは、C
2−10ヘテロシクロアルキルであり、それは任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0040】
幾つかの実施形態では、Aは、C
1−10ヘテロアリールであり、それは任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0041】
幾つかの実施形態では、Aは、C
1−6アルキルであり、それは任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0042】
幾つかの実施形態では、Aは、フェニルであり、それは任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換される。
【0043】
幾つかの実施形態では、各R
7は独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、−OR
a、−SR
a、−S(=O)R
b、−S(=O)
2R
b、−S(=O)
2NR
eR
f、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
a、−C(=O)NR
eR
f、−OC(=O)R
b、−OC(=O)NR
eR
f、−NR
eR
f、−NR
cC(=O)R
d、−NR
cC(=O)OR
d、−NR
cC(=O)NR
d、−NR
cS(=O)
2R
d、および−NR
cS(=O)
2NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換される。
【0044】
幾つかの実施形態では、各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−OR
a、−S(=O)
2R
b、−S(=O)
2NR
eR
f、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
a、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換される。
【0045】
幾つかの実施形態では、各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−C(=O)R
b、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換される。
【0046】
幾つかの実施形態では、各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−OR
a1、−S(=O)
2R
b1、−S(=O)
2NR
e1R
f1、−C(=O)R
b1、−C(=O)OR
a1、−C(=O)NR
e1R
f1、−OC(=O)R
b1、−OC(=O)NR
e1R
f1、−NR
e1R
f1、−NR
c1C(=O)R
d1、−NR
c1C(=O)OR
d1、−NR
c1C(=O)NR
d1、−NR
c1S(=O)
2R
d1、および−NR
c1S(=O)
2NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換される。
【0047】
幾つかの実施形態では、各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−OR
a1、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換される。
【0048】
幾つかの実施形態では、各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1個または2個の独立して選択されたR
h基で置換される。
【0049】
幾つかの実施形態では、各R
hは独立して、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C
1−4アルキル、C
1−4ハロアルキル、C
1−4アルコキシ、およびC
1−4ハロアルコキシから選択される。
【0050】
幾つかの実施形態では、各R
hは独立して、ハロ、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシから選択される。
【0051】
幾つかの実施形態では、
各R
a、R
c、R
d、およびR
eは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
各R
a1、R
c1、R
d1、およびR
e1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
b1は独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
f1は独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択される。
【0052】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、C
3−10シクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
6−10アリール、またはC
1−10ヘテロアリールであり、それらの各々は任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換され、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキル、−OR
a、−SR
a、−S(=O)R
b、−S(=O)
2R
b、−S(=O)
2NR
eR
f、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
a、−C(=O)NR
eR
f、−OC(=O)R
b、−OC(=O)NR
eR
f、−NR
eR
f、−NR
cC(=O)R
d、−NR
cC(=O)OR
d、−NR
cC(=O)NR
d、−NR
cS(=O)
2R
d、および−NR
cS(=O)
2NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−10シクロアルキル、C
3−10シクロアルキル−C
1−4−アルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル、C
2−10ヘテロシクロアルキル−C
1−4−アルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−OR
a1、−S(=O)
2R
b1、−S(=O)
2NR
e1R
f1、−C(=O)R
b1、−C(=O)OR
a1、−C(=O)NR
e1R
f1、−OC(=O)R
b1、−OC(=O)NR
e1R
f1、−NR
e1R
f1、−NR
c1C(=O)R
d1、−NR
c1C(=O)OR
d1、−NR
c1C(=O)NR
d1、−NR
c1S(=O)
2R
d1、および−NR
c1S(=O)
2NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
a、R
c、R
d、およびR
eは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
各R
a1、R
c1、R
d1、およびR
e1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
b1は独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
f1は独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
mは、1であり、
nは、0、1、または2であり、
rは、1である。
【0053】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、C
6−10アリールまたはC
1−10ヘテロアリールであり、それらの各々は任意に、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で置換され、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−OR
a、−S(=O)
2R
b、−S(=O)
2NR
eR
f、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
a、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−OR
a1、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
aおよびR
eは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
各R
e1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
f1は独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
mは、1であり、
nは、0、1、または2であり、
rは、1である。
【0054】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で任意に置換された、C
6−10アリールであり、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−OR
a、−S(=O)
2R
b、−S(=O)
2NR
eR
f、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
a、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−OR
a1、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
aおよびR
eは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
各R
e1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
f1は独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
mは、1であり、
nは、0、1、または2であり、
rは、1である。
【0055】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で任意に置換された、C
6−10アリールであり、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−C(=O)R
b、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1個または2個の独立して選択されたR
h基で置換され、
mは、1であり、
nは、0、1、および2であり、
rは、1である。
【0056】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
Yは、シアノであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で任意に置換された、C
6−10アリールであり、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−C(=O)R
b、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1個または2個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
hは独立して、ハロ、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシから選択され、
各R
eは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
e1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
mは、1であり、
nは、0または1であり、
rは、1である。
【0057】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
Yは、シアノであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で任意に置換された、フェニルであり、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−C(=O)R
b、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1個または2個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
hは独立して、ハロ、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシから選択され、
mは、1であり、
nは、0または1であり、
rは、1である。
【0058】
幾つかの実施形態では、
Xは、Nであり、
Zは、Nであり、
Lは、Oであり、
Yは、シアノであり、
R
1、R
2、およびR
3は各々、Hであり、
各R
5は、フッ素であり、
Aは、1、2、3、4、または5個の独立して選択されたR
7置換基で任意に置換された、フェニルであり、
各R
7は独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、−C(=O)R
b、および−C(=O)NR
eR
fから選択され、該C
1−6アルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
gは独立して、ハロ、シアノ、C
1−6アルキル、C
2−7ヘテロシクロアルキル、−C(=O)NR
e1R
f1、および−NR
e1R
f1から選択され、該C
1−6アルキルおよびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1個または2個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
hは独立して、ハロ、C
1−4アルキル、およびC
1−4アルコキシから選択され、
各R
eは独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
fは独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
各R
bは独立して、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
g基で置換され、
各R
e1は独立して、H、C
1−6アルキル、C
1−6ハロアルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルから選択され、該C
1−6アルキル、C
3−7シクロアルキル、およびC
2−7ヘテロシクロアルキルは各々任意に、1、2、3、または4個の独立して選択されたR
h基で置換され、
各R
f1は独立して、HおよびC
1−6アルキルから選択され、
mは、1であり、
nは、0または1であり、
rは、1である。
【0059】
幾つかの実施形態では、化合物は、式II:
【化3】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0060】
幾つかの実施形態では、化合物化合物は、式III:
【化4】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0061】
幾つかの実施形態では、化合物は、
4−[4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−クロロ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ブタンニトリル、
3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−4−[4−(2,3,5−トリフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ブタンニトリル、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−メチルベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−エチル−5−フルオロベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−シクロプロピル−5−フルオロベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−イソプロピルベンズアミド、
N−(2−シアノエチル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミド、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
N−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミド、
N−(tert−ブチル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミド、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ベンズアミド、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピペリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−{[シクロプロピル(メチル)アミノ]メチル}−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−(アゼチジン−1−イルメチル)−5−フルオロフェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(シクロブチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピロリジン−1−イルメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(ピペリジン−1−イルメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−{4−[3−フルオロ−5−(モルホリン−4−イルメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−(4−{3−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[(2−メトキシエチル)アミノ]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル、および
4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
から選択されるか、または前述のもののいずれかの薬学的塩である。
【0062】
幾つかの実施形態では、化合物は、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、および
4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル、
から選択されるか、または前述のもののいずれかの薬学的塩である。
【0063】
幾つかの実施形態では、化合物は、(R)−鏡像異性体、またはその薬学的に許容される塩である。
【0064】
幾つかの実施形態では、化合物は、(S)−鏡像異性体、またはその薬学的に許容される塩である。
【0065】
明確さのために別個の実施形態の文脈において記載される、本発明のある種の特色はまた、単一の実施形態と組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈において記載される、本発明の種々の特色もまた、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。
【0066】
本明細書中の種々の場所で、二価の連結置換基が記載される。各二価の連結置換基が、連結置換基の順方向型および逆方向型(forward and backward form)の両方を含むことが具体的に意図される。例えば、−NR(CR’R’’)
n−は、−NR(CR’R’’)
n−および−(CR’R’’)
nNR−の両方を含む。構造が連結基を明確に要求する場合、その基について列挙されるマーカッシュ変数は、連結基であることが理解される。
【0067】
nが整数である場合の「n員の」という用語は、典型的に、環形成原子の数がnである部分における環形成原子の数を説明する。例えば、ピペリジニルは、6員のヘテロシクロアルキル環の例であり、ピラゾリルは、5員のヘテロアリール環の例であり、ピリジルは、6員のヘテロアリール環の例であり、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレンは、10員のシクロアルキル基の例である。
【0068】
変数が1回を超えて現れる場合の本発明の化合物について、各変数は、その変数を定義する群から独立して選択される異なる部分であり得る。例えば、構造が、同じ化合物上で同時に存在する2個のR基を有するように説明される場合、その2個のR基は、Rについて定義される群から独立して選択される異なる部分を表す可能性がある。別の例では、任意に複数の置換基が、形態:
【化5】
で表記されるとき、置換基Rは、環上でpの回数だけ生じることができ、かつRは、各出現につき異なる部分であり得ることを理解されたい。各R基は、(CH
2)
n水素原子の一方または両方を含む、環原子に結合された任意の水素原子を置き換えてもよいことを理解されたい。更に、上の例において、QがCH
2、NH等であるとされるとき等、仮に変数Qが水素を含むように定義されるとすれば、上の例におけるR等の任意の変動(floating)置換基は、Q変数の水素ならびに環の任意の他の非変構成要素における水素を置き換えることができる。
【0069】
本明細書で使用されるとき、「任意に置換される」という表現は、置換されないまたは置換されることを意味する。本明細書で使用されるとき、「置換される」という用語は、水素原子が置換基によって除去され、置き換えられることを意味する。所与の原子における置換は、原子価によって限定されることを理解されたい。その定義全体を通じて、「C
n−m」という用語は、終点を含む範囲を指定し、ここでnおよびmは、整数であり、炭素の数を示す。例としては、C
1−4、C
1−6等が挙げられる。
【0070】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「C
n−mアルキル」という用語は、n〜m個の炭素を有する、直鎖または分岐鎖であり得る飽和炭化水素基を指す。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、または1〜2個の炭素原子を含有する。アルキル部分の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、sec−ブチル等の化学基、2−メチル−1−ブチル、n−ペンチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、1,2,2−トリメチルプロピル等の高級相同体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキレン」という用語は、二価のアルキル連結基を指す。アルキレン基の例としては、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、2−メチル−プロパン−1,3−ジイル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルケニル」は、1つ以上の二重炭素−炭素結合を有し、n〜m個の炭素を有する、アルキル基を指す。幾つかの実施形態では、アルケニル部分は、2〜6個または2〜4個の炭素原子を含有する。例となるアルケニル基には、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、sec−ブテニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキニル」は、1つ以上の三重炭素−炭素結合を有し、n〜m個の炭素を有する、アルキル基を指す。例となるアルキニル基には、エチニル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル等が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、アルキニル部分は、2〜6個または2〜4個の炭素原子を含有する。
【0074】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「C
n−mアルコキシ」という用語は、式−O−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素を有する。例となるアルコキシ基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ)、t−ブトキシ等が含まれる。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0075】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルアミノ」という用語は、式−NH(アルキル)の基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0076】
本明細書で使用されるとき、「ジ−C
n−m−アルキルアミノ」という用語は、式−N(アルキル)
2の基を指し、式中、2個のアルキル基は各々、独立して、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、各アルキル基は、独立して、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0077】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルコキシカルボニル」という用語は、式−C(O)O−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0078】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルカルボニル」という用語は、式−C(O)−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0079】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルカルボニルアミノ」という用語は、式−NHC(O)−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0080】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルスルホニルアミノ」という用語は、式−NHS(O)
2−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0081】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アミノスルホニル」という用語は、式−S(O)
2NH
2の基を指す。
【0082】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルアミノスルホニル」という用語は、式−S(O)
2NH(アルキル)の基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0083】
本明細書で使用されるとき、「ジ(C
n−mアルキル)アミノスルホニル」という用語は、式−S(O)
2N(アルキル)
2の基を指し、式中、独立して各アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、各アルキル基は、独立して、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0084】
本明細書で使用されるとき、「アミノスルホニルアミノ」という用語は、式−NHS(O)
2NH
2の基を指す。
【0085】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルアミノスルホニルアミノ」という用語は、式−NHS(O)
2NH(アルキル)の基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0086】
本明細書で使用されるとき、「ジ(C
n−mアルキル)アミノスルホニルアミノ」という用語は、式−NHS(O)
2N(アルキル)
2の基を指し、式中、独立して各アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、各アルキル基は、独立して、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0087】
本明細書で使用されるとき、「アミノカルボニルアミノ」という用語は、式−NHC(O)NH
2の基を指す。
【0088】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルアミノカルボニルアミノ」という用語は、式−NHC(O)NH(アルキル)の基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0089】
本明細書で使用されるとき、「ジ(C
n−mアルキル)アミノカルボニルアミノ」という用語は、式−NHC(O)N(アルキル)
2の基を指し、式中、独立して各アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、各アルキル基は、独立して、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0090】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルカルバミル」という用語は、式−C(O)−NH(アルキル)の基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0091】
本明細書で使用されるとき、「ジ(C
n−m−アルキル)カルバミル」という用語は、式−C(O)N(アルキル)
2の基を指し、式中、2個のアルキル基は各々、独立して、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、独立して各アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0092】
本明細書で使用されるとき、「チオ」という用語は、式−SHの基を指す。
【0093】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルチオ」という用語は、式−S−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0094】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルスルフィニル」という用語は、式−S(O)−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0095】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mアルキルスルホニル」という用語は、式−S(O)
2−アルキルの基を指し、式中、アルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0096】
本明細書で使用されるとき、「アミノ」という用語は、式−NH
2の基を指す。
【0097】
本明細書で使用されるとき、「ヒドロキシ−C
n−m−アルキル」という用語は、式−アルキレン−OHの基を指し、該アルキレン基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキレン基は、1〜4個の炭素原子を有する。
【0098】
本明細書で使用されるとき、「C
o−pアルコキシ−C
n−m−アルキル」という用語は、式−アルキレン−O−アルキルの基を指し、該アルキレン基は、n〜m個の炭素原子を有し、該アルキル基は、o〜p個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、アルキルおよびアルキレン基は各々、独立して、1〜4個の炭素原子を有する。
【0099】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」という用語は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル等であるが、これらに限定されない、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)芳香族炭化水素を指す。幾つかの実施形態では、アリールは、C
6−10アリールである。幾つかの実施形態では、アリール基は、ナフタレン環またはフェニル環である。幾つかの実施形態では、アリール基は、フェニルである。
【0100】
本明細書で使用されるとき、「アリールアルキル」という用語は、式−アルキレン−アリールの基を指す。幾つかの実施形態では、アリールアルキルは、C
6−10アリール−C
1−3アルキルである。幾つかの実施形態では、アリールアルキルは、ベンジルである。
【0101】
本明細書で使用されるとき、「カルバミル」という用語は、式−C(O)NH
2の基を指す。
【0102】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「カルボニル」という用語は、−C(O)−基を指す。
【0103】
本明細書で使用されるとき、「カルボキシ」という用語は、式−C(O)OHの基を指す。
【0104】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「シクロアルキル」という用語は、環構造の一部として任意に1個以上のアルケニレン基を含有してもよい、非芳香族の環状炭化水素部分を指す。シクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)環系を含み得る。シクロアルキル環に縮合された(すなわち、それと共通の結合を有する)1つ以上の芳香族環を有する部分、例えば、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサンのベンゾ誘導体等もまた、シクロアルキルの定義内に含まれる。シクロアルキル基の1個以上の環形成炭素原子は、酸化されて、カルボニル結合を形成することができる。幾つかの実施形態では、シクロアルキルは、C
3−12シクロアルキルであり、それは単環式または二環式である。例となるシクロアルキル基には、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル(norpinyl)、ノルカルニル(norcarnyl)、アダマンチル等が含まれる。幾つかの実施形態では、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
【0105】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルキルアルキル」という用語は、式−アルキレン−シクロアルキルの基を指す。幾つかの実施形態では、シクロアルキルアルキルは、C
3−12シクロアルキル−C
1−3アルキルであり、ここでシクロアルキル部分は、単環式または二環式である。
【0106】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mハロアルコキシ」という用語は、n〜m個の炭素原子を有する、式−O−ハロアルキルの基を指す。例となるハロアルコキシ基は、OCF
3である。幾つかの実施形態では、ハロアルコキシ基は、フッ素化されるのみである。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0107】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「C
n−mハロアルキル」という用語は、同じまたは異なり得る1個のハロゲン原子から2s+1個のハロゲン原子までを有するアルキル基を指し、この場合「s」は、アルキル基における炭素原子の数であり、ここでアルキル基は、n〜m個の炭素原子を有する。幾つかの実施形態では、ハロアルキル基は、フッ素化されるのみである。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0108】
本明細書で使用されるとき、「C
n−mフルオロアルキル」という用語は、ハロゲン原子がフッ素から選択されるC
n−mハロアルキルを指す。幾つかの実施形態では、フッ化C
n−mハロアルキルは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、またはトリフルオロメチルである。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有する。
【0109】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「ヘテロアリール」という用語は、窒素、硫黄、および酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子環員を有する、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)芳香族炭化水素部分を指す。幾つかの実施形態では、ヘテロアリールは、単環式または二環式であり、かつ窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1、2、3、または4つのヘテロ原子環員を有する、5員〜10員のC
1−9ヘテロアリールである。ヘテロアリール基が1つを超えるヘテロ原子環員を含有するとき、ヘテロ原子は、同じまたは異なり得る。例となるヘテロアリール基には、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、アゾリル、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイソキサゾール、イミダゾ[1,2−b]チアゾール、プリン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリールアルキル」という用語は、式−アルキレン−ヘテロアリールの基を指す。幾つかの実施形態では、ヘテロアリールアルキルは、C
1−9ヘテロアリール−C
1−3アルキルであり、ここでヘテロアリール部分は、単環式または二環式であり、窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1、2、3、または4つのヘテロ原子環員を有する。
【0111】
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「ヘテロシクロアルキル」という用語は、任意に環構造の一部として1個以上のアルケニレンまたはアルキニレン基を含有してもよく、かつ窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子環員を有する、非芳香族環系を指す。ヘテロシクロアルキル基が1個を超えるヘテロ原子を含有するとき、ヘテロ原子は、同じまたは異なり得る。ヘテロシクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、2、3、または4個の縮合環を有する)環系を含むことができる。非芳香族環に縮合された(すなわち、それと共通の結合を有する)1つ以上の芳香族環を有する部分、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン等もまた、ヘテロシクロアルキルの定義内に含まれる。ヘテロシクロアルキル基の環(複数可)中の炭素原子またはヘテロ原子は、酸化されて、カルボニル、もしくはスルホニル基(または他の酸化結合)を形成することができ、または窒素原子が、四級化され得る。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、単環式または二環式であり、かつ窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1、2、3、または4つのヘテロ原子環員を有する、5員〜10員のC
2−9ヘテロシクロアルキルである。ヘテロシクロアルキル基の例としては、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン、アゼチジン、アゼパン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、およびピランが挙げられる。
【0112】
5員の環ヘテロアリールは、1個以上(例えば、1、2、または3個)の環原子が独立して、N、O、およびSから選択される、5個の環原子を有する環を含むヘテロアリールである。例となる5員の環ヘテロアリールは、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、および1,3,4−オキサジアゾリルである。
【0113】
6員の環ヘテロアリールは、1個以上(例えば、1、2、または3個)の環原子が独立して、N、O、およびSから選択される6個の環原子を有する環を含むヘテロアリールである。例となる6員の環ヘテロアリールは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、およびピリダジニルである。
【0114】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロシクロアルキルアルキル」という用語は、式−アルキレン−ヘテロシクロアルキルの基を指す。幾つかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルアルキルは、ヘテロシクロアルキル部分が単環式または二環式であり、かつ窒素、硫黄、および酸素から独立して選択される1、2、3、または4つのヘテロ原子環員を有する、C
2−9ヘテロシクロアルキル−C
1−3アルキルである。
【0115】
本明細書に記載される化合物は、非対称であり得る(例えば、1つ以上の立体中心を有する)。別途指定されない限り、鏡像異性体およびジアステレオマー等の、全ての立体異性体が意図される。不斉置換炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離することができる。光学活性体を光学不活性の出発物質からどのように調製するかに関する方法は、当該技術分野で既知であり、ラセミ混合物の分解によって、または立体選択的合成によって等である。オレフィンの多くの幾何異性体、C=N二重結合等もまた、本発明に記載される化合物中に存在することができ、全てのかかる安定な異性体が本発明において企図される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、異性体の混合物としてまたは分離した異性体型として単離され得る。
【0116】
化合物のラセミ混合物の分解は、当該技術分野で既知の多数の方法のうちのいずれによっても実行することができる。例となる方法には、光学的に活性な塩形成有機酸であるキラル分解酸を使用する、分別再結晶化が含まれる。分別再結晶化法に好適な分解剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸のD型およびL型等の光学活性酸、またはβカンファースルホン酸等の種々の光学活性カンファースルホン酸である。分別結晶化法に好適な他の分解剤には、α−メチルベンジルアミン(例えば、SおよびR型、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンの立体異性的に純粋な形態等が含まれる。
【0117】
ラセミ混合物の分解はまた、光学活性分解剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラム上での溶離によって実行することもできる。好適な溶離溶媒組成物は、当業者によって決定することができる。
【0118】
本発明の化合物はまた、互変異性型も含む。互変異性型は、プロトンの付随する移動と一緒に、単結合を隣位二重結合と交換することからもたらされる。互変異性型は、同じ実験式および総電荷を有する異性体プロトン化状態である、プロトン互変異性体(prototropic tautomers)を含む。例となるプロトン互変異性体には、ケトン−エノール対、アミド−イミド酸対、ラクタム−ラクチム対、アミド−イミド酸対、エナミン−イミン対、およびプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占有し得る環状型、例えば、1H−および3H−イミダゾール、1H−、2H−および4H−1,2,4−トリアゾール、1H−および2H−イソインドール、ならびに1H−および2H−ピラゾールが含まれる。互変異性型は、平衡しているか、または適切な置換によって1つの形態へと立体的に固定され得る。
【0119】
本発明の化合物はまた、中間体または最終化合物中で生じる原子の全ての同位体も含むことができる。同位体には、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する、原子が含まれる。例えば、水素の同位体には、トリチウムおよびジュウテリウムが含まれる。幾つかの実施形態では、式Iの部分
【化6】
における1、2、または3個のCH
2またはCH基は、それぞれ、CHD、CD
2、またはCD基によって置き換えられる。
【0120】
本明細書で使用される「化合物」という用語は、示される構造の全ての立体異性体、幾何異性体(geometric iosomers)、互変異性体、および同位体を含むことが意図される。本明細書で名称または構造によって1つの特定の互変異性型として特定される化合物は、別途明記されない限り、他の互変異性型を含むことが意図される(例えば、プリン環の場合において、別途指定されない限り、化合物名または構造が9H互変異性体を有するとき、7H互変異性体もまた包含されることが理解される)。
【0121】
全ての化合物、およびその薬学的に許容される塩は、水および溶媒等の他の物質と一緒に見出され得るか(例えば、水和物および溶媒和物)、または単離され得る。
【0122】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物、またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的分離は、例えば、本発明の化合物中で富化された組成物を含み得る。実質的分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%の本発明の化合物、またはその塩を含有する組成物を含み得る。化合物およびそれらの塩を単離するための方法は、当該技術分野で通例である。
【0123】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書で、健全な医療判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な便益/危険性比率に見合った、化合物、物質、組成物、および/または剤形を指すように用いられる。
【0124】
本明細書で使用される「周囲温度」および「室温」という表現は、当該技術分野で理解され、おおよそ反応が行われる部屋の温度、例えば約20℃〜約30℃の、例えば、反応温度を一般に指す。
【0125】
本発明はまた、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩も含む。本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」は、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって親化合物が修飾される、開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミン等の塩基性残基の鉱物または有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリまたは有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性無機酸または有機酸から形成される、親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学方法によって、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基型を、化学量論的量の適切な塩基または酸と、水中もしくは有機溶媒中で、またはその2つの混合物中で(一般に、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、またはブタノール)、またはアセトニトリル(ACN)等の非水性媒体が好ましい)反応させることによって調製することができる。好適な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418およびJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に見出され、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0126】
合成
本発明の化合物は、その塩およびN−オキシドを含めて、既知の有機合成技法を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができる。
【0127】
本発明の化合物を調製するための反応は、有機合成分野の専門家によって容易に選択され得る、好適な溶媒中で行うことができる。好適な溶媒は、出発物質(反応物質)、中間体、または生成物と、反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であり得る温度で、実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒または1つを超える溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに好適な溶媒が、当業者によって選択可能である。
【0128】
本発明の化合物の調製は、種々の化学基の保護および脱保護を伴い得る。保護および脱保護に対する必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定可能である。保護基の化学は、例えば、Wuts and Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,John Wiley&Sons:New Jersey,(2007)に見出され得、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0129】
反応は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法に従って監視することができる。例えば、生成物形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、
1Hまたは
13C)、赤外分光法、分光測光法(例えば、紫外可視)、質量分析法等の分光手段によって、または高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)等のクロマト法によって、監視することができる。
【0130】
例えば、式Iの化合物は、スキームIに示される類似した方法によって作製することができる。それによると、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンを、ヒドロキシアルカンクロリドと反応させて、化合物2を得る。カップリング生成物を次いで、メタンスルホニルクロリドで処理し、続いて保護されたピロロ[2,3−d]ピリミジン化合物と反応させて、化合物3を得ることができる。式3の化合物を次いで脱保護して、オキソピペリジン4を得ることができる。式4の化合物を次いで還元して、アルコール5を得ることができる。アルコール誘導体を次いで、光延反応手順を介して置換フェノールと反応させて、式6の所望の化合物を得ることができる。化合物6の保護基P
1を次いで除去して、式Iの化合物を得ることができる。
【0131】
R
5がフルオロである、式Iの化合物は、スキームIIに示されるものに類似した方法によって作製することができる。それによると、tert−ブチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレートを、TMS−Clと反応させて、化合物2を得、それをフッ素化して、フルオロ−ピペリジン化合物3を得ることができる。化合物3を還元して、アルコール4を得ることができ、それを保護して、化合物5を得ることができる。化合物5を、スキームIの同様の様式で化合物11に変換することができ、それを次いで脱保護してP
1を除去して、式Iの化合物を得ることができる。
【化7】
【化8】
【0132】
方法
本発明の化合物は、JAK阻害剤であり、本発明の化合物の大部分は、JAK1選択的阻害剤である。JAK1選択的阻害剤は、他のヤヌスキナーゼよりも優先的にJAK1活性を阻害する化合物である。例えば、本発明の化合物は、JAK2、JAK3、およびTYK2のうちの1つ以上よりも、JAK1を優先的に阻害する。幾つかの実施形態では、化合物は、JAK2よりも優先的にJAK1を阻害する(例えば、JAK1/JAK2 IC
50比>1を有する)。
【0133】
JAK1は、調節不全であるとき、病状をもたらすか、または病状に寄与し得る、幾つかのサイトカインおよび成長因子シグナル伝達経路において中心的役割を果たす。例えば、IL−6レベルは、それが有害効果を有することが示唆されている疾患である、関節リウマチにおいて亢進される(Fonesca,J.E.et al.,Autoimmunity Reviews,8:538−42,2009)。IL−6は、少なくとも一部には、JAK1を通じてシグナル伝達するため、IL−6に直接またはJAK1阻害を通じて間接的に拮抗することは、臨床的便益を提供することが予期される(Guschin,D.,N.,et al Embo J 14:1421,1995、Smolen,J.S.,et al.Lancet 371:987,2008)。更に、幾つかの癌において、JAK1は突然変異させられて、恒常的な望ましくない腫瘍細胞成長および生存をもたらす(Mullighan CG,Proc Natl Acad Sci U S A.106:9414−8,2009、Flex E.,et al.,J Exp Med.205:751−8,2008)。他の自己免疫疾患および癌において、JAK1を活性化する炎症性サイトカインの亢進された全身濃度もまた、疾患および/または関連する症状に寄与する場合がある。したがって、かかる疾患を有する患者は、JAK1阻害から便益を受け得る。JAK1の選択的阻害剤は、他のJAKキナーゼを阻害する不必要かつ可能性として望ましくない効果を回避しながら、効果的であり得る。
【0134】
他のJAKキナーゼと比べた、JAK1の選択的阻害剤は、選択性のより低い阻害剤を上回る、多数の治療上の利点を有し得る。JAK2に比した選択性に関して、例えば、エリスロポエチン(Epo)およびトロンボポエチン(Tpo)を含む、幾つかの重要なサイトカインおよび成長因子は、JAK2を通じてシグナル伝達する(Parganas E,et al.Cell.93:385−95,1998)。Epoは、赤血球生成のための主要な成長因子であり、故に、Epo依存性シグナル伝達の不足は、赤血球の数の低下および貧血症をもたらし得る(Kaushansky K,NEJM 354:2034−45,2006)。JAK2依存性成長因子の別の例であるTpoは、血小板が生成される元となる細胞である巨核球の増殖および成熟を制御することにおいて中心的役割を果たす(Kaushansky K,NEJM 354:2034−45,2006)。したがって、低減されたTpoシグナル伝達は、巨核球数を減少させ(巨核球減少症)、循環血小板数を低下させるであろう(血小板減少症)。これは、望ましくないおよび/または制御不能な出血をもたらし得る。JAK3およびTyk2等の他のJAKの阻害の低減もまた、これらのキナーゼの機能的な型を欠くヒトが、重症複合型免疫不全症または高免疫グロブリンE症候群等の多数の疾病を患うことが示されているため、望ましい場合がある(Minegishi,Y,et al.Immunity 25:745−55,2006、Macchi P,et al.Nature.377:65−8,1995)。したがって、他のJAKに対する低減された親和性を有するJAK1阻害剤は、免疫抑制、貧血症、および血小板減少症を伴う副作用の低減に関して、選択性のより低い阻害剤を上回る、有意な利点を有するであろう。
【0135】
本発明の別の態様は、かかる治療を必要とする個人に、治療上有効量または用量の本発明の化合物、またはその薬学的組成物を投与することによって、個人(例えば、患者)において、JAK関連疾患または障害を治療する方法に関する。JAK関連疾患は、過剰発現および/または異常な活性レベルを含む、JAKの発現または活性に直接または間接的に関係している任意の疾患、障害、または病態を含み得る。JAK関連疾患はまた、JAK活性を調節することによって予防、寛解、または治癒され得る、任意の疾患、障害、または病態を含み得る。幾つかの実施形態では、JAK関連疾患は、JAK1関連疾患である。
【0136】
JAK関連疾患の例としては、例えば、臓器移植拒絶反応(例えば、同種移植拒絶反応および移植片対宿主病)を含む、免疫系に関わる疾患が挙げられる。
【0137】
JAK関連疾患の更なる例としては、多発性硬化症、関節リウマチ、若年性関節炎、乾癬性関節炎、I型糖尿病、狼瘡、乾癬、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、免疫グロブリン腎症、心筋炎、自己免疫性甲状腺障害等の自己免疫疾患が挙げられる。幾つかの実施形態では、自己免疫疾患は、尋常性天疱瘡(PV)または水疱性類天疱瘡(BP)等の自己免疫水疱性皮膚疾患である。
【0138】
JAK関連疾患の更なる例としては、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、および鼻炎等のアレルギー病態が挙げられる。JAK関連疾患の更なる例としては、エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、およびヒトパピローマウイルス(HPV)等のウイルス疾患が挙げられる。
【0139】
JAK関連疾患の更なる例としては、軟骨代謝に関連する疾患、例えば、痛風性関節炎、化膿性もしくは感染性関節炎、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、疼痛性ジストロフィー、ティーツェ症候群、肋骨関節症(costal athropathy)、地方病性変形性骨関節炎、ムセレニ病(Mseleni disease)、ハンディゴデュ病(Handigodu disease)、線維筋痛症、全身性エリテマトーデス、強皮症、または強直性脊椎炎からもたらされる変性が挙げられる。
【0140】
JAK関連疾患の更なる例としては、遺伝性軟骨融解(hereditary chrondrolysis)、軟骨異形成、および偽軟骨異形成(pseudochrondrodysplasias)(例えば、小耳症、無耳症(enotia)、および骨幹端軟骨異形成(metaphyseal chrondrodysplasia))を含む、先天性軟骨奇形が挙げられる。
【0141】
JAK関連疾患または病態の更なる例としては、乾癬(例えば、尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚発疹、皮膚炎、皮膚感作(例えば、接触皮膚炎またはアレルギー性接触皮膚炎)等の皮膚疾患が挙げられる。例えば、幾つかの医薬品を含むある種の物質は、局所的に適用されると、皮膚感作を引き起こし得る。幾つかの実施形態では、本発明の少なくとも1つのJAK阻害剤を、所望されない感作を引き起こす薬剤と一緒に共投与または連続投与することは、かかる所望されない感作または皮膚炎を治療する一助となり得る。幾つかの実施形態では、皮膚疾患は、本発明の少なくとも1つのJAK阻害剤の局所投与によって治療される。
【0142】
更なる実施形態では、JAK関連疾患は、固形腫瘍(例えば、前立腺癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部癌、甲状腺癌、膠芽細胞腫、カポシ肉腫、キャッスルマン病、黒色腫等)、血液癌(例えば、リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(AML)等の白血病、または多発性骨髄腫)、ならびに皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)および皮膚B細胞リンパ腫等の皮膚癌を特徴とするものを含む、癌である。例となるCTCLには、セザリー症候群および菌状息肉腫が含まれる。
【0143】
幾つかの実施形態では、本発明に記載されるJAK阻害剤、または参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第11/637,545号に報告されるもの等の他のJAK阻害剤と組み合わせたJAK阻害剤を使用して、炎症関連癌を治療することができる。幾つかの実施形態では、癌は、炎症性腸疾患に関連する。幾つかの実施形態では、炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎である。幾つかの実施形態では、炎症性腸疾患は、クローン病である。幾つかの実施形態では、炎症関連癌は、大腸炎関連癌である。幾つかの実施形態では、炎症関連癌は、結腸癌または結腸直腸癌である。幾つかの実施形態では、癌は、胃癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、腺癌、小腸癌、または直腸癌である。
【0144】
JAK関連疾患には、次のものの発現を特徴とする疾患が更に含まれる可能性がある:偽キナーゼドメインにおいて少なくとも1つの突然変異を有するもの等のJAK2突然変異体(例えば、JAK2V617F);偽キナーゼドメインの外側に少なくとも1つの突然変異を有するJAK2突然変異体;JAK1突然変異体;JAK3突然変異体;エリスロポエチン受容体(EPOR)突然変異体;またはCRLF2の脱調節発現。
【0145】
JAK関連疾患には、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症を伴う骨髄様化生(MMM)、原発性骨髄線維症(PMF)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、全身性肥満細胞症(SMCD)等の、骨髄増殖性疾患(MPD)が更に含まれ得る。幾つかの実施形態では、骨髄増殖性疾患は、骨髄線維症(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)、または真性赤血球増加症/本態性血小板血症後骨髄線維症(Post−PV/ET MF))である。
【0146】
本発明は、本発明の化合物を含有する局所製剤の投与によって、乾癬または他の皮膚疾患を治療する方法を更に提供する。
【0147】
幾つかの実施形態では、本発明に記載されるJAK阻害剤を使用して、肺動脈性高血圧症を治療することができる。
【0148】
本発明は、本発明の化合物の投与によって、他の医薬品の皮膚副作用を治療する方法を更に提供する。例えば、多数の医薬品は、座瘡様の発疹または関連皮膚炎として出現し得る、所望されないアレルギー反応をもたらす。かかる望ましくない副作用を有する例となる医薬品には、ゲフィチニブ、セツキシマブ、エルロチニブ等の抗癌薬が含まれる。本発明の化合物は、望ましくない皮膚副作用を有する医薬品と組み合わせて(例えば、同時にまたは順次)、全身的または局所的に(例えば、皮膚炎の付近に限局させる)投与することができる。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、1つ以上の他の医薬品と一緒に局所的に投与することができ、この場合の他の医薬品は、本発明の化合物の不在下で局所的に適用されると、接触皮膚炎、アレルギー性接触感作、または同様の皮膚疾患を引き起こす。従って、本発明の組成物は、本発明の化合物、および皮膚炎、皮膚疾患、または関連する副作用を引き起こす可能性がある更なる薬剤を含有する、局所製剤を含む。
【0149】
更なるJAK関連疾患には、炎症および炎症性疾患が含まれる。例となる炎症性疾患には、サルコイドーシス、眼の炎症性疾患(例えば、虹彩炎、ブドウ膜炎、強膜炎、結膜炎、または関連する疾患)、気道の炎症性疾患(例えば、鼻炎もしくは副鼻腔炎等の鼻および副鼻腔を含む上気道、または気管支炎、慢性閉塞性肺疾患等を含む下気道)、心筋炎等の炎症性ミオパシー、および他の炎症性疾患が含まれる。
【0150】
本発明に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、虚血再灌流傷害または脳卒中もしくは心停止等の炎症性虚血事象に関連する疾患もしくは病態を治療することができる。本発明に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、癌からもたらされるか、または癌に関連するもの等の拒食症、悪液質、または疲労を治療することができる。本発明に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、再狭窄、強皮炎、または線維症を治療することができる。本発明に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、低酸素症または星状細胞増殖症に関連する病態、例えば、糖尿病性網膜症、癌、または神経変性を治療することができる。例えば、Dudley,A.C.et al.Biochem.J.2005,390(Pt 2):427−36およびSriram,K.et al.J.Biol.Chem.2004,279(19):19936−47.Epub 2004 Mar 2を参照されたく、それらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明に記載されるJAK阻害剤を使用して、アルツハイマー病を治療することができる。
【0151】
本明細書に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、全身性炎症反応症候群(SIRS)および敗血性ショック等の他の炎症性疾患を治療することができる。
【0152】
本明細書に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、痛風、および例えば、良性前立腺肥大症または良性前立腺過形成等に起因する、前立腺サイズの増大を治療することができる。
【0153】
更なるJAK関連疾患には、骨粗鬆症、骨関節炎等の骨吸収疾患が含まれる。骨吸収はまた、ホルモンの不均衡および/もしくはホルモン療法、自己免疫疾患(例えば、骨サルコイドーシス(osseous sarcoidosis))、または癌(例えば、骨髄腫)等の他の病態に関連し得る。JAK阻害剤に起因する骨吸収の低減は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%であり得る。
【0154】
幾つかの実施形態では、本発明に記載されるJAK阻害剤を更に使用して、ドライアイ障害を治療することができる。本明細書で使用されるとき、「ドライアイ障害」は、ドライアイワークショップ(DEWS)の最近の公式報告において要約される病状を包含することが意図され、そこではドライアイを「不快感、視覚障害、および眼球表面に対する損傷の可能性を伴う涙液層の不安定性という症状をもたらす、涙および眼球表面の多因子病。それには涙液層の浸透圧の増加および眼球表面の炎症が伴う」として定義している。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Lemp,“The Definition and Classification of Dry Eye Disease:Report of the Definition and Classification Subcommittee of the International Dry Eye Workshop”,The Ocular Surface,5(2),75−92 April 2007。幾つかの実施形態では、ドライアイ障害は、涙液欠乏性ドライアイ(ADDE)もしくは蒸発亢進型ドライアイ障害、またはそれらの適切な組み合わせから選択される。幾つかの実施形態では、ドライアイ障害は、シェーグレン症候群ドライアイ(SSDE)である。幾つかの実施形態では、ドライアイ障害は、非シェーグレン症候群ドライアイ(NSSDE)である。
【0155】
更なる態様では、本発明は、患者に治療上有効量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、結膜炎、ブドウ膜炎(慢性ブドウ膜炎を含む)、脈絡膜炎、網膜炎、毛様体炎、強膜炎、上強膜炎、または虹彩炎を治療する;角膜移植、LASIK(レーザー支援原位置角膜曲率形成術)、レーザー屈折矯正角膜切除術、もしくはLASEK(レーザー支援上皮下角膜曲率形成術)に関連する炎症または痛みを治療する;角膜移植、LASIK、レーザー屈折矯正角膜切除術、もしくはLASEKに関連する視力の低下を抑制する;または移植拒絶反応を抑制することを、それを必要とする患者において行う方法を提供する。
【0156】
更に、本発明の化合物、または参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第11/637,545号に報告されるもの等の他のJAK阻害剤と組み合わせた化合物を使用して、インフルエンザおよびSARS等のウイルス感染に関連する呼吸機能障害または呼吸不全を治療することができる。
【0157】
幾つかの実施形態では、本発明は、本発明に記載される疾患または障害のいずれかを治療する方法において使用するための、本明細書の実施形態のいずれかに記載される、式Iの化合物、その薬学的に許容される塩を提供する。幾つかの実施形態では、本発明は、本発明に記載される疾患または障害のいずれかを治療する方法において使用するための薬の調製のための、本明細書の実施形態のいずれかに記載される式Iの化合物の使用を提供する。
【0158】
幾つかの実施形態では、本発明は、JAK1を調節する方法において使用するための、本明細書に記載される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。幾つかの実施形態では、本発明はまた、JAK1を調節する方法において使用するための薬の調製のための、本明細書に記載される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用も提供する。
【0159】
本明細書で使用されるとき、「接触させること」という用語は、体外系または体内系において指定される部分を一緒にすることを指す。例えば、JAKを本発明の化合物と「接触させること」は、本発明の化合物の、JAKを有する、ヒト等の個人または患者への投与、ならびに、例えば、本発明の化合物を、JAKを含有する細胞調製物または精製調製物を含有する試料中に導入することを含む。
【0160】
本明細書で使用されるとき、交換可能に使用される「個人(個体)」または「患者」という用語は、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、および最も好ましくはヒトを含む、任意の動物を指す。
【0161】
本明細書で使用されるとき、「治療上有効量」という語句は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって、組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて求められている生物学的反応または薬物反応を引き出す、活性化合物または薬剤の量を指す。
【0162】
本明細書で使用されるとき、「治療すること」または「治療」という用語は、(1)疾患を予防すること、例えば、疾患、病態、または障害の素因があり得るが、未だに疾患の病理または総体症状を経験または呈示していない個人において、疾患、病態、または障害を予防すること、(2)疾患を阻害すること、例えば、疾患、病態、または障害の病状または総体症状を経験または呈示している個人において、疾患、病態、または障害を阻害すること(すなわち、病状および/または総体症状の更なる進行を停止すること)、ならびに(3)疾患を寛解させること、例えば、疾患の重症度を低下させること等の、疾患、病態、または障害の病状または総体症状を経験または呈示している個人において、疾患、病態、または障害を寛解させること(すなわち、病状および/または総体症状を反転させること)のうちの1つ以上を指す。
【0163】
併用療法
例えば、化学療法剤、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤等の1つ以上の追加的薬剤、ならびにBcr−Abl、Flt−3、RAF、およびFAKキナーゼ阻害剤、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2006/056399号に記載されるもの等、または他の薬剤を、JAK関連疾患、障害、または病態の治療のために、本発明に記載される化合物と組み合わせて使用することができる。1つ以上の追加的薬剤は、患者に、同時にまたは順次に投与することができる。
【0164】
例となる化学療法剤には、プロテオソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、サリドマイド、レブリミド、およびメルファラン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、カルムスチン等のDNA損傷剤が含まれる。
【0165】
例となるステロイドには、デキサメタゾンまたはプレドニゾン等のコルチコステロイドが含まれる。
【0166】
例となるBcr−Abl阻害剤には、米国特許第5,521,184号、国際公開第04/005281号、および米国特許第60/578,491号に開示される属および種の化合物、およびその薬学的に許容される塩が含まれ、それらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0167】
例となる好適Flt−3阻害剤には、国際公開第03/037347号、国際公開第03/099771号、および国際公開第04/046120号に開示される化合物、およびそれらの薬学的に許容される塩が含まれ、それらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0168】
例となる好適RAF阻害剤には、国際公開第00/09495号および国際公開第05/028444号に開示される、化合物、およびそれらの薬学的に許容される塩が含まれ、それらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0169】
例となる好適FAK阻害剤には、国際公開第04/080980号、国際公開第04/056786号、国際公開第03/024967号、国際公開第01/064655号、国際公開第00/053595号、および国際公開第01/014402号に開示される、化合物、およびそれらの薬学的に許容される塩が含まれ、それらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0170】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物のうちの1つ以上は、特に、イマチニブまたは他のキナーゼ阻害剤に耐性がある患者を治療するために、イマチニブを含む1つ以上の他のキナーゼ阻害剤と組み合わせて使用することができる。
【0171】
幾つかの実施形態では、本発明の1つ以上のJAK阻害剤は、多発性骨髄腫等の癌の治療における化学療法剤と組み合わせて使用することができ、その毒性作用を増悪させることなく、化学療法剤単独に対する反応と比較して、治療反応を改善し得る。多発性骨髄腫の治療において使用される追加的薬剤の例としては、例えば、限定なしに、メルファラン、メルファランプラスプレドニゾン[MP]、ドキソルビシン、デキサメタゾン、およびベルケイド(ボルテゾミブ)を挙げることができる。多発性骨髄腫の治療において使用される更なる追加的薬剤には、Bcr−Abl、Flt−3、RAF、およびFAKキナーゼ阻害剤が含まれる。相加的効果または相乗効果は、本発明のJAK阻害剤を追加的薬剤と組み合わせることの望ましい結果である。更に、デキサメタゾン等の薬剤に対する多発性骨髄腫細胞の耐性は、本発明のJAK阻害剤による治療時に反転し得る。薬剤は、本化合物と単一のもしくは連続的剤形で組み合わせることができるか、または薬剤は、別個の剤形として同時にもしくは順次に投与することができる。
【0172】
幾つかの実施形態では、デキサメタゾン等のコルチコステロイドは、患者に、少なくとも1つのJAK阻害剤と組み合わせて投与され、ここでデキサメタゾンは、連続的ではなく、断続的に投与される。
【0173】
幾つかの更なる実施形態では、本発明の1つ以上のJAK阻害剤と、他の治療剤との組み合わせは、患者に、骨髄移植または幹細胞移植前、移植中、および/または移植後に投与することができる。
【0174】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、フルオシノロンアセトニド(Retisert(登録商標))、またはリメキソロン(AL−2178、Vexol、Alcon)である。
【0175】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、シクロスポリン(Restasis(登録商標))である。
【0176】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、コルチコステロイドである。幾つかの実施形態では、コルチコステロイドは、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、コルチゾン、プレドニゾロン、またはフルメトロンである。
【0177】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、Dehydrex(商標)(Holles Labs)、シバミド(Opko)、ヒアルロン酸ナトリウム(Vismed,Lantibio/TRB Chemedia)、シクロスポリン(ST−603、Sirion Therapeutics)、ARG101(T)(テストステロン、Argentis)、AGR1012(P)(Argentis)、エカベトナトリウム(Senju−Ista)、ゲファルナート(Santen)、15−(s)−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(15(S)−HETE)、セビレミン、ドキシリン(doxycycline)(ALTY−0501、Alacrity)、ミノサイクリン、iDestrin(商標)(NP50301、Nascent Pharmaceuticals)、シクロスポリンA(Nova22007、Novagali)、オキシテトラサイクリン(デュラマイシン、MOLI1901、Lantibio)、CF101(2S,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−[6−[(3−ヨードフェニル)メチルアミノ]プリン−9−イル]−N−メチル−オキソラン−2−カルバミル、Can−Fite Biopharma)、ボクロスポリン(voclosporin)(LX212またはLX214、Lux Biosciences)、ARG103(Agentis)、RX−10045(合成レゾルビン類似体、Resolvyx)、DYN15(Dyanmis Therapeutics)、リボグリタゾン(DE011、Daiichi Sanko)、TB4(RegeneRx)、OPH−01(Ophtalmis Monaco)、PCS101(Pericor Science)、REV1−31(Evolutec)、ラクリチン(Senju)、レバミピド(Otsuka−Novartis)、OT−551(Othera)、PAI−2(University of PennsylvaniaおよびTemple University)、ピロカルピン、タクロリムス、ピメクロリムス(AMS981、Novartis)、ロテプレドノールエタボネート、リツキシマブ、ジカフォルソル四ナトリウム(INS365、Inspire)、KLS−0611(Kissei Pharmaceuticals)、デヒドロエピアンドロステロン、アナキンラ、エファリズマブ、ミコフェノール酸ナトリウム、エタネルセプト(Embrel(登録商標))、ヒドロキシクロロキン、NGX267(TorreyPines Therapeutics)、またはサリドマイドから選択される。
【0178】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、抗血管新生剤、コリン作動薬、TRP−1受容体調節物質、カルシウムチャネル遮断薬、ムシン分泌促進剤、MUC1刺激薬、カルシニューリン阻害剤、コルチコステロイド、P2Y2受容体アゴニスト、ムスカリン受容体アゴニスト、別のJAK阻害剤、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤、Flt−3キナーゼ阻害剤、RAFキナーゼ阻害剤、およびFAKキナーゼ阻害剤、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2006/056399号に記載されるもの等である。幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、テトラサイクリン誘導体(例えば、ミノサイクリンまたはドキシサイクリン(doxycline))である。
【0179】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤(複数可)は、鎮痛点眼薬(「人工涙液」としても知られる)であり、それらには、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、またはカルボキシメチルセルロースを含有する組成物が含まれるが、これらに限定されない。人工涙液は、涙液層の低減された湿潤および潤滑能力を補うことによって、ドライアイの治療の一助となり得る。幾つかの実施形態では、追加の治療剤は、例えば、N−アセチル−システイン等の粘液溶解薬であり、それはムコタンパク質と相互作用して、したがって、涙液層の粘度を減少させることができる。
【0180】
幾つかの実施形態では、追加の治療剤には、例えば、ステロイド性および非ステロイド性抗炎症剤、ならびに抗アレルギー剤を含む、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、麻酔薬、抗炎症剤が含まれる。好適な薬の例としては、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ストレプトマイシン、ネチルマイシン、およびカナマイシン等のアミノグリコシド;シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、ロメフロキサシン、レポフロキサシン、およびエノキサシン等のフルオロキノロン;ナフチリジン;スルホンアミド;ポリミキシン;クロラムフェニコール;ネオマイシン;パラモマイシン;コリスチメタート;バシトラシ;バンコマイシン;テトラサイクリン;リファンピン(rifampin)およびその誘導体(「リファンピン類(rifampins)」);サイクロセリン;ベータ−ラクタム;セファロスポリン;アンホテリシン;フルコナゾール;フルシトシン;ナタマイシン;ミコナゾール;ケトコナゾール;コルチコステロイド;ジクロフェナク;フルルビプロフェン;ケトロラク;スプロフェン;クロモリン;ロドキサミド;レボカバスチン;ナファゾリン;アンタゾリン;フェニラミン;またはアザリド抗生物質が挙げられる。
【0181】
薬学的製剤および剤形
医薬品として用いられるとき、本発明の化合物は、薬学的組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は薬学分野で周知の様態で調製することができ、局所的または全身的のいずれの治療が所望されるか、および治療されるべき領域に応じて、様々な経路によって投与することができる。投与は、局所(例えば、経皮、上皮、眼内、ならびに例えば、鼻腔内、膣内、および直腸送達を含む経粘膜)、肺(例えば、噴霧器によるものを含む、粉末またはエアロゾルの吸入またはガス注入によって;気管内または鼻腔内)、経口、または非経口であり得る。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、または注射もしく注入;または頭蓋内、例えば、くも膜下腔内もしくは脳室内投与が含まれる。非経口投与は、単回ボーラスの形態であり得るか、または例えば、連続的注入ポンプによるものであってもよい。局所投与のための薬学的組成物および製剤には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体、および粉末が含まれてもよい。従来の薬学的担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤等が必要であるか望ましいことがある。
【0182】
本発明はまた、活性成分として、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される担体(賦形剤)と組み合わせて含有する、薬学的組成物も含む。幾つかの実施形態では、組成物は、局所投与に好適である。本発明の組成物の作製において、活性成分は、典型的には賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、または例えば、カプセル、小袋、紙、または他の容器の形態でかかる担体内に封入される。賦形剤が希釈剤としての機能を果たすとき、それは活性成分のビヒクル、担体、または媒体として作用する、固体、半固体、または液体物質であり得る。故に、組成物は、錠剤、丸剤、粉末、トローチ、小袋、カシェット、エリキシル、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中)、例えば最大10重量%の活性化合物を含有する軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射用溶液および滅菌充填粉末の形態であり得る。
【0183】
製剤を調製する際に、活性化合物は、他の成分と混合する前に粉砕されて適切な粒径を提供することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合、それを粉砕して200メッシュ未満の粒径にすることができる。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒径は粉砕によって調整されて、例えば約40メッシュの製剤において、実質的に均一な分布を提供することができる。
【0184】
本発明の化合物は、湿式粉砕等の既知の粉砕手順を使用して粉砕して、錠剤形成および他の製剤型に適切な粒径を得ることができる。本発明の化合物の微細に分割された(ナノ粒子)調製物は、当該技術分野で既知の手順によって調製することができ、例えば、国際出願第WO2002/000196号を参照されたい。
【0185】
好適な賦形剤の幾つかの例としては、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギニン酸、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微小結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。製剤は、次のものを更に含むことができる:タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油等の滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル等の保存剤;甘味剤;ならびに香味剤。本発明の組成物は、当該技術分野で既知の手順を用いることによる患者への投与後に、活性成分の迅速、持続、または遅延放出を提供するように製剤化することができる。
【0186】
組成物は、単位剤形で製剤化することができ、各投薬量は、約5〜約1,000mg(1g)、より通常には約100mg〜約500mgの活性成分を含有する。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の哺乳動物のための単位投薬(unitary dosage)として好適な、物理的に個別的な単位を指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤に関連して所望の治療効果を生み出すように計算された、既定量の活性物質を含有する。
【0187】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、約5mg〜約50mgの活性成分を含有する。当業者であれば、これが、約5mg〜約10mg、約10mg〜約15mg、約15mg〜約20mg、約20mg〜約25mg、約25mg〜約30mg、約30mg〜約35mg、約35mg〜約40mg、約40mg〜約45mg、または約45mg〜約50mgの活性成分を含有する化合物または組成物を具体化することを理解するであろう。
【0188】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、約50mg〜約500mgの活性成分を含有する。当業者であれば、これが、約50mg〜約100mg、約100mg〜約150mg、約150mg〜約200mg、約200mg〜約250mg、約250mg〜約300mg、約350mg〜約400mg、または約450mg〜約500mgの活性成分を含有する化合物または組成物を具体化することを理解するであろう。
【0189】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、約500mg〜約1,000mgの活性成分を含有する。当業者であれば、これが、約500mg〜約550mg、約550mg〜約600mg、約600mg〜約650mg、約650mg〜約700mg、約700mg〜約750mg、約750mg〜約800mg、約800mg〜約850mg、約850mg〜約900mg、約900mg〜約950mg、または約950mg〜約1,000mgの活性成分を含有する化合物または組成物を具体化することを理解するであろう。
【0190】
活性化合物は、幅広い投薬量範囲にわたって有効であり得、一般に薬学的有効量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は通常、医師によって、治療対象の病態、選定された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、および反応、患者の症状の重症度等を含む、関連する状況に従って決定されることが理解されるであろう。
【0191】
錠剤等の固体組成物を調製するために、主要な活性成分は、薬学的賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均質な混合物を含有する固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と称するとき、活性成分は典型的には、組成物を、錠剤、丸剤、およびカプセル等の均等に有効な単位剤形へと容易に細分できるように、組成物全体にわたって均一に分散している。この固体予備処方は次いで、例えば、約0.1〜約1000mgの本発明の活性成分を含有する上述のタイプの単位剤形へと細分される。
【0192】
本発明の錠剤または丸薬は、コーティングされるか、または他の方法で組成されて、持効性作用の利点を与える剤形を提供することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内部投薬および外部投薬成分を含んでいてもよく、後者は前者の外被の形態をとる。2つの構成成分は、胃での崩壊に耐え、内部成分が無傷で十二指腸を通過することを可能にする、または放出を遅延することを可能にする機能を果たす、腸溶性層によって分離することができる。多様な物質をかかる腸溶性層またはコーティングのために使用することができ、かかる物質には、幾つかの重合酸、ならびに重合酸と、セラック、セチルアルコール、およびセルロースアセテート等の物質との混合物が含まれる。
【0193】
本発明の化合物および組成物が経口または注射による投与のために組み込まれ得る液体形態には、水溶液、好適に香味をつけたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油等の食用油による香味をつけた乳濁液、ならびにエリキシルおよび同様の薬学的ビヒクルが含まれる。
【0194】
吸入またはガス注入のための組成物には、薬学的に許容される水性もしくは有機溶媒またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体または固体組成物は、上述の好適な薬学的に許容される賦形剤を含有してもよい。幾つかの実施形態では、組成物は、局所または全身効果のために、経口または経鼻呼吸経路によって投与される。組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧される溶液は、噴霧装置から直接吸入され得るか、噴霧装置が、顔用マスクのテントまたは間欠的陽圧呼吸機器に取付けられ得る。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、経口または経鼻的に、製剤を適切な様態で送達する装置から投与することができる。
【0195】
局所製剤は、1つ以上の従来の担体を含有することができる。幾つかの実施形態では、軟膏は、水、および例えば、液体パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリン等から選択される、1つ以上の疎水性担体を含有し得る。クリームの担体組成物は、水をベースに、グリセロールおよび1つ以上の他の構成成分、例えば、モノステアリン酸グリセリン、PEG−モノステアリン酸グリセリン、およびセチルステアリルアルコールと組み合わせることができる。ゲルは、イソプロピルアルコールおよび水を使用して、好適には、例えば、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロース等の他の成分と組み合わせて、製剤化することができる。幾つかの実施形態では、局所製剤は、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約1、少なくとも約2、または少なくとも約5重量%の本発明の化合物を含有する。局所製剤は、選択の適応症、例えば、乾癬または他の皮膚病態の治療のための指示書を任意に伴う、例えば、100gのチューブ内に好適にパッケージすることができる。
【0196】
患者に投与される化合物または組成物の量は、投与されているもの、予防または治療等の投与の目的、患者の状態、投与の様式等に応じて変動するであろう。治療適用において、組成物は、疾患を既に患っている患者に、疾患の症状およびその合併症を治癒または少なくとも部分的に停止するのに十分な量で投与することができる。有効な用量は、治療されている病態に応じる他、疾患の重症度、患者の年齢、体重、および全身状態等の要因に応じた担当医師の判断によるであろう。
【0197】
患者に投与される組成物は、上述の薬学的組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の滅菌技法によって滅菌することができるか、または濾過滅菌されてもよい。水溶液は、そのままの使用のためにパッケージするか、または凍結乾燥させることができ、凍結乾燥された調製物は、投与前に滅菌水性担体と組み合わされる。化合物調製物のpHは典型的に、3〜11、より好ましくは5〜9、および最も好ましくは7〜8である。前述の賦形剤、担体、または安定剤のうちの幾つかの使用は、薬学的な塩の形成をもたらすことが理解されるであろう。
【0198】
本発明の化合物の治療的投薬量は、例えば、治療を行うための特定の使用、化合物の投与様式、患者の健康および病態、ならびに処方する医師の判断により変動し得る。薬学的組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、投薬量、化学特性(例えば、疎水性)、および投与経路を含む、幾つかの要因に応じて変動し得る。例えば、本発明の化合物は、非経口投与のために、約0.1〜約10w/v%の化合物を含有する、生理学的緩衝水溶液中で提供することができる。幾つかの典型的な用量範囲は、1日当たり体重の約1μg/kg〜約1g/kgである。幾つかの実施形態では、用量範囲は、1日当たり体重の約0.01mg/kg〜約100mg/kgである。用量は、疾患または障害の種類および進行の程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択される化合物の生物学的効果比、賦形剤の配合、およびその投与経路等の可変要素に依存する可能性が高い。有効な用量は、体外または動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から外挿することができる。
【0199】
本発明の組成物は、化学療法剤、ステロイド、抗炎症化合物、または免疫抑制剤等の1つ以上の追加的薬剤を更に含むことができ、それらの例はこれより上に列挙される。
【0200】
幾つかの実施形態では、化合物、またはその薬学的に許容される塩は、眼内組成物として投与される。従って、幾つかの実施形態では、本方法は、化合物、またはその薬学的に許容される塩、および眼科的に許容される担体の投与を含む。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、液体組成物、半固体組成物、挿入物、薄膜、微粒子、またはナノ粒子である。
【0201】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、液体組成物である。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、半固体組成物である。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、局所組成物である。局所組成物には、液体および半固体組成物が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、局所組成物である。幾つかの実施形態では、局所組成物は、水溶液、水性懸濁液、軟膏、またはゲルを含む。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、眼の前部、上眼瞼の下、下眼瞼の上、および結膜嚢中に局所的に適用される。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、滅菌される。滅菌は、溶液の濾過滅菌等の既知の技法によって、または使用準備済のアンプル中での溶液の加熱によって、遂行することができる。本発明の眼内組成物は、眼内製剤の調製に好適な薬学的賦形剤を更に含有することができる。かかる賦形剤の例としては、防腐剤、緩衝剤、キレート剤、酸化防止剤、および浸透圧を調節するための塩が挙げられる。
【0202】
本明細書で使用されるとき、「眼科的に許容される担体」という用語は、化合物、またはその薬学的に許容される塩を含有および放出することができ、かつ眼と適合性である、任意の物質を指す。幾つかの実施形態では、眼科的に許容される担体は、水または水溶液もしくは水性懸濁液であるが、軟膏を作製するために使用されるもの等の油、および眼内挿入物に使用されるもの等の重合体マトリックスもまた含む。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、水性懸濁液であってもよい。液体眼内組成物は、軟膏および懸濁液の両方を含めて、選択される投与経路に適した粘度を有してもよい。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、約1,000〜約30,000センチポアズの範囲の粘度を有する。
【0203】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、界面活性剤、アジュバント、緩衝液、酸化防止剤、等張化剤、防腐剤(例えば、EDTA、BAK(塩化ベンザルコニウム)、亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ポリクオタリウム(polyquaterium)−1)、増粘剤、または粘度調整剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、グリコール400、プロピレングリコールヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル(hydroxpropyl)−グアー、ヒアルロン酸、およびヒドロキシプロピルセルロース)等のうちの1つ以上を更に含んでもよい。製剤中の添加剤には、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ソルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ヒマシ油、および過ホウ酸ナトリウムが含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0204】
水性眼内組成物(溶液または懸濁液)は一般に、生理的にまたは眼科的に有害な構成物質を含有しない。幾つかの実施形態では、精製水または脱イオン水が組成物中で使用される。pHは、任意の生理的におよび眼科的に許容されるpH調整酸、塩基、または緩衝液を添加することによって、約5.0〜8.5の範囲内に調整されてもよい。眼科的に許容される酸の例としては、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸等が挙げられ、塩基の例としては、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、トロメタミン、トリスヒドロキシメチルアミノ−メタン等が挙げられる。塩および緩衝液には、クエン酸塩/デキストロース、炭酸ナトリウム、塩化アンモニウム、ならびに上述の酸および塩基の混合物が含まれる。
【0205】
幾つかの実施形態では、方法は、治療剤のデポーを眼の外表面と接触して形成または供給することを伴う。デポーは、涙液または他の目のクリアランス機構によって迅速に除去されない治療剤の源を指す。これは、単回適用によって、継続的で持続的な高濃度の治療剤が眼の外表面上の流体中に存在することを可能にする。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、吸収および浸透は、溶解した薬物濃度および外部組織の薬物含有流体との接触持続期間の両方に依存し得ると考えられる。薬物が、眼内流体のクリアランスおよび/または眼組織中への吸収によって除去されると、更なる薬物が、デポーから補充された眼内流体中に提供され、例えば、溶解させられる。従って、デポーの使用は、より不溶性の治療剤のために眼内組織の充填をより簡便に促進し得る。幾つかの実施形態では、デポーは、最大8時間またはそれを超えて留まることができる。幾つかの実施形態では、眼内デポー形態には、水性重合懸濁液、軟膏、および固体挿入物が含まれるが、これらに限定されない。
【0206】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、軟膏またはゲルである。幾つかの実施形態では、眼内組成物は、油系の送達ビヒクルである。幾つかの実施形態では、組成物は、石油またはラノリン基剤を含み、そこに通常0.1〜2%としての活性成分、および賦形剤が添加される。一般的な塩基には、鉱物油、ワセリン、およびそれらの組み合わせが含まれてもよいが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、軟膏は、帯として下眼瞼上に適用される。
【0207】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、眼内挿入物である。幾つかの実施形態では、眼内挿入物は、生物学的に不活性、軟性、生侵食性、粘弾性、治療剤への曝露後に滅菌に対して安定、空中浮遊菌からの感染に耐性、生侵食性、生体適合性、および/または粘弾性である。幾つかの実施形態では、挿入物は、眼科的に許容されるマトリックス、例えば、重合体マトリックスを含む。マトリックスは、典型的に重合体であり、治療剤は、一般に、その中に分散されるか、または重合体マトリックスに結合される。幾つかの実施形態では、治療剤は、マトリックスから、溶解または共有結合の加水分解を通じて緩徐に放出され得る。幾つかの実施形態では、重合体は、生侵食性(可溶性)であり、その溶解速度は、その中に分散された治療剤の放出速度を制御することができる。別の形態では、重合体マトリックスは、加水分解等によって分解して、それによってそこに結合されたまたはその中に分散された治療剤を放出する、生分解性重合体である。更なる実施形態では、マトリックスおよび治療剤は、放出を更に制御するために、更なる重合体コーティングによって囲むことができる。幾つかの実施形態では、挿入物は、ポリカプロラクトン(PCL)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ナイロン、もしくはポリ(dl−ラクチド−co−グリコライド)(PLGA)等の生分解性重合体、またはこれらのうちのいずれかの共重合体を含む。幾つかの実施形態では、治療剤は、マトリックス物質中に分散されるか、または重合前にマトリックス物質を作製するために使用される単量体組成物の間で分散される。幾つかの実施形態では、治療剤の量は、約0.1〜約50%、または約2〜約20%である。更なる実施形態では、生分解性または生侵食性重合体マトリックスは、使用済みの挿入物が除去さなくてもよいように使用される。生分解性または生侵食性重合体が崩壊または溶解させられると同時に、治療剤が放出される。
【0208】
更なる実施形態では、眼内挿入物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWagh,et al.,“Polymers used in ocular dosage form and drug delivery systems”,Asian J.Pharm.,pages 12−17(Jan.2008)に記載されるものを含むが、これらに限定されない重合体を含む。幾つかの実施形態では、挿入物は、アクリレートまたはメタクリレート重合体または共重合体である、ポリビニルピロリドン(PVP)(例えば、RohmまたはDegussaからのEudragit(登録商標)ファミリーの重合体)、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリエチレンオキシド、ポリ(ラクチド−co−グリコライド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリ(フマル酸プロピレン)から選択される重合体を含む。幾つかの実施形態では、挿入物は、Gelfoam(登録商標)Rを含む。幾つかの実施形態では、挿入物は、450kDa−システイン複合体のポリアクリル酸である。
【0209】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、眼内薄膜である。かかる薄膜に好適な重合体には、Wagh,et al.(同書)に記載されるものを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、薄膜は、エチレングリコールジメタクリレートと架橋結合したN,N−ジエチルアクリルアミドおよびメタクリル酸の共重合体から作製されるもの等の、ソフトコンタクトレンズである。
【0210】
幾つかの実施形態では、眼内組成物(compositon)は、ミクロスフェアまたはナノ粒子を含む。幾つかの実施形態では、ミクロスフェアは、ゼラチンを含む。幾つかの実施形態では、ミクロスフェアは、後眼部、脈絡膜の空間内、強膜内、硝子体内、または網膜下内に注射される。幾つかの実施形態では、ミクロスフェアまたはナノ粒子は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWagh,et al.(同書)に記載されるものを含むが、これらに限定されない重合体を含む。幾つかの実施形態では、重合体は、キトサン、ポリアクリル酸等のポリカルボン酸、アルブミン粒子、ヒアルロン酸エステル、ポリイタコン酸、ポリ(ブチル)シアノアクリレート、ポリカプロラクトン、ポリ(イソブチル)カプロラクトン、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、またはポリ(乳酸)である。幾つかの実施形態では、ミクロスフェアまたはナノ粒子は、固体脂質粒子を含む。
【0211】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、イオン交換樹脂を含む。幾つかの実施形態では、イオン交換樹脂は、無機ゼオライトまたは合成有機樹脂である。幾つかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWagh,et al.(同書)に記載されるものを含むが、これらに限定されないイオン交換樹脂である。幾つかの実施形態では、イオン交換樹脂は、部分的に中和されたポリアクリル酸である。
【0212】
幾つかの実施形態では、眼内組成物は、水性重合懸濁液である。幾つかの実施形態では、治療剤または重合懸濁剤は、水性媒体中に懸濁させられる。幾つかの実施形態では、水性重合懸濁液は、それらが眼内で、眼への投与前に有した粘度と同じまたは実質的に同じ粘度を保持するように調合されてもよい。幾つかの実施形態では、それらは、涙液との接触時にゲル化が増加するように調合されてもよい。
【0213】
標識化合物およびアッセイ方法
本発明の別の態様は、撮像技法においてだけでなく、ヒトを含む、組織試料中のJAKを位置特定および定量化するため、および標識化合物の阻害結合によってJAKリガンドを特定するための、体外および体内の両方のアッセイにおいてもまた有用である、本発明の標識化合物(放射性標識、蛍光標識等)に関する。従って、本発明は、かかる標識化合物を含有するJAKアッセイを含む。
【0214】
本発明は、同位体標識した本発明の化合物を更に含む。「同位体により」または「放射性標識した」化合物は、1個以上の原子が、自然界で典型的に見出される(すなわち、自然発生の)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えまたは置換される、本発明の化合物である。本発明の化合物中に組み込まれ得る好適な放射性核種には、
3H(トリチウムのTとしても表記される)、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
18F、
35S、
36Cl、
82Br、
75Br、
76Br、
77Br、
123I、
124I、
125I、および
131Iが含まれるが、これらに限定されない。本放射性標識化合物中に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物の具体的な用途に依存するであろう。例えば、体外JAK標識化および競合アッセイのために、
3H、
14C、
82Br、
125I、
131I、
35S、またはを組み込む化合物が、一般に最も有用であろう。放射線造影用途のために、
11C、
18F、
125I、
123I、
124I、
131I、
75Br、
76Br、または
77Brが、一般に最も有用であろう。
【0215】
「放射性標識」または「標識化合物」は、少なくとも1つの放射性核種を組み込んだ化合物であることを理解されたい。幾つかの実施形態では、放射性核種は、
3H、
14C、
125I、
35S、および
82Brからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、化合物は、1、2、または3個のジュウテリウム原子を組み込む。
【0216】
本発明は、放射性同位体を本発明の化合物に組み込むための合成方法を更に含むことができる。放射性同位体を有機化合物に組み込むための合成方法は、当該技術分野で周知であり、当業者であれば、本発明の化合物に適用可能な方法を容易に認識するであろう。
【0217】
本発明の標識化合物をスクリーニングアッセイに使用して、化合物を特定/評価することができる。例えば、標識される、新たに合成または特定された化合物(すなわち、試験化合物)は、JAKを結合するその能力について、標識の追跡を通じて、JAKと接触するときのその濃度変動を監視することによって評価することができる。例えば、試験化合物(標識)は、JAKに結合することが知られる別の化合物(すなわち、標準化合物)の結合を低減するその能力について、評価することができる。従って、JAKへの結合に対して標準化合物と競合する試験化合物の能力は、その結合親和性に直接相関する。逆に、幾つかの他のスクリーニングアッセイにおいては、標準化合物が標識され、試験化合物は標識されない。このように、標準化合物と試験化合物との間の競合を評価するために、標識された標準化合物の濃度が監視され、このようにして試験化合物の相対的結合親和性が確認される。
【0218】
キット
本発明はまた、例えば、癌等の、JAK関連疾患または障害の治療または予防において有用な医薬キットも含み、それは、治療上有効量の本発明の化合物を含む薬学的組成物を含有する、1つ以上の容器を含む。当業者には容易に明らかであろうが、かかるキットは、所望される場合、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体を有する容器、追加の容器等の、種々の従来の医薬キット構成要素のうちの1つ以上を更に含むことができる。投与対象の構成成分の量、投与のためのガイドライン、および/または成分を混合するためのガイドラインを示す、挿入物としてまたはラベルとしてのいずれかでの使用説明書もまた、キットに含められ得る。
【実施例】
【0219】
本発明は、具体的な実施例を用いてより詳述される。次の実施例は、例証目的で提供され、本発明をいかなる様態でも限定するようには意図されない。当業者であれば、変更または修正して、本質的に同様の結果を得ることができる様々な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。実施例の化合物は、本発明に記載される少なくとも1つのアッセイにより、JAK阻害剤であることが見出された。
【0220】
実施例1.4−[4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化9】
ステップ1.4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−3−ヒドロキシブタンニトリル
エタノール(120mL)中の1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(9.0g、63mmol)および(3R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタンニトリル(6.4g、52mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(6.7g、80mmol)を添加した。混合物を90℃で20時間撹拌した。冷却後、エタノールのほとんどを蒸発させた。残りの混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機を次いで、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、オレンジ色の油を得、それをシリカゲルカラムで精製して、油として所望の生成物(7.2g、61%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ3.95(m、5H)、2.75(m、2H)、2.51(m、6H)、1.73(m、4H)。LCMS(M+H)
+:227.1。
【0221】
ステップ2.2−シアノ−1−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イルメチル)エチルメタンスルホネート
塩化メチレン(200mL)中の4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−3−ヒドロキシブタンニトリル(7.2g、32mmol)およびトリエチルアミン(6.65mL、47.7mmol)の溶液を、0℃まで冷却した。メタンスルホニルクロリド(3.45mL、44.5mmol)を添加し、反応物を0℃で1時間撹拌した。反応物を水(20mL)で反応停止処理し、次いでジクロロメタン(DCM)で希釈した。混合物を次いで、水(2回)で洗浄した。有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物(9.4g、97%)を得た。粗生成物を次の反応のために即座に使用した。LCMS(M+H)
+:305.1。
【0222】
ステップ3.4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
DMF(100.0mL)中の2−シアノ−1−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イルメチル)エチルメタンスルホネート(9.4g、31mmol)および4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(10.7g、34.0mmol)の溶液に、炭酸カリウム(12.8g、92.6mmol)を添加した。結果として生じた混合物を室温で91時間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、次いで水(2回)およびブラインで洗浄した。有機溶液をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質をシリカゲルカラムで精製して、油として生成物(10.5g、65%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ8.90(s、1H)、8.38、(d、2H)、7.46(d、1H)、6.85、d、1H)、5.73(s、2H)、4.00(s、4H)、3.61(t、2H)、3.21(t、1H)、3.02(m、2H)、2.94(m、2H)、2.67(m、4H)、1.79(m、4H)、0.98(t、2H)、0.02(s、9H)。LCMS(M+H)
+:524.3。
【0223】
ステップ4.4−(4−オキソピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
0℃のアセトン(20mL)中の4−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカ−8−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(1.00g、1.91mmol)の溶液に、HCl水溶液(3.2mL、39mmol)を添加した。結果として生じた混合物を室温まで加温し、一晩撹拌した。溶液を再び氷水浴中に配置し、更なるHCl(3.2mL)を添加し、5時間撹拌した。フラスコを氷水浴中に配置し、反応混合物を、6MのNaOH溶液の緩徐な添加によって若干塩基性にした。アセトンを蒸発させ、残りの混合物をDCM(3回)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをシリカゲルカラムで精製して、所望の生成物(0.58g、62%)を得た。LCMS(M+H)
+:480.0。
【0224】
ステップ5.4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
0℃のメタノール(10mL)中の4−(4−オキソピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(0.58g、0.97mmol)の溶液に、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(48mg、1.3mmol)を添加した。結果として生じた混合物を1時間撹拌し、次いで水で反応停止処理した。溶媒を蒸発させ、次いで水性混合物をDCM(3回)で抽出した。組み合わせた抽出物を水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムで精製して、所望の生成物(0.24g、52%)を得た。
1H NMR(CDCl
3)δ8.90(s、1H)、8.38、(d、2H)、7.46(d、1H)、6.85、d、1H)、5.73(s、2H)、4.70(m、1H)、3.78(br、1H)、3.60(t、2H)、3.19(t、2H)、3.06−2.86(m、3H)、2.80(m、2H)、2.37(m、2H)、1.92(m、2H)、1.62(m、2H)、0.98(t、2H)、0.0(s、9H)。LCMS(M+H)
+:482.3。
【0225】
ステップ6.4−[4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
THF(0.6mL)中のトリフェニルホスフィン(54.6mg、0.114mmol)の樹脂の混合物に、3,5−ジフルオロフェノール(10.1mg、0.0778mmol)およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(19.1mg、0.0830mmol)を添加した。混合物を15分間撹拌した後、4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(25.0mg、0.0519mmol)を添加した。反応物を一晩室温で撹拌し、溶媒を蒸発させた。バイアルおよび樹脂をDCMで洗浄し、濾過した。濾液を10%NaOH水溶液で洗浄した。有機を収集し、濃縮して、粗生成物を得た。粗残渣を塩化メチレン(0.20mL)中に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.17mL)を添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をメタノール(0.5mL)中に溶解させ、続いてエチレンジアミン(0.10mL、1.50mmol)を添加した。1時間撹拌した後、混合物をアセトニトリルで希釈し、分取LCMS(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有するアセトニトリル(ACN)/H
2Oの勾配で溶離する、C18カラム)によって精製して、所望の生成物(12.6mg、30%)を得た。
1H NMR(CD
3OD)δ9.08(s、1H)、8.92(s、1H)、8.60(s、1H)、7.86(s、1H)、7.27(s、1H)、6.64(d、2H)、6.54(t、1H)、5.56(m、1H)、4,70(s、1H)、4.21(t、2H)、3.74(d、1H)、3.52(br、2H)、3.28(m、4H)、2.15(m、4H)。LCMS(M+H)
+:464.1。
【0226】
実施例2.4−[4−(3−クロロ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化10】
この化合物を、実施例1の方法に従って、出発物質として3−クロロ−5−フルオロフェノールを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:481.2。
【0227】
実施例3.4−{4−[3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化11】
この化合物を、実施例1、ステップ6の方法に従って、出発物質として3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノールを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:514.2。
【0228】
実施例4.3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−4−[4−(3,4,5−トリフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化12】
この化合物を、実施例1の方法に従って、出発物質として3,4,5−トリフルオロフェノールを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:482.2。
【0229】
実施例5.3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−4−[4−(2,3,5−トリフルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化13】
この化合物を、実施例1、ステップ6の方法に従って、出発物質として2,3,5−トリフルオロフェノールを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:482.2。
【0230】
実施例6.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化14】
この化合物を、実施例1の方法に従って、出発物質として3−フルオロ−5−ヒドロキシベンゾニトリルを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:471.3。
【0231】
実施例7.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−メチルベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化15】
ステップ1.3−フルオロ−5−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド
塩化メチレン(3.4mL)およびDMF(0.50mL)中の、3−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸(100mg、0.60mmol)、メチル塩化アンモニウム(43mg、0.64mmol)、およびトリエチルアミン(130μL、0.96mmol)の混合物に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.77g、0.96mmol)の樹脂を添加した。結果として生じた混合物を一晩室温で撹拌し、次いで濾過した。濾液を水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物(46mg、40%)を得た。LCMS(M+H)
+:170.1。
【0232】
ステップ2.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−メチルベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
この化合物を、実施例1、ステップ6の方法に従って、出発物質として3−フルオロ−5−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミドを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:503.3。
【0233】
実施例8.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジメチルベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化16】
この化合物を、実施例7の方法に従って、出発物質としてジメチルアミン塩酸塩を使用して調製した。LCMS(M+H)
+:517.1。
【0234】
実施例9.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−エチル−5−フルオロベンズアミド
【化17】
ステップ1.メチル3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸塩
この化合物を、実施例1、ステップ6の方法に従って、メチル3−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸塩(185mg、1.09mmol)により出発して調製したが、それをフラッシュカラム(0〜10%MeOH/DCMで溶離)によって精製したことを例外とした。LCMS(M+H)
+:634.0。
【0235】
ステップ2.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸
メチル3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸塩(40mg、0.05mmol)、THF(0.1mL)、メタノール(1.0mL)、および水(0.2mL)の混合物に、水酸化リチウム、一水和物(10mg、0.25mmol)を添加した。結果として生じた混合物を一晩室温で撹拌した。混合物を1NのHClを添加することによって酸性化し、溶媒を蒸発させた。水性混合物をDCM(3回)で抽出した。組み合わせた抽出物をNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、固体として所望の生成物(36mg、100%)を得た。LCMS(M+H)
+:620.3。
【0236】
ステップ3.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−エチル−5−フルオロベンズアミド
塩化メチレン(0.2mL)およびジメチルホルムアミド(DMF)(50μL)中の、THF(21.8μL、0.0436mmol)中、3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸(18mg、0.029mmol)および2.0Mエチルアミンの混合物に、トリエチルアミン(6.1μL、0.0436mmol)およびベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(19.3mg、0.0436mmol)を添加した。結果として生じた混合物を一晩室温で撹拌し濃縮した。残渣に、飽和NaHCO
3溶液を添加し、次いで酢酸エチル(3回)で抽出した。合わせた抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣をDCM(0.2mL)およびTFA(0.2mL)中に溶解させた。混合物を2時間撹拌し、次いで濃縮した。反応バイアルに、MeOH(0.5mL)およびエチレンジアミン(EDA)(0.1mL)を添加した。1時間撹拌した後、混合物をアセトニトリルで希釈し、分取−LCMS(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する)によって精製して、所望の生成物(2.7mg、18%)を得た。LCMS(M+H)
+:517.3。
【0237】
実施例10.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−N−シクロプロピル−5−フルオロベンズアミド
【化18】
この化合物を、実施例9、ステップ3の方法に従って、出発物質としてシクロプロピルアミンを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:529.3。
【0238】
実施例11.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−イソプロピルベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化19】
DMF(0.30mL)中の、3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸(20.0mg、0.0323mmol)、2−プロパンアミン(3.02μL、0.0355mmol)、およびトリエチルアミン(6.75μL、0.0484mmol)の混合物に、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(18.4mg、0.0484mmol)を添加した。結果として生じた混合物を一晩室温で撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液中に注ぎ、酢酸エチル(3回)で抽出した。合わせた抽出物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗残渣を塩化メチレン(0.15mL)中に溶解させ、トリフルオロ酢酸(0.15mL、1.9mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで濃縮した。反応バイアルに、メタノール(0.40mL)およびエチレンジアミン(80μL、1mmol)を添加した。1時間撹拌した後、混合物をアセトニトリルで希釈し、分取LCMS(0.1%TFAを含有するACNおよびH
2Oの勾配で溶離する)によって精製して、所望の生成物(11.7mg、68%)を得た。
1H NMR(CD
3OD)δ9.04(s、1H)、8.88(s、1H)、8.58(s、1H)、7.81(d、1H)、7.24(m、2H)、7.17(d、1H)、6.94(d、1H)、5.53(m、1H)、4.74(s、1H)、4.17(m、2H)、3.72(d、1H)、3.50(br、2H)、3.26(m、6H)、2.15(m、4H)、1.22(d、6H)。LCMS(M+H)
+:531.3。
【0239】
実施例12.N−(2−シアノエチル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化20】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質としてβ−シアノエチルアミンを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:542.3。
【0240】
実施例13.4−{4−[3−フルオロ−5−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリルトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化21】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質としてピロリジンを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:543.3。
【0241】
実施例14.N−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化22】
表題化合物を、実施例12の生成物の加水分解によって調製した。LCMS(M+H)
+:560.3。
【0242】
実施例15.N−(tert−ブチル)−3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化23】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質としてtert−ブチルアミンを使用して調製した。LCMS(M+H)
+:545.3。
【0243】
実施例16.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}ピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ベンズアミドトリス(トリフルオロ酢酸塩)
【化24】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質としてN−(2−アミノエチル)モルホリンを使用して調製した。
1H NMR(CD
3OD)δ9.04(s、1H)、8.88(s、1H)、8.58(s、1H)、7.80(t、1H)、7.30(s、1H)、7.21(m、2H)、6.99(d、1H)、5.53(m、1H)、4.74(s、1H)、4.19(m、1H)、4.04(br、1H)、3.92(s、1H)、3.75(m、4H)、3.50(m、1H)、3.36(m、4H)、3.20(m、4H)、3.00(s、2H)、2.20(m、2H)、2.09(m、2H),1.30(m、4H)。LCMS(M+H)
+:602.3。
【0244】
実施例17.4−{4−[3−フルオロ−5−(ピペリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化25】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質としてピペリジンを使用して調製したが、精製を(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する、分取−LCMSによって行ったことを例外としたLCMS(M+H)
+:557.3。
【0245】
実施例18.4−{4−[3−フルオロ−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化26】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質としてモルホリンを使用して調製したが、精製を分取LCMS(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する)によって行ったことを例外とした。LCMS(M+H)
+:559.3。
【0246】
実施例19.4−(4−{3−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化27】
この化合物を、実施例11の方法に従って、出発物質として3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩を使用して調製したが、精製を分取LCMS(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する)によって行ったことを例外とした。LCMS(M+H)
+:579.3。
【0247】
実施例20.4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(キラル)
【化28】
ステップ1.3−フルオロ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド
−78℃のトルエン(60.0mL)中の3−フルオロ−5−ヒドロキシベンゾニトリル(1.00g、7.29mmol)の懸濁液に、トルエン(18.2mL、18.2mmol)中の1.0Mジイソブチルアルミニウムヒドリドを添加した。結果として生じた混合物を−78℃で1時間撹拌し、室温まで一晩温めさせた。メタノールおよび水(10mL)の1:1混合物を添加し、35分間撹拌した。固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を水およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(10〜50%酢酸エチル/ヘキサンで溶離)で精製して、所望の生成物(0.77g、75%)を得た。
1H NMR(DMSO−d
6)δ10.49(s、1H)、9.88(s、1H)、7.10(m、2H)、6.87(d、1H)。
【0248】
ステップ2.3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノール
塩化メチレン(9.0mL)中のジメチルアミン塩酸塩(160mg、1.96mmol)および3−フルオロ−5−ヒドロキシベンズアルデヒド(250.0mg、1.784mmol)の混合物に、トリエチルアミン(323μL、2.32mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリドの樹脂(1.1g、2.7mmol)を添加した。結果として生じた混合物を一晩撹拌し、次いで濾過し、濃縮した。粗物質をシリカゲルカラム(0〜15%メタノール/DCMで溶離する)によって精製して、所望の生成物(0.21g、70%)を得た。
1H NMR(DMSO−d
6)δ6.55(m、2H)、6.42(d、1H)、2.15(s、6H)、1.89(s、2H)。LCMS(M+H)
+:170.1。
【0249】
ステップ3.4−(4−{3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノキシ}ピペリジン−1−イル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
塩化メチレン(9mL)中の3−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−フルオロフェノール(158mg、0.934mmol)の混合物に、トリフェニルホスフィンの樹脂(578mg、1.37mmol)およびアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(229mg、0.996mmol)を添加した。混合物を20分間撹拌した後、塩化メチレン(2mL)中の4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(300mg、0.6mmol)の溶液を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。トリフェニルホスフィンの更なる樹脂(0.5g)、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(0.23g)、およびDCM(8mL)を添加し、更に2時間撹拌した。バイアルおよび樹脂をDCMで洗浄し、濾過した。濾液を10%NaOH水溶液で洗浄した。有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質をシリカゲルカラム(0〜15%メタノール/DCMで溶離)によって精製して、SEM保護された生成物を得た。LCMS(M+H)
+:633.5。精製された生成物に、塩化メチレン(1.5mL)およびトリフルオロ酢酸(1.5mL、19mmol)を添加し、2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、メタノール(3.5mL)およびエチレンジアミン(0.70mL、10mmol)を添加した。結果として生じた混合物を1時間撹拌し、次いで濃縮した。濃縮物をDCM中に取り込み、水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得、それをキラル分取−HPLC(Chiralcel OJ−Hカラム、4.6×250mm、5μ、60%エタノール/Hex、0.5mL/分)によって精製して、2つの鏡像異性体を得た。
鏡像異性体1(1番目に溶離):LCMS(M+H)
+:503.3。
鏡像異性体2(2番目に溶離):
1H NMR(DMSO−d
6)δ8.78(s、1H)、8.67(s、1H)、8.35(s、1H)、7.59(d、1H)、6.96(d、1H)、6.64(t、3H)、4.94(m、1H)、4.36(m、1H)、3.39(m、2H)、3.19(d、3H)、2.77(m、3H)、2.60(m、1H)、2.32(m、2H)、2.10(s、6H)、1.83(m、2H)、1.54(m、2H)。LCMS(M+H)
+:503.3。
【0250】
実施例21〜30.
下記の表中の実施例を、実施例20、ステップ2〜3を生成するための手順に類似した手順によって行った。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0251】
実施例31.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル(2つのジアステレオマー)
【化29】
ステップ1.tert−ブチル4−[(トリメチルシリル)オキシ]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート
【化30】
DMF(20mL)中のtert−ブチル4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(7.73g、38.8mmol)の溶液に、クロロトリメチルシラン(5.91mL、46.6mmol)、続いてトリエチルアミン(13.0mL、93.2mmol)を添加した。結果として生じた不均質な混合物を80℃まで加温し、24時間撹拌した。冷却した混合物を濾過し、ヘキサンで希釈し、飽和NaHCO
3(3回)およびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、油として6.2g(58%)の所望の生成物を得た。LCMS(M+H−56)
+:216.1。
【0252】
ステップ2.tert−ブチル3−フルオロ−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
【化31】
周囲温度のアセトニトリル(140mL)中のtert−ブチル4−[(トリメチルシリル)オキシ]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(6.15g、22.6mmol)の溶液に、Selectfluor(8.84g、25.0mmol)を少量ずつ添加した。混合物を2時間撹拌し、次いで濃縮して乾燥させ、酢酸エチルとブラインとの間で分配した。水性層を酢酸エチルで抽出し、組み合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質をシリカゲルカラムで精製して、固体として所望の生成物(3.6g、73%)を得た。LCMS(M+H−56)
+:162.1。
【0253】
ステップ3.tert−ブチル3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
【化32】
メタノール(20mL)中のtert−ブチル3−フルオロ−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(3.60g、16.6mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.815g、21.5mmol)を添加した。反応溶液を室温で2時間撹拌した。反応物を水で反応停止処理し、メタノールを真空下で除去した。水性層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮した。粗物質を、ヘキサン中0〜50%酢酸エチルの勾配で溶離する、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、ジアステレオマー1(1番目に溶離)(0.95g、26%)およびジアステレオマー2(2番目に溶離)(2.7g、74%)を得た。LCMS(M+H−56)
+:164.1。
【0254】
ステップ4.tert−ブチル4−(ベンゾイルオキシ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート
【化33】
0℃のTHF(10.0mL)中のtert−ブチル3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(ジアステレオマー1、0.95g、4.3mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱物油中60%、0.260g、6.50mmol)を添加した。0.5時間撹拌した後、塩化ベンゾイル(0.604mL、5.20mmol)を添加し、2時間撹拌した。反応物を1NのHClで反応停止処理し、酢酸エチルで希釈した。水性層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製して、油(0.80g、57%)として、所望の生成物を得た。前のステップからのジアステレオマー(Diasteromers)2を、同様の条件を使用して、収率63%で所望の生成物に変換した。LCMS(M+Na)
+:346.1。
【0255】
ステップ5.3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩
【化34】
塩化メチレン(38mL)中のtert−ブチル4−(ベンゾイルオキシ)−3−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(ジアステレオマー2、2.6g、8.0mmol)の溶液に、ジオキサン(16mL、64mmol)中の4.0M塩化水素を添加した。反応溶液を周囲温度で6時間撹拌した。反応溶液をエーテルで希釈した。沈殿物を濾過し、乾燥させて、白色の固体(1.8g、100%)として、所望の生成物を得た。ジアステレオマー1を、同様の条件下で、収率100%で所望の生成物に変換した。LCMS(M+H)
+:224.1。
【0256】
ステップ6.1−((R)−3−シアノ−2−ヒドロキシプロピル)−3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩
【化35】
エタノール(5.4mL)中の3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩(ジアステレオマー1、532mg、2.38mmol)および(3R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタンニトリル(301mg、2.44mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(1.02g、12.1mmol)を添加した。混合物を90℃で20時間撹拌した。冷却後、エタノールのほとんどを蒸発させた。残りの混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機物質を次いで、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物をLCMS(0.15%NH
4OHを含有する勾配MeCN/H
2Oで、60mL/分で溶離する、C18カラム)で精製して、所望の生成物(0.375g、51%)を得た。生成物を、ジアステレオマー2から、同様の手順を使用して、収率43%で合成した。LCMS(M+H)
+:307.1。
【0257】
ステップ7.1−{3−シアノ−2−[(メチルスルホニル)オキシ]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩
【化36】
DCM(7mL)中の1−(3−シアノ−2−ヒドロキシプロピル)−3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩(ジアステレオマー1、0.375g、1.22mmol)の溶液に、0℃のトリエチルアミン(0.256mL、1.84mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(0.133mL、1.71mmol)を添加した。反応溶液を0℃で1時間撹拌した。反応物を水で反応停止処理し、DCMで希釈した。有機溶液を水(2回)で洗浄した。有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、油として所望の生成物(0.47g、100%)を得た。粗物質を次の反応のために即座に使用した。生成物を、ジアステレオマー2から、同様の手順を使用して、収率100%で合成した。LCMS(M+H)
+:385.1。
【0258】
ステップ8.1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩
【化37】
DMF(4mL)中の1−{3−シアノ−2−[(メチルスルホニル)オキシ]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩(0.407g、1.06mmol)(ジアステレオマー2)および4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.36g、1.1mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.46g、3.3mmol)を添加した。結果として生じた混合物を室温で4日間撹拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、次いで水(2回)およびブラインで洗浄した。有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。生成物をLCMS(0.15%NH
4OHを含有する勾配MeCN/H
2Oで、60mL/分で溶離する、C18カラム)で精製して、所望の生成物(0.389g、61%)を得た。生成物を、ジアステレオマー1から、同様の手順を使用して、収率52%で合成した。LCMS(M+H)
+:604.3。
【0259】
ステップ9.4−(3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化38】
アセトニトリル(2.0mL)および水(1.0mL)中の、1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル安息香酸塩(0.389g、0.644mmol)(ジアステレオマー2)の溶液に、水酸化リチウム(30.8mg、1.29mmol)を添加した。反応溶液を室温で一晩撹拌した。反応溶液を酢酸エチルおよび水で希釈した。水性層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物(0.322g、100%)を得た。生成物を、ジアステレオマー1から、同様の手順を使用して、収率100%で合成した。LCMS(M+H)
+:500.3。
【0260】
ステップ10.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル
【化39】
塩化メチレン(0.6mL)中のトリフェニルホスフィン(63.8mg、0.133mmol)および3−フルオロ−5−ヒドロキシベンゾニトリル(12.5mg、0.0910mmol)の樹脂の混合物に、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(22.3mg、0.0970mmol)(DBAD)を添加した。混合物を15分間撹拌した後、塩化メチレン(0.2mL)中の4−(3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(30.3mg、0.0606mmol)(ジアステレオマー2)の溶液を添加した。反応物を一晩室温で撹拌し、次いで更なる1回分のトリフェニルホスフィンの樹脂およびDBADを添加し、溶液を6時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。バイアルおよび樹脂をDCMで洗浄し、濾過した。濾液を10%NaOH水溶液で洗浄した。有機物をMgSO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質をメタノールで希釈し、分取LCMS(0.1%TFAを含有する勾配MeCN/H
2Oで、30mL/分で溶離する、Sunfire C18カラム)で精製して、所望の生成物(11mg、29%)を得た。生成物を、ジアステレオマー1から、同様の手順を使用して、収率14%で合成した。LCMS(M+H)
+:619.3。
【0261】
ステップ11.3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル
DCM(0.5mL)中の3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロベンゾニトリル(11mg、0.018mmol)の溶液に、0.5mLのTFAを添加した。混合物を1時間撹拌し、溶媒を除去した。残渣をメタノール(1mL)中に溶解させ、0.2mLのEDAを添加した。2時間撹拌した後、反応溶液をメタノールで希釈し、分取−LCMS(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する、C18カラム)によって精製することにより、生成物(5.4mg、62%)を得た。生成物を、ジアステレオマー1から、同様の手順を使用して、収率61%で合成した。LCMS(M+H)
+:489.2。
【0262】
実施例32.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(ジアステレオマー2)
【化40】
ステップ1.メチル3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸塩
【化41】
この化合物を、実施例31、ステップ10の手順に従って、出発物質として4−(3−フルオロ−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(266mg、0.532mmol)(ジアステレオマー2)および3−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸塩の使用により調製した。LCMS(M+H)+:652.3。
【0263】
ステップ2.4−{3−フルオロ−4−[3−フルオロ−5−(ヒドロキシメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化42】
テトラヒドロフラン(THF)(6.7mL)中のメチル3−[(1−{3−シアノ−2−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロピル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)オキシ]−5−フルオロ安息香酸塩(148mg、0.227mmol)(ジアステレオマー2)の溶液に、テトラヒドロホウ酸リチウム(9.9mg、0.45mmol)を添加した。結果として生じた溶液を室温で1時間撹拌した。反応物を1NのHCl溶液で反応停止処理した。有機溶液をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質をLCMS(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する、C18カラム)で精製して、所望の生成物(42mg、30%)を得た。LCMS(M+H)+:624.3。
【0264】
ステップ3.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−ホルミルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化43】
DCM(3mL)中の4−{3−フルオロ−4−[3−フルオロ−5−(ヒドロキシメチル)フェノキシ]ピペリジン−1−イル}−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(42.0mg、0.0673mmol)(ジアステレオマー2)の溶液に、デス−マーチン−ペルヨージナン(57mg、0.13mmol)を添加した。反応溶液を周囲温度で1時間撹拌した。反応溶液をエーテルおよび飽和炭酸ナトリウムで希釈し、撹拌すると、やがて2つの透明な層が形成された。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を精製なしに使用した。LCMS(M+H)+:622.3。
【0265】
ステップ4.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化44】
DCM(0.10mL)中の(2R)−2−メチルピロリジン(2.3μL、0.023mmol)および4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−ホルミルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(13.5mg、0.0217mmol)(ジアステレオマー2)の混合物に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(13mg、0.032mmol)の樹脂を添加した。結果として生じた混合物を一晩撹拌した。反応溶液を濾過し、更なるDCMで洗浄し、濃縮した。残渣をLCMS(0.15%NH
4OHを含有するACN/H
2Oの勾配で溶離する、C18カラム)で精製して、所望の生成物(3.4mg、23%)を得た。LCMS(M+H)+:691.4。
【0266】
ステップ5.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
この化合物を、実施例31、ステップ11の手順に従って、出発物質として4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(ジアステレオマー2)の使用により調製した。LCMS(M+H)+:561.3。
【0267】
実施例33.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(ジアステレオマー2)
【化45】
ステップ1.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル
【化46】
この化合物を、実施例32、ステップ4の手順に従って、出発物質として(2S)−2−メチルピロリジンおよび4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−ホルミルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(ジアステレオマー2)を使用して調製した。LCMS(M+H)+:691.4。
【0268】
ステップ2.4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(ジアステレオマー2)
この化合物を、実施例31、ステップ11の手順に従って、出発物質として4−[3−フルオロ−4−(3−フルオロ−5−{[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]メチル}フェノキシ)ピペリジン−1−イル]−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]ブタンニトリル(ジアステレオマー2)の使用により調製した。LCMS(M+H)+:561.3。
【0269】
実施例A:体外JAKキナーゼアッセイ
本明細書の化合物を、JAK標的の阻害活性について、Park et al.,Analytical Biochemistry 1999,269,94−104に記載される、次の体外アッセイに従って試験した。N末端Hisタグを有するヒトJAK1(a.a.837−1142)およびJAK2(a.a.828−1132)の触媒ドメインを、昆虫細胞中のバキュロウイルスを使用して発現させ、精製した。JAK1およびJAK2の触媒活性を、ビオチン化ペプチドのリン酸化を測定することによってアッセイした。リン酸化されたペプチドを、均一時間分解蛍光測定(homogennous time resolved fluorescence、HTRF)によって検出した。化合物のIC
50を、100mM NaCl、5mM DTT、および0.1mg/mL(0.01%)BSAを含む、50mMトリス(pH7.8)緩衝液中、酵素ATPおよび500nMペプチドを含有する40マイクロリットルの反応物中の各キナーゼについて測定した。1mMのIC
50測定のためには、反応物中のATP濃度は1mMであった。反応を室温で1時間行い、次いでアッセイ緩衝液(Perkin Elmer,Boston,MA)中、20μL 45mM EDTA、300nM SA−APC、6nM Eu−Py20により停止した。Europium標識抗体への結合は、40分間にわたって起こり、HTRFシグナルをFusionプレートリーダー(Perkin Elmer,Boston,MA)上で測定した。本発明の化合物(1mMで)に関連するデータについては、表AおよびBを参照されたい。データは範囲として示され、ここで「+」は5nM未満であり、「++」は5nM〜25nMであり、「+++」は25nM超〜100nMであり、「++++」は100nM超である。
【表2】
【表3】
【0270】
実施例B:細胞アッセイ
成長のために、サイトカインおよび故にJAK/STATシグナル伝達に依存する癌細胞株を、1ウェル当たり(96ウェルプレート型)6000細胞で、RPMI 1640、10%FBS、および1nG/mLの適切なサイトカイン中でプレートすることができる。化合物を、DMSO/培地(最終濃度0.2%DMSO)中の細胞に添加し、72時間、37℃、5%CO
2でインキュベートすることができる。細胞生存能に対する化合物の効果を、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)、続いてTopCount(Perkin Elmer,Boston,MA)定量化を使用して測定する。化合物の可能性のあるオフターゲット効果を、同じアッセイ読出しを用いた非JAK主導型細胞株を使用して、並行して測定する。全ての実験を、典型的に二重で行う。
【0271】
上記の細胞株を使用して、JAKキナーゼまたはSTATタンパク質、Akt、Shp2、もしくはErk等の可能性のある下流基質のリン酸化に対する、化合物の効果を検査することもできる。これらの実験は、一晩のサイトカイン飢餓処理、続いて化合物での短時間のプレインキュベーション(2時間以下)、およびおよそ1時間以下のサイトカイン刺激に続いて行うことができる。タンパク質を次いで細胞から抽出し、ウエスタンブロッティングまたはELISAを含む、当業者に周知の技法によって、リン酸化タンパク質と総タンパク質とを区別し得る抗体を使用して分析する。これらの実験は、正常細胞または癌細胞を利用して、腫瘍細胞生存生物学に対するまたは炎症性疾患のメディエーターに対する、化合物の活性を調べることができる。例えば、後者に関して、IL−6、IL−12、IL−23、またはIFN等のサイトカインを使用してJAK活性化を刺激して、STATタンパク質(複数可)のリン酸化、および可能性として、IL−17等のタンパク質の転写プロフィール(アレイまたはqPCR技術によって評価)または生成および/もしくは分泌をもたらすことができる。これらのサイトカイン媒介型効果を阻害する化合物の能力は、当業者に一般的な技法を使用して測定することができる。
【0272】
本明細書の化合物はまた、突然変異体JAK、例えば、骨髄増殖性障害において見出されるJAK2V617F突然変異に対するそれらの効力および活性を評価するために設計された細胞モデルにおいて試験することもできる。これらの実験はしばしば、野生型または突然変異体JAKキナーゼが中で異所的に発現される、血液系譜(例えば、BaF/3)のサイトカイン依存性細胞を利用する(James,C.,et al.Nature 434:1144−1148、Staerk,J.,et al.JBC 280:41893−41899)。エンドポイントは、細胞生存、増殖、およびリン酸化JAK、STAT、Akt、またはErkタンパク質に対する化合物の効果を含む。
【0273】
本明細書のある種の化合物は、T細胞増殖を阻害するそれらの活性について評価することができる。かかるアッセイは、第2のサイトカイン(すなわちJAK)主導型増殖アッセイ、およびまた、免疫抑制または免疫活性化の阻害の単純化されたアッセイと見なすことができる。以下は、かかる実験をどのように行うことができるかについての簡潔な概要である。末梢血単核細胞(PBMCs)を、ヒト全血試料から、Ficoll Hypaque分離法を使用して調製し、T細胞(分画2000)は、PBMCから、水簸によって得ることができる。新鮮な単離ヒトT細胞を、細胞培養物(10%ウシ胎児血清、100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンを補充したRPMI 1640)中に、2×10
6細胞/mLの密度で、37℃で最大2日間維持することができる。IL−2刺激型細胞増殖分析のために、T細胞を最初に、フィトヘムアグルチニン(PHA)を用いて、10μg/mLの最終濃度で72時間処理する。PBSで1回洗浄した後、6000細胞/ウェルを96ウェルプレート中にプレートし、異なる濃度の化合物を用いて、培養培地中、100U/mLヒトIL−2(ProSpec−Tany TechnoGene;Rehovot,Israel)の存在下で処理する。プレートを37℃で72時間インキュベートし、増殖指数を、CellTiter−Glo Luminescent試薬を使用して、製造業者が推奨するプロトコル(Promega;Madison,WI)に従って測定する。
【0274】
実施例C:体内抗腫瘍の有効性
本明細書の化合物は、免疫欠陥を有するマウスのヒト腫瘍異種移植モデルにおいて評価することができる。例えば、INA−6形質細胞腫細胞株の腫瘍形成変異型を使用して、SCIDマウスに皮下で接種することができる(Burger,R.,et al.Hematol J.2:42−53,2001)。腫瘍担持動物を次いで、薬物またはビヒクル治療群に無作為化することができ、異なる用量の化合物を、経口、腹腔内、または埋め込み型ポンプを使用する連続注入を含む、任意の数の通常経路によって投与することができる。腫瘍成長を、カリパスを使用して経時的に追跡する。更に、腫瘍試料を、処置の開始後いずれの時点でも、上述の分析(実施例B)のために採取して、JAK活性および下流シグナル伝達経路に対する化合物効果を評価することができる。更に、化合物(複数可)の選択性を、K562腫瘍モデル等の、他の既知のキナーゼ(例えば、Bcr−Abl)によって主導される異種移植腫瘍モデルを使用して評価することができる。
【0275】
実施例D:マウス皮膚接触遅延型過敏反応試験
本明細書の化合物はまた、それらの(JAK標的を阻害する)有効性について、T細胞主導型マウス遅延型過敏性試験モデルにおいて試験することもできる。マウス皮膚接触遅延型過敏(DTH)反応は、臨床接触性皮膚炎、および乾癬等の他の皮膚のTリンパ球媒介型免疫障害の有効モデルと見なされている(Immunol Today.1998 Jan;19(1):37−44)。マウスDTHは、免疫浸潤物、炎症性サイトカインの随伴する増加、およびケラチノサイト過剰増殖を含む、乾癬の多数の特性を共有する。更に、臨床において乾癬を治療する際に効果的である薬剤の多くのクラスもまた、マウスにおけるDTH反応の有効な阻害剤である(Agents Actions.1993 Jan;38(1−2):116−21)。
【0276】
0および1日目に、Balb/cマウスを、剪毛した腹部への、抗原2,4,ジニトロ−フルオロベンゼン(DNFB)の局所適用により感作する。5日目、耳を、厚さについて、技師のマイクロメータを使用して測定する。この測定を記録し、ベースラインとして使用する。動物の耳の両方を次いで、0.2%の濃度で、総計20μL(10μLを内側耳介、10μLを外側耳介)のDNFBの局所適用によって攻撃する。攻撃の24〜72時間後、耳を再度測定する。試験化合物での処置を、感作および攻撃相全体を通じて(1日目〜7日目)、または攻撃相の前およびその全体を通じて(通常は4日目〜7日目の午後)与える。試験化合物(異なる濃度での)の処置を、全身的または局所的(耳への処置の局所適用)のいずれかで施す。試験化合物の有効性は、処置なしの状況と比較した、耳介腫脹における低減によって示される。20%以上の低減を引き起こす化合物を効果的と見なした。幾つかの実験においては、マウスを攻撃するが、感作はしない(陰性対照)。
【0277】
試験化合物の阻害(JAK−STAT経路の活性化を阻害する)効果は、免疫組織化学分析によって確認することができる。JAK−STAT経路(複数可)の活性化は、機能的転写因子の形成および移行をもたらす。更に、免疫細胞の流入およびケラチノサイトの増殖の増加はまた、調査および定量化され得る、耳における固有の発現プロフィール変化も提供するはずである。ホルマリン固定されパラフィン包埋された耳切片(DTHモデルにおける攻撃相の後に採取)を、リン酸化STAT3(クローン58E12、Cell Signaling Technologies)と特異的に相互作用する抗体を使用する免疫組織化学分析に供する。マウス耳を、試験化合物、ビヒクル、もしくはデキサメタゾン(乾癬に対する臨床的に効果的な処置)で処置するか、または比較のためにDTHモデルにおいていかなる処置も用いない。試験化合物およびデキサメタゾンは、定性的かつ定量的に同様の転写変化をもたらすことができ、試験化合物とデキサメタゾンの両方が、浸潤細胞の数を低減することができる。試験化合物の全身投与および局所投与の両方が、阻害効果、すなわち、浸潤細胞の数の低減および転写変化の阻害をもたらすことができる。
【0278】
実施例E:体内抗炎症活性
本明細書の化合物は、単回または複合炎症反応を再現するよう設計された齧歯類または非齧歯類モデルにおいて評価することができる。例えば、関節炎の齧歯類モデルを使用して、予防的または治療的に投薬された化合物の治療可能性を評価することができる。これらのモデルには、マウスまたはラットコラーゲン誘発型関節炎、ラットアジュバント誘発型関節炎、およびコラーゲン抗体誘発型関節炎が含まれるが、これらに限定されない。多発性硬化症、I型糖尿病、網膜ブドウ膜炎、甲状腺炎、重症筋無力症、免疫グロブリン腎症、心筋炎、気道感作(喘息)、狼瘡、または大腸炎を含むがこれらに限定されない自己免疫疾患もまた使用して、本明細書の化合物の治療可能性を評価し得る。これらのモデルは、研究者の中で定着しており、当業者に周知である(Current Protocols in Immunology,Vol 3.,Coligan,J.E.et al,Wiley Press.、Methods in Molecular Biology Vol.225,Inflammation Protocols.,Winyard,P.G.and Willoughby,D.A.,Humana Press,2003.)。
【0279】
実施例F:ドライアイ、ブドウ膜炎、および結膜炎の処置のための動物モデル
薬剤は、ウサギコンカナバリンA(ConA)涙腺モデル、スコポラミンマウスモデル(皮下または経皮)、ボツリヌスマウス涙腺モデル、または眼球腺機能障害をもたらす幾つかの自然性齧歯類自己免疫モデル(例えば、NOD−SCID、MRL/lpr、またはNZB/NZW)(Barabino et al.,Experimental Eye Research 2004,79,613−621およびSchrader et al.,Developmental Opthalmology,Karger 2008,41,298−312、それらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)のうちのいずれかを含むが、これらに限定されない、当業者に既知のドライアイの1つ以上の前臨床モデルにおいて評価し得る。これらのモデルにおけるエンドポイントは、眼球腺および眼(角膜等)の組織病理、ならびに場合によっては、涙液生成を測定する古典的なシルマー試験またはその修正版(Barabinoら)を含み得る。活性は、測定可能な疾患が存在する前または存在した後に開始し得る、多数の投与経路(例えば、全身的または局所的)を介して投薬することによって、評価することができる。
【0280】
薬剤は、当業者に既知のブドウ膜炎の1つ以上の前臨床モデルにおいて評価し得る。これらには、実験的自己免疫ブドウ膜炎(EAU)およびエンドトキシン誘発型ブドウ膜炎(EIU)のモデルが含まれるが、これらに限定されない。EAU実験は、ウサギ、ラット、またはマウスにおいて行ってもよく、受動免疫化または能動免疫化を伴い得る。例えば、幾つかの網膜抗原のうちのいずれかを使用して、動物を関連する免疫原に対して感作し得、その後、動物を、同一の抗原で眼部攻撃することができる。EIUモデルは、より急性であり、致死未満用量のリポ多糖類の局所投与または全身投与を伴う。EIUモデルおよびEAUモデルの両方のエンドポイントは、とりわけ、眼底検査、組織病理を含み得る。これらのモデルは、Smithらによって概説される(Immunology and Cell Biology 1998,76,497−512、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。活性は、測定可能な疾患が存在する前または存在した後に開始し得る、多数の投与経路(例えば、全身的または局所的)を介して投薬することによって、評価され得る。上に列挙された幾つかのモデルはまた、強膜炎/上強膜炎、脈絡膜炎、毛様体炎、または虹彩炎も発症し得、しがたってこれらの疾患の治療処置に対する化合物の活性可能性を調査する際に有用である。
【0281】
薬剤はまた、当業者に既知の結膜炎の1つ以上の前臨床モデルにおいて評価され得る。これらには、モルモット、ラット、またはマウスを利用する齧歯類モデルを含むが、これらに限定されない。モルモットモデルには、受動免疫化もしくは能動免疫化および/または卵白アルブミンもしくはブタクサ等の抗原による免疫攻撃プロトコルを利用するモデルが含まれる(Groneberg,D.A.,et al.,Allergy 2003,58,1101−1113に概説され、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ラットモデルおよびマウスモデルは、一般設計においてモルモットにおけるモデルと同様である(これもGronebergによって概説される)。活性は、測定可能な疾患が存在する前または存在した後に開始し得る、多数の投与経路(例えば、全身的または局所的)を介して投薬することによって、評価され得る。かかる研究のエンドポイントは、例えば、結膜等の眼組織の組織学的、免疫学的、生化学的、または分子アッセイを含み得る。
【0282】
実施例G:骨の体内保護
化合物は、当業者に既知の骨減少症、骨粗鬆症、または骨吸収の種々の前臨床モデルにおいて評価し得る。例えば、卵巣切除された齧歯類を使用して、骨再構築および/または密度の徴候およびマーカーに影響を及ぼす、化合物の能力を評価することができる(W.S.S.Jee and W.Yao,J Musculoskel.Nueron.Interact.,2001,1(3),193−207、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。代替的に、骨密度および骨構造を、療法(例えば、糖質コルチコイド)誘発型骨減少症のモデルにおける対照または化合物処置齧歯類において、評価することができる(Yao,et al.Arthritis and Rheumatism,2008,58(6),3485−3497、および同書58(11),1674−1686、それらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。更に、骨吸収および密度に対する化合物の効果は、上述の関節炎の齧歯類モデルにおいて評価可能であり得る(実施例E)。全てのこれらのモデルに対するエンドポイントは、異なり得るが、しばしば、骨再構築の組織学的および放射線学的評価、ならびに免疫組織学(immunohisotology)および適切な生化学マーカーを含む。
【0283】
本明細書に記載されるものに加えて、本発明の種々の修正が、前述の説明から当業者に明らかとなろう。かかる修正もまた、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本出願において引用される、全ての特許、特許出願、および刊行物を含む、各参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。